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2019年08月31日
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カテゴリ: 自動車
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 フォルクスワーゲンの初代ビートルは、ヒトラーの作ったアウトバーンを疾駆するため流線型のフォルムとなったとされることが多い。
 第二次世界大戦に入る前の段階で近未来的なデザインとして「流線型」「流線形」が流行っていたからだ。
 VWビートルも同じくリヤエンジンのポルシェ911も、最初のデザインが偉大すぎて、未だそれを凌駕できない。
 恰好良さと親しみがあいまった、絶妙なデザインだ。
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VW「ビートル」が
御堀 直嗣 : モータージャーナリスト
2019年7月20日 東洋経済オンライン
 ドイツを代表するスポーツカーのポルシェは、 ボヘミア生まれの技術者であるフェルディナント・ポルシェ博士 の息子フェリーが生み出した。
 では、ポルシェ博士の功績とは何かというと、その1つに小型大衆車のフォルクスワーゲン・タイプ1、通称ビートルがある。
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 ビートルは、1978年までドイツ国内で製造され、その後はメキシコで2003年まで生産が続き、累計で2153万台が造られた。
 1つの基本設計のクルマがこれほどの数製造された例はほかにない。
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 ドイツでの初代ビートル生産終了後の 1998年に、フォルクスワーゲン・ゴルフを基にした第2世代のビートルが、ニュー・ビートル の車名で誕生した。
 続いて 2011年からは、第3世代のザ・ビートル と呼ばれる車種へ引き継がれた。
 これが今年、いよいよメキシコでの生産を終え、一連のビートルの歴史に幕が閉じられることになったのである。
 フェルディナント・ポルシェ博士の構想から生まれたビートルの姿は、約80年の歴史を経て消えることになる。
  ― 引用終り ―
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 技術的必然性がないフォルムだから幕を閉じた、という主張は適切だ。
 根本は初代デザインの持つ親しみを持っていなかったからだろう。
 車の売行きは必然性だけでは解釈しがたい。
 フォルムに技術的必然が表れているの確かだ。
 流線型はそのレイアウトから生み出されるものも多いと考えられる。
 1930年代、チェコのハンス・レドヴィンカは、タトラ社で、SOHC動弁機構、バックボーンフレーム、スイングアクスル式後輪独立懸架、空冷リアエンジン方式、流線型車体を組合わせた車両を設計していた。
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 パナール・ルヴァッソールのシステム・パナール(フロントエンジン・ミッション・プロペラシャフトによるリアドライブ)を採用し、標準化したのと打ち破る、当時の技術水準を駆使した画期的なアイデアだった。 
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 ポルシェ博士は、これを下敷きにして(パクッて)ビートルやポルシェ911を開発した。
 システム・パナール(FR)は、プロペラシャフトと後輪の固定駆動軸による重量増加がハンディとなった。
 当時「等速ジョイント」の技術がなく、前輪駆動(FF)は、車輪に舵角が生じた状態でも滑らかに駆動力を伝えられず、ジョイントの耐久性に欠けるものだった。
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 レドヴィンカのリアエンジン(RR)は、変速機と差動装置を一体としたトランスアクスルと、ハーフシャフトによるジョイントレス・スイングアクスルを使って後輪を駆動する。 
 エンジン、ミッションなどの重量物を集中することによる軽量化、プロペラシャフトがないことによる床面低下による低重心化、振動の軽減などが実現できる、実に合理的なレイアウトだった。
 駆動輪に掛かる重量が増えることで接地性を高めることもできた(当時のFFは逆の例があった)。
 RRレイアウトで居住空間の高さを十分にとり、エンジンを滑らかにカバーすると、流線形になる。
 タトラのRR車、VWビートル、RRのポルシェ、ルノー4CVなどは流線型のボディが架装された。
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 ルノーと同様に水冷RRのアルピーヌA110、A310も流線型のボディを纏った。
 RRレイアウトはボディの最後部を角ばらせる必然性が薄いからだ。
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最終更新日  2019年08月31日 06時00分18秒
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