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2021年07月05日

三菱自動車罰金33億円と三菱自動車の不正

テーマ：自動車・交通(1713)

カテゴリ：組織自壊・ﾌﾞﾗｯｸ企業

　アジア市場の不振などで業績が厳しい三菱自動車が、ドイツで33億円の罰金の支払いが確定。
　　　　　

【独自】
 三菱自、ドイツに罰金33億円 
…排ガス検査「改善不十分」と認定

2021年6月25日読売新聞

　三菱自動車が、欧州で販売していたディーゼル車のエンジンについて、排ガス検査への対応に過失があったことを認め、現地の関連会社と計2500万ユーロ（約33億円）の罰金をドイツ当局に支払っていたことが分かった。

　ドイツの検察当局は、三菱自が2012年以降に登録したディーゼル車の一部エンジンで、検査時に不正に有害物質の排出を減らす装置を使った疑いがあるとして、20年1月から調査していた。三菱自は社内調査で不正な装置の使用はなかったと主張していた。

　三菱自によると、対象となった車は認証時には検査の基準を満たしていた。独フォルクスワーゲン（ＶＷ）による排ガス不正事件を機に検査の内容が厳格化されたため、ドイツの運輸当局と対応を協議していたところ、検察当局から「改善が不十分」と認定され、監督義務を怠ったなどとして、３月下旬に罰金の支払いを命じられた。

　検察当局から意図的な不正はなかったことが認められたこともあり、三菱自は過失を認め、罰金を納付したという。

　　―　　引用終り　　―

　今回の件は過失と認定されたが、三菱自はこれまで会社が存続の危機に立たされるような不正を繰り返してきた。

　2000年6月12日に運輸省自動車交通局のユーザー業務室に、三菱自動車社員による匿名の内部告発による通報でリコール隠しが発覚した。
　リコールの対象は、23年間分で10車種以上、18件約69万台。
　リコール制度発足から30年以上、顧客からのクレームを隠し、ひそかに修理するヤミ改修を長年続けていたことも発覚した。
　このリコール隠しにより、三菱車の販売台数が激減、販売店などでは退職者が続出。
　2001年、大江工場（愛知県名古屋市港区）が、2003年、カープラザが閉鎖に追い込まれた。

　2003年、トラック・バス部門を分社化（三菱ふそうトラック・バス）した。

　2004年、2000年のリコール隠しを上回る74万台のリコール隠しが発覚。トラックに装着されている1993年製「D 型ハブ」の金属疲労による破損で死亡事故が起こり、欠陥が裁判所により認定されたため、リコールの届け出がされた。
　2004年4月22日、三菱自工の筆頭株主であったダイムラー・クライスラーが財政支援の打ち切りを発表し、三菱自工のエクロート社長が任期を待たずして、4月26日に社長を辞任した。

　2004年5月6日、大型トレーラーのタイヤ脱落事故で、三菱ふそう前会長の宇佐美や元常務ら7人が神奈川県警察に逮捕、5月27日、横浜区検察庁・横浜地方検察庁は宇佐美ら5人と法人としての三菱自工を起訴した。6月10日、別の事故で三菱自工の河添元社長や宇佐美ら元役員6人が、神奈川県警察・山口県警察などに逮捕された。
　　　　　

　2012年に国交省に軽自動車エンジン(3G83型)のオイル漏れの不具合について内部告発がなされた。
　国土交通省の調査の結果法律違反はなかったとされたものの、2005年2月に不具合を把握していたにもかかわらず、極めて不十分な対応とされた。

　2016年4月20日、軽自動車の共同開発先の日産自動車の指摘により燃費試験の不正問題が発覚。日産自動車との合弁会社であるNMKVで開発した4車種（eKワゴン/eKスペース/日産・デイズ/日産・デイズルークス）の販売停止した。
　軽自動車などの燃費を実際より良く見せるため、国に提出する走行試験データを意図的に操作していた。
　2017年1月27日、消費者庁が、三菱自動車と日産自動車に対して、不当景品類及び不当表示防止法（景品表示法）の優良誤認違反で、措置命令と4億8,507万円の課徴金納付命令を出した。
　2021年1月29日、軽自動車の購入者ら30人が同社と各地の販売店に購入代金の賠償などを求めた訴訟の判決が大阪地裁であった。田口治美裁判長は8人に計約370万円を支払うよう一部販売店に命じる一方、三菱自への請求は棄却した。
　　　　　

　2016年10月、日産自動車が筆頭株主（株式34％保有）となり、日産自動車傘下となり、ルノー・日産・三菱同盟の一員となった。

　2020年、三菱自動車に勤めていた男性社員（当時47歳）が2019年2月に自殺したのは、長時間労働（月139時間以上）により発症した精神疾患が原因だったとして、三田労働基準監督署が5月28日に労災認定していたことが判明した。
　　　　　