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2021年10月10日
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カテゴリ: 自動車
​■マスタングとファイヤーバード その3 ​​
 1979年モデルの4代目マスタングは、オイルショック以降続いていた低燃費指向を受けて小型化が継続され、全長は約4.5mとなった。
 シャシーはピントからフェアモントの「FOXプラットフォーム」に変更。シャシー名から 「FOXマスタング」 という通称で呼ばれた。
 スポーティグレードのMach1が廃止され、 「コブラ・パッケージ」が登場 した。コブラは フォード車初となるターボエンジン (直列4気筒SOHC 2.3L)に、4速MTを組み合わせた。


 1980年モデルからエンジンの構成が大幅に変更となり、V6エンジンが直6 200cu.in(3,277cc)、V8エンジンが255cu.in(4,179cc)となった。


3代目(1982-1993)
・1982年モデル
 先代よりボディサイズは
一回り縮小され( 全長4,770mm×全幅1,840mm×全高1,260mm) 軽量になり、デザインは空力的に洗練された。
 当初のグレード展開はベースモデル、S/E、トランザム。
 ボディスタイルは風洞実験が重視され、フロントウインドシールドは62度と大きく傾斜し、リヤはガラス製ハッチバックとなった。
 姉妹車のシボレー・カマロとの外観の最大の相違点はリトラクタブル・ヘッドライトによる低いノーズ。空力的洗練度を高めたことで、
カマロの Cd値 0.368を凌ぐ 0.323( トランザム )となった。走行風を主にバンパー下より取り入れるため、車体前端下面のエアダムが破損するとオーバーヒート気味となった。
 内装は各部にネジの頭が露出しており、航空機のコックピットをモチーフにした。
 当初トランザムには4.9 Lターボが搭載される計画で、第二世代のターボ・トランザム同様のターボ・バルジがボンネットに設けられたが、直前になってターボエンジンの搭載が中止、バルジはクロスファイヤ・インジェクションの冷気吸入システム用エアインテークとして使用された。

     ​
​・トランザム2000 K.I.T.T.​
 米国で1982年から放送された人気テレビドラマ『ナイトライダー』に、1982年モデルのトランザムをモディファイした劇用車が、KITT(ナイト・インダストリー・2000)の名で主人公のパートナーとして登場した。
 主演のデビッド・ハッセルホフは外見が全く同じにカスタマイズされたモデルを個人的に所有していた。
     ​
・1983年モデル
 デイトナ500ペースカーに選ばれたのを記念し、ペースカーのレプリカが限定発売された。
 レプリカは、白/チャコールのツートーン塗装、特製デカール、車体全周の「グラウンド・エフェクト」スカート、フロントグリルに代わる樹脂パネル、15インチエアロ・ホイール、本革/スエードのレカロ製シート等を装備した。


・1984年モデル
 デイトナペースカーレプリカのスカートがトランザムにオプション設定された。
 同じくオプションで新デザインの15インチ・アルミが登場(ゴールドかシルバーの選択可)。
Tバールーフの トランザム15周年記念特別仕様車 が数量限定発売された。
 外観は、白いボディに青のピンストライプ、 ターボバルジ用デカール、 白のストライプ入りテールライト。
 内装は
、オフホワイト/グレーの本革レカロシート、白の本革巻きステアリングホイール、シフトグリップ、パーキングブレーキグリップ。
 足回りは、
白の16インチ・アルミ・ホイール、リアスタビライザー径を23mmから25 mmにアップ、WS6ハンドリングパッケージ、4輪ディスクブレーキ。


・1985年モデル
 パワートレインの変更が行われた。
 ファイヤーバードはフロントグリルを「バンパーレット」と呼ばれるバンパー・インサートを導入(リヤバンパーも同様)しい変更。
 全グレードで16インチ・アルミ・ホイールがオプション装備可能となった。

 ボンネットのターボ・バルジが廃止され、エアーインレット/アウトレットが2個ずつ装備された。
 レカロパッケージは廃止され、レカロシートのみがオプション装備となった。


・1986年モデル
 リヤハッチ上端にハイマウント・ストップランプ設置。
 1967年以来続いたスリット/ルーバー処理のテールランプ・レンズが廃止された。
 4気筒エンジンはカタログ落ち、MPIのV型6気筒2.8Lが標準装備になった。
 トランザムはゴム/ビニール製ラップアラウンド型リアスポイラーが標準装備(色は黒のみ)された。ウィング型スポイラーを選択できた。
 年央にトランザムのオプションとして軽量クロスレース・ホイールが設定された。
・1987年モデル
 ハイマウント・ストップランプがスポイラーとリアデッキの間へ移動。
火の鳥デカールのオプションが廃止 された。
 V8エンジンはローラーロッカーアームとなった。また「モア・パワー」の要求によりTPI(Tuned Port Injection) 5.7リットルV型8気筒エンジンが搭載できた。210馬力を発生し、5.0L、TPIエンジンに変わる最上級エンジンとなった。
 L69は生産中止となり、F-Body用キャブ付きV8はLG4のみとなった。
 最上級モデルとしてトランザムGTA(Gran Trismo Americano)が登場。
 LB9 305TPIエンジン(215馬力)またはL98 350TPIエンジンが搭載され、ツートン塗装、デカール、フェンダーエアダクトは廃止。
 豪華装備による車重増加からくる燃費悪化を少しでも抑えガスガズラー税から逃れるため、オプションの金色フラット・メッシュのダイヤモンドスポーク・16インチホイールが標準化された。


 S/Eに代わりファイヤーバード・フォーミュラが再登場。
 軽量・廉価なV8モデルという位置付けで、エンジンはLG4、LB9 305 TPI、L98 350 TPIを選択可、16インチホイールと以前のトランザム用「ターボ・バルジ」付きボンネット(
ダミー インテーク)を備えた。
 ASC社で架装したコンバーチブルもこの年登場した。
・1988年モデル
 ノッチバックがGTAにオプション設定。従来のグラスハッチに代わるFRP製リヤハッチで、小型のガラス製リヤウインドウ付き。ノッチバック車には再設計されたヘッドレスト付き後席が装備される。ノッチバックはきしみ音やガタつきが発生しやすかった。生産量はわずか718台。


・1989年モデル
 新しい二重層触媒によりLB9、L98の出力が13%向上。Tバールーフがレキシマーによるアクリル製に変更された。リヤディスクブレーキ装着車にはPBRブレーキ・キャリパーと大型ローターが装着された。
 カマロとともに高い盗難率に対抗しVATS(Vehicle Anti Theft System)が導入された。
 トランザム20周年を記念して
白外装とタン内装の ターボ・トランザムが登場。V型6気筒3.8 Lターボ付きエンジンを搭載した。インディアナポリス500のペースカーにも選ばれた。
・1990年モデル
 内装の小変更。


・1991年モデル
 フロントノーズが「バンシーIV」コンセプトをモチーフとした、ヘッドランプ直前のスリットを廃止したものに変更された。「グラウンド・エフェクト」スカートの形状も変更され、ベースモデルでも選択可となった。
・1992年モデル
 第4世代モデルの登場が近く、大きな変更はなかった。
 SLPパフォーマンス・パーツによってファクトリー・チューンされた、「ファイヤーホーク」が登場した。


・1993年モデル
 ファイヤーホークは、300馬力に増強され、機能的なボンネットとSLPパッケージを装備した。201台が製造された。
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最終更新日  2021年10月10日 15時00分07秒
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