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2023年04月25日
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テーマ: ロシア(103)
カテゴリ: 民間航空
 旅客機に使用するジェット・エンジンは、高出力、低燃費を実現し、米FAAの認証にたえるべく様々の観点からの耐久性も実現している。
 使用する素材から始まる高度な技術を要し、開発には多大な時間と費用がかかり、中・大型旅客機のエンジンで米国の空を飛べるものは限られている。
 軍用の大出力ジェットエンジンをもつロシアも、旅客機用のエンジンは西側のエンジンを使用している。
 ウクライナ侵略の対抗策の経済制裁により、ロシアの旅客機は、西側からの部品が手に入らず、エンジンの整備ができなくなった。
 そこに航空機整備の新たな手段として、イランが現れた。
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制裁下ロシアのアエロフロート
共同通信  2023年4月12日
 ロシア紙RBKは11日、同国最大の航空会社アエロフロート・ロシア航空が、保有するエアバスA330のうち1機を、機体修理サービスを受けるため、今月5日に初めてイランに送ったと報じた。イランの民間航空会社マハン航空で車輪支柱の修理を受けるという。
 ロシアは昨年2月のウクライナ侵攻後に経済制裁を科され、航空各社はエアバスやボーイングなど欧米製の旅客機を欧米向けに飛行できなくなった。欧米企業から機体整備や修理も受けられない状態にある。
 同紙は、同じく制裁で修理が欧米側から受けられず、独自に機体整備のノウハウを蓄積してきたイランにアエロフロートが目を付けたと指摘した。
(共同)
  ―  引用終り  ―
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 航空機は機種ごとで整備の方法が異なり、部品の指定があり、更新時期も定められている。イランによるアエロフロート機の整備は、機体の修理とのことだが、そのうちエンジンが使えなくなる、あるいはいつ故障してもおかしくない状態になることだろう。
 ロシア国産旅客機が幅広く使われる日が来ることだろう。
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ロシアに残された欧米の飛行機は、
2022.06.27 WIRED
 ウクライナへの侵攻によってロシアに対する制裁が厳しくなり、ロシアの航空会社が保有する多くの旅客機が修理困難な状態に陥った。欧米などのメーカーが部品の供給を停止したことが一因で、このままでは空の事故のリスクが高まる可能性が高いと専門家たちは危惧している。
 機体記号「YU-APH」をもつジェット旅客機「エアバスA320-232」の初飛行は、2005年12月13日のことだった。そこから航空会社を転々としたYU-APHは、インドのエア・デカンからキングフィッシャー航空、ポーランドのビンゴ・エアウェイズ、チュニジアのスファクス・エアラインズなどで使用され、数百万マイル(数百万キロメートル)もの距離を飛行した。そして14年、セルビアを代表する国営航空会社のエア・セルビアに引き取られたのである。
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 それから8年にわたって、YU-APHは何の問題もなく飛行していた。しかし、それも22年5月25日の午後10時37分、モスクワのシェレメーチエヴォ国際空港に到着するまでの話である。
 YU-APHはセルビアの首都・ベオグラードから出発し、深夜にモスクワに到着してから1時間以内に帰路のフライトに就く予定だった。ところが、機体に問題が発生した。エンジンの外装に問題が生じており、修理が必要であるとパイロットが報告したのである。
 壊れた部品の供給元は、米国のノースカロライナ州シャーロットに本社があるコリンズ・エアロスペースだった。同社は22年2月に始まったウクライナ侵攻によるロシアへの制裁を理由に、この問題の解決を拒否したとされる。こうしてYU-APHは、身動きがとれなくなってしまったのだ(この件に関してコリンズ・エアロスペースにコメントを求めたが、回答は得られていない)。
 その後、YU-APHの問題が“解決”してモスクワからベオグラードに向けて出発するまでには、およそ6日間を要している。エンジンの外装をどのように交換または修理したのか、どの企業がその部品を製造したのか、エア・セルビアにもコメントを求めたが回答は得られていない。
  ―  引用終り  ―
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 ロシア製旅客機も中国製旅客機も存在するが、米国FAAの型式証明を取得できず、世界一の市場である米国の空を飛ぶことは実現していない。
 最近ロシア国内で爆発事故が続いているが、共食い整備の果てに墜落事故が続く日がこないことを祈る。
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ボーイング・エアバスを超える日も近い? 
2022.2.12 Merkmal
山本哲也(交通ライター)
ロシア製のジェット旅客機「MC-21-300」が、将来世界の空に進出する。
ウクライナ情勢など、ロシアを取り巻く緊迫した政治状況下では材料調達のリスクも懸念される。
 2021年12月28日、ロシア製のジェット旅客機MC-21-300(英語表記:MS-21-300)が、ロシア連邦航空局により基本モデルとしての型式証明を受けた。型式証明とは、
「安全性および環境適合性の基準をクリアした航空機の型式ごとに与えられる認証」
であり、認証を受けた地域で運行が可能となる。
 順調に進めば、MC-21-300は今年中にロシア国内で定期運行を開始する。このロシア製のジェット旅客機は、世界の空へと将来進出し、ボーイングやエアバスの牙城に食い込めるのだろうか。今回はMC-21-300の今後について考察する。
  ―  引用終り  ―

 どんなに順調に進んでも、西側のジェットエンジンなしに、ロシアの旅客機が世界の空を飛べる日は来ない。
 世界市場を目指すロシア製MS21(MC21)は、エンジンは米国・プラット・アンド・ホイットニー製のPW1000ギヤードターボファンとロシア・アヴィアドヴィガーテリ製のPD-14ターボファンから選択となっている。主翼の材料である複合材は米国からの輸入となっている。





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最終更新日  2023年04月25日 06時00分10秒
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