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2023年11月05日
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 2023年10月13日、国土交通省は、ビッグモーターの保険金の不正請求問題をめぐり立ち入り検査を行った34の工場すべてで違反があったとして一定期間の事業停止処分を行う方針を明らかにした。必要な検査を一部実施せずに車検を通す不正が確認されたことも発覚。
 悪質な12工場について民間車検場として最も重い“指定取り消し”処分を行った。
 《ビッグモーターで車検通した車って普通に走ってるの?もう車検の意味ないじゃん》とのネットの声もあるが、残念ながら法はあるので意味はある。
 国交省は大昔の基準で作られた無駄臭い車検に関する法律を、現代版に改正すべき。
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 自動車保険の市場規模は自賠責保険を含め約5兆円。損害保険の約5割を占める損保会社の主力商品となっている。
 10月23日、損保7社がビッグモーターとの代理店契約を解約すると発表。ビッグモーターで車両を購入する客は別途、自身で保険契約をすることになる。
 なお、損害保険最大手の東京海上日動火災保険は8月24日にビッグモーターとの保険代理店委託契約を、10月1日付で解約すると発表済み。
 ビッグモーターのワンストップサービスが徐々に崩れていく。ようやくカウントダウンが始まったようだ。
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【速報】
 2023年10月23日 共同通信
 中古車販売大手ビッグモーターによる自動車保険の保険金不正請求問題を受け、三井住友海上火災保険は23日、ビッグモーターとの保険代理店委託契約を11月30日付で解約すると発表した。代理店契約を結ぶ損害保険会社7社がいずれも解約することになり、ビッグモーターが代理店業を続けるのは困難となった。
  ー  引用終わり  ー
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 10月20日、中古車販売大手グッドスピード(愛知県名古屋市)が自動車保険の保険金を損害保険各社に不正請求していた問題で、新たに91件の不正が見つかったことが報じられた。
 こちらも金融庁が怖いので、保険業界から追って沙汰があることだろう。
 ビッグモーター事件と並行して公正取引委員会は、私鉄大手の東急グループ向け火災保険などにおいて、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、損保ジャパン、あいおいニッセイ同和損害保険の4社が保険料を事前に調整した疑いがあるとして独占禁止法違反の疑いで調査に入っている。
 金融機関からの追加融資を断られたビッグモーターは現金確保に躍起となっていることが想像できる。
 個人客に売れない中古車をオークションに出品することは大いに考えられる。
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ビッグモーター
広報に問い合わせてみると…
2023.09.05 週刊現代講談社
子会社のオークション会場に…
 中古車販売業者の間でいま、ある疑惑が駆け巡っている。
 ビッグモーターが在庫を大量に「中古車オークション」に出品しているのではないか、というのだ。関東圏の中古車販売店経営者が明かす。
 「中古車業界には、専門業者しか参加できない『中古車オークション』というものが存在します。オークション会場は全国にあり、各地で週1回ほどの頻度でオークションが開催されている。
 ビッグモーターはオークション運営会社『ミライブ』を子会社に持っているんですが、そのミライブのオークション会場に大量に中古車が出品されているんです」
 顕著だったのは、お盆休みが終わった後に開催されたオークションだったという。実際に中古車情報サイトで確認すると、ミライブが所有する愛知・大阪・埼玉のオークション会場で、次の台数が出品されている。
・愛知(8月25日)2339台
・大阪(8月24日)2846台
・埼玉(8月23日)4634台
 「例年、お盆明けは出品台数が増えるものですが、この数は明らかに多い。前年同時期に行われたオークションと比較しても、1000台近く増えています」(前出の中古車販売店経営者)
 ビッグモーターの問題を追及してきた自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏が語る。
 「ミライブに出品された車がすべてビッグモーターの在庫であるかどうかは定かではありません。しかし、同社の店舗のなかには明らかに展示車が減っているところも少なくない。 度重なる不正発覚により車が売れなくなったビッグモーターが、在庫整理あるいは現金確保のために大量出品している可能性は極めて高い
  ー  引用終わり  ー
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 8月14日、ビッグモーターから借入金90億円の借り換えを求められた銀行団(メガバンク3行と広島銀行)が要請に応じない方針を伝えたことが報じられた。
 9月14日、ビッグモーターはビッグモーター、2回目の銀行団とも会合で事業の継続に向けた支援企業(スポンサー)を年内にも選定する意向を伝え、銀行団に取引継続を要請したと報じられた。
 10月27日、ビッグモーターは銀行団と3度目の会合で、複数のスポンサー候補と協議を進めていると説明した。
 オリックスなど複数の企業に支援を打診していたが、月末が近づいても支援スポンサーが決まらない状況が続いていると報じられた。
 10月30日、ビッグモーターは全国で9店舗を閉鎖し近隣店舗に機能を移管する方針を明らかにした。10月31日で営業を終了する店舗は平井(愛媛)、イオンモールかほく(石川)、天理(奈良)、高松空港通(香川)、本庄早稲田(埼玉)、青梅(東京)、北本(埼玉)、茨木(大阪)、佐世保(長崎)。
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 ビッグモーター再建事業に携わる大手コンサル企業のデロイトトーマツグループによる資産査定は完了していないと報じられている。
 10月30日、ビッグモーターの公式サイトに「不正アクセスによる個人情報漏えいの可能性に関するお詫びとお知らせ」を掲載し、「第三者から不正アクセスを受けたことにより、お問い合わせフォームにご連絡いただいた方々の個人情報の一部が漏えいした可能性があることが判明いたしました」と報告した。
 ビッグモーターの査定価格は車検不正、街路樹枯死問題などの後発事象でドンドン下落していると思われる。その間も展示中古車などの棚卸資産は減少しているはず。

 利に敏いオリックス、「ガリバー」などを展開するIDOMが支援を含めた検討していると報じられている。
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ビッグモーター不正事件で
平均年収1100万円、最高5000万円の「超高待遇」
鈴木貴博:百年コンサルティング代表
2023.7.28 DIAMOND online
  …  (略)  …
(3)ビッグモーターが救済されるとしたら
それはM&Aではない
 さて、飛ぶ鳥を落とす勢いで発展してきたビッグモーターという会社自体は間違いなく衰退に向かうでしょう。企業のブランドというものは、本業でここまでの不祥事が起きてしまうと、回復不可能なほどの傷がついてしまうものです。
 これまでは、このような不祥事が起きた企業がたどる道は二通りでした。業績が極端に低迷したのちに破綻を表明して、廃業ないしは民事再生に向かうのが一つの道。そしてもう一つは、ファンドないしは同業他社に買収される道です。
 では、同業他社にとってビッグモーターは有用でしょうか?
 私は、ビッグモーターについては企業やファンドによる買収(M&A)は起きないと予測しています。代わりに営業権が譲渡されることになるというのが私の予測です。
 中古車業界の他社から見れば、ビッグモーターのブランドは「絶対に要らないブランド」でしょう。
 しかし、店舗と工場、在庫車が安く手に入るなら、そこには非常に大きな経済価値があります。人手不足が企業成長のボトルネックになっている昨今ですから、若くて技術のある従業員がまとめて確保できることも魅力です。
 ただ、 M&Aできない最大の理由も人材にあります。なにしろサンプル調査によれば、4人に1人が不正に関与しているほどの企業です。管理職のパワハラ体質に関する報道もあります 。人気ドラマになぞらえて言えば「腐ったミカン」が心配です。
  …  (略)  …
 とはいえ、業界常識とはかけ離れた給与に慣れている人材をごっそりそのまま受け入れるかどうかというと、業界他社は躊躇するはずです。
 管理職は不要だが若手中心に社員は欲しいとなると、スキームとしてはM&Aではなく営業権を譲渡してもらう形で店舗や工場の設備と在庫の車を入手して、人材については一人一人面接して、個別採用する形を取るのがベストです。
救済する側から見れば、「業界水準と比較して異常に給与が高い人材を採らなければいい」 と考えることでしょう。むしろ、給与の低い人ほど正直に仕事をしてくれる人だと感じるはずです。
 諸般の事情から、ビッグモーターを救済しようとする企業はしばらくのところ出現しない可能性の方が高いと私は予測します。待っているのはいばらの道です。
  ー  引用終わり  ー
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 9月11日、同じく不正が噂されている中古車販売大手・ネクステージの浜脇浩次社長が辞任。創業者の広田靖治会長が社長を兼務する人事を発表した。
 ビッグモーター出身の浜脇元社長は、
社長を辞任した理由を『東洋経済』の取材に答えて以下のように述べた。
 「(ビッグモーターのような)車検不正や自動車保険の水増し請求は調査した限りない。一方、過去に不適切な事案が起こっているのは事実だ。これまでは(取り扱い台数に比べても)率は少ないし、同業他社よりも少ないから良いと考えていたが、それではダメだと考えを改めた。
ゼロを目指していくには会社が変わる必要がある。そのためには私が社長を代わるべきだと考えた。」 

ネクステージ、業績予想を下方修正
BM不正問題が波及
内田慎一
2023年10月2日 ロイター
 ネクステージ(3186.T)は2日、中古車販売大手ビッグモーター(BM)の不正問題に絡んで中古車業界への懸念が高まったことなどの影響で2023年11月期通期の連結業績予想を下方修正すると発表した。9月以降にはネクステージグループのイメージ低下につながるような報道もあり、来店客数や販売台数に影響したとしている。
  ー  引用終わり  ー









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最終更新日  2023年11月05日 06時00分12秒
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