SAC.COM

2023年11月22日
XML
カテゴリ: 自動車
 11月8日、ガリバーを運営するIDOMはビッグモーター支援の検討を止めたことが報じられた。中古車販売業界全体に対する、疑惑の火の粉を払うことに専念するのだろう。
 11月17日、伊藤忠商事が「ビッグモーター社が運営する事業について再建の可能性を検証するために、これよりデューデリジェンスを開始する」と発表した。ビッグモーター株の100%を握る兼重宏行・前社長ら創業家が経営に一切関与しないことが条件になるとのことで、支援ではなく買取。新社名のもとで再スタートということらしい。
 大きいが故に従業員も多数必要と思われるが、ビッグモーターで不正とパワハラの下で働いていた従業員をどうするのだろう?
 ビッグモーターを拾う(安価で買う)ことによる「伊藤忠」ブランドの毀損は考慮しないのだろう。
     ​
火中の栗拾う理由 「創業家の切り離し条件」
24年春までに買収判断
東洋経済オンライン 2023年11月17日 21時0分
 自動車保険金の不正請求問題をきっかけに経営難に陥った中古車販売大手ビッグモーターに思わぬ援軍候補が現れた。
 大手総合商社の伊藤忠商事は11月17日午後、「ビッグモーター社が運営する事業について再建の可能性を検証するために、これよりデューデリジェンスを開始する」と発表した。
 伊藤忠商事のほか、子会社の伊藤忠エネクス、投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)の3社がビッグモーターと資産査定(デューデリジェンス)の独占契約を結び、来春までに買収の可否を判断する。
 現在、ビッグモーター株の100%を握る兼重宏行・前社長ら創業家が経営に一切関与しないことが条件になる。
市場は買収検討を「買い」と判断
 ビッグモーター側も同時にリリースを発表し、伊藤忠商事について「自動車関連事業におけるハンズオン経営の実績も有し、オペレーション効率化、成長戦略の立案等にも強みを持っている」と評価した。
 17日、午前中から上昇基調だった伊藤忠商事の株価は、午後1時に日本経済新聞が「買収検討」の速報を流した後も上がり続け、終値は前日比2.3%高い6132円をつけた。市場は買収検討を「買い」と判断した。
 一連の不正を受け、国土交通省は10月、ビッグモーターの34事業所を道路運送車両法に基づいて事業停止とした。さらに金融庁は保険業法に基づき、同社の保険代理店登録を11月30日付で取り消す方針だ。
 伊藤忠商事はなぜ、そんな火中の栗を拾おうとするのだろうか。
​     ​ ​​
「見送る可能性も十分ある」
 同社関係者は、「今回の買収検討は創業家支援ではない。厳格なデューデリの結果、案件を見送る可能性も十分ある」と強調する。
 JWPとの意見交換の中で今回の案件が浮上し、ビッグモーターのファイナンシャルアドバイザーを務めるデロイトトーマツから開示された資料を基に検証した。その結果、より詳しいデューデリを行う価値があると判断したようだ。
 伊藤忠商事とビッグモーターには、これまで取引関係はない。だが、 伊藤忠グループでは、中古車販売のほか、自動車整備、保険やローンの販売も行うなど、自動車ビジネスとの関係は深い。
 イギリス最大手のタイヤ小売りであるクイックフィットも傘下に持つ。2023年8月には全国の整備工場1万1500カ所の自動車整備工場とネットワークを持つリース車両整備受託会社「ナルネットコミュニケーションズ」への出資参画を表明したばかりだった。
 「商社が中古車業界に興味を持っているという話は以前からあった。伊藤忠グループは子会社のヤナセをはじめもともと自動車、中古車に強い。(今回の基本合意に)違和感はない」と中古車業界の関係者は話す。
 一方、 ビッグモーターはほぼ全国に店舗を持ち顧客との接点も多い。整備工場の設備も比較的新しい。ビッグモーターの事業と伊藤忠グループの自動車関連事業は親和性が高く、シナジー(相乗効果)がそれなりに見込めると伊藤忠側は判断したようだ。
 伊藤忠商事をはじめとする総合商社は資源市況の高止まりや円安効果により業績は好調、2024年3月期の業績予想も上方修正が相次いでいた。伊藤忠商事も11月6日に通期純利益予想を7800億円から8000億円に引き上げたばかりだった。潤沢な資金を背景に、各社は有望な成長投資先を模索している。
 ただ、伊藤忠には厳しい投資基準があり、投資額に見合う成長が厳格に求められる。今年8月に発表した、子会社・伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の完全子会社化案件ですら「浮かんでは消え、消えては浮かんだ案件」(鉢村剛CFO)だったという。
買収価格は極めて厳しいものになる
 急転直下で浮上した今回の案件は相乗効果がわかりやすい一方、伊藤忠商事から提示される買収価格はビッグモーターにとって、極めて厳しいものになるだろう。
  ー  引用終わり  ー
     ​
 イドムもオリックスも、中古車買い取り・販売事業や自動車整備事業、人員、店舗・工場などの資産のみを買い取り、損害賠償の支払いなどの簿外債務の整理は既存のビッグモーターに残したままにする営業譲渡方式を求めていたが、それが通らなかったため断念したとみられる。伊藤忠のデューデリはこれからだが、将来的にどれだけの規模に膨らむのかが見えない簿外債務を抱えたままのビッグモーターを丸ごと買収するのは難しく、最終的には営業譲渡方式が実現するかが焦点となってくる。
     ​
【附録】
●ネクステージ
 中古車販売大手のネクステージは、ビッグモーター問題を受けて自主調査した結果、不正はなかったと8月23日に発表。その後の週刊文春の取材で、保険契約のねつ造などの不適切な事例があったことを9月1日に公表。9月11日、ビッグモーター出身の浜脇浩次社長(当時)が辞任。
 ビッグモーターの自動車保険金の不正請求問題で中古車業界への懸念が高まったことに加え、「9月以降は当社グループのイメージを低下させるような一連の報道等の影響を受け、来店客数が減少し、販売台数が予想していた水準に及ばず、10~11月も同様の水準になると想定した」とし、10月2日、ネクステージは、2023年11月期の連結業績見通しを下方修正した。前回公表(1月5日)に比べて、売上高は400億円減の4600億円、純利益は46億円減の126億円とした。
●グッドスピード
 9月29日、中古車販売のグッドスピード(名古屋市)は公表済みの決算で不適切な会計処理があるとの指摘を監査法人から受け、外部有識者による調査委員会を設置すると発表した
 10月20日、グッドスピードが自動車保険金を過大請求していた問題で、新たに91件の不正が見つかったことが分かった。8月下旬に30件の不正を公表しており、不正は調査した2715件の4.5%に当たる121件。
​ 





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023年11月22日 06時00分14秒
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

Ta152R

Ta152R


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: