栃木県宇都宮市と芳賀町を結ぶ次世代型路面電車LRTは、2023年8月23日開業。運行会社の「宇都宮ライトレール」は4月の利用者数が42万1613人となり、開業以来過去最多と発表した。宇都宮LRTは2024年も順調のようだ。
芳賀工業団地、清原工業団地は敗戦後の日本の工業団地の数少ない成功例であり、今後も需要があると推察される。沿線住民アンケ 検討委が報告栃木毎日新聞 2024年6月5日 14時0分宇都宮市と芳賀町でつくる次世代型路面電車(LRT)の効果などについて検証する「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」(委員長・森本章倫早大教授)が3日、宇都宮市で開かれ、昨年8月の開業後に市と町が実施したLRT沿線住民らへのアンケート調査で、開業前と比較し沿線住民の外出率が増加したことなどが報告された。新型コロナウイルス感染拡大による外出制限の解除による効果もあるとみられ、今後も継続して調査や分析を進めるとした。委員会には、有識者や行政関係者の委員ら25人が出席した。宇都宮市と芳賀町が昨年度、LRTの沿線住民ら4653世帯を対象に行ったアンケート調査(回収率28%)の結果、LRT沿線内・外で、開業前に75・7%だった外出率が、約5・7ポイント増の81・4%となった。また、沿線内における通院・介護、保育園・幼稚園などの送迎における負担感が開業前と比較し減少した上、自転車や鉄道など通勤や通学での交通手段別の満足度がいずれも増加したことも明らかになった。
4月1日にはダイヤ改正が行われ、快速電車やピーク時間帯の増便などが導入された。LRT利用者1305人を対象に昨年実施されたアンケート調査(回収率19%)では、通学時の満足度について、「やや満足」「満足」としたLRTの通学利用者が、開業前の18・3%に対し、開業後は約58ポイント増の76・1%だった。通勤環境の満足度についても、「やや満足」「満足」とした通勤利用者が、開業前の33・8%に対し、約19ポイント増の52・9%だった。いずれも「運行本数」や「移動時間」、「快適性」などが満足度の変化要因として挙げられた。
委員会によると、5月8~17日の間で、1編成当たりの平均乗車人数は、6時台後半~7時台の各駅停車が約130人だったのに対し、快速(6時58分発と7時46分発)は約1・3~4倍の約170~180人となった。また、アンケート調査に回答したLRT利用者のうち25・1%が、開業前に使用していた交通手段として「自家用車」を挙げており、これにより平日1日当たり少なくとも約3800台の自動車が、交通手段としてLRTに転換されたと試算されることも報告された。委員長の森本教授は「利用者の意識・実態調査を行った結果、LRTによるさまざまな効果があったとわかった。今後も定量的な調査を継続し、西側延伸に向け弾みをつけたい」と述べた。― 引用終わり ―宇都宮LRTは2024年8月25日に、車両基地見学や飲食ブースの展開など開業1周年記念イベントを実施する予定で「すき」はない。路面電車は公共交通機関であるとともに欧州諸国では観光資源の一部ともなっている。収益面も好調。成功の要因の一つに新興住宅の増加地域、若年人口の増加地域を通る路線であることも上げられるだろう。…外出・観光で「定着しつつある」読売新聞 2024年6月9日 13時52分LRT(次世代型路面電車)「ライトライン」を運営する「宇都宮ライトレール」は、2023年度の決算概要を発表した。同年8月26日の開業からの約7か月間で、最終的なもうけを示す当期純利益は5697万円と、当初計画で見込んだ1920万円の3倍近くに達し、開業初年度から好調な走り出しとなった。運賃などの「鉄道事業営業収益」は7億3916万円、広告収入やグッズの売り上げからなる「その他事業営業収益」は5534万円だった。「鉄道事業」は、当初計画で見込んだ5億600万円を約2億3300万円上回る好調ぶりで、同社は「通勤・通学をはじめ、日中の外出や観光利用など、日常の公共交通機関として定着しつつある」と分析している。支出については、現時点で詳細な額を公表していないが、電気代の高騰などの影響で当初計画よりも増えたとしている。3月末までの累計利用者数は271万7000人と、当初計画を23%(51万人)程度上回った。今月5日までの累計は約363万人で、開業前の予想よりも2か月ほど早いペースだという。― 引用終わり ―この勢いを追い風に、当初の構想に沿って繁華街を有するJR宇都宮駅の西側への延伸がすすめられるなら、利便性が大きく向上し宇都宮LRTの成功はより大きなものとなる。中心市街は昔から繁華な故に駐車場の整備が進まず、自動車社会と化した現在、空洞化する危険に曝されている。定期バスを運行する関東自動車もいつまでも反対していられないだろう。
用地問題など課題山積なので、計画の早期化jはないだろう。今年の2月西側延伸計画の先延ばしが発表されている。
東武宇都宮駅前や県庁前
宇都宮市が配置案公表2024/2/2 5:00 下野新聞宇都宮市は1日、次世代型路面電車(LRT)のJR宇都宮駅西側延伸について、2030年代前半の開業を目指す県教育会館までの整備区間(約5キロ)の停場配置案を公表した。同駅西口のほか、東武宇都宮駅前など12カ所の停留場を想定。軌道建設に必要な国への特許申請は、駅西側の再開発と歩調を合わせ一体的に進めるため、当初の「2024年中」を先延ばしし、「25年度中」を目指す。― 引用終わり ―
先に行われた宇都宮市長選ではLRT建設が大きな争点となっていた。過去のLRT建設反対意見のまとめは下記に記事にあった。利用実績、業績が明らかになった現時点で反対意見がどうなのかは分からない。
道路の邪魔、バスで十分…欧州の例から検証橋爪 智之 : 欧州鉄道フォトライター2018/03/11 9:00 東洋経済オンライン栃木県宇都宮市で、路面電車建設に対する動きが活発化してきた。昨年9月の宇都宮市議会、および翌月の栃木県議会でも建設案が可決され、今年3月に着工する運びとなった。今回、着工が予定されている、宇都宮駅東口から芳賀町にある本田技研正門までの14.6キロが完成すれば、地域の利便性は格段に向上することだろう。
しかし、現段階においても路面電車建設に反対する声はまだまだある。富山や福井などで路面電車がそれなりの成功を収めたにもかかわらず、まだ道路交通に頼ろうという声が聞かれるのは、宇都宮市が過去に路面電車が走った歴史がない都市であることも関係しているかもしれない。だが、その反対理由の中には、誤解から生じたと思われるものも少なくない。海外では先進的な都市交通として、各地で建設や路線網拡大が行われている路面電車だが、日本では宇都宮市に限らず、既存の路面電車を高規格化・路線延伸するといった事業に対しても、反対意見が一定数存在する。― 引用終わり ―
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