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テレビ朝日系列「芸能人格付けチェック」という番組があります。観ているだけでは味や音がわからないのに面白く視聴率が高いです。出演している芸能人の話術やリアクションが人気でもありますが、想像力を掻き立てられることと真実を推理すことに興味が湧きます。どこまでをわかって想定しているのかわからないのですが、一見簡単な問いかけにも関わらず不正解に誘導する設定を考えると、番組を成立させることにおいて制作者と浜田雅功氏の天才性を感じます。騙すテクニックとして仕掛けがあって実際はとても難しいのです。例えば、「目隠しをして赤ワインか白ワインかを当てる」問題、普通のことをしたら簡単に当たってしまうでしょう。しかし、ここは出題するソムリエの腕の見せ所で、限りなく赤ワインに近い香りのする白ワイン、白に近い赤を選んでいます。そして、「弦楽四重奏の楽器の弦を1-2弦張らずに演奏する」音楽問題、4人の楽器のそれぞれの弦を2-3本のしてアンサンブルをするには、まず、第1ヴァイオリンのようにいちばん低い弦の音が出て来ない、いちばん高い弦を外しても弾けるくらいの高音が出て来ない選曲をします。第1ヴァイオリンの旋律は2番目のA線で弾くので逆に腕の見せ所と言えます。他の楽器も旋律があまり回ってこない選曲だと高い線がなくても可能になります。ない線の音は低い線でいつもより高いポジションで弾くために難しく、個人・合わせの練習もその分多くやっていて集中やテンションが高くなります。ここでの騙しテクニックは、弦が足りない楽器で演奏すると歪な演奏だったり、音が抜けたりバランスが悪くなると、解答者が勝手に想像してしまうことです。実はいつもより難しい技術を披露して通常演奏に遜色ないどころか上回ろうと、演奏者はやる気満々で騙しにかかっているということです。正解するためには、第1ヴァイオリンの旋律をE線・A線のどちらで弾いているか、音色の違いを聴き分けるか、弦が足りないために覇気や集中力のある演奏がどちらか。それくらいしかなく、高音が出てこないヴィオラやチェロパートでは難しいです。そんな裏を考えると、シュールな設定そのものが崇高に思えてきました。
2022.03.22
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ここで音楽が食べることといかに近く例えられるか、ということで書きたいと思います。音楽は聴かなくても死なないので食事よりも切実ではありません。ただ本当に美味しい料理をつくれる人は一流レストランではなく、隣の家のおばさんかもしれないということです。ここで言うことはいかにプロになるかと言うことではなく、いかに美味しい料理をつくれることを知ってもらえるかということです。今日9日にテレビ朝日で「芸能人格付けチェック MUSIC」という番組が放映されていますが、壮大な仕掛けとトラップを感じました。音楽ということになぜまとめたかと言えば、オーディエンスが実際に聴くことができ参加できるということだと思います。番組内ではプロとアマチュア、高い楽器か安い楽器の比較ですが、実際に本当に上手いか下手か、いい音かどうかということ、またもうひとつは実績を重ねた芸能人が実は何もわからないということ、その2点が顕著になるという意味でとても革新的です。3時間スペシャルということですが、そんなにやると本当にいろいろな意味であらわになります。中でも声楽の比較、和太鼓の比較ははっきりした意図があります。アメリカで活躍している声楽家には誰一人として上手いと言わず、桐朋学園大学院の学生を皆が大手を振って支持したのは、本当にその学生の方が上手かったのです。また、和太鼓についてはアンサンブルの緻密さしか判断材料がない中、上手いのがどちらかは明らかでしたが芸能人はそれをわからないわけです。ここでの結論は、アマチュアとか言っても練習や研究する時間が長ければ、たとえ高校生であっても名演は残せます。そのような人が、必ずしも宣伝したりプロになろうとはしていない、そういうことが音楽には普通にあるということです。
2018.10.08
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