黒田研二『闇匣』
~講談社ノベルス、 2002
年~
講談社ノベルス 20
それでは、簡単に内容紹介と感想を。
―――
婚約者の父に、結婚を正式に認めてもらうために彼女の実家のある町のホテルにとまった俺は、婚約者と出会った直後、何者かに襲われ、暗闇の中に閉じ込められてしまう。
気づけば、何も見えない暗闇の中、椅子に縛り付けられていた。そして、俺を襲ったのは、こどもの頃からの知り合いで会社の同期の、さえない男だと知る。男は、1年前、俺の妹が命を落としたのは事故ではなく事件であり、だれが犯人か言い当てなければ俺を殺すという。
1年前。俺と、男と、妹と、そして当時付き合っていた彼女の4人でキャンプに向かったが、妹が川に溺れて亡くなった。事故と思われたが、そもそもキャンプ自体に行く流れからして不自然な点もあった。その日を振り返る俺が到達する真相とは。
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刊行当時に読んでいるので、おそらく 20
年ぶりくらいの再読です。(その間に再読しているかもしれませんが、ブログ開設後は初。)舞台の雰囲気はなんとなく覚えていて、また割と好みの物語だった印象も覚えていましたが、あらためて、割と好みの物語でした。
主人公が回想する事件の謎、そしてなぜ主人公は捕らわれてしまったのかという謎と、魅力的な謎が提示され、またサスペンスフルな展開でもあり、楽しく読み進められました。
(2021.06.09 読了 )
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