ぶるどっぐロンディ＆にゃんこの部屋

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たまには本格的に（でも少々手を抜いて）クッキング～♬

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August 12, 2008

昔々と言っても未だ冷蔵庫が氷のタイプしかなかった頃の事。
我が家にはお手伝いｻﾝが何時も二人居ました。随分前に書きましたが
常に居候ｻﾝが5-6人居ましたから母　一人では大変でした。

ある日　若い新米のお手伝いｻﾝが長野県からやって来ました。
2月の雪の降る日だったそうです。彼女は18歳　長野から出るのは
初めてだったそうです。ある日　彼女は湯たんぽをガスにかけました。

あ！栓が閉まったまま！と母が気付いたのは暫くしてから。
其の侭じゃ爆発する！と母が駆け寄った其の時　湯たんぽは爆発した。

母は顔中　熱湯を浴びて火傷！気丈な母は直ぐに洗い桶に水を貼り
冷蔵庫の氷を砕き氷水にして顔を付けました。泳ぎの得意だった母
氷水に顔を付けて無呼吸でも２分は平気でした。繰り返し繰り返し・・

そしてヒサﾁｬﾝと言う年配のお手伝いさんに命じて縁の下の糊の入った
甕（かめ）を持って来る様に頼みました。
我が家には縁の下に甕に入った寒中糊が何時も在ったからです。

冷蔵庫の氷が殆ど無くなった後も2月の水道水は冷たい。冬で良かった！
未だ水を張った洗い桶に小一時間ほど顔を付けて冷やした後にヤット母は
床に就き　顔中に糊を塗って貰ったのです。

火傷をした方はご存知と思いますが瞬間的に人間は目と口を堅く閉じます。
不幸中の幸いと言うか　母の目と唇だけは無傷でした。

母は顔中に糊が塗られポッポと湯気が出ているのが見えたそうです。
どんなに痛かった事でしょう。でも決して声を出さなかったそうです。
（呻けば新米ｻﾝが可哀想で声は出せなかったと後に私に漏らしました）

ヒサﾁｬﾝが糊を塗る度に痛みがｽｰっと消えるけど　即　痛みが襲ってくる。
糊は塗り重ねられ時々濡れ手拭で水分を足しながら又　塗り重ね・・・
ヒサﾁｬﾝは寝ずに母の顔に糊を塗り続け看病して呉れました。

其の晩家に帰らず翌日帰宅した父は　母の顔を見て吃驚仰天！
其処には顔中糊の厚さ3cm以上の母の顔が在りました。
「あ～俺は罰が当った」と呻いたそうです。やましい事してたナ？ｵﾔｼﾞ・・

縁の下の糊甕が二つ目になる頃　母の痛みが消えかけました。二日目です。
其の後　濡れ手拭で顔を覆って貰いヤット熟睡したそうです。

目覚めたら心配そうなヒサﾁｬﾝと新米のお手伝いｻﾝが小さくなって枕元に。
「奥様　申し訳ありません」と言う新米ｻﾝに母は「大丈夫だからね」
「私で良かった。あなたは未だ嫁入り前・顔を傷つけたら親御ｻﾝに申し訳ない」
そう言って笑おうとしたら顔中の筋肉が糊で固まってた。

３日後にヒサﾁｬﾝが母の手を引いて洗い桶に水を張り顔をつけさせました。
2分間　又　2分間　更に2分間・・5回目に糊の塊はパカっと剥がれ母の顔は
シミ一つ残って居ませんでした。勿論　水ぶくれも無し！
洗い桶には　ぽっかりとゆらゆらと糊の塊がクラゲみたいに揺れてた。

あら～デスマスクみたい　と大笑いした母　どんなに嬉しかったでしょう

皆のお陰でこうして自分の顔が残って有り難いと母は喜んだそうです。
寒の入りから大寒までの間に必ず糊を作るのは其の後も続けられました。

今は寒中でなくても冷蔵庫のある時代　何時でも簡単に出来る糊をどうか
騙されたと思って作ってみて下さい。巷で売っている糊は防腐剤入りです。
どうか小麦粉と水だけで作って小瓶に入れて冷蔵庫に入れて下さい。

カビが来そうだったら其れは糊本来の封筒など貼る糊に回して下さい。
そして使わなくて済んだなら　無事を喜んで下さいね。

私はｺﾝﾅ小さな瓶に入れて更にビニール袋に入れて冷蔵庫に入れています。
私の常備薬小瓶に入れて更に袋に入れ冷蔵庫へ