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☆硫黄山で初めてエゾイソツツジの花に出合いました。6月10日から17日まで、故郷の北海道を訪ねました。そこで出合った植物を紹介しています。(2017年6月14日撮影)。☆エゾイソツツジは、低地の湿原から高山帯の日当たりの良い場所に生えるツツジ科イソツツジ属の常緑低木です。北海道の固有種だそうです。なお、「エゾイソシロツツジ」という表記もありました。☆弟子屈にある広大な「900草原」の景色に感動し、摩周湖に向かう途中で川湯温泉の硫黄山に立ち寄りました。硫黄山に向かっている道路の両脇に白い花が目立ち、硫黄山に着くと一面に大群落が広がっていました。「100ヘクタールもあるエゾイソツツジ群落は圧巻である」(北海道建設部都市環境課のホームページ)という表現がピッタリ、まさに圧巻でした。「硫黄山つつじヶ原」と命名され、散策コースがあります。☆北海道建設部都市環境課のホームページでは、「北海道の固有種で、草丈30~70センチくらいの常緑小低木。高山の礫地で見ることもあれば、火山灰地や湿原に生えていることもある。中でも、川湯温泉硫黄山麓の100ヘクタールもあるエゾイソツツジ群落は圧巻である。」と紹介されています。☆エゾイソツツジは、草丈30~70センチくらい、葉は長楕円形または狭長楕円形で縁は裏側にまくれ、先は短く尖って先端に腺状突起があるそうです。☆写真では、「葉の先は短く尖って先端に腺状突起がある」ように見えます。☆エゾイソツツジの「花は、可愛らしい小さな白い花が多数集まって球状に咲き、長い雄蕊が特徴的」(北海道建設部都市環境課のホームページ)です。枝の先に丸い散房花序を出して、たくさんの白い花をつけます。☆エゾイソツツジの花は、5つに深く裂けている白い花冠、長く伸びている白い花糸が目立つ10本の雄蕊、中央に雌蕊が1本です。☆エゾイソツツジ(蝦夷磯躑躅)の名は、蝦夷(北海道)に咲く「イソツツジ」から。なお、イソツツジ(磯躑躅)の名は、「エゾツツジ(蝦夷躑躅)」が誤って、または転化して「イソツツジ」となったそうです。別名は、変種カラフトイソツツジ(変種樺太磯躑躅)や、単にイソツツジとも言うそうです。☆エゾイソツツジの花言葉は、「初恋」だそうです。白い小さな花からイメージしたのでしょうか。
2017.06.26
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[1]】はラン科の植物で、第9回はネジバナの花です。(2012年6月23日撮影)。☆ネジバナは、日本全土の日当たりの良い芝生や草地などに生えるラン科ネジバナ属の多年草です。(2014年6月15日撮影)。☆ネジバナは、茎が高さ10~40センチで、茎先に螺旋状にねじれた淡紅色の穂状花序をつけます。根出葉は、線状倒披針形の数枚で、先が尖り斜上しています。茎には、1~3枚の鱗片葉があります。(2012年6月28日撮影)。☆ネジバナは、ピンク色の花が螺旋階段のように咲くのですが、この螺旋階段は右巻き(下から見て時計回り)と左巻き(下から見て反時計回り)があります。このネジバナの花は、右巻き(下から見て時計回り)です。(2016年6月29日撮影)。☆このネジバナの花は、左巻き(下から見て反時計回り)です。(2014年6月15日撮影)。☆ネジバナは小さい花ですが、花のつくりは他のラン科の植物の花と共通しています。ネジバナの花には6枚の花被片があり、外花被片(萼片)が3枚、内花被片(花弁)が3枚(側花弁2枚と唇弁1枚)です。(2016年6月29日撮影)。☆ネジバナの花を観察してみると、一番上にピンク色の背萼片1枚、横に左右に伸びるピンク色の側萼片2枚、背萼片のすぐ下に重なるようにンク色の側花弁2枚、真ん中に大きく白い唇弁1枚です。唇弁の縁には、細かな歯牙があります。(2016年6月29日撮影)。☆花の奥に、雄蕊と雌蕊が合着した蕊柱(ずいちゅう)が見えます。蕊柱には、2つに分かれている黄色い花粉塊が見えます。唇弁の縁の細かな歯牙とともに、下の花では唇弁の内側に短毛状の突起が密生しているのが見えます。(2016年6月29日撮影)。☆ネジバナ(捩花)の名は、小さな花が花茎の周りにネジのように螺旋状に並んで咲くことから。ネジバナの別名は、モジズリ(捩摺)です。捩摺とは、陸奥国信夫(しのぶ)郡(現在の福島市内)の特産で、植物の色素を絹布に摺り(すり)つけて捩れた(よじれた)ような模様をつけた草木染の織物「信夫文知摺」(しのぶもちずり)を指しているそうです。(2015年6月15日撮影)。☆ネジバナの花言葉は、「思慕」(思い慕うこと、恋しく思うこと)だそうです。この花言葉は、万葉集に収められている歌に由来する説があるそうです。「貴方の傍にいなければ、捩花のように苦しく身を捩ることもなかったのに」という趣旨の熱烈な恋心をうたった歌があるそうです。(2016年8月1日撮影)。
2018.08.20
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第15回は番外編で、旧ユリ科(ユリズイセン科、アルストロメリア科)のユリズイセンの花です。(2013年6月24日撮影)。☆ユリズイセンは中南米原産で、日本には1926年(大正15年)に渡来しましたが、観賞用に栽培されていたものが各地で野生化しているそうです。クロンキスト体系ではユリ科、新エングラー体系ではヒガンバナ科に分類されていましたが、APG分類体系ではユリズイセン科(アルストロメリア科)に分類されています。☆ユリズイセンの葉は互生し、長楕円形、葉柄が捻じれて葉の表と裏が逆転しています。左上の葉は、葉柄が捻じれて葉の表と裏が逆転しているのがわかります。☆ユリズイセンの花期は6~7月で、茎先に散形花序をつけます。☆花は長さ2.5~5センチで、花被片は赤色で6枚(外花被片3枚と内花被片3枚)、先端と基部は黄緑色です。花の内側には褐色の班点が見えます。☆ユリズイセンの雄蕊は、内側3本と外側3本の6本です。写真では、外側の3本の雄蕊の葯が花粉を出しているようです。雌蕊は1本ですが、写真では確認できません。☆ユリズイセンの花は、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。このことからも、ユリ科からヒガンバナ科に分類が変わり、ユリズイセン科に分類されたことに納得できます。☆ユリズイセン(百合水仙)の名は、花の特徴が百合にも水仙にも似ていることからつけられたそうです。☆ユリズイセンの花言葉は、「未来への憧れ」「エキゾチック」「持続」「機敏」「援助」「幸福な日々」などだそうです。☆ユリズイセンの仲間は花が美しいものが多く、園芸植物として改良が進んでいるそうです。
2018.11.22
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☆エゴノキの実が大きくなってきました。花が満開だった時期を思い起こさせるように、たくさんの実がなっています。エゴノキは、実の味が「エグイ」のでエゴノキの名になったそうですが、エゴノキの実は、秋から冬にかけて、カラス、キジバト、ヒヨドリ、ヤマガラなどに食べられるようです。☆エゴノキの実は、灰白色の卵球形で、10月頃には果皮が裂けて種子が落下します。エゴノキの実の果皮は、サポニンという毒性の成分を多く含むので、すりつぶして毒流し漁に使ったと言われているそうですが、エゴノキのサポニンの毒性は漁に使えるほどのものではないと疑問視する見解もあるそうです。☆また、サポニンには界面活性作用があるので、エゴノキの若い実をつぶして石鹸代わりの洗浄剤として洗濯などに用いた時代もあったそうです。☆エゴノキの実が大きくなるこの時期に、エゴノキの枝の先端にエゴノネコアシと呼ばれる虫こぶが目立つようになります。☆エゴノネコアシの原因となるエゴノネコアシアブラムシは、秋にイネ科のアシボソからエゴノキに移ります。エゴノキで越冬した受精卵が孵化して無翅型の雌が生まれ、エゴノキの芽から吸汁します。その刺激で、エゴノキの枝先にバナナの房のような虫瘤(虫えい、ゴール)ができます。☆この虫瘤が猫の足を連想させるので、エゴノネコアシといいます。☆こちらのエゴノネコアシは巨大で、直径が8センチ位はあるようです。☆この虫瘤の中で、エゴノネコアシアブラムシが胎生単為生殖で増殖し、やがて有翅型が誕生して、7月になると虫瘤から飛び立ってイネ科のアシボソに移動します。☆アシボソでは、胎生単為生殖で無翅型の世代が繰り返されます。秋になると有翅虫が羽化し、エゴノキへ戻り雌と雄の有性虫を産みます。そして雌雄が結ばれ受精し産卵。この受精卵が越冬して翌春に孵化、再びこのサイクルを繰り返すそうです。☆エゴノネコアシの原因となるエゴノネコアシアブラムシは、初夏にエゴノキからアシボソに移動、秋にアシボソからエゴノキに戻る興味深いアブラムシです。
2016.07.01
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☆冬の間は季節の変化が少ないので、昨年秋に観察して紹介できなかった自然観察を紹介しています。カリガネソウの花です。(2017年9月7日撮影)。☆カリガネソウは、北海道から九州の低山の林縁に生えるシソ科カリガネソウ属の多年草です。草丈は、1メートルほどになります。☆カリガネソウの茎は4角形、葉は広卵形で縁には鋸歯があります。☆カリガネソウは、葉腋から集散花序を伸ばして青紫で球状の蕾をつけ、開花します。カリガネソウの花は、鐘形で先端が5つに分かれている萼片の中から白く細長い花筒を伸ばし、2唇形の青紫色の花冠を広げます。☆カリガネソウの花は独特の形で、5枚の花弁は凹型で縁はひだ状、上に2枚、左右と下に1枚ずつ伸び、下側の花弁は舌状で青紫の紋様があります。長く伸びる4本の雄蕊と、長く伸び花柱の先端が2つに分かれている雌蕊は、花の上に伸びて花の手前に回り込むように湾曲して垂れています。☆4本の雄蕊をよく見ると、長いものが2本、短いものが2本あります。一つの花の中で雄蕊の長さや形が異なるものを、異形雄蕊というそうです。4本の雄蕊のうち2本が長く左右対称に上下1対ずつに配置されているものは、二長雄蕊(二強雄蕊)といい、シソ科やゴマノハグサ科に見られるそうです。☆カリガネソウの果実は、蒴果で4つに分かれるそうですが、萼の中に4つに分かれた果実ができているのがわかります。これが、お椀型の萼の中で大きくなり、熟すと黒くなるそうです。☆カリガネソウ(雁金草)の名は、花の形を飛ぶ雁に見立てたという説があるそうです。また、カリガネ(雁金)とは、雁が音(雁の鳴き声)から「雁金」と書くようになり、鳴き声が転じて雁を指すようになったという説もありました。さらに、花の形が家紋の「雁金紋」に似ているという説もありました。☆カリガネソウの花言葉な、「清楚な人」「楽しい思い出」「誠実」などだそうです。「清楚な人」は青紫色の花の印象から、「楽しい思い出」は独特の形をした花がたくさん咲いている様子から名づけられたのではないかという印象を持ちました。
2018.03.10
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☆2月25日、2020年初めて高尾山に行きました。そこで見かけた植物を紹介しています。石垣に生えているノキシノブです。(2020年2月21日撮影)。☆ノキシノブは、北海道南部以南の樹の樹皮や崖、傾斜が急な場所の地表などに生えるウラボシ科ノキシノブ属の常緑シダ植物です。葉の表からも、主脈の両側にそれぞれ1列に並んでいる胞子嚢群(ソーラス)があるのがわかります。☆胞子嚢が集まった胞子嚢群です。☆ノキシノブについては、2019年12月5日の日記で詳しく紹介しました。◎ノキシノブ(2019年12月5日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20191205/
2020.03.09
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☆ウォーキングコースでは、毎年9月下旬からヤクシソウが咲き始めます。☆ヤクシソウは、日本全土の日当たりの良い山野に生えるキク科オニタビラコ属の多年草です。☆ヤクシソウの花は、同じ時期に咲くアキノノゲシと同じで全て舌状花です。花びらの先はギザギザになり、5裂しているようです。花びらの数は12~13枚だそうですが、これは13枚あります。☆この花は、花びらの形が上の写真に比べて細長いようです。花びらの先はギザギザで5裂し、花びらは上の写真と同じ13枚です。☆葉の基部が張り出し、茎を巻いているのが特徴です。ヤクシソウ(薬師草)の名は、葉の形が薬師如来の仏像の光背に似ているからという説や、生薬としての薬効があることからなどの説があります。(この葉の写真は2012年9月26日撮影)。
2013.10.15
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☆シュウカイドウの花が、ウォーキングコース(玉川上水)や民家の庭で咲いています。シュウカイドウは、中国南部から東南アジアの原産で、日本には江戸時代の嘉永年間(1624~1644年)に中国から渡来し各地で栽培されたたシュウカイドウ科シュウカイドウ属(ベゴニアBegonia属)の多年草です。日陰で湿気の多い土地に野生化しています。(『日本帰化植物写真図鑑』参照)。☆シュウカイドウの葉は互生し、先は尖っており、葉の縁には小さい鋸歯があります。☆シュウカイドウは、葉が左右非対称なのが特徴です。☆シュウカイドウは雌雄同株・雌雄異花で、茎の上の方に雄花が咲き、下の方に雌花が咲いています。☆こちらのシュウカイドウも、茎の上の方に雄花が咲き、下の方に雌花が咲いています。☆こちらの手前のシュウカイドウは、雄花しか見えません。左側のシュウカイドウは、茎の上の方は全て雄花で、下の方に雌花が1個だけ咲いています。☆シュウカイドウの雄花です。4枚の花びらに見えるのは、大きな外花被(萼)2枚と小さな内花被(花弁)2枚です。☆シュウカイドウの雄花の中央には、黄色い球状の雄蕊が目立ちます。☆雄花の中央を見ると、雄蕊には黄色い花糸と葯が見え、花糸は合着して短い柄になっているそうです。☆シュウカイドウの雌花です。シュウカイドウの雌花は、斜め下向きに咲くものもありますが、ほとんどが下向きです。シュウカイドウの雌花の子房には3枚の羽状の翼がついています。☆シュウカイドウの雌花は3枚の花被片があり、大きな外花被(萼)2枚と小さな内花被(花弁)1枚です。しかし、これには個体差があるようで、大きな外花被(萼)2枚と内花被(花弁)2枚のものがあります。内花被(花弁)2枚のものは、小さい内花被片と大きな内花被片が1枚ずつです。☆雌花の中央に、黄色い雌蕊があります。シュウカイドウの雌花の雌蕊は3本で、花柱の先端は2つに分かれ6本になり、柱頭は複雑な形になっています。柱頭が複雑な形になっているのは、花粉がある雄花の形に似せて虫を呼び込むためだそうです。☆雌花の子房には、3枚の羽状の翼があり、2枚は小さく手前の1枚が大きく張り出して目立ちます。☆シュウカイドウは、葉腋に1~3個のムカゴをつけ、ムカゴと種子で殖えていきます。☆冬越しのために茎葉が枯れる頃、シュウカイドウのムカゴは地面に散らばり、春に芽を出します。☆シュウカイドウ(秋海棠)の名は、漢名「秋海棠」の音読みで、秋にバラ科のカイドウに似た花をつける植物に由来するとのこと。下向きに垂れ下がる花の形が、春に咲くバラ科のカイドウ(海棠)に似ていることから、名付けられたそうです。☆シュウカイドウの花言葉は、「片思い」「親切」「丁寧」「可憐な人」「繊細」「恋の悩み」「未熟」などがあるそうです。「片思い」は、ハート形の葉が左右不対象で、縦に二つ折りにしても重なり合わないので、それを通じない思いの報われない恋の「片思い」に見立てたそうです。「恋の悩み」も、同じ由来なのでしょうか。
2016.10.14
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☆ウォーキングコースで、クワの実が熟してくる季節になりました。クワは、日本全国に分布するクワ科クワ属の落葉高木で、養蚕用で見るクワの木のイメージとは違って、高さ15メートルの大木になります。葉の間から実が熟してきているのが見えます。さまざまな品種があるそうですが、そこまではわかりません。☆クワ(桑)の名は、蚕が葉を食べるので「食う葉(くうは)」または「蚕葉(こは)」から転訛したといわれており、「桑」の字は中国の漢名から。☆クワは雌雄異株ですが、雌雄同株のものもあるそうです。雄花は茎の末端から房状に垂れ下がるそうです。これは、雄花の蕾のようです。このクワの木は雄株のためだと思いますが、実はなりませんでした。(2010年4月25日撮影)。☆こちらは、雌株の雌花のようです。雌花は、茎の先端に付く雄花と違い、枝の基部に付いています。(2010年5月16日撮影)。☆雌花は、白っぽい色の実が赤く変わり、赤黒く変化していきます。味も甘くなります。ほとんどの実が熟する頃には、クワの木にムクドリが集まってきます。☆子どもの頃、クワの実が熟す季節には、クワの実を食べて唇が紫色になったことを思い出します。
2014.06.07
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☆5月から、団地内でもウォーキングコース(玉川上水)でも、たくさんのブタナの花を見かけます。(2017年5月14日撮影)。☆ブタナは、ヨーロッパ原産の帰化植物で、草地、畑地、芝生、市街地などに生えるキク科エゾコウゾリナ属の多年草です。『日本帰化植物写真図鑑』によると、1930年代に札幌(タンポポモドキと命名)と神戸(ブタナと命名)で発見され、その後全国に広がっているのが確認されたそうです。もともとは、輸入された牧草や緑化用の種子に混入してきたそうです。☆ブタナの葉は根生してロゼットを形成し、地面にへばりつくように広がっています。草刈りを行なっても、葉と根が残ってしまうため、再び伸びてきます。タンポポと同じように冠毛で種が飛び広がるので、広範囲に増えてきています。葉は、不規則に切れ込んでいます。☆ブタナの花茎は、50センチ以上に伸び、上部で1~3本に枝分かれします。☆花茎の途中をよく見ると、退化して鱗片状になった葉があります。☆ブタナの長い茎の先端に咲く花は、全体が黄色くタンポポの花に似ています。全て舌状花です。別名は、タンポポモドキです。☆ブタナは、雄蕊が先に熟して花粉を出す雄性先熟の花です。中央の舌状花は雄性期で5本の雄蕊の葯が合着した集約雄蕊から黄色い花粉が出ているのがわかります。☆こちらの舌状花は雄性期から雌性期に変わったようで、集約雄蕊の中から雌蕊柱頭が伸びており、先端が2つに分かれているものもあります。☆ブタナの花の総苞片です。総苞片の背面には、1列の毛があります。☆写真は、玉川上水の岸辺で増えて広がってきているブタナです。ブタナ(豚菜)の名は、フランスでの俗名「Salade de porc(ブタのサラダ菜)」を翻訳したものだそうです。ブタがこの植物を好むとされているようです。調べてみると、人にとっても食用となるそうで、葉はサラダ(生、蒸す、炒める)、根は炒って挽いてコーヒーの代用品にされるという記事がありました。☆ブタナの花言葉は、「最後の恋」だそうです。由来は、わかりませんでした。
2017.05.31
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[11]】はメランチウム科(シュロソウ科)の植物です。メランチウム科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第1回は、メランチウム科のエンレイソウの花です。(2018年3月29日撮影)。☆エンレイソウは、北海道から九州の山地の林内のやや湿った場所に生えるメランチウム科(シュロソウ科)エンレイソウ属の多年草です。(2012年5月6日撮影)。☆エンレイソウは、茎の高さは20~40センチで、茎の先端に3枚の葉が輪生し、小さな花を咲かせます。エンレイソウの花は、花被片の付け根より上に子房がある子房上位です。葉は葉柄がなく、菱形状広卵形で先端は短く尖り基部は広いくさび型です。(2014年4月27日撮影)。☆エンレイソウは、葉の形や大きさ、外花被片の大きさや色など、種内の変化が多いのが特徴です。(2018年3月24日撮影)。☆エンレイソウの花期は、3~6月です。花柄は長さ2~4センチ、花びらのように見えるのは3枚の緑色または褐紫色の外花被片(萼片)です。内花被片は普通ありませんが、まれにあるものがあるそうです。雄蕊は6本で葯は長楕円形、雌蕊柱頭は3つに分かれています。これは、東京都の高尾山で観察したエンレイソウですが、3枚の花被片は緑色で、薄い褐色の縁取りがあります。(2018年3月29日撮影)。☆これは、東京都の高尾山の別の場所で観察したエンレイソウですが、3枚の花被片は緑色ですが、明瞭な褐色の縁取りがあります。(2018年3月24日撮影)。☆これは、青森県弘前市で観察したエンレイソウですが、3枚の花被片は緑色と褐色の中間の色です。(2014年4月27日撮影)。☆これは、北海道旭川市で観察したエンレイソウですが、3枚の花被片は褐紫色です。(2012年5月6日撮影)。☆エンレイソウ(延齢草)の名は、中国では薬草として用いられていて、漢名を延齢草根(えんれいそうこん)という胃腸薬として用いられていたことから。(2018年3月29日撮影)。☆エンレイソウの花言葉は、「奥ゆかしい美しさ」「落ち着いた美しさ」「叡智」「熱心」などだそうです。(2014年4月27日撮影)。☆エンレイソウの仲間は、種子が芽生えてから開花するまでに10~15年かかるそうです。その後、10年以上は毎年花を咲かせるそうです。
2018.11.23
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☆7月31日、東京都八王子市の高尾山に植物観察(14回目)に行きました。その内容を紹介しています。コバノカモメヅルの花です。(2019年7月31日撮影)。☆コバノカモメヅルは、本州(関東・中部・近畿地方)の山野の草地に生えるキョウチクトウ科カモメヅル属の多年草です。☆コバノカモメヅルの茎は蔓状で、よく分枝して伸び、他の木や草に巻きつきます。☆コバノカモメヅルの葉は対生し、披針形~広披針形で先が尖り、基部は浅い心形~切形です。葉縁は全縁で、柄があります。☆コバノカモメヅルの花期は7~9月で、葉腋から出る総花柄の先に散状に2~数個付き、小花柄は細く5~12ミリでまばらに花がつきます。☆コバノカモメヅルの花は、直径7~15ミリで暗紫色です。花冠は無毛で、星形に5つに分かれ、裂片は細長く先が捻じれています。萼も星形に5つに分かれています。☆花冠の内側にある暗紫の色の副花冠は、環状で5つに分かれ、裂片は雄蕊の真下にあり三角状卵形です。☆暗紫の色の副花冠の内側にある雄蕊は、雌蕊を囲んで短筒状に合着し、肉柱体(蕊柱)を作っています。☆コバノカモメヅル(小葉の鴎蔓)の名は、蔓性植物で対生した葉が翼を広げたカモメの姿に似ていることからという説があります。「小葉の」由来はわかりませんが、単に小さい葉ということに由来するのでしょうか。☆コバノカモメヅルの花言葉は、「地味だが存在感のある」です。花の様子に由来するようです。
2019.08.29
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☆7月1日、東京都八王子市の高尾山に植物観察(10回目)に行きました。その内容を紹介しています。前回6月9日に観察した時は蕾でしたが、ボダイジュの花が開花していました(2022年7月1日撮影)。☆ボダイジュは、中国原産で日本に渡来したアオイ科シナノキ属の落葉高木です。釈迦が木の下で悟りを開いたというのは、全く別種のクワ科イチジク属のインドボダイジュだそうです。☆ボダイジュは、苞葉の中央近くから集散花序を出し、花を3~20個つけます。苞葉は、狭長楕円形で先が丸く、長さは花時に5~8センチ、果時に8~10センチです。☆ボダイジュの花は、萼片は狭卵形で長さ5ミリ、花弁は淡黄色で狭披針形、仮雄蕊は線状楕円形で花弁より短く5個、雄蕊は長さ約3ミリです。雄蕊5個という記述の資料も見かけましたが、写真では5個の雄蕊の束のように見えます。☆ボダイジュの花は満開の時期を過ぎ、果実ができてきていました。☆ボダイジュ(菩提樹)の名は、釈迦がその木の下で悟りを開いたというので、サンスクリット語の「悟り」を意味する「ボーディ(bodhi)」 の音を漢字にして「菩提樹」と呼ぶようになったそうです。☆ボダイジュの花言葉は、「夫婦の愛」「結婚」だそうです。
2022.07.02
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☆8月12日から14日まで、新潟県県新潟市北区に行きました。新たな植物との出合いもありました。新潟市北区での自然観察を紹介してきました。道端に咲いていたハルシャギクの花です。(2017年8月13日撮影)。☆ハルシャギクは、北アメリカ原産で明治時代に観賞用として渡来したキク科ハルシャギク属の帰化植物です。園芸植物でしたが、全国的に広く野生化しています。茎は高さが60~120センチです。☆ハルシャギクの舌状花は8個内外で、上半部が黄色、中心部が紫褐色のものが多いそうです。筒状花は暗赤褐色です。☆ハルシャギクは、キク科の植物で、雄性先熟の花です。この花は咲き始めの雄性期の花で、ピンク色で先端が浅く5つに分かれている筒状花の花冠から、雄蕊の葯が合着して筒状になった濃紫色の集約雄蕊が伸びてきています。☆この花は、開花して時間が経過して、花の中央部分は雄性期ですが、周りは雌性期に移行してきており、集約雄蕊の中から柱頭が2つに分かれているオレンジ色の雌蕊花柱が伸びています。☆この花は、真ん中の一部の筒状花を除いて雌性期に移行している花です。ほとんどの筒状花からオレンジ色の雌蕊花柱が伸びています。☆ハルシャギク(波斯菊)の名のハルシャ(波斯)は、ペルシャのことだそうです。北アメリカ原産なのにペルシャの名。外国から来たということでペルシャの名がついたのでしょうか、それとも花のイメージからペルシャの名がついたのでしょうか、由来はわからないそうです。花の中心が濃紅色で周辺は黄色の蛇の目模様であり、別名のジャノメソウ(蛇目草)の由来となっています。☆ハルシャギクの花言葉は、「一目惚れ」「上機嫌」「陽気」「夏の思い出」「上流への憧憬」などだそうです。「一目惚れ」は花の中心部の赤い部分が目のようで見つめられているように見えることに由来し、「上機嫌」「陽気」は黄色という明るい色の花のために生まれた花言葉だそうです。
2017.08.31
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☆2月8日~9日、14~15日の大雪で、庭のウメの枝が折れていたので、花瓶に挿しておいたところ、花が咲きました。ウメは中国中部原産で、日本国内では実の収穫を目的とした梅の品種が100種類前後栽培されています。☆こちらの梅の花は、8日~9日の大雪で折れた枝に咲いたものです。(2014年2月14日撮影)。奈良時代以前は「花」といえば、むしろウメを指すことの方が多かったそうです。ウメよりサクラがより愛好されはじめるのは、平安時代中頃からのことだそうです。☆こちらの梅の花は、14日~15日の大雪で折れた枝に咲いたものです。(2014年2月20日撮影)。梅(うめ)の名は、中国語の「梅(マイあるいはメイ)」から転訛したという説があるようです。☆庭の梅の花は、ようやくつぼみが膨らんできました。☆江戸研究者の故杉浦日向子氏によれば、江戸のころは三つの花を花見と言ったそうです。(1)古くからの親友・心を許す学友と見に行き友情を深める「梅見」。(2)新しい奉公人を迎え年季の終えた奉公人を送り出す出発(門出)の「桜見」。(3)それぞれの家の手作りのお弁当を手に提げて家族で山里に見に行く「桃見」。☆今から300年ほど前に生活していた人々は、現代に生きる私たちより以上に、それぞれの季節を味わい楽しんでいたようです。
2014.02.25
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☆ウォーキングコースで見かけたコブシの実です。思わず虫こぶかと思うような、異様な形です。☆コブシの実は、緑色から次第にピンク色に変わり、秋には中から鮮やかな赤い種が顔を出してきます。コブシ(辛夷)の名は、実が握りこぶしのようなつぶつぶがあることからコブシになったという説があります。
2013.07.19
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◎ウォーキングコースの道端で、オヒシバを見つけました。◎☆オヒシバは、本州以南に分布するイネ科オヒシバ属の1年草です。メヒシバやコメヒシバに比べると、茎や花穂が太くしっかりした印象です。☆茎は立ち上がり、先端に2~7本の穂をつけます。オヒシバ(雄日芝)の名は、日向に生える芝(細葉)で、メヒシバと比較して平たい茎や葉が丈夫なので名付けられたそうです。☆オヒシバの花穂です。花穂の特徴を見るため、自宅に持ち帰り撮影してみました。メヒシバ、コメヒシバの花穂も、同じように撮影しました。◎ウォーキングコースでは、メヒシバを一番多く見かけます。◎☆メヒシバは、日本全土に分布し、日当たりの良い道端などで、ごく普通に見かけるイネ科メヒシバ属の1年草です。☆メヒシバの茎はオヒシバに比べて丸く細いのが特徴で、先端に少しずれて2段から3段に数本(最多8本)の穂をつけます。メヒシバ(雌日芝)の名は、オヒシバに比べて茎や穂がか弱いことから付けられたそうです。☆メヒシバの花穂です。オヒシバより細い花穂が、茎の先端に2段から3段に少しずれて付いています。◎団地の建物の北側で、コメヒシバを見つけました。◎☆コメヒシバは、イネ科メヒシバ属の1年草で、半日陰の場所や家の北側など、直射日光の当たる時間が限られているような場所に生育する傾向があるそうです。☆コメヒシバは、細い茎の先に、1点から3~4本の穂をつけます。コメヒシバ(小雌日芝)の名は、メヒシバに比べて全体に小型であることから付けられたそうです。☆コメヒシバの花穂です。メヒシバより細い3本の花穂が、1点に付いています。☆右から、オヒシバの花穂、メヒシバの花穂、コメヒシバの花穂です。3種並べると、違いがよくわかります。◎駅前の荒れ地で、帰化植物のセイバンモロコシを見かけました。◎☆開発中の駅前の荒れ地に、草丈2メートルほどのイネ科の植物が目立つようになりました。帰化植物のセイバンモロコシのようです。☆セイバンモロコシは、ヨーロッパの地中海地域の原産で、1943年に千葉県で採取され、戦後全国に広がったイネ科モロコシ属の多年草です。☆セイバンモロコシの花穂です。円錐状の穂に、多数の小穂が付いています。☆室内で撮影した花穂です。小穂の先端に芒(のぎ)が見えるので、ノギナシセイバンモロコシ(ヒメモロコシ)ではないようです。☆有柄の小穂(紫色、雄性)と無柄の小穂(白っぽい色、両性)が対になっています。無柄の小穂(両性)には、オレンジ色の雄しべの葯と綿毛状の雌しべが見えます。☆雄しべの葯は3本のようです。☆室内で撮影した小穂です。両性の小穂から、オレンジ色の雄しべの3本の葯と綿毛状の雌しべが出ています。☆似ている帰化植物ギネアキビは小穂がまばらであること、またモロコシガヤは背丈が0.5~1メートルであること、そこでセイバンモロコシと判断しました。☆イネ科は、似た形状の植物が多いので、何か気づいたことがありましたら、コメントお願いします。
2012.09.14
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☆夏真っ盛り、猛暑日が続いていますが、道端の雑草は元気で繁茂しています。道端のコンクリートの隙間から成長してきたオヒシバです。メヒシバに比べて茎や花穂が太くしっかりした印象です。☆オヒシバは、本州以南に分布するイネ科オヒシバ属の1年草です。☆オヒシバの茎は立ち上がり、先端に2~7本の穂をつけます。オヒシバ(雄日芝)の名は、日向に生える芝(細葉)で、メヒシバと比較して平たい茎や葉が丈夫なので名付けられたそうです。☆オヒシバの花穂です。花穂の軸の両側に、緑色の扁平な小穂が2列ずつ並んでおり、花穂は平たく見えます。☆メヒシバは、道端や畑で最も多く見かける雑草です。メヒシバは、日本全土に分布し、日当たりの良い道端などで、ごく普通に見かけるイネ科メヒシバ属の1年草です。☆メヒシバ(雌日芝)の名は、オヒシバに比べて茎や穂がか弱いことから付けられたそうです。☆メヒシバの茎はオヒシバに比べて丸く細いのが特徴で、先端に少しずれて2段から3段に数本(最多8本)の穂をつけます。☆メヒシバの花穂です。花穂の軸には小穂がまばらについています。☆参考までに、以前観察したコメヒシバです。コメヒシバは、イネ科メヒシバ属の1年草で、半日陰の場所や家の北側など、直射日光の当たる時間が限られているような場所に生育する傾向があるそうです。(2012年9月11日撮影)。☆コメヒシバは、細い茎の先に、1点から3~4本の穂をつけます。コメヒシバ(小雌日芝)の名は、メヒシバに比べて全体に小型であることから付けられたそうです。(2012年9月11日撮影)。
2014.08.10
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☆昨年は7月初めに、センリョウの花を観察しました。今年は、6月末にセンリョウの木を見てみると、茎の先端に花が咲いていました。(2015年6月26日撮影)。☆近寄ってみると、緑色の茎に緑色と薄クリーム色の丸いものが見えます。☆センリョウの花は、茎の先に穂状花序を作ります。☆花のつくりは、緑色の花軸に緑色の丸い雌蕊が付き、その雌蕊の側面に雄蕊が付きます。花びらや萼は、ありません。☆緑色の丸い雌蕊の側面に、薄クリーム色の雄蕊が付いています。雌蕊の上に盛り上がっているのが柱頭で、雄蕊の横に薄茶色に見えるのが葯です。葯は、それぞれの雄蕊に2個(雄蕊の左右に1個ずつ)あり、写真で見ると葯がはじけて花粉が出ています。☆昨年見かけたセンリョウの赤い実です。実の先端には雌蕊柱頭の痕が黒く残り、側面には雄蕊が付いていた痕が残っているのが見えます。(2014年11月14日撮影)。
2015.07.08
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☆ウォーキングの帰り道、道端の草むらでヒナキキョウソウの花が咲いているのを見つけました。ヒナキキョウソウは、初めての出合いです。(2017年5月18日撮影)。☆ヒナキキョウソウは、北アメリカ原産の帰化植物で、関東地方以西の市街地の道端などに見られるキキョウ科キキョウソウ属の1年草です。『日本帰化植物写真図鑑』によると、1931年に横浜市で帰化が報告されたそうです。☆ヒナキキョウソウは、茎は直立して分岐せず、高さは40センチほどになり、通常茎の先端に1個だけ花を咲かせます。その下の葉腋にも花を1~2個つけますが、ほとんどが閉鎖花で開花しません。☆ヒナキキョウソウの葉は互生で葉柄がない卵形、基部はやや心臓形になりますが茎を抱くことはありません。☆葉腋には、1~2個の閉鎖花が見えます。☆ヒナキキョウソウの果実は、熟すと上部に隙間ができます。☆茎の先端に1個だけ咲くヒナキキョウソウの開放花です。青紫色の花冠は星形に深く5つに裂けており、外側に5つの萼片が見えます。ヒナキキョウソウの花は、雄性先熟で雄蕊が先に熟して花粉を出します。この花は雄性期のようで、5本の雄蕊が見えますが、雌蕊柱頭は棍棒型で開いていません。☆この花は雌性期に移りつつあるようで、雌蕊柱頭が開き始めています。☆この花は雌性期で、雌蕊柱頭が3つに開いています。☆ヒナキキョウソウ(雛桔梗草)の名は、キキョウソウに比べて草丈が小さいことに由来するそうです。キキョウソウ(桔梗草)の名は、花がキキョウに似ていることから。☆ヒナキキョウソウの花言葉は、「陽気で明るい」だそうです。由来は、わかりませんでした。
2017.05.28
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☆6月初めに、クリの花が一斉に咲きます。昨年調べるまでは、この花がどのようにクリの実になるのか不思議に思っていました。(2013年6月2日撮影)。☆クリは、雌雄異花です。大きく広がって見えるのは、雄花です。(2013年6月2日撮影)☆雄花がたくさん付いている枝先に、雌花が付いています。総苞片に包まれ、白く伸びているのは雌しべです。総苞片の中には3個の子房があり、受粉するとクリの実になります。まわりの総苞片は、成長するに伴って針状に尖ったイガになるそうですが、変化の様子を観察してみたいと思います。(2013年6月2日撮影)。☆開花後2週間目、総苞片の先が尖ってきているようです。(2013年6月15日撮影)。☆雌花によっては、下部が針のように尖ってきています。(2013年6月15日撮影)。☆その2日後には、全体が針状のイガでおおわれてきました。(2013年6月17日撮影)。☆さらに1週間後です。針状のイガが増え、先が鋭く伸びてきています。(2013年6月23日撮影)。☆花が咲いてから約4カ月で、クリの実が熟してきます。雌花の変化を見ると、このようなクリの実になるのが理解できます。昨年秋のクリの実です。(2012年9月30日撮影)。☆クリの花を観察している時に、クリの木の虫こぶを見つけました。クリメコブズイフシといい、クリタマバチにより新芽が球形に肥大した虫えいです。1940年頃、中国産のクリの木を導入した際に、侵入してきたそうです。今年初めて見つけました。(2013年6月15日撮影)。
2013.06.27
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☆北海道の林の中で、エゾムラサキの花に出合いました。6月10日から17日まで、故郷の北海道を訪ねました。そこで出合った植物を紹介しています。(2017年6月14日撮影)。☆エゾムラサキは、北海道や本州中部の林内に生えるムラサキ科ワスレナグサ属の多年草です。☆エゾムラサキは、ワスレナグサに似ていますが、エゾムラサキの萼にはカギ状の立った毛があることで区別できるそうです。ワスレナグサの萼にはカギ状の毛がなく、まばらに圧毛だけがあるそうです。エゾムラサキの萼片を拡大してみると、確かにカギ状の立った毛が見えます。☆エゾムラサキは、草丈20~40センチで、キュウリグサに似たサソリ型花序をつけます。最初見つけた時にキュウリグサかと思いましたが、キュウリグサよりも花の大きさは大きいので違いがわかりました。☆エゾムラサキの花は、直径6~8ミリ、淡青紫色の花冠は5つに深く分かれています。花の中央には、5つに分かれている白または黄色の副花冠が見えます。花弁の両側と中央に白いスジがあります。☆エゾムラサキ(蝦夷紫)の名は、北海道に自生していること、ムラサキ(紫)は根から紫色の染料をとったことに由来するそうです。☆機会があれば、花序や葉の様子など、詳しく観察してみたいと思います。
2017.06.27
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☆8月21日から23日まで、栃木県の那須高原に行きました。新たな植物との出合いもありました。那須高原での自然観察を紹介します。宿泊先から見た雲海です。(2017年8月22日7時55分撮影)。☆宿泊先のホームページには、「気象状況にもよりますので毎日見られるとは限りませんが、標高1,230mに位置する当館から見る雲海は絶景です。」と書かれています。☆この機会に、雲海ができる条件について調べてみました。「YAMA HACK登山」の記事を利用させていただきました。山や飛行機など高度の高い場所から下を見た時に、雲が海のように拡がっているのが雲海です。雲海が発生するためには、次の5つの条件が必要だそうです。1.季節:主に春や秋。2.時間帯:夜明け前から早朝。3.気象:湿度が高い、放射冷却がある、無風状態、快晴。4.気温:前夜の気温と次の日の早朝の気温に差がある。5.場所:山間部や盆地。☆ウィキペディアフリー百科事典によると、「那須高原とは、栃木県北部の那須岳の南側山麓地域を言い、那須岳の標高千数百メートルの地域より東北本線、国道4号が通る標高300m辺りまで、緩やかな斜面が広がる。また、那珂川を挟んで那須野が原、那須高原の北西側は福島県の甲子高原に連なる。」とあります。標高1,230mの宿泊先から見下ろした那須高原です。(2017年8月23日9時6分撮影)。☆この地形は、上記の「5.場所:山間部や盆地。」という条件を満たしています。(2017年8月23日9時6分撮影)。☆また、雲海は、次の4つのステップで発生するそうです。1.放射冷却などで地面が冷える。2.地面付近の水蒸気を含む空気が冷える。3.無風で冷えた空気が溜まる。4.空気中の水分が飽和状態を通り越して霧ができる。☆那須町のホームページでの、那須町の紹介です。「那須町は、栃木県の最北端に位置し、首都東京からは約170キロメートルにあり東京から仙台間の中間に位置しています。那須連山と八溝の山並みに広がるわが町は、北西部に那須連山の主峰、茶臼岳(1915メートル)がそびえ、今なお煙を吐き続けています。その南斜面には、1380年の歴史を持つ温泉があり、日光国立公園「那須温泉郷」として観光の名所となっています。山麓地帯には、別荘地やテーマパークがあり高原地帯には、傾斜地を利用した酪農が続き、中央・東部地区には、水田地帯が広がっています。」茶臼岳9合目の那須ロープウェイ那須山頂駅から見上げた茶臼岳頂上です。(2017年8月22日14時35分撮影)。☆また、那須高原は、朝焼けが美しいところです。今回は見ることができませんでした。昨年10月に感動した那須高原の朝焼けです。(2016年10月3日5時20分撮影)。☆那須高原の朝焼けについては、「しろうと自然科学者の自然観察日記」の2016年10月12日の記事をご覧ください。◎那須高原の神秘的な朝焼け(2016年10月12日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20161012/
2017.09.01
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☆8月12日から14日まで、新潟県県新潟市北区に行きました。新たな植物との出合いもありました。新潟市北区での自然観察を紹介しています。道端で見かけたシロツメクサです。(2017年8月13日撮影)。☆シロツメクサは、ヨーロッパ原産で日本全国の平地で普通に見られるマメ科シャジクソウ属の多年草です。☆シロツメクサの茎は地をはって長く伸び、葉は3小葉からなり、葉柄は長さ5~15センチです。4小葉からなる「四葉のクローバー」が珍重されます。球形の花序が、花茎を伸ばして立ち上がります。☆シロツメクサの小葉は、長さ1~2.5センチ、幅0.8~1.8センチの広倒卵形で、表面に斑紋があるものが多く、縁に細歯牙があります。☆シロツメクサは、長さ約1センチの白い蝶形花が30~70個集まって、直径1.5~3センチの球状の花序を作ります。☆シロツメクサの花は、マメ科に共通の5枚の花弁からなる蝶形花(蝶形花冠)で、旗弁1枚、翼弁2枚、竜骨弁2枚です。萼筒は、上部に5つの裂片があります。☆シロツメクサの花は、咲き終わった花から下を向きます。枯れた花弁と萼の中に、果実があります。☆シロツメクサ(白詰草)の名は、これを乾燥したものが、江戸時代(最初の記録は1844~45年)にオランダから長崎に輸入されるガラス製品の梱包材として使われたので、白い「詰草」と名付けられました。その中の種子が発芽して広がったのが始まりで、牧草として全国に広がりました。☆シロツメクサ(別名:クローバー)の花言葉は、「幸運」「私を思って」「約束」「復讐」だそうです。三つ葉のクローバーは、希望や愛情の象徴とされており、そこに1枚葉が増えることによって幸福がもたらされるので、「幸運」の花言葉がついたそうです。また、逆の意味の「復讐」という花言葉は、「約束」が守られなかったら「復讐」をするという意味でついたともいわれているそうです。
2017.08.28
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☆ウォーキングコースの茶畑では、チャノキの実が大きくなってきています。☆昨年9月末から10月にかけて、ツバキの花を小さくしたようなチャノキの花が咲いていました。☆最初は丸い形のチャノキの実ですが、成長するとともに角丸の三角形に変わっていきます。☆成長したチャノキの実には3本の筋があり、熟すと3つに分かれて3個の種子を出します。地図記号で茶畑を表示する三つの点「∴」は、この3個の種子に由来しています。☆ウォーキングコースの道路脇のツバキの木に、たくさんの実がなっています。☆ツバキの実は、丸い形ですが、下の方に筋が見えます。☆よく見ると、ツバキの実には3本の筋があります。3本の筋の間に、短いくぼんだ線が見えます。☆実は熟すと3つに割れて、3~6個の種が出てくるそうです。ツバキ油は伊豆大島が有名ですが、種の収穫は9月から11月にピークを迎えるそうです。ツバキ油は、この種子から取り出します。
2015.08.07
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☆キキョウが咲いています。キキョウは、日本全土の日当たりの良い山地や野原に生えるキキョウ科キキョウ属の多年草です。☆キキョウは、雌雄同花ですが雄性先熟で、雄しべから花粉が出ている雄花期には雌しべ柱頭が閉じています。☆花粉を出した雄しべは先に枯れてしまい、しだいに雌花期になります。☆雄しべは枯れ、雌しべ柱頭が5つに分かれ始めています。万葉集では、キキョウは「朝顔」と呼ばれているそうです。☆雌花期のキキョウの花です。雄しべは枯れ、雌しべ柱頭が5つに分かれて開いています。自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他の花の花粉を受け取って受粉します。☆キキョウ(桔梗)の名は、漢名を音読みした「キチコウ」が「キキョウ」に変化したものだそうです。漢名「桔梗」は、乾燥した根(生薬)が硬いことに由来するそうです。キキョウは、秋の七草の一つです。秋の七草は、オミナエシ、ススキ、キキョウ、ナデシコ、フジバカマ、クズ、ハギです。
2014.08.27
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☆5月21日から23日、静岡県富士宮市へ行きました。田貫湖周辺での自然観察について、順次紹介しています。コアジサイの花です。(2018年5月22日撮影)。☆コアジサイは、関東地方以西から九州の山地や丘陵の明るい林内や林縁に生えるアジサイ科アジサイ属の落葉高木です。田貫湖周辺の日当たりの良い道沿いで、見かけました。☆コアジサイの葉は対生で、卵形から楕円形で先端は鋭く尖り、葉の縁には大きな三角形の鋸歯があります。☆コアジサイは、枝先に直径5センチほどの散房花序をつけます。☆コアジサイの花は全て両性花で、5枚の花弁は白色から淡青色です。雄蕊は10本で、花糸は青色で葯は黄白色です。雌蕊花柱は、2~4個です。雄蕊は、10本のうち最初に5本が広がり、その後残りの5本が広がるようです。☆写真が不鮮明ですが、こちらの写真では花弁より長い10本の雄蕊が広がり、雌蕊花柱は3個見えます。☆コアジサ(小紫陽花)の名は、アジサイ属の植物の特徴である装飾花がない小型の紫陽花であることから。
2018.06.20
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[1]】はラン科の植物で、第4回はギンランの花です。(2015年4月28日撮影)。☆ギンランは、キンランと同じように、本州・四国・九州の山地や丘陵の林下に生えるラン科キンラン属の多年草です。(2017年5月5日撮影)。☆ギンランの葉は3~6枚で互生し、基部は茎を抱いています。(2017年5月5日撮影)。☆ギンランの花の苞は、長さ1~3ミリの狭三角形で、下の1~2個は長くなるそうです。一番下の花には、長い苞があるのがわかります。(2017年5月3日撮影)。☆ギンランの花は、全開していることが少ないのですが、外花被片(萼片)は3枚で上萼片が1枚と側萼片が2枚、内花被片(花弁)は3枚で側花弁が2枚と唇弁が1枚です。(2015年4月28日撮影)。☆右の花と右上の花では、唇弁の真ん中の裂片の表面に白い筋が隆起しているのがわかります。右上の花と上の花では、花の中央に雄蕊と雌蕊が合着した蕊柱(ずいちゅう)も見えます。また、唇弁のつけ根の部分が短い距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)になっているのがわかります。(2015年4月28日撮影)。☆ギンランの花は子房下位(子房が花弁や萼片の下にある)なので、一見すると花茎(花軸)から枝分かれした花柄に花が付いているように見えますが、そのまるで花柄のように見えるのが子房で、ここが果実になり中に種子ができます。(2015年4月26日撮影)。☆こちらは、ギンランの花が散った後に子房が成長してきたものです。花の時期には、あたかも花柄のように見えた子房が、果実として成長してきているのがわかります。(2016年8月16日撮影)。☆ギンラン(銀蘭)の名は、キンラン(金蘭)に対して白い花が咲くことから名づけられました。(2016年4月24日撮影)。☆ギンランの花言葉は、「おとなしい貴婦人」だそうです。林の中で花を咲かせている物静かで清楚な姿は、文字通り「おとなしい貴婦人」のように見えます。(2017年5月3日撮影)。
2018.08.15
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[7]】はキク科アザミ属の植物です。第1回は、アザミの仲間とアザミに似ている植物です。写真は、キク科アザミ属のノハラアザミの花です。◎キク科アザミ属の葉には、刺(トゲ)がある。☆キク科アザミ属の葉には、トゲがあります。「アザミ」の名は、トゲを意味する「アザ」に植物名に多い接尾語「ミ」が付いたという説、トゲが多いことから「驚き呆れる、傷む、傷ましい」の意味の「あざむ」に由来する説などがあるそうです。写真は、キク科アザミ属のトネアザミの葉です。☆漢字の「薊」は、「草冠+魚+刀」からなる字で「魚」はトゲトゲした骨があることを表し、トゲがあって刀のように刺す草を表しているそうです。写真は、キク科アザミ属のアメリカオニアザミの葉です。◎頭花は全て筒状花で、花冠は先端が細長く5つに分かれている。☆キク科アザミ属の頭花は全て筒状花で、花冠は先端が細長く5つに分かれています。写真は、キク科アザミ属のノアザミの花です。☆写真は、キク科アザミ属のノハラアザミの花です。◎雄性先熟で雄蕊が先に熟し、その後雌蕊が熟して柱頭が伸びてくる。☆雄性先熟は、自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他家受粉(他の花の花粉を受け取って受粉すること)します。同じ種の中でも、多様な遺伝情報を受け取ることによって、個体の生命力を高めるための巧妙な仕組みです。雄性期のキク科アザミ属のトネアザミの花です。集約雄蕊の先端から花粉を出しています。☆雌性期になったキク科アザミ属のノハラアザミの花です。花粉は見えなくなり、集約雄蕊の中から雌蕊花柱が伸びてきています。◎アザミ全体の花言葉は、「独立」「厳格」「権威」「復讐」「報復」「満足」「安心」「人間嫌い」「触れないで」など。☆アザミの花言葉は、アザミの植物の特徴に由来するようです。写真は、キク科アザミ属のトネアザミです。◎アザミ属でないのに「アザミ」の名がついたキツネアザミ。☆キツネアザミは、キク科アザミ属ではなくキク科キツネアザミ属の越年草です。◎アザミ属でないが花の形がアザミに似ているタムラソウ。☆タムラソウは、キク科アザミ属ではなくキク科タムラソウ属の多年草です。
2018.10.08
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第13回は、ユリ科のオオウバユリの花です。(2016年8月1日撮影)。☆オオウバユリは、北海道と本州(中部地方以北)に自生するユリ科ウバユリ属の多年草です。(2016年8月1日撮影)。☆広がり始めたオオウバユリの花序です。下の方には蕾全体を包んでいた総苞片が見え、それぞれの花にも苞があるのがわかります。(2016年8月1日撮影)。☆オオウバユリの根元の葉です。花の時期にも、葉は残っています。(2016年8月1日撮影)。☆オオウバユリの花期は、7~8月です。オオウバユリの花は、茎頂にたくさんの花が、総状につきます。オオウバユリはウバユリの変種で、ウバユリより全体的に大きく、ウバユリの数個に対して10~20個と花の数が多いのが特徴です。(2016年8月2日撮影)。☆オオウバユリの花は緑白色で、横向きに咲き、花被片は6枚(外花被片3枚と内花被片3枚)が不規則に並んでいます。オオウバユリの花は、先端が少し開くだけで、ヤマユリやオニユリのようには開花しません。(2016年8月1日撮影)。☆花被片の中を見ると、6本の雄蕊は長さが異なり、雌蕊花柱に沿って並んでいるようになっています。花被片内側には、黒褐色の斑点が見えます。(2016年8月1日撮影)。☆オオウバユリの果実は蒴果(さくか)で、中には大量の種子が入っています。(2017年10月10日撮影)。☆裂開し始めたオオウバユリの果実です。裂片が格子状の繊維でつながっているのがわかります。果実は3室に分かれ、それぞれに2個の種子が並んで積み重なっています。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。(2017年10月10日撮影)。☆オオウバユリ(大姥百合)の名は、文字通り大きいウバユリです。ウバユリ(姥百合)の名は、花が満開になる頃には葉が枯れてくる事が多いため、歯(葉)のない「姥」にたとえて名づけられたそうです。(2016年8月1日撮影)。☆オオウバユリの花言葉は、「威厳」「無垢」だそうです。オオウバユリが、林の中で凛として立って花を咲かせているように見える姿から名づけられたのでしょうか。
2018.11.20
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☆2019年は、3月12日(1回目)から11月5日(20回目)まで、東京都八王子市の高尾山に植物観察のために20回行きました。3月から11月までの8か月間の195種の植物観察を振り返ります。アオイ科・アオキ科・アカネ科の植物です。◎カラスノゴマ(アオイ科カラスノゴマ属)☆9月初旬、道端でカラスノゴマを見かけました。(2019年9月6日撮影)。☆カラスノゴマは、本州(関東以西)から九州の畑や道ばたに生えるアオイ科カラスノゴマ属の1年草です。以前はシナノキ科に分類されていましたが、APG分類体系ではアオイ科に分類されました。☆カラスノゴマについては、2019年10月2日の日記で紹介しました。◎カラスノゴマの花(2019年10月2日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20191002/◎アオキ(アオキ科アオキ属)☆アオキは、3月に赤く熟した果実を観察し、4月初めには雄株の雄花序を観察しました。(2019年3月12日撮影)。☆アオキは、北海道から沖縄までの山地の樹林の下に生えるアオキ科アオキ属の常緑低木です。アオキは、APG分類体系ではガリア科(アオキ属、ガリア属)、またはアオキ科(アオキ属)に分類されています。写真は雄花序です。(2019年4月2日撮影)。☆アオキについては、2019年5月22日の日記で紹介しました。◎アオキの花(2019年5月22日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20190522/◎オククルマムグラ(アカネ科ヤエムグラ属)☆3月中旬、オククルマムグラに出合いました。ヤエムグラ属は種の特定が難しいですが、茎や葉の特徴からオククルマムグラと判断しました。(2019年3月19日撮影)。☆オククルマムグラは、北海道から九州の山地の林下に生えるアカネ科ヤエムグラ属の多年草です。☆オククルマムグラについては、2019年5月5日の日記で紹介しました。◎オククルマムグラ(2019年5月5日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20190505/◎ヤエムグラ(アカネ科ヤエムグラ属)☆3月下旬、オククルマムグラに続いてヤエムグラを観察することができました。(2019年3月30日撮影)。☆ヤエムグラは、日本全土の人家近くの藪や荒れ地に生えるアカネ科ヤエムグラ属の1年草または越年草です。☆ヤエムグラについては、2019年6月1日の日記で紹介しました。◎ヤエムグラ(2019年6月1日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20190601/◎イナモリソウ(アカネ科イナモリソウ属)☆イナモリソウは、高尾山では2017年に続き2度目の出合いでした。5月下旬、たくさんのイナモリソウを観察することができました。(2019年5月28日撮影)。☆イナモリソウは、本州(関東南部以西)から四国・九州の山地の路傍などに生えるアカネ科イナモリソウ属の多年草です。☆イナモリソウについては、2019年8月8日の日記で紹介しました。◎イナモリソウの花(2019年8月8日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20190808/◎ホシザキイナモリソウ(アカネ科イナモリソウ属)☆ホシザキイナモリソウは、初めての出合いでした。5月下旬、イナモリソウとともにホシザキイナモリソウを観察することができました。(2019年5月28日撮影)。☆ホシザキイナモリソウは、高尾山で最初に発見されたイナモリソウの変種です。ホシザキイナモリソウは、小さめの花弁の縁が内側に折りたたまれる状態で咲くので、細い星形に見えます。☆ホシザキイナモリソウについては、2019年8月9日の日記で紹介しました。◎ホシザキイナモリソウ(2019年8月9日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20190809/◎ミズタマソウ(アカバナ科ミズタマソウ属)☆ミズタマソウは、高尾山では2017年に続き2度目の出合いでした。(写真が不鮮明なので2017年9月14日撮影のものを使用)。☆ミズタマソウは、北海道から九州の山地の林下に生えるアカバナ科ミズタマソウ属の多年草です。(2019年8月22日撮影)。☆ミズタマソウについては、2019年9月25日の日記で紹介しました。◎ミズタマソウの花と果実(2019年9月25日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20190925/
2019.12.08
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☆北海道の足寄町にある道の駅「あしょろ銀河ホール」の近くで、オオイタドリを見かけました。6月10日から17日まで、故郷の北海道を訪ねました。そこで出合った植物を紹介しています。(2017年6月16日撮影)。☆オオイタドリは、北海道と本州中部以北の山野に群生して生えるタデ科ソバカズラ属の大型多年草です。イタドリ属に分類されることもあるようです。ウォーキングコース(玉川上水)で見かけるイタドリは、草丈30センチから1メートル程度です。☆オオイタドリの茎は高く、枝を張って弓状に曲がります。☆葉は有柄で、大きくて長卵形から卵形、先端は尖り、基部は心形です。☆オオイタドリ(大虎杖)の名は、文字通り大型のイタドリです。高さが3メートルもあり、見上げるほどの大きさです。雌雄異株で、花の時期は7月から9月です。☆こちらは、ウォーキングコース(玉川上水)でみかけるイタドリです。高さは、せいぜい1メートル程度です。(2015年9月25日撮影)。
2017.07.02
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☆カキの花が咲いています。カキは、カキノキ科カキノキ属の落葉高木です。雌雄同株で、雄花と雌花がありますが、写真は雌花です。☆カキの名は、赤い実がなる様子から、「赤き実」あるいは「赤木」が略されて「カキ」になったとのこと。☆雌花の花のつくりは、4枚の萼片、4裂する花冠、先端が4裂する雌しべです。花冠の中の雌しべの下には、小さなカキの実が見えます。☆カキ(柿)で思い出したのが、新しい歌舞伎座の「こけらおとし(柿落し)」でした。調べてみると、こけらおとし(柿落し)の「こけら(柿)」とは、材木を削った時に出る切り屑のことで、工事の最後に建物の「こけら」を払い落としたことから、完成後の最初の興行を「こけらおとし」と言うようになったそうです。☆気になったのは「柿」の文字です。カキ(柿)の字は、「きへん(木)」に「なべぶた(亠)」+「はば(巾)」で9画です。いっぽう、こけら(柿) の字は、「きへん(木)」に「十」+「冂」で8画だそうです。諸説あるようですが、カキで気になったので調べてみました。
2013.05.21
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☆コブシの実が目立つ時期になりました。コブシは、モクレン科モクレン属の落葉広葉樹の高木です。コブシは、立川市の「市の花」です。立川市のホームページによると、1974年(昭和49年)、広く市民に選定を呼びかけ、市の木を「欅(ケヤキ)」、市の花を「コブシ」に決定したそうです。☆コブシ(辛夷)の名は、実が握りこぶしのようなつぶつぶがあることからコブシになったという説があります。「辛夷」という漢字を当てて「コブシ」と読みますが、中国ではこの言葉は木蓮を指すそうです。☆実の形はさまざまです。7月下旬になると、こぶ状の黄緑色の実がしだいに赤く色づいてきます。8月初めには、実が熟して心皮が裂け、中からオレンジ色の仮種皮に覆われた種子が見えてきます。☆コブシの花から、どのようにしてこのような実の形になるのか、興味があります。☆今年春に咲いていたコブシの花です。(2015年3月20日撮影)。☆雌蕊が緑色の棒状の花床に螺旋状についています。これが受粉すると、中の種子が大きくなってあのつぶつぶがある黄緑色の実になっていくようです。(2015年3月20日撮影)。
2015.06.23
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☆今年もウォーキングコース(玉川上水)で、クマシデの果穂(かすい)が目立ちます。☆クマシデは、本州・四国・九州の日当たりの良い山地に自生するカバノキ科クマシデ属の落葉広葉樹です。樹高は15メートルになる落葉高木です。クマシデは、材が堅いので家具材・建築材・農具の柄などに用いられるそうです。☆クマシデ(熊四手)の名は、シデの仲間では果穂が最も大きいので「熊」の名がついたそうです。四手(紙垂)は、しめ縄や玉串などにつける細長く切った紙のことで、花が枝に垂れ下がる様子から。☆クマシデの葉の側脈は、アカシデ(9~12本)やイヌシデ(12~15本)より多く20~24本です。写真では、20本以上見えます。☆クマシデは、雌雄同株で雌雄異花です。葉の展開と同時に花が咲き、雄花序は長さ3~5センチで前年枝から垂れ下がり、雌花序は本年枝の先端か短枝の脇から垂れ下がります。雌花の基部の小苞が花の後に大きくなり、葉状の果苞になるそうです。新しい枝の先端に果穂が垂れ下がっています。☆果穂とは、種子を抱いた果苞(葉が変形したもの)が房状になったものです。アカシデやイヌシデは果苞がまばらですが、クマシデの果穂は果苞が密で太いのが特徴です。☆クマシデの雄花序は、まだ観察したことがありません。
2016.05.23
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☆ウォーキングコースの道端で、今年もマンネングサの仲間オカタイトゴメを見かけました。☆オカタイトゴメは、内陸の道端などに生えるベンケイソウ科マンネングサ属の多年草です。原産地不明の帰化植物です。☆オカタイトゴメの花のつくりは、萼片5枚、花弁5枚、雄蕊10本、雌蕊5本で、他のマンネングサの仲間と共通しています。☆オカタイトゴメの花の萼片は、他のマンネングサの仲間に比べると短く先端が丸いようです。☆海岸に生えるタイトゴメの葉は円柱形だそうですが、オカタイトゴメの葉は角張っていて上部の葉が密についています。☆オカタイトゴメ(丘大唐米)の名は、海岸に生えるタイトゴメに対して内陸の市街地に生えることから。タイトゴメ(大唐米)の名は、葉の形が大唐(外国のアジア)の米、つまり外米に似ていることから。
2016.06.16
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第12回は、ヒガンバナ科のネギ(ネギ亜科ネギ属)の仲間です。写真は、ネギです。(2012年5月23日撮影)。◎ユリ科ネギ属⇒ネギ科ネギ属⇒ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属へと変遷(1)1980年代までは、マクロ形態的な仮説を根拠に演繹的に作り上げたクロンキスト体系が主流で、ネギ属はユリ科に属していました。(2)1990年代には、ミクロ的なゲノム解析から実証的に構築されたAPG(Angiosperm Phylogeny Group: 被子植物系統発生グループ)分類体系が登場し、1998年に初版が出されました。ネギ属はネギ科とされました。(3)APG分類体系は、2003年に第2版、2009年には第3版が出され、この第3版ではネギ属はヒガンバナ科に分類されることになりました。◎ネギ(ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属)☆筒状の葉を食用にする青ネギ、肥大化した偽茎を食用にする白ネギがあります。(2012年5月23日撮影)。◎タマネギ(ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属)☆タマネギは鱗茎を食用にするものですが、鱗茎は茎ではなく葉が層状に重なり合っているものです。(2012年10月28日撮影)。◎ニラ(ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属)☆扁平な葉を食用とするニラです。ウォーキングコース(玉川上水)では野生化しています。(2012年9月27日撮影)。◎ワケギ(ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属)☆筒状の葉を食用にするワケギは、ネギとタマネギの雑種だそうです。(2012年10月28日撮影)。◎ノビル(ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属)☆山野に自生するノビルは、鱗茎を食用にします。(2012年3月7日撮影)。◎園芸植物のハナニラ(ヒガンバナ科ネギ亜科ハナニラ属)☆ハナニラは原産地が南米で、主にメキシコからアルゼンチンにかけて分布し、日本には、明治時代に入ってきたそうです。ハナニラは、ハナニラ属の総称です。ハナニラ(花韮)の名は、花がきれいで葉がニラに似ており、葉を折るとネギやニラのような匂いがすることに由来します。雑草のように丈夫で、種と球根(塊茎)で、庭だけでなく芝生の中など野生化して繁殖しています。(2008年3月30日撮影)。☆ハナニラの花期は春で、球根(鱗茎)から数枚の線形の葉を根生し、その中心から花茎を伸ばします。(2015年4月6日撮影)。☆ハナニラは、花茎の先端に細長い鞘状の苞があり、苞の裂け目から細長い花柄が伸び、1個の花をつけます。(2013年3月12日撮影)。☆ハナニラの花のつくりは、花被片6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)、雄蕊が6本、雌蕊が1本です。(2013年3月12日撮影)。
2018.11.07
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☆植物観察のために遠出することもできないので、引き続きウォーキングコースの玉川上水緑道で見かけた植物を紹介します。イボタノキの花です。☆イボタノキは、北海道から九州の山野の林縁にふつうに見られるモクセイ科イボタノキ属の落葉低木です。☆イボタノキ(水蝋の樹、疣取木)の名は、この木に寄生するイボタロウカイガラムシ(イボタロウムシ)が分泌する「水蝋蝋(いぼたろう)」が取れることから。☆イボタノキについては、2019年3月25日の日記で詳しく紹介しました。◎水蝋蝋(いぼたろう)が取れることから名づけられたイボタノキの花(2019年3月25日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20190325/
2020.05.21
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☆ウォーキングコース(玉川上水)で、ツワブキの花を見かける時期になりました。☆ツワブキは、日本海側の石川県、太平洋側の福島県以西の海岸付近に自生するキク科ツワブキ属の多年草です。東伊豆では自生しているツワブキを見かけましたが、ツワブキは園芸植物として公園や庭などに植えられています。☆ツワブキの葉は腎形で、光沢があり厚く、縁に不揃いな鋸歯があります。☆ツワブキ(石蕗、艶蕗)の名は、葉が丸くフキのようで光沢がありつやがあるので、艶葉蕗(つやばふき、艶のある葉のフキ)から転訛してツワブキになったという説、「厚葉ブキ」から「あ」が省略されて「つわぶき」になったという説があるそうです。☆ツワブキの花は、舌状花と筒状花からなる美しい花です。☆ツワブキの1つの花(頭状花序)は、40~70個の花からできており、周りに10~15個程度の舌状花があり、内側は筒状花です。☆5枚の小さな花びら(先端が5つに分かれる花冠)がある筒状花も外側から咲いてきています。ツワブキは雄性先熟で、雄蕊が先に成熟して花粉を出し、その後雌蕊が花粉を押し出すように伸びてきます。この写真では、頭状花序の中央はつぼみ、その周りに茶褐色の筋が見える集約雄蕊の先端に星形の花粉が見える雄性期の花、外側は集約雄蕊の中から雌蕊が伸びて花柱の先端が2つに分かれている雌性期の花が見えます。☆ツワブキの花言葉は、「困難に負けない」「愛よよみがえれ」「謙譲」「謙遜」「先見の明」「いつも笑顔で変わらない」などがあるそうです。「困難に負けない」は、海岸の岩の上や崖で咲いていることから名づけられたのでしょうか。「謙譲」「謙遜」は、晩秋に日陰で咲いている花の姿から名づけられたのでしょうか。
2016.10.28
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☆北海道で日帰り温泉に行った時に、シナノキを見かけました。シナノキの花の花序には苞葉がつく独特の形をしています。6月10日から17日まで、故郷の北海道を訪ねました。そこで出合った植物を紹介しています。(2017年6月15日撮影)。☆シナノキは、北海道・本州・九州の山地に生える高さ8~10メートルほどのシナノキ科シナノキ属の落葉高木です。ゲノム解析によるAPG植物分類体系では、アオイ科に分類されています。☆シナノキの葉は互生で、左右非対称の心型で先端は尾状に伸びて尖っています。縁には鋭い鋸歯があります。☆シナノキは、葉柄の基部の側方から長さ5~8センチの花序を伸ばし、10数個の花をつけます。☆シナノキは、花序の柄に細長い苞葉がついている独特の形が特徴的です。総苞葉は狭長楕円形で、花時には3~6センチ、果時には10センチほどになるそうです。☆花序の柄に細長い苞葉がついている独特の形は、シナノキやボダイジュなどシナノキ属に共通する特徴です。☆苞葉は花序全体を包む葉なので、苞葉には葉脈が見えます。苞葉の主脈と花柄が途中まで融合しているようです。☆シナノキ(科の木、級の木)の名は、アイヌ語の結ぶ・縛るという意味の「シナ」に由来するそうです。シナノキは樹皮の繊維が強いので、その名前の語源にあるとおり、アイヌが古くから衣類や織物を作ったそうです。樹皮から作った布は「シナ布」と呼ばれ、特に水に強いため帆船の帆あるいは船ロープなどとして今でも使われているそうです。☆シナノキの花言葉は、「愛する人と結ばれる」「夫婦愛」だそうです。「愛する人と結ばれる」「夫婦愛」は、樹皮の繊維が強いので、ロープや織物を作ったことに由来するのでしょうか。☆それにしても、印象的な独特の花序の形です。
2017.06.28
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☆ウォーキングコースの道端で見かけるヒナタイノコヅチの花。ヒナタイノコヅチは、北海道の一部や本州・四国・九州の日当たりの良い道端や荒れ地に生えるヒユ科イノコヅチ)属の多年草です。☆ヒナタイノコヅチ(日向猪子槌)の名は、日陰に生えるイノコヅチ(イノコズチ)に対して、日当たりの良いところに生えることから。イノコヅチは花がまばらにつきますが、ヒナタイノコヅチは花が密につきます。☆「ヒナタイノコヅチ」と「ヒナタイノコズチ」の表記がありますが、漢字表記「日向猪子槌」からすると「ズチ」ではなく「ヅチ」のように思えます。☆「ひっつき虫」のヒナタイノコヅチの実です。種子表面から突き出て、すぐに折れ曲がって寝た針があり、これによって引っ掛かり種を拡散していきます。☆イノコヅチ(猪子槌)の名は、茎の節の膨らんだところが猪の子の膝頭に似ていることから名付けられたそうです。
2015.09.09
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☆10月22日から3日間、東伊豆の熱川に行きました。今年こそ何としてもバナナの花を観察したいと思い、「熱川バナナワニ園」を訪ねました。☆熱川バナナワニ園では、本園の植物園と分園のバナナ館にバナナが展示されています。なお、バナナは、バショウ科バショウ属の多年草です。☆草が芽を出し、次第に成長していきます。☆茎ではなく、葉が重なっているものが「茎」のように見えます。野菜のネギの葉(茎ではない)と同じものです。したがって、切り口に年輪はありません。☆バナナは、大きくなると木のように見えますが、これは高さ2~10メートルになる多年生の草です。☆木のようにみえる部分は仮茎(または偽茎)と呼ばれ、やわらかい葉が重なりあっています。いくら太くなっても、茎・幹ではなく、葉が重なっているものです。草(多年草)になるバナナは、果物ではなくトマトなどと同じ野菜?!なのでしょうか。☆昨年3月に見たバナナの花のつぼみです。赤紫色の巨大な筆先のようなのが、苞です。生産地では、これを野菜として利用しているようです。(2012年3月日撮影)。☆今年こそ何としてもバナナの花を観察したいと思っていたところ、本園の植物園で花が開いているのを見つけることができました。☆赤紫の苞の中に、たくさんの花が咲いているのが見えます。苞が1枚めくれ上がるたびに、1段の花が咲き、1房のバナナに成長するそうです。☆一つひとつの花の形までは、よくわかりません。☆苞がめくれ上がったバナナの花です。これが、1房のバナナに成長するようです。☆先端に花が咲いている花茎の上の方には、バナナの実が成長してきていました。☆今から1万年前、野生の種子のある種から種子のないバナナが作られ、交配によって種ができない三倍体(種無し西瓜と同じ)が作られ世界的に広がったそうです。野生のバナナには種がありますが、種なしバナナは発芽した芽を株分けすることによって子孫を作っていくことができます。☆「バナナ」という名は、アラビア語で「手足の指」を意味する「バナーン」という語で、これがアフリカのギニアに伝わり、コンゴ川の河口のその名も“Banana”という港から英語圏に伝わったようです。現在、日本に輸入されているバナナは、フィリピン産が95%を占めているそうです。
2013.10.29
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☆道端を歩いていると、葉の形や蔓状に伸びる茎はツタバウンランなのですが、花が白いので近寄ってみました。☆シロバナツタバウンランです。薄紫色の花のツタバウンランは、茎も紫色ですが、シロバナツタバウンランは茎が緑色で葉の形も少し違うようです。☆ツタバウンランは、ヨーロッパ原産で、大正時代に観賞用として渡来したものが野生化したものです。北海道から本州に生えているオオバコ科ツタバウンラン属の帰化植物です。白い花と薄紫色の花の2種類が野生化しており、道端や石垣の隙間などに生えているそうですが、シロバナツタバウンランは初めて見ました。☆シロバナツタバウンランの花は、ツタバウンランと同じ唇形で、花の中央は黄色、上唇は2つに分かれて先端が丸く、下唇は3つに分かれています。☆シロバナツタバウンランの花を横から見てみました。スミレなどと同じように、下唇の後ろに距が突き出ています。☆こちらが、薄紫色の花のツタバウンランです。茎は紫色です。☆ツタバウンランの花は、唇形で、花の中央は黄色、上唇は2つに分かれて先端が丸く、下唇は浅く3つに分かれています。☆花を横から見てみました。下唇の後ろに距が突き出ています。ツタバウンランも、距に蜜をためて虫を呼んでいるそうです。花の中には、4本の雄蕊と1本の雌蕊があるそうです。☆シロバナツタバウンラン(左)とツタバウンラン(右)の葉を比較してみました。どちらも葉には長い柄があり、葉は扁円形で掌状に5つに分かれています。シロバナツタバウンラン(左)の葉は、ツタバウンラン(右)の葉よりも一回り小さく、掌状に分かれた葉の先が尖っています。☆ツタバウンラン(蔦葉海蘭)の名は、蔓性の蔦の葉のようなウンラン(海蘭)から。ウンラン(海蘭)は、北海道から本州・四国の海岸に咲くオオバコ科ウンラン属の植物で、花の形が蘭に似ているので海(海岸)の蘭と名付けられたそうです。☆ツタバウンランは、以前はゴマノハグサ科とされていましたが、APG植物分類体系(APG第3版:従来のマクロ形態的な分類に対してミクロなゲノム解析から分類する手法)ではオオバコ科に分類されたそうです。
2015.05.23
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☆ウォーキングコース(玉川上水)の岸辺のクヌギの根元に不可解な黄色い塊があり、先月から気になっていました。☆フェンスの中なので近寄ることができず、遠くから眺めてきました。☆一見すると、粘菌のようでもありますが、正体がわからず、引き続き調べています。☆この写真をご覧になり、お分かりの方は、ぜひコメントをお願いします。
2015.12.28
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☆不要不急の外出を控えるようにという事態になりました。散歩や運動は自粛の必要がないということなので、ウォーキングコース(玉川上水)で見かけた植物を紹介します。オオジシバリの花です。(2020年4月8日撮影)。☆オオジシバリは、北海道から九州の道端などに生えるキク科ノニガナ属の多年草です。同じキク科ノニガナ属のジシバリの葉は丸型ですが、オオジシバリの葉はヘラ型で、全体的にジシバリよりも大型です。☆オオジシバリは、地面に走出枝を伸ばし、さらに節から根を出して広がっていきます。オオジシバリ(大地縛り)の名は、大きいジシバリで、密に地面を覆って「地面を縛る」ことから。
2020.04.16
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☆9月25日から28日まで、静岡県富士宮市へ行きました。田貫湖周辺などで自然観察をしました。静岡県富士宮市での自然観察を紹介しています。ヒメクグの花と果実です。(2017年9月26日撮影)。☆ヒメクグは、北海道から九州の路傍や畑地などに多いカヤツリグサ科ヒメクグ属(またはカヤツリグサ属)の多年草です。☆ヒメクグの茎は直立し、高さは10~25センチです。花穂(頭状花序)は1個、まれに2~3個つきます。☆ヒメクグの苞葉は3枚ほどつき、葉状で長く伸びています。☆ヒメクグの花序は、緑色の球状、無柄で、直径5~12ミリ、密に多数の小穂をつけます。☆ヒメクグの小穂は長さ3.5ミリ位、柱頭が2つに分かれている雌蕊が出るというのですが、クリーム色の葯がある雄蕊とともに、柱頭が2つに分かれている雌蕊が見えます。☆ヒメクグ(姫莎草)の名は、小さな(姫)クグ(莎草:イヌクグ)に由来し、クグ(莎草:イヌクグ)に花序が似ていることから名づけられたそうです。クグ(莎草:イヌクグ)は、海岸近くの草地に生育する多年草です。なお、「莎草(しゃそう)」は漢名で、中国でカヤツリグサ属のことを表すそうです。
2017.12.15
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☆シロツメクサが咲き始め、道端ではツメクサが咲いています。同じ「ツメクサ」ですが、昨年の自然観察の中で、名前の由来が違うことを知りました。シロツメクサは、ヨーロッパ・北アメリカ原産でマメ科シャジクソウ属の帰化植物です。☆シロツメクサ(白詰草)の名は、これを乾燥したものが、江戸時代にオランダから長崎に輸入されるガラス製品の梱包材として使われたので、白い「詰草」と名付けられました。☆シロツメクサは、四葉のクローバーが、珍重されます。なお、ヨーロッパ原産で牧草として輸入されたものが各地で野生化しているアカツメクサもあります。☆道端の雑草で、繁殖力が強く、コンクリートやアスファルトの隙間にも生え花を咲かせているツメクサです。草丈は5~15センチメートルで、葉は線形で先端が尖っており、茎は分岐し地面を這ったり先端が立ったりします。☆ツメクサは、ナデシコ科ツメクサ属の1年草です。ツメクサ(爪草)の名は、葉の形が鳥の爪のような形をしていること、切った爪に似ていることなどから。☆ツメクサは、4月から7月にかけて、茎の先端に直径3~4ミリ程度の白く小さな花を咲かせます。☆ツメクサの花に近づいてみると、花を包んでいた5枚の萼片、同じく5枚の白い花びら、5本の雄しべ、雌しべは先端が5裂しており細い毛が見えます。花の後の実は、熟すと5裂して0.4~0.5ミリの種子を出すそうです。☆読みは同じ「ツメクサ」ですが、梱包材としての利用方法から名が付いたシロツメクサ(白詰草)、線形で先がとがった葉の形から名が付いたツメクサ(爪草)。それぞれの植物の名前の由来を調べていくと、その植物の歴史や特徴がわかり、それぞれの植物への理解や興味が深まります。
2013.04.28
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☆写真は全て楽天写真館から掲載していますので、クリックすると鮮明な画像になります。◎黄色い実を付けている蔓性の植物(ツルウメモドキ)☆「黄色い実が付いている名前がわからない蔓性植物。名前がわかる方のコメントをお願いします。」と掲載しました。☆ブログを見た方からのコメントで、ツルウメモドキの実とわかりました。もう少ししたら、黄色い皮が割れて赤い実が出てくることでしょう。☆ウォーキングコース(玉川上水)で、今月初めから、黄色い実を付けている蔓性の植物を見かけています。☆高さ5~6メートル以上もあるような木から、垂れ下がっており、葉や実の形もはっきりしています。☆大きさ5ミリメートル程度の黄色い実が、たくさんついています。☆実の先端に、棘のようなものが見えますが、雌しべなのでしょうか。☆植物図鑑、樹木図鑑、インターネットでも調べましたが、現時点では種名がわかっていません。☆黄色い実が付いている名前がわからない蔓性植物。名前がわかる方のコメントをお願いします。◎しろうと自然科学者のウォーキングコース☆しろうと自然科学者のウォーキングコースは、玉川上水沿いのコースです。(1)西武拝島線の西武立川駅を起点に玉川上水駅まで歩いて引き返すコース、(2)西武立川駅を起点に拝島駅まで歩いて引き返すコース、この(1)と(2)を交互に繰り返しています。季節の変化を実感できる素晴らしいウォーキングコースです。☆玉川上水は、東京都水道局が管理しており、柵に囲まれているので、奥多摩や武蔵野の雑木林の自然がそのまま残されており、山野草をたくさん観察することができます。☆ウォーキングコース(玉川上水)の紅葉も、見頃になってきました。◎ケヤキの紅葉☆玉川上水駅前のケヤキです。☆ケヤキは、茶褐色に色づいていくものも多いのですが、このケヤキは鮮やかな黄色の紅葉です。◎サクラの紅葉☆サクラの紅葉が、急に目立つようになりました。☆品種はわかりませんが、このサクラの紅葉は鮮やかで見事です。◎ツタの紅葉☆昭和記念公園で見かけたほど鮮やかではありませんが、ウォーキングコースのツタも色づき始めました。☆もう少したてば、鮮やかな赤になるかも知れません。◎ドウダンツツジの紅葉☆ゴルフ練習場の道路脇のドウダンツツジです。今年見たドウダンツツジの紅葉の中では、一番の鮮やかさです。◎モミジの紅葉☆ウォーキングコースのモミジの紅葉は遅れていますが、それでも上から色づき始めました。
2012.11.16
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☆6月初めから、ウォーキングコースでも庭でもアジサイの花が咲いています。アジサイは、アジサイ科アジサイ属の落葉低木です。アジサイを大きく分類すると、ヤマアジサイ(山紫陽花)、ガクアジサイ(額紫陽花)、カシワバアジサイ(柏葉紫陽花)、セイヨウアジサイ(西洋紫陽花)に分けられるそうです。ヤマアジサイ(山紫陽花)は、6月21日の日記で紹介しました。☆ガクアジサイです。中心部にある小さな花が本来の花である両性花で、周りを取り囲んでいるのは装飾花です。ガクアジサイ(額紫陽花)の名は、まわりの装飾花が額縁のように見えることから名づけられました。「萼紫陽花」ではありません。☆青紫色になるまでの花の色の変化を観察してみました。最初は、装飾花は白で両性花は薄緑色です。☆しだいに、装飾花の萼片の周りが青紫色を帯びてきて、両性花も薄青色に変化し始めました。☆装飾花の萼片の周りはすっかり青紫色、両性花の薄青色も濃くなり始めました。☆装飾花は萼片の一部と中央のつぼみを除いて青紫色、両性花の薄青色もさらに濃くなってきました。☆装飾花も両性花も、青紫色になりました。☆こちらのガクアジサイは、装飾花も両性花も咲き始めました。両性花と装飾花、それぞれを観察してみることにしました。☆両性花を観察すると、花びらが5枚、雄蕊が10本、真ん中に雌蕊が見えます。☆両性花です。花びらが5枚、雄蕊が10本、真ん中に雌蕊が見え、花びらと雄蕊が無くなったものを見ると雌蕊の花柱が3本あることがわかります。☆こちらは装飾花です。大きな萼片が4枚、花びらが4枚、雄蕊が8本で雌蕊は確認できません。☆こちらの装飾花でも、大きな萼片が4枚、花びらが4枚、雄蕊が8本、中央に雌蕊が見えるようです。☆アジサイ(紫陽花)の名は、「あづ(あぢ)」は小さいものが集まること、「さい」は青い小さな花が集まっていることを表す「真藍(さあい)」に由来するそうです。なお、中国では漢名の「紫陽花」は別の花に付けられたものですが、日本では平安時代に「アジサイ」を「紫陽花」と誤ってあてはめたものが広まったそうです。☆なお、昨年の観察では、一部の両性花で花びらが4枚で雄蕊が8本のもの、一部の装飾花で大きな萼片と花びらが5枚で雄蕊が10本のものも見つけました。変異があるようです。こちらは、両性花で花びらが4枚で雄蕊が8本のものです。(2015年6月17日撮影)。☆こちらは、装飾花で大きな萼片と花びらが5枚で雄蕊が10本のものです。(2015年6月17日撮影)。
2016.06.24
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☆キュウリは、4月25日に苗を買って植え付け、苗を植えてから1カ月の5月末から収穫を始めました。この後に収穫するために、キュウリの種を4月26日、6月2日、6月25日、7月8日に蒔きました。☆4月25日に苗を買ったキュウリは、収穫が終わりました。4月26日に種を蒔いたキュウリも間もなく収穫が終わりになりますが、6月2日に種を蒔いたキュウリが収穫できるようになりました。☆キュウリは、雌雄同株・雌雄異花のウリ科キュウリ属のつる性1年草ですこれがキュウリの雌花です。キュウリは単為結果性で、受粉しなくても子房が大きく成長しキュウリができます。☆雌花を正面から見てみました。花冠は5つに分かれており、中央に見えるのは雌蕊柱頭のようです。☆キュウリやゴーヤなどウリ科の植物は子房下位(花びらの付け根より下に子房がある)です。後ろから見ると、5つに分かれている萼片が見えます。子房や花柄の周りにたくさんのツブツブが見えます。☆花冠や萼片には、たくさんの白い毛が見えます。子房のまわりのツブツブが気になります。☆子房のまわりのツブツブです。透明な丸い粒があり、先端が鋭く尖った刺がついています。「きゅうりのとげとげは、きゅうりが完熟(かんじゅく)するとしおれてなくなります。市販(しはん)のきゅうりの中には、白い未熟(みじゅく)な種(たね)が見られると思いますが、本来(ほんらい)きゅうりは種が熟(じゅく)すまでは、食べられたくないためにとげとげをつくって自分の身を守っているのです。人間は、未熟なきゅうりがおいしいので食べています。」(農林水産省ホームページ)☆こちらは、キュウリの雄花です。1つの節に5~6個の雄花が付くそうです。雄花は一斉に咲かずに1つずつ咲いていき、昆虫をおびき寄せ続けるそうです。☆雄花を正面から見てみました。花冠は5つに分かれており、中央には雄蕊が集まっているように見えます。☆5つに分かれている萼片が見えますが、雄花の萼片は雌花の萼片よりも小さいようです。☆雌花と同じように、雄花の花冠や萼片、花柄には、たくさんの白い毛が見えます。☆キュウリは、インド北部、ヒマラヤ山麓原産で、日本では平安時代から栽培されているそうです。キュウリ(胡瓜)の名は、「胡」の字がシルクロードを渡ってきたことを意味しているそうです。「キュウリ」の名は、漢字で「木瓜(きうり)」または「黄瓜」と書いていたことに由来するそうです。
2016.07.27
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