おしゃれ手紙

2007.02.01
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テーマ: お勧めの本(7415)
カテゴリ: 昭和恋々
下駄私が中学に入ったのは、昭和23年、新しい憲法が公布された翌年だった。
生徒の半分ぐらいは、男の子も女の子も、下駄で学校へ通っていた。
靴がなかったから下駄だったのか、下駄の方が楽だったのか、その辺は忘れた。
おなじクラスの女の子と二人で桜の土手を歩いたり、川原に足を伸ばして話し込んだりしる嬉しさを憶えたのも、その頃だった。
学校の近くに大きな川があり、川原には背の高い草が生えていたので、そこへよく行った。
川波が白く光り、空には鳶(とんび)が舞っていた。
二人で川原に足を伸ばすと、目の前に四つの下駄が並んだ。
目のやり場がないので、下駄ばかり見ていた。
人間の足の湯部というのは、妙なものだと思った。
二人の気持ちによく似て、臆病そうにちぢこまっていた。
もっと丁寧に爪を切っておけばよかったと思った。
きっと女の子の方も、同じことを考えていたのだと思う。
私の家の下駄箱に、いま下駄は一足もない。
*「昭和恋々」* 久世光彦
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私たちのはき物は、学校に行く時は、靴だったけれど、普段履きは、下駄と草履だった。
そのためだったのだろうか、靴下を履かずに、足袋を履いていたのは・・・。
映画、「ALWAYS 三丁目の夕日」でも、主人公の小説家、茶川さんは下駄履き。
ロクちゃんも、サンダル代わりに下駄を履いている。
下駄をはかなくなったのは、いつ頃からだったのだろう。
**「昭和恋々」**
原っぱや露地では、べーごまやめんこ、あやとりや、ままごとで遊ぶ子どもたちの声が響き、家には夕餉の支度で忙しい割烹着姿の母親がいた…。
名だたる名文家二人のエッセイと90余点の写真で、いま、鮮やかに甦る、昭和あのころ。


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◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。
★2月1日 *「年越し」* UP
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Last updated  2012.03.22 14:24:39
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