おしゃれ手紙

2020.11.12
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テーマ: 読書(8637)
カテゴリ: 昭和恋々
昭和三年の御大典。(11/10)
昭和天皇の即位式である。
大正天皇のときも大賑わいであったが、昭和天皇のときはそれをはるかに上廻った
。(略)
 私(田辺聖子)の祖母の話では 三日三晩、踊り狂うた という。
花電車に提灯行列、屋台の上では入れかわり立ちかわり三味線の音がひびき、人々は花笠をかぶって四つ竹(カスタネットのごときもの)を鳴らして町から町へと踊り歩く。 (略)
 大正天皇の即位式のときと同じく京都御所で、十一月十日にそれはおこなわれる。(略)
即位の勅語が終わると、衣冠束帯の田中義一首相が、
「天皇陛下万歳!」と叫ぶ。(略)

このとき午後三時。
三時を期して八千万の民草は一斉に万歳を叫ぶことになっている。
とどろく百発の礼砲、汽笛、撞きならす梵鐘。(略)
花電車車掌散髪してるなり    文久
万歳の外に声なき今日の秋    蹄二
 奉祝踊りの許可をとった水府たち。
各自の変装も見ものであったろう。
越後獅子、山姥、法被を着る者、大礼服、長襦袢、武士、ピエロ、火消・・・。
大人子どもまぜこぜの四十人。
暴走するものを止めるために水府が監視役に。
この行列の呼びものは、それぞれ番傘をかかげていること。
 お囃子は三味線はじめ大太鼓、銅鑼(どら)、すり鉦(がね)、四つ竹、あらゆるものを集めていた。
 珍しい番傘の行列は見物人の目を奪う。
まず、島の内を練り歩いて堀江の南北亭の前で万歳三唱、
折からの寒風にもめげず新町、阿波座と歩く、茶碗酒が八方から飛び見物から
「川柳や、川柳の行列や、「番傘」や」と歓声を浴びて、大阪・大毎の新聞社を訪れ、ついでに大阪市庁前へ。
ここで市庁と放送局の幹部が礼装服で(略)待ち受けている。
すでに午後十一時前、アナウンサーは番傘行列を実況放送する。
(略)
(☚中ノ島にある関市長像)
関市長が正面に立った。
「知るも知らぬも大阪の関」と謳われた名市長だ。
市長の
「天皇陛下万歳」の発声で八方から万歳の声があがった。
「道頓堀の雨に別れて以来なり(下):田辺聖子」より

▲京都でも大典にかこつけた市民のエネルギ-が爆発しました。
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Last updated  2020.11.13 10:09:36
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