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2006年07月21日
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カテゴリ: Movie(洋画)
SHALL WE DANCE?
SHALL WE DANCE?
日本映画のリメイクと言えばホラー映画・・・ですがそればかりではありません。
本日はハリウッド版をレビューする前に日本版をおさらいします。
いわずとしれた日本映画史を代表する名作「Shall We ダンス?」ですが、実際この映画は当初「企画物」っぽかったです。
監督の周防正行はもともとポルノ映画(なんか言い方が古いですが(笑))の監督として世に知られるようになりました。
しかし、その独特のタッチは 小津安二郎を彷彿 させたり(ポルノなのに!)当時から異彩をはなっていたようです。
でもって「ファンシイダンス」の監督に抜擢され、「シコふんじゃった。」を経て「Shall We ダンス?」に至ったわけです。
当時、デティールを追求するために本物のダンサーの草刈民代を起用しました。
本来は有名女優にダンスレッスンをしてもらい、主演してもらう方が話題性はあったかも知れませんが、それは監督としては めんどうくさいこと だったのかもしれません。
その後2人は結婚しますが、彼女を起用したのは大正解だったと思います。
その年のアカデミー最優秀主演女優賞を獲得したのはちょっと「やりすぎ」だったような気がしますけど・・・
しかし、幼い頃からダンスをしている「 オーラ 」みたいなものが映像を通して伝わって見ていて安心できました。
まぁ安心できたという理由は他にもあったのですが・・・・
彼女のキャラは必要以上にフェロモンを出していません。
だから映画の中で主役の2人の間には心惹かれる物があっても決して結ばれることはないんだろうな・・・と思いました。
彼女の存在は切なさと安堵の絶妙のバランスを醸し出していました。
この映画の主演として欲しかったのはまさにその雰囲気で、周防正行が表現したかったことを見事に彼女がやって見せたということだったのでしょう。
「企画物」と言ったのは主演を女優にしなかったことからです。
演技経験がない、いわゆる素人を映画の中心に持ってくることはかなり「冒険」です。
まして相手は稀代の名優役所広司です。
この映画をハートフルコメディというカテゴリに分類するなら企画当初はこれほどまでに日本映画史に残る名作になるとは配給会社や製作会社は考えていなかったと思います。
とりあえず、面白そうだから周防正行にやらせてみよう。
くらいの感じで企画がスタートしたのじゃないでしょうか?
だいたい出演者もさえないおっさんとおばさんばかりで(役の上のことです(笑))こんな映画はビジュアル的にも華やかさに欠けますからね(笑)
そこそこヒットしてくれたらいい・・・なんて上層部は考えていたのではないでしょうか?
ところがふたを開けたら空前の大ヒット!
それはやはりこの作品が単なる「企画物」ではなかったことを証明して見せました。
物語の基盤となっているのは「中年男の哀愁」なのですが敢えて付け加えるなら「 日本の中間管理職の 」でしょう。
映画がヒットしたのは日本人にしか分からないかも知れない現代社会におけるおじさんのストレスを、絶妙のストーリー運びで映像化したところだったように思います。

会社と家の往復「だけ」の毎日。
郊外の家。
良妻と可愛い娘。
でも家ではちょっと疎んじられた存在。
幸せといえば「幸せ」
刺激はほしいが、冒険する勇気はない。

という設定が前提としてあったように思えます。
これはひょっとしたらアメリカ人にも共感できることだったかもしれませんが・・・・
やはり日本独自の生活に根付いている物のような気がします。
役所広司のキャスティングも素晴らしかったです。
実際、彼は二枚目ではありません・・・・と私は思います(笑)
俳優としてもどちらかと言えば性格俳優になるとおもいます。
ただ、結構「シュっ」としてます。身長もあります。
まさにこの役のはまり役だったと思います。
上記のような日本のサラリーマンを演じる資格十分で、なおかつ、ダンス映えもする人物だったということですね。
てなわけで様々な立場の日本人にとってオリジナル版「Shall We ダンス?」は非常に心に染みいる映画に仕上がっていました。
繰り返すようですが「日本人にとって」・・・です。
確かに「いい話」ではありますが、日本人にしか分からない部分「ありき」の映画ですのではたしてこれがハリウッドリメイクできるのか不安でした。

で、ここからがハリウッド版のレビューになります。
まずストーリーですが、全体的な流れはほぼ同じです。
ラストが若干異なります。
ハリウッド版は日本版より「妻」への想いが強かったということですね。
ただ、本当にストーリーはほぼ同じです。
オリジナル版に敬意を表してところでしょうか?とにかく電車でビルを見上げるシーンから始まってかなり忠実です。
ただし、キャストの設定がかなり変わっていました。

まず主演のリチャード・ギアですが・・・ かっこよすぎです (笑)
しかも中間管理職ではなく弁護士です。
生活はかなりいいようです。
ただし、遺言書専門弁護士のようで、決して仕事に生き甲斐を感じているようではない・・・というストレスはあるようです。
にしても・・・かつては「ギヤ様」などと呼ばれ、「プリティウーマン」では特に日本人女性を魅了した彼ですから・・・
設定としては、二枚目ではなんだか話の軸がぶれるような気がします。

相手役はジェニファー・ロペスです。
彼女については、ダンスをあきらめている(という物語の中での設定)にもかかわらず フェロモン が出まくってます(笑)
スタンダードやワルツを得意とするというより思い切りラテンな感じがして、あきらかに肉食動物です(笑)
ちなみに草刈民代は私には草食動物のイメージでした。
女優のチョイスで肉食と草食では全然違いますよね(笑)
これは2人が夕日をバックにダンスの練習をするシーンでよく分かりますが、役所+草刈ではちっともいやらしくありませんでした。
ところが、リチャード+ジェニファーになると なんだか妙にエロティック に見えました(笑)
なんなんでしょう?
基本的にいい男といい女が踊っている映像ですから、そう見えても仕方ありませんが、あのシーンのイメージだけで映画の印象はずいぶん変わる物だと思いました。

そして最も重要な役・・・竹中直人が演じた役は・・・知らない俳優でした。
ちなみに渡辺えり子が演じた役も同じく私は知りませんでした。
私の認識不足かも知れませんが、この2人の役はもう少し知名度のある俳優にして欲しかったです。
特に竹中直人の役は映画のキーマンと言っても過言ではありません。
ところがハリウッドでだったらこの人が・・・という例をなかなか挙げることが出来ません。
ということはやはり竹中直人という俳優はかなり特異な存在だと言うことだと思います。
ある程度知名度があって彼の代わりができる俳優がいなかったことも、この映画の印象を変えているかも知れません。

最後は妻役のスーザン・サランドンです。
日本版は原日出子が演じていました。
この「妻」の映画の中でのウェイトの差が2本の映画の決定的な違いではないでしょうか?
夫は外で仕事をして、たまには楽しそうに飲んで帰ってくる・・・家に閉じこもっている主婦としてはさらに夫がダンスに興味を持ったことが許せなかった日本版の妻。
自分自身も自立した女性であり、妻として愛されていると分かっていながら、どこか寂しげな表情をしている夫に不安を抱くハリウッド版の妻。
夫をダンスに送り出すシチュエーションもそれぞれ異なりました。
しかし、確かに言えるのは夫がタキシードにバラの花を持って現れるのは やはり「アメリカ」 です。
日本じゃ考えられないということでしょう。

国民性の違いはあれど、2作品とも中年男の哀愁は漂っていたと思います。
でも・・・・私はオリジナルの方が遙かに好きです。
それはやっぱり私が日本人だからなのでしょうか?

Shall we Dance?
2005/4/23 公開 106分
監督 ピーター・チェルソム
原作 周防正行
出演 リチャード・ギア ジェニファー・ロペス スーザン・サランドン

おまけ1
フレッド・アステア/踊らん哉(ニューマスター版)
1937年に「Shall we Dance?」という映画が製作されています。
フレッド・アステア主演ですからこちらはミュージカルだと思います。

おまけ2
タイトルにもなった「Shall we Dance?」という曲は「王様と私」で使われていた曲ですね。
おそらくこれがオリジナル・・・かな?





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最終更新日  2006年07月22日 01時50分01秒
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