ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jan 9, 2021
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カテゴリ: 映画、テレビ
「同じゼッケン誰かがつけてまた次のシーズンをかけてゆくぅ」(評価 ★★★★★ 満点五つ星)

 日本の高校野球、特に「コーシエン」に関するドキュメンタリーを鑑賞。取材されてるのは主に二人の名監督とそれぞれの指導する神奈川の横浜隼人高校と岩手の花巻東高校。
 日本公開はほぼ終了したもよう。 https://koshien-movie.com/
 アメリカでは現在公開ちゅう。

 この映画、日本市場向けと海外市場向けとで編集が異なってるのかは不明。ぼくは後者(英語字幕版)で観たからかもしれないけど、日本の高校野球文化がわかりやすく紹介されていると思った。もともと知識があまりなくても理解できるはず。ガイジンさんが喜びそうな桜とか盆栽の映像も上手く使ってる。

 一年近くにわたり取材されてて、ぼくはてっきりこの横浜隼人と花巻東がともに甲子園に出場し、んでもって決勝で争っちゃったりなんかして手に汗握る大接戦、最後は勝者も敗者も号泣の感動ドキュメンタリー!ってことになるのかなーと思ってたら全然違った。やっぱし勝負の世界は厳しいわけで。 

 余計なお涙ちょーだいネタや濃い演出がほとんどないのは意外。良くも悪くも日本映画らしくないと思った。監督/演出の Ema Ryan Yamazaki さんはたぶん日本のお方だとは思う。

 高校野球の負の側面(例えば投手が肩や腕を酷使する、猛暑のもと熱中症になる、学業が犠牲になる)も必要以上に触れてないのは潔い。

 海外で知られている「ニッポンの高校生」像はもっぱらJKなわけで、彼女たちのkawaii化粧や衣装、おじさん悩殺テクはもはや世界的にも認識されている。一方、この映画に登場するDKたちは対照的。あまりに朴訥な男子ばかりなので、驚く外国人視聴者も多いはず。
 思春期真っ盛り、恋とか髪型とかおしゃれとかにときめくに違いないお年頃の球児たちが、そうゆう苦悩は前面に出さず、ひたすら甲子園を目指す。なにせ三年間しかないんっす、と彼らはおっしゃって日夜練習にお励みになる。

 周りの人たちも監督や選手らを信頼し、遠くから温かく見守る。自分の息子が一軍に選ばれなかったからといって、「うちの太郎ちゃんが戦力外だなんてありえないざますわ」と校長に直談判したりする怪物親もいない。
 日本人はいつの時代も規律正しく、お行儀がよい。ぼくの周りのアメリカの高校生とはやっぱり違う。





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最終更新日  Apr 10, 2021 10:22:51 AM
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