ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Aug 8, 2021
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「アディショナルタイム」

 ぼくは長いことブラームスを弾いてないような気がしてたので、今回のおひとりさま本番ごっこは彼のピアノ協奏曲2番に挑戦。オケの動画に合わせて第一バイオリンを弾いてみた。

 譜面づらは彼の四曲の交響曲に比べて易しく見えるものの、実は難曲。事前の入念な譜読みが必要。特に転調とリズム(裏に強拍が来る)に要注意。あと、第一バイオリンには高音があちこちに出没。音が激しく昇降する。

 なお、遅い楽章(第三楽章アンダンテ)は、チェロ首席の美しい超ど独奏があって、聴くぶんには楽しめる。ピアノ協奏曲というよりかは、いつのまにかチェロ協奏曲の様相を呈してるし。てか、ブラームスってば、バイオリン協奏曲でも肝心の旋律をひたすらオーボエ首席に吹かせたりするし、彼は協奏曲というものを独奏と伴奏というありきたりな構図で捉えるのではなく、あくまで交響的、多角的に書きたがる。

 かなり音楽的に複雑に作られており、スコアを眺めながら聴くとすごく楽しい。
 ピアノ独奏の難度は半端ない。最初から最後までゴン攻め。

 ところで、協奏曲って普通は急緩急の三楽章からなるはずなのに、この曲は全部で四楽章もあるのが最大の特徴。四楽章構成の協奏曲がこの曲以外にどのぐらい存在するのかは存じない。皆無かも。リストのピアノ協1番が四楽章構成という説を聞いたことがあるけど、あの曲は単一楽章だったはず。

 そして四楽章もあるので、この曲は非常に長い。演奏時間50分。たぶんこの世に存在する協奏曲で一番長いかも。
 ちなみに、(普通の)三楽章構成の協奏曲で最も長い曲はおそらくエルガーのバイオリン協奏曲。あれも50分ぐらいかかるはず。





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最終更新日  Aug 10, 2021 09:01:23 AM
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