I love Salzburg

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2009.06.12
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カテゴリ: 展覧会




彼の得意とした迫力ある屏風絵に混じって、キリン・鹿・狼・烏など様々な動物たちを主題とした初期の作品も並んでいました。

その姿は孤独で、色彩も暗く、一本一本の線も痛々しいほどに研ぎ澄まされているかのようでした。

説明には、それら描かれた動物たちは、厳しい現実と不確かな未来を前に、なお日本画の可能性を信じて必死に模索続ける加山自身の姿でもあるようだ、、、とありました。

急激な西洋化の流れの中、日本画の存在意義そのものが危ぶまれた中で、それでも日本画にこだわり続けた加山画伯のもがき苦しんだ時代の表現です。

*


こちらは、その頃(1957年)に描かれたものであって、その中でも少し雰囲気が異なる作品。
今回の展覧会で、後期のみに展示された『月と駱駝』です。(新潟県立近代美術館蔵)


これは、夜の砂漠で丸く寄り添う駱駝の親子でしょうか…。 

遠くに浮かぶ丸いお月さまも、地上の駱駝と同じ形をしています。

それは、地上の駱駝が月の鏡に映ったもの?
それとも こちらが月面で、向こうに浮かぶ姿が蜃気楼?


この絵の意味するところは全く分かりませんが(^^;、
それでも、穏やかな駱駝の表情と、この絵に漂う静寂さが好きです。

まるで、この沈黙の世界を自由に浮遊するような感覚。
ううん、茶色の砂漠の向こうにある、闇の世界へ吸い込まれそうな感覚。
それとも、目を閉じた駱駝の夢の中に入っていくような感覚。


たぶん、私はこの絵のタッチが好きなのだと思います。

そして、この駱駝の顔も好みなのだと思います。(笑)



やっと、疲れた一週間から解放されました。
今晩の私は、展覧会で購入した加山画伯の図録を開き、しばし「月と駱駝」の世界に浸りたいと思います。

皆さんも、思い思いに「月と駱駝」を旅してみて下さいね。^^





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Last updated  2009.06.12 22:21:32
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