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November 8, 2020
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カテゴリ: 不易流行 

​​ ​​​​​​​ 寿貞尼を弔う ​二郎​ 兵衛一行の東下りを見送った後 ​​​​​​​ ​一週間程は何も手が付かず​​ ​​​ 落柿舎の一室に篭って今は亡き寿貞尼への読経三昧の芭蕉に ​​​ ​      ​​ 見かねた門人の内 膳所藩々士としての格式 からも最上位の​​ ​​​ 曲水が ひとまずは義仲寺無名庵にお移りになられて ​​​ ​​ 二郎 ​​ 兵衛殿の帰京をお待ちして は如何? ​​

​​​ 芭蕉は それも道理 とやっと気を取り直し 、 ​​​

​​ とつおいつ身辺整理し 溜まった手紙に目をやり それとは書かず彦根の許六や同じ彦根の僧侶 李由​​​ ​に​ 、​ ​​​​​​​ いずれ彦根に伺う積りつもり との手紙を書く気になり 筆を取ってはみたが 無常を思い ため息ばかりで考えも纏まらないのか その折はことのほか誤字も多く ​​​​​​​ ​​

​​​ その予定も 李由 ​​ には 当年中には と書き ​​ 許六には 、「 来春には と記す​ 始末 、​ ​​​ いずれも実現はしなかった幻の予定となった訳だが ・​

​​ とにあれ所用中のため同行できぬ去来に見送られ京都​​ 落柿舎 ​​​ を辞し ​​​ ​​​ 義仲寺無名庵に六月十五日帰り着き 一晩滞在の後 ​​​

​​​​​​​ 翌十六日は曲水亭で 支考・維然・臥高 曲水に芭蕉で五吟歌仙が盛大に催される事となった ​​​​​​​

​​​​​ 主人格の曲水は 師匠の憂さ晴らしの意趣もあり 先ずは差し障りなき題に 田家 を選び ​​​​​

​​​ 芭蕉もその軽みを 沈んだ師匠への弟子の心と感じ入​​

​​ 飯あふぐ嬶が馳走や夕涼み めしあふぐ かかがちそうや ゆうすずみ )      ​​ ​​​ と軽妙に詠み込んだ ​​​

​​​「 これはこれは  」 と喜ぶ弟子どものさんざめきを多とし ​​​ 歌仙は結局終夜に及ん だ。​

​​​​​​​​ 折からの蒸し暑さを払う曲水の計らいで 冷やし物 としてそうめんや水菓子も十二分に用意され翌朝も 食べきれぬまま残り、 ​​​​​​​ それすらも
夏の夜や崩れて明し冷やし物  ( なつのよや くずれてあかし ひやしもの )  ​​
と詠み ​​ ​​​ ​​​​​​、 歌心を取り戻した芭蕉の眼差しにも なにかしらやっと吹っ切れた面影が戻っていた ​​​​​​ ​。






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Last updated  November 8, 2020 03:04:38 PM
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