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酵母無添加の生モト純米酒。神話の古里、出雲市の酒です。使用米は全量島根県の佐香錦、これを65%まで精米、日本酒度は+5.5、酸度は1.7に仕上がっています。23BYですから、昨季の造りで、約1年寝かせたものです。燗酒で飲みました。無濾過の酒ですが、銘柄どおり穏やかそのもの。さりとて物足りない飲み易さではなく、米の旨味がしっかりと凝縮された、日本酒ならではの醍醐味が充分に堪能できます。とてもバランスの良い佳酒と思いました。
2013/02/19
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先日の王祿酒造の別の酒です。「溪(けい)」は渓流の溪。その澄んだ流れのように潔く、力強い酒造りを目指して名付けたそうです。「山魚女(やまめ)を釣る」「風景を釣る」とあります。なんだか面白いですね。味わい深いというか。全量山田錦で、精米歩合55%。しかも全品瓶貯蔵、無濾過、生酒の蔵だから、そこそこの価格はします。でも充分に納得できるでしょう。
2012/01/31
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島根県の東出雲町は神話や歴史の素材がたくさんある所ですね。『古事記』や『日本書紀』に出てくる黄泉の国(よみのくに=あの世)への入り口である「黄泉比良坂(よもつひらさか)」はこの近くではなかっただろうか。蔵のある揖屋は、中海にも面していて、中海と言えばそこに浮かぶ大根島が「牡丹」と「朝鮮人参」の産地として、西日本では名を馳せています。そんな土地にある王祿酒造は、全品無濾過、全量瓶貯蔵、生あるいは生詰酒、ブレンドを一切しない、というある意味で現代的な気骨あふれる蔵です。原酒だからアルコール度は当然高く、日本酒度は+9.7と「超辛純米」をうたうだけのことはあります。また、酸度も2.5と高いのですが、飲んでみればそんなに辛くも無く、酸っぱくも無く。むしろほどよい旨味が載っている。なお、使用米は麹米が山田錦、掛米が五百万石。60%精米。裏ラベルには「仕込み第14号」と書かれていますが、ブレンドをしない蔵なので、同じ造りの酒でもタンクによって少しずつ違う可能性があり、そこがまたこの蔵の酒の妙と言えるでしょう。
2012/01/15
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日本酒で「月山」というと山形の「銀嶺月山」を思い浮かべることが多いと思いますが、こちらは島根県広瀬町の月山。6月にこのブログで同じ広瀬町の青砥酒造の<AOTO7SEI>を取り上げた際に触れましたが、月山は戦国大名・尼子氏が「天空の要塞」と謳われた「月山富田城」を築いた土地として、数々の伝説、逸話、悲話を生んできました。尼子家再興に命を賭した山中鹿之助の勇猛な戦いぶりは有名です。蔵元の吉田さんともお会いすることが出来ました。私も十数年前は島根県民だったご縁で、懐かしくお話しをさせていただきました。山田錦を35%まで磨いた高級酒です。日本酒度は+5と辛め、酸度は1.4、アルコール分は17-18度と高めです。現在は正直申し上げてとても辺鄙な広瀬町ですが、こうした美味いさけを造り続けて、歴史を伝えつつ伝統を守る酒蔵さんに大感謝です。嫌味のないフルーティさが好きです。とても美味しく頂戴しました。
2011/11/22
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私にとって心の故郷・松江。お酒をよく飲んで、今の季節だったら「イタヤ貝」に舌鼓を打ち、冬だったらたまに贅沢に「ノドグロ」の塩焼きか煮付けにほっぺたを落としていたっけ。もう離れてから14年経ちますけど。李白酒造(当時は田中酒造)へは家から歩いていける距離。飲食店は少しでもアコギな商売をしようものなら、街中に噂が広まってしまうので、ヘンテコなお店はありませんでした。むしろ、シックな良いお店が結構あったなあ。山田錦を45%まで磨いて、日本酒度+4、酸度1.5に仕上げたお酒。4合瓶で3066円だから高級酒ですね。とても綺麗な透明感あるお酒です。香りと旨味のバランスが良い。久しぶりに松江に帰ったような気持ちになりました。(と言いながら、松江にいた頃はこんな高級酒は飲んでいませんでしたが・・。)
2011/07/07
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すっごく爽やかなお酒を発見! 「安来節」の島根県安来市の酒ですが、とても近代的なボトルと味。実は私は島根県に4年間ほど住んでいたことがありますので、安来も何回か行きました。「安来節」と言いましたが、今は「足立美術館」のほうが有名。横山大観の絵画の展示では日本一です。数々の収蔵絵画以外に、白砂と松の庭園が有名で、人工の滝もこしらえてあるくらいです。ただ、今回の蔵元の青砥酒造は、それより奥の広瀬町というところに入った場所で、ここは戦国大名・尼子氏の居城である「月山富田城」がありました。自然の地形を利用した難攻不落の要塞城で「天空の城」とも呼ばれていましたが、最後は毛利氏に落とされてしまいました。私が行ったのは夏の季節でしたが、樹木の鬱蒼とした坂道を上がっていくと、目の前を小さな蛇がちょろちょろするような人の気配のまったく無い、ただし尼子一族の怨霊を背中に感じさせる独特の雰囲気の山城でした。あの張り詰めた緊迫感は忘れられません。ですから今でも地元の吉田酒造さんが「月山」という銘柄の酒を造って、その時代を偲んでいるのです。正直な話、青砥酒造さんは知りませんでしたが、某試飲会で若くて端正な青砥CMOにお会いし、そしてこの「蒼斗七星<AOTO7SEI>」を飲んでびっくりした次第です。お値段は4合瓶で確か2千円台後半だったと思いますから、決して安くはありませんが、商品としてのアイデンティティはしっかりと築いていると思います。一緒にいたセレブっぽい奥方も盛んに「美味しい!美味しい!」を連発して何杯も飲んでいましたよ。どこそこの外国のワインと比較しながら。旨味系の酒ではないので、スーッと飲みやすくて爽やか好みの人、女性が中心かも知れませんが、きっと人気になると思います。スペックは以下の通り、山田を48%まで精米した、9号酵母仕込の大吟醸酒です。しっかり売り込めば、フレンチ系の料飲店などでも使えると思います。ただし毎年変わらぬ酒造りができればですが。
2011/06/29
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出雲地方と言えば「八岐大蛇(やまたのおろち)」伝説が有名ですが、その名を冠したラベルの酒が、松江の李白酒造から出ています。スサノオの命(みこと)が強い酒を飲ませてようやく退治した、八つの頭を持つ荒れ狂うヤマタノオロチですが、荒々しさというよりもマンガチックな可愛い字体です。原料米は五百万石、精米歩合は58%、日本酒度は辛口というだけあって+7、酸度は1.4となっています。最近「純米辛口」酒が流行っていますが、この酒はただ辛いだけではなく、旨味も乗っていて好酒でした。
2011/06/06
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今話題となっているTPP「環太平洋パートナーシップ」ではないですが、こちらは「環日本海」。ところで「TPP」って、何の略だか分からなかったのですが、調べたら「Trans Pacific Partership」の頭文字でした。蔵元の日本海酒造は、石見地方の浜田市街と益田市街の中間点にあたる三隅町にあります。漁港の三隅港は山陰地方で有名ですが、変わったところでは、古くからオートキャンプ場が整備されていたので、キャンパーの間では密かに知られていたところでもあります。石見地方と言えば「石見神楽」が伝統芸能として、ときどきテレビなどに登場しますが、この神楽はスサノオノミコトが、荒れ狂う大蛇を酒を飲ませて眠らせて退治するストーリーでもあるのです。古代神話の時代より、酒は儀式やイベント、物語に欠かせないものだったのですね。ラベルは「水澄みの里」が強調されていますが、「みずすみ・・・」ではなく、「みすみ・・・」と読み、三隅町の語源であるという説があります。ただし、古く律令制の時代において「三隅郷」と称されていたことから、真偽のほどは私は確かめられませんでした。中国山地を背にして、良質の水に恵まれた場所であることは間違いありません。山田錦を40%まで精米し、協会9号酵母によって、日本酒度+1~+3、酸度1.2~1.4、アミノ酸度0.9~1.2、アルコール度16.5度に仕上げた逸品です。高級酒らしく、長期低温発酵で醸されたまろやかな口当たりと穏やかで豊かな香りです。
2010/12/24
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