全18件 (18件中 1-18件目)
1
都営地下鉄「本所吾妻橋」駅のエレベータから徒歩ゼロ分のこの店は、エレベータのドアが開くとすぐ右手に、杉玉が下がる店構えで迎えてくれる。 店主の佐々木さんは元々設計関係のお仕事をされていて、有楽町の国際フォーラム等にも関与されている異色の経歴の持ち主。 飽くなき食への探究心から、和洋を問わず時間の許す限り食べ歩き、それらへの投資が現在の山介の創作性溢れる料理に反映されている。 蕎麦屋ではなく日本酒処なので、酒を飲まない人はお断りの店としてスタートしたが、元々同地の店舗が蕎麦店だったため、家族連れ等蕎麦目的の人を断るのに苦労していた。 昨年9月より、思い切ってコース料理オンリー(3800円、5800円~)に変更したことにより、そうした説明も不要になり、料理の提供もスムースになった。 5800円のコースでは、〆の蕎麦のみならず、途中で創作的な蕎麦の一品で変化をつけるなど、蕎麦へのこだわりは勿論強い。 肝心の日本酒は常時30~40種類以上は必ず用意されていて、選ぶのに嬉しい悩み事になるに違いない。 (写真のアップの制限数より、全ては掲載できていない。)
2016/03/03
コメント(0)
上野広小路の人気店「鳥恵」で腕を磨いて、一昨年開業された浅草の「鳥なお」にお邪魔しました。きっかけは本所吾妻「山介」のカウンターで、店主の影山さんと偶然隣り合わせになった事から。店内はお客さんが居たので撮ってませんが、カウンター8席と小上がり6席。外国の方も3名いました。丁寧な仕事で美味し過ぎるので、お酒が進みます。なおかつ、コスパも最高でした。
2016/03/02
コメント(0)
「飲み屋の至宝」とも言われる神楽坂の「伊勢藤」を訪れました。6時過ぎに入店しましたが、ちょうど一人分のカウンター席が空いているだけという繁盛振り。タイミングが良かったです。お店に入った瞬間、独特の臭いを感じますが、恐らくこのお店の看板メニューの一つであるクサヤが染み付いたものだと思います。一汁三菜のお通しが黙っていても順を追って提供されてきます。飲み物は白鷹のみ。燗で飲むか、冷やで飲むかの選択だけです。その潔さがこの店の真骨頂。白鷹はご存知の通り、伊勢神宮の御料酒で、毎日献上されていますが、私自身はこの酒はそこそこ気に入っていて、居酒屋の壁に「白鷹」袖看板を見つけると入ることもあります。大勢で騒ぐ店でないことはご承知の方も多いと思いますが、この日も座敷に向かって「お静かにお願いします!」と店主が二度ほど注意していました。たたずまいは鶯谷の「鍵屋」と通ずるところもありますが、あちらは下町らしいおおらかな気楽さがあるのに比べ、「伊勢藤」は凛とした雰囲気で、会話もせいぜい二人単位で小さな声でしています。こうした文化財的居酒屋へ、日本酒好きな外国人を案内したら面白いでしょう。伊勢藤は食べログで4.01ポイントでしたが、食事をしに3.97ポイントの「あげづき」へ。トンカツ屋さんですが、日本酒もそろえています。本当はここでは日本酒を飲むつもりはなかったのですが、特ロースカツを頼んだら、美味そうな飲み心を誘うポテサラが出てきたので結局飲みました。店主が日本酒好きのようです。特ロースカツですが、自分でトンカツを注文して食べること本当に自体久しぶり。実物はわらじのような大きさで、見た瞬間「これは腹一杯になる!」と直感しました。柔らかくて美味しく、文句は無いのですが、これからバーに行くことを考えると少々やりすぎました。しかもご飯と味噌汁等のセットで頼んでしまったので。スコッチ文化研究所のテイスティングスクール講師・谷嶋さんがオーナーバーテンダーをしている「フィンガル」へ。バックバーはレアウィスキーばかり。ボトラーズ品等平均すると30年物くらいだろうか。12年前後のスタンダードボトルはカウンターにポンと置かれている。スコッチに関してはまだまだ初心者の私ですが、カウンター並びに座った若い人は一杯5千円のレア物を頼んでいた。私が入店したときは先客が一人居ただけだったので、師匠といろいろ会話できましたが、途中からどんどん来店者が増えてほぼ満席の状態に。頃合いを見計らって、神楽坂でのぶらり飲み食いを終えました。
2013/05/06
コメント(0)
「キング・オブ・居酒屋」とも食べログの口コミでは評されている鶯谷の「鍵屋(かぎや)」に行ってきました。昭和レトロにタイムスリップしたような感覚で燗酒を味わいました。神楽坂の「伊勢藤」同様、古民家風の味わいあるたたずまいです。この日も、次々と人が押し寄せ、ほぼ満席の状態でした。お通しは大豆の煮物でしたが、注文した中ではこの「煮奴」がはやく出てきました。豆腐以外には、鶏のモツと長ネギが煮込んであります。木の板に書かれたメニューが、各グループに渡されます。どれも本当に古典的居酒屋の肴。昭和30年代の雰囲気が漂う店内。(と言って、その頃の居酒屋には行っていませんが・・。)「伊勢藤」よりもカップルが多い感じだろうか。少々大きな声を出して会話していても怒られることはない。それにしても「カブトビール」というのは知らないです。鍵屋は長っ尻する店ではなく、ツマミ以外は無いので、しっぽりと雰囲気を満喫したところで、場所を替える事にしましたが、この日は生憎入谷の「侘助」が満席。そこでフラフラと歩いて見つけたのが「天下一」。うどん屋さんのようですが、酒と肴もある。ダメ元で飛び込みました。鰹のたたきですが、これが480円とは安い。その他、煮込みやかき揚も安くて美味い。日本酒も有名銘酒が1合5-600円とこれまたお値打ち。最後の冷やしうどんは大盛りですが、料金は並みと同じとの事。一人前で3人が充分に腹一杯になりました。帰ってから食べログで調べたら、この店は最近改装して綺麗になったと思われます。口コミの内容とだいぶ違いましたから。
2013/04/27
コメント(0)
アクロバティックなカクテル作りで人気のフレア・バーテンダー「ゴリチョ」と「ミツ」の二人が、Tokyo International Bar Showのメインステージに登場。熱狂的な大勢のギャラリーの声援を受けて見事な腕さばきを披露されました。ステージのライティングもカラフルに変化をつける。右がゴリチョ、左がミツ。それぞれ池袋と目黒のバーで会うことができる。まさにジャグラー!シェーカーを重ねて、7つのグラスに、7種類のカクテルを一度に注ぐ。ワザですね!出来上がったカクテルをギャラリーにふるまう。大勢いた中で、ゴリチョがなぜか私のようなオジサンにグリーンのカクテルを渡してくれた。曲芸的に作ったわりには美味しい!!一人で飲むのは申し訳ないので、隣りの人とおすそ分けしました。ゴリチョはサッカー日本代表の遠藤選手に似ていて、思わず「ヤット」と声をかけてしまった。彼は池袋東口の「COLORSOL resort Dining(カラソル リゾートダイニング)」、ミツは目黒の「ガーデン」で見ることができます。
2013/04/22
コメント(0)
地酒屋「のぼる」初イベントとして、岐阜・中津川「三千櫻」蔵元および群馬・藤岡「巌」蔵元をお招きし、さらにゲスト解説者として日本酒評論家の松崎晴雄さんにお越しいただいて、14号酵母を深く知る会が催されました。この二つの蔵とも14号酵母主力です。ガバガバ飲みだす前に、松崎さんから酵母についての概略講義。この日は数年前に結婚された奥様といらっしゃってました。まずは9号酵母を元祖・香露(熊本)で試飲。吟醸酒ではなく、特別純米なので香りは抑え気味ですが、一昔前「YK35」(山田錦を35%まで精米し、熊本(9号)酵母で醸す。)と称された新酒鑑評会入賞の方程式の片鱗をうかがわせるリンゴ様の立ち香。なお、今は出品酒は18号酵母が主流。次に、その18号酵母で造った越前岬・純米吟醸が提供される。この酵母は、6,7、9号などと違い、特定の蔵が出身地ではなく、改良を重ねて生み出されたものだそう。私のあまり得意としない、吟醸香プンプンの華やかな香り。これが「カプロン酸エチル」香。松崎さん曰く「F1カーのように一気にダッシュする華やかなパンチ」。たくさんの出品酒の中で、目立つための方策がこのような形にとのこと。したがって、何杯も飲めるようなタイプではないだろう、と。 同感。「南国系の蜜を含んだ果実」との例えも。さらには、熟成に向く酒ではないだろう、香りが変化し、味が重くなる傾向が多いとのコメント。ちなみに16号酵母は香りが強すぎて消えたとのお話しだった。次にいよいよ14号酵母で醸した酒。三千櫻と巌が提供される。この酵母は昭和の終わり頃、金沢の蔵が良く使っていたことから「金沢酵母」とも言われる。18号とは打って変わって、メロン、梨、リンゴのような白いフルーツ系の爽やかでスタイリッシュな香りが鼻腔をくすぐる。これが「酢酸イソアミル」と。私好みです。松崎さん曰く「白身魚や豆腐などにも合う、透明感のある酒質」。「香りだけではない上品さがあり、第一印象のインパクトは弱いが量を飲めるタイプ。」最近は使用する蔵が増えつつあるらしい。ここで「巌・うすにごり」で乾杯!甘く、爽やかな純米酒。これ以降は、二つの蔵の中からお好きな銘柄をのことで、同じテーブルの日本酒ファン女性が「三千桜・純米吟醸・渡船・袋吊り」という高そうなお酒を所望。まさに透明感のある綺麗なお酒です。席に来られた蔵元兼杜氏の山田さんによると、渡船や強力といった酒米は、穂先に針がでるとのこと。なぜなら、鳥に食われないように。凄いですね、自然界の生命力は!酒質はガッチリしたものになると。なお、この日の私たちのテーブル4人の中での一番人気は、「愛山」米で仕込んだ三千桜。渡船がシャキッとしているのに対して、こちらはなんとも「艶やかで色っぽい」旨味。甘さの消え方が艶(なま)めかしい。申すまでも無く、もともと剣菱が開発した専用米ですが、阪神大震災以降他の蔵の手にも入るようになったらしい。あとから松崎さんにその辺の感想を申し上げると、そもそも愛山は元々がもち米で甘いとのこと。あと、京大卒の野球好き若手蔵元・高井さんが張り切る「巌」もスキッとしたシャープな切れ味が美味しかった。「直汲み」はガス感が残る酸味がなんとも言えない。こうして、酒造好適米による酒質の違いは、同じ蔵の同じ銘柄で飲み比べると良く分かる。一方、今回の酵母にスポットを当てたイベントは、ただ漫然と飲み比べる試飲と違い、大いに勉強となり、理解を深めることができました。主催された「のぼる」の山田さん、ウマイ酒をご提供いただいた蔵元さん、解説をしていただいた松崎さん、そして同じテーブルの同好の人たちにあらためて感謝申し上げます。いろいろなイベントに参加させていただいてきましたが、今回の催しは出色だったように思います。
2013/04/20
コメント(0)
鰻も高嶺の花となって、久しく鰻屋さんに行かなかったが、知り合いが日本酒をプロデュースしているという店が近所にあるので、最近ちょろっと顔を出しています。この店の良いところ。1.日本酒を片口徳利にたっぷりと注いでくれること。2.炙り若鶏(焼き鳥)がべらぼうに美味いこと。(→日本酒に合う!)3.ふわふわの「う巻き」が美味しく、ボリューミーなこと。4.この地の鰻屋さんにしては日本酒の品揃えが、心配になるくらい(劣化を)数多いこと。5.料理長と女将の人柄が良いこと。この日はカウンターに座っただけで女将が「焼き鳥にされますか?」と聞いてくれたので、「是非とも、あの美味しいのを!」とお願いしました。タレでお願いすると、あの蒲焼のタレを焼く良い臭いが漂ってきます。お酒は前回と入れ替わっていましたが、あの「山間」を造る新潟第一酒造の「越の白鳥・純米吟醸・無濾過生原酒」を頼みます。この「越の白鳥」は、独特のエステリーさがあって、ジュニパーベリー風の香りが「ジン」を彷彿させるドライな印象を持ちました。食べ散らかしてしまった「炙り若鶏串焼」。スタイリッシュな片口徳利は結構容量もある。う巻き(1400円)は二人用。一人前の注文は出来ないので、これを独りで食べることになる。これだけで腹一杯になるので、うな重を注文する腹の余地はもはやない。次に頼んだのが「澤屋まつもと・うるとら純米」。旨味が載りながら、飲みやすい優しい酒。この2種類を飲んだだけで、実感としては充分に3合以上は飲んだ感じ。だいぶサービスしてくれているかな?これでトータルのお勘定は、特上うな重一つと同じ位の値段だから、ちょっと申し訳ないような・・・。ちなみに前回は「作・恵乃智」と「真秀・純米吟醸」を飲みましたが、やはり結構いい気持になりました。家の近くの店なので、これからの季節はサンダルでフラッと寄るかも。
2013/04/10
コメント(0)
千鳥町とは風流な地名。酒飲みにとっては「千鳥足」を連想させる。が、周囲は閑静な住宅街で、千鳥足になるような飲み屋街はない。そんな東急池上線の千鳥町駅近くに、一昨年オープンした日本酒処を紹介していただいた。正直申し上げて、(私も大田区の住人ですが)この辺鄙な大田区にはもったいないような垢抜けた雰囲気のお店。カウンター内でそろいの服を着たご兄弟が二人で切り盛りしている。今、流行の小布施ワイナリー製の日本酒も。(9号酵母はやはり9号酵母の味)吟味された地酒の数々。もちろん燗酒での提供も可。そして、もちろん刺身をはじめとして、ツマミ類もとても美味しい。今回、また新しい日本酒処を知って、やはり胃袋と肝臓がもう二つ、三つ欲しい!
2013/04/06
コメント(0)
燗酒で酒飲みを唸らせる「佳肴みを木」。昨年4月の「dancyu」日本酒特集号でも燗づけの記事で、ここの女将・渡辺愛さんが登場していましたね。だからというわけではないですが、この日は燗酒だけで6種類を楽しみました。この日の私の中でのベストは、疋田さん(残念ながら3月末で辞められました)のお勧めで飲んだ伯楽星・純米吟醸・うすにごり本生の燗酒です。(45度位まで上げて燗づけし、その後42度くらいまで下げた後に、お銚子に移して、提供温度は39度くらいとおっしゃっていました。)伯楽星というとメジャーになった感じがして、最近はあまりこちらから注文していなかったのですが、まさに香味、甘辛のバランスが良くて、最終的にはお銚子3本頼んでしまいました。島根県松江に住んでいたことがあるので、島根のお酒も2種類あります。どれもそれぞれの特徴があって美味しかったのですが、妙の華の備前雄町・山廃無濾過火入れが、従来の妙の華のイメージを超える、包み込むような旨味が口中に広がる、素晴らしい燗酒でびっくりです。この日は結局、閉店近くまでいて、長っ尻で失礼しました。相当飲んだので、向かいの「SAPPHIRE by RAGE」には寄らずに真っ直ぐ帰宅です。
2013/04/03
コメント(0)
ディープスポット大井町で今年開店した本格的日本酒処。といっても場所は阪急の裏の辺りだから、ディープな一画ではない。大森「吟吟」で活躍していた「山ちゃん」こと山田さんが、おやっさんと開いたお店ですが、30数席の店内はいつも満席!東急大井町線沿線って、意外と日本酒専門店がなかったのでこの界隈の人たちは喜んでいることでしょう。元美容院だった店舗は、ガラス張りの明るい雰囲気。(外観写真をクリックして大きくしていただくと分かるのですが、外装には釜か樽の蓋らしきものを使っていたのですね!)店内にも杉玉があしらってある。この日は定番酒を5-6種類飲みましたが(小グラスがある)「ドコマデモ地酒屋のぼる ノボレ!」なんて暖かいラベルの貼ったボトルもありました。蔵から愛されているのですね!この日の私にとってのベスト一杯は福島県天栄村の「廣戸川・特別純米」。山田さんにとっても思い入れのある蔵のようですが、しっとり落ち着いた中にも飲みあきしないアツイ旨味を感じた。話を聞けば、儲からない酒米から食用米に転作する農家が多く、来期は地元米を必要量調達出来るかどうか分からないとのこと。なんとかこの酒の味は続いて欲しいと願った次第でした。
2013/03/22
コメント(0)
日本酒好きにはたまらない凄いお店を紹介していただきました。ただし、この「ちょこだま」は月に2回しか営業しませんので、店名のように「ちょこちょこ」行くわけにはいきません。というのも、ふだんはワインカフェを営業しているお店を借りて開いているからです。運営は「地酒屋こだま」さんによるものですから、日本酒のラインアップは思わずビックリするようなものも。と言って、決して有名人気酒を飲ませるわけではなく、むしろ地酒発掘に努めておられるような印象を持ちました。私にとっては今年5軒目の新規でうかがうお店になります。詳しい酒のコメントは別に譲るとしてとりあえず簡単に。個人的に好きな「相模灘」のこの時期ならではのにごり酒。今回は「九朗右衛門・スノーウーマン」の「寒い夜には艶やかな白を」にやられた。発泡性とフレッシュ感に軍配。会津若松の「辰泉」2種。「Tausu-ism」と洒落たヤツも面白い。「仙介(せんすけ)」は神戸の酒だが、以前の純米吟醸よりも、この特別純米の方が香りが抑えられていて自分好み。そのような感想を店主に言ったら、「その通りです」とのこと。今回ビックリしたのは長野県大町市の北安醸造の2本。とりわけ左の「しぼりたて無濾過生原酒」は普通酒なのだが、どう飲んでも特別本醸造クラス。さらに燗づけするとますます旨味が載ってくる。大町市の人は幸せだなあ、と思わずうなってしまった。「東鶴」「笹の誉」のあたりは燗酒で。どれも美味かったのですが、この店は日本酒専門店らしく、全種類お燗にしてくれるのが嬉しい。あと、写真は撮っていなかったのですが、肴の料理も抜群に美味しいし、バッチリ日本酒に合うラインアップ。幸せな気分でほろ酔いになりました。そうそう、私なりの良いお店の条件としてお客さんがありますが、この夜のお客さんは隣り同士狭い店内なので、日本酒好きをキーに大いに親しく盛り上がって飲むことができましたし、貴重な情報を頂戴することもできました。こんなお店をご紹介いただいたことに感謝します。月2回営業の店だけど、また行きたいくらい。
2013/02/17
コメント(0)
赤坂での仕事帰りに今年4軒目の新規開拓。「駄洒落」の真ん中の字を「酒」にして、「駄酒落(だじゃれ)」と読ませる。これも洒落だろうか。事前チェックで店のブログを見ていたら、かなり理屈っぽいオヤジさんが居るものと想像していたところ、実際は長身の料理人女将・松田さんと、岩手県北上出身の若い女性。ブログを書いていたオヤジさんは辞めたとのこと。入り口の酒林が日本酒の店であることを告げている。店内はカウンター9席のみで、別にグループ客向けの「離れ」があるとのこと。しっとりと落ち着いた民家風の内装で、女将に好きな日本酒処を聞けば、神楽坂の「伊勢藤」と答えられたから、なるほどその雰囲気の延長かと感じさせる。実際はTBSに近いビルの1階なので、1軒屋ではないが、純米和酒処を名乗るにふさわしい味わいと言えます。例によって、カウンター客同士の会話を90度の角度でさせていただいたが、なかなかの日本酒好きのお客さんと思われ、やりとりが楽しい。数杯飲んで適度なところで引き上げたら、そのお客さんに「自己管理のできる方ですねえ!」とめったに言われないような感心のされ方をした。もっと飲んでいけということだったのだろうか。本日のベスト一杯は、北上女性の故郷の近く、石鳥谷(いしどりや)町の川村酒蔵店「酔右衛門(よえもん)」(本当は酔ではなく「酉与」)特別純米・無濾過生原酒。ご存知の通り「石鳥谷」は南部杜氏集団の本拠地です。この酒はキレが良くて美味かったなあ。馬込村に住む住人としては、都営浅草線沿いのお店に行く割合が多かったと思いますが、最近は千代田線沿いに結構いい店を発見しています。
2013/02/11
コメント(0)
今年の実質的新規開拓第2弾。自宅から徒歩圏内に、こんなにヘベレケにさせてくれる日本酒処があったのか!海鮮コース料理+全国地酒(50種類位)飲み放題で4800円。もちろん全て燗酒もOK!「東洋美人・純米吟醸・本生槽垂れ・酒未来」(山口県萩市)、「大治郎・純米うすにごり」(滋賀県東近江市)、「七田・純米・無濾過生」(佐賀県小城市)、「屋守(おくのかみ)・純米無調整生」(東京都東村山市)などをささっとノドに通す。小さなグラスなのでクイクイいけます。農産酒蔵である岡山県鴨方の「竹林・ふかまり」、三重県鈴鹿市の旨酒「作・穂乃智」、島根県の山間の酒蔵はその名も恐ろしい「死神」、滋賀県甲賀市からはお洒落なラベルの「ラ・モンスーン」と続く。愛知県の「蓬莱泉」、茨城県の「来福」はスタンダードな人気酒ですが、姫路の「Tatsuriki Junmai Dragon Episode3」のラベルは面白い。そして、お店の林さんにチョイスしてもらった燗酒は和歌山県海南市の「黒牛」。これ最高でした。さらに全量純米大吟醸蔵「楯野川」もいただきました。料理では鯛しゃぶが特に美味かった。写真に撮れていない銘柄もいれると、30種類近くの酒を堪能したと思われます。もちろん一人ではなく、山男のOさんと一緒でしたが、私は千鳥足ながら徒歩で帰れるのに、彼は多摩センターまで電車に揺られると思うと、ちょっと申し訳ない気持ちでした。PS 以前にこの店に一人でカウンターで飲んだときは従業員の人手が足りず、印象良くありませんでしたが、今回は抜群の好印象です。オーナーは不動産業からの参入組ですが、飲食店運営もだいぶ慣れてこられたのでしょうか。お酒はすべて全従業員が試飲してラインアップを決めているとの事です。ここは一人で行くよりも、複数の日本酒好きと一緒にセットコースで、冷蔵ケース前の席に陣取ることができれば、視覚的にも楽しみながらお酒をガンガン選ぶことが出来ます。
2013/02/05
コメント(0)
今年の新規開拓第一号。「YUCARI」の日本酒特集号を友人が送ってきてくれて、日本酒ライターの藤田千恵子さんが推奨するお店の一つにこの「侘助」という下町のお店が登場していました。記事を読んだ瞬間に「ここはイケル」と直感した次第です。地下鉄日比谷線「入谷」からすぐ、JR鶯谷駅からも歩いていける。最初の一杯は、昨年の正月も押上の「酔香」で飲んだ、福島県浪江町の「磐城壽」。「日本一太平洋に近い蔵」の鈴木酒造店は、津波にのまれ、昨季より山形県米沢近くで酒を造っています。「この店では唯一の非純米酒です」と、酒担当の息子さんから断りがありましたが、復興への願いを込めて頂戴する。次は、最近気に入っている「新政6号」。ちょっと季節遅れの「ひやおろし」でしたが、とても美味。お母さんが作る大皿惣菜も美味いが、息子さんが包丁を入れるこの刺身もGood!その息子さんに勧められて飲んだのがこの「鷹来屋」。大分の酒で不勉強ながら初めて飲みましたが、これはイケル! 覚えておきます。その他、「天の戸・美稲」(秋田)、「秋鹿」(大阪)、「日高見」(宮城)、「宝剣」(広島・呉)、「竹鶴」(広島・竹原)、「王禄」(島根)などを、燗づけをおりまぜながら飲みましたが、半合サイズでお願いできるので、多くの種類を飲むことができます。なお、すべての銘柄が燗づけ可能です。「十酒(とき)」という和歌山の酒も飲みましたが、これは昭和63年醸造というから、24年の古酒!一杯の値段はそんなに高くありませんでしたが、「しぼりたて」や「無濾過生酒」が多いこの時期、古酒のしっとりとした味わいも格別でした。大田区に住む人間としては、けっして近い店ではありませんが、家族経営のほのぼのとした雰囲気と、各地の銘酒、そして手を抜かない肴に大いに満足しましたのでまた来るでしょう。
2013/02/01
コメント(0)
日本酒古酒の専門バー「酒茶論」を今年初訪問。今回は上野熟(not塾)長の著書「日本酒の古酒」(実業之日本社)を読んで、飲みたい古酒を予めチェックしていたが、肝心のメモを忘れてしまった。が、いつ行っても上野さんには古酒に限らず、酒のすべてに関して教えていただくことだらけ。理論的にも、感性的にも、ロマン的にも私の尊敬する師です。本日の一杯目は姫路の本田商店「龍力・祇園2001」。なぜ「祇園」という酒名かというと、幕末の京都には造り酒屋が400軒も立ち連なる文字通り日本の中心地。当時は精米技術も乏しかったことから、低精白米で醸していた。その百数十年前の仕込み配合を踏襲して、現代の吟醸造りの技術で製造したのがこのお酒。(以上、上野熟長談)精米歩合はなんと90%という。香りは、そのアロマを嗅いでいるだけで10分間くらい楽しめそうな、ハードリカーに近いドライなもので、最初に立ち上がる香りと、そのあとから追いかけてくる第二、第三の香りが複雑に絡み合うハーモニーが、日常のすべてを忘れる気持ちにさせてくれる。超低精白ながら完全発酵させたこの酒のアルコール度は19-20度と高く、恐らく日本酒度計を浮かべたら+20近くになるであろう、そのドライさはまさに「ドライシェリーを飲んでいるよう」な錯覚さえ覚える。ツマミに味噌の薫製&長芋揚げを注文すると、今度は「八丁味噌の本場、愛知の古酒を」ということで、安城市の神杉酒造の15年古酒を提供いただく。燻製した味噌は、まさに濃い味の八丁味噌で、同郷の発酵熟成コンビのコラボが良く合う。写真はないのですが、この酒はタクワンのような香りを感じることができる。たしかに皆同類項。三杯目はカウンターの目の前に置かれていた月桂冠の秘蔵古酒。「月桂冠」と聞くと、ハナから「大手蔵は興味ねえや」と相手にしない人がいるが、頭で酒を飲まずに、鼻と舌と口で楽しみましょう。実際、いい酒を造っていると思います。この秘蔵古酒は、香り、口当たり、喉越し、味わい、余韻等素晴らしくバランスがいい。月桂冠は社の方針としてしばらくは古酒の販売を中止するようなので(在庫はあるが)、今回酒茶論でいただいたものは最後の1本か2本とのことで貴重なものでした。アロマを採りに行くと、そこはかとなく熟成した果実の香り、洋ナシのようなあるいは熟れたリンゴのようなフルーツを感じる。上野さんはバナナ香を嗅ぎ取ったとおっしゃっていて、なるほどと思いました。その間に注文した「鴨のロース」が抜群に美味いので、もう一杯。この料理は企業秘密に基づく作り方をしているとのこと。酒茶論に行ったら、これから必ず注文しよう。さて、酒茶論オリジナルの「貴醸・平安造り」。氷を浮かべて。水の代わりに「酒を原料に酒を醸した」贅沢な造りで、毎年前年までの酒に今年の酒を加えていく、重層的な、つまり何年分もの酒が積み重なった古酒。実際の製造は「花垣」で有名な福井県大野市の南部酒造場の手による。私はこの蔵の酒が好きだが、酵母によるのか、不思議と花垣的香りが漂う。具体的には熟れたスキッとした爽やかさ。それがさらに熟成の年輪を重ねて奥深いものとなって、何ともいえない陶酔感へ誘う。これも香りだけで10分くらい楽しめそう。なんと日本酒という飲み物は懐が深いのだろう。素晴らしすぎる。今日はこれ以上余分なものを飲まずに帰ろう。
2013/01/29
コメント(0)
『一見の方お断り』『完全予約制』のお店ですが、別に格式が高いわけではなく、むしろ料理が落ちそうなくらい狭いテーブルと丸椅子、ハンガーもなく酒ケースにコートを置くような、食堂的ザックリした店。でも『一見の方はお断り』する理由もわかる。昨今の日本酒人気で、評判の日本酒バーはどこも常に満席。新橋と銀座に店を構える「庫裏」は、月間1000件の「予約依頼のお断り」をしているという。新橋の「もと(生モトのもと)」では私がカウンターで1時間強飲んでいる間に、20件あまりの予約問い合わせ電話が入っていた。店長の鈴木さんは「私は電話番です」と自虐的に言っていた。押上「酔香」も結構多い。あそこは不便な場所だから、行って満席だったら困る。燗酒を提供するお店では、秒単位で温度管理をしているので、頻繁に電話で遮られてはつらいだろうと思う。特に少人数で運営するお店では。酒徒庵は「食べログ」で4.23ポイントという都内の日本酒処でも1、2位を争うハイスコアの店なので、『一見の方お断り』を掲げなければ、毎日電話に忙殺されて仕事にならないだろう。それではこの店の魅力はなんなのか?大型冷蔵ケースに並ぶ酒瓶を客が見て、飲みたい銘柄をお店に頼むシステムは合理的。頻繁に入れ替わる多種類の酒を、その都度メニューの書換えをしていたら大変だろう。ひと通りのお酒を冷やで飲んだあと、冷蔵ケースの前で店長の竹口さんに「徳島の旭若松を燗で」と頼んだ瞬間、竹口さんの眼がキラリと光った。席で待っていると出てきたのは、暖められたお猪口とまさに適温のお銚子「旭若松・雄町100%」。この日のベスト一杯!その後は次々と燗酒オンパレードとなりましたが、銘柄によっては一度50度まで上げてから45度に冷まして提供するなど、竹口店長のこだわりと工夫、発想力がまさにこの酒徒庵の魅力ではないかと確信した次第です。もちろん、日本酒に合う肴の数々も引き立ててくれました。今回もKさんにお世話になり、御礼申し上げます。
2013/01/09
コメント(0)
チーフバーテンダーの天内奈緒さんは、「日比谷Bar」グループのカクテルコンペで優勝する腕前ですが、物件の7年契約満了により、この12月末で閉店してしまうお店です。実技演技者36名中5名が決勝戦へ。その決勝戦での優勝カクテルがこれ。「Bar Licence F」で飲みました。ブドウを原料としたフランス産ウォッカ「シロック」をベースとして、甘いリキュールを加えてシェイク。デザートのような甘味がありながら、シロックの美味さも引き立てるカクテルらしいショート。焼きめを入れたレモンがほのかな酸味を添えてくれます。オリジナリティ満載の個性が審査員の心を捕らえたのでしょうか。優勝の副賞はスコットランドの蒸留所巡りです。なお、ゲスト審査員をされていたセルリアンタワー東急のメインバー「ベロビスト」の大竹学さんが、デモンストレーション演技をされていました。「デイアジオ ワールドクラス2011」という世界カクテルコンペの優勝者です。さすが、カッコイイ!気分転換にたまにカクテルも飲みます。(記事にするのがだいぶ遅くなりました。)
2012/12/28
コメント(0)
カウンター6席と小上がり1卓の小さな日本酒処で、しかもあまり世間に知られていませんが、全国の銘酒を少しずつ飲みたい場合に最適な店です。しかもクーポンを使用すると4種利き酒セットがサービス!本日のサービス酒はこれでした。先日、大森で飲んだ奈良県の油長酒造の「風の森・笊籬(いかき)採り」。京都・藤岡酒造の「蒼空・純米大吟醸」。蔵元が一人で手づくりする平成14年誕生の全量純米蔵です。東広島市・亀齢(きれい)酒造の「万事酒盃中(ばんじさけさかずきのなか)」。新潟県村上市の宮尾酒造「〆張鶴・しぼりたて原酒」。文字通り今年のしぼりたて。それぞれ30mlと少量ですが、充分に味わいを確かめることが出来ます。2人で行けば4×2=8種類がタダでテイスティングできることになります。店主は40代の出しゃばらない奥ゆかしい人で宣伝ベタなので、いつも空いていることが多いですが、錦糸町まで行って入れないと困るので、一応予約していきます。普通に注文するお酒は1杯55mlで300円台が中心で、可愛らしいグラスに注がれて出てきます。人によっては、初めて飲んでみるお酒がハズレだった場合、1合近いお酒を飲みきるのが苦痛になることもありますが、そうしたリスクを避けることもできます。私の隣にいた紳士は、気に入った酒を3杯続けて飲んでいました。3杯で1合弱=1000円くらいだったら普通のプライシングでしょう。最後に会計をすると驚きが!新橋や銀座の「庫裏」に行かれた方は、レシートに飲んだ酒の銘柄がキッチリと記載されていることに明朗さを感じることと思いますが、この「蔵」はさらに詳しく、例えば「辻善兵衛 純米吟醸原酒/槽口直汲み/瓶燗火入れ/備前雄町56%磨き 23BY」といった具合に、飲んだ全ての酒の明細が記載されたレシートが渡されます。こういう日本酒処では、飲んだ酒を写真に撮るまでもなく、レシートで記憶を辿ることができるのが、この店のもう一つのメリットでしょう。ということで、私の住まいや事務所からは遠い店ですが、ときどきお邪魔しています。気が向けばそのまま北に歩いて、押上の「酔香」に顔を出すこともあります。
2012/12/16
コメント(0)
全18件 (18件中 1-18件目)
1