Ａｓ　ａｓｓ’ｓ　ｅａｒｓ

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2006.02.22

ターニング・ポイント～会話の中で

カテゴリ：ドキュメンタリー

うちのカンパニーに習いに来ていた青年
彼は家の事情とアパートの契約切れから
３月一杯で東京を去るという

ここを愛してくれていた
人が減っても残ってくれた
たぶんに使命感もあっただろう
俺が来なきゃ誰が残る？と

人が減りしかし金銭繰りの事情はよく知らないまま
あの人が金の事を言うのを快く思わない
そりゃそうだ、
自分もやりくりしてここのレッスン料を払っているお客さんでもあるから

「ユダヤ人大富豪の教え」
金にとらわれない考えを持てるから
良い本だから読んで欲しいと

自分の本はその時読み返したかったのか貸せないというので
おあいそで
じゃあ図書館で探してみるよ、と答えた。
内心では
読んだ割にはまだ君も金に囚われてるよと

目に見えて衰退するここの状況を
それでも真剣に歯がゆく思っているのはわかる
ただ、言うならやってくれよと
私も思ってしまうのよ

ああしたら、こうしたらという提案に
それは私には決定権がない
ボスは療養中だしあの人に直接言ってみてよと
いなすように返してしまう

私達はここを良いと思っている
やっている事も、それを支える思想も
（こういうと怪しいが、思想無くして舞台は、いやあらゆる創作物は生まれないと私は思う）
ただやり方が下手なのだろう
それを示唆してくれる神の如き存在はいないものか

少々愚痴めいた彼の言い草に
表に出さないながらもカチンと来ていた
そこで投げかけられた問いに
凍った
「○○さん（私）はどうしたいんですか？」

取り繕った答えさえ
紡ぎ出せない自分がいた
その事実に

幸い彼はそれには気付かず
無事その問いは流れて

元々話し好きの長っ尻気質
電話のベルの音に救われて
やっと一人になれて

さて先ほどの私に聞く
“私はどうしたいの?”

答えは、翌日までやってこなかった

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