Rock's cafe

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September 29, 2004
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お昼に、テレビをつけておきながら何気なく本を読んでいる時に、ついにあのメロディは流れてきた。
もうその存在は知っていたが、耳に入った時にはやはりハッとしてテレビに目を奪われた。「愛しあいされて生きるのさ」がCMに使われていて、その音色はとても懐かしかった。ぼくにいろんなことを思い出させてくれた。

 「ふてくされてばかりの10代」
この歌詞を初めて聴いた時に、ぼくはとても救われた気がした。当時ぼくは中学生から高校生になろうとしていた10代のど真ん中だったけど、本当に毎日ふてくされてばかりいたと思う。何気ないことで悩んだり、こんなんでいいのかとふがいない気持ちになったり、周りに対していらだっていた。

この国には「規範」というべきか「モデル」というべきか、決まりきったライフスタイルがあって、テレビや雑誌は一生懸命「今こういうのがイケてますよ~」って宣伝する。そしてその基準から外れたものや、はみ出そうとするものに対しては存在を無視したりする。

大人になるに連れて、それをだんだん許せるようになったり、目をつぶって生きようと諦観したり、またはこうして乗り越えてやろうといろいろ策を練ることができる。でも10代の頃はというと、そういう暗部を見つける視線だけはやたら鋭いくせに、方策なんて全く考えようともしない。社会性が備わってない分だけ、安易に腹が立ち、安易にふてくされる。そしてそれを受け止めるものは何もない。

世間で10代はこの上なく楽しくて、明るい時代として理解されているようで、枠からはみ出すことは、尾崎豊の歌詞、またはマンガで言えば「ろくでなしブルース」のようなこととイコールして認識されていた。

でも言わせてもらえば、盗んだバイクで走り出したり、校舎のガラスを壊して回ったり、暴走族やってケンカすることで癒される事のない青春期の痛みや苦しみだってある。「ライフ」という底抜けに明るいといわれるアルバムの中で、「愛し愛されて生きるのさ」というこれまたノーテンキなタイトルの曲中に「ふてくされてばかりの10代」というフレーズを見つけたとき、ぼくはうれしかった。そしてほっとした。

振り返えってみれば、それほど不幸な中高時代だったわけじゃない。もちろんそんなに華やかでもなかったけど、良き友人と恋人に恵まれ、そこそこマジメに勉強し、たまにはめを外して遊んだりもして、客観的にはなかなか幸せな10代を過ごしたと思う。それぐらい青春期の怒りや痛みは本来「客観的」という言葉とは無縁の、理不尽なものでしかないのかもしれない。映画「ボーリング・フォー・コロンバイン」の中にもこんなセリフがあった。「高校生活なんて、くそったれそのものだ」

そんな10代が過ぎ、改めて聞く「愛し愛しされて生きるのさ」は、とても優しい響きをしていた。「ふてくされてばかりの10代」には感じ取れなかった部分すら、生き生きと伝わってきていた。そういうことを通じて、人は自分が少し昔より大人になったことを知るのかもしれない。ぼくはCDトラックから「ライフ」を取り出し、最初から再生してみることにした。





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Last updated  September 30, 2004 03:55:57 PM
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