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昨日の講義のノートを見直していると娘が帰ってきた。「あーしんどかった」眼底写真を撮ったり、視力を測ったりするのが娘の仕事だが、「今日は認知症みたいな人ばっかり当たったわ。輪の切れてるところが上とか下とか答えられなくて「こっちですか?」と聞いて、はい、いいえでしか答えをもらえないから時間が4倍かかって、数こなせへんから昼の弁当は15分よ」
この話を聞いて、昨日の講義を思い出した。「実は昨日・・」と話し出すことだ。人間の顔を逆さまにしてみると、不自然さがよく分からない、と言うことだ。スライドで上下逆さまになった顔(あごが上、額が下)が投影された。「皆さん、この絵を見てどう思いますか?」と講師の先生。受講者は「普通じゃないですか?」
「ではあごを下にした正立画像にしてみましょう」「なにこれ?怖い顔!」 この顔写真はいたずらがしてあって、目と唇が上下逆さまになっていたのだ。だから目の下に二重まぶたがあり、下唇が割れているように見えて、不気味だ。倒立の画像になると、それが分かりにくいのだ。人間は脳の一部で顔の認識をしているが、倒立像になるとそこがうまく働かないらしい。確かに我々は、逆立ちしている人など、めったに見ない。
相貌失認といいます 」認知症になった親に「あんた誰?」と聞かれる子はすごい衝撃を受けるが、何かの加減で逆さま像を認識しているとしたら、無理もない質問かも知れないのである。自閉の子供がこだわりをもつと言うのも「理解できる数少ないもの」だからなのかも知れない。
娘はこれを聞くと、「ふーん、脳の障害も手足の障害も一緒なんだ」視力を測るのに一部が切れた輪を見て、「上は黒、下は白」と答える人があるらしい。「図と地の混乱」が起きているのだと考えれば特に腹を立てることもない。見えているかいないかを検査するのなら、これでも十分なのだ。 「相手の言葉で話せ」はビジネスの常識だが、こんな「超言語」みたいな世界になると、確かに疲れるだろう。
娘よ、頑張れ!
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