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林芙美子の放浪記をやっと読み終えたが、この手の作品は苦手だ。文が時系列になっていないのでいわばつぶやき風の日記だ。行商の子供に生まれ、しかも父は養父。これが仕事もせずに博打にばかりなけなしの母の収入を入れてしまうのに、母はそれを咎めもしない。母1人なら何とか養おうとする主人公だが、これがまたあれば使ってしまう、欲しいものは借金をしてでも買うと言う始末の悪い性格。赤貧状態で時々原稿料が入ってくるが、故郷に帰る旅費やら何かに使ってしまう。
仕事は長続きせず、結局日給や出来高の女給や内職しかない。 詩をたくさん書いて、その赤貧ぶりはまあ同情にも値するが、「金持ちはいいなあ、自分のとこにも回ってこないかなあ」と嘆くばかりで結局就職、離職、転居と居直りを繰り返すのみ。
時代設定の背景もあろうが重苦しい小説だった。アホちゃうん、ともいえそうなストーリー。森光子さんはこれを2000回も上演したのか・・・私には耐えられない。
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