SALT OF THE EARTH

SALT OF THE EARTH

2010/05/09
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カテゴリ: 読・聴・観

いのちをいただく

前半は「絵本」ですね、黒だけで描かれた挿絵が子供の落書きのようでいて、なんともいえない表情を出しています。
食肉加工センターで牛を「殺して肉にしている」坂本さん(実在の方)と小学生の息子の会話を中心に、
ある日殺した一頭の牛が殺される前に見せた涙を境に「もう少しこの仕事を続けよう」と坂本さんが思う日のお話。

娘にも読み聞かせをしました。泣いてしまったらいけないと思いつつ。
「可哀そう」で泣くだけならあまり意味はないかもしれません。

意味…そう、この本の後半には食に関わる3人の人の紹介と、あとがきがありますが、
私はそこを読んで本の主旨とおそらく違う感想を持ちました。

「人間は生きている間に色んな事に意味を見つけないとやっていけないのだな」

ということです。
確かに生き物の命を奪う仕事などしていたら、よほどそこに意味をつけなければやっていられないかもしれない。牛の涙など見てしまったら…
極悪犯罪者の死刑執行のボタンの方がよほど気が楽かもしれない。

動物は意味など考えて生きてないだろうし、獲物を仕留める度に意味など考えるわけもない。
人間は脳が発達し過ぎたせいなのか、
最低限生きるに必要以上の食物を求め、そこに味だの美的感覚だの人間だからできる色々な要素を加えて(それはそれで素晴らしいともいえる)食を「快楽」にしてしまった以上、
自分達の行為に意味をつけなくてはならないのかもしれません。

もう少しこの本の主旨?である食育とかそういうことに感想を書くべきかもしれませんが、
私は絵本の部分の坂本さんの職業意識に感じることの方が多かったですね、
絵本の1ページ目に「坂本さんはこの仕事がずっといやでした」とあり、
その後も「いつかやめよう」とか「明日は休もう」とか思うのですが、
そういう気持ってどんな仕事でも起こる時がありますよね。
勿論、坂本さんのような仕事と例えば私のやってるような仕事は比べ物にもなりませんが、
それでも働いているうちには色々な気持にもなる、
「もう少し続けよう」と思うことも。
職業意識とは淡々と事務的なものでなく、そんな情緒面もあって続けていくものでいいのではないかしら、と思ったのです。
ん~~やっぱりズレてるか…

***
ところで私は逆に最近はあまり「意味」を考えないようにしてます。
元々は結構「いちいち意味づける」ことをしがちで、
娘を妊娠した時なんかも色んな理屈を総動員したくらいでした。
あるいは異性を好きになると、いちいち縁がどうとか、小さな共通項を見つけては好きになった理由をつけたり。
なんかもう、起きたことはそのまま受け止めたいと思うようになったんですね、最近は。
「意味を見つける」「理由づけをする」ということは、それをしなきゃやるのが難しいからじゃないかと思うのです。
自己啓発難民と呼ばれる人達は意味や理由を探し過ぎるんじゃないでしょうかね。

















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Last updated  2010/05/09 12:20:32 PM
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Comments

slash555@ Re[1]:介助犬の立場(09/09) 優遊悠さん 最近はツイッターに移行し、…
優遊悠@ Re:介助犬の立場(09/09) このような記事を書いて下さり、ありがと…
マイコ3703 @ Blogを拝見させて頂きました(*^^*) ふむふむ!と私にもあるある!と感じてし…
いぶら @ Re:危うい年代(02/26) 姐さんご無沙汰。っていっても他で話して…
slash555@ Re[1]:重い日だった(02/01) 七詩さん 後日知りましたが、後藤さんは…

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