kunitenマイライフ

PR

×

プロフィール

kuniten.chair

kuniten.chair

カレンダー

バックナンバー

2026.05
2026.04
2026.03
2026.02
2026.01

カテゴリ

カテゴリ未分類

(0)

ファッション

(0)

スニーカー

(0)

カラコン

(0)

ダイエット

(0)

ペット

(0)

話題

(0)

美容

(0)

語学

(0)

家電

(0)

バッグ

(0)

雑貨

(0)

ショート小説

(7)

コメント新着

コメントに書き込みはありません。

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2026.01.22
XML
カテゴリ: ショート小説





その椅子は、いつも窓際に置かれていた。
座る人がいなくなってから、もう三年が経つ。


木製で、少し背もたれが低い。
特別おしゃれなわけでも、高価なわけでもない。
それなのに、部屋の中でいちばん目に入るのは、決まってその椅子だった。


彼は毎朝そこに座り、コーヒーを飲んでいた。
新聞を広げるでもなく、スマホを見るでもなく、ただ外を眺めていた。
何を考えていたのかは分からない。
聞いたこともない。


亡くなったあと、椅子だけが取り残された。
処分しようとしたこともあった。
でも手を伸ばすたび、なぜか指が止まる。


座ってみると、意外なほどしっくりくる。
背中を預ける角度も、足の置き場も、ちょうどいい。
まるで「ここだよ」と教えられているみたいだった。


ふと気づく。
この椅子は、彼の代わりに部屋を見てきたのだ。
朝の光も、雨音も、言えなかった言葉も。


椅子は動かない。
でも、何も忘れない。


今日も私はそこに座る。
空席のはずなのに、不思議とひとりじゃない気がして。



あなたもお気に入りの椅子はありますか?





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2026.01.22 20:31:55
[ショート小説] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: