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三たび『大地動乱の時代-地震学者は警告する-』
(石橋克彦著 岩波新書)を読んで
この本は、来年の「伊豆の旅」の下調査のために、安政大地震でのディアナ号沈没について、読み返してみるつもりだったのですが...。
問題は、過去の歴史をなるべく紹介しようと意図したんですが、読み返すほどに、たんに博学的に歴史材料を集めるのが問題ではなく、やはり、今の東日本大震災の援護と、今後の震災への備えること、それが大事だ感じてきました。
この本は、1994年に刊行されたもので、18年も前に書かれた著作ですが。
著者は、1.相模湾西部の地震と、2.駿河湾からの東南海地震、それに3.首都直下地震が連動した過去の歴史事例を検討しています。
第一章、1854年安政大地震もそうした内容だったし、そのエピソードとしてプチャーリンのディアナ号があったということでした。
そして、第三章、四章では、そもそもの地震発生のメカニズム、フィリピン海プレートの沈み込みから説明しています。それぞれの地震には周期性がみられ、関連性があることも指摘しています。
その上で、第五章、六章では、3つの巨大地震への備えを指摘しています。
今日の社会状況は、過去の歴史にはない危険物の集中があるため、もしそうした地震が起きると、過去の被害とは比べものにならない、大きな災害になる。
そうした事態にどう備えるか、今後に予想される大震災に警告をしていたんですね。
2011年3月11日の東日本大震災の後に、この本を読み返していたのですが。 http://plaza.rakuten.co.jp/sagamimikan/diary/201104010000/
それは、東日本大震災での被災の多岐な報道が日々ありました。また、その印象は、みかん園のある神奈川県西部ですが、ここも関東大震災では津波よる大きな被害があったこと、岩村でも船が海岸から村の集落の奥まった所まで流されたとの話を聞いたことを思い返していたんですね。
この本では、この神奈川県西部での地震が、連動する地震のきっかけにもなりうる、との指摘されてました。
こんな身近な体験に引き寄せて、その関心で読み返していたのですが。
今回の震災に関連して、第6章「大地動乱の時代をどう迎えるか」では、
そこでは原子力発電所や石油コンビナート、交通網の寸断、液状化などの問題。通勤・通学の帰宅困難者、ライフライン災害、などなど震災の発生。
つまり、今回の東日本大震災で体験した多くは、専門家の想定としては、17年も前に予測されていた問題だったんですね。現実はすさまじいものでしたが。
しかし、やはりこの著書が警告しているのは、その最大の問題は、首都直下型地震と東南海地震が連動して発生した場合の想定で、その被害はこれまで経験したこともない事態をきたす、それに対する備えが問題だ、とその時点で警告している本です。
この間の体験は、一層その重要性を感じさせてくれてます。
そして、今回読み返していたときに、10月14-15日でしたが、職場の旅行で福島を回る機会がありました。
ごく限られた見聞でしたが、それでも、とにかく福島を見て回ってきました。
県庁近くの渡利、漁港の小名浜。
そこには、地震と津波による災害が、さらに今も深刻に続いている原発災害が。
人の当たり前な暮らしが直面している困難、そのごく一端でしたが見聞きしてきました。
本来、大きな災害にあった時に、国家の責任とは、国の持てるあらゆる力を尽くして、被災者の救援、復旧にあたること、ここにあると認識していますが。
それが一体どこまで持続し、徹底できていのるか。
今現在、現地では、普通のくらしにとって、いとなみにとって何が問題か。
見聞きできたのは、現実のごくごく断片的でしかないのですが。
小さな子どもたちの健康は、本当に大丈夫か、とお母さんたちは心配していました。
農家の人たちは、作物への不安により、せっかく作っても売れない、意欲がなくなる、と。
地震・津波だけなら片付けも出来るはずだが、放射能で立ち入り自体が規制されている。
住まいを離れて、避難してきている人たちは、生業を奪われている、などなど。
現地では問題がなかなか解決していない。
ようやくはじまった除染も、対象範囲が狭いし、遅い。
東電は、賠償責任を果たしていない。
私などの復興への総評は、
現状は、自らへの腹立たしさも含めて、20点です。
今の事態は、被災者を手当てする力も、今後の震災への備えも、しっかりつくることです。
両方とも、抜本的に見識を集めて、しかも急いでいるということです。
その現状と実行がきびしく点検されることです。
あらためて、今の東日本大震災で経験しつつある事態というのは、
それがどんなにたいへんなことであっても、まだ序の口です。
『大地動乱の時代』が警告している課題は、依然として存在しています。
それだけに、現在、被災者支援と復興へ、どのように係れるかの問題は、
それにどけだけ知恵と力の結集できるかは、
ほどなく、直面している自らの問題だということです。
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