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2014年07月15日
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フォイエルバッハ著『キリスト教の本質』を読みました


1841年
(31 ) に第一版が、1843年には改訂されて第二版が刊行されました。

緒論と第一部と第二部からなりますが、岩波文庫で上・下二冊、全体で 500 ページ以上もあり、なかなかの大著です。

写真: DSCN1959

どうしてそんな古い著作を、今ごろに当たる気になったのか。
フォイエルバッハ は、ドイツの観念論哲学の流れの中にあって、この本で唯物論の立場を主張しだしたんですね。それはよく知られているんですが、大著はなかなかの難物なんですね。 全体としてはキリスト教に関するものですから、私などにはなかなか理解できないのですが。
今回、読み進む上でのキーワードです。
「神学の秘密は人間学である」-これは第一版の序言にある言葉です。

また、第二版の序言では「ヘーゲル哲学とは正反対に実在論=現実主義・唯物論だけが認められるる」とはっきり表明しています。

この間に、『聖書』を当たり、エラスムスやルターの著作をいくつか当たってきましたが、その流れの中で、この機会に再度この大著に挑戦してみる気になったんですね。
この大著そのものに直接に当たっておくことが、理解のほどはともかくとして、大事だと思ったんですね。

以前に紹介しましたが、この本を読むのに参考にしたのは、
宇都宮芳明著『フォイエルバッハ』 ( 清水書院 人と思想 70) と、
エンゲルス著『フォイエルバッハ論』 ( 大月書店センチュリーズ ) です。

『キリスト教の本質』を読んで感じたことですが、
一、フォイエルバッハは、序文のキーワードが示していますが、この大作で唯物論の立場から様々な論点を述べています。キリスト教の宗教論を全体として説いているわけですが、それは分からないことだらけですが、それが唯物論を説いていることはつたわってきます。そこが大きな功績だったとのことで、短期間にセンセーショナルな反響を呼び起こしたと聞きます。
読み込むのがたいへんな当方としては、十分に分からないのですが。

二、ただしフォイエルバッハは、この大著で中味的に唯物論を語っていますが、「唯物論」という言葉は、私が数えたところ、 500 余ページのなかに全部で 18 か所しかない。
唯物論を中味では説きながら、言葉としての「唯物論」はあまり使われていない。これはどうしてなのか ?  このちぐはぐさはどうしてなのか ?
三、このへんのことを 、エンゲルスは『フォイエルバッハ論』で指摘し、検討しています。

やはりエンゲルスはかなり『キリスト教の本質』を意識して書いています。この著作だけではないけれど、しかしこれを大きく念頭に置いて書いていることがわかります。

同じ唯物論でも、とらえ方に短期間の間に、大きな差・違いが出てくるんですね。
同じような観点、いやむしろそれから刺激を受けていた側が、その刺激をふまえて大きな探究努力をした。そこに短期間の間でしたが大きな違いが出て来たんですね。

四、それとフォイエルバッハが「結論」として指摘する点ですが、
第二部第二十八章 P160 「すでに明らかにしたように、宗教的関係をただ転倒しさえすればよい。・・・そうすれば幻想を破壊し、くもりのない真理の光を、われわれはもつことになるのである」。本体は第二十四章『思弁的神学における矛盾』 P83 で指摘していた「それを転倒せよ。そうすれば君は真理をもつことになるのである。・・・」のところです。
確かに逆立ちした関係を正す点はそうなんですが、それは真理をつかむための出発点です。なぜそうした逆立ちが生じているのか。存在の中に、社会関係の中に、その原因をさぐらなければならないはずです。それなのに彼は関連を洞察しただけにとどまっている問題があります。


以前は読んだときは断片的にしか読めなかったんですが、その時はただ氷の上をすべるように通過しただけで、分かったような何かもやもやしたままでしたが。そこにはこうした検討しなければならない大事な問題があるということです。

フォイエルバッハには大きな功績とともに、問題点と課題があるということです。

それが見えてきたこと、それが今回の大著を読んでの成果です。






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Last updated  2014年07月15日 04時57分25秒
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