つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2005.06.03
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カテゴリ: 数学・サイエンス
三上さんは広島県の出身で、中国と日本の伝統数学の歴史を英文で著述して、世界的に有名になった数学史家だそうです。自分はバリバリの文系人間なので、とりあえず概略を述べるにとどめます。

日本において数学が発達したのは江戸時代である。ただその素地はすでに戦国時代にあった。商工業の発達、海外との貿易、検地水利、築城その他軍事上の必要性。ちょうどそのころ豊臣秀吉の朝鮮出兵があり、大陸・半島の算術とそろばんが伝来した。

和算はもともと実用のために興ったものであったが、主に無為徒食の武士階級で「芸」的な学問として発達した。和算家またよく和歌や俳句をものしたという。長崎から入ってくる蘭学の影響で西日本地方出身者には実用的な実験科学者というべき者も輩出したが、江戸を中心とする和算家の世界は「芸道」に近く、秘伝やら流派やらが盛んであった。


…サムライ閑居して和算を成す、か。

しかしながら日本人は中国伝来の数学を独自に発展させ、行列論や整数論などにおいては、同時代の西洋数学と比肩乃至凌駕しうる領域にまで至っていた。ただ惜しいことに和算はあくまでも「芸」であり「道」でありあるいはせいぜい技術としての「術」であったので、論理学や「証明」にははなはだ弱い、云々。

「和算の社会的・芸術的特性について」は簡単な和算史ですが、「芸術と数学及び科学」の方は三上さんのさらなる持論が展開されていて興味深いです。

一言で言えば、 数学乃至科学が勃興するに先立って、芸術の発展が歴史的に不可欠だというのだ。古代ギリシャ然り、西洋のルネッサンス然り。日本でも江戸時代の和算家は詩歌を嗜んだが、外国もその例外ではない、云々。

オマル・ハイヤーム…ペルシアの詩人/数学者。
ダ・ヴィンチ…幾何学を応用した画法を取り入れたイタリアの芸術家/科学者。
アルブレヒト・デューデル…ダ・ヴィンチと同時代のドイツの画家/彫刻家/数学者。
クリストファー・レン…イギリスの建築家/数学者/天文学者。


まあ、確かに建築術や遠近法と数学の発達/発展は無関係ではないと思いますけれど。
やはり自分はバリバリの文系人間なので、要約にとどめたいと思います。

それでも。
できればこのリストにルイス・キャロルも入れてほしかった、ですね。








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Last updated  2005.06.05 09:52:19
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