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2016/01/08
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※画像はYAHOO映画より拝借。

お正月休みの最終日。ビデオを二本借りてきました。
「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」と「桐島部活やめるってよ」。
ミッションインポシブルの主役であるイーサンハントを演じるトムクルーズは、私と同い年です。

さて、ミッションインポシブルについては、ハリウッドらしいとても面白い娯楽映画です。
ドキドキ、ハラハラ、それでも、最後はうまく納まるんでしょ、といった安心感の中で見ることができる、ある意味「水戸黄門」的な映画ですね。

どうやら人間というのは、年と共にやっぱり感受性が落ちてくるもので、年を取るほど「はっきりとしたオチ」が欲しくなってきます。
サスペンス系のドラマの人気が衰えないのは、高齢化とも因果関係があるのではないかと思いますね。
「どう感じるかは、あなた次第です」みたいなのは面倒くさくて、なぜそうなったのかをはっきりして欲しいわけです。
断崖絶壁の上に立って、ちゃんと解説をしてもらわないと納得できない。
そういうことでしょう。

さて、そこで「桐島部活やめるってよ」の話です。
タイトルからも分かる通り、学園をテーマにした映画です。
朝井リョウという最年少で直木賞も取った作家のデビュー作でもあります。

私もトムクルーズやジョージ・クルーニーと同級生ですから、今さら学園ものというのもどうかな?と思いましたが、話題にもなったし見てみよう、ということで借りました。

映画を見終って、ひとこと。
「どういうこと?」
まさしく、これが、サスペンス症候群というか、水戸黄門症候群なのでしょう。
そして、次の瞬間、この映画は、結論の意外性や謎解きをテーマにしたものではないのだということに気づきました。

大学の三年生の終わりに、ゼミの先生の提出したレポートに
「先生は、専門書を読め、小説などは年をとっても読めると言われますが、小説こそ、感受性の高い若いときに読まなければ意味がありません」などと、生意気なことを書いて、先生から「君は就職しても会社を辞めそうだな」と言われました。
少なくとも当時は、「感じる」ということが自分の成長に必要だと思っていたのでしょう。

きっと、年を取ってくると、感じるということが面倒臭くなってくるし、鈍感にもなってきます。
そして、そういったことが「青臭く」感じてしまうのでしょう。
長く生きて、それだけいろんな経験を積んできたことで、いろんな免疫がついて、自分の可能性の幅もどんどんと狭まってしまいます。

ただ、本当は、いくつになっても、感じることが大切で、それこそが精神を若く保つ秘訣なのでしょうね。
「青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ」というサミュエル・ウルマンの詩は深いです。

さて、「桐島部活やめるってよ」の話に戻りますが、この物語には、大きく分けて二種類の人間が出てきます。「いけてる人」と思っている人と、一見「いけてない人」。
桐島という絶対的な「いけてる男」が、部活をやめるらしいという事件を軸に、物語は進みます。
私などは、帰宅部で、典型的な「いけてない人」でした。
数年前から高校時代の同窓会の役員のひとりになってしまいましたが、私以外はすべて放課後をクラブに捧げた人たちなので、「放課後を共有した」という連帯感があり、帰宅部の私は、知らず知らず引け目を感じてしまいます。
思えば、帰宅部である私には「放課後」というのはありませんでした。
「クラブをせずに、一体何をしよったん?」と聞かれますが、まったく、何をしてたんでしょうね。
歴史は夜作られる、といいますが、学校生活は「放課後」に作られていたのでしょう。

そんなことを思いつつ、この映画を振り返って見ますと、とってもよくできた物語です。
「桐島」という絶対的な存在がいなくなった瞬間に、全体のバランスが崩れて、いろんな人間模様が浮き彫りになってきます。

青春を忘れかけた人は、ぜひ見てみてはいかがでしょう?











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Last updated  2016/01/08 02:06:42 PM
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