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2018/10/09
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井沢元彦さんといえば、「逆説の日本史」が有名ですね。
週刊ポストに1922年から連載されていて、単行本も24巻。現在も連載中らしい。
その存在は私も知っていました。
散髪屋や、飲食店などで「週刊ポスト」を手に取った際に、目にしたことがある、という程度で、その際にもほぼスルーしていないので、内容もよく分かりませんでした。
ということで、この「日本史真髄」は、その名の通り、そのエキスをまとめたもの、ということになります。

本の帯にある通り、日本史の謎を「ケガレ」「和」「怨霊」「言霊」「朱子学」「天皇」を元に解き明かしていくもの。
日本人にとって、この六つは「宗教」だと井沢氏は書いています。
歴史を考えるうえで、「宗教」を抜きにしては真実は見えてこない、というのは、間違いないでしょう。
日本史に決定的に欠けている視点が、この「宗教観」という視点であり、日本史の理解が間違っていたり、不十分であったりする大きな原因もそこにある、とのこと。

言霊の国、日本では、口にするといやなことが現実になってしまう、という考え方が身についていて、それが「日本は負ける」と誰も言えずに戦争に突入し、そして玉砕の一歩手前まで突き進んだ最大の理由だと、氏は書いています。
思っていても言えない、言ったら悪いことが起こりそう、悪いことが起こったら、それを口にした人間の責任になってしまう・・・・。
そういう不合理が、軍部も政治家も「日本が負けそうだ」と言い出すことを躊躇させたゆえに、ずるずると戦争を長引かせて、原爆を二発も落とされるまで決断できなかった。
確かに、一般の国民でも「日本が負けるのでは?」と口にしたら逮捕されかねない時代です。
「誰も言い出せなかった」というのは、単に保身ということもあるでしょうが、それ以上に「言霊信仰」という心の奥に染みついた「信仰」がそうさせたのではないか、という見方です。

日本という国は、「言霊の国」であるがゆえに、縁起でもないことは記録されません。
身近なところでは、忌み言葉というのもありますよね。
結婚式では不吉な連想をさせる言葉はタブー。
切れるとか、終わるとか、壊れるとかいうと「縁起でもない」となる。

「源氏物語」「平家物語」は、源氏と平家の怨霊を鎮めるために書かれた文学だ、という見方はとても新鮮でした。

新しい視点で歴史を見るには、分かりやすさも、ボリュームも手ごろで、おすすめです。

興味を持ったら、「逆説の日本史」の該当巻を読んで深堀りしてみてください、ということなので、ぼちぼち「本編」も読んでみようかな、と思ったりしてます。





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Last updated  2018/10/09 12:35:24 PM
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