ミステリの部屋

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2005年12月16日

ハゲタカは舞い降りた：ドナ・アンドリューズ

(6)

テーマ：ミステリはお好き？(1498)

カテゴリ：海外ミステリ

鍛冶職人のメグを主人公としたユーモアミステリのシリーズ４作目です。

１『庭に孔雀、裏には死体』、２　『野鳥の会、死体の怪』、３　『１３羽の怒れるフラミンゴ』

前作まではメグの個性的な家族や、おかしな親戚達が巻き起こす大騒動が笑いの中心でしたが、それに代わって、今度は弟のロブの会社のプログラマー達と、同じフロアに同居するセラピスト達が活躍します。
メグの両親も出てきますが、これまでに較べたらおとなしいものです。

これまでの話では、弟ロブは司法試験そっちのけで「地獄から来た弁護士」というロール・プレイイング・ゲームの創作に熱中し、ゲーム会社に売り込もうとしていました。

それはうまくいかなかったので、今回ロブは自分で会社を立ち上げ、メグも資金援助をしでたようです。そしてゲームは大ヒット。
ところがロブは会社の中の何かがおかしいと感じていました。

ハンマーで自分の左手をたたいてしまったせいで、しばらく自分の仕事ができないメグはロブの依頼を受け、調査をかねて会社の仕事を手伝うことになります。

そのうち、自動で会社の中を動いて回るメールカートの上で悪ふざけで死体のマネをしていた社員が、本当の死体となっているのが発見されます。

メグは調査内容と殺人には関わりがあると考え、奇人変人のひしめく中で犯人探しを始めるのでした。

題名のハゲタカですが、実際に受付のまん前でマスコットとして飼われています。なぜかこの会社には“ペットを職場に連れて来よう”というモットーがあって、身重の猫や普通の大型犬や凶暴な小型犬もうろうろしています。

そんな中で、ちゃきちゃきと現場をしきり、捜査のためには深夜のオフィスに何度も忍び込み、彼氏からの心配する電話にも切れたふりをし、もちろん犯人には雄雄しく立ち向かうメグ。
本当にご苦労様。

これはおかしいです。馬鹿馬鹿しいです。1ページに１回はニヤリとさせられて、何度も吹き出してしまいました。

カンフー、手裏剣、ポジティブ・ベア、「地獄から来た裸の弁護士」、これらのキーワードを思い浮かべるだけでクスッときます。

重い本に疲れたときにはきっといい気分転換になってくれる、ユーモア満載のミステリです。