
P2C
の勉強会が行われており今年の2月から数ヶ月間はここに通っていました。勉強会は毎回代わる代わるチェアとなる人が二人選ばれ、それぞれ5問ずつ質問を準備してその解答をテーブルを囲んで議論するという形式でした。様々な会社からランドスケープ・アーキテクトの面々が集まりそれぞれの経験を共有しながらシラバスに関する理解を深めていけるので、多彩なアイディアに触れることができる貴重な機会でした。
最も印象に残っている議論は「庭に生えている木が敷地境界のフェンスを越えて隣人の敷地に枝を張り出していて枝の落下により隣人が負傷したとする。損害責任の所在は誰にあるか?」という質問です。
これは所有者責任についての問題で、土地や建物の所有者はその所有する領域内及び領域周辺の安全管理の責任を負うというルールがあり、枝の管理を怠った場合木の所有者が責任を負わなくてはならないという平凡な問題でした。ところがグループの中の一人が、「もし仮に、土地の所有者が木を完璧に管理していて、枝も完璧に敷地内に収まっていたにも関わらず雷がその木に落ちて、吹き飛んだ枝が偶然にも隣人を直撃し負傷したとしたら誰の責任になるの?」という質問を投げかけたのでグループ内で議論になり、所有者は管理責任を果たしているから関係ないとする派閥と、過失はないが厳格責任が適用されて所有者が負傷の責任を負わなければならないとする派閥に分かれました。結局試験では聞かれないだろうし法律の専門家に意見をきくと答えた方が無難だろうというふうに落ち着きましたが、あまりにおかしな設定だったのでみんなで笑いながら議論していたのが印象に残っています。
フェスティバルホールのやや東側に向かうと黄色く目立つ階段があります。隣接のクイーンエリザベス・ホールの屋上に続く階段で、それを登って3階までいくとクイーン・エリザベス・ルーフガーデン・カフェ・バーがオープンしています。カラフルなプランティングポットや小さな芝生のエリア、ワイルドフラワープランティングに木製のプランターで作られたキッチンガーデンなど小さいながら工夫してさまざまな空間を作っていることが見て取れます。
この小さな屋上庭園はグラウンデッド・エコセラピーというボランティアによってホームレス、依存症や精神疾患患者の症状改善や社会復帰を手助けする活動の一環として維持管理されています。知る人ぞ知るという感じの場所ですがテムズ川を一望できる穴場スポットです。
ペイントが施された木製プランターに植えられている植物のコンビネーションです。パープルの垂直に伸びた花穂はリスラム・バゲイタム ( Lythrum virgatum
) です。水辺によく自生していて背丈が1.5mほどに達するやや高性種で、池の周辺などの植栽に用いられることの多い植物です。鮮やかな赤はリクニス・カルセドニカ ( Lychnis chalcedonica
) で植栽の中でよく映えます。ロンドン・オリンピックパークのヨーロピアン・プランティングベッドの中でも登場する品種です。
階下にはサウスバンク・スケートスペースがあります。1968年に建造されたクイーンエリザベス・ホールのピロティに偶然できたスロープや凹凸の多い空間で、1973年から長年にわたって多くのスケートボーダーに愛されてきました。壁や支柱はグラフィティ・アートで塗られまさにポップカルチャーの象徴とも言える場所で、数年前に建物の改築が立案された時は有志で署名活動を行ってこの場所を保存する試みが行われています。こうしたポップカルチャーの保存活動は、歴史的なものと比べて価値の評価が難しく学問の場でもしばしば議論されているテーマです。この場所の保存と改良に関してはUCLのチームも提案を行っており依然として注目度の高いエリアです。
ムーゼの森 ピクチャレスク・ガーデン 2018.11.26
フェントンハウス・ガーデン分析2 2018.08.19
フェントンハウス・ガーデン分析 2018.08.15