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白发 Princess Silver第35話「誤算」朝堂の前で対峙する黎(レイ)王・宗斉無憂(ソウセイムユウ)と傅筹(フチュウ)。無憂は傅筹の軍功が自作自演に過ぎないと暴露し、権力を握るために兵士や民からの信頼を踏みにじったと痛烈に批判した。「罪を悔い改めぬなら、皇宮に攻め込むまでだ…逆賊のお前を成敗する」「お前と違って私は殺戮には嫌気がさしている、お前こそ兵たちを犬死させたくはなかろう? …誰か、夫人をここへ」傅筹が呼んだ夫人は漫夭(マンヨウ)ではなく、孫雅璃(ソンアリ)だった。傅筹は花嫁衣装をまとった雅璃を隣に座らせ、自分を深く愛してくれる雅璃を妻に迎えることにしたと宣言する。「雅璃だけをただ1人の妻とし、生涯、側室は娶らぬ」雅璃は素直に幸せをかみしめていたが、無憂はいぶかしんだ。「では漫夭を離縁するのか?漫夭を渡せ」すると傅筹はあっさり無憂に容楽(ヨウラク)を進呈すると告げ、配下に合図した。朝堂の前に赤い帳で囲われた大きな輿が運ばれて来た。中にはあられもない姿の容楽がいたが、苦しみもがいている。実は容楽は蝎寒散(カツカンサン)の毒を飲まされていた。この毒を飲むと全身が焼けるように痛み、心の奥の恨みが呼び覚まされ、理性が効かなくなるという。そうなると思考は恨みに占領され、善意を失うというのだ。驚いた無憂は寝台へ飛び出したが、咄嗟に傅筹が駆けつけ、思いがけず一騎打ちとなる。しかし劣勢となった傅筹が配下に合図、すると一斉に兵士が輿の中にいる容楽に剣を突きつけた。無憂は容楽を人質に取られ、身動きが取れなくなった。見守っていた陳王(チンオウ)・宗政無郁(ソウセイムイク)、冷炎(レイエン)、そして南境の兵士たちは剣に手をかけ、前進する。その時、容楽はあまりの苦しさに悲痛な叫び声をあげた。「下がれ!」無憂は漫夭を守るため引くしかない。「漫夭を娶ったのは私を倒す駒とするためか、将軍どころか男の風上にも置けぬ! 正々堂々と戦わず、女子を利用して苦しめるとは… 今日、醜態をさらしたのは私でも漫夭でもない、お前だ!恥知らずの卑怯者め!」「…まだ分からぬのか、容楽を利用してお前を脅すことなど、婚礼の前には考えもしなかった こうなったのもお前のせいだ 婚礼の場に闖入(チンニュウ)し、公衆の面前で容楽との関係を風聴したのは誰だ? 花嫁を略奪して思雲(シウン)陵に立てこもり、その後も何度も連れ去ろうとした 黎王殿下、不遜な行動を取る前に考えるべきだったな? そんなことをしたら私が容楽にどう接することになるかを…」傅筹は自分の苦悩と今日、容楽が味わう苦しみは全て無憂が生み出したことだと非難した。蝎寒散を飲んだ者は半刻しか命がもたなかった。追い詰められた無憂は兵士たちに手出ししないよう頼み、解毒薬と引き換えに自分の命を差し出すという。しかし傅筹の条件はただひとつ、黎王の投降だった。「私の前にひざまずけ」無郁は慌てて七兄に駆け寄り、従っては駄目だと説得する。その時、容楽は兵士が腰から下げていた短剣を奪い、自ら命を絶とうとした。「漫夭!」無憂の声に驚いた傅筹は振り返り、咄嗟に輿に飛び込んで容楽の手をつかむ。「…まさか容楽なのか?いや、そんなはずはない、痕香(コンコウ)、また私の邪魔をする気か? この裏切り者め…それなら私も容赦はせぬ」傅筹は短剣を奪って床に突き刺すと、妙な真似をすれば地獄を見せると脅した。傅筹が寝台から出てくると、雅璃が心配して駆けつけた。「将軍、過ちがあろうと妻だった女子です、これだけ苦しんだのですから許してあげては?」すると傅筹は憤慨して雅璃を突き飛ばし、配下に連れて行けと命じた。無憂は無郁に城門で約束した通り、何があっても皆を守るよう頼んだ。「冷炎!陳王と撤退しろ!」南境の兵士たちが一斉に引き上げると、声が出ない容楽は必死に投降しないよう目で訴える。しかし無憂は剣を捨て、ついに傅筹の前に膝をついた。…無憂、やめて!私は死んでもいい…漫夭、私のわがままを許せ「傅筹将軍に投降する」すると傅筹は無憂が屈する姿に満足し、解毒薬を投げた。無憂は薬瓶を受け取り、そのまま輿へ飛び込んだ。「漫夭!しっかりしろ、大丈夫だ、私がいる…」しかし容楽は毒のせいですでに恨みに支配され、理性を失っている。容楽は目の前にいるのが愛する無憂ではなく、自分を利用する兄や傅筹に見えた。すると発作的に床に突き刺さっていた短剣を握り、いきなり無憂の胸を刺してしまう。「ウッ…漫夭…?よく見ろ…私は無憂だ…」無憂は解毒薬を口に含んで漫夭に口移しで飲ませたが、そこで力尽きた。同じ頃、傅筹の元に急報が届いた。陳王率いる南境軍が都から撤退したが、阻止ですることができなかったという。そこへ常堅(ジョウケン)が駆けつけた。「夫人が行方不明で、陳王府や黎王府まで探しましたが見つかりません」一方、容楽は解毒薬のおかげで正気を取り戻していた。しかし目の前には血を流して倒れている無憂の姿がある。そして自分の手には短剣が…。容楽は自分が無憂を刺したと気づき、あまりの衝撃から一瞬にして黒髪が真っ白になってしまう。「もぉぉぉぉぉよぉぉぉぉぉっ!」輿から白髪になった容楽が現れた。容楽は短剣を構えて傅筹に向かって歩いて来たが、途中でばったり倒れてしまう。唖然としていた傅筹は痕香の扮装ではなく容楽本人だと確信、慌てて駆けつけ容楽を抱き起こした。すると容楽は傅筹の胸に短剣を突き立て、ようやく回復してきた声をしぼり出す。「無憂を助けて…聞こえないの?!…早くっ!無憂が死んだら…私も生きてはいけない…」そこで容楽は意識を失った。西啓(サイケイ)帝・容斉(ヨウセイ)は回廊から全てを見ていた。これも容楽を生き延びさせるためだと心を鬼にしたが、力を込めた拳が血だらけになっている。実は容斉はかつて容楽が落として割った玉を握りしめていた。容斉は人知れず皇宮を離れ、郊外へ馬車を走らせた。すると林の中で皇太后の馬車が待っている。「早くこうすれば苦しまずに済んだのよ?」皇太后は小荀子(ショウジュンシ)に薬瓶を渡すと、馬車で走り去って行った。←仮面が見えたから皇太后?容斉は馬車の中ですぐ薬を飲んだが、心が晴れることはなかった。…容楽、菓子に入れた解毒薬で1年は無事だ…だが私は(ゥッ)…そなたの生涯の無事を願っている傅筹は容楽を静謐(セイヒツ)園へ連れて帰った。侍医に診せたが非常に強い毒薬が使われたせいで、解毒したものの身体への負担が大きいという。傅筹はあいまいな診断に激怒、侍医を突き飛ばし、早く薬を用意しろと怒鳴りつけた。一向に意識が戻らない容楽、そして見事なまでに白くなってしまった髪の毛…。「どうすればいい?なぜ君なのだ?痕香に扮装させたはずなのに…こんなことになるなんて…」傅筹は枕元に顔を埋め、うわ言のように″償わねば″とつぶやいていた。朝堂ではまだ皇太子と朝臣たちが待っていた。そこへ傅筹が到着、皇太子は喜んで駆け寄ったが、傅筹は無視して淡々と重装軍に指示を出す。「皇宮の出入りを禁じ、警護の兵を1万増やせ、1万の射手で中山(チュウザン)を包囲しろ 身分の不明な者、疑わしい者は殺せ…」すると傅筹はいきなり皇太子を弾劾した。過去に陰で爵位を売買していたと証拠を提示、さらに監国を任されながら酒色に溺れて政(マツリゴト)を軽んじた結果、今日の災難を招いたという。皇太子は猛反発したが、もはや誰も皇太子に加勢する者はいなかった。しかし傅筹が皇太子を拘束し、ひざまずかせてしまう。尚書・楊惟(ヨウイ)はさすがにやり方が無茶だと止めたが、傅筹は自分が先の皇后・苻鴛(フエン)の子だと明かし、皇室典範では長子こそ皇太子だと主張した。そして苻鴛の子である証拠として母の金冊(キンサツ)と鳳印(ホウイン)を提示する。先帝も母を皇后に封じる際、母の長子を皇太子に封じると公にし、改正されていないはずだ。驚いた朝臣たちは証拠を皆で確認したが、確かに本物だった。しかし林(リン)大人(ダーレン)は苻皇后の子供なら夭逝(ヨウセイ)したと先帝から聞いたと証言する。つまりこの証拠を持っていたからと言って身分の証明にはならないというのだ。すると傅筹は林大人がかつて母に重用されながら、二品(ホン)の位を与えられても母の難儀には口を閉ざしていたと指摘する。確かに朝廷で生き残るには保身も重要だ。傅筹は林大人が自分を認めたくないのは宗政無憂と結託しているからだと疑い、拷問するよう命じた。「逆恨みするのか?!先后の死は身から出たさびだ!」「やはり二心があるらしい…連れて行け」朝臣たちは兵権を掌握する傅筹の報復を恐れ、一様に口をつぐんでしまう。傅筹は朝廷を制圧すると、天仇門(テンキュウモン)の密室へ乗り込んだ。そして不敵な笑みを浮かべる林申(リンシン)に殴りかかる。「痕香に扮装させたのに、なぜ容楽にすり替わったのだ?!お前の仕業だな?」「ふっ、愛していると言いながら本人だと気づかなかったのだろう? 宗斉無憂は一目であの女だと気づき、自らお前に投降した 偽物を使って宗斉無憂を騙せたと思うか?」傅筹は林申の指摘に言葉を失い、結局、そのままおとなしく帰って行く。すると林申は配下へ直ちに1人残らず撤退するよう命じた。傅筹は容楽のそばを片時も離れず、悲しみに暮れた。容楽が偽物か本人かも見分けられず、自ら愛する容楽に毒を飲ませ、兵士たちの前で屈辱を味わわせてしまうとは…。寝殿の前には泠月(レイゲツ)と蕭煞(ショウサツ)が控えていた。公主が助かるのかどうか不安に駆られる泠月、すると蕭煞は剣に手をかけ、復讐を果たそうとする。泠月は慌てて蕭煞を止め、将軍は公主を連れ戻してから静謐園の侍衛を全て処刑し、側近の常堅まで罰を受けたと教えた。「私たち2人に何かあったら、この先、誰が公主を守るの?」傅筹は一睡もせず容楽に付き添い、すっかりやつれた。そんなある朝、容楽はついに目を覚ます。すると容楽の傅筹を見る目はもはや憎悪に満ちていた。「無憂は…?無憂は無事なの?答えなさい」傅筹は容楽の腕に手を伸ばしたが、容楽から触るなと拒否されてしまう。「善人ぶったその顔、もう見るのも嫌… そうやって心配してみせるのも結局は利用するためでしょう?」容楽は自分を盾にして無憂を脅したと責め、傅筹に毒薬を飲まされたのは紛れもない事実だと突きつけた。傅筹は別人のはずだったと釈明したが、容楽は無憂の安否を教えるつもりがないなら消えろという。「その顔も見たくない、口も利きたくないの、あなたのせいで自分が疫病神だと感じるわ 無憂はどこ?無憂に会わせて」つづく(Ŏ艸Ŏ)表題「白髪」きました!容斉は容楽が傅筹のそばにいることで生き延びられると思ってるのね?なぜなんだろう?まさか今度は傅筹が無憂に扮装したりしてw
2020.07.30
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白发 Princess Silver第34話「3つの菓子」容楽(ヨウラク)は傅筹(フチュウ)に縁が尽きたと言い放ち、帰って行った。これも痕香(コンコウ)のせいだと激怒する傅筹、しかし痕香は愛していると告白し、一生この顔でいても構わないという。「本物を得られぬ代わりに偽物で我慢しろと?」「違うわ、愛し方が分からないの… 私を殺して気が済むならやればいい!天仇門(テンキュウモン)に殺されるよりましよ!」しかし傅筹はどうしても容楽の仮面を付けた痕香を殺すことができない。それにしても痕香の扮装は傅筹でも見抜けないほど容楽によく似ていた。あと少し整えれば黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)も騙されるに違いない。すると傅筹はいきなり痕香を手刀で突き、眠らせてしまう。「常堅(ジョウケン)、この女を密室に閉じ込めておけ…それから重装軍の将校たちを書斎に呼んでくれ」痕香は地下の密室に閉じ込められた。すると暗闇から林申(リンシン)が現れる。「予想通りだ、この仮面をつけている限り、あいつはお前を殺せぬ 今回の任務は上出来だ、我らの大計が成功した暁にはここから出してやる…」傅筹は宮中で孫雅璃(ソンアリ)と会った。急に呼び出された雅璃は、てっきり将軍府で抱きついたことを咎められるのだと思い、先に謝罪する。しかし傅筹は雅璃からもらった手作りの香り袋を取り出し、肌身離さず持っていると教えた。雅璃はついに自分の気持ちが将軍に届いたと喜び、将軍と生死を共にする覚悟だと伝える。すると傅筹は今日の夕餉を一緒にどうかと誘った。その夜、静謐(セイヒツ)園の門衛がいきなり襲撃された。すると容楽の寝殿の前に容斉(ヨウセイ)と小荀子(ショウジュンシ)が現れる。「問題はないか?」「傅筹は皇宮、常堅(ジョウケン)は追い払いました、他の者は寄りつきません」「はお」しかし寝殿に容楽の姿はなかった。↓キタ━━━━(●⁰∀⁰●)━━━━!!容楽の寝殿に入った容斉はかすかに動く影に気づき、殿内に容楽がいると分かった。「会いたくなるまで待たせてもらおう…」そこで小荀子に木箱を置いて下がるよう命じたが、急に激しく咳き込んでしまう。「陛下!2ヶ月も薬を飲まず、北臨(ホクリン)までの長旅でお疲れが…」「黙れっ!…大事ない、下がれ」容斉は容楽が暮らす寝殿を見て回りながら、ふと窓際に立った。「毎日この窓から月を眺めるのか…朕は夜空を仰ぐたびほっとする そなたと離れていても同じ月を見られるからだ…」その時、背後から忍び寄った容楽が容斉の首に短剣を突きつけた。「何の目的があって来たの?私を利用して今度は何をするつもり?」「やっと会えたな…」容斉は臆する事なく振り返り、短剣で切れた首から血が流れる。兄の無謀な行動に呆然とする容楽、すると容斉は愛しい容楽の顔に触れようと腕を伸ばした。憤慨した容楽はその手を払いのけ、咄嗟に自分の首に短剣を突きつける。「また操られるくらいならここで命を絶つわ!」「心配するな…こたびはそなたと昔話に興じたいだけだ 容楽の茶が飲みたい、皇兄のために入れてくれぬか?」「私のお茶を飲むためにわざわざ北臨まで来たの?あり得ない、持って回ったやり方はやめて」「ふっ、茶まで要求するのは過分な望みのようだな…」「卑劣な陰謀はもうたくさん!今の私は無力よ?誰のせいでこうなったか知っているはず 私はあと数ヶ月の命、悪巧みに関わりたくない…静かに最期を迎えたいの」容楽はすでに毒のことを知っていた。容斉は容楽の好物の菓子を自ら作ったと話し、持参した木箱を開けた。箱の中には3つの菓子が並んでいる。容楽は当然、警戒して食べなかったが、菓子の下にはそれぞれ紙片が置かれていた。そこには容楽への約束事が書いてあり、それを見ても食べる気が起こらなければ容斉はすぐに帰るという。しかし容楽は頑なに拒み、すぐ帰って西啓で養生したらどうかと冷たかった。容斉は仕方なく自分で菓子の下から紙片を取り出し、容楽に見せてやる。…明日、宗政無憂に会えるすると容楽の表情は一変、無憂が明日、帰って来るのかと笑顔になった。容斉は複雑な心境だったが、次の紙片を取り出す。…将軍府を速やかに離れられる容楽は喜んだが、たとえ無憂に会えても数ヶ月しか生きられず、悲しませるくらいなら会わなくていいと断った。そこで容斉は最後の紙片を容楽に差し出す。…1年は憂いなく生きられる容楽は出来過ぎた約束に違和感を感じ、自分を利用するための罠だと疑った。そこで容斉は容楽を安心させるため、半分ずつ食べようと提案する。容楽は容斉が菓子を半分に割って先に食べるのを見て納得し、菓子を食べた。「容楽、朕が今から言うことをしかと胸に刻むのだ よいか、生きることより大事なものはこの世に存在せぬ 朕はそなたの無事だけを何よりも願っている いかなる障壁でも、数年後に振り返れば笑い話だ、それに絶対的な正誤や善悪で物事は判断できぬ この菓子とて、酸味もあれば甘味や苦味もある、世の中も同じだ そなたは北臨に嫁がされ恨んだだろう、だが振り返ると、幾多の困難を経て宗斉無憂と知り合えた そなたにとって最大の幸せだ…」すると容斉はまたひどく咳き込み始めた。容楽は茶を入れて兄に差し出したが、容斉が急にその手をにぎりしめる。「容楽、よいか…最大の幸せを得たいなら、最大の困難に耐えるのだ 何があろうと人生を諦めてはならぬ、しっかり生きよ、分かったか?」しかし容楽は急に意識が遠のき、倒れてしまう。「はっ!毒入りだったのね?皇兄も食べたのに…なぜ?なぜなの?」「毒入りではない、安心して眠れ…」容楽はそのまま容斉の腕の中で深い眠りに落ちてしまう。「容楽、今宵は嬉しかった…一緒に菓子を食べ、語り合えた」↓( ๑≧ꇴ≦)ホァンショーン!またやらかした!その頃、傅筹は宮中で雅璃と夕餉を共にしていた。雅璃は自分のために将軍が青州の料理を準備してくれたと知り、感激する。すると傅筹は明日、朝廷でちょっとした見世物があるため、一緒に見ないかと誘った。雅璃はもちろん了承したが…。容斉は痕香が閉じ込められていた密室に容楽を運び入れた。「皇兄を許せ、そなたには生きて欲しいのだ…」しかし翌朝、何も知らずに傅筹が密室へやって来る。容楽は傅筹に抱き起こされたが、激しい頭痛に襲われた。すると傅筹は容楽の口を開き、強引に毒を飲ませてしまう。声が出せず、思うように身体も動かない容楽、そこに常堅が現れ、無憂が南境軍を率いて城門を攻撃していると知らせた。「宗斉無憂がついに舞い戻ったか…この者を連れて行け」無憂は城門を制圧、すると軟禁されていたはずの陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が配下を連れて駆けつけた。2人は固く抱き合って再会を喜び、父の敵を討とうと誓う。そこで無憂は念のため、万一が起きた時には全力で兵や民の命を守るよう頼んだ。こうして無郁が急に解放されたのは、傅筹が自分の帰還を予見していたからだろう。「すべて計算通りか…」その時、一足先に城内へ潜入していた冷炎(レイエン)が蕭煞(ショウサツ)を連れて戻って来た。将軍府に容楽の姿はなく、蕭煞の話では自分が出る前までいたという。無憂は将軍府に詳しい項影(コウエイ)を呼び、漫夭(マンヨウ)の捜索を任せることにした。すると蕭煞が容楽から託された文を黎王に渡す。…無憂、私か大義か選ばねばならない時は、どうかためらわないよう…この世の別れは来世での再会…もし何もかも決着がつき、また今生で会えるなら、なぜあなたを拒んだか説明する…会えなければ、来世に期待する…漫夭よりその頃、朝堂では皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)の目配せに気づいた朝臣が早々に即位するよう上奏していた。後ろ暗い皇太子は即位の儀式を簡素に済ませようと提案したが、その時、帰還した無憂が現れる。「父上を亡くしたそばから早くも即位を?」「この逆賊め!父上を殺し討伐を中断させ、都に攻め入りながら臆面もなく私を問い詰めるのか!」すると無憂は傅筹の証言を除けば自分が父を殺した証拠などないと反発、南境の軍営にずっといたことは兵士たちが証明してくれると言った。激怒した皇太子は出征前にも無憂が朝堂で父と大喧嘩したことを持ち出し、直接、手を下さずとも憤慨させて息の根をとめたのだと訴える。「証拠はなくともつじつまは合う!」しかし無憂は確執があったとしても全て北臨の民のため、私心は一切ないと断言した。ならば皇太子は監国として西啓の挙兵に備えていたのか、辺境への増兵の検討はしていたか、大勢の流民をどう処置するつもりか、厳しく追及する。才のない皇太子は言い返せなかったが、自分こそ父に選ばれた正当な後継者だと訴えた。その時、尚書・楊惟(ヨウイ)が口を挟む。「太子殿下、即位の儀を行うにしても、欠かせぬものが2つございます 先帝の遺詔(イショウ)と玉璽(ギョクジ)です」そこで皇太子が合図すると、太監たちが遺詔と玉璽を持って来た。皇太子は玉璽を示して遺詔を読むよう命じると、無憂がじりじり詰め寄って来た。するといきなり無憂が宝剣を抜き、驚いた皇太子は慌てて身をかわす。しかし無憂が斬ったのは玉璽だった。木製の玉璽が真っ二つに割れると、偽物だと露呈した皇太子は太監に責任を押し付け、その場で折檻する。「やめろ!」無憂は朝臣たちに訴えた。「私は皇位を奪うつもりなどない、太子が優秀で父が本当に天下を託したなら、全力で補佐しよう だが今の情勢と太子の行いは見ての通りだ!」楊惟はすかさず協議の必要性を進言、黎王に取りまとめて欲しいと嘆願した。皇太子派だった朝臣たちも皇太子を見限り、尚書に追従する。その時、ついに傅筹が殿外に現れたと報告が届いた。皇太子はようやく傅筹が来たと喜び勇んだが、無憂に殿内に留まるよう命じられてしまう。傅筹が重装軍を引き連れ、ついに乾臨(ケンリン)宮へ現れた。すると同時に朝堂の前に宴席が準備され、傅筹はまるで傍観でもするように1人で酒を飲み始める。「待ちくたびれましたよ〜」無憂は呆れながら、自分の背後にいる兵たちを知っているはずだと言った。実は無憂が率いた南境の兵士たちは、傅筹のせいで妻子と離散し、行き場を失った者たちだという。傅筹は南境で氏(ウジ)族間の争いをけしかけ、それを自ら平定して軍功を立てていた。「お前は独断で己の軍隊を増強した、権力を握りたいからだろう? 兵士や民からの信頼を踏みにじり、恥ずかしくないのか? 傅将軍?良心はどこに?」つづく( ๑≧ꇴ≦)ホァンショーン!で地下の密室、出入口はどうなってるの?
2020.07.29
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白发 Princess Silver第33話「交わらぬ想い」容楽(ヨウラク)が目を覚ますと静謐(セイヒツ)園に戻っていた。寝殿には蕭可(ショウカ)や泠月(レイゲツ)の姿はなく、傅筹(フチュウ)がひとり、茶を飲んでいる。容楽が身体を起こすと、傅筹は安心したのか黙って出て行こうとした。「本当に謀反を?…ふっ、この期に及んでまだ尋ねているなんて滑稽ね あなたが本気なのかどうか私には見抜けない…」「どちらでも気にしないのだろう? 君は謀反を疑うやいなや宗政無憂(ソウセイムユウ)に伝え、陛下のいる軍営にも命がけで走った 君にとって私のすることはすべて誤りだ、私の動機など考えたことはない」しかし容楽は傅筹が符鴛(フエン)の子だと知っていた。たとえどんな確執があろうと北臨(ホクリン)帝と父子という事実は変わらないはず、己の手を家族の血で汚すというのか。傅筹は容楽の言葉に呆れた。容楽こそ裏切り者を受け入れ難いはず、ならば兄である容斉(ヨウセイ)を家族と見なせるのか。「私の父とやらは5年もかけ私を殺そうとした、家族の温もりは冷たい刃に変わった 私がどんな絶望を味わったか…知っているのか?」「無実の人を巻き込みたくない…私は皇兄を家族とみなすわ 確かに皇兄の暴挙は許せないけど、他人の命を犠牲にして復讐すれば皇兄と同じ 兵士は国を守るための障壁であるべき、個人の恨みのために血を流させて平気なの? …結局、父子や兄弟で殺し合うだけ、たとえ勝っても冷たい皇位しか得られない」「何があろうと手に入らないよりましだ、あの者たちを兄弟や父と思ったことはない! 私は天涯孤独だ、今より悪くなることが?」傅筹は冷宮に閉じ込められていた幼い日のことを思い出した。あの日は宦官に噛みついて部屋から逃げ出すことに成功したが、その途中で偶然、父と楽しそうに遊ぶ無憂の姿を見かける。そこへ雲(ウン)貴妃が現れ、幸せな家族の姿を垣間見た。しかしそこで宦官に捕まり、連れ戻されてしまう。そこでふと我に返った傅筹は早く休めと伝え、容楽の説得も虚しく出て行った。すると奥の間に人影が見える。「蕭煞(ショウサツ)?!」↓さすがに可哀想〜林申…ってあ!傅筹だった(笑宮中に北臨帝・宗政允赫(ソウセイインカク)の亡骸が帰って来た。傅筹は泣き崩れる皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)を尻目に、淡々と取り仕切る。今や内外に敵がいるため崩御は秘密とし、棺は偏殿で保管、そして少数の兵をおとりに使い、逆賊を一掃してから国葬すると決めた。無憂は南境の軍を率いて中山(チュウザン)に向かっている途中だった。すると突然、横道から足を負傷した項影(コウエイ)が現れる。項影は兵士に包囲されたが、その場でひざまずき、墨玉(ボクギョク)扇を差し出した。「容楽公主の指示でこれを届けに参りました」無憂は兵力配置図を確認すると、傅筹が中山を制圧し、禁衛軍まで取り込んだと知った。傅筹なら兵権に関することを他人任せにはしないはず、出征したのは初めから別人だったのだろう。思えば昭蕓(ショウウン)を襲った刺客が漫夭(マンヨウ)に変装していた。無憂は同じ手口で誰かが傅筹になりすましたと気づく。冷炎(レイエン)はならば狡猾な傅筹の侍従だった項影を信用してはならないと進言した。しかし無憂は漫夭が信じるなら項影を信じるという。「冷炎は精鋭を連れて父上の安全を確保しに行け!それから…」「すべて承知です、ご安心を」…漫夭、父上に会えたのか?…どうか無事でいてくれその夜、無憂たちは林で野営になった。項影はひとりで足の傷に包帯を巻いていたが、そこに無憂が現れ、水をくれる。「お前は墨玉扇を託されるほど漫夭から信頼されているのだな」「夫人は恩人です、私の命は夫人に捧げました」無憂は項影の足の怪我を見ると、傅筹が項影の裏切りを知って追っ手を放ったのかと聞く。しかし項影は容楽の使いとまでは知らないはずだと安心させた。恐らく容楽を捜索中の天仇門が偶然、自分を見つけたのだろう。そこへ先に出発させた冷炎が慌てて戻って来た。「殿下ぁぁぁぁぁーーっ!」冷炎がいきなりひざまずき、野営に緊張が走る。「殿下、尋ね回ったところ、陛下は軍営で刺客に襲われ…崩御されたと…」しかも傅筹は北臨帝の遺体を都へ運んだ後、朝堂で黎(レイ)王が皇位を奪うため軍営に潜入して殺したと非難したという。朝廷もすでに傅筹に牛耳られ、北臨帝の崩御は公表されていなかった。また陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は軟禁、このまま都へ戻れば無憂は罪人にされてしまう。冷炎は軍営の跡地でかろうじて北臨帝が残した文を見つけていた。文は確かに父の筆跡で、母に向けて想いを書き綴っている。…雲児、朕は尉(イ)国の討伐に向かう…近頃、身体の動きが鈍くなり、寝つきも悪くなった…時々すべて投げ出したくなるが、まだ若い無憂をあと数年は支えてやりたい…知っておろう、皇位に就けばいかなる者でも孤独になる…思うままにはいかなくなるのだ…行軍の途中、幼い頃の無憂を思い出している…よく馬の乗り方を教えてやった、落馬せぬかと心配で朕が自ら馬になった…当時は朕が無憂を背負った、だがもう背負えぬばかりか、朕の重荷を託さねばならぬ時が来た無憂は文を懐にそっと忍ばせ、必ず敵を討って父の無念を晴らすと誓うのだった。↓斜め上向きはいい感じ?w容楽は無憂へ文をしたためた。恐らく中山は修羅場となる。民を巻き込まぬために早く無憂に平定して欲しいと願う反面、危険から無憂を遠ざけたい気持ちに駆られる。そこへ蕭煞が蕭可の薬を届けにやって来た。「頼みがあるの、今日中に将軍府を離れ、二度と戻らないで、あなたには大事な任務がある」容楽は文を託し、城門で無憂に渡して欲しいと頼んだ。「そしてもう1つ、あなたは必ず生き延びるのよ、泠月を守り、添い遂げなさい」自分に従って来た泠月には心の休まる日がなかっただろう。将軍府も終の住処ではなく、所詮は監獄に過ぎなかった。「泠月が逃げられてよかった、永遠に戻らないで欲しい…」傅筹が静謐園にやって来た。そこで思いがけず容楽と蕭煞の話を聞いてしまう。「私の寿命は残りわずかよ」「陛下から解毒薬をもらえていれば…でも可児が3ヶ月以内に何とかします」「…最近、めまいがひどいの、この毒は強烈だわ、恐らく3ヶ月ももたないでしょうね これ以上、蕭可を困らせないで」すると突然、傅筹が乗り込んできた。「嘘だろう?私を騙し、ここを離れるために作り話を?」「真実よ…私は毒に侵され、もう長くない」「陛下と言っていたな?西啓(サイケイ)の皇帝のことだろう?西啓帝の仕業なのか?」動揺した傅筹は蕭煞の胸ぐらをつかみ、手下なら解毒薬を持っているはずだと迫る。しかし憤慨した蕭煞が剣を抜き、傅筹と手合わせになった。傅筹は蕭煞に刺されながらも剣を奪い斬りかかった。驚いた容楽は咄嗟に飛び出し、身を呈して蕭煞をかばう。「蕭煞は皇兄に脅されて従っていただけ、もはや皇兄から信頼されていないわ、見逃してあげて」すると傅筹は蕭煞に剣を返し、黙って行かせてやった。容楽は毒がすでに臓腑に達しており、薬で延命はできても根絶はできないと教えた。あきらめきれない傅筹は思わず容楽を抱きしめ、しっかり生きて自分に復讐しろという。「私に残された時間はわずかよ?手遅れだわ…」容楽は傅筹の身体を突き放し、最後の願いを聞いて欲しいと頼む。すると傅筹はどんな望みも叶えると約束した。容楽は自分のために復讐をあきらめてくれるのかと聞いたが、傅筹はその代わり条件があるという。「共に逃げよう…生涯、守るから心を捧げてくれ…よく考えて答えを出して欲しい」その夜、傅筹は寝殿の前の石段に座って酒を飲んでいた。すっかり酔いが回って来た頃、容楽がそっと傅筹の後ろに座り、背中にもたれかかる。「容楽?…応じるのか?」「何でも応じるわ」すると傅筹は酔った勢いで叶わぬ夢を語り始めた。もしやり直せるなら、容楽と出会った瞬間にどんな恨みも捨てて逃げ出し、2人で山奥に隠れ住んで平凡な夫婦になるという。2人は何年経ってもずっと離れず、四季折々の季節が何度も巡り、歳月が過ぎて自分の顔はしわだらけに、そして容楽は白髪の老女になるだろう。「私たちの物語を子供たちに話しても″ありふれた人生″と言われるだろう だがありふれた人生こそ、なんと貴重なことか…私にしてみればどんな名誉や富貴にも勝る」すると容楽は傅筹の隣に移動し、腕をからませた。「華やかな時は過ぎ、共に老いて行く…」「本当に老いぼれたら君の顔も見えなくなる…君も私の愛のささやきが聞こえない だが私は思う、この世で一番美しいのは添い遂げることだと…」傅筹は酒を置くと、容楽の前にひざまずいて両手を握りしめた。「容楽、恐れるな、今生を共に生きられずとも共に死ねる…そう決めた 残された時間は少ないが安心しろ、来世でも必ず君を見つける 来世の君は今生の恨みをすっかり忘れているはずだ、きっとやり直せる」「喜んで待つわ、巡り会えなくてもずっと待ってる…」傅筹は容楽を強く抱きしめると、そのまま夜を共にした。翌朝、傅筹は激しい頭痛で目を覚ました。しかし隣で眠る容楽の顔を見ると、二日酔いも気にならぬほどの幸福感に満たされる。その時、表から常堅(ジョウケン)の声が聞こえた。「将軍?夫人が…」「夫人の報告なら不要だ」「では夫人を…」「分かった、下がれ…」傅筹は容楽の肩をつかんだ。…容楽、本当に応じるとは…やはり私を想っていてくれたのだな ←( ゚д゚)え?すると目を覚ました容楽がそっと傅筹の手に自分の手を重ねる。「阿筹(アチュウ)…」その呼び名を聞いた傅筹は痕香(コンコウ)に騙されたと気づき、慌てて着替え始めた。そこへ本物の容楽が入ってくる。「将軍、決めました、私…はっ!…ごめんなさい」痕香は咄嗟に顔を背けたため、容楽は傅筹の相手が自分の偽物だと気づかなかった。容楽は慌てて出ていったが、傅筹が中庭で引き止めた。そこで傅筹は昨夜は酒に酔っていたと釈明したが、容楽は謝る必要ないという。「私が悪いの、妻の務めを果たさず」「違う…」「正直に言うわ、私の命や余生はあなたに捧げてもいい、でも心は無憂だけのもの、これが答えよ」確かに容楽の答えは一貫して変わらなかった。それなのに容楽が自分を気にかけて来てくれたと勘違いするとは…。傅筹は早とちりだったと気づき、我ながら愚か者だと笑い始めた。「早々に分かっていた、君は気にしないと… 宗政無憂を傷つけぬ限り、私が何をしようと関係ないのだ」 かつて容楽が一度だけ自分を″夫君″と呼んだことがあった。あれは無憂が将軍府に乱入した時、容楽はわずかな余命を悟られまいと、夫という建前で自分を庇って駆け落ちを拒んだ。その目的は無憂の心に少しの傷もつけたくないからだ。すると容楽はこれが運命であり、自分たちは夫婦になれても愛し合えないという。「たとえ無憂がいなくても結果は同じはずよ」「…なら運命を賭けて戦うまでだ!どちらにせよ君と共に死ねるのは私だ」「私たちは縁が尽きたようね」容楽はそう言って去って行った。その様子を見ていた痕香は…つづく_| ̄|○ ←傅筹w
2020.07.28
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白发 Princess Silver第32話「暗殺者の正体」北臨(ホクリン)帝・宗政允赫(ソウセイインカク)に正体を見破れた林申(リンシン)は止むを得ず計画を変更、毒を飲ませて虎府を強奪した。しかし辺境へ行った范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)率いる先鋒隊が予定を変更し、軍営に戻って来てしまう。すると早々に刺客騒ぎが起こり、范陽王は皇帝の幕舎で痛ましい姿の皇兄を発見した。知らせを受けた傅筹(フチュウ)がしらじらしく侍医を連れて現れた。身体の自由を奪われ、声も失った北臨帝は必死に傅筹を指差すが、玄明は気づいてくれない。すると侍医が早速、脈診し、北臨帝の頭に鍼を打った。その途端、北臨帝は激しく喀血、気を失ってしまう。傅筹は侍医を断罪し、斬り捨てろと命じた。怒りのあまり范陽王は絶叫、幕舎を飛び出して刺客は誰だと声を荒げる。兵士は皇帝が″無憂(ムユウ)″と呼んだと偽証したが、当然、范陽王は信じなかった。そこへ将校が命からがら逃げて来る。「賊は手だれで歯が立ちませんでした…ゼエゼエ しかし賊と激しく戦う中で覆面を剥ぎ取り、顔を見ました…黎(レイ)王です 陛下に南境へ追放され、皇位継承の望みを絶たれた逆恨みでしょう」驚いた范陽王はデタラメだと否定した。無憂は皇帝の信頼も厚く親孝行であり、暗殺など考えるはずがない。そもそも歯が立たなかったはずなのに、なぜ覆面は剥がせたのか。しかも同行の兵が全滅しながら、どうして1人だけ無傷で戻れたのか。「言え!誰に命じられて黎王を誣告(フコク)した?!」傅筹は范陽王を抱き込むことを諦め、范陽王が黎王と結託して北臨帝の暗殺を企んだと道連れにした。「警護の厳しい軍営内で問題が起きたことはない ではなぜ范陽王が戻った途端に暗殺騒動が起きたのだろう?」呆れた范陽王は傅筹こそ自分たちに罪をなすりつけ謀反を起こした張本人だと弾劾、捕らえるよう命じる。↓サンドの人ではありませんwしかしその時、傅筹が虎府を出した。李(リ)将軍と魏(ギ)将軍は驚愕し、北臨帝は自分たちの報告を聞く時、傅筹を退出させたと証言、そんな疑わしい傅筹に北臨帝が虎府を渡すはずがない。すると傅筹は李将軍と魏将軍も黎王の徒党だと断定し、虎府のもと反逆者を殺害せよと命じた。こうして傅筹の配下と范陽王の配下の戦いが勃発、范陽王は仲間同士の対立に憤りながら、ふとおかしいことに気づく。「傅筹ではないな?兵と共に戦って来た傅筹なら、謀反を起こせど兵を無駄死にさせぬ!」偽物だと知られた林申は兵士たちの士気を上げるため、懸賞金を提示した。「この3人は逆賊と結託し、暗殺を企んだ極悪人だ 首をひとつ取れば白銀100両を与える、2つ取れば一気に3階級、昇進させよう 首を3つ取れば一等将軍の地位を与えるぞ!」劣勢を強いられた李将軍と魏将軍は范陽王だけでも逃がそうと考え、咄嗟に范陽王を馬へ放り投げた。范陽王は後ろ髪を引かれる思いで馬を駆けたが、林申が放った矢が背中に命中してしまう。将軍府の傅筹は常堅(ジョウケン)から反乱が起こったと報告を受けた。兵の損失はまだ不明だが、実は北臨帝が崩御したという。「門主によれば夫人が軍営に現れたそうです 将軍が都にいることを明かしてしまったため、仕方なく手を下したと…」←容楽のせいか?!傅筹は予想外の展開に激昂し、容楽を軍営から南境までくまなく探せと命じた。「決して宗政無憂と会わせてはならぬ、直ちに手配しろ!…傷つけるなよ」その夜、禁衛軍の大統領・向誠(コウセイ)は陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)と別れた後、天仇門から襲撃されて密室に拘束された。そこには出征したはずの傅筹がいたが、出征したのが偽物だと知る。実は16年前、まだ幼い傅筹を兵を率いて5年間も追い続けたのが向誠だった。傅筹は5年もの間まともに食事もできず、熟睡することもままならなかったという。しかし向誠が死んだ確証を得るまで決して諦めないと気づき、川に落ちて死んだと見せかけたのだ。向誠は真実を知り、皇帝の厳命だったとは言え、自分にとって子供の暗殺は恥ずべき過去だったと吐露する。「あの時、任務を果たせなかったのは私自身の失策、こうなっては何も言うことはない 煮るなり焼くなり、お前の好きにするがいい…」傅筹は潔い向誠に免じ、配下にひと思いに済ませてやれと情けをかけた。一方、都では傅筹を頼みの綱とした皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)が放蕩(ホウトウ)の日々を送っていた。皇后はそんな皇太子に眉をひそめていたが、皇太子妃に諭されても皇太子は眼中に置かない。しかし傅筹から一向に何の報告もなく、さすがに皇太子は苛立っていた。そんな時、出征したはずの傅筹がひょっこり東宮に現れる。するとこれまで礼儀正しかった傅筹が当たり前のように上座に腰掛けた。「追放されたことを憤慨した宗政無憂が陛下を暗殺しました、陛下の亡骸は都に向かっています」「まさか!父上は本当に亡くなられたと?…父上を殺すとは言ってなかった」「こうなると分かっていたはず、まさか陛下がご存命のまま皇位を継げるとでも? …朝廷へはじきに軍から報告が入ります、決して他国には漏らさぬよう」「はお!」「禁衛軍の向統領はもう始末しました、新しい大統領には趙易昇(チョウイショウ)を… 思うように動かせます、陳王は黙らせますのでご心配なく」「ならぬ、大統領にはもっと良い人材が…」「・・・・・」↓( ๑≧ꇴ≦)傅筹の間www「…趙易昇で決定です、殿下は指示通りに」傅筹はそこで帰ることにしたが、皇太子はぞんざいな扱いに激怒した。「待たぬか、傅筹!何様のつもりだ!誰が主かを忘れたか?私が主だ! 自分の屋敷のように東宮に出入りして、計画の全貌も明かさぬ! しかも私に指図するとは…無礼者!誰か!この者を捕らえよ!」すると天仇門は傅筹に拝礼した。若門主!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ「天仇門の若門主だと?!」皇太子はようやく自分が騙されていたと知り、傅筹が取り入ったのは最初から自分を利用するためだと気づいた。しかしすでに謀反を起こした以上、後戻りすることもできず、傅筹に従うしか活路はない。「私がいなければあなたは終わりだ、ご熟慮を…」傅筹は配下を従え引き上げて行った。呆然とその場にへたり込む皇太子、そこへ愛しい痕香(コンコウ)が現れる。しかし痕香の態度は一変、皇太子に短刀を突きつけた。実は痕香も天仇門の配下で、傅筹の命で東宮へ潜り込んだという。「香児~夫婦の仲ではないか~」皇太子は夫婦の情に訴えかけたが、痕香は天仇門の″旖思(イシ)″という名の薬を使っていたと暴露した。つまり皇太子が言う″夫婦の仲″とは、この薬を飲んで見た官能的な幻覚に過ぎないという。「ご存知かしら?殿下に触れられるたび、この指を全て切り落としたいと思っていたこと… 好色で才も徳もないお前が、若門主の力なしに宗政無憂と皇位を争えるとでも?」痕香は反逆罪に問われたくなければ自分たちに協力するよう迫り、宮中には自分たちの仲間が至る所にいると釘を刺して出て行ってしまう。もはや皇太子になす術なく、ただ自分の愚かさを嘆いて涙に暮れた。傅筹が将軍府に戻ると、常堅が慌てて駆けつけた。「将軍!夫人は青潼(セイトウ)関外におられます!」「馬を引け!」その頃、容楽は天仇門の追っ手から必死に逃げていた。追いつかれそうになった容楽は仕方なく途中で馬を飛び降り、追っ手たちに馬を追わせたところで、走って逃げる。しかしついに傅筹が現れた。「…傅筹じゃないわね、印象が全く違う、なぜ傅筹に扮して陛下を暗殺したの?!」「私が暗殺したと知っているのは陣内にいたからだ…そうだとすれば見逃すわけにはいかん」林申は自ら傅筹の仮面を剥ぎ取り、正体を現した。↓( ゚д゚)あれ?小ちゃくなっちゃった〜みたいなw驚いた容楽は短剣で襲い掛かったが、林申に手刀で首を突かれ、あっけなく倒れてしまう。そこへ本物の傅筹がやって来た。傅筹は口うるさい上、やることも分をわきまえないと林申をけん制した。軍を統制しろと命じたのに人を殺した罪は見逃せない。「ふっ、若門主が宗政允赫の死をお怒りとは…奴を実の父親だと思っているのだな? だが奴はお前の存在を認めなかった、お前を殺すのは国のためだと思っていたのだ」「皇帝にはまだ使い道があると言ったはずだ、なのにお前は命に背いた」「私もまだ殺す気はなかった、だが容楽が現れて計画を邪魔されたから仕方なく… 予定より早くお前の母君に詫びに行かせただけだ」「言い訳するな!私が気づかぬと?…初めから殺す気だったのだ だが奴の生死を決定し、手を下すべきは私であり、いつ母に謝罪させるかも私が決めることだ 天仇門を創ったのはお前だが、軍は私の手にある、警告しておく 今度、私に逆らえば…容赦はせぬぞ」すると傅筹は容楽を抱きかかえて帰って行った。 無郁は約束通り兵糧の問題について戸部と検討した上、奏状を出した。しかし皇太子は上の空、奏状を読んでおらず、改めて協議すると言って一方的に解散してしまう。そこへついに軍営から急報が届いた。「黎王が父上の暗殺を企て、父上が崩御されたと…」無郁は絶対にあり得ないと反発、皇太子が傅筹と結託し、父の出征の機を狙って七兄を陥れ、邪魔者を消すつもりだと暴言を吐いた。これに激怒した皇太子は南境に追われた七弟が逆恨みしたと発言、無郁と小競り合いとなる。尚書・楊惟(ヨウイ)は慌てて2人間に割って入ると、ともかく軍営に人を遣って調査してはどうかと提案した。慌てた皇太子は討伐を中止にできないと反対、すると無郁は皇太子をにらみつけ、出て行ってしまう。無郁はその足で向統領を探しに向かった。しかし門衛は今日は見ていないという。そこで急ぎ向府へ駆けつけたが、昨夜から戻っておらず、捜索中だと分かった。蕭可(ショウカ)と泠月(レイゲツ)は黎王府でかくまわれていた。すると無郁が帰って来たかと思うと、配下に直ちに軍営に行くと告げる。そこへ西啓(サイケイ)から戻った蕭煞(ショウサツ)が現れた。すでに城門で武装兵が検問しているため、軍営には行けないという。その時、禁衛軍の趙易昇が隊を率いて駆けつけた。陳王たちは皇帝暗殺の件が解決するまで、ここに留まれという。実は昨夜、向誠が何者かに殺されていた。たまたまその夜、向統領と一緒だった無郁を目撃した者がいるため、皇太子は陳王をかくまってかばうつもりだと口実をつける。無郁は驚愕した。「向統領の死もお前たちの仕業か! 七哥を布告したあとは、私を陥れる気だな?ここにはおられぬ…」無郁が不意をついて趙易昇の佩剣を抜き取ると、それを合図に陳王の配下と禁衛軍も一斉に剣を抜いて対峙した。驚いた蕭煞は陳王に熟慮するよう訴え、ひとまず剣を下ろさせる。「事情はすぐ黎王の耳に入り、都に向かわれるでしょう 今ひとりで無茶をするより、黎王のお戻りを待って共に手を打つべきです」無郁は仕方なく引き下がった。すると蕭煞は泠月に西啓まで行っても公主の薬が手に入らなかったと報告する。公主失踪の噂を聞いたが、どうやら将軍府に連れ戻されたらしい。容楽の体調が心配なため、蕭煞はともかく様子を見に行くことにした。無郁は漫夭(マンヨウ)が病だと知って驚き、心配するので今日の件は言わないよう頼む。「そうですね…では」つづく( ๑≧ꇴ≦)ちょっと無理くり過ぎるwww傅筹と林申、百歩譲って仮面は良いとしても、身体が違い過ぎるwww
2020.07.27
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白发 Princess Silver第31話「大逆」蕭可(ショウカ)は容楽(ヨウラク)に必要な薬材を探しに行くという口実で将軍府から出た。しかし見張りの兵たちがぞろぞろ付いて来て離れない。その情報は黎(レイ)王府にいる陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)のもとにも届いた。「殿下!将軍府で動きが!蕭姑娘(グーニャン)が多数の兵を連れ外出を…」大街に出た蕭可は兵士に手を焼いていたが、物陰で自分たちの様子を探っている陳王に気づいた。そこで聞こえよがしに″これから西郊の竹林へ行く″と兵士に伝える。すると蕭可たちが竹林に来たところで、陳王が隙をついて蕭可を木の上に引っ張り上げて助けた。兵士たちは蕭可に逃げられらと思い、慌てて後を追った。無郁は蕭可と一緒に木から降りると、漫夭(マンヨウ)が将軍府で軟禁されていると知る。そこで無憂は傅筹(フチュウ)が留守なのを良いことに、兵を集めて助けに行くことにした。「はお!じゃあ~私は戻るわね」「あ~将軍府は危険だ、戻る必要などない」無郁は蕭可を黎王府でかくまうことにした。蕭可の帰りを待っていた容楽だったが、いよいよ日が暮れて来た。もしかすると気づかれたのかもしれない。そこで容楽はひとまず泠月(レイゲツ)を残し、1人で脱出することにした。容楽は黒衣に着替え、見回りの兵士たちを避けながら静謐(セイヒツ)園を出た。その時、偶然、なぜか誰もいない離れに食事を運ぶ侍女を見かける。容楽は気になって後をつけると、侍女が門に置いた食事を痕香(コンコウ)が受け取って殿内に消えた。驚いた容楽は窓の隙間から中をのぞいてみると、驚いたことに傅筹がいる。…出征したはずよ?なぜここに?容楽は傅筹と痕香の話から、皇太子に謀反を起こさせるつもりだと気付いた。すると急に傅筹が咳き込む。「傷が痛むの?」痕香は心配して傅筹の肩の傷をさすった。「もう慣れた、大事ない、もうすぐ同じ拷問の痛みを宗政無憂(ソウセイムユウ)にも味わわせてやる この20数年、7千幾多の夜、ずっと待ちわびていた…」←その割に数字がアバウトwその時、驚いた容楽はうっかり足元にあった鉢を落としてしまう。(Ŏ艸Ŏ).oO(ヒイイイーッ!サッ!⊃■″ ガシッ!咄嗟に鉢を受け止め、容楽を助けてくれたのは項影(コウエイ)だった。↓思いがけずお揃〜無郁は兵を率いて将軍府に駆けつけた。そこで陳王府に侵入した賊の行方を追って来たところ将軍府にたどり着いたと嘘をつき、強引に捜索を始める。しかし静謐園にいたのは泠月ひとり、漫夭は助けを待てずに一足先に逃げ出したという。一方、将軍府を脱出した容楽と項影は攏月(ロウゲツ)楼を隠れ家にした。 ←隠れ家になってないw容楽は泠月を助けに戻ると言ったが、項影は容楽の失踪がすぐ発覚するはず、再度の侵入は困難だと止める。どちらにしても夫人の侍女に危害を加えることはないだろう。「そうね、ありがとう」「とんでもない、今後は夫人に従うと心に誓いました」Σ( ̄。 ̄ノ)ノ えっ?!唐突項影は清涼(セイリョウ)湖の件で罰を受け、薪(マキ)部屋に捨て置かれていた。薪部屋に錠が掛けられているのを不審に思った容楽は鍵をこじ開け入ってみると、傷だらけの項影を発見する。それから毎日、容楽は項影を介抱し、やがて項影は回復した。「あなたは命令に従っただけ、なぜ傅筹はこんな残酷な罰を?」「夫人を守れと厳命されていたのに、力が及ばず、しくじってしまいました…」すると項影は命の恩人である容楽に報いるため、この身を捧げる覚悟だと誓った。容楽は傅筹の身の上を聞いてみたが、項影はかつての主である傅筹の過去の秘密については何も話せないと断った。その忠義に感心した容楽は追求せず、別の任務を頼む。それは傅筹の部屋で見つけた兵力配置図の写しと墨玉(ボクギョク)扇を無憂に渡してもらうことだった。「謀反が起きれば無実の人が巻き込まれる、この図を早馬で黎王の所へ!私は陛下を追いかける」一方、傅筹は容楽が脱出したと知り、東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)の密室で天仇門(テンキュウモン)の配下を集めた。「容楽は必ず南境へ行く、何としても連れ戻せ、失敗すれば首を洗って待て…」皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)は監国を任されていた。しかし父が出征してからというもの、毎晩、東宮で酒盛りしている。その日も朝議に遅刻し、徹夜で奏状を片付けていたとあからさまな嘘をついた。呆れる朝臣たちだったが、そんな中、楊惟(ヨウイ)が皇帝からの兵糧の催促について上奏する。実は夏に災害があったため、植え付けの種を除けば兵糧に回せるほど残らなかった。やみくもに穀物を供出すれば、今度は困窮した民が反乱を起こすことになる。しかし皇太子は父と兵士を飢えさせるわけにはいかず、反乱など鎮圧すれば済むことだと一蹴した。無郁は唖然となり、国の基盤である民の食糧を奪った上、殺すのかと非難する。「暴君のすることだぞ!」「では穀物を集めよ!」皇太子は陳王に10日以内に兵糧を準備するよう命じ、できなければ軍法に従い処罰すると言った。一方、軍営の北臨帝は食後、急なめまいを起こしていた。しかし侍医を呼べばあらぬ憶測を呼んで士気が乱れると懸念し、大したことはないと安心させる。その時、ちょうど容楽が軍営に到着した。「私は衛国(エイコク)大将軍夫人、陛下に火急の知らせがあるの 手遅れになればあなたたちの責任よ!」北臨帝が李(リ)将軍と魏(ギ)将軍から軍情の報告を聞いている所へ門衛が駆けつけた。何でも衛国大将軍夫人と称する女が謁見を願っているとか。驚いた北臨帝は陳(チン)太監に本人なら連れて来るよう命じ、ただし傅筹には秘密だと釘を刺した。北臨帝が将軍たちを下げて1人で待っていると、本当に容楽が現れた。そこで北臨帝は陳太監に表で見張りを命じ、容楽の話を聞くことにする。しかし運悪く李将軍と魏将軍が容楽の話をしながら歩いている姿を傅筹が見ていた。容楽は何者かが皇太子と結託し、不意打ちの企みがあると報告した。しかし出征前に備えておいた北臨帝は到底、信じられない。傅筹は戦に同行し、重装軍には都を守らせることで引き離していた。もし重装軍が軽挙に出れば無郁が都に残った禁衛軍を動かすことになっている。追放と見せかけて南境へ向かわせた無憂も南境軍を連れて戻る手はずになっていた。「傅将軍が同行?でもここへ来る前に将軍府で見ました!」「傅筹が将軍府に?…先ほど会ったばかりだぞ?」その時、表で陳太監の声が聞こえた。「傅将軍!陛下は誰にも接見しません、ご用でしたら明日お越しに…」傅筹は陳太監が止めるのも聞かず、強引に幕舎の中へ入った。しかし中にいたのは北臨帝だけ、そこで傅筹は欽天監(キンテンカン)によると明日から大雨のため、今夜中に低地を離れるべきだと進言する。「虎府(コフ)をください、軍を動かします」このまま傅筹に兵権を渡すことなどできず、北臨帝は鎌をかけることにした。「そなたが南境から凱旋したあと、2人で御花園を散策したであろう? 朕は言った、″そなたは朕の若い頃にそっくりだ″と…」「覚えています…陛下から頂いた賛辞は心に刻み、永遠に忘れません」「噓をつけ!御花園になど行っておらぬ!お前は何者だ!」すると傅筹は北臨帝の首をつかんで寝台に押し倒し、配下を呼んだ。「探せ!」↓傅筹の中の人、上手いわ~容楽は寝台の裏で身体を丸め、息を潜めていた。そうとは知らず、傅筹は容楽が北臨帝に自分が偽物だと吹き込んだと気づき、計画を変更せざるを得ない。「確かに御花園には行っていない、だがこう言ったのは覚えている 私があんたの若い頃にそっくりだとな、記憶にないのか?」その時、兵士が何も見つからないと報告した。そこで北臨帝は容楽ならもう帰ったと嘘をつく。激昂した傅筹は北臨帝を香炉まで投げ飛ばすと、そこへ配下が気絶した陳太監を運び込んだ。実はすでに軍営の将校たちは傅筹の手中にあり、軍営の出入り口もすべて封鎖したという。すると兵士が将軍府から急報だと傅筹に耳打ちした。やはり容楽は将軍府から逃げたらしい。「…命令を伝えろ、手分けして容楽を探せ、必ず生け捕りに」兵士たちが出払ったところで、容楽は寝台の隙間からこっそり様子をうかがった。すると北臨帝は急に身体に力が入らなくなり、薬を盛られたと気づく。傅筹は汁物に混ぜておいたと教え、心配せずとも身体が麻痺するだけで、大事には至らないと言った。「お前は何者だ?…本物の傅筹だとしても、なぜ西啓(サイケイ)と手を組み、朕を陥れたのだ?」「良い質問だ、覚えているか?昔、子供を殺そうとしただろう?」「符鴛(フエン)の子か?!あり得ぬ!あの子は死んだ、矢が当たり川に落ちたと報告が…」「死んだと思わせずして生き延びることができるか?めいよー」「…そなたは息子ではない!冷宮で数年、養ったことで義理は尽くした、恨むなら符鴛を恨め!」「あんたが先に符鴛を裏切ったのだろう?」「ふっ、やはり傅筹ではないな…息子なら母親を名前では呼ばぬ…一体、何者だ?」しかし北臨帝は思い当たる節があった。「…符鴛に仕えていた太監の林申(リンシン)か!」「あはは~陛下、よく覚えていたな?だったら知っているはずだ あんたが私や符鴛にどんなことをしたか!」正体を知られた林申は秘密が漏れるのを恐れ、口封じに北臨帝に毒を飲ませた。北臨帝は次第に声が出なくなり、身体も痺れて自由がきかず、結局、林申に虎符を奪われてしまう。林申は表で見張りを任せて幕舎を出た。容楽は急いで北臨帝の元に駆けつけると、ようやく陳太監も意識が戻る。←ベッド軽っw「陛下!逃げましょう!」「無…憂……」「無憂に伝えるのですね?」「思…雲……」「思雲陵?はお」すると北臨帝は息が続かなくなり、仕方なく容楽の手のひらを指でなぞった。「玉……」容楽はともかく逃げようと急かしたが、陳太監は皇帝の言伝を持って先に逃げるよう促した。すでに軍営は乗っ取られ、急がねば捕まってしまう。「陛下を連れて逃げるのは無理です…陛下の思いに応えてあげてください!」容楽は覚悟を決め、皇帝に叩頭して別れの挨拶とした。陳太監は容楽を逃がすため、自らおとりになって兵士に殺された。その間に兵士に扮装した容楽は幕舎を飛び出したが、途中で将校に呼び止められてしまう。しかしそこへ先鋒だった范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)が戻って来たと急報が届き、容楽は難を逃れた。辺境から戻って来た范陽王の前に将校が現れた。范陽王は門衛に止められたと憤慨したが、将校は決して范陽王を阻む意図ではないと釈明する。「実は傅将軍の夫人・容楽公主が出陣の阻止を図ったのです 憤慨した陛下が処罰しようとしたら逃げられてしまい、現在、行方を捜索中です」その時、刺客だと叫ぶ声が軍営に響き渡った。軍営に黒衣の刺客が現れた。范陽王は逃すなと命じて皇兄の幕舎に駆け込んだが、そこには痛ましい姿の北臨帝が…。「皇兄!何があったのです?!刺客は誰です?!」しかし北臨帝は話すことができない。そこへ傅筹が現れた。「どうしました?これは一体?誰の仕業で?」つづく(  ̄꒳ ̄)林申、宦官でした〜って…かつてこれほど勇猛な太監がいただろうかw
2020.07.26
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大明风华 Ming Dynasty第22話「如意の行方」今年の科挙に合格した于謙(ウケン)は泥酔状態で皇帝に謁見、その上、朝廷批判と取れる詩を詠んでしまう。しかし永楽帝・朱棣(シュテイ)は断罪せず、翌朝、正気に戻った于謙に論文を書かせて真価を見極めることにした。論文を見た永楽帝は于謙が紛れもなく奇才だと見抜いたが、そんなことはおくびにも出さない。すると示し合わせた朱瞻基(シュセンキ)がひざまずき、于謙を親征に同行させるべく軍に配属するよう嘆願、教育係を買って出た。「皇上に感謝せぬか?首があって幸いだ」于謙はてっきり不興を買ったと思い、叩頭してふてくされながら退席した。永楽帝は于謙を朱瞻基に預けると決めた。しかし天下の逸材は暴れ馬も同様、簡単には手なずけられない。「矯正も強化もして良いが殺してはならぬ あの男はお前を助ける薬となり、護身府となろう」永楽帝は于謙が朱瞻基の臣下になるのは天の恵みだと言った。于謙には真実を求める才があり、直言する勇気もある。すると永楽帝は于謙の書いた論文を朱瞻基に渡した。「ここには王道と覇道が書いてある、よく学ぶが良い」朱瞻基は回廊で待っていた于謙と合流、軍に連れて行くことにした。「学識はあるのになぜ礼儀知らずなのだ?皇上に口答えするなど誰に教わった?」「子供の頃、手相を見てもらい、″逆紋(ギャクモン)″があると言われました 不興を買い、30歳前に殺される定めです」「今、何歳だ?」「もうすぐ30です」「はあ~なるほど、お前を守る者がいなければとっくに死んでいたぞ? 偶然だな、私も逆紋がある…ふっ、私に殺されるなよ?」すると2人は顔を見合わせ、思わず失笑した。胡善祥(コゼンショウ)は最後の望みをかけ、漢(カン)王府を訪ねた。修練場へ案内された胡善祥は漢王の前でひざまずくと、贈り物の箱を差し出して平伏する。「高価すぎて頂けません、″分不相応な幸いは災いとなる″… 贈り物は気に入りましたが、安心して受け取れません、お許しを」すると朱高煦(シュコウク)は″分不相応な幸い″とは胡善祥のような女官が秀女になるということだと声を荒げた。しかし胡善祥は平民でも志願できると言い返し、漢王の推薦をもらえるなら必ず恩に報いると誓う。「なぜ私が力になると思うのだ?」「まだ誰も推薦なさっていません… 漢王爺ほどの高位であれば、その推薦が通らぬことはありません」「…良い度胸だ、気に入った」一方、儲秀(チョシュウ)宮の孫若微(ソンジャクビ)はちょうど夕餉の時間だった。そこへ朱瞻基が現れ、向かいに座る。すると波斯(ハシ)国から朝貢されたという巨大な真珠を机に置き、これを若微の冠にはめるよう勧めた。しかし若微は穴を開けるのが惜しいからと朱瞻基の手元に置くよう頼む。「2人のどちらが持とうと同じでしょう?でも感謝します」朱瞻基は相変わらずよそよそしい若微に困惑し、誰かと口論でもしたかと聞いた。若微はすぐ徐浜(ジョヒン)のことだと気づき、陛下に言われて会いに来てくれたが、もうそんな必要はないので追い返したという。「…私たち2人でちゃんと話さないか?」「どんなお話でしょう?」「君が楽しくなることを…」朱瞻基は孫愚(ソング)が安心して旅立つために自分に約束させたと教え、その約束を守るつもりだと伝えた。自分たちの関係は若微が思うほど陰謀に満ちていない。朱瞻基は若微と分かり会いたいと訴えたが、若微は愛想程度にうなずくだけだった。「元日の朝廷では大臣たちが″与民更始(ヨミンコウシ)″と言って祝う ″すべてを新たに始める″という意味だ ″我を棄てるは昨日の日 留むべからず 我が心を乱す者は今日の日にして煩憂(ハンユウ)多し″」朱瞻基は席を立ち、若微のそばにやって来た。「今日、話してくれなければ明日まで待つ、今年が駄目なら来年まで待とう…」仕方なく朱瞻基は帰ることにしたが、ふと若微が声をかけた。「父上と何の約束を?」「君の幸せだ…」朱瞻基は振り返らずに答えて出て行った。↓姉妹の運命はいかに?!夜が更けても胡善祥は屋敷に戻って来なかった。心眉(シンビ)から報告を聞いた胡尚儀がすぐ漢王府を訪ねたところ、修練場に案内される。修練場の前では漢王妃が呆然と立ちすくんでいた。しかし胡尚儀の挨拶を聞くや否や、振り向きざまに思い切り胡尚儀を引っ叩き、憤慨して出て行ってしまう。胡尚儀はおおよその見当が付き、修練場の戸を開けた。そこにはあられもない姿で横たわっている胡善祥の姿が…。胡善祥は激しく抵抗したのか、顔まで赤く腫れていた。胡尚儀はともかく胡善祥に自分の外套を着せ、背中に隠しながら何とか尚儀局までたどり着く。そしてぼろぼろになった胡善祥を介抱しながら、胡尚儀はこれまで感じたことのない憎悪に襲われた。翌日、若微は東宮を訪ね、初めて皇太子妃・張妍(チョウケン)に謁見した。回廊で待つ朱瞻基は気が気でないが、そこへ父の朱高熾(シュコウシ)がやって来る。「何を話しているのだ?お前の母親と話が弾む人間は珍しい」「中に入って様子を見て来てください、″昼食は?″と言えばいい」「もっと良い口実はないのか?」実は若微は張妍に馴れ初めを聞かれていた。そこで出会いは朱瞻基が骨董店の捜査をした時で、その埋め合わせに詔獄(ショウゴク)へ連れて行ってもらい、天牢に数日、泊まったと話す。また皇太孫だと知ったのは矢で朱瞻基を射ようとした時で、本人から聞いたと説明した。張妍は目を丸くしていたが、普通の感覚では2人を理解し難いと言いながら笑う。「婚儀後はすぐにでも世継ぎを、これは朝廷の定めよ …女たちが取り合っているのは男の愛ではなくて自分の命なの、覚えておいて」「肝に命じます」「以前、あの子はあなたのことを″罪人だ″と言っていたわ」「私は罪人です、刺客の一味でした…ふふっ、入内しなければ罪を問うと言われました」「クスッ、それは驚いたわ、来て…」朱瞻基が無理やり父を部屋に押し込もうとしていると、母が若微を連れて出て来た。そこで朱高熾は、楽しそうに何を話していたのか聞いてみる。しかし張妍は教える必要ないと答え、ここで立ち聞きをしていたのかと怪しんだ。「いいや、何も聞こえなかったぞ?」「昼食を取るか聞こうかと思いまして…」「そうそう、ってそれは私の台詞だろ?」張妍は失笑し、若微を連れて食事に向かった。一方、胡善祥はまだ赤い腫れが消えず、病気だと言って面会を断るよう心眉に頼んでいた。あの夜のことは誰も知らないが、心眉は一体、何があったのか気になって仕方がない。すると胡善祥は出世したら目をかける代わりに一切、口外しないよう迫った。「その口を管理できなければ私が困るわ…」「漢王と何があったの?話をそらさないで答えてよ」「…親友でも命の保証はできない、二度と馬鹿な質問をしないと誓うのね」朱高煦は心を入れ替えたように見えた。早速、三千営の演習計画を作って父を喜ばせ、やはり監国は自分に向かず、親征が終わったら自分と朱高燧(シュコウスイ)は任地へ行って都には残らないと上奏する。すると永楽帝はしみじみ言った。「いつも思うのだ… もし建文(ケンブン)が我々を追い詰めていなければ、我々は燕山で狩でもしていただろう その方が良かった…」そこへ急に皇太子妃がやって来た。実は漢王から秀女の推薦が届き、その報告だという。朱高煦は義姉にも腰が低く、誰も推薦しないと失礼になると思い、王妃が精一杯考えたと伝えた。「高煦は正気に戻ったな」永楽帝は兄弟が協力していると喜び、よい兆候だと言った。張妍が太子府に戻ると、すでに胡善祥が平伏して待っていた。「漢王を説得したのね?どんな手を?…答えて?」「″太子妃娘娘(ニャンニャン)は功を譲る″と申し上げました」←どういうこと?( ゚ェ゚)朱瞻基が祖父に奏状を読み聞かせていると、永楽帝は急に如意を誰に渡すのか聞いた。秀女選びの儀式では正室に如意を、側室に香袋を授ける。「胡という女子と面識が?」「宮廷の女官ですから顔は知っています、真面目そうだという印象でした」「どちらに如意を授けるかが問題だ…孫小姐に渡せば二叔の機嫌を損ねる 胡という女子に渡せば孫小姐に申し訳がたたん、お前の意向は?」「爺爺にお任せします」すると永楽帝は胡尚儀が育てた胡善祥なら規律正しく、朝廷を乱すことはないと助言したが、結局、朱瞻基の考えに任せると言った。一方、張妍も息子がどちらに如意を渡すのか気になっていた。そこですでに寝ていた皇太子を起こし、息子に聞いて来いという。「胡善祥が正室になった場合はあなたにも利益があるわ、2皇子の推薦なのよ? 皇上も兄弟の和を重んじたと思ってくださるわ」張妍は朝廷では戯曲のような恋愛はできないと息子に言ってくれと頼んだ。好きな女子がいるなら側室にすればいいだけ、人ではなく、しきたりを考えて選ぶものだという。朱高熾は息子の部屋を訪ね、如意の行方について皇帝の意向を聞き出そうとした。しかし永楽帝は朱瞻基に任せると言ったという。「孫小姐です、彼女の義父と約束しました」「うむ、誠実なのは良いことだ だがお前の母親は胡善祥を正室に望んでいる…」朱高熾は親征を前に妃選びで失敗は許されないと言った。親征には2皇子と3皇子が同行、つまり兵権は2人の手中にある。「私の半生は綱渡りだった…ここでつまずきたくない、私の言葉を覚えておけ」秀女選びの儀式が始まった。すると如意を手にした朱瞻基に永楽帝が声をかける。「良く考えろ、誰に授けるべきか分かっているはずだ…冊封はまだだぞ?」朱瞻基はゆっくり若微の前に進んだ。しかし如意を差し出すことはできず、涙をのんで胡善祥の前に立つ。こうして胡善祥はついに念願叶い、皇太孫の妃が手にする如意を受け取った。「感謝いたします、この命にかけてご恩に報います」朱瞻基は胡善祥の感謝の言葉も聞かずに歩き出し、若微の前に移動した。そして若微が差し出した手を取って香袋を渡し、しばし握り締める。朱瞻基は苦渋の表情を浮かべていたが、振り返った時には何もなかったような顔で祖父と両親に拝礼した。一方、于謙は書生にも関わらず軍に配属された。軍営で馬の世話をしろと指示されたが、なんでも皇帝から″小司馬″しろという命だとか。「ちょっと!″小司馬″というのは何のことです?」その夜、于謙が馬のために草を切っていると、突然、その草は濡れているので馬は食べないと声が聞こえた。「俺の名はハシジュスだ!こっちへ来い!」ハシジュスはひとり、鍋で羊肉を煮ながら酒を飲んでいる。するとハシジュスはマメだらけになった于謙の手に酒をかけてやった。「これで痛みが消える…でお前が皇上にたてついた状元だって?それで軍隊送りに? お世辞でも言ってれば済む話じゃないか?」「酒を飲ませてくれませんか?」「モンゴルの酒だぞ?飲めるか?」しかし于謙はごくごく飲んで、良い酒だという。「私は于謙です、馬の世話の仕方を教えてください、弟子入りの礼をします」于謙の礼を見たハンジュスは大笑い、実は自分の村が戦で全滅したため、仕方なく仕官したと教えた。「俺のようになってもいいのか?」「男が身を立てるには場所ではなく志が肝心です」ハンジュスはすっかり于謙が気に入り、自分の家に住むよう勧めた。つづく(O_O)えええーっ!老二…先週まで面白かったのに…何てこった!これって単なる嫌がらせ?それとも自分の子供を即位させる布石とか?でも…普通は身体検査があるよね?
2020.07.25
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大明风华 Ming Dynasty第21話「才人の登場」聖旨により棺に見立てた箱の中に閉じ込められた漢(カン)王・朱高煦(シュコウク)。しかし暇を持て余して考えを巡らせるうち、次第に頭が冴えてきた。そこで弟の趙(チョウ)王・朱高燧(シュコウスイ)を呼び出し、腹を割って本音で話そうと持ちかける。「老三、兵を交代させることをお前が陛下に密告を?」「…ええ」朱高燧はあっさり認めた。すると朱高煦はどちらにしてもあの時はその時期ではなかったと告げる。もし父に挑んでいたら負けていたはず、むしろ朱高燧のおかげで助かったのだ。その頃、宮中では科挙の首席合格・状元(ジョウゲン)の発表を前に、盛大な宴が開かれていた。そしていよいよ発表の刻限となり、今回の合格者である于謙(ウケン)・曹斌(ソウヒン)・楊倫(ヨウリン)が皇帝に謁見する。永楽帝・朱棣(シュテイ)は3人の顔を良く見たいと上段からわざわざ降りてきたが、于謙がまともに跪拝できないほど泥酔していると気づいた。「ふふ、どれだけ飲んだのだ?」「…昨日、文を受け取り、母の死を知りました…2升の酒をあおり、酔いが覚めないのです」于謙は女手一つで育ててくれた母への恩をもう返す術もないと絶望、酒をあおって死のうとしたが、親不孝だと気づいたという。永楽帝は事情を知って見逃してやると、3人に故郷を題材として歌を詠むよう命じた。一方、漢王府では朱高煦がついに蓋を壊して出てきた。朱高燧は驚いて箱から遠ざかったが、朱高煦は供え物のバナナを頬張りながら、ただ裏切った理由を知りたいだけだという。しかし朱高燧が何も答えずにいると、痺れを切らしてバナナの皮を思い切り投げ捨てた。←でも皮w「なぜ黙っている!」「勘弁してください、どうせ後継者は父上が決めるのです 二哥を出し抜く気はありません、今までも支えてきた」「太子が皇帝になればお前もおしまいだ 恐らく父上は私とお前を仲たがいさせ、太子の地位を盤石にする気だ 父上は兵部の統括を皇太子派の楊士奇(ヨウシキ)に任せたのだ!」思えば父は鶏鳴(ケイメイ)寺にこもる前に楊士奇たち皇太子の配下を拘禁したが、自分から守るためだったのだ。その上、皇太孫まで冊封されれば取り返しがつかなくなる。朱高燧はそこまでの野心などないと及び腰になったが、朱高煦は仲間割れしている場合ではないと迫った。「目を覚ませ!…お前は私の味方だよな?」「…もちろんです(汗」泥酔状態で祝賀会に現れた于謙だったが、早々に詩を作った。于謙の様子に不安を隠せない皇太子・朱高熾(シュコウシ)、やはり嫌な予感は的中する。「村落 荒れること甚だしく 年々 旱蝗(カンコウ)に苦しむ 老翁(ロウオウ)は雇われ 債を納め 稚子(チシ)は売られ 糧となる 壁破れ 風は屋(オク)に生じ 梁は頽(クズ)れ 月は床に墮(オ)つ 何ぞ知らん 民を牧(ボク)する者は 災傷(サイショウ)を報ぜず」于謙の朝廷批判とも取れる詩に宴席は水を打ったように静かになった。朱高熾は慌てて于謙をつまみ出すよう命じたが、永楽帝は説明を聞きたいという。「″何ぞ知らん 民を牧する者は 災傷を報ぜず″だと? 災害を報告せず、ごまかした官吏がいるというのか? ″稚子は売られ″と言ったが、大明(ミン)の税はそこまで高くない、少し大袈裟すぎるのでは?」「陛下、遠征が行われると地方では税が増やされ、民はすべてを奪われます 陛下!もう戦はおやめください!お心を変え、どうか民に恵みを!」「ふふ…お前の故郷は食糧があるだけよい、辺境の民はどうだ?…愚か者め」永楽帝は于謙を軍に入れて親征に同行させ、国の真の姿をその目で確かめさせると言った。永楽帝が寝宮に戻ると、孫の朱瞻基(シュセンキ)と孫若微(ソンジャクビ)が待っていた。そこで2人を連れて奥の間に入ったが、その時、皇太子が泥酔状態の于謙を抱えてやって来る。朱高熾は于謙に跪拝して待つよう命じるが、于謙はそのまま酔いつぶれてしまう。永楽帝は病み上がりの若微だけ椅子に座らせ、良い薬があるので煎じさせると言った。さらに東宮の隣の屋敷を若微に与え、回復したら若微と弓術の腕比べをしたいという。(*゚▽゚)*。_。)ウン( ・ノェ・).oO(立って朱瞻基の合図に気づいた若微はひざまずいた。( ・ノェ・)<″配下より感謝を″と言うんだ(* ゚ェ゚)?<…でも配下じゃないし( ๑≧ꇴ≦)<この国の民は皆、皇帝の配下なのだ、″奴婢″でも構わない(* ゚ェ゚)?<奴婢でもないわ(; ̄▽ ̄)<…爺爺(イェイェ)、私が代わりに感謝を~(* ゚ェ゚)b<頼んでないからすると若微は叩頭し、礼儀をわきまえぬ粗忽者だが許して欲しいと上奏した。しかし永楽帝は咎めることもなく、若微に屋敷では思うまま過ごし、何でも要求しろという。若微は一足先に鼻涕(ビテイ)の案内で屋敷へ帰って行った。朱瞻基は祖父の若微への厚遇にいささか困惑したが、永楽帝は人を制するには有無を言わせぬ好条件を与えることだと教える。「脅すばかりが能ではない」祖父の戯言に朱瞻基は思わず失笑した。しかし若微の父の死の原因が作り話だと指摘され、緊張が走る。「嘘を通すのは構わないが、私が承知であることは本人に知らせよ、分かったか?」「みんばい」朱高熾は于謙と一緒に父を待っていたが、現れたのは朱瞻基だった。朱瞻基は椅子を持って来たものの、于謙は父の膝枕ですでに爆睡している。「爺爺は?」「もう寝るからここで待てと…一体、何者ですか?」「こう見えて状元の候補だった男だ、酔った勢いで詩を詠み、陛下を怒らせた」朱瞻基はここで寝ていては祖父の邪魔だと言ったが、朱高熾は布団をかけてやってくれと頼んだ。↓皇太子は只者じゃないけど、お腹の半分は優しさが詰まってるのです( *´꒳`* )一方、若微は美しい庭園がある儲秀(チョシュウ)宮へ到着、すると寝殿の前に尚儀局の女官がいた。「ご用がある時は私をお呼びください」「名前は?」「葉秋(ヨウシュウ)です、木の葉に季節の秋です」「葉秋…」「″一夜の雨 涼しき夢…″」「″蓮の葉に秋が訪れる″ね」すると葉秋が中で胡大人(ダーレン)が待っていると伝えた。若微は胡善祥(コゼンショウ)と再会を果たした。すると胡善祥が先に宮中の組織を説明してくれる。「女官は″六局一司″に属するわ、六局とは尚宮・尚儀・尚服・尚食・尚寝・尚功の6つ ″一司″とは処罰を管理する宮正司のことで、全体を管理するのが私の姑姑 で私は尚服と尚食を管理する、女官は75人、女史は18人、私は″胡ダーレン″と呼ばれてる」若微はちんぷんかんだったが、胡善祥は姉が組織を覚える必要はないと笑った。「それより陛下は何と?姐姐は正室?それとも側室?」「知らないわ」胡善祥は姉が全くぴんと来ていないと気づき、改めて皇帝を救った恩人なのだと強調する。実はこの寝宮も本来なら皇帝の姉妹が住む特別な屋敷だった。しかし若微は自分がどんな身分になるかより、こうしていつでも蔓茵(マンイン)に会えると喜ぶ。その時、尚儀が呼んでいると声がかかり、胡善祥は明日、また来ると言って帰ることにした。「そうだ、姉妹であることは秘密にしてね、私も経歴を作るから…」朱高熾は結局、于謙に付き合って夜を明かした。ようやく目を覚ました于謙は事情が飲み込めなかったが、皇太子から昨夜、皇帝を侮辱するような詩を詠んだと聞かされる。そこへ朱瞻基が現れ、机を運ばせた。「皇上の命令だ、辺境の問題について論文を書け、よい論文なら罪は許す だがお粗末な内容なら尚食局へ行き、酒がめの中で溺死せよと…」すると于謙は早速、机の前に座り、茶が欲しいと頼むと、黙々と筆を走らせ始めた。まさかこんなところで平然と茶を飲む者がいようとは…。朱瞻基は失笑すると、朱高熾は于謙を任せてしびれた足を引きずりながら帰って行った。その頃、若微の屋敷に訪問者が現れた。「孫小姐(シャオジェ)にご挨拶を…」聞き覚えのある声に驚いて振り返った若微は、官服姿の徐浜(ジョヒン)と再会する。すると徐浜は皇帝の計らいで挨拶に来たと教えた。結局、仕官して兵部主事になった徐浜、しかし将来、若微が皇后になれば自分が邪魔になると考え、自ら遠地を希望したという。若微は徐浜と離れたくないと訴えたが、徐浜は拝礼して出て行った。↓貴重なイケメン枠ががが…朱高熾が東宮へ戻ると、辺境へ飛ばされたはずの解縉(カイシン)が待っていた。驚いた朱高熾は罰せられる前に行けと急かしたが、解縉は出発なら明日だという。しかしそこに錦衣衛が現れた。皇帝の命により解縉は詔獄(ショウゴク)に収監されるという。「皇上と漢王を離間させた罪です!」朱高煦と朱高燧は解縉に濡れ衣を着せ、父との和解に成功した。永楽帝は早速、2人にタタール・オイラト・ウリヤンハイを探るよう命じて下げたが、控えていた朱瞻基は面白くない。「あんな嘘を信じるのですか?」「信じなければ和解できぬ、しかし解縉を罰する気はない 辺境は好まぬようだから都に置いただけだ、どうした?不服か?」「私に実力があれば軍を束ねることもできるし、勝手な二叔と三叔を抑えられるのに…」「ふっ…励め」胡善祥は女官たちを集め、婚儀の準備について説明していた。今回の礼服は半分は宮中で、残りは外注で作ることになったが、まだ費用の問題も解決しておらず、詳細も決められない。尚服局の女官たちは先立つ物がなければ外の職人に発注することもできないと反発したが、胡善祥が解決案を提示した。「では店をいくつか選び、まずは礼服の見本を作らせる その上で出来がよかった店に礼服の注文を出すことに… これなら皆が競って作るし、手付金を支払う必要もないわ」すると尚食局の女官が孫若微の食事はどうすればいいか聞いた。「秀女と妃のどちらの扱いか判断に迷います、前例がないもので…」「東宮の客人だった方よ、太孫と同じ食事を…」胡善祥は調理から配膳、毒味に至るまで気を配り、決して粗相のないよう指示した。「孫小姐は皇上の命の恩人でもある方よ?心して仕えなさい …厳しくてごめんなさいね、私は体罰を受けながら姑姑に育てられた でも姑姑も陰で辛い目に遭っている、だから私も耐えたわ みんなもしっかり仕事をしてね~」永楽帝は朱瞻基から于謙の論文を受け取り、早速、目を通した。すると信じられないと言ったような顔で立ち上がり、もう一度、論文を眺める。「何ということだ…この年になって逸材に出会うとは…瞻基よ、よかったな」祖父の言葉を聞いた朱瞻基は思わずにやりとした。胡善祥は女官たちが下がると、心眉(シンビ)に例の贈り物を出してくれと頼んだ。心眉は漢王から賜った箱を渡したが、胡善祥がどうするつもりなのか気になって仕方がない。すると歩き出したはずの胡善祥が急に振り返り、心眉は慌てて目をそらした。「そんなに私が気になるの?」「その~最近のあなたは少し怖いわ、何を考えているのか分からなくて」胡善祥は微笑を浮かべ、そのまま出かけて行った。永楽帝は于謙を呼んだ。そこでわざと論文をけなしてみる。「才があると思ったが、交易などというつまらぬ策を考えるとは…実に残念だ~」すると于謙は辺境問題において兵士の命を犠牲にした防衛は無意味、それより民の心を長城とし、国を守るべきだと訴えた。「朝廷が異民族との交易を取り仕切れば略奪が減るでしょう、遊牧民も戦は嫌いです 公平な交易を維持し、商人に規則を守らせれば、たとえオイラト・タタール・ウリヤンハイの 可汗(ハン)たちが結束して造反しようとも、追従する兵はいなくなるでしょう 申し上げます、100万の大軍より交易の充実です!」永楽帝と朱瞻基は于謙の才が本物だと確信した。つづく(  ̄꒳ ̄)うむ…若微が棒なので最近は胡善祥の方が好きかもw心眉が…どうも怪しい(←最近、疑り深い管理人w
2020.07.24
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白发 Princess Silver第30話「討伐前夜」漫夭(マンヨウ)の突然の心変わりで傷心の黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)。しかし南境では不穏な動きが見られ、尉(イ)国の討伐も目前に迫っていた。皇帝から呼び出された無憂は出がけに冷炎(レイエン)へ無相子(ムソウシ)への伝達を頼み、慌ただしく出かけて行く。陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は七兄が将領たちの調査を命じたと知り、傅筹(フチュウ)への対抗策だと分かった。無憂も朝議に復帰、そこで北臨(ホクリン)の皇帝・宗政允赫(ソウセイインカク)は自ら出征すると決め、大将をひとり同行したいと言った。無郁は迷わず兵法に通じる七兄を推薦したが、焦った皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)は黎王には実践経験が少ないと反対する。しかし味方のはずの傅筹まで陳王に賛同し、討伐の将軍には黎王が最適だと進言した。北臨帝は2人の推薦で黎王を同行すると決めたが、その時、突然、無憂が反発する。「お断りします! 今は国内の安定こそが急務、天災で国庫の蓄えも減り、餓死者も出て問題は山積しています 国内の強化を優先して民を守るべき時に戦を起こすべきではありません!」無憂は従軍どころか出征自体を批判し、皇帝を怒らせてしまう。「誰か!黎王は出征の命に背き、出まかせで人心を乱した!追い出せ!」「民の苦労を顧みることなく派手な功績で天下を欺くのですか? 秦(シン)師父の言う通り、あなたは名君にはなれない!」「無礼者!朕を暗君だと申すか!秦永(シンエイ)に傾倒し、朕の言葉には耳を貸さぬ! この親不孝者め!放り出せ!」激怒した北臨帝は黎王を南境へ追放、二度と戻ってくるなと怒号を響かせた。すると范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)は黎王がだめなら衛国大将軍が適任だと進言する。こうして傅筹は従軍を命じられ、皇太子は監国として留守を守り、陳王は皇太子の補佐となった。東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)の密室。天仇門(テンキュウモン)の門主・林申(リンシン)は傅筹が尉国討伐に従軍すると知り、計画の実行を繰り上げようと提案した。しかし傅筹は難色を示し、自分の命に従えという。林申は痕香(コンコウ)から容楽(ヨウラク)のために計画を変えるつもりだと聞いたと牽制、変更は許されないと釘を刺した。驚いた痕香は焦って傅筹を見たが、傅筹は明らかに自分を疑っている。すると傅筹は席を立ち、ゆっくり林申の前にやって来た。「母上に忠実な林叔には私も敬意を払っている、私の命を救い、鍛え上げてくれた人だからな 拷問の苦痛で母の恨みを胸に刻み込ませてくれた…その恩は忘れないが、忠告しておく 復讐は一貫して私の考えで成功に導く、お前はただの補佐だ」「…わたしを恨んでいるのだな 意見するつもりはないが忘れないでほしい、主が土の中でどれほど待っているかを」「心配するな、母を傷つけた者には必ず手痛い報いを与える」「はお、ならいい、それでこそ若門主だ…」そこで林申は宗政無憂を消すため、唯一の弱点である容楽(ヨウラク)を利用するよう提言した。傅筹は容楽を利用せずとも宗政無憂を片付けられると自信を見せたが、林申は失笑する。「そうか?ふっ、現状はお前が優勢だが、奴の実力はこんなものじゃない 表面だけを見ていると、これまでの苦労が水の泡になるぞ? 息子と認められず暗闇で生きて来たお前が、正々堂々と奴と対決する気か? そうすれば容楽がお前を愛するとでも?…甘過ぎるぞ 奴が生きている限り、お前に望みはない…行け、母が味わって来た苦痛を味わうのだ 自分の立場と共にその痛みを刻み込め、そして目を覚ますがいい…誰か!」林申は傅筹に拷問を命じた。林申は傅筹が容楽を救うため、同志である痕香を傷つけてまで計画を変えようとしたと知っていた。「報告していないのになぜ?」痕香は驚いたが、いきなり林申に引っ叩かれてしまう。「忘れるな、お前を地獄から救い出して武芸を仕込み、優れた刺客に育てたのは私だ 若門主への好意ゆえに庇いだてしたことは許そう だがお前の好意が復讐の妨げになるなら、ただではおかぬぞ?」そこで林申は痕香に任務を与えることにした。「容楽に扮するのだ」「それだけはできません!」しかし従わないなら拷問だと脅され、痕香が拒むなら他の者がやるだけだと言われてしまう。范陽王は都に急に流民が増えたことを訝しみ、何か裏があると懸念した。そこで皇兄に出征を延期するよう進言したが、北臨帝はすでに手を打ってあるという。傅筹の直属の重装軍は都に残すことになっていた。もし重装軍に動きがあれば無郁の指示に従うよう、都の禁衛軍に密旨を置いて行くという。また重装軍の将校らは無憂が監視しているため、問題は起きないはずだ。「しかし流民の件は確かに妙だな…無憂に処理させよう」一方、無郁は父の怒りを買った七兄を励ましていた。しかし実は父と七兄の計画だと知る。傅筹は将軍として兵を抱き込んでおり、皇太子と結託、その上、水面下では西啓(サイケイ)帝とも通じていた。もし皇帝と無憂が出征すれば、都は皇太子と傅筹の意のままとなってしまう。朝議での皇帝と無憂の喧嘩は打ち合わせ済みの芝居だったが、無憂は傅筹を完全に騙せたとは思っていなかった。「お前を都に残したのは太子の監視のためだ」そこで無憂は無郁に配給を利用して流民を都から引き離すよう命じた。疑わしい者がいたら捕らえ、拷問はせずに詮議しろという。「あ、そうだ、七哥!他に指示は?例えば~漫夭のことは?」「困らせるなよ…何かあれば、すぐ知らせろ」蕭可(ショウカ)は容楽に体力を補える薬を差し入れた。そこへ蕭煞(ショウサツ)がやって来る。「公主、実のところ西啓帝は…」「聞きたくないわ」そこで蕭煞はやはり西啓から薬を手に入れて調べるべきだと進言した。毒の処方が分かれば解毒の手段も探れるという。「公主、先ほど将軍の書斎に禁衛軍の兵が大勢、入って行きました 将校もいて何か企てています」容楽は討伐を前に皇帝直属の禁衛軍がなぜ将軍府にいるのか不審に思い、早速、探ることにした。「蕭煞、あなたは皇兄に薬を届けさせて、命が危ういと伝えるのよ」翌日、容楽は傅筹の留守を狙い、書斎を調べることにした。そこで蕭可が書斎の前に立ちはだかる兵に昏迷粉をかけて眠らせる。忍び込んだ容楽はふと机に仕掛けがあることに気づき、その中から中山(チュウザン)城の兵力配置図を見つけた。しかしその時、運悪く傅筹が帰ってくる。蕭可は容楽に声をかけて急かしたが、泠月(レイゲツ)が咄嗟に傅筹を呼び止めてくれた。「将軍!公主がお倒れに…」傅筹が静謐(セイヒツ)園の寝殿に駆けつけると、蕭可が容楽の容体を見ていた。そこで蕭可は早く薬を飲ませないと心脈が傷ついて寝たきりになると脅かす。「深山に育つ薬草で、私でないと探せません」蕭可は何とかして外に出ようと口実をつけたが、警戒心が強い傅筹にかえって怪しまれた。「都の名医に調達させよう、それで駄目なら宮中の侍医もいる 出かけるのは許さん、看病しろ」すると傅筹は枕元に座って容楽の手を握りしめ、容楽を説得するかのように言った。「妙な考えを起こしても所詮は悪あがきだ、将軍府の門を出ようと私の配下は至る所にいる 将軍府こそが一番、安全な場所だ」容楽は傅筹が出て行くと飛び起き、記憶をたどって兵力配置図を写した。皇太子は傅筹が朝議で無憂を推挙したことに怒り心頭だった。すると傅筹が東宮に現れ、朝堂で皇帝と黎王が反目したのは2人の芝居だと教えてやる。実は皇帝は自分と皇太子の結託を知っていた。あの芝居で自分を従軍させる状況にしたのは、自分たちを引き離し、それぞれ討ち取るためだろう。重装軍を都に残して自分を出征させ、追放されたはずの黎王は南境で軍を配備し、動乱に備えるのだ。陳王に皇太子の補佐を任せたが、有り体に言えば皇太子の監視だという。「太子殿下が動きを見せれば謀反と見なされ、黎王が軍を率いて都に攻め入るでしょう」たとえ何もせずとも恐らく重装軍には皇帝の兵が紛れ込んでおり、東宮の名で事を起こすつもりだ。そこで傅筹は皇太子に皇帝だけに許される龍袍を贈った。「つまり…本当に謀反を起こせと言うのか?」「私たちの活路は他にありません」追い詰められた皇太子はもはや傅筹を信じる道しかないと思い込んだ。北臨帝は范陽王と傅筹を従え出征した。一方、将軍府では厳しい監視の中、容楽が重篤なってしまう。蕭可は護衛たちに別の薬が必要だと訴え、自分でなければ見つけられない薬材だと迫った。確かに将軍の留守中に夫人の身に何かあれば責任を問われてしまう。そこで護衛たちは自分たちが一緒ならと言う条件で蕭可の外出を認めた。すると泠月は蕭可たちが出て行ったところで容楽を起こす。「公主…行きました」つづく(  ̄꒳ ̄)林申おじさんだけ何だか雰囲気が違う…怖いけど良い声だよね〜 ←やっぱりそこw
2020.07.24
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白发 Princess Silver第29話「壊れた友情」痕香(コンコウ)は容楽(ヨウラク)に執着する傅筹(フチュウ)を諌め、これ以上、追わないよう止めた。しかし憤慨した傅筹に吹き飛ばされてしまう。「あなたを阻むためなら死ねる…真心を捧げる者がこの世からいなくなるだけよ…」痕香は家族を失って天仇門(テンキュウモン)に拾われ、過酷な訓練を受けてきた。そんな中、共に助け合って幾多の困難を乗り越えて来た傅筹とは特別な絆があるという。「あなたに″信頼できる″と言われたからこそ何でも従った 私が重要な存在だと信じていたからよ」「だが近頃、お前には失望している」「私は怖いの!あなたが容楽と情を深め、傷つきやしないかと… 年に一度の拷問で苦しむ姿も本当は見たくない 門主にどんな口実があろうと、あなたが傷つくのは嫌なの! 過去の苦しみは最大限に償われるべきだわ」しかし傅筹はそれだけでは物足りないという。「容楽のどこがいいの?!」「容楽も信頼する身内に裏切られ、利用された…だが人に優しく寛容だ、我らとは違う」痕香は自分たちと比べて容楽は傷が浅いだけだと否定した。自分たちのように全て奪われ、過酷な生存競争を強いられれば、手を血に染めるだろう。すると傅筹はだからこそ容楽を守りたいと言った。「我らには共通の敵がいて、長年、同じ志を抱いてきた だからお前の行動は私のためというより己のため、復讐のためだ…」痕香は自分の真心を傅筹から否定され、愕然とした。「痕香、お前が殺したい者を私は守りたい、失望させたら裏切るか? ふっ…お前の感情や忠誠とはそんなもんだ」←(* ゚ェ゚)え?どんなもん?傅筹は馬のもとへ歩き出したが、その時、痕香が剣を抜いて襲いかかった。しかし痕香は傅筹に及ばず、剣を奪われ、激しく木に叩き付けられてしまう。「あなたに挑むつもりなどない、私にできることは何でもしてあげたい…」「…お前は復讐をせかす、だが容楽はいつも光を与えてくれるのだ」↓都合のいい女①しっかりして痕香!一方、余(ヨ)家の密室で気を失った容楽は崖の上で目が覚めた。すると手足を縄で縛られている。…ここは?どういうこと?その時、沈魚(チンギョ)が水を汲んで戻って来た。まさか親友だと思って守って来た沈魚が悪事を企んでいたとは…。容楽は自分の馬鹿さ加減に失笑した。沈魚の目的は山河志(サンガシ)だった。本当は沈魚でもなければ、官吏の娘でもなく、北臨(ホクリン)に来た目的は山河志の入手だという。容楽が大切な友であることに変わりないが、山河志を持っているのが黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)なら容楽を人質にして奪い取るしかなかった。「苦肉の策なの…」「なるほど…で誰の命令なの?北臨の者?西啓(サイケイ)の者?」「聞かないで…」沈魚は容楽と身分は違えど使命は同じだと言った。2人が北臨へ来た目的は山河志、しかし強要されて裏切られた容楽と違い、沈魚は志願したという。しかしどちらにしても手駒として操られて生きる運命、容楽は自分なら人の指図は受けないと言った。「…その言葉を覚えておくわ」沈魚は山河志が手に入れば解放すると安心させたが、容楽は黎王なら来ないという。恐らく当事者ゆえ分からないのだろう。確かに傅筹は親切で優しいが、容楽のために志までは捨てられない。しかし一見、冷たそうな無憂は思いやりがあり、容楽のためなら山河志どころか命さえ投げ出すと分かっていた。すると沈魚は、互いに想い合っていながら無憂も容楽も認めようとしないだけだと指摘する。容楽は結局、すべてを承知で自分を利用したのだと知り、苦肉の策でも何でもないと呆れた。「あなたの立場は理解できる、私も経験したから、でもね? どんな事情であれ私を裏切って利用したのは事実、もう盟友ではない」↓沈魚も好きな人がいるって言ってた…からの都合のいい女②?その頃、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は御書房に呼ばれ、父から無憂の行き先を問い詰められていた。仕方なく青州の流民が暴動を起こしたらしいと取り繕ったが、そこに范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)が現れ、解放される。すると北臨帝は今回の討伐に傅筹を同行させ、皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)を監国にすると話した。傅筹が宴に乗じて皇太子に芸妓を贈ったのも皇太子を利用するためだろう。そこで北臨帝は傅筹を皇太子から遠ざけ、妙な行いが発覚すれば直ちに処分すると決めた。沈魚の予想通り無憂が容楽を助けに現れた。2人の情の深さはそばで見て来た沈魚が一番よく分かっている。「黎王はご存知かしら? 小姐(シャオジエ)が傅将軍に嫁いだのは、西啓帝に人質を取られて脅されたからよ 小姐の心には黎王しかいない」沈魚は容楽が攏月(ロウゲツ)楼で黎王と対局した席に座っては思い出に浸り、時には涙していたと暴露した。すると沈魚は容楽の足の縄を切って立たせ、首に短剣をつけ付ける。「山河志を渡さないなら一緒に飛び降りるわ!」沈魚は容楽を連れて崖っぷちに立った。しかし容楽は愛する人と駆け引きまでして手に入れた山河志だと訴え、欲深い野心家に譲ることは許さないという。容楽を人質にした沈魚と対峙する無憂、すると容楽のため、あっさり山河志を投げ渡した。沈魚は念願の山河志を手に入れると、容楽の耳元でそっと囁く。「黎王の愛を証明してあげる」そこで沈魚はいきなり容楽を崖から突き飛ばした。驚いた無憂は瞬時に飛び出し、容楽の背中を押し戻したが、そのまま止まることができない。しかし容楽が手をつかみ、無憂はかろうじて崖からぶら下がった。沈魚は健気に黎王の手をつかんでいる容楽を見下ろしながら、最後にひとつだけ忠告する。「2人で逃げて、黎王のような人は貴重よ」容楽は無憂に自分で上がって来られるか聞いた。すると無憂は沈魚の話が本当か確認する。「そんな場合じゃないでしょう?!」「本当なのか?」無憂は崖からずり落ちながらも漫夭(マンヨウ)の答えを待った。「本当よ!ずっとあなたのことを想ってた!」すると無憂は自ら崖に飛び上がり、容楽の手首の縄を解いて抱きしめた。無憂と容楽はお互いの気持ちを確かめ合い、沈魚の言う通り駆け落ちすると決めた。「そばにいた方がそなたを守れる、もう2度と危害を加えさせぬ 誰にも束縛されない自由を君に与えたい」すると無憂は白い碁石を見せた。「この碁石を見た時、どんなに嬉しかったか…持ち歩いていたのは心に私がいたからでは? もう離さない…漫夭、一緒になれるなら、その他はささいな問題だ、ついて来てくれ」「…いいわ」しかし容楽は傅筹と1年の婚期を約束しているため、けじめをつけるためにも自分で説明して来るという。そこで無憂は明日の辰の刻に狩場で落ち合おうと伝え、いざという時は自分が傅筹に話をつけると安心させた。しかし…。容楽が将軍府へ戻ると、寝殿の前で傅筹が待っていた。どうやらすでに何があったのか事情を知っているのだろう。傅筹は自分の企みではないと釈明し、容楽を駆けずり回って探したが、すでに他の者が助けていたと言った。しかし容楽にとって今さらどうでもいいこと、これ以上、亀裂を深めないためにも終わりにしたいと告げる。「用意してあった離縁状は読んだわ、望ましい選択をして欲しいから衣装箱に隠したのね… あなたの真心には感謝している、でも色々なことがあり過ぎた、元には戻れないの」「…私は鈍感で気まぐれだと思われてもいい、約束を守らぬ卑怯者と呼ばれることも覚悟だ 今日から君を軟禁する、君を血眼になって探しながら心に誓ったよ 1年の期限が来るまで私たちは夫婦だ、1歩たりともそばを離れてはならぬ」すると傅筹は常堅(ジョウケン)に容楽の見張りを命じた。妙な真似をすれば蕭可(ショウカ)と泠月(レイゲツ)に累が及ぶという。実はあの時、傅筹は崖で抱き合う無憂と容楽の姿を見ていた。翌日、無憂は狩場で容楽を待っていた。その手にはようやく揃った黒と白の碁石がある。しかし現れたのは容楽ではなく蕭煞(ショウサツ)だった。 ←( ๑≧ꇴ≦)えーっ!蕭煞?!みたいなw「公主は将軍府に軟禁されました、殿下に早まらぬようにと…あ!」無憂は蕭煞から容楽の伝言を聞く前に走り出してしまう。無憂は黎王府の親兵を連れて将軍府に乗り込み、将軍の配下とにらみ合いになった。そこへ傅筹が現れ、乱入されるのは3度目だと呆れる。「漫夭を渡さないなら、こちらも遠慮せぬ」「慇懃(インギン)な私に対し、黎王は横暴で、はなから見下しています ある程度は我慢しますが、もう限界です」すると傅筹は宝剣を抜いて無憂に襲いかかった。蕭煞は黎王と将軍が対峙している隙に静謐(セイヒツ)園へ駆けつけ、容楽に知らせた。「″早まるな″と言ったのに…」ともかく容楽は無憂を止めようと寝殿を出たが、道すがら急にめまいを起こしてへたり込んでしまう。その場で脈診した蕭可だったが、めくった袖を直してただ黙っていた。「教えて…」蕭可は容楽を立ち上がらせ、仕方なく正直に伝える。「長らく薬を飲んでいないから毒が臓腑や血脈に回っている このままでは昏睡状態に陥るか…ぁ…最悪、死ぬわ、長くて半年、早ければ3ヶ月よ」しかし蕭可はあきらめずに全力を尽くして解毒薬を作ると励ました。蕭煞は西啓に薬を取りに行くことにしたが、容楽が止める。「皇兄には頼らない…この件は他言無用よ」(꒦ິ⌑꒦ີ)ホァンション〜!←全然、関係ないw無憂と傅筹は愛する容楽を賭けて激しい攻防戦を繰り広げていた。しかし容楽の姿に気づいた傅筹は一瞬の隙ができ、無憂に蹴り飛ばされてしまう。無憂はここで方を付けるべく一気に駆け出したが、その時、容楽が傅筹の前に飛び出した。驚いた無憂は咄嗟に剣を持ち替え、ぎりぎりのところで止まる。「漫夭…なぜだ?危ないだろう?」「傷つけないで、私の夫君よ」なぜか漫夭の態度は一変していた。無憂は傅筹が漫夭に何かしたに違いないと疑ったが、容楽は悪名を背負うのも身分を捨てるのも嫌だという。「もう帰って、2度と会いたくない… 今日の騒ぎは私に非がある、昨日の態度があいまいで黎王殿下に無駄足を踏ませてしまったようね どんな罰でも受け入れます」「…必要ない、己の不始末の責任は取る、夫人に迷惑はかけぬ」「そうよ、私は将軍夫人、決して忘れないで 私の命を盾に脅されても覚えておいて、干渉しては駄目だと…私の夫君が助けてくれるわ」「そこまで言うなら今後は肝に命じておこう」容楽は心にもないこと言って無憂を傷つけたが、これも愛する人を守るためだった。傅筹は静謐園に戻った容楽を追いかけ、今の言葉が本心なのか聞いた。すると容楽はあっさり偽りだと認める。傅筹は容楽が1人で責任を背負い込み、無憂を守るつもりだと分かった。思わず飛び出して自分を助けたのも、結局は無憂のためだったのだろう。自分が負傷すれば命がけで妻を守ったと称される反面、将軍府に押し入った黎王が非難の的となり、皇帝が庇えば庇うほど軍心は反発するからだ。しかし傅筹は一歩まちがえれば容楽は刺されて死んでいたと釘を刺す。「あり得ない…黎王に殺意はなかった それに本気で殺す気なら無陰楼(ムインロウ)の者を連れて来るわ ←(* ゚ェ゚)あれ?暴露していいの? あなたと同様、手加減したから寸前で止められたの 将軍府に来たのは私の無事を確かめたかっただけ」「だったらなぜ駆け落ちを止めた?」「私に自由などない、他人に命を握られているの、希望なんて絵空事よ、他人には重荷でしかない」「何だと?」「私には何も期待しないで、あなたの望みは叶えられない」無郁が黎王府の中庭で待っていると、無憂がようやく帰って来た。しかし今までどこにいたのか聞いても、殿内に入ったきり閉じこもってしまう。「なぜ怒ってるんだ?(はっ)また漫夭か?会って来る!」「おやめください」冷炎(レイエン)は黎王の気持ちを察して動かないよう諌めたが、そこへ皇帝の遣いで陳(チン)太監がやって来た。「陛下が黎王殿下をお召しです」すると無憂がいきなり殿内から現れ、冷炎に名簿を渡した。「冷炎、無相子(ムソウシ)にこの者らの調査を…」「七哥!」無郁が引き留めたが、無憂は無視して出かけてしまう。そこで冷炎が受け取った名簿を見てみた。「将領たち名前か…あ、傅筹への対抗策だな?」つづく(  ̄꒳ ̄)いや〜セリフが多いわりに何を言いたいのかよく分からない特に最初の痕香と傅筹の会話、これ噛み合ってる?
2020.07.22
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白发 Princess Silver第28話「決別」容楽(ヨウラク)は肩を怪我している傅筹(フチュウ)をかばい、孫雅璃(ソンアリ)の琴の伴奏を引き受けた。拙いながらも懸命に雅璃について行く容楽、すると控えていた沈魚(チンギョ)が密かに指の動きを教えてくれる。その頃、黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)の馬車が将軍府の前に到着した。門の前には確かに皇帝の車が止まっている。そこでひとまず侍衛・冷炎(レイエン)が屋敷の様子を探りに行くことにした。容楽の腕前は到底、孫雅璃に及ばなかった。しかしその時、施暢(シチョウ)亭に風が吹き始め、木の枝に吊り下げられた風鈴が揺れる。容楽は鈴の音を聞きながら、ふと幼い頃に父が琴を指導してくれた記憶が蘇り、身体が自然と動き出した。まるで誰かが憑依したかのように見事な演奏を披露する容楽、すると今度は雅璃の方が必死について行かねばならない。その琴の音は無憂の耳にも届いていた。「ふっ…漫夭(マンヨウ)、そなたには本当に驚かされる」傅筹は容楽の見事な演奏に目を見張った。しかし北臨帝の表情に気づき、咄嗟にお茶を飲むと、茶碗を置く時に音を立てる。悦に入っていた容楽はふと我に返って傅筹を見ると、傅筹が小さく首を横に振った。そこで容楽は咄嗟に弦を切って演奏を中断、不快な音を聴かせてしまったと謝罪する。すると北臨帝は琴音から豪気と気迫が感じられたと称賛、容楽に話があるので皇后たちを先に返すことにした。傅筹は皇后たちを見送るため、門まで出た。しかし無憂の馬車はちょうど引き返したところ、傅筹は気づかない。すると雅璃はこの機に乗じ、容楽から琴の指導を受けていきたいと皇后に頼んだ。皇后から雅璃を頼まれた傅筹は当然、断るわけにもいかず、了承する。雅璃は喜んだが、傅筹は皇帝と容楽のことで気が気でなく、皇后の馬車が出ると急いで戻った。容楽は皇帝から話があると言われ、恐縮していた。しかし北臨帝は容楽がただ者ではないと分かり、すっかり印象も変わったという。「そなたの琴音が力強く、躍動感にあふれ、意気揚々と戦った往時の朕を彷彿とさせた そなたは天下太平を望んでおる、西啓(サイケイ)に見捨てられても西啓の民を誇りに思うのだ」北臨帝は思わず、無憂が容楽に執着する理由を理解できたと言った。実は昔の出来事を思い出し、無憂に自分と同じ道を歩ませて一生、後悔させてはならないと考えたという。「そなたの意向が知りたい」「…分かりません」「よく考えなさい、朕は老いて悟った、後悔したくなければ今を大切に生きるのだ」北臨帝と容楽が静謐(セイヒツ)園から出て来た。すると北臨帝は将軍に声をかけ、もはや西啓との同盟は有名無実、公主との婚姻を解消しろと命じる。焦った傅筹はひざまずき、確かに国のために公主を娶ったが、この数ヶ月で絆が深まり、今さら別れたくないという。そこで北臨帝は後ろで困惑している容楽に将軍と同じ気持ちなのか確認した。迷っていた容楽だったがついに決断、御前にひざまずく。「将軍には大事にされましたが、私は徳がなく妻にふさわしくありません 陛下のご命令を受け入れ、離縁を望みます」「公主に不満がなければこれで決まりだ」北臨帝は傅筹に離縁状を用意するよう命じ、帰って行った。その頃、蕭可(ショウカ)は騒がしい将軍府を抜け出し、街にいた。しかし代金を払うと知らず、買い物客の真似をして露天から山査子(サンザシ)飴を持って行ってしまう。店主に捕まった蕭可は役所に突き出されそうになったが、偶然、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が通りかかり、店主に銀子を渡して許してもらう。すると蕭可は容楽を助けて欲しいと訴え、将軍府へ無郁を引っ張って行った。将軍府は禁衛軍が警護し、中に入れなかった。蕭可を探しに出ていた蕭煞(ショウサツ)と泠月(レイゲツ)は門前払い、するとそこへ蕭可と陳王がやって来る。無郁は蕭可から聞いた″騒ぎ″が皇帝の来訪だと知ると、禁衛軍に通りかかっただけだと伝えて帰って行った。無郁はその足で黎王府に駆けつけた。「七哥!やっと分かりました!漫夭を守るために将軍府の監視を?」無憂は傅筹が陰謀を企んでいると疑い、いずれ漫夭に累が及ぶと危惧して監視していた。しかし驚いたことに父が将軍府を訪ね、傅筹に離縁を命じたという。無郁はこれで七兄と漫夭が結ばれると祝福したが、無憂は復縁できるかどうかは真心しだいだと漏らした。このまま傅筹が簡単にあきらめるとは思えず、何やら遠大な野望を抱えている可能性がある。そこへ冷炎が現れた。「南境で妙な動きがあるようです、ただ災害で都と南境を結ぶ道が塞がれ、交信が困難に… 何が起きても都への伝達は遅れます」どうやら無憂が懸念していた通り、尉(イ)国討伐の隙に内乱を起こす気らしい。そこで南境の勢力を先に鎮圧すると決め、無隠楼(ムインロウ)に伝達した。その夜、容楽が沐浴のため浴室に入ったところ、突然、傅筹が乗り込んできた。傅筹は侍女たちを追い出すと、これまでの鬱憤を晴らすように容楽を責め立てる。「君は嫉妬心から宗政無憂の許嫁と琴の腕を競い合った!」「誤解よ、あなたは肩が…」「誤解だと?!玲瓏(レイロウ)殿では逢引し、南城(ナンジョウ)駅館で共に一夜を過ごし、 今度は思雲陵で密会ときた!」「…そこまでお詳しいなら全部、偶然だとご承知でしょう?玲瓏殿で…」「よく言えたものだ!1度や2度なら偶然だろうが、これだけ続いて偶然で通じるとでも?」離縁を突きつけられた傅筹は疑心暗鬼になり、思わず容楽を押し倒した。「私は宗政無憂に代わり君を娶った、それなのに奴の気が変わったから離縁しろと?ふざけるな! 君は″徳がない″などとしおらいく言っていたが、実際は宗政無憂のことしか考えていない! 私など眼中にないのだ!奴だけが守られ、私は見捨てられる!」「離して!」「君は私の妻だ!分からせてやる!」傅筹は激情に駆られ、強引に夫婦の関係を迫った。身を守るため咄嗟に傅筹の肩に噛みついた容楽、あまりの激痛に傅筹は顔を歪めたが、それがかえって傅筹を逆上させてしまう。やがて容楽は傅筹の圧倒的な力の前では無駄だと悟り、全てをあきらめて動かなくなった。すると傅筹は容楽の氷のような表情に気づき、ふと我に返って容楽を解放する。↓死んだ魚の眼→チベスナ→そしてカオナシへwバシッ!容楽は起き上がると同時に傅筹を引っぱたいた。「約束を破った以上、話し合いは無駄ね! ←(* ゚ェ゚)え?容楽が先に破ったのでは? もう2度と会いたくないわ…」傅筹は自分の暴挙を恥じ、出て行くなら北臨と将軍府、西啓の体面のために3ヶ月は無憂と会わないで欲しいと頼む。「無理なら今日ここで一緒に死にたい…」←(* ゚ェ゚)え?何で?w「はお、約束する、3ヶ月後、あなたとは絶縁よ」思わぬ騒ぎで放置されていた孫雅璃、そこへ憔悴した傅筹が歩いてきた。雅璃は思わず傅筹に抱きつき、思いの丈をぶつける。「愛しています、この婚姻を捨てられないなら私も一生、付き合います 孫家を追い出されてもいい、卑しい奴婢に成り下がっても構いません、ずっとおそばに…」しかし傅筹は雅璃の腕を振り解き、行ってしまう。容楽はすぐ荷造りを命じた。すると泠月は衣装箱を運び出しながら、将軍も根は良い人だとかばう。その箱の中には婚礼衣装が入っていた。「あれから将軍は衣装の仕立て直しをさせたのです、妻が身につける日を夢見ているからですよ? 公主は見向きもしなかったので、ずっと箪笥の肥やしになっていました…」泠月は婚礼衣装を荷物に入れるため取り出したが、その下から傅筹が書いた離縁状が出てきた。…休書…容楽、男女は三生、修養し、今生で夫婦となる…だが私たちは縁がなかったようだ…私の心が狭く、婚姻を押し付けたせいだろう…最初は淡い望みを抱いていた、1年以内に状況を覆せたら真の夫婦になれると…もし君がこの文を読んでも私に情が湧かず、嫌悪しかなければ君を自由にしたい…お互い恨みを解き、楽になろう…傅筹筆実は傅筹は婚礼当日の夜、すでに離縁状を書いていた。容楽はひとまず攏月楼へ身を寄せた。3ヶ月後、完全に自由になったら中山(チュウザン)を離れよう。すると沈魚が自分の正体を調べるのは諦めるのかと聞いた。「以前、余(ヨ)家の屋敷に手がかりがありそうだと…」「はっ!琴を弾いた時、昔の記憶が一瞬、蘇ったの、蕭可の治療が効いているのかも…」「余家に行けばもっと思い出すかもしれません」「うん」沈魚は容楽をそれとなく誘導し、秦(シン)家の密室に入ることに成功した。容楽はまた母と娘2人の絵に釘付けになった。「その絵の人を知っているのですか?」「見覚えがあるけど確信はないわ でも信じたい、私には優しい母がいて幸せで円満な家庭があったのだと… 一方で逆の思いも…私が秦家の娘なら天涯孤独になってしまう」沈魚は悲観しないよう励まし、密室を見つけたなら山河志を手に入れたも同然、手がかりを探そうと言った。しかし容楽が山河志ならここにないという。「私と黎王が決別した理由を知らないでしょう?山河志をあげたからよ 黎王の狙いは山河志だったの」「つまり今は黎王が持っているのですね?」「そうよ」すると沈魚はいきなり容楽の首を突き、眠らせてしまう。「ごめんなさい、小姐(シャオジエ)、あなたを行かせるわけにいかないの」その夜、黎王府の無憂の元に密書が届いた。無憂は早速、箱から文を出して確認したが、その時、空箱から白い石が転がり落ちる。それは確かに12話で漫夭に贈ったあの碁石だった。翌朝、いつまで待っても黎王は朝議に現れなかった。北臨帝は迎えに行かせたが、戻ってきた向(コウ)統領の話では黎王が昨夜から王府に戻っておらず、各所を探してみたが見つからないという。憤慨した北臨帝は仕方なく皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)に討伐の案を提出するよう指示し、退朝を命じた。無憂が行方知れずと知った傅筹は嫌な予感がした。そこで急いで静謐園に駆けつけてみると、あの夜に荷物を全てまとめて出て行ったと知る。あれから会う勇気がなかったが、どうやら自分がうぬぼれていただけのようだ。「こんなにも慌てて出て行くとは…」その時、傅筹はふと思い出して婚礼衣装の箱を開けた。すると中身は空っぽ、離縁状も消えている。…自業自得だ、これで夫婦の関係も終わった…容楽、結婚当初、もう君を利用しないと誓った…あの離縁状は14回も書き直したのだ…まさかここまで君の恨みが深いとは思わなかった ←(* ゚ェ゚)えっ?…自由になった途端、奴と駆け落ちするなんて傅筹は無我夢中で馬を駆けた。林の中で容楽の行方を捜す傅筹、その時、痕香(コンコウ)が現れる。傅筹は痕香が容楽を隠したと疑ったが、痕香は犯人が沈魚だと教えた。しかし門主さえ沈魚の正体を知らず、何が目的かも分からないという。痕香は沈魚が容楽をさらって宗政無憂に知らせたため、心配せずとも宗政無憂が助けると言った。「容楽と宗政無憂がよりを戻すのが怖いのね? 若門主、大計が控えているわ、することは山積みで今が大事な時よ?女子にかまけている暇はない」憤慨した傅筹は痕香に掌(ショウ)を放ったが、痕香は避けずに吹き飛ばされてしまう。「あなたを阻むためなら死ねる…真心を捧げる者がこの世からいなくなるだけよ」つづく( ゚д゚)え~!若門主!つまり容楽とは前から知り合い?それにしても泠月、最初からうさん臭かったけど、やけに将軍の肩を持つよね~
2020.07.21
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白发 Princess Silver第27話「形見の七絶草」蕭煞(ショウサツ)の妹・蕭可(ショウカ)は馴れ馴れしい男を警戒し、毒粉をまいた。すると毒粉を吸い込んだ陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は急に全身がかゆくなり、じっとしていられなくなってしまう。あまりのかゆさに耐えきれず、無郁は蕭可を捕まえて解毒薬を寄越せと迫った。しかしなぜか蕭可が突然、意識を失って倒れてしまう。そこへちょうど容楽(ヨウラク)たちがやって来た。「無郁、何があったの?!」「急に倒れたんだ!かゆいよ~漫夭(マンヨウ)、何とかしてくれ~!」すると蕭煞の点穴で蕭可がすぐ意識を取り戻した。そこで容楽は蕭可に陳王が友だちだと説明、仕方なく蕭可は解毒薬を嗅がせてやる。無郁はかゆみから解放されて一息ついたが、不思議と失恋の痛手が少し和らいでいた。蕭可は幼い頃からの奇病により、失神することがあった。実は治療法もあったが、師匠の処方に必要な貴重な生薬が手に入らないという。それは七絶(シチゼツ)草という名前だったが、どんな生薬も分からなかった。すると思いがけず無郁が聞いたことがあると思い出し、在りかなら七兄に聞くよう促す。しかし容楽は黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)と聞くと、急に顔が曇った。「まただ、その顔は何だよ?好きなくせになぜ避けるんだ?だったら帰る!」「待って」容楽はこの機会に扇子を返してもらうことにした。「七哥がこれを君に?!」「何?特別な物なの?」「これは墨玉(ボクギョク)扇だ、これがあれば無隠楼(ムインロウ)の使い手を動かせる 天下を覆すこともできるぞ?」「…扇の代わりに七絶草が欲しいわ!」「ふっ…あははっ!墨玉扇さえ渡したんだ、七絶草もくれるだろう でも七哥にとって大切な物だ、どうしても欲しいなら自分で頼むんだな」出征を決めた北臨(ホクリン)の皇帝・宗政允赫(ソウセイインカク)は思雲陵(シウンリョウ)の雲児に報告にやって来た。「老いたりと言えども志は捨てぬ、そなたも北臨を守ってくれ」すると北臨帝は棺の雲児にだけ本音を漏らす。「無憂には理解してもらえないが… そなたは国の再興のため、符鴛(フエン)を皇后とすることを許してくれた」その話をちょうど墓室に入って来た無憂が聞いていた。「まさか息子まで朕と同じ苦しみを味わおうとは… 君主ゆえの苦しい決断を前にすれば絶望と孤独を感じる 歳月が過ぎようと後悔が消えることはない… 無憂があの女子とここに籠もった時には、そなたの眠りを妨げたか? あの時は許しがたいと思った、だが今なら理解できる かつての朕の過ちが無憂を憤らせた、朕が怒るべきは若き日の臆病な自分なのだ 朕は無憂に甘すぎると皆が言う だが朕には分かる、無憂は朕と同様に苦しんでいる、昼も夜も覚めぬ悪夢にさいなまれていると… 今では無憂も立ち直ったが、愛の苦悩が消えたわけではない 雲児、一体どうすれば無憂の苦しみを取り除ける?」その頃、容楽が思雲陵に到着した。しかし禁衛軍の向(コウ)統領から皇帝が中にいるので誰も入れないと断られてしまう。容楽は黎王も一緒なのか聞いたが、向統領は何も教えられないと言った。そこで容楽はこのまま外で待つことにする。一方、父の本音を知った無憂は、これまで避け続けて来た母の死について父と向き合うことにした。子供の頃から何不自由なく育ち、世界は光に満ちていると思っていた無憂、しかし十里香(ジュウリコウ)の件で母が非業の死を遂げ、師匠も亡くなると、光が消え去り、絶望したという。…あの夜、北臨帝は雲貴妃の寝殿で秦(シン)家秘伝の十里香を味わっていた雲児は寵臣の余世海(ヨセイカイ)たちが変法に反対していることを憂慮しながら、この酒を飲めば秦丞相の忠義の心が分かるはずだと訴えるしかし上機嫌だった北臨帝は急に激しい頭痛に襲われた心配した雲児は皇帝を寝台に寝かせて侍医を呼ぶよう命じたが、突然、錯乱した北臨帝に斬り付けられてしまうその時、運悪く無憂が現れ、傷だらけの母の首を絞めている父の姿を目撃した『母妃っ!』無憂の悲痛な叫び声でふと我に返った北臨帝は雲児を腕に抱いたが、手遅れだった…無憂は父を恨んだが、それは陥れられて過ちを犯したからではなく、問題を直視せず言い訳を探していたからだった。「父上を臆病者だと思い、そうなるまいと誓いました だが漫夭をさらっても、2人の気持ちはもう取り戻せなかった 一緒にいることだけが愛することではない、そう気づきました 生きる上ではなす術がないこともあると… 父上を責められません、私は当時の状況を知らぬのですから」北臨帝はようやく息子と分かり合えたが、自分が雲児を忘れられないように、無憂も容楽公主をあきらめられないのだと胸が痛んだ。北臨帝が墓室から出ると、驚いたことに容楽が待っていた。やはり容楽も無憂に未練があると思ったが、容楽はすべて過ぎ去ったことだと話し、実は黎王に頼み事があって来たと告げる。北臨帝は無憂にとっては過去のことではないと伝え、ただし息子の想い人である女子なら信用できると言って面会を許した。墓室に漫夭が現れた。すると無憂は氷室で眠る母に挨拶して欲しいと頼む。容楽は棺の雲貴妃に拝跪し、墨玉扇を返して七絶草を譲ってもらおうとした。しかし無憂は扇子を受け取らず、何も聞かずに黙って棺の下にある副葬品から箱を取り出す。「これは母妃から君への贈り物だ」容楽は七絶草を手に入れ、静謐(セイヒツ)園に戻った。七絶草を見た無郁は、やはり漫夭の頼みなら七兄が渡すと思ったという。実はこの七絶草は雲貴妃が幼くして毒を盛られた無憂のために手に入れたものだった。事情は分からないが、この話を知った皇帝は雲貴妃に激怒し、3ヶ月も貴妃を避けたという。七絶草は本来、分厚い葉で、当時、半分ほど使って無憂の毒が消えたことから、残った半分は宮中の氷室で保存されていた。しかし雲貴妃の死後、無憂が陵に移したという。容楽は七絶草が無憂にとって雲貴妃の貴重な形見でもあると知り、慌てて返すことにした。すると無郁は一旦、氷室から出したら保存が利かないと説明し、七兄の厚意を無にしないよう訴える。その時、傅筹(フチュウ)が容楽の様子を見るため、静謐園にやって来た。そこで偶然、2人の話を聞いてしまう。「漫夭、これは蕭可への慈悲ではなく、君への真心だぞ?七哥は死ぬまで君を守る覚悟だ」あの時、傅筹は思雲陵にいた。予想通り容楽が黎王と一緒に墓室から出てくる姿を目撃した傅筹は、深い悲しみと憤りでその場から動けなくなってしまう。↓まさかの家政婦は見た!傅筹はあの時の怒りを思い出し、握りこぶしに力を込めた。すると拷問の傷が開き、再び血が流れ出してしまう。その時、急に戸が開いて容楽と無郁が現れた。無郁は帰るつもりだったが、将軍の顔を見てやはり思い直す。「私は急がないし、まだ話したいことがある」しかし傅筹はなぜか素直に引き下がり、おとなしく戻って行った。容楽は傅筹の背中を見送りながら異変に気づき、地面に滴り落ちた血を見つける。そこでやはり無郁に帰って欲しいと頼んだ。容楽は蕭可から聞いた処方で薬湯を作り、早速、飲ませた。しかし蕭可は別に長生きはしたくないとう。「師父は若さを保つことに時を費やしているけど、私はもっと楽しいことをして暮らしたい」「クスッ、老いを嘆き、若さを惜しむのは人の常よ?雪孤聖女(セツコセイジョ)も煩悩の虜なのね? でも大丈夫、蕭可なら永遠に若さを保てるわ」「…どういうこと?意味が分からないわ」すると菓子の差し入れに来た泠月(レイゲツ)が″無為自然″だと教えた。沈魚(チンギョ)は将軍府を訪ねた。すると容楽が攏月(ロウゲツ)楼に住みたいという。清涼(セイリョウ)湖の一件以来、傅筹は取り繕おうとしているが、これ以上、偽りの夫婦を続けられそうになかった。「最近、頭痛がする時、記憶の断片が浮かんでくるの…ぼやけているけど現実感がある 記憶が戻りつつあるのかも?断片的な記憶が″ここを離れろ″と暗示しているのかもしれない…」驚いた沈魚は、大切な恩人である容楽にどこまでも付いて行くと訴えた。そこへ容楽の脈診をするため、蕭可が現れる。容楽はふと傅筹の怪我を思い出し、蕭可に頼むことにした。「怪我を隠して治療をさせない人がいるの、診てあげて?傷はこの位置(肩)よ、古傷もあるかも」蕭可は容楽の頼みなので仕方なく泠月と将軍の寝殿を訪ねたが、見張り番から追い返されてしまう。その頃、孫雅璃(ソンアリ)は皇后に謁見していた。皇后は都に戻った無憂と雅璃が疎遠になっていると知り、容楽とよりを戻したのではと疑う。驚いた雅璃は誤解だと訴え、駅館でも2人は距離を置いていたと口を滑らせた。皇后は2人が密会していると勘違いして憤慨し、自分が2人を別れさせると息巻いて将軍府に行くと言い出す。すると偶然、北臨帝が現れた。「今日、朕は予定がない、そなたと一緒に将軍府に行って臣下を労おう」「(´・ω・)お、おぅ…」容楽は気晴らしに沈魚から琴を習った。すると思ったよりすんなり琴が弾けるようになる。「沈魚、琴を弾くのはさほど難しくないのね?」その時、突然、施暢(シチョウ)亭に北臨帝が皇后と孫雅璃を連れて現れた。驚いた容楽はその場にひざまずき、出迎えなかった無礼を深く謝罪する。しかし皇后は北臨帝が急に訪ねて驚かせると言ったと教え、咎めることはなかった。そこへ傅筹がやって来る。傅筹は拝跪すると、夫婦円満を装うため、肩の痛みをこらえながら容楽の手を握りしめた。傅筹は施暢亭に席を設けた。すると皇后が容楽の琴の音が聞こえたと話し、夫婦の合奏を聴かせて欲しいと頼む。実は傅筹の琴の腕前は世に広く知られていた。しかし容楽は習い始めたばかりで耳汚しだと辞退、そこで咄嗟に雅璃が代わりに奏すると申し出る。皇后は高明な師に習った雅璃も相当な腕だと思い出し、喜んで演奏を頼んだ。そこで雅璃はこの機会を利用し、是非とも将軍の伴奏をしたいと懇願する。皇帝の手前、断れない傅筹は仕方なく立ち上がろうとしたが、容楽は傅筹の怪我を心配して止めた。「陛下、重臣として護国の剣を握る将軍の手で、その場の座興はさせられません 本来、沐浴して香を焚き奏するべき琴を慰みにすべきでしょうか?」結局、容楽は自分が雅璃の琴に伴奏するという。皇后は納得したが、嫌味の1つでも言わなければ気が済まなかった。「西啓の民は貧しさゆえ粗野で、婚姻の礼も知らぬと聞いていた でも礼楽を重んじる心があると分かったわ~」「西啓は土地が不毛ゆえ、民は国土を守るため農業と武芸に励みます 皇室に生まれ、苦労を知らない私の言葉が民を代表するとは申せません しょせん女子の浅知恵に過ぎぬかと…」「なんと!…」皇后はあっさり容楽にやり込められ憤慨したが、北臨帝がなだめた。「北臨に来た当時と変わらず、見事な弁舌だ まさに″明珠は隠せども、おのずから光あり″だな」「陛下、過分なお言葉です…」つづく(^ꇴ^)陳王、早くも新しい恋の予感?それにしても皇后…ウザいw
2020.07.20
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白发 Princess Silver第26話「神医の弟子」昭蕓(ショウウン)公主は黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)に別れを告げ、鎮北(チンホク)王・寧千易(ネイセンイ)と共に宸(シン)国へ旅立った。その手には人知れず陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)からもらった指輪がある。すると寧千易は隣の昭蕓が面紗(メンシャ)の下で泣いていると気づいた。「昭蕓、もう二度と君を泣かせぬ、今度、泣くときは幸せのうれし涙だ」↓(꒦ິ⌑꒦ີ)昭蕓、幸せにね〜って、なぜ馬車の中が黒いねん、まあいいけど(←いいのかいw一方、収監された無郁は昭蕓の幸せを祈り、涙していた。やがて無憂が迎えにやって来る。「無郁、行くぞ…」無憂は無郁を支えてやったが、無郁は兄の手を離して自分の足で歩き始めた。泠月(レイゲツ)は近頃、様子がおかしい蕭煞(ショウサツ)が気になっていた。そこで22話でもらった薬を返すという口実で声をかける。「これ、あなたの薬でしょう?もう治ったの、ありがとう」「とっておけ」「最近、なぜ外出するのか知らないけど、もう公主を裏切らないで 昭蕓公主が嫁ぎ、近しい人は私たちだけなのよ?」「…君たちは守る」蕭煞は結局、そのまま出かけて行ったが、門の所で急に脇腹を抑えてふらつき、喀血していた。そんなある日、泠月は蕭煞のあとをつけることにした。すると驚いたことに蕭煞は香魂(コンコウ)楼へ入って行く。そこで泠月は女将に銀子をつかませ、話を聞いた。どうやら蕭煞は頻繁に店に通っており、先日はある娘を巡って皇太子妃の弟と乱闘騒ぎを起こしたという。泠月はすぐ容楽(ヨウラク)に報告した。容楽は何か事情があるはずだと考え、かつて香魂楼の芸妓だった沈魚(チンギョ)と一緒に探りに行くよう命じる。早速、男装した2人は客のふりをして香魂楼へ紛れ込み、沈魚は古株の阿萍(アヘイ)を見つけて情報を得た。沈魚は泠月を連れて店の裏口から出た。そこで偶然、蕭煞を見かける。蕭煞は西啓(サイケイ)の間者に報告書を渡し、寧千易を暗殺できなかったのは公主が居合わせたせいだと釈明していた。「忘れるなよ、陛下は人質を取っている、同門の蕭統領を脅かしたくはないが忠告しておく 分を守れば可(カ)姑娘(グーニャン)の身に危険はない」「分かっている、だが今日こそ会わねば安心できぬ また与太者を怒らせ、可児に万一あれば死んでも償えぬぞ」しかし西啓帝から面会を禁じられていると断られ、蕭煞は思わず手を出してしまう。沈魚は間者と蕭煞が争っているうちに泠月を連れ、阿萍から教えてもらった建物にやって来た。中には見張りの男が2人いたが、確かに香魂楼の者ではない。すると沈魚は慣れた様子で外階段から2階へ上がり、荷物を退かして抜け穴を見つけた。「なぜ壁に穴が?」「私が開けたの」こうして沈魚と泠月は可という娘を救出、攏月(ロウゲツ)楼へ連れて行った。攏月楼ではちょうど容楽が鎮北王からの贈り物を受け取っていた。中には美しい玉符と文が入っている。…千易より、大切にして欲しい…そこへ泠月が娘を連れてやって来た。何も分からない娘は容楽たちを警戒していたが、少なくとも悪人ではないと分かったらしい。「名前は?」「蕭可よ」容楽はこの娘が蕭煞と関係があると考えた。そこで家族のことを聞いてみたが、蕭可は親の顔もどこにいるかも覚えていないという。実は蕭可は4歳で師匠に連れ去られて以来、両親と会っていなかった。蕭可は不治の病で5歳で死ぬと言われていたが、ある日、街で兄が山査子(サンザシ)を買いに行っている間に師匠が通りかかり、蕭可の病に興味を持って連れ去ったという。「哥哥とは1年前にある人を介して再会できた、哥哥の右手には痣があるの 幼い頃に私が汁物をこぼしたせいよ…はっ!」うっかり口を滑らせ、蕭可は慌てて口をつぐむ。しかし容楽はやはり蕭可が蕭煞の妹だと気づき、泠月に合図した。泠月は妹を探して街をさまよっていた蕭煞を見つけ、攏月楼へ連れて行った。そこで蕭煞は捕らわれていた妹と再会、公主の前にひざまずき、これまで欺いて来たことを謝罪する。しかし容楽は事情を察して許した。恐らく兄が蕭可を人質にして蕭煞に鎮北王の暗殺を命じたが、居合わせた自分を守ろうとして失敗したのだろう。「皇兄は長年、仕えたあなたまで苦しめたのね? 近しい臣下も実の妹も大業のためなら犠牲にするなんて… あなたたちを見て兄妹とはこういうものだと実感したわ」「公主…実は陛下は…」「やめて!あの人のことは二度と信じない」(TㅅT)そう言わずに聞いたげて~昭蕓が中山(チュウザン)を離れ、無郁は喪失感から立ち直れずにいた。今まで昭蕓を子供だと思って来たが、無郁はようやく子供だったのは自分の方だと気づく。無憂は思い通りにならないこともあると慰め、人は諦めることを学びながら成長すると助言した。そこへ冷炎(レイエン)がやって来る。「鎮北王の使者がこれを…駅館での恩に報いるため玉符を贈るそうです 困った時にこれを使えばいつでも駆けつけると…もう1つは容楽公主に贈ったそうです」鎮北王の一行を見守っていた冷炎は無事に国境を越えたと報告、傅筹(フチュウ)に怪しい動きはなかったと伝えた。冷炎が下がると、無郁は七兄のように昭蕓を守ることまで気が回らなかった自分を恥じた。しかし無憂は無郁が今回の経験で多くを学んだと励まし、気晴らしに引き受けてもらいたい事があるという。「昭蕓を吹っ切れるなら何でも協力します!」「実は無隠楼(ムインロウ)の者によると、妓楼の女子を巡って蕭煞が皇太子妃の弟ともめたらしい 皇后の耳にも届いている…」無郁は自分たちと関係ない話だと思ったが、本題はそれからだった。「昭蕓が駅館で襲われた時、漫夭(マンヨウ)は必死で救ってくれた 将軍府に出向いて礼を言うべきでは?ん?」「あぁ~、確かに…礼を言うついでに七哥の淡い想いも伝えて来ます、ふふ」蕭煞は妹を助けてくれた恩人である公主に忠誠を誓った。実は蕭可の師匠は神医と評判の雪孤聖女(セッコセイジョ)だという。雪孤聖女と言えば気難しく、風変わりな性格のため、医者にならず各地をさすらっているとか。蕭煞の話では容斉(ヨウセイ)も長年、神医を探していたが、結局、見つけられたのは弟子の蕭可の手がかりだけだった。そこで容楽は蕭可に脈診を頼む。すると思いがけず強力な毒に侵されていると発覚、今は薬で延命できているが、薬と毒の相互作用で記憶が薄れ、頭痛がするという。蕭可は身体が弱いのも毒のせいだと話し、自分も延命治療しかできないと言った。その夜、容楽は無憂と対局した思い出の席に座っていた。蕭可の診断で死期を意識した容楽は、初めて人生を悔やむ。すると泠月が外套を持って現れ、蕭可が大げさに言っているだけだと励ました。「慰めは無用よ、衝撃は受けていない、それに蕭可が治療法を見つけてくれるかも… ただこのまま何もせずに死を待ちたくない、自分の正体を突き止めなきゃ」容楽はできるだけ早くこの鳥かごから解放され、自分の人生を自分のために生きたいと願った。傅筹は鎮北王と昭蕓公主を国境まで無事に送り届け、朝議で北臨帝に報告した。こうして無事に同盟が結ばれ、宸国の良馬のおかげで騎馬隊も増強、出征の準備も大詰めとなる。そこで傅筹は今回の総帥に皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)を推挙した。しかし北臨帝は別の人選を考えていると退け、范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)に軍事協議のため御書房へ無憂を呼んでおけと命じる。「討伐の全権を任せたい」焦った皇太子は思わず無憂が忙しいので自分が手伝うと口を挟み、北臨帝から思いがけない仕事を押しつけられてしまう。「では最も大事な任務を与える、宸国から良馬が届いておる、そなたに交配の監督を命ずる 戦に耐えうる良馬が生まれねば罪に問うぞ」クスクス…>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<クスクス…傅筹が東宮で待っていると、厩舎で馬糞まみれになった皇太子が戻って来た。あまりの臭さに顔をしかめる女官たち…。 (Ŏ艸Ŏ)ゥッ…激怒した皇太子は皆を下がらせると、自棄になって衣を脱ぎ捨てた。思えばこれも昭蕓の暗殺に失敗した傅筹のせいにほかならない。しかしかえって傅筹から自分という後ろ盾を失っても朝廷に身の置き場があるのかと脅された。冷静になった皇太子は急にしおらしくなり、将軍の言うことなら何でも聞くという。「では陛下の悪評を消すため、今後は女色を慎んでください」傅筹は少しでも痕香(コンコウ)が皇太子から解放されるよう計らった。その夜、痕香は東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)に傅筹を訪ねた。「ありがとう、あなたはいつも私のために全力を尽くそうとしてくれる」「警戒は怠るな、頻繁に宮外へ出れば怪しまれるぞ」「承知よ、でも今日はあなたの大切な日…毎年この日だけはそばにいたいの」「分かった、行こう」傅筹は仕掛けを回してからくりの扉を開けると、地下の密室へ向かった。傅筹は両肩に直接、鉤を貫通させられ、吊り下げられていた。そこへ林申(リンシン)が現れ、この拷問は復讐心を忘れさせぬためだと念を押す。「親の敵を胸に刻め」「忘れたことなどない」「そうは見えぬ…だから今だに行動を起こさぬのだろう!母親が失望しているぞ?」すると林申が傅筹を降ろせと命じ、痕香が慌てて駆け寄った。「母の件を持ち出すな…ゥッ…あれは私の問題だ…天仇門は関係ない…」「誓いを忘れるな、心を鬼にしろ、お前は大事を成すのだ!」「門主、ご安心を…首尾は上々です」痕香は痛みに苦しむ傅筹をかばい、思わず口をはさんだ。容楽は蕭可を静謐(セイヒツ)園で預かることにした。そこで泠月が蕭可を案内していると、ちょうど容楽を訪ねて陳王がやって来る。泠月は蕭可をひとりにして容楽を呼びに行ったが、初対面の無郁と蕭可は互いに相手を訝しんだ。「誰だ!」「誰よ?」無郁はてっきり新しい侍女だと勘違い、無礼な使用人だとまくし立てた。しかし蕭可は急に頭痛がしてめまいに襲われてしまう。「うるさい、黙ってよ!」「可愛い顔をして生意気だな~」無郁は思わず蕭可の頰をつねると、怒った蕭可から毒粉を浴びせられてしまう。つづく(Ŏ艸Ŏ)第1話で容楽を捕まえた人だよね~林申!いろいろつながって参りました~!
2020.07.19
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白发 Princess Silver第25話「愛ゆえの嘘」昭蕓(ショウウン)郡主は北臨(ホクリン)の民や自分の大切な人たちを守るため、自ら宸(シン)国に嫁ぐと決断した。その代わり陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)を許し、最後の別れを告げたいと嘆願する。北臨帝は大罪を犯した無郁が懲戒を免れることはできないとしながらも、実は怪我を考慮してすでに杖(ジョウ)刑50回で大理寺の牢に入れるにとどめたと教えた。「そなたが北臨の国境を離れたら牢から出し、罪は許そう」無郁の牢に突然、昭蕓が現れた。無郁は昭蕓が無事だと分かって喜び、刑罰で痛む足も痺れただけだと取り繕う。すると昭蕓は心を鬼にして自分の希望で宸国へ嫁ぐと伝えた。「嘘だ!信じない、私と生涯を誓っただろう?なぜだ?!」「鎮北(チンホク)王は頼りになるもの…両親を亡くした私はあなたたち兄弟が頼りだった でも和親を阻止できた?それどころかあなたは私の目の前で倒れたのよ? 一緒にいても不安しかないわ!」 ←確かにw「昭蕓…それが本音か?」「頼りにならないあなたより、未来の君主に運命を預ける そうすればいずれ皇后になって最高の権力を手に入れ、二度と侮られずに済むもの …陳王殿下、さようなら」昭蕓は牢を出ると、二度と振り返らなかった。…無郁、ずっと元気でいてね…この傷を癒してくれる人はいつか現れる…その人と幸せに添い遂げるのよこの決別は昭蕓にとって人生最大の勇気が必要となった。今日から2人は離れ離れになる…。昭蕓は無郁が自分への未練を少しでも残さぬよう嘘をつき、きれいに忘れてくれることを願った。傅筹(フチュウ)は皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)から香魂(コウコン)楼に呼び出された。すでに酔っ払っていた皇太子は自分の面目を潰した傅筹に襲い掛かったが、相手にもならない。そこで傅筹は御花園では皇太子に追い詰められて感情的になったと説明し、大局を考えるよう諌めた。しかし皇太子は黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)の妹同然の昭蕓がすでに公主に封じられ、明日には宸国に向かってしまうとぼやく。「一挙両得の策を考えました、和親を任されているのは宗政無憂です 陛下の命によれば今夜、駅館で昭蕓公主の安全を守るのも宗政無憂の役目だとか…」容楽(ヨウラク)は孫雅璃(ソンアリ)と嫁いでいく昭蕓に会いに行くことにした。常堅(ジョウケン)は傅筹に報告し、今夜の計画に差し障りがあるのではと懸念する。しかし傅筹は全て計画通りに行うよう命じ、容楽には駅館へ行くことを認めた。駅館を警護していた無憂は、中庭でぼんやりしている昭蕓を見つけた。もう明日からはそばにいて守ってやることができなくなる。しかし昭蕓はもう大人だと笑った。「無憂哥哥を追いかけていた子供の頃とは違うわ、北臨の公主の名に恥じぬよう努力する」無憂は昭蕓がもはやわがままで可愛かった少女ではないのだと気づく。すると昭蕓はひとつ頼み事があると言った。「いつか無郁が好きな人を見つけた時、伝えて欲しいの 私にとって無郁は誰より勇敢だった、無郁がいれば少しも寂しくなかったと…」無憂は承諾し、無郁から預かった小さな小箱を渡した。「以前、贈った指輪は生涯、幸せにする誓いの証しだったが、 この指輪は生涯の幸せを祈って贈ると…」そこへちょうど容楽と孫雅璃が訪ねて来た。久しぶりの再会を喜ぶ容楽と昭蕓、その時、雅璃は先に黎王に挨拶しようとして石を踏み、足をひねってしまう。無憂は咄嗟に雅璃を支え、医者に見せた方がいいと部屋まで連れて行った。無憂は部下に医者を呼ぶよう頼み、早々に部屋を出た。そんな無憂の優しさに触れた孫雅璃は、しみじみこれが傅筹だったらと思わずにはいられない。…将軍がこんな風にいたわってくれたら、たとえ妻でなくても満足なのに ←( ゚д゚)へっ?容楽と昭蕓は2人だけで最後の夜を過ごした。「昭蕓…ごめんなさい、力になれなかった」「私のことで自分を責めないでください、私は望んで嫁ぐのです」昭蕓は今まで容楽と無憂が愛し合いつつ別れたことが不思議だったが、無憂が愛しているからこそ離れて見守ると決めたのだと分かったという。そしてこの決断が無理に一緒になるより、いかに勇気が必要なのかも知った。「公主姐姐、無憂哥哥と幸せになって欲しい、でも運命に逆らえぬことも分かります ただ誤解したままなのは残念でしょう?夫婦は無理でも盟友ならなれるはず」「昭蕓…私たちの間にあるのはただの誤解じゃないの」「じぇじぇ!無憂哥哥はあなたを心から愛しているのです」すると昭蕓はまだ幼い頃の無憂の話を教えた。以前の無憂は無郁以上に遊び好きで、素直で明るい少年だったという。しかし7歳の時に雲(ウン)貴妃が亡くなると、陵にこもって命さえ危険な状態となった。それから人が変わったように感情を見せなくなったという。その頃、孫雅璃のもとにようやく医者が現れた。しかし医者が連れてきた従者が痕香(コンコウ)だとは誰も気づいていない。一方、昭蕓は懸命に容楽の誤解を解いていた。「公主姐姐、無憂哥哥が将軍との婚礼に闖入(チンニュウ)して酷いことを言ったのもあなたのためです そのせいで中山(チュウザン)を離れた間は思雲陵に参ることもできなかった それほど愛しているのですよ? ただ心を閉ざして来たせいで、伝え方を知らないだけです」「昭蕓、ありがとう…私たちの未来は分からないけれど、あなたの話を聞けて良かったわ ふふ、今ではあなたの方が公主姐姐より愛を理解しているようね」「あなたと無憂哥哥にはまだ希望がある、約束してください、機会があれば決して逃がさないと」容楽は足を怪我した雅璃の様子を見て来ると言って出て行った。独りになった昭蕓は花嫁用の冠を眺めていたが、誰かが戸を叩く。そこで戸を開けてみると、なぜか容楽が立っていた。「公主姐姐?何か…」しかし容楽は部屋に入って戸を閉めたかと思うと、いきなり昭蕓の首をつかんで締め上げる。実はその頃、本物の容楽は雅璃にお茶を入れていた。すると昭蕓の部屋から物音が聞こえ、容楽たちは驚いて飛び出して行く。「昭蕓?!」容楽と雅璃が昭蕓の部屋へ入ると、驚いたことに容楽と全く同じ容貌の刺客がいた。容楽は自分と瓜二つの顔をした刺客と手合わせになった。騒ぎに気付いた無憂が駆けつけたが、どちらが本当の漫夭(マンヨウ)なのか見分けがつかない。するとひとりは無憂に助けを求め、もうひとりは倒れた昭蕓の元へ駆け寄った。無憂は昭蕓を助けず自分に泣きついた漫夭が偽物だと判断、しかし逃げられてしまう。昭蕓は無事だった。容楽は自分が本物だと安心させると、昭蕓は容楽と全く同じ顔だったと訴える。そこへ無憂が戻ってきた。昭蕓は咄嗟に容楽から賊の話を聞くよう勧め、無憂たちを和解させようとする。すると雅璃も昭蕓の思惑に気づき、自分が付き添っているので外で話すよう促した。(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑ナイスアシスト!中庭に出た容楽と無憂、そこで容楽は賊が変装術で自分に扮していたと訴えた。無憂の話では天仇門(テンキュウモン)の者だという。「最近、そなたの周りでは常に怪しい動きがある、危険にさらされているようだ そなたを残して青州に向かったのは間違いだった」容楽は居たたまれなくなって背を向けて歩き出したが、無憂が引き留めた。「青州ではいろいろなことがあった… 私は都での愛憎を忘れるため青州に向かったが、密命もあった 頻発する反乱の理由を探れと命じられたのだ 反乱の平定は戦場で戦う危険だけでなく、刺客にも備えねばならない 調べによると南境の豪族は反乱軍と結託し、民から搾取している こんな機密を明かすのを不審に思うか?どんなことであろうと隠し事はしたくない 今後は何もかもそなたに明かすつもりだが、何も求めぬ 今が幸せなら将軍夫人であろうと構わぬ」すると無憂は容楽に無隠楼(ムインロウ)を動かせる扇子を差し出す。「ただそなたを守りたいだけだ」容楽はとても受け取れなかったが、そこへちょうど知らせを受けた鎮北王・寧千易(ネイセンイ)が駆けつけた。そこで無憂はその機に乗じ、容楽に扇子を預けてしまう。一方、賊を追っていた冷炎(レイエン)は林の中で偽の容楽に追いついた。しかしそこに覆面の黒衣の男が現れ、賊を連れて逃げてしまう。覆面の男は傅筹だった。傅筹は昭蕓を暗殺して北臨と宸国の結盟を阻止すると同時に警護を任されている無憂も罰せられると企んだが、まさか痕香に台無しにされるとは…。「なぜ容楽に扮したっ!」東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)に到着した傅筹は痕香のお面を剥ぎ取り、激怒した。痕香は証拠なら何もないと反発、傅筹が自分の正体を知られるのが怖いだけだと指摘する。図星だった傅筹は激情に駆られ、思わず痕香の首を絞めた。「警告しておく、容楽を巻き込むな、私に逆らうな…」「ゥッ…あの女を愛しては…駄目よ…」「黙れっ!」傅筹は自分の気持ちを見透かされ、慌てて痕香から手を離した。しかしこれで敵も警戒を強めることになり、傅筹は頭が痛い。すると痕香は皇太子の相手はもう耐えられないと涙ながらに訴えた。「…すまない」傅筹は痕香の自分への気持ちを利用し、うまく丸め込む。「ちゃんと考えている、心配するな、目的を果たしたら必ず東宮から出してやる」痕香は傅筹の優しい言葉にほだされたが、その甘さにすぐ気づいた。「お前は私の腹心だが今日の失敗は許しがたい、罰は免れぬぞ…誰か、懲罰だ」すると密室から鬼面の男たちが現れ、痕香は連行されてしまう。傅筹は昭蕓の輿入れの護衛を命じられた。恐らく宗政無憂が駅館の刺客は自分に関係あると悟って指名したのだろう。傅筹は仕方なく引き受け、常堅に駅館にいる容楽を連れ戻すよう命じた。翌朝、傅筹が駅館に到着すると、無憂は早速、聞きたいことがあると声をかけた。「清涼(セイリョウ)湖で鎮北王を狙う刺客が出現し、昨夜は昭蕓公主が狙われた いずれの賊も和親の阻止が目的のようだ、連中は仲間だと思うか?」「その場にいた黎王殿下ならお分かりなのでは?」「賊は雑魚に過ぎぬが、手口は天仇門のようでもある」牽制された傅筹はしばし無憂とにらみ合いになったが、そこに鎮北王が現れ助かった。つづく( ˘ω˘ )うむ…傅筹はなぜ容楽を駅館に行かせたのだろう?
2020.07.18
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大明风华 Ming Dynasty第20話「棺の中の皇子」永楽帝は孫・朱瞻基(シュセンキ)の婚儀後に遷都すると決めた。そこで胡(コ)尚儀は先遣隊を順天(ジュンテン)に送って準備させるよう女官に指示する。「江南と違い寒い所よ、順天に行きたくない者は残っていいわ ここは大明(ミン)の副都になる、各局で移住希望の有無を早々に確認しなさい」するとそこへ胡善祥(コゼンショウ)が現れた。胡善祥は女官たちが下がると、胡尚儀の前でひざまずいた。「私1人の責任で自分の経歴を作り、誰にも迷惑をかけません …私は姑姑のように頭打ちの人生はご免です」胡尚儀は自分がどれだけ説得しても胡善祥があきらめないと分かっていた。皇太子妃が胡善祥は野望をあきらめない性だと言っていたが、確かにそうらしい。「本当に思ってるの?豪華な衣をその身にまとい、鳳凰を施した冠をかぶれば幸せになれると…」「私のことを思うなら邪魔をしないでください、皇太子妃にも気に入られました」「耳が早いのね…この件には関与しない、帰りなさい」すると胡善祥は立ち上がり、胡尚儀を南三所(ナンサンジョ)送りにはさせないと言った。「将来は私が姑姑の面倒を見ます」一方、尚書房では永楽帝と漢(カン)王・朱高煦(シュコウク)が大げんかになっていた。事の発端は永楽帝が″永楽大典(エイラクタイテン)″の資金が滞っていることに気づき、朱高煦を叱責したことから始まる。しかも監国を任されていた当時、朱高煦は各地の干ばつの奏状に対し、戸部(コブ)に銀子を工面させると記したが、結局、工面できていなかった。すでに山東では黄河の両岸の民が飢餓にあるという。すると疑り深い永楽帝は朱高煦が混乱を複雑にしようとしていると言いがかりをつけ、何を企んでいるのかと迫った。追い詰められた朱高煦は正直に資金繰りが困難だと訴える。「国の年間の収入は7千500万両です! ″永楽大典″の編纂(ヘンサン)に1千500万両、順天の設備と運河の建設も…もう予算はありません! さらに戦にも費用がかかります」「やはり監国失格だな!大典の編纂をやめれば祖先に顔向けできぬ!兵しか育てられなかったとな お前は治国できると妄言を放っただろう?上等だ!だが監国を任せた結果は? なぜ河南、山東に雨が降らぬ?監国のお前のせいだ!」←(^ꇴ^)ちょっとwさすがに父の一方的な言い分に納得できず、朱高煦は思わず膝を崩してふてくされてしまう。その態度に永楽帝は憤怒、皇太子・朱高熾(シュコウシ)と比較して朱高煦を激しく非難した。「大哥は監国を務めた20年間、朝廷に金を求めず、街で家具を売り1万両を工面したぞ!←嘘w だがお前は金をばらまいている! …金の出所は?大哥と違い貧相で険悪な顔をしおって」 ←もはやただの悪口wしかも皇太子の配下には人材が揃っているが朱高煦には武将だけ、主の能力がないと罵った。朱高煦は父の叱責を黙って聞いていた。すると永楽帝は孫の婚儀を延期しているのは朱高煦が改心するのを待っていたからだと告げる。兵の交代の件では責を追求せず、陰で遺児と手を組んでいると知っても耐えて来たが、その結果、自分はこの世で最初の無能で軟弱な皇帝だと卑下した。「大明はお前の手で壊される!あはは!私たちは死後、廟にも入れぬ いっそこと、建文(ケンブン)の子孫の中から誰かを選び、皇位を返すことにしよう 我らは政(マツリゴト)から手を引く…」しかし建文を持ち出された朱高煦はついに堪忍袋の緒が切れ、突然、立ち上がったかと思うと、朝服を脱ぎ捨てた。「その話はうんざりです!皇位を返す?ではなぜ謀反を?! ←確かにw ご自分が忠臣だと?大典の編纂を中止にすれば先祖に面目がない? 謀 反 の 一 族 で す か ら っ ! もともと顔向けできませんよ! ″永楽大典″を奇書として編纂しても、父上が順当な即位とは記されませんんんんん! …皇上は金のことを丸投げしますが、全てまかなうなどとても無理です!」開き直った朱高煦は屋敷で毒酒でも縊死(イシ)でも待つと言い放ち、出て行ってしまう。( ๑≧ꇴ≦)老二www東宮に皇帝が錯乱したと知らせが来た。朱高熾は嘘だと信用しなかったが、そこへ趙(チョウ)王・朱高燧(シュコウスイ)が現れる。「大哥!大哥!二哥が錯乱しました!」「…今日は何の日だ?なぜ2人とも錯乱した?」漢王府では葬儀が行われていた。宦官たちは紙銭をまき、楽坊が弔いの音楽を奏で、王妃や子供たちまで麻の喪服を来て悲しんでいる。朱高熾と朱高燧は呆気にとられながら殿内に入ってみると、朱高煦が棺に見立てた箱の横で鶏の丸焼きにかぶりついていた。そこで2人はひとまず人払いし、静かになったところで朱高煦の元へ行ってみる。しかし朱高煦は供え物をやけ食いしながら、説得しても無駄だと言った。「私は命がけで仕えたが、私の言動を否定し、激しく罵倒したのだ 私を叱責することで自分の威厳を誇示している…もう限界だ」すると朱高煦は自ら箱に入って横になり、聖旨に従い埋めてくれと頼む。朱高熾と朱高燧は出てくるよう説得していたが、その時、総監の鼻涕(ビテイ)が本当に聖旨を伝えにやって来た。鼻涕は箱に寝ている漢王に出てこないつもりか確認した。朱高煦は意地を張って出ないと答えると、仕方なく鼻涕が聖旨を伝える。「″規則に従い、漢王に経を記した布をかけ、葬儀を執り行い、蓋を閉じ、7日後に埋葬せよ″」すると宦官たちが現れ、聖旨通り布をかけて本当に蓋を乗せた。驚いた朱高煦は暴れ出したが時すでに遅く、釘を打たれて閉じ込められてしまう。朱瞻基(シュセンキ)が墓守りの孫若微(ソンジャクビ)を迎えにやって来た。若微は孫愚(ソング)の墓前で叩頭し、別れの挨拶とする。こうして若微はかつて軟禁されていた朱瞻基の部屋に入った。永楽帝から別の屋敷を用意するよう言われたが、朱瞻基は若微が慣れないと思い、ここに連れて来たという。「数日、太子府で我慢してくれるか?」「ずい分、遠慮がちな口ぶりね…藁の小屋よりずっと立派だわ 親切にしてもらって、感謝するのは私の方よ 流浪の民だから宮中の規則を知らない、無礼があったらお許しください」若微は急によそよそしくなり、朱瞻基は孫愚のことで自分に怒っているのだと分かった。そこで全てぶちまけるよう勧め、その代わり皇帝の前では恨みつらみを決して出すなという。「私の命がなくなるからな~ふっ」すると若微は過去なら全て義父と共に土に埋めて来たと言った。渡された経歴も覚え、筋道を立ててきちんと説明できるという。朱瞻基は逆賊だった頃の若微は貴妃や皇太后の風格があったが、いざ宮中に来たらすっかり気弱になったと揶揄した。しかし若微はうっすら笑みを浮かべたまま、心を閉ざしている。「…では太孫との出会いは?」「店の捜索です、一目惚れし、秦淮(シンワイ)河で舟遊びを… 皇上に代わり矢を受け、療養中に心を決めました」若微の答えは確かに完璧だったが、朱瞻基は言葉に真心が感じられないと言った。「皆、私をだましている、君もだまし続ける気か?」「真心?持っていないの」すると朱瞻基が急に若微を抱き寄せる。若微は一瞬、びくっとしたが、その目に怒りを湛えていた。「私の真心は鶏鳴寺であなたと徐浜に殺されたわ! ふっ、あなたの望むものを私は持っていないの…」朱瞻基はかっとして若微に口づけしようとしたが、その冷ややかな視線に耐え切れず、部屋を出て行った。( ๑≧ꇴ≦)チベスナ再び!漢王府では皇帝の聖旨に従い、王妃や宦官たちが棺の前で供養していた。その時、突然、大きな音がする。うとうとしていた王妃たちは驚いて目を覚ますと、朱高煦が箱の横の一部を壊していた。王妃は太監に蓋を開けて欲しいと懇願したが、皇帝の聖旨には逆らえないという。すると朱高煦が王妃を呼び、聖旨に逆らって箱から出たら父の思う壺だと諭した。そこで宦官たちに金を渡して懐柔するよう指示、王妃は直ちに銀子を配り、酒宴の準備もできていると勧める。太監たちはありがたく賂をもらうと、休憩に出て行った。朱高煦は王妃に朱高燧を呼ぶよう命じた。王妃は早速、出かけることにしたが、その時、突然、爆発音が聞こえて来る。「はっ!誰だ!私を呪う気か?!」朱高煦は焦ったが、王妃は笑って花火だと教えた。「落ち着いて、今夜は科挙の首席合格・状元(ジョウゲン)を発表する日よ、じゃあ行くわ」「あーっ、ちょっと来い!」「何かしら?」すると朱高煦は顔を突き出して口づけを要求した。( ๑≧ꇴ≦)老二ったら江浙(コウセツ)会館では科挙の合否を待つ書生たちが集まっていた。そこへついに使者が現れ、浙江(セッコウ)の于謙(ウケン)が合格したと知らせる。しかしなかなか本人が現れず、やがて2人に抱えられて于謙が現れた。于謙は泥酔しているのかふらふらで、合格の聖旨さえ受け取ることができない。「…私は誰だ?」果たしてこんな状態でこれから参内し、皇帝に謁見できるのだろうか。一方、宮中では祝宴が開かれていた。永楽帝は今回の科挙が盛大だったと満足し、監督官たちを労う。「今年は去年よりよい解答が多かった、民心が向上した証しだ 宰相や大学士、国境の策に優れる者まで輩出されるやもしれぬ、これは太子爺の功績である」すると御前に出た朱高熾は、朝廷のための科挙の取り仕切りは皇帝がくれた福だと感謝した。「刻限が来ました、状元を1名、お選びください」永楽帝は筆を手にし、名前を書き始めたが…。朱高燧が漢王府にやって来た。警備で忙しい朱高燧は、何か起これば厳罰が下されると面倒臭そうに言う。朱高煦は自分を助ける気が微塵もないのかとぼやいたが、実は箱の中で考えを巡らせているうち、突然、理解できたと言った。「老三、今日は腹を割って話そうではないか…兵を交代させることを密告したのはお前か?」つづく( ๑≧ꇴ≦)あははは~老二が面白い!
2020.07.18
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大明风华 Ming Dynasty第19話「義父の愛」孫愚(ソング)は朱瞻基(シュセンキ)に孫若微(ソンジャクビ)を託すと決意した。そこで朱瞻基が整えた経歴を若微に渡しに来たが、自分の意思を無視して物事が動いて行くことに若微は反発する。「そもそも太孫は私たちの敵だった人よ?そこに嫁げと言うの?」「私たちは日陰の道を歩いて来た、お前の将来を考えた時、誰に託せば安心できるのかが分からない 徐浜(ジョヒン)はいい奴だ、だがあいつと一緒ではこのままずっと日陰のままだ」すると孫愚は経歴を頭に叩き込むよう言い聞かせた。「身辺をきれいにして皇族に嫁げば…私も安心だ」「…分かったわ、結局、私が邪魔なのね?…私のことは忘れて、どこへでも行けばいいのよ!」「両親が生きていれば同じことを望む、これだけは言っておく 心から想ってくれる人は得がたいものだ、そして大事を成すために力を尽くすが良い これもお前の縁なのだ、太孫殿下はお前に対して愛情を持っている、それが私の救いだ これには3万の遺児たちの希望が懸かっている、分かっているな?」孫愚は部屋に戻ることにした。しかし若微は徐浜だけでなく孫愚にも見捨てられと思い込み、顔を背けたまま無視してしまう。孫愚は扉を閉めるその時まで若微を見つめていたが、結局、若微は顔を見せてくれなかった。孫愚が部屋に戻ると徐浜が待っていた。すると孫愚は机に毒薬の小瓶を置き、これで恩を返し終え、思い残すことはないという。「私が生きていては若微の経歴に齟齬(ソゴ)が生じかねない」孫愚は自分が死ぬことで若微を守ろうと決心し、後のことは全て徐浜に託すことにした。「若微を見守ってくれ、最後まで頼むぞ」徐浜は涙ながらに約束し、孫愚に敬服して拝礼する。一方、若微は孫愚からもらった経歴書を読んでいた。…永城(エイジョウ)県の主簿(シュホ)・孫忠(ソンチュウ)の娘…永楽6年、母・羅(ラ)氏が逝去、その後、叔父・孫愚と共に都で生活するしかし最後におかしな記述がある。…永楽12年、叔父・孫愚が心臓の発作で逝去「心臓の発作で逝去?」孫愚は徐浜を外へ出すと、ついに毒を飲んだ。そして最期の時が来るまで揺り椅子に座り、酒をあおる。その時、若微が物陰からひょっこり顔を出した。『ディエ!』まだ無垢で無邪気だった頃の幼い若微、すると急に若微が駆け寄り、孫愚の手を握りしめる。孫愚は戸惑いながらも若微に手を引かれて歩き出し、そのまま旅立った。経歴を見た若微は慌てて部屋を飛び出した。すると中庭で徐浜が呆然とたちすくんでいる。若微は嫌な予感がして父の部屋へ急いだが、徐浜が邪魔した。「静かに逝かせてやれ!」しかし若微は徐浜の腕を振り解き、部屋の扉を開けてしまう。そこにはうっすら笑みを浮かべたまま息絶えている孫愚の姿があった。若微と徐浜は鶏鳴(ケイメイ)寺で孫愚を埋葬し、弔った。そこへ突然、聶興(ジョウキョウ)が駆けつける。聶興はこのまま若微が騙されて宮中へ送られるのを見過ごすことができず、助けに来たのだ。しかし徐浜が阻止、孫愚は大いなる目的のために命を絶ったが、そんな事も理解できない聶興に話はないという。若微はまたしても自分の意思をよそに口論を始めた2人に呆れ果てた。「父は私を連れて10年も放浪してきた…ここへ来てやっと私を託す相手を見つけ、死ねると思ったの あなたたちは私をそこまで思ってる?」「遺児たちを救うためなら私は死ねる、できることなら1人で重責を負うお前の代わりになりたい ルォウェイ、お前が愛おしい…だが私には愛する資格がない! かつて我々は遺児たちを救うため力を尽くすと誓った 今ここで一緒に逃げれば、それが果たせない…」「うまい言い訳だ、ルォウェイ!俺と行こう!徐浜に騙されるな、敵に嫁いでいいのか?」すると若微は父のそばにいながら助けなかった徐浜を責めた。目的のためなら人の命を犠牲にしても良いのか。「習わしでは親の死後、麻の服を着て3年間は墓を守る… 3年は無理だけど3ヶ月なら私にも許される 3ヶ月経ったら過去の恨みを捨てて入内(ジュダイ)する…すべてを忘れ去り、喜んで嫁ぐわ!」そして聶興にも復讐の人生は選ばないと訴え、死んでも断ると言い放った。「私は誰の考えにも染まらない!自分の道を自分の足で歩くの!」↓( ゚д゚)ポカーン…その夜、若微は墓の近くに建てられた藁の小屋でひとり横になった。「父上、母上、ひとりなってしまった…とうとう…」実は鶏鳴寺の山は無数の錦衣衛が警護していた。一方、宮中では皇太孫の婚儀の準備が進められていた。胡(コ)尚儀は東宮を訪ね、皇太子妃・張妍(チョウケン)に必要な品目を伝えていたが、そんな2人をよそに皇太子・朱高熾(シュコウシ)は義弟・張克倹(チョウコクケン)を追いかけ回している。張妍は胡尚儀の前で弟が叱られ、恥ずかしくなって自分の寝所に移動した。朱高熾は駆け回ったせいで息が上がり、中庭で座り込んだ。すると張克倹が茶を差し出し、庶民の自分を相手に怒るのはみっともないという。「私の金はどうした?きちんと説明してくれ!でないと姉さんに言い付けるぞ?」「姉は義兄を助けるつもりで私に商売をさせたのです 金があれば配下に褒美も出せるし、将来、皇帝になった時、困らずに済みます」「克倹っ!つまり私のためを思ってやったと?! 数年分の俸禄が消えたのだ!きれい事を言われてもだまされないぞ?」張克倹の話では皇帝が戦をするので馬の需要があると踏み、友人と金を出し合ってオイラト人から150頭の馬を買ったが、金だけ取られて馬は持ち逃げされてしまったという。「おい!陛下が戦をするなどと誰が言った?!」「木炭や火薬を扱う商人が増えています、戦が近いのは明白ですよ~」「…いいから金を返せ!分かっているのか?長年かけて地道に貯めた金なのに…!ったくもう!」そこで張克倹は損失を埋め合わせするため、売買が禁止されている銅を仕入れると言い出した。皇太子が″軍需品である″と一筆書いてくれれば誰に咎められることもなく、しかも銅山を管理するのが皇太子府の属官だと知っている。呆れた朱高熾は銅山や硬貨の鋳型(イガタ)を与えるから自分で金を造れと言った。「それはすごい!硬貨の造り放題だ!もはや私たちに勝てる者はいないでしょう」「他にもできるぞ?自分で元号を定めるもよし、兵や馬を集めるもよし… 金、兵、馬があればもはや朝廷も同然だ~」「何だか申し訳ないな~」「皇帝になったつもりかっ!」朱高熾は嫌味を真に受ける張克倹に激怒し、追い返した。胡尚儀は婚儀にかかる衣装から料理まで全て説明し、最後に目録を皇太子妃に渡した。しかし張妍は先立つ物がなく頭が痛い。費用は275万7000両、他にも太監や宮女への心づけが別途かかり、さらに尚儀局・尚食局・尚服局へ出す恩賞もある。そして内々の宴席の開催、妃たちへ贈る装身具も必要だ。また朱瞻基が東宮を出ることになるため、新しい屋敷まで準備しなくてはならない。胡尚儀はここまで切り詰めるのに時間をかけたと伝え、庶民でさえ何とか工面するものだと諭した。「これはまだほんの始まりであり、太孫の正式な冊封も控えております」「それは朝廷の負担よね?…太子が婚儀の費用を出せると思う? 出したら出したで2皇子と3皇子から嫌みを言われるわ ″軍費は出し渋ったのに婚儀は贅沢三昧だ″とね、かと言って地味な婚儀では恥をかく」「…ここは思い切って決断され、お進めください」張妍は恨めしい目で胡尚儀を見たが、胡尚儀は話を変えた。「ところでお気に召した秀女はおりますか?」張妍はなかなか見つからないと嘆き、ふいに胡善祥(コゼンショウ)はどうかと聞いた。息子の嫁は自分との相性が大事、自分を支え、良き話し相手でいるべきだという。驚愕した胡尚儀はみるみ顔色が変わり、急にその場にひざまずいた。「後宮と言えば皇帝の花園、故郷を離れた妙齢の女子たちが閉じ込められる場所… 皇上の寵愛を受けようと皆が競い合い、苦しみに明け暮れる あの子はまだ何も分からぬ子供です…ウッ…どうかお許しを」張妍は尚儀らしからぬ不敬発言に呆れ、胡善祥が今の言葉を知れば恨まれるはずだと言った。すると胡尚儀は涙ながらに訴える。「私はもう十分に苦労し、借金も返した、しかし今、あの子が弱みになった… あの子を守れるなら、いかに恨まれようと本望です」「…長年のよしみに免じて今の言葉は忘れるわ、胡善祥の運命は天が決めるでしょう あの子が誠実かどうかだけ答えて」「…とても誠実です」「賢い?」「賢い子です…」胡善祥は心眉(シンビ)から婚儀に関する装飾品の目録を受け取った。しかし秀女の選定も終わっていないうちから、冠を作り始めると知る。心眉の話では金糸を編んで象眼を施すのに半年以上かかるため、後ろの結び目を残し、あとで大きさを調整するという。「でもある程度、寸法を決めないと…」「実はあなたの寸法で作製を…」心眉は胡善祥を喜ばせるつもりだったが、胡善祥は皇太子妃に知られたら誤解を招くと叱った。驚いた心眉は恐縮すると、胡善祥はすぐ態度を軟化させる。「今でもあなたは私の友人よ?そんなに怖がらないで…他には?」「…実は太子妃に尚儀大人(ダーレン)があなたを秀女にしないよう頼んだそうよ?」すると胡善祥はその情報を報告した女官に褒美として衣と装飾品を渡すことにした。「今後も情報を頼むわ…他には?」「妙な祝いの品が届いてるの」その豪華な装飾品の贈り主は漢(カン)王だった。張妍が婚儀の目録を持って書斎にやって来た。すると朱高熾は義弟への不満をぶちまける。「私を陥れる気か?!″皇上が戦を始める″と弟が言ってたぞ? しかも外で言いふらしている!これがどれだけ危険なことか?! 老二に知られたら、私が朝廷の機密を漏らしたと言われかねない! 雲南の銅山にいるのがうちの属官だということも知っていた、お前が教えたのだろう? 銅は禁制品ゆえ売買は許されない…ったく、お前の弟は疫病神だ!」張妍は言い返す気力もなく拝礼して謝罪すると、驚いた朱高熾はそこまでされると何も言えないと笑った。そこで張妍は頭痛の種である婚儀の目録を渡し、承認してくれるなら弟を木に吊るしてお仕置きしてやるという。しかし″275万7000両″と見た朱高熾は言葉を失った。張妍は自分と胡尚儀がつぶさに検討して削れるものは削ったと説明し、他に削れる部分を見つけたら師匠と呼ぶという。「いくら何でもこれは痛い…」「痛いのはあなたより私の方よ!弟の商売に嫁入り道具までつぎ込んだ!装飾品をすっかり失ったわ! あなたのためにお金を作るつもりが、とんだ大損よ!私だって辛いの!」張妍からまくし立てられた朱高熾は工面する方法を考えるとなだめたが、くれぐれも弟に銅の取り引きなどさせるなと釘を刺しておいた。つづく(´-ω-`)うむ…
2020.07.17
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白发 Princess Silver第24話「駆け落ち」御花園で開かれた鎮北(チンホク)王・寧千易(ネイセンイ)のお妃選び。宝探しを終えて殿内に集まった皇族の娘たちの中には昭蕓(ショウグン)郡主の姿があった。すると皇后が鎮北王を連れて現れる。鎮北王は早速、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)と一緒にいる昭蕓を見つけ、2人の元にやって来た。寧千易は自分の宝物を見つけたのが昭蕓だと発表した。箱の中には宸国の最高権力を示すと言う馬鞭(バベン)が入っているという。「君に贈ろう」昭蕓はついに無郁への贈り物を手に入れたが、話はそれだけで終わらなかった。「どうか私の王妃になって欲しい」ちょうどその言葉を偏殿から戻った黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)も聞いていた。皇后の話では宝探しは鎮北王の提案で、自分の宝を見つけた幸運な娘を王妃にすると申し出があったという。無郁は謀られたと気づき、腕節で勝負をつけようとした。しかし無憂が駆けつけ、まずは父に掛け合おうとなだめる。無郁は昭蕓に安心して待つよう伝え、慌てて出て行ったが…。北臨(ホクリン)帝は御書房で范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)と尉(イ)国への親征ついて相談していた。そこへ先触れもなく、いきなり無郁と無憂がやって来る。すると無郁が唐突に宸国との縁談を反対し、昭蕓が好きだと訴えた。実は鎮北王が昭蕓郡主に求婚したという。しかし北臨帝は宸国の支援と引き換えに好きな妃を選ぶよう認めた手前、鎮北王が昭蕓を選んだからと言って前言を覆すことはできないと言った。范陽王はならば昭蕓が陳王の許嫁だと告知したらどうかと提案する。その時、鎮北王の侍衛・厲武(レイブ)が駆けつけ、鎮北王は昭蕓郡主を選んだと報告した。婚姻が決まったので約束通り良馬を贈るが、もし反故にするなら鎮北王は直ちに帰国するという。無郁は父の答えを固唾をのんで見守ったが、北臨帝は約束を取り消すつもりはないと断言した。「昭蕓郡主を公主に封じ、2日後、宸国へ嫁がせる」厲武が下がると、無郁は父の無情な決断に激昂した。しかし北臨帝はそもそも昭蕓との仲を早く言わなかった無郁の責任だと指摘する。←( ˘ω˘ )確かに昭蕓を奪われた無郁は自暴自棄になり、父に向かって暴言を吐いた。「私の幸せを第一に考えてくれる父親が欲しかった… 権力や利益を優先する陛下のような父親ではなく!」驚いた無憂は口が過ぎるとたしなめたが、無郁の怒りの矛先は無憂にも向けられる。「七哥、冷静なあなたでも漫夭(マンヨウ)の輿入れを阻めなかった… 婚姻による同盟に反対だと言いますが、この風習は数百年も続いている! 今さら変えろと言っても無駄なのです!」北臨帝は出征前に兄弟喧嘩をしている場合かと叱ったが、無郁の怒りは治らなかった。「父皇、あなたも若かりし頃があった、雲(ウン)貴妃に何をしたかお忘れですか?!」すると無郁は出て行ってしまう。北臨帝は苛立ちを隠せず、ともかく無郁が何かしでかす前に連れ戻せと命じた。無郁は宮中を飛び出し、昭侯府を訪ねた。すると叔父の後添いだという女が対応し、役立たずの昭蕓ならいないという。「郡主がいるのは栄誉だと言われるけど、ただの穀潰しよ、ろくに家事もできないんだから」激怒した無郁は門衛と小競り合いになったが、そこへ無憂が駆けつけ止めた。その時、騒ぎに気づいた昭蕓の叔父が現れる。「(O_O)あっ!黎王殿下、陳王殿下にご挨拶を!」昭侯は2人の皇子に気づいてひざまずくと、後添いと門衛も慌てて謝罪した。そこで無憂は今後、昭蕓を自分の妹とすると伝え、虐げるようなことがあれば容赦しないと釘を刺して帰ることにする。「私は明日、寧千易を訪ねる、お前は昭蕓を探せ」「七兄…御書房で言ったことは忘れてください」無憂は気にしていないと笑顔を見せ、まだ解決の余地があると励ました。一方、将軍府でも容楽(ヨウラク)が泠月(レイゲツ)から鎮北王が昭蕓を王妃に選んだと聞いていた。容楽は宝物が昭蕓が予想した通り鞭だったと知って驚いたが、宸国に嫁がせるわけにはいかない。しかしそこに傅筹(フチュウ)が現れた。傅筹は郡主の婚姻なら朝廷でも正式に宣告されたと伝え、もし西啓の長公主が口を挟めば妨害と受け取られると警告する。「鎮北王の婚姻の件には関わるな」その頃、昭蕓は攏月(ロウゲツ)楼に隠れていた。沈魚(チンギョ)は夜も更けたので公主は来ないと伝え、良ければ自分に悩みを打ち明けてくれという。実は沈魚にも愛する人がいて両親がいないと聞いた昭蕓は、思わぬ共通点に親近感を持った。「私は今、好きな人に会いたいの!この気持ちが分かるわよね?」「良く分かります、私も長らく想い人に会えていません 中山(チュウザン)に来たと知りつつ、会うのが怖いのです… ←ってえ?そうなの?( ゚д゚) なぜなら…私は…」沈魚は口ごもると、昭蕓のために琴を弾くと言ってごまかした。翌朝、無憂は南城(ナンジョウ)駅館に鎮北王を訪ねたが、寧千易は留守だった。門衛の話では″大事な人の墓参りに行った″と黎王に言づてがあったという。すると無憂は攏月楼で鎮北王が母と先師が尽力した養民(ヨウミン)変法に興味があると話していたことを思い出し、思雲陵(シウンリョウ)にいると分かった。寧千易が参拝していると、予想通り黎王がやって来た。黎王が昭蕓を諦めるよう説得に来たことは承知していたが、愛する人に出会えたら必ず幸せにすると心に誓いを立てている。「ようやく出会えたのだ、諦めたくない」←( ๑≧ꇴ≦)イヤイヤイヤ~愛するの早すぎw寧千易は酒を酌み交わしながら腹を割って話したいと希望したが、無憂は酒を飲まないと誓っているという。そこで杯の酒をこぼした方が相手の要望を聞くのはどうかと提案した。「ただ鎮北王が負けても私は何も強要しない、意見を聞いて欲しいだけだ」無憂と寧千易の手合わせが始まった。2人の攻防が続いたが、結局、寧千易が杯の酒をこぼしてしまう。すると無憂は自分の酒を母に捧げてから、昭蕓の幸せを望むなら本人の意思を聞くべきだと言った。寧千易は実は昭蕓の心に別の者がいると知っていたが、幸せそうに見えないと訴える。「諦めたくないのだ、私は黎王と同じ轍(テツ)を踏みたくない 愛する人が陥れられるのを傍観していたと聞いた ←(∩゚д゚)アーアー 聞こえなーい まさか身を引くことで幸せにできたと?」「意地を貫けば相手を幸せにできるのか?」無憂は自分が婚儀に乗り込んで花嫁を連れ出し、思雲陵で三日三晩も立てこもったと教えた。その時は愛し合っていれば何事も乗り越えられると思っていたという。「だが離れたのは…自分がたちが原因だったと後で気づいた」確かに後悔したが、それは愛する者が別の男に嫁いだからではない。自分が真心で接しなかったことだ。「私は愛する者を欺き、利用した…それは深い傷となり、今でも消えない」「私は欺いたり利用などしていない、ずっと真心で接している」←ずっとって…えっ?( ゚ェ゚)「ではなぜ独断で決める?昭蕓の意思を尊重すべきでは?」沈魚は昭蕓に噂では鎮北王は寛容で徳があり、将来の君主と目されていると話した。何より妃になれば権力と地位を得られる。しかし昭蕓にとっては必要のないものだった。沈魚はならば陳王と駆け落ちするしかないと言ったが、その代わり代償を伴うという。富や権力、地位を犠牲にするだけでなく、命の危険にも晒されるだろう。思わぬ選択を突きつけられた昭蕓、するとついに無郁が現れた。( ๑≧ꇴ≦)沈魚、あやしいーっ!w無憂は鎮北王を連れて攏月楼にやって来た。しかし一足先に到着していた冷炎(レイエン)が2人は逃亡したと報告、郡主の書き置きと宝箱を差し出す。…無憂哥哥、決めたわ、さようなら…驚いた鎮北王が宝箱を開けると、馬鞭と一緒に文が入っていた。…想い人がいます、お許しください…寧千易は陳王の浅はかな行動に憤慨、北臨帝に謁見すると決める。「黎王、あなたは昭蕓の意思を尊重すると言ったが、その機会は最初からなかったようだ 私が選んだ妃は別の男と逃げた、どうやら私も意地を貫くしかないな」「他の男と逃げたのなら意思は明らかだ、受け入れて欲しい」←(*゚▽゚)*。_。)ウン「相手の名誉すら顧みぬ粗忽(ソコツ)な者が昭蕓を幸せにできると?」←(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン無郁は取るものも取り敢えず昭蕓を連れて逃げ出した。鎮北王の訴えを聞いた北臨帝は憤怒、傅筹に2人を連れ戻すよう命じてしまう。そこで無憂は父を訪ね、自分が2人を迎えに行くと申し出た。傅筹は裏で西啓と結託しており、無郁と昭蕓が傅筹に捕まれば命の危険があるという。しかし傅筹を指名したのは北臨帝ではなく、鎮北王だった。無憂は鎮北王に足元を見られているとことを懸念し、実は青州で流民に土地を与え、自給自足をさせながら兵の訓練を行っていると報告する。「時間をくだされば馬の問題も解決してみせます」北臨帝は親征を延期できないが、宸国を牽制するためにその情報を鎮北王に知らせても構わないと認めた。「朕には別の手立てがあると分からせよう…無郁には申し訳ない 父親なら誰でも子供の幸せを願っておる、朕は国の主ながら息子も幸せにすることができぬ…」父の葛藤を知った無憂は、自分が必ず丸く収めると安心させた。駆け落ちした無郁と昭蕓は川沿いの林で暖を取っていた。しかし勢いで飛び出したせいで銀子も食料もない。無郁はたまたま死んでいた魚を取って焼いたが、昭蕓は逃げ延びることができたとしても庶民になってしまうと言った。「王府の栄華や富を失うけど後悔しない?」「高貴な身分など必要ないさ~これからは2人で生きる」無郁は昭蕓の指に誓いの指輪をはめたが、その時、突然、矢が飛んで来た。無憂と昭蕓は慌てて走って逃げた。しかしあっけなく兵士たちに包囲されてしまう。そこへ傅筹が現れた。「陳王殿下、昭蕓郡主は宸国へ嫁ぐことになりました、皇宮に連れ戻します」「死んでも昭蕓を渡すものか!」傅筹は陳王が勅命に逆らって逃げようとしたことを利用し、斬りかかった。足を斬られた無郁は立ち上がれず、その時、傅筹が剣を振り上げて飛びかかかって来る。しかし危機一髪のところで無憂が現れ、傅筹を阻止した。無憂は無郁と昭蕓にひとまず皇宮へ帰るよう説得した。しかし無郁は七兄と漫夭の悲劇を繰り返したくないと拒否、再び逃亡を図ろうとする。傅筹はまさに好機だと剣を構えたが、無憂が立ちはだかった。思いがけず一騎討ちとなった因縁の2人、その時、無郁が昭蕓をかばって胸に矢が刺さってしまう。すると昭蕓は無郁の命より大事な物などないことに気づき、皇宮に戻ると決めた。無憂は父に昭蕓郡主を無事に連れ戻したと報告した。しかし無郁は負傷し、許しを請うため外でひざまずいているという。驚いた北臨帝は無傷で連れ戻せと命じたはずだと憤慨したが、傅筹は陳王がひどく抵抗したので配下が手荒な真似をしたと釈明した。すると昭蕓は自ら宸国に嫁ぐという。「無憂哥哥、私が嫁げば民はもちろん無憂哥哥や無郁、公主姐姐が幸せに暮らせるのでしょう? だったら思い残すことはありません」つづく(TㅅT)ああ…昭蕓…昭蕓の言葉、聞いてたか?!傅筹💢まあ〜でも鎮北王に嫁いだ方が最終的には正解かも?w
2020.07.16
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白发 Princess Silver第23話「御花園の罠」皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)に呼ばれて東宮を訪ねた傅筹(フチュウ)。痕香(コンコウ)は容楽(ヨウラク)に心を奪われた傅筹に苛立ちを隠せず、つい深酒してしまう。「香夫人は酒を過ごされたようですね?」傅筹がそれとなくたしなめると、憤慨した痕香は将軍夫人に挨拶に行くと言い出した。驚いた傅筹は咄嗟に自分が案内すると席を立ったが、皇太子から国の大事を話し合うと止められてしまう。一方、容楽(ヨウラク)も鎮北(チンホク)王・寧千易(ネイセンイ)からもらった酒で珍しく深酔いしていた。様子を見に来た泠月(レイゲツ)は公主が木彫りの人形を手にしていることに気づき、しまっておくよう諌める。「将軍が見たら喧嘩になりますから…」泠月は人形を取り上げようとしたが、容楽は怒って渡さなかった。↓ついに全貌が明らかに!w「私の心を管理しようなんて無理よ~私にも手に負えないんだからっ!」その時、突然、痕香が現れる。「だったらなぜ将軍府に留まっているの?!出て行ってよ!」泠月は酔った2人に手がつけられず、慌てて将軍に知らせに向かった。痕香は傅筹の心を独占しながら他の男を想っている容楽に激怒し、容楽が大事にしている人形を奪い取って床に投げつけた。すると木彫りの人形が真っ二つに割れてしまう。「なぜ壊すの?!愛することも嫁ぐこともできず、会うことも叶わない… 想うくらいいいでしょう?!」「将軍の妻なら他の男は忘れなさいよ!」「ならあなたはどうなのよ!」「私はやむを得ず太子に嫁いだの!」「私もよ、自分で選んだ人ではないわ、替え玉のあなたが選んだんじゃない! 将軍を愛しているなら、なぜ嫁がなかったの?!」「嫁ぎたかったわ!幼い頃からずっと好きだったのよ、嫁ぎたかった… そばにいたいから自ら望んで犠牲となり、太子に嫁いだの!」「将軍府のどこがいいの?監獄のようで息が詰まりそうよ!ずっと見張られてる 私が何をしたって言うの?私は妻じゃない、将軍の手駒でしかないわ でも私が責めると悲しげな顔をするから…だからチベスナ顔するしかないの!」←( ๑≧ꇴ≦)え?すると痕香は自分たちが同類だと知り、容楽に親近感が湧いた。一方、容楽もなぜか痕香には本音をぶちまけられると気づき、親しみを覚える。「私は自分が誰か、家がどこかも分からない、家族の居場所も…ゥッ…」「そうね…私の家はどこ?家族は?どこにいるの?…ゥッ…」2人は自然と抱き合い、そのまま泣き始めた。皇太子の″国の大事″とは鎮北王の相手探しだった。自分と懇意の皇族の娘から将軍に良い娘を選んでもらい、明日の皇后の宴に紛れ込ませたいという。しかも妃候補だけでなく、宗政無憂(ソウセイムユウ)のためにもお膳立てしたと自慢した。「再起できぬよう叩き潰してやる!」しかしなぜか何をするのか傅筹には教えてくれない。すると皇太子は正妃の家族が来ているため、今晩だけ痕香を将軍府に泊めて欲しいと頼んだ。困惑する傅筹だが、その時、泠月が現れる。「将軍、大変です!公主と香夫人が喧嘩を!」傅筹と皇太子は慌てて将軍府に駆けつけた。しかし静謐(セイヒツ)園では酔いつぶれた容楽と痕香が仲良く寝台で寝ている。皇太子は安心し、痕香を隠したい時はまた連れて来ると笑った。翌日、皇后は花見という名目で御花園に皇族の娘たちを集めた。しかも今回は特別な催しとして宝探しがあるという。それは鎮北王が宸(シン)国からはるばる持って来た宝だった。見つけた者が宝をもらえると聞いた昭蕓(ショウウン)郡主は俄然やる気を出し、容楽に宝探しを手伝って欲しいと頼む。宸国では汗血馬が貴重なため、宝は恐らく馬具だろう。昭蕓は馬術が好きな陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)に贈りたいと説明し、2人の出会いのきっかけも馬だったと教えた。しかしそこへ孫雅璃(ソンアリ)が現れる。昭蕓は雅璃も無憂のために宝を取りに来たのかと敵視したが、雅璃の目的は容楽だった。容楽は雅璃が自分に用事があると気づき、昭蕓をひとりで宝探しに行かせた。すると雅璃は実は茶道を教えて欲しいという。容楽は快く将軍府に招待し、雅璃はこれで傅筹に会える機会を得た。その時、雅璃は偶然、皇太子が侍女に何やら命じている様子を見かける。興味はなかったが、なぜかその侍女が容楽の元へやって来た。「将軍夫人、皇后娘娘(ニャンニャン)がお呼びです」容楽は侍女について行ったが、雅璃は皇后の侍女と皇太子が何を話していたのか気になった。侍女は容楽を偏殿へ案内すると、香を焚き、間もなく皇后が来ると伝えた。すると侍女は容楽の衣にわざとお茶をこぼし、着替えを持ってくるので隣の浴室で待つよう勧める。容楽は早速、浴室で汚れた外衣を脱いだが、急に頭がくらくらして来た。無郁は無憂と御花園を散策しながら、昭蕓への贈り物は何がいいか相談していた。するとうっかり昭蕓からもらった木彫りの人形を落としてしまう。その人形を拾ったのは寧千易だった。無郁はすぐ気づいて返して欲しいと言ったが、なぜか寧千易は陳王の物だという証拠はないと拒む。2人は人形の取り合いとなり、咄嗟に無憂が人形を奪って無郁に返してやった。「鎮北王、これは本当に九弟のものだ」「ふん、実は最初から知っていた」寧千易は腕が鈍っていたので陳王と手合わせしたかっただけだとごまかす。そこへ侍女がやって来た。「黎王殿下、皇后娘娘がお呼びです」侍女に偏殿へ案内された無憂、しかし殿内の様子がどこかおかしい。見回してみると、どうやら隣の浴室に誰かが倒れているのが見えた。無憂は様子を見に行ってみたが、倒れているのが容楽だと気づく。「漫夭(マンヨウ)!どうした?!」驚いて駆け寄る無憂、すると容楽は潤んだ目で無憂を愛おしそうに見つめ、肩に手を回した。ともかく無憂は容楽を抱き上げて出て行くことにしたが、扉には外から錠が掛かっている。すると2人は媚薬の仕込まれた香のせいでうっとり見つめ合い、自然と身体を寄せ合って…。その頃、ひとりで散策していた雅璃は偶然、皇太子とぶつかった。皇太子は美しい雅璃を見て思わず手を握りしめると、ちょうど傅筹が現れ、雅璃を助けてくれる。その時、侍女が駆けつけ、皇太子に準備が整ったと報告した。喜んだ皇太子は招待客たちに面白いものを見せると声をかけ、偏殿へ向かう。傅筹はふと皇太子が宗政無憂にもお膳立てしたと話していたことを思い出し、嫌な予感がした。すると雅璃が今の侍女は夫人も連れて行ったと教える。傅筹は皇太子の下劣な計画に気づき、慌てて皇太子を追いかけた。皇太子は容楽と無憂の私通現場を取り押さえようと偏殿に乗り込んだ。しかし寝所に2人の姿はない。侍女はまだ浴室があると進言したが、傅筹が慌てて皇太子を止めた。浴室に押し入って妻しかいなければ、皇太子の品性が疑われることになるという。「陛下が香夫人の件でお怒りになったばかり、火に油を注ぐのですか?」「父上に誤解されても構わん!不届きものを許すわけにはいかない!」引っ込みがつかない皇太子は梃子でも動こうとしなかった。そこで傅筹は自分が中に入って確認すると提案、他の者がいれば容赦しないという。「うむ、夫が現場を押さえた方が面白い!私はここで待とう!」←( ๑≧ꇴ≦)太子www傅筹が浴室に入ると、容楽はひとりで湯船に入っていた。しかし誰より傅筹がそのからくりを知っている。傅筹は恐る恐る湯船のふたを一枚ずらしてみると、案の定、そこには潜って隠れている無憂の姿があった。↓ぶくぶく無憂.oO…やめて、お願い…容楽は声にならない声で傅筹に訴える。すると傅筹は黙ってふたを戻し、悲しみと怒りを必死にこらえながら、嘘をつくしかなかった。「湯船に落ちたのか?濡れたままでは風邪を引く、私の衣を羽織れ 外で待っているから一緒に帰ろう」傅筹は浴室にいたのは妻だけだったと嘘をついた。納得がいかない皇太子は自分の目で確かめると言ったが、傅筹が咄嗟に耳元で囁く。「殿下は官職売買の件で余(ヨ)家親子を殺して口封じ、黎王に刺客を送った上、媚薬を盛った 陛下に知られたらどうなるでしょう?」皇太子は仕方なく引き下がり、侍女は嘘をついたとして収監されてしまう。皇太子たちが偏殿をあとにすると、雅璃は夫人の着替えを手伝うと申し出た。しかし傅筹は珍しく狼狽し、我が家の問題は自分たちで解決すると断る。…まさか公主は本当によその殿方と?そこまで許すなんて…雅璃は傅筹の気持ちを察して慌てて下がると、傅筹も外へ出て扉を閉めた。そこで常堅(ジョウケン)に容楽を任せることにする。「今後はお前が項影(コウエイ)の務めを果たせ、夫人が出て来たら将軍府へ」( ๑≧ꇴ≦)えーっ!項影どこ行った?!そして常堅←New!湯船に潜っていた無憂はようやく顔を出した。「ぷはーっ!」「大丈夫?」「平気だ…」媚薬で惑わされながらも理性を保ち、過ちは犯さなかった無憂…。あの時、無憂は漫夭を連れて浴室へ戻り、香を捨ててから左手を湯に浸けた。侍医から水に濡らすなと注意されていたが、無憂は激痛のおかげで我を取り戻すことに成功する。「早く行け…」無憂は漫夭を急かしたが、いざ漫夭が傅筹の衣を持って出て行くと、何とも切なくなってしまう。偏殿を出た容楽は常堅の馬車で帰って行った。すると傅筹は偏殿へ戻り、ちょうど浴室から出て来た無憂を殴ってしまう。「私の妻に近づかぬよう…」「夫人をしっかり守るんだな」一方、昭蕓は宝物探しに熱中していた。すると突然、無郁が現れ、宝物なら見つけたと嘘をついて手作りの指輪を贈る。昭蕓は騙されたと激怒、遊んでいる暇はないと焦って再び宝探しに戻った。寧千易は初めから宝物を昭蕓に渡すつもりだった。そこで鎮北王の侍衛・厲武(レイブ)は昭蕓の目の前にわざわざ宝箱を投げてやる。昭蕓はまた無郁がふざけているのかと思ったが、宝箱の中には鞭が入っていた。「天から降って来たわ!」← (O_O)さすがにこれは…つづく(^ꇴ^)傅筹将軍の『嫌な予感シリーズ』
2020.07.15
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白发 Princess Silver第22話「和親同盟の真意」容楽(ヨウラク)は傅筹(フチュウ)に利用されたと知り、不信感を募らせた。傅筹は黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)を許したように自分も許して欲しいと訴えたが、容楽はどうせまた自分を利用するのだろうと冷たい。「出て行って、1人になりたいの…」しかし容楽は酷い頭痛に襲われ、そのまま倒れてしまう。その頃、再会を果たした陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)と昭蕓(ショウウン)郡主は黎王府の中庭て幸せな時間を過ごしていた。「今日、助けに来た無憂哥哥は見たことがないほど動揺していたわ 今も公主姐姐を思っているのね」その時、ちょうど宮中から帰って来た無憂が2人の会話を耳にする。「2人の間には誤解があるのよ、無憂哥哥の帰京を聞いて公主姐姐の顔色が変わったの 今も忘れていないのよ、想い合う2人が離れ離れなんて悲しすぎるわ…」すると昭蕓はせっかく心が通じ合っても一緒になれないなら、出会わない方が幸せだという。無郁は自分たちは絶対にそうならないと安心させ、共に白髪が生えるまで一緒だと誓った。蕭煞はまだ足を引きずっている泠月(レイゲツ)にこっそり薬を差し入れた。公主の薬を煎じていた泠月は薬瓶に気づき、蕭煞が置いて行ったと察する。一方、傅筹は容楽の傍らに付き添い、いつ目を覚ますとも分からない不安に襲われていた。「容楽?これは君が与えた罰か、それとも天罰か?…こんな罰は耐え難い 君が目覚めるなら、私を愛さぬのも、ここを離れるのも君の自由だ 恨まれようと私は構わぬ、目を覚ましてくれ…」容楽の手を握りしめ、うなだれる傅筹、その時、容楽がわずかに頭を動かしたが、傅筹は見逃した。その時、容楽は再び秦(シン)家の旧宅の夢を見ていた。…回廊で遊ぶ2人の姉妹…2人は一緒に板石に水をかけて密室の鍵を開けている…『文王は上にありて天に昭かなり、周は旧きに邦なれど命は新たなり』…母の後に続いて暗唱する姉妹「はっ!」「容楽、気がついたか?!」ようやく目を開けた容楽だったが、傅筹の顔を見るなり嫌悪感をあらわにした。傅筹は刺激を与えないよう引き上げることにしたが、ちょうど入れ違いで侍女が食事を運んで来る。すると侍女は将軍が三日三晩、飲まず食わずで夫人を看病していたと容楽に教えた。沈魚(チンギョ)は容楽が倒れたと知って見舞いにやって来た。容楽はもう大丈夫だと安心させたが、もはや身を置く場所がなくなったと嘆く。「私は家なしよ…」しかし沈魚は思い出せないだけだと励ました。「そうだ、また秦家の旧宅の夢を見たわ、前よりも鮮明だった」「もう一度、訪れてみれば何か思い出すかも?」( ˘ω˘ )うーん、いちいち怪しいわ~沈魚その夜、容楽は覆面に黒衣姿で秦家の旧宅に忍び込んだ。すると偶然にも覆面で顔を隠した黒衣の侵入者を見つける。驚いたことにその曲者は鍵を開け、密室に入って行った。容楽は曲者の正体を暴こうと密室に入ったが、隠れていた曲者に襲われてしまう。容楽と曲者は密室で手合わせになった。激しい攻防が続いたが、やがて容楽がついに曲者の覆面を外すことに成功する。しかし背を向けていた曲者はそのまま逃走、容楽は結局、顔を見ることができなかった。実はその曲者は痕香(コンコウ)だった。思いがけず侵入者と鉢合わせした痕香だったが、無事に太子府に戻る。そこには何も知らずにぐっすり眠っている皇太子の姿があった。…あれは何者なの?傅筹は容楽が去ってしまったと思い、静謐(セイヒツ)園の寝殿でひとり悲しみに暮れていた。しかし夜も更けた頃、ふいに容楽が戻って来る。「二度と会えぬかと思った…」「心配無用よ」「それは私を許すという意味か?!」「約束の1年まで、あと半年はここにいるわ」傅筹は自分たちの間にあるのは情でも信頼でもなく、もはや約束だけだと思い知る。「約束は覚えている…半年後も君が同じ気持ちなら私たちは別れよう 実は鎮北(チンホク)王から明日、攏月(ロウゲツ)楼に誘われた、行ってくれるか?」「…行くわ、将軍との約束ですもの、半年間は妻の義務を果たすわ」容楽は傅筹が出て行くのを待ってから、侵入者から剥ぎ取った覆面を取り出した。…あの女は誰?鎮北王・寧千易(ネイセンイ)は唯品(ユイヒン)閣の中庭で容楽と傅筹を出迎えた。2人は鎮北王に丁重に拝礼したが、寧千易は無礼講にしようという。「洒脱な雰囲気に魅せられて攏月楼へ招いたのだ、呼称にこだわるなど不粋すぎる」「同感です、それこそ茶道の目指すところ 貴賎(キセン)を問わず共に一杯の茶を味わう、身分を超えて集える平等な世界です」寧千易と容楽は早速、意気投合すると、寧千易は平等に名前で呼び合おうと提案した。「私は千易だ、だが待てよ…傅筹は″不忠″と同じ音だ、やはり将軍と呼ぼう」( ˘ω˘ )またしても蚊帳の外w寧千易は2人に宸国から持参したという″鳳凰水仙″を振る舞った。すると容楽は確かに銘茶だが、山川の気を吸ったお茶を入れるなら天然の水が最適だと助言する。「水仙茶は露水で入れてこそ神髄が味わえます」寧千易は露水がなく残念だと落胆したが、傅筹は店主に頼めば出してくれると笑った。実は攏月楼の店主は容楽だという。「容楽には驚かされる 清涼(セイリョウ)湖では官吏の娘かと思っていたら、なんと西啓(サイケイ)の長公主だった 黎王が助けに来たので黎王妃かと思えば、実は傅将軍の夫人だった ならここは2人の思い出の場所だろうな?愛の記憶がたくさんあるに違いない」容楽と傅筹は気まずくなってうつむいたが、寧千易は2人が恥ずかしいのだと誤解した。「その表情は甘い記憶を思い出したのだな?まさか戦場の豪傑が艶話に照れるとは意外だった」何とも答えようのない容楽と傅筹、そこで容楽は露水を準備して来ると席を立った。傅筹はこの機に清涼湖での警護の不備を謝罪した。しかし寧千易は2人の命の恩人と出会えてむしろ感謝しているという。その恩人とはもちろん容楽だったが、もう1人とは黎王だった。「黎王は容楽を助けたうえ私の身まで守ってくれた、2人がいなければ今頃、私は黄泉の国にいる」傅筹は鎮北王が実は宗政無憂も招待していると知り、嫌な予感がした。「ぁ~容楽の様子を見て来ます、手伝いが必要かもしれないので…」「それがいい、容楽のような女子が夫人なら大切にすべきだ」「…同感です」寧千易は確かに親しみやすそうだが、言葉の端々に含みがあった。その頃、無憂は攏月楼に到着していた。すると唯品閣の部屋でちょうど物思いにふけっている容楽を見つける。容楽は沸騰した露水に気づいて立ち上がったが、その時、傅筹が声をかけた。急に振り返った容楽は袂が鉄瓶にあたり、うっかり落としてしまう。傅筹は咄嗟に素手で鉄瓶をとらえると、驚いた容楽は鉄瓶を置いてから傅筹の手のひらを心配した。わざと親密なところを無憂に見せびらかす傅筹、その時、中庭から寧千易がやって来る。「黎王!やっと来たか!」容楽はそこで初めて無憂がいたと知り、身の置き場がない。そこで傅筹は妻が火傷をしたと口実をつけ、容楽を連れて帰ることにした。容楽たちが門に向かっていると、鎮北王の侍衛・厲武(レイブ)が現れた。鎮北王から容楽へ露水へのお礼だという。傅筹はありがたく受け取ろうとしたが、厲武は公主に直接、渡すよう命じられていると断った。傅筹は道すがら、鎮北王が鷹揚(オウヨウ)そうに見えるが腹が読めないと警戒した。「気軽に友と呼ぶには危険な男だ、今後の付き合いは慎重にせねば…」「考え過ぎよ…」「人柄も目的も分からぬが、鎮北王の一言に胸を突かれた 確かに私は戦場では動揺せぬが、情には心が揺らぐ 死に瀕しても心は乱さぬと思っていた… まさか私を進退窮まらせ、動揺させる存在がこの世にいたとは…私自身も意外だった」容楽を見つめる傅筹、しかし容楽にとって傅筹の想いは重荷でしかなかった。 ←主観ですw一方、無憂は寧千易に腹を割って話したいと持ちかけていた。鎮北王が清涼湖で初対面の容楽を命がけで助けたことから、口先だけの偽善者とは思えないという。寧千易は率直な黎王を気に入り、偽善者の前では偽善者になるが、正直者の前では同じように腹を割って話すと共感した。そこで無憂は北臨へ来たのは婚姻同盟のためと聞いたが、真の目的は何かと尋ねる。すると寧千易は国土を広げる戦より北臨の仁愛政策に興味があると切り出した。「以前、雲貴妃と秦永(シンエイ)丞相が″養民変法″を推進した際、 変法の措置を山河志(サンガシ)に残したそうだな?山河志を見たことはあるか?」「山河志は母妃と秦師父が心血を注いだ書で遺品でもある、書の趣旨は民の暮らしと国家の安泰だ だがこの書が取り返しのつかぬ災禍を招き、多くの者が巻き込まれた 私も山河志を手に入れるため、犠牲を払っている…」無憂は鎮北王の真の目的が山河志だと知り、ならば話すことはないという。しかし寧千易は誤解だと否定し、山河志を略奪する気も独占する気もないと釈明した。「その言葉を永遠に忘れないで欲しい、民を思う心と共にな…」「実は聞きたいことがもう1つある…」「私と容楽の過去とは言わぬだろうな?」「2人は相思相愛なのだろう?黎王のように鷹揚な君子が、なぜ世間の常識にこだわるのだ? 私が真に愛する娘に出会ったら、どんな障害も乗り越え幸せにする!」「それが誠なら山河志がなくとも養民変法を施行できるだろう 同様に手に入れずとも愛することはできる」無憂に釘を刺された寧千易はそれ以上、追求しなかったが、急に昭蕓のことに触れた。「清涼湖では昭蕓郡主も怪我をしたはずだ、具合はどうだ?」「…大事ない、ご心配に感謝する」「ならよかった、いずれ直接、見舞いにうかがうよ」無憂は鎮北王が昭蕓を気にかけていることが引っかかった。黎王府に宮中から侍医が駆けつけ、黎王の左手の包帯を交換して帰った。青州の戦いでも無傷だった七兄が漫夭(マンヨウ)と再会した途端に負傷するとは…。無郁はやはり相性が悪いのだと口を滑らせ、慌てて話を変えた。「鎮北王の人柄は?」「鷹揚で好ましい人物に見えた…だが本音は計り知れぬ そうだ、昭蕓との縁談は父上に報告したか?できるだけ早く伝えろ」そこへ孫雅璃(ソンアリ)が訪ねて来た。雅璃は黎王が怪我をしたと聞いて薬を持って来たという。すると無郁は気を利かせ、冷炎(レイエン)を連れて出て行った。無憂は雅璃がこんな夜分に訪ねて来たのには大事な話でもあるのだろうと言った。「何もかもお見通しですね、お願いがあって参りました」明日は皇后が宮中の花園で花見の宴を開くことになっていた。すると無憂は雅璃が行きたいなら一緒に行くと言ってくれる。実はこの宴は鎮北王の花嫁選びだった。北臨帝は皇后に明日の宴で不始末がないよう念を押していた。しかし皇后は皇帝が鎮北王の相手に孫雅璃を考えていると知り、動揺を隠せない。「雅璃を遠い宸国に嫁がせるのは…誠に手放し難く存じます、黎王は私以上に離れ難いはず…」皇后は2人がすでに約束の品も交わしていると報告し、2人を引き離すのは酷だと訴えた。鎮北王の容楽への贈り物は酒だった。すると箱に文が入っている。…憂いの解けんことを…一方、東宮では痕香が皇太子の迷惑にならないよう、自分を将軍府に預けて欲しいと頼んでいた。そこへ約束の時間に遅れて傅筹がやって来る。傅筹は妻が火傷をして医者に見せていたため遅くなったと謝罪すると、不機嫌になった痕香が急に酒をあおり始めた。「香夫人は酒を過ごされたようですね?」つづく(  ̄꒳ ̄)何も言わずとも分かる…寧千易も怪しい(笑
2020.07.14
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白发 Princess Silver第21話「再会と裏切り」傅筹(フチュウ)は皇帝に宸(シン)国の皇弟・鎮北(チンホク)王が清涼(セイリョウ)湖に到着したと報告した。北臨(ホクリン)帝・宗政允赫(ソウセイインカク)は鎮北王が世継ぎと目されていることから、北臨国内で万が一のことがあれば大変な事態になると釘を刺す。おそらく西啓(サイケイ)が同盟を知れば邪魔をしようとするに違いない。しかし傅筹は必ず鎮北王を守ると約束し、皇帝の期待に応えてみせると胸を張った。その時、南境から帰京した陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が現れる。無郁は一目散に父の元へ駆け寄り、七兄は大事な用があるため、どこかへ行ったと報告した。…戻ったのか?嫌な予感がする傅筹はそこで切り上げ、急いで清涼湖へ向かった。一方、清涼湖では容楽(ヨウラク)と昭蕓(ショウウン)郡主が漁師と魚を賭けて釣りを楽しんでいた。すると昭蕓はうっかり宗政無憂(ソウセイムユウ)たちが戻って来ると口を滑らせる。「無郁にからかわれました、私には魚料理も釣りも無理だと…それで…」昭蕓は容楽が上の空なことに気づき、将軍から何も聞かされていないと分かった。「無憂哥哥は南境に着くなり自ら軍を率いて反乱を鎮めたそうです、爵位も取り戻したとか 公主姐姐は無憂哥哥を忘れていませんよね?無憂哥哥も同じです そうでなきゃ、姐姐の好物の干し棗(ナツメ)を贈ったりしません」泠月(レイゲツ)は公主の気まずさを察してお茶を差し出したが、その時、漁師が湖に漂う黒い影に気づいた。「危ない!刺客だ!」昭蕓が漁師だと思い込んだ男は宸国の鎮北王だった。鎮北王は咄嗟に容楽たちを逃がそうとしてくれたが、刺客が多勢のため巻き込まれてしまう。しかしやがて宸国の配下が駆けつけ、鎮北王は容楽たちを連れてその場から逃げ去った。容楽たちは山道を走っていたが、途中で泠月が転んで足をひねってしまう。←( ˘ω˘ )あやすぃそこで鎮北王は近くの草むらに身を潜めると、昭蕓はなぜ漁師なのに命を狙われるのか怪しんだ。しかし容楽はここで出会ったのも何かの縁、力を合わせて乗り越えようと励ます。「泠月、私が守ってあげるわ!」「昭蕓?あなたに武術ができるの?」「姐姐、無憂哥哥たちの剣の稽古を幼い頃から見ていたから大丈夫!」「あなた方と会えて良かった、死んでも悔いはないよ」「嫁入りもまだなのに死ねるもんですか?!」「あはは(はっ!)もし生き延びられたら…」鎮北王は昭蕓に何か言おうとしたが、その時、再び刺客が現れ、容楽たちは慌てて逃げ出した。鎮北王は自分が標的のため、二手に分かれようと声をかけた。しかし容楽は一緒に戦うと断り、やがて刺客たちに追いつかれてしまう。すると応戦していた容楽が危うくなった瞬間、なぜか刺客の1人がつぶてを投げて守ってくれた。刺客は覆面をしていたものの、容楽はその目を見て蕭煞(ショウサツ)だと気づく。そこへようやく傅筹の側近・項影(コウエイ)が兵を率いて現れた。刺客たちが急に弓矢に倒れた。容楽が振り返ると項影の姿があったが、何やら違和感を感じる。その時、蕭煞が鎮北王めがけて斬りかかった。容楽は自分を殺せないと踏んで鎮北王の前に飛び出したが、蕭煞はもはや剣を止めることができない。しかし突然、無憂が現れ、剣を素手でつかんだ。♪クァイィウェイニー ファファズゥォピンシゥァ~ン クァイィウェイニー ドゥイーシゥフゥァンリィァ~ン危機一髪、剣先はわずかに胸を傷つけたが、容楽は無事だった。すると無憂に蹴り飛ばさた蕭煞は森の中に慌てて逃げて行く。予定外の事態に項影は動揺、目の前で無憂が容楽を連れ去って行くのをただ見ているしかなかった。その頃、傅筹は清涼湖へ馬を駆けていた。しかし前方を行く皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)の一行を見つける。仕方なく馬を降りて挨拶した傅筹だったが、皇太子と一緒に痕香(コンコウ)が車から降りて来た。傅筹は痕香が皇太子を焚き付けて清涼湖に行くつもりだと知り、静かに怒りを燃やす。そこへ項影が報告にやって来た。何かあったと気づいた傅筹は痕香に怒気を含んだ視線を向けると、慌てた痕香は急に具合が悪いふりをする。すると皇太子は痕香がおめでたかもしれないと驚き、急いで引き返すことにした。無憂は容楽と筏(イカダ)に乗った。「今は2人きりだ…初めて会ったことにしないか? 互いに名前も何も知らない、偶然、出会った他人ということに… 姑娘(グーニャン)、傷の手当てを頼めるかい?」そこで容楽は無憂の左手に手巾を巻いてやった。すると無憂はかつて2人で川下りを楽しんだ時のように土笛を吹き始める。容楽は笛の音を聞きているうち、無憂との懐かしい思い出がよみがえって来た。最悪の出会い、短くも幸せだった時、その後に訪れた裏切りと別れ…。やがて無憂の土笛の音が止まった。容楽はふと我に返って桟橋を見ると、ちょうど馬で駆けつけた傅筹の姿が見える。「…刺客に狙われた人は誰?」「宸国の鎮北王だ、同盟を結ぶため北臨へ…」その時、容楽は全てを悟った。筏が桟橋に着くと、容楽が無憂と一緒に降りて来た。出迎えた傅筹は怪我をした容楽を心配して腕を取ったが、容楽はその手を払い、馬車へ行ってしまう。「昭蕓と泠月は?」「軽傷です、将軍府へ送りました」安堵した容楽は黙って車に乗ると、項影は先に馬車を出した。「傅将軍?私への釈明はないのか?」無憂は宸国に関することなら父から任されていると教え、自分に報告するよう命じた。そこで実は襲撃の一部始終を見ていたと教える。傅筹の配下は周囲に潜伏していたにも関わらず、巻き込まれた将軍の妻を救助するのが遅れた。「傅将軍、分かっているのか? あと少し遅ければ貴殿の奥方は死んでいた、この世から消えていたのだぞ?」「だからこそ、殿下の救助に感謝しています」「傅筹…澄ましていれば欺けるとでも?騙せるのは漫夭(マンヨウ)だけだ だから容赦なく利用し、命の危険にさらした…妻などと良く言えたものだ」「…これは単なる事故です 容楽を傷つける気はありません、それは今も昔も将来も同じです 私が容楽を利用しているとお考えなら逆にお聞きします、殿下は容楽を傷つけたことがないと? なければ容楽はなぜ私に嫁いだのです?半年前、容楽は婚儀の場で面目を潰された ずっと後ろ指をさされ続けたのですよ?黎王殿下、全てお忘れで?」(;゚Д゚)ウッ… ←ぐうの音も出ない無憂wあれは確かに酷かったwすると傅筹は自分たち夫婦の平穏な生活を壊さないで欲しいと頼み、馬の元へ歩き出した。「傅筹!将来、私のように後悔するなよ!」「私と黎王殿下は全く違います」一方、念願叶って帰郷した孫雅璃(ソンアリ)は皇后を訪ねていた。皇后は南境で無憂と雅璃が親密になったという噂をすっかり真に受け、2人の婚礼を期待している。「無憂が皇位を継いだらあなたは皇后になれる、その時は私を忘れないでね~」子供がいない皇后は娘のように可愛がっている雅璃を何としてでも皇后に据え、心の拠り所としたかった。無郁は父に昭蕓との縁談をいつ切り出そうかと機会をうかがっていた。しかし北臨帝は鎮北王の相手探しで忙しく、しかも皇太子が早速、自分の配下の娘を推薦したせいで機嫌が悪い。無郁は何とか自分の縁談の話に持って行ったが、今度は無憂がやって来た。北臨帝は無憂が左手に怪我をしていると気づき、すぐ侍医を呼ぶよう命じた。無憂の話では清涼湖で鎮北王が西啓の刺客に襲われたが怪我はなく、すでに駅館へ案内したという。「実は将軍夫人と昭蕓郡主もその場に居合わせたのです」「何だって?!昭蕓も怪我を?!」驚いた無郁は大怪我ではないと聞いたが、慌てて飛び出して行った。昭蕓は黎王府にいた。無郁は釣りの件で挑発したことを謝罪し、文におとなしく屋敷にいろと書くべきだったと後悔する。「心配しないで、かすり傷よ」そこへ侍女が薬湯を届けにやって来た。無郁は侍女を下げ、昭蕓のために薬湯を冷ましてやる。「鎮北王の婚姻が決まれば、次は私たちだ…」無憂から報告を聞いた北臨帝はやはり傅筹と西啓が手を組んでいると確信した。しかし軍で人望を得ている傅筹から確かな証拠もなく兵権を奪っては軍心が乱れると懸念する。何より今は宸国との同盟と尉国討伐を控え、大事な時期だった。そこで無憂は改めて婚姻による同盟に反対だと訴え、なぜ政事に婚姻を利用するのかと憤る。「父上のそのお考えは私の母をも苦しめました、また無辜の女子を利用し目的を遂げると?」「雲児(ウンジ)の件を持ち出すな…」北臨帝は当時、必要に迫られて符鴛(フエン)を娶ったが、今は状況が違うという。「政略婚が犠牲とは限らぬ そなたも朕の忠告に従い容楽を娶っていれば、今頃、仲むつまじく暮らしていたはずだ」(;゚Д゚)ウッ… ←ぐうの音も出ない無憂②w実は無憂を呼び戻したのは同盟と婚姻を仕切らせるためだった。北臨帝は同盟の締結が済めば直ちに親征するという。しかし無憂は南境に隠れた勢力がはびこっており、孫継周(ソンケイシュウ)の背後にも勢力が潜むと疑った。「南境の真の平定が遠いのに父上は親征、中山の防備が手薄になれば南境の勢力に付け込まれます」内乱の平定こそが急務だという無憂と外患を恐れる北臨帝、2人の意見は平行線のままだったが、北臨帝はもはや老い先短い身だと弱音を吐いた。確かに無憂を政から遠ざけ、平穏に過ごさせると雲児に約束したが、この状況ではどうすることもできない。北臨帝は父としてできることは平和と繁栄を残すことだと言った。「父皇…」無憂は父の身体を心配し、それ以上、何も言えなくなってしまう。傅筹は容楽に怪我をさせた上、黎王に気づかなかった項影の責任を問うた。「将軍、抜かりはなかったのです、ただ黎王が現れるとは…」項影は容楽に注視するあまり、黎王を見落としてしまったという。しかし傅筹は無情にも罰を受けろと命じた。驚いた項影は一度きりの過ちなので見逃して欲しいと懇願する。「殺さぬだけでもありがたいと思え」項影が下がると、傅筹は皇太子から贈られた宝剣を思わず抜いた。…宗政無憂、勝負はこれからだ泠月は静謐(セイヒツ)園で警固している蕭煞に公主の言葉を伝えた。「今後、あなたの護衛は不要だそうよ、私たちを監視したいならご勝手に…」そこへ傅筹が容楽の薬湯を持って現れる。泠月は自分が届けると言ったが、傅筹は皆に下がるよう命じた。容楽は傅筹に今日の件を説明するよう迫った。しかし傅筹はこの後に及んでも話をそらし、先に薬を飲むよう勧める。「回復したらまた出かけよう、もう二度と…」←イラっとする!(`ω´ )キィィィ!すると憤慨した容楽は傅筹が持っていた薬を盆をごとひっくり返してしまう。ガッシャーン!「皇兄が刺客を放つと知りながら、北臨帝にも逆らえず、私に鎮北王を守らせた でも蕭煞は私を殺せず、鎮北王の暗殺は失敗に…ふっ、周到な計画ね あなたが放棄したのは私の安否だけ、私が死ねば…」「絶対に死なせない」「(^ꇴ^)ニッコリ…まだ私に利用価値があるの?」傅筹はこの半年間でようやく容楽から得た信頼すらも失い、必死に釈明した。「君を行かせたのは守れると確信したからだ、唯一の誤算は君が命がけで鎮北王を助けたことだ 通りすがりの赤の他人に過ぎないのに…」「ふっ…赤の他人?その赤の他人は命を投げ打って私を守ろうとしてくれたわ あなたは?私の夫君を名乗り、折に触れ″一生守る″と言うけど…命を投げ出せる?」「できるとも…私だけの命ならばな、もし普通の民なら君のために全てを投げ出せる」「普通の民?もしそうなら私も長公主じゃない… 北臨にも嫁がされず、兄の駒にもなっていないし、あなたにも利用されていないわ!」「容楽、過ちは認める…君の傷を見て深く後悔した…君の千倍も万倍も傷ついた ←( ゚д゚)え? 本当は私が助けたかったのだ」「でも実際はあなたが私を剣先に突き出した、助けたのは別の人よ」容楽は傷が癒えても痕が残ると訴え、その傷痕は言葉で消せるものではないと痛烈に批判した。すると傅筹は不満が爆発する。「宗政無憂が残した傷痕は消えるのに? 筏の上の君たちは2人の世界に浸っており、私は蚊帳の外だった! ←自業自得( ̄▽ ̄;) 奴も君を傷つけて利用し、公衆の面前で辱めた!なぜ奴は許せて私は許せぬ! ←それが愛♪w 同じ愛は求めない、公平に許して欲しい、それだけだ!」「嫁いで半年になるけれど、あなたを愛したことはない、努力はしたわ 盟友にならなられると思った、家族でもいい、生涯、寄り添い、助け合えると思ったのに」「私は君の夫君だ!単なる盟友や家族ではな~い! 真心が欲しい!宗政無憂に捧げたような真心だ!」←どっちだよwしかし容楽は傅筹を赤の他人のような目で見ていた。↓チベスナは取り返しかがつかないサイン〜♪「(はっ!)分かっている、今の私に君の真心を求める資格などない ←やっと気づいたw だが私はずっと多くを望まずに生きてきた! ←イヤイヤ、知らんがな 今日は君の許しが欲しいだけだ…一度でいい!」←この顔がwww「私たちの婚姻は偽りなのよ?また私を利用するのでしょう? なぜごまかして私を苦しめるの?」つづく(^ꇴ^)傅筹、面白い!
2020.07.13
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白发 Princess Silver第20話「もう一つの同盟」北臨(ホクリン)の皇帝・宗政允赫(ソウセイインカク)は衛国(エイコク)大将軍・傅筹(フチュウ)に疑いを持ち始めていた。同盟を結んだ西啓(サイケイ)も尉(イ)国討伐の支援に難色を示し、約束を果たす気があるのか信用できない。そこで朝議の際、傅筹に西啓の公主から何か聞いていないか尋ねた。しかし傅筹は妻が政に関わることはなく、自分も西啓と私的な行き来はないと答える。「南境の情勢を侮っていたように、西啓を侮り過ぎではないか?」北臨帝の含みのある言葉に傅筹は思わずひざまずき、自ら力不足の罰を請うた。北臨帝はそれ以上、追求しなかったが、もはや尉国討伐は待てないという。すかさず傅筹は皇太子が練った討伐の策を見せたいと上奏したが、北臨帝は必要ないと退けた。「宗政無憂(ソウセイムユウ)は南境の平定で功を上げた 改めて無憂を黎(レイ)王に封じ、呼び戻して討伐の策を練らせる」傅筹は太子府を訪ね、宗政筱仁(ソウセイショウジン)に宗政無憂が都に戻ると伝えた。「だから身を慎むよう忠告したのです、宗政無憂が戻れば太子の座は守れません」痕香(コンコウ)はこの機に乗じ、迷惑がかかるので出て行くと申し出た。しかし皇太子は痕香を一生、手放さないという。「もう後戻りはできぬ、一か八かの策に出よう」「軽率な行動はお控えを、宗政無憂に何かあれば疑われるのは太子殿下です」すると皇太子は苦言を呈す傅筹を煙たがり、追い返してしまう。痕香は傅筹が助け舟を出してくれるのを待っていたが、結局、傅筹はそのまま帰って行った。失望した痕香は傅筹に反発、皇太子をけしかけてしまう。「将軍は慎重過ぎます、青州で殺せば造作もないのでは?世継ぎたるもの決断力が必要です」その夜、静謐(セイヒツ)園に珍しく酔った傅筹が現れた。書物を読んでいた容楽(ヨウラク)は身構えたが、傅筹は話を聞いて欲しいだけだという。すると傅筹はふらふらと容楽の寝台に歩き出した。「北臨の大将軍として国のために戦場で死闘を繰り広げて来た… だが陛下に非難されたばかりか、太子にまで…あっ!」傅筹はうっかり段差に足を取られ、そのまま寝台に尻餅をついた。心配した容楽は様子を見に行ったが、傅筹に手を引っ張られ、隣に座らされてしまう。「君さえ私のそばにいてくれるなら、私は何だってやるぞ…」傅筹は容楽にもたれかかり、無意識につぶやき始めた。「容楽…なぜなんだ…君も世間も奴がどんな過ちを犯そうと、いつだって許す… 私は非難されてばかりだ…ムニャムニャ」「将軍、何の話をしているの?」「分かってる…高貴な身分の奴は何でも思いのままだ…私は黙って耐えるしかない」←その髪型にw容楽は仕方なくそのまま傅筹を寝かせることにしたが、腕をつかまれて一緒に倒れ込んでしまう。「私のどこが奴に及ばぬ…奴にできることは私にだってできるぞ?」傅筹が酔いつぶれると、容楽は何とか傅筹の身体を押し避けて起き上がった。その時、偶然、傅筹の両肩に大きな傷跡があることに気づく。「…母上…逝かないで…私を打つな、やめよ、お願いだ、乱暴はよせ…」傅筹はうわごとを言いながら、結局、そのまま眠ってしまう。一体、傅筹にはどんな過去があるのか、容楽には到底、想像できなかった。青(セイ)州の無憂は中庭でひとり碁を解いていたが、突然、黒い鬼面の刺客に襲撃された。しかし無相子(ムソウシ)が修羅七煞(シュラシチサツ)と駆けつけ、一掃する。「天仇門(テンキュウモン)を使うのは太子だ」「…師兄、私が頼んだことは?」「心配ない、すでに手は打った」「時機が来たな」翌朝、傅筹がひどい頭痛で目を覚ますと、そこは容楽の寝殿だった。その時、容楽が酔い覚ましを持って部屋に戻って来る。傅筹は非難されやしないかと不安だったが、容楽は酔いつぶれて一晩ここで眠っただけだと許した。「確か私が軍に入ったのは~12歳の時だった それ以来、夜も油断したことはない、昨夜ほどぐっすり寝たのは久しぶりだ」すると容楽はうっすらと笑みを浮かべた。皇弟の范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)は皇帝の代理で青州を訪ね、無憂に爵位回復を伝えた。すると無憂が本当は南境に留まるつもりだったと話す。ここ数年、豊かなはずの南境の地で豊作の年でも流民が反乱を起こし、どうやら複雑な背景があるという。しかし外叔父の迎えとあらば、いったん戻ることにすると決めた。陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は大喜び、そこへちょうど孫雅璃(ソンアリ)が現れる。無憂は孫継周(ソンケイシュウ)の手前、わざわざ雅璃を自分の隣に座らせた。「雅璃、都に戻るぞ?そなたの願いは叶えた」喜んだ孫継周は雅璃を黎王について行かせることにしたが、自分は南境に残ると言った。無憂は南境を無相子に任せ、名門や豪族の調査も頼んでおいた。すると無郁は急に帰京する気になった七兄を訝しむ。「何か考えていないのですか?私は昭蕓(ショウウン)に会いたいですが、七兄にそういう人は?」「私が戻るのは天仇門の襲撃を重く見て、都で太子の動きを封じるためだ」「また太子が暗殺を?!」←( ゚ェ゚)本当にのん気宗政無憂の暗殺未遂を知った傅筹は、東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)に痕香を呼びつけ叱責した。「自分の立場を忘れるな、私の命令なしに勝手な行動は慎め」「私より若門主こそ…使命をお忘れでは?」痕香は傅筹が公主の部屋で朝まで過ごしたことを知っていた。しかし傅筹は痕香には関係ないとあしらう。「私の手の内は分かっているな?」憤慨した傅筹は痕香を脅して帰って行った。傷心の痕香は傅筹の背中を見送りながら、あの壮絶な戦いを思い出す。最強の1人を決めるため、命を懸けた戦い…。あの時、ついに傅筹と痕香が生き残り、2人の一騎打ちとなった。その時、虫の息だった男が最後の力を振り絞り、連弩を放つ。痕香は咄嗟に傅筹をかばい、胸に矢を受けた。『私の負けよ…10歳で初めて会った時から分かっていたわ…あなたが最強だと… あなたの瞳には炎が燃えている…』『またあの頃と同じ道を選ぶとは…私が生きている限り、お前を死なせたりはせぬ』傅筹は痕香を腕に抱き、そう誓う。そして傅筹が両肩に鉤(カギ)を刺されて吊り下げられる辛い拷問を受ける時も、痕香はそばで見守り、介抱した。…私はあなたのためなら何でもできる、あなたはどうなの?…似た者同士だから、私はあなたの影となって支えてきた「なのに、どうして?…どうして他の女に心を奪われたの?」攏月(ロウゲツ)楼に容楽がやって来た。そこで沈魚(チンギョ)は痕香が西啓の者だという以外に何も見つからなかったと報告する。すると容楽はもう必要ないと言った。沈魚は確かに知らない方が幸せなこともあると理解を示したが、半年前には偽りの人生が嫌だと言っていたと指摘する。しかし容楽はそう簡単ではなかったと嘆いた。「皇兄を疑いながらも、頭痛の苦痛から逃れるために送られた薬を飲む 運命にあらがうと言うのは簡単だけど、実際は難しい…」「あきらめないでください、将軍を信じるなら受け入れてみては? でも山河志(サンガシ)を探し続けるなら協力します」「沈魚…ありがとう」一方、北臨帝は協力を渋っている西啓にしびれを切らし、朝議で新たに宸(シン)国と同盟を結ぶと発表した。宸国とは国交がなかったが、実は秘密裏に協議を進めてきたという。すでに皇弟の鎮北(チンホク)王が国内の意見をまとめ、北臨に向かっていた。「富も兵力もない西啓は同盟を結んで北臨から食料を調達し、北臨の権威を利用するだけが目的だった 宸国は貧しいが兵は強いゆえ、騎兵を提供し、共に戦うと言う 北臨からは十分な持参金を用意、皇族の娘を鎮北王に嫁がせる約束だ」寝耳に水だった傅筹はもう一度、検討するよう嘆願したが、北臨帝は黎王が戻ってから詳細を相談すると退けた。傅筹は早速、西啓の密偵に接触した。西啓帝が北臨に不信感を与えたため、自分まで北臨帝の信頼を失うはめになったという。「今後は関係を断つ、お前の訪問も私を不利な立場に追い込むのだぞ?」「陛下はあなたの考えをお見通しです 敵を討ち、本来の名と地位を手に入れるには陛下に従うべきかと…」密偵は西啓の利を考えぬなら、今までの罪状を北臨帝に明かさぬとは保証できないと脅した。そこで鎮北王が都に着く前に殺すよう頼み、宸国で内乱を起こしたいという。「連絡を待てと伝えろ…」西啓の密偵が去ると、痕香が姿を現した。すると自分たちの計画もあとは時機を待つだけ、討伐で国内に隙が生じたら北臨を奪えばいいという。ここは鎮北王を無事に北臨に到着させ、尉国を討たせるべきだ。「あなたならいい策があるはずよ?鎮北王を殺さず西啓を黙らせる策がね …ただあなたがそれを望まないだけ」追い詰められた傅筹はその夜、望みをかけて容楽を訪ねた。そこで今夜ここで休みたいと頼む。「君の邪魔はしない、私はあの寝台を使う」容楽はふと第19話で一緒に花火を見た時の将軍の言葉を思い出した。…家族や友人もおらず、私は刀と剣に囲まれ過ごして来た…一家団欒の日が来るたび、血まみれの戦場の夢ばかり見た沈魚が言っていた通り、将軍を信じて受け入れてみるのもいいかもしれない。「どうぞご自由に…」容楽は帳で囲った寝台で就寝したが、なかなか寝付けなかった。すると傅筹が自分がいて安心できないのかと声をかけ、眠れないなら話に付き合ってくれという。「容楽、何をすれば私に心を開き、受け入れてくれるのだ?」「今のままでもいいでしょう?」傅筹は将軍ではなく″夫君″と呼んで欲しいと訴えた。「名前でもいい、名前を呼ぶ者がいなくなって久しい…」「名前を呼ばずに何と呼ぶの?どういうこと?」そこで傅筹は寝台の帳を開いて容楽の前に立った。「目の前にいるのになぜ君は私を見ない?君と出会って1年余りになる だが今になっても君は見知らぬ者のように私を見ている」「目に見えたものが正しいとは限らないわ 自分の目を信じられないの、だから私に期待しないで」「目が信じられぬなら心で見れば良い」傅筹は容楽の枕元に腰掛け、懇願するように容楽の手を取った。しかし容楽は頑なに拒む。「ごめんなさい、心で見ても何も見えないの…まず自分の心を見たら? …今の関係でも十分、幸せでしょう?一緒に暮らして家族になって行くの 秘密があるなら言わなくてもいい、いつか話す気になれば打ち明けてもいい」「つまり…今は何も話したくないんだな?」「将軍に言えるのはこれだけ、いつか傷を癒して心から人に向き合える日を私自身も待っているわ …これで許して」傅筹はあきらめて容楽の手を離した。「ゆっくり休め」そして寝台の帳を閉じると、ついに決断する。「もし気分を害したなら明日は清涼(セイリョウ)湖にでも行ってくると良い… 清涼湖の初春の景色は格別に美しいぞ」「はお」翌朝、傅筹は項影(コウエイ)を呼び、容楽を危険な目に遭わせぬよう手配を命じた。「いいか、必ず計画通りに進めよ」項影は拝命して出て行くと、傅筹は物陰に隠れて聞いていた痕香を呼ぶ。「決心したのね~この半年、手を掛けてきたあの女を手駒に使わないのはもったいないもの 本気で惚れたかと思ったわ」「お前には関係ない!最後の警告だ、今のお前は太子夫人だ、監視すべきは私ではなく太子だろう? 宗政無憂が都に戻る、また太子が愚かな真似をせぬよう、しっかり監視しろ! 手抜かりがあればどうなるかは分かるな? それから将軍府に出入りできる立場か?私の命令なしに来ることは許さぬ!」痕香はあまりに非情な言い草に深く傷つき、涙をこらえながら帰って行った。清涼湖に到着した容楽と泠月(レイゲツ)、すると偶然にも釣りを楽しむ昭蕓郡主と出くわした。しかし1刻も経つのに1匹も釣れないという。「全部、あの漁師が釣ってしまうからです!」すると少し離れた場所でのんびり居眠りしながら釣りを楽しんでいる男がいた。そこで昭蕓は漁師の元へ向かい、難癖をつける。男は昭蕓がこちらへ魚を追ってくれたので大漁だったと説明し、お礼に魚を譲ると言った。恐縮した昭蕓はならば買い取ると言ったが、容楽が次に魚を釣れた人が魚をもらうことにしないかと提案する。「公主姐姐、漁師とじゃ勝負にならないわ(ヒソッ」「私に任せて(コソッ」一方、傅筹は参内、北臨帝に鎮北王が中山(チュウザン)の清涼湖に到着したと報告した。抜かりはないかと牽制する北臨帝、すると傅筹は必ず鎮北王を守ると自信を見せ、皇帝の期待に応えてみせるという。つづく(O_O)若門主って…つまり…傅筹!鎮北王と沈魚ってどことなく顔が似てない?(←いやどうでもいいけどw
2020.07.12
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大明风华 Ming Dynasty第18話「妹の決意」10年の時を経て再会を果たした姉妹、若微(ジャクビ)と蔓茵(マンイン)。当時まだ4歳だった蔓茵は胡善祥(コゼンショウ)と名を変え、宮中で生きて来た。一方、孫愚(ソング)に引き取られた若微は仲間たちと暮らし、大切にされて来たという。すると胡善祥はここへ来る時、女官から若微の採寸を頼まれたと教えた。「皇太孫妃になる際の礼服用よ」「…嫁がないわよ」「じゃあ、誰に嫁ぐの?」胡善祥は想い人がいるのかと姉を茶化したが、実は本気で秀女になりたいと打ち明けた。しかし若微は朱家の人間を知れば知るほど危険だと感じると警告し、反対する。「事を成したらあなたを解放させる、私と去るの」胡善祥は思わず失笑し、助けはいらないと言った。そこで姉だけに秀女になりたい本当の理由を明かす。「姐姐(ジェジェ)、復讐を考えたことがある? 私は太孫に嫁ぎ、息子を産むの、そして息子が即位したら私の両親の事と死にざまを伝える 朱一族など私たちの手の上で転がせるわ、姐姐、父上たちも喜ぶわ 姐姐、姐姐も皇太孫に嫁いで!天下の半分を得ましょう!」「蔓茵…」若微は妹の驚くべき計画に言葉を失った。すると胡善祥は2人だけの時は姉妹だが、人前では″孫姑娘(グーニャン)″と呼ぶという。「2人だけの秘密よ…」↓蔓茵…そう来たか!そしてドン引きするじぇじぇは…永楽帝が靖難(セイナン)の遺児を赦免すると知り、盛庸(セイヨウ)将軍と平安(ヘイアン)将軍が皇帝に直談判にやって来た。遺児を赦免しては靖難の意味がなくなる上、恨みを募らせた遺児たちが自分たち老臣を斬りつける可能性もあるという。耳が痛い永楽帝は、遺児の件ならいずれきちんと説明すると言って一方的に切り上げた。それを合図に朱瞻基(シュセンキ)はなかば強引に2人を追い返したが、軍功を立てた者は扱いにくいとぼやく。しかし永楽帝は老将たちが怒るのも当然だと理解を示し、焦らずとも考えがあると言った。すると急に祖父から若微の生年月日や徐浜(ジョヒン)の希望の官職を聞かれてしまう。慌てた朱瞻基は遺児の件が落着してからと言葉を濁した。「傷が癒えたら宮中へ…昨夜のことを知る者は皆、都に留める」永楽帝はそう言って孫の肩を叩くと、尚書房を出て行った。朱瞻基は若微と徐浜を誘い、野遊びに連れ出した。そこで郊外の眺めの良い場所で馬を降りたが、若微は2人がまた手合わせしたと気づく。朱瞻基は若微の鋭い勘に驚きながら再戦を希望したが、徐浜は遺児の救済と引き換えならこの首も喜んで差し出すと断った。「手合わせの件はここまでに」「二言はないな?孫姑娘を差し出せと言ったら?応じるか?」「またその話?!いい加減にして!」若微は呆れ顔になると、徐浜も本人の前で尋ねるなと反発した。「皇上が戻られた、生年月日と出自を教えろと…どう騙せば良い?」「火事場泥棒だ!」「人聞きが悪いぞ!後には引けない」「功を立てるため善人を演じ、私たちを利用した!」「何様のつもりだ!私は命の恩人だぞ!」「そうとも限らん!」「私にも私欲が!…お前たちも私を責められぬ!」「皇位を簒奪(サンダツ)する一族だ、女の命など眼中になかろう!」若微は自分を巡る2人の言い争いに嫌気が差し、帰ると言い出した。しかし朱瞻基が都から出られないと教える。皇帝と建文(ケンブン)との面会は重大な案件、口封じに殺されないだけでも幸運だった。そこで朱瞻基は皇帝から徐浜がどんな官職が望みか聞いて来いと命じられたと教え、よく考えてくれと頼む。解放されると思っていた若微は話が違うと批難したが、朱瞻基から物事は単純ではないと諭された。遺児たちの赦免となれば永楽帝と戦った者たちは遺児たちにとって反逆者、皆が復讐されると恐れているという。「赦免は焦って進めてはならない、約束しただろう?赦免のために命を懸けると… ならば今、その約束を果たせ!」「思った通りだわ!私は何なの?太孫殿下の手駒?」「好きに考えろ、私は来年、爺爺の親衛に随行する、戦死するかもしれない そうなれば自由になれるぞ?運次第だ」すると朱瞻基は先に帰って行った。( ˘ω˘ )結局、聶興の方が正しかったってことでおK?一方、朱瞻基にしてやられた趙(チョウ)王・朱高燧(シュコウスイ)は漢(カン)王・朱高煦(シュコウク)をあおっていた。朱瞻基は皇帝の心のわだかまりを解き、さらに朱瞻基に嫁ぐのがあの皇帝の命を救った娘だと言われている。これで皇太子家の地位は磐石になった。「高燧よ、お前も裏で小細工を…」「二哥こそ、遺児と裏でつながっていた!風は太子に吹いている、どうするのです?!」すると朱高煦は朱瞻基の婚姻こそ好機だと気づいた。「皇上はあの娘の出自を知らぬ、婚儀のあと伝えよう 皇上を襲った刺客をはべらせるとは二心の証拠だ…ふっ、皇上の反応を想像すると笑えてくる」「どうするのです?」朱高燧は探りを入れたが、朱高煦は自分を疑うのかと迫った。「お前と私に隠し事は禁物だ」「二哥!私がこざかしい真似をするとでも?!兄上には心を砕いている!」←(´゚艸゚)嘘つけw「そうか?…天下のことは父上ひとりに決めさせてはならぬ、お前は私に従え」朱高煦は帰ることにしたが、急に引き返して釘を刺しておいた。「言っておくが、古(イニシエ)より大事を成そうとする者は優柔不断でいてはならぬ、覚えておけよ」若微は徐浜に自分を連れて行って欲しいと頼んだ。「この件が決着したら私たちは二度と離れない」徐浜の言葉を聞いた若微は安堵し、そっと徐浜の肩にもたれかかる。「だが今は…」「言わないで、連れて行って、置いていかないで… この大きな監獄で独り寂しく待つくらいなら、靖難の時に死ねばよかった」「都を離れても過去は何も変わらない、以前のように笑っては暮らせぬ」「なぜ駄目なの?!」「誓ったのだ、この件に命を懸けると…」「なぜ黙っていたの?!」若微は立ち上がると、皇太孫が怖いのかと聞いた。すると徐浜は違うと否定する。「悔いている、太孫を殺せばよかったと…太孫がお前を見ると私の心は…痛むのだ 死ぬのは簡単なことだが、お前が宮中に入ればもう会えぬ 考えただけで血の気が引く…すべて私の責任だ」「…流刑地に行く道でなぜ私を救ったの?! あなたが私にこんな苦役を味わわせたのよ…ウッ…私の命なんてどうでもいいと思っていたのね! これまでずっと!」若微は徐浜が自分をあきらめると知って深く傷つき、泣きながら帰ってしまう。その頃、朱瞻基は孫愚を訪ね、若微の出自をどうするか考えあぐねていた。孫愚は若微を兄・孫忠(ソンチュウ)と羅(ラ)氏の娘とし、父が早逝、母も若微が9歳の時に亡くなり、それから自分が引き取ったという筋書きにする。しかし朱瞻基は駄目だと言った。そもそも孫愚は″靖難の役″で燕王の軍の兵として加わり、その後、失踪している。副将ともなればその理由を聞かれるはずだ。脱走してどこに身を隠していたのか、誰と暮らし、いつ都で骨董店を始めたのか。礼部も妃の選出に手抜かりがあってはならず、そう甘くはなかった。朱瞻基はこんな経歴では嘘が見抜かれると苛立ち、もし祖父が疑念を抱けば自分も終わるという。「…若微は宮中に入ることに同意を?」「徐浜に尋ねてくれ~」「ウム…徐浜はあの仲間の中では年長だから娘を最も気にかけていた、2人には男女の情がある だがこの状況では…娘をあきらめてくれ」「聖意には背けないのだ」「…若微に一点の曇りもない普通の女子でも、若微を選んでいたのか?」「ぁ…無論だ」孫愚はもし若微が妃となったら大切にするか、平穏で快適な暮らしを与えられるのかと迫る。そこで朱瞻基は娶れたら必ずや幸せにするが、本人がそう思うかは分からないと言った。「だが1つだけ約束を…何があっても守る」「誓ってくれ、さもなくば安心できん!」孫愚の眼差しには鬼気迫るものがあった。「私が若微に苦労をかけ、冷遇したり辱めたら、私は天罰を受け、雷に打たれて早逝すると誓う!」すると孫愚は覚悟を決め、その場にひざまずいた。「私は老齢ゆえ、若微のもとを先に去る、若微を守ると父親に誓ったが、親は先に逝くもの… 若微も心から望み、太孫も誓ったなら、私、孫愚は…安心できる」そこで孫愚は朱瞻基の意に沿う経歴を作れると自信を見せ、後日、伝えると約束した。 (Ŏ艸Ŏ) 嫌な予感しかしない…胡善祥は胡尚儀が倒れたと聞いて様子を見に来た。何でも昨夜、熱が上がって休んでいるとか。そこで胡善祥は看病を変わり、枕元に座って汗を拭いた。すると胡尚儀がふと目を覚まし、泣いている胡善祥を引っ叩く。「まだ死んでないわ!」「別のことで涙を…お静まりください」胡善祥はもし母が生きていて熱を出した時に汗を拭けたら幸せだと思って泣いたと取り繕った。「仕事はどう?」「順調です、最近、お金持ちになりました」胡善祥は賄賂をもらったと教え、尚儀ともなれば金持ちのはずなのになぜ質素なのか聞いた。「お金を受け取ったら身を買われたも同然、何かあった時にお前は命で返すの」「では返します」「返したらお前を偽善者で信用できないと見なし、些事でも揚げ足を取り、陥れようとするわよ? 尚食も尚服も責任が重い、陛下の衣食に問題があれば命はないわよ?」胡善祥はどうしたら良いか教えて欲しかったが、胡尚儀は目を閉じてしまう。仕方なくまた来ると言って胡善祥は下がることにしたが、帰り際に胡尚儀が言った。「太孫が冊封され、妃を娶る日は近い、私だけを頼らないで! 太子妃を訪ね、尚服、尚食は何の準備が必要か尋ねなさい」胡善祥は早速、太子府を訪ねた。すると皇太子妃・張妍(チョウケン)は昇進して旨味が分かったかと尋ね、宮中の者は皆、儲け方を知っているという。あれは皇帝が親征から戻った時のこと、皇帝の長衣に穴が開いていた。尚服局は着慣れた衣なので捨てずに繕うよう言われたからと、銀子3両も要求してきたという。何でも修繕の過程が複雑で、穴の大きさを測ってから同じ素材の布を染め、さらに皇帝の長衣とまったく同じ物を調達し、生地をうまく当てがって縫い跡が分からないようするのだとか。しかも宮女2人で7日間、さらにそれは練習で、成功したら実物を縫うという。また食糧の管理をしている尚食局にも儲け方があった。出入りの商人に魚が新鮮じゃないとか何とかケチをつけて多額の賂(マイナイ)を出させるよう仕向け、今度はその商人の品を褒めてやる。すると褒められた商人たちは店の看板に″宮廷御用達廟″と書き出すのだ。「なのに私と太子をケチ呼ばわりよ~」そこで胡善祥は祝宴で受け取った賄賂を皇太子妃に差し出した。「太子府は太孫の冊封と婚儀で入り用が増えます 私は力になれないので少額ですがどうかお収めください 将来の天下の母であり、高貴な太子妃娘娘を私たち僕(シモベ)が悩ませたお詫びです 太子妃娘娘のためなら何でも尽力いたします」皇太子妃は気が利く胡善祥を気に入り、銀票を受け取った。すると今度は暮らしぶりのよい漢王が皇帝から信頼され、甘やかされていると不満を漏らす。「皇上も甘やかし過ぎだわ~秀女の推薦も頼まれているのに、まだ嫌がってる」胡善祥が突然、漢王府に現れた。そこで胡善祥は以前、漢王から用があれば直接、訪ねるよう言われたことを持ち出し、秀女に推挙して欲しいと懇願する。「朝廷で皇上の次に威信があるのは漢王爺です、私を推挙してくだされば希望が増します」「ふっ、知っての通り、私は太子府を目の敵にしているのだぞ?」「致し方ないことかと…」「致し方ないだと?申せ、正しければ推挙してやる」「以前、尚儀のもとにいた時、浣衣(カンイ)局・尚食局・尚服局の総監が毎日、言い争いを… 尚儀は止めるどころか楽しんで見ておられた、尚儀局副署となり分かったのです 本当は仲が良くても、外部の者の前では争うふりをするのだと… そうしないと″3人で対抗してくる″と、尚儀が警戒すると思っているのです 女官ごときでもこんな状況ですので、天下を見据えておられる方ならさら争いは激しいかと…」「…無礼だぞ!」朱高煦は威厳を見せるため怒号を響かせ、皇族を冒涜したと憤慨して胡善祥を追い返した。その夜、なかなか寝付けなかった若微のもとに孫愚がやって来た。すると孫愚は朱瞻基が整えた経歴を若微に渡し、うまく作り上げられているので覚えるよう告げる。「皇上に会った時に決して間違えるでないぞ?」「父上、太孫を信じている?」「無論だ」「みんな身勝手よ!太孫に見初められたら嫁がないといけないの?」つづく( ๑≧ꇴ≦)え?!若微と徐浜って男女の情だったの?!うっそ~ん(笑皇太子妃の話は重要ではなさそうですが、面白かったので長文覚悟で書いてしまいましたw
2020.07.11
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大明风华 Ming Dynasty第17話「姉妹の再会」朱瞻基(シュセンキ)と徐浜(ジョヒン)は孫若微(ソンジャクビ)を賭けて手合わせすることになった。一方、無事に建文(ケンブン)との再会を終えた永楽帝・朱棣(シュテイ)と若微は下山していたが、その途中、何者かに襲撃されてしまう。神機(シンキ)営は皇帝の輿を急がせる一方、林の中に潜んでいる刺客を追った。若微も咄嗟に敵の矢に倒れた神機営の弓矢を手にし、山奥へ入る。そこでちょうど神機営と一騎打ちになった刺客を発見、刺客が神機営を倒したその瞬間、狙いを定めていた若微が矢を放った。若微の矢は刺客の右胸に命中、深手を負った刺客は草むらに身を潜めた。追跡した若微は刺客を発見したが、それが聶興(ジョウキョウ)だと知って驚愕する。しかし聶興は戻って来たら殺すと言ったはずだと迫り、若微に連弩を突きつけた。「人を殺すのは簡単だけど救うのは難しい…だって私のすることをあなたは理解しない」「朱棣たちが約束を守ると思うかっ?!」その時、神機営が刺客をあぶり出そうと松明を持ってやって来るのが見えた。すると聶興はどうせ騙されて終わりだと言い放ち、どちらが正しいかはいずれ分かると言い残して逃げようとする。若微は捕まれば殺されると引き留め、一緒に逃げようと腕をつかんだ。焦った聶興は若微を突き飛ばして山奥へ消えたが、坂を転げ落ちた若微は古傷が開いてしまう。その頃、激しい攻防が続いた朱瞻基と徐浜だったが、いよいよ決着がついた。朱瞻基は崖っ縁まで追い込まれながら徐浜の腕を振り払い、剣を吹き飛ばすことに成功する。しかし徐浜は瞬時に袂から隠し持っていた短剣を出し、朱瞻基の首に突きつけた。「…暗器を使うとは、それでも英雄か?」「私は英雄ではない、ただの刺客だ…これで満足か?」「めいよーっ!」すると徐浜は急に手を引くと言って剣を捨て、見張りの4人に皇太孫が自分を殺そうとしても止めるなと命じた。単なる強がりだと思った朱瞻基は斬ると見せかけたが、徐浜は目をつぶって逃げる様子はない。「お前を殺せば彼女に恨まれる、愚行は犯さぬ」結局、朱瞻基も崖から剣を投げ捨てた。「なぜそこまでする?若微が私といるのは自然なこと、私ごときに絡む必要が?」「孫若微と私は離れられない運命だと私は思っている」「だが殿下といれば彼女は死ぬ…大事を成す際は十分に注意されよ、失礼する」尚儀局副署に抜擢された胡善祥(コゼンショウ)は第3話で訪ねた金栄(キンエイ)の寝殿にやって来た。すると金栄の世話係りの宦官2人が慌てて殿内から飛び出して来る。かつて胡善祥を罵倒し、引っ叩いてしまった宦官たちは借りを返すため、2人で顔を叩き合った。しかし胡善祥は許すも何も、これはただの表敬訪問だという。「金栄大人は皇上をお守りし、立派な功績があったお方、今も厚遇されている そんなお方を私が忘れたりするものですか…十分なお世話をしたいと思い来たのよ~」(((ʘ ʘ;)))ヒイッ!過去に胡善祥の相手として金栄を勧めた張本人の心眉(シンビ)は、猫撫で声で許しを請うた。もし胡善祥が皇太孫妃になれば自分はその総管、胡善祥が皇太子妃になれば自分がその総管になると都合よく持ち上げ、2人きりの時は親友だという。胡善祥は勝手に夢を見るなと呆れたが、心眉から思わぬ糸口を見つけた。「秀女になるには推薦人が肝心なのよ?太子妃の他に立派な推薦人がいれば心強い 高官に心付けを贈りお願いして、家族3代の記録を出せば成功は間違いなし!」「高官ってどれくらい高位の人?」「最も高位の人は…皇上よ、太子でもいいわ、超(チョウ)王とか漢(カン)王とか…」別々に下山した朱瞻基と徐浜、しかし皇帝が刺客に襲われ、若微が重症を負ったと知った。2人は孫愚(ソング)と一緒に回廊で診察が終わるのを待っていたが、ようやく侍医が出て来る。侍医の話では出血が酷かったが、若いため何とか一命を取り留めたという。激怒した朱瞻基は聶興を殺すと息巻いたが、殿内から朱瞻基を呼ぶ声が聞こえた。若微は聶興の追跡をやめさせたのが朱瞻基だと気づき、感謝した。しかし自分の人生は10年前に終わったと話し、来世で必ずこの恩に報いると誓う。朱瞻基は若微がやはり出て行くつもりなのだと察し、本気で恩に報いるつもりなら、恨みを捨ててしっかり生きるよう助言した。「…どう答えるべきか分からないわ」「では教えてやろう、爺爺(イエイエ)の使いが来る、身づくろいをしろ 昨夜は私の命も危ないところだった 君が爺爺に正しい判断をさせたおかげで、こうして再会できた」すると朱瞻基はどこへでも好きな所へ行ける若微が羨ましいと言った。自分はここにいるだけ、そして祖父をだます手を考えるだけだ。そして昨夜の刺客と若微の負傷や徐浜たちのことも説明しなくてはならない。「事を成すのは難しい、君はここを出たいだろう、だが言わせてくれ 10年前に人生が終わったなら、今の君は抜け殻も同然、私と芝居を続けないか?」一方、宮中では漢(カン)王・朱高煦(シュコウク)が趙(チョウ)王・朱高燧(シュコウスイ)から驚くべき報告を受けていた。実は今朝、父が鶏鳴(ケイメイ)寺を出たが、しばらく行方不明だったという。「昨夜、侍衛が死にました、彼が死ぬ前、銀千両を与えてこの秘密を得たのです ″建文(ケンブン)″という二文字を…」父が密かに建文と会ったのなら、何らかの布石を打って戻ったに違いない。「父が裏で策を弄するなら好きにさせよう、こちらにも考えがある」憤慨する朱高煦、そんな2人の様子を総管・鼻涕(ビテイ)が見ていた。その頃、永楽帝は詔獄(ショウゴク)に収監された楊士奇(ヨウシキ)と会っていた。おぞましい悲鳴が響く牢獄、永楽帝は思わず平気なのかと問う。楊士奇は初日こそ耐え難く、あまりに哀れで涙が出たと話した。「しかし初日だけでした、私が泣いても誰も哀れまない 有情(ウジョウ)の衆生は欲海を漂泊するのみ、泣いても無益です …最近はもう叫び声は耳に入りませぬ」「さすが修養の達人だな、いっそここに住むがいい」「はい、感謝したいします」永楽帝の脅しも楊士奇には効果がなかった。そこで永楽帝はもうひとつ質問することにする。「私が満足しない答えだと、ここでいつまでも修養を重ねることになるぞ? …ふっ、私の後継者は?」「太子です…よき太孫があり、大明(ミン)は3代に渡り栄えるでしょう」すると永楽帝は思わず笑った。東宮に朱高煦がやって来た。すると朝服(チョウフク)姿の皇太子・朱高熾(シュコウシ)を見て動揺を隠せない。「太子爺?休養はできましたか?!父上が私たちを利用していると知っていたと?」「百も承知さ~父上は戦の予算を出させるため、監国をお前に交代させた 私は休養できたし、お前は監国を体験できた」「馬鹿にしてる!」「分かっておらぬな~私たちは父上の手のひらの上にいるだけ そうわきまえて機嫌よく過ごした方が良いぞ~?」「断るっ!」父に翻弄された朱高煦は激怒し、出て行ってしまう。↓白毛閣大学士にも縁談が…U•x•U永楽帝が宮廷に戻り、朝議が始まった。すると永楽帝はオイラトを討つと決め、皇太子を監国に復帰させ、親征には第2皇子と第3皇子を連れて行くという。不満げな朱高煦をよそに皇帝の聖旨を淡々と読み上げる鼻涕、しかし一足先に退朝した永楽帝が途中で一度、呼吸を整えていることは誰も気づかなかった。…皇太子に監国として六部の総括権を与え、九錫(キュウシャク)を賜るまた楊士奇は文華閣大学士とし、兵部の統括を命ずる楊栄(ヨウエイ)と楊溥(ヨウフ)については懐仁閣大学士に任命し…朝議が終わり、官吏たちが楊氏3人の昇進に沸く中、解縉(カイシン)はひとり悶々としていた。しかしついに鼻涕に呼ばれ、聖旨を賜る。「″お前は博識ゆえ、あらゆる本を読むと豪語した 朕に仕える太監に度々、賂(マイナイ)を贈っては図書目録を盗ませていたな? 朕は長い間、我慢したぞ?″永楽大典″編纂(ヘンサン)の功績やお前の才能を考えたのだ だがお前は増長するばかりだった 高官になるため裏で太子に近づき、楊士奇を誣告(ブコク)したな?まるで楊修(ヨウシュウ)だ 朕は曹操(ソウソウ)とは違うぞ?荷物をまとめ、辺境で小役人になるがよい お前には辺境がふさわしい、出て行け″…ちんつー」鼻涕は思わず失笑し、皇帝が口語で詔を下すのは初めてだと言った。朝議後に父を訪ねた3兄弟、すると永楽帝は尚書房に置いてあった剣や槍を回廊に放り投げていた。朱高煦はおろおろしながら殿内の様子を確認していたが、朱高熾と朱高燧は笑いをこらえて傍観している。そこへ鼻涕が現れ、3人を案内した。「老二は活躍したな、刀を振り回しながら役人に接見したとか」「父上、私は身体を動かさないと気持ちが悪いのです( ̄▽ ̄;)」「では戦場で存分に振り回せ、で老三?ヌルガン都司にいる靖難(セイナン)の遺児は何人だ?」「約3万7000人です、労役に服していますが待遇は良いそうです」すると永楽帝は段階的に拘束を緩和し、老いた病人には治療のための移動を許すという。移動には子女の同行も認め、また科挙の受験も許可、遺児の出自を調べるよう命じた。また無罪の者や連座した者が何人いるか、ヌルガンの官吏に調べさせて報告するよう指示する。皇太子は思わず英明な判断だと拝礼した。「英明?ふっ、これで自分の悪口が減るならありがたい 朝廷の懸案を片付けるぞ、瞻基の婚儀を無事に済ませ、遷都の日取りを決めよう それで安心して発てる…」帰りの道すがら皇太子は弟たちの手を取り、こうして兄弟が揃って安心したと言った。朱高煦と朱高燧は手を振り払い、芝居はもうたくさんだという。「父上は千里眼なのか?我々は手も足も出ない!」「大哥もひどいですよ!聖旨のことを私たちに黙っていた!」弟たちに責められる朱高熾だったが、実は父は本当に千里眼だと教えた。「オランダ人が献上した長い筒があってな…」3人は思わず振り返ると、万が一に備え、朱高煦と朱高燧は長兄の肩に手を回して歩いた。解縉が東宮に乗り込んできた。解縉はこれまでひたすら献身し、やましいことは一切ないと訴え、誤解だと皇帝に取りなして欲しいという。しかし朱高熾は命じられた以上、辺境へ行くしかないと説得した。「陰謀の罪に問われたのだぞ? ″永楽大典″の功績がなければ、その首はとっくにはねられていただろうよ ここにいることが皇上に知られたら大変だ!…天牢に入るよりましだ」解縉はどこか釈然としなかったが、皇太子にうまく丸め込まれて出て行った。養生している若微の元へ胡善祥が薬湯を届けに来た。すると胡善祥は若微が読んでいる書物を取り上げ、身体を起こしてやる。「これは…説明が難しいけれど血を補う薬よ、皇上の命令だと尚儀から仰せつかったの」「ありがとう…姓は何?」「…胡、下の名は善祥よ」「孫姑娘(グーニャン)、あなたこそ名前は何?」「若微よ…泰然自若の″若″に微小の″微″…」その時、胡善祥の目から大粒の涙がこぼれた。「実を言うと10年前は違う姓だったわ…実の両親がいたの」そこで若微は寝台から飛び出し、部屋中を見回すと、棚にある如意を見つけた。「これでごっこ遊びしたことは?」それは若微と蔓茵(マンイン)だけが知っている姉妹だけの遊び道具だった。2人はついに姉妹であると確信、しばし抱き合って涙に暮れる。「じぇじぇ~」「そうよ、私があなたの姐姐よ!」「天が私たちを哀れんで再会させてくれたんだわ~」「蔓茵…」朱高煦は自ら監国の引き継ぎのため東宮へやって来た。再び東宮の書房に戻って来た六部の文書箱の数々、皇太子は不満そうな二弟にあと数日やってみるかと聞いたが、朱高煦は皇太子の仕事は奪えないという。「それにしてもこんな仕事を何年もよくできたものだ」「老二よ、私はこれを一日中しているのだぞ?しかも不満や小言を言われながらな 本当のことを言うと、火山の上に座っている気分だよ」しかし皇太子の愚痴も今の朱高煦にはただの自慢にしか聞こえない。「ふっ、楊士奇や解縉をうまく使いましたな? 太子爺、今回あなたは兵部の実権を手に入れた、得をしましたな…」すると朱高煦は帰って行った。つづく( ๑≧ꇴ≦)たいずいえ~ちょっとw
2020.07.10
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白发 Princess Silver第19話「疑惑」南境の豪族・鄭(テイ)家との縁談が持ち上がり困惑する孫雅璃(ソンアリ)。すると第七皇子・宗政無憂(ソウセイムユウ)から贈り物が届く。見事な腕輪を見た侍女・春泥(シュンデイ)は、第七皇子も孫雅璃に求婚するのではと期待した。一方、南境では反乱軍が略奪しながら青州の城下に迫っていた。無為に過ごしていると見せかけていた無憂だったが、すでに伏兵を配置させ、準備は整っている。陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)はこの機に傅筹でも潰しきれなかった南境の逆賊を根絶やしにしようと奮起した。しかし無憂は今回の″根″を植えたのが傅筹かもしれないと疑う。そこへ侍衛・冷炎(レイエン)が駆けつけた。「殿下!逆賊らが蜂起しそうです!」鄭英(テイエイ)は計画通り秦(シン)氏を使い、流民たちを集めて決起を促していた。しかし無憂たちが集会になだれ込み、流民たちを包囲する。無憂は秦氏を拘束、今すぐ武器を置けば安泰な生活を保証すると叫んだ。「約束を破ったら命を差し出す!」逆賊とは言え大半は流民、確かに扇動されやすいが結束ももろく、すぐ降参した。こうして無憂は見事に青州の反乱を平定、鄭氏が流民や土地を取り込むため、逆賊と共謀したと都へ報告する。憤慨した北臨(ホクリン)帝は鄭一族を掃討するよう命じ、鄭氏の土地は朝廷が没収した。将軍府に皇帝の使者として陳(チン)太監がやって来た。今回、南境の反乱が鎮まって鄭氏一族が滅ぼされたが、衛国(エイコク)大将軍も逆賊の勢力を削ぐのに貢献したとして、青州特産の絹織物や玉(ギョク)、米などが下賜される。その中には容楽(ヨウラク)の好物である干し棗(ナツメ)もあった。使者が帰ると、容楽は思い出の干し棗を懐かしそうに眺めた。そこへちょうど南境から項影(コウエイ)が戻って来る。項影の話では無憂が傅筹のかつての戦功を称え、意気高らかに南境を治めているという。また鄭家が潰れたので青州は孫家の天下となり、無憂と孫雅璃の結婚も近いと噂になっていると報告した。容楽は気分を害したのか、急に寝殿へ戻ってしまう。すると傅筹は卓に並んだ下賜品をどかし、力なく腰かけた。「逆賊を根絶しなかった私に対する当てつけだ…面目が丸つぶれだな」一方、無憂は鬱蒼とした竹林で師兄・無相子(ムソウシ)と手合わせに興じていた。実は今回の平定には師兄率いる無隠楼(ムインロウ)の協力が大きい。無相子の父は秦永(シンエイ)の親友だった。そのため16年前の秦師匠の件で一族が皆殺しとなってしまう。ひとり生き残った無相子は無隠楼を創立、陰ながら無憂を支えて来た。しかし無憂が修羅七煞(シュラシチサツ)と婚儀に乗り込んだ時は、さすがに師匠の遺志を忘れたかと心配したという。無相子は立ち直った姿を見て安堵したと伝え、無憂も全力で使命を果たすと誓った。無郁のもとに昭蕓(ショウウン)郡主から文が届いた。「字が上達したな、優しさがにじみ出ている…元気でいるだろうか?」昭蕓からもらった木彫りの人形を握りしめ、遠い都に思いを馳せる無郁…。すると思いがけず七兄が都へ戻るつもりがないと知る。それは孫継周(ソンケイシュウ)が鄭氏の案件に関わった罪人を勅命通り処罰したと報告に来た時だった。実は鄭氏の財産が巨額で、ある土地は流民が占拠し、明け渡すのを拒否しているという。しかし所構わず土地をせしめておきながら鄭氏は耕作もせず土地を遊ばせていたため、孫継周は流民に与えても構わないのではと進言した。無憂も優先すべきは反乱の平定と民の救済だと賛同したが、土地の持ち主は登録するよう指示する。「開墾(カイコン)には州府が出資を、二度と豪族に土地を奪われぬように… 鄭氏は倒したが、将来、別の悪党が現れたら厄介です」これで孫継周も土地に手を出せなくなったが、仕方がない。それより今回の手柄で第七皇子の爵位が復活するだろうと期待し、帰京するなら政務を引き受けると申し出た。すると無憂は皇帝が何と言おうと帰京する気はないという。「南境は情勢が落ち着けばかつての繁栄を取り戻す、争いとは無縁になり、住むには理想の場所だ ここで生涯のんびり暮らせるなら、爵位などなくても構いません」無憂は孫継周があらぬ期待を抱かぬよう釘を刺しておいた。孫雅璃は第七皇子が都に戻る気がないと知り、思わず皇子なら皇帝に孝行すべきだと諫言した。すると無憂は青州が嫌なら都へ帰ればいいという。孫雅璃は父が許さないと落胆したが、無憂は時局が変われば人心も変わると言った。「そなたとて鄭氏の息子を拒むために私に嫁ぐ気だった」「殿下、ご存知だったのですか?」無憂は孫雅璃に想い人がいると気づいていた。腕輪を送ったのは芝居の一環、雅璃こそ強要されるのが嫌で腕輪をはめることにしたのだろう。見透かされていた孫雅璃はその場にひざまずき、都に戻って想い人のそばにいたいと訴えた。「立ちなさい、そなたの帰京を決められるのは私ではなく別のものだ…」その頃、将軍府では項影が宗政無憂に帰京の動きはないと報告していた。長く留まるためか、屋敷を修繕させているという。思えば皇帝は南境の平定に関わった者を褒賞しながら、なぜか宗政無憂のことには触れなかった。傅筹はどこかおかしいと勘ぐったが、ひとまず静観するという。「宗政無憂が戻らぬなら、円滑に次の段階へ進める」すると傅筹は山河志(サンガシ)の件は1人で解決すると言った。「これ以上、干渉されたくない…」その時、急に花火の音がする。項影は静謐(セイヒツ)園だと気づいて見て来ると言ったが、傅筹は自分で行くことにした。静謐園では容楽が昭蕓(ショウウン)郡主や泠月(レイゲツ)と花火を楽しんでいた。楽しそうに笑っている容楽を垣間見た傅筹は思わず自身も笑みがこぼれる。…容楽、君の笑顔をずっと見ていたい…↓泠月の笑顔を見てニヤリとする蕭煞と容楽の笑顔を見てニヤリとする傅筹…どちらもキ…w一方、皇太子妃は意を決し、皇后の寝殿を訪ねた。明日は太廟(タイビョウ)での法事、皇后は皇帝も早めに休むことから、急用でなければ下がれと命じる。しかし皇太子妃も限界だった。「母后、太子妃の位を廃してください、母后もご存知の通り太子は色ごとにだらしがない人です 私がいくら忠告しても聞く耳を持たず、ますますやりたい放題です」「やめなさい、夫婦には我慢が必要と前にも言ったはず、太子妃ならなおのこと耐えないと…」宮中で上に立つ者は家族や地位を守るため、何でも我慢している。皇后は自分も十数年、耐えて来たと諭し、一歩でも誤れば終わると警告した。すると皇太子妃は自分の問題ではなく、皇太子が自分を許容できないのだと訴える。皇帝の怒りを買っても芸妓を囲い続け、今日も明日の法事に備えて早く休むよう忠告したところ、いきなり叩かれていた。確かに皇太子妃の額にあざがある。皇后はさすがに驚いたが、その時、寝所から皇帝が現れた。話を聞いていた北臨帝は皇太子に激怒、この件を自分に任せるよう告げて皇太子妃を下げた。皇后はその場にひざまずき、後宮の管理を怠ったことを謝罪する。しかし北臨帝は皇后に罪はないと許し、皇太子も年の近い皇后の諫言など聞かないと分かっていた。「そなたはこの16年間、頼れる子もおらず、宮中で苦労して来た」「陛下…符鴛(フエン)が謀反を起こした時、私は庶民の娘でしたが、陛下はお一人で国を再興し、 すでに天下の英雄でした、陛下に嫁げたことは一生の誇りです」皇后は皇帝が自分の言葉を聞いていたと気づき、誤解がないよう釈明する。すると北臨帝は理解を示し、自分の死後も皇后の将来を保証すると安心させた。「雲児(ウンジ)と同じ悲劇は繰り返したくない」容楽と昭蕓郡主は厨房で泠月の餃子作りを手伝っていた。やがて3人は粉をかけ合ってふざけ始めると、そこに突然、傅筹が現れる。「…将軍、殿方は厨房に入らぬものよ?」傅筹は容楽の顔についた粉を取ろうと手を伸ばしたが、容楽は無意識に避けてしまう。すると傅筹は気まずそうに手を下ろし、夕食の誘いに来たと言った。その時、泠月が勝手に将軍も餃子をどうかと勧めてしまう。将軍が現れたため、昭蕓は恐縮して餃子を食べずに退散した。傅筹は泠月が気を利かせてくれたおかげで静謐園で餃子をご馳走になる。すると打ち上げ花火の音が聞こえた。傅筹は容楽と並んで窓から花火を眺めながら、今まで将軍府は冷たくて寂しい場所だったと漏らす。「家族や友人もおらず、私は刀と剣に囲まれ過ごして来た… 一家団欒の日が来るたび、血まみれの戦場の夢ばかり見た だが今日は違う、家族のぬくもりを初めて感じたよ」「私も家族はいない、こうしていると心が安らぐわ、こんな暮らしが私には合うのかも…」傅筹は容楽の思わぬ言葉を聞き、顔をほころばせた。そこで書房に戻ると、西啓との密書を燃やしてしまう。しかし項影は金銭的な援助を受けられなくなると心配した。「もし暴露されたら…」「容楽を失うこと以外は何でも耐えられる、容楽は過去と決別した 山河志の件などで煩わせたくない、″凧(タコ)″たちはきれいに始末しろ、容楽には秘密だ…」一方、西啓では容斉(ヨウセイ)が発作を起こして苦しんでいた。小荀子(ショウジュンシ)は皇后に願い出て薬を飲むべきだと説得するが、容斉は必死に耐えている。「隠密!…容楽の様子は?」「陛下、将軍府でお元気に暮らしており、将軍との距離も縮まったようです」「…皆、下がれ!」…容楽、私の願いはそなたが生き抜くことだ…(Ŏ艸Ŏ)<ホァンショ~ン!夜も更けた頃、皇太后がすでに休んでいる容斉の寝所に現れた。皇太后は容斉の顔に優しく触れていたが、ふいに激情に駆られ、思わず容斉の首に手をかけてしまう。しかしふと我に返り、皇太后は慌てて手を離すと、そっと薬瓶を置いて出て行った。すると寝たふりをしていた容斉が目を開ける。容斉は母が置いて行った薬瓶を眺めながら、人知れず涙を流した。(꒦ິ⌑꒦ີ)ホァンションに何が?!北臨帝は法事を終えてから皇太子を呼び出した。祖先を祭る日だというのにうたた寝していた皇太子は連日、深夜まで傅将軍たちと協議していたと取り繕う。しかし北臨帝は芸妓と戯れていることなど百も承知だと激怒した。そこで早く芸妓を追い出し、今後は許可なく参朝するなと命じて追い出してしまう。皇弟の范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)は先延ばしとなっていた尉(イ)国の討伐について尋ねた。北臨帝の話では西啓に何度も使者を送っているが、北臨軍の通行や兵糧に関して西啓帝から返事がないという。両国の結盟のため半年前に婚戚関係を結んだが、西啓帝はまるで公主の存在を忘れたかのようだった。「このまま焦って出征すれば、西啓は同盟を破棄し、火事場泥棒となるやも… 公主の婚姻では偽物を使い、騒ぎまで起こした、西啓に誠意があるのかもはや朕とて分からぬ」すると范陽王が実は将軍府と西啓が文を交わしていると密告があったと報告する。真意のほどは不明だが、無隠楼という門派からの情報だった。ただ容楽公主が故郷とやり取りしているだけかもしれないが、思えば婚儀の時の傅将軍は少し妙だったという。そこで北臨帝は范陽王に将軍府の監視を頼んだ。一方、皇后も話し相手という口実で容楽を呼び出し、探りを入れた。そこで容楽が北臨帝に初めて謁見した時に献上した白玉瑠璃盞(ハクギョクルリサン)を返すという。「これは茶器だから、茶道に詳しい人の方が使いこなせる あなたに返すわ、故郷が恋しい時に使って」「娘娘のお気遣いに感謝します、しかし必要ありません これは北臨へ持参するため作らせた物です、それに私はもう西啓の者ではありません」「西啓が恋しくならない?」「はい、縁は切れました」「ぁ…文のやり取り~とかは?」「いいえ、将軍に嫁いでからは一度も…」つづく( ̄▽ ̄;)傅筹…髪の毛は結ってた方が…wそれにしても孫パパ…全然、君子じゃなかったわ…
2020.07.09
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白发 Princess Silver第18話「寵姫の誕生祝い」容楽(ヨウラク)は沈魚(チンギョ)に薬湯の煎じかすを渡し、どんな薬か調べて欲しいと頼んだ。西啓(サイケイ)にいた時から飲んでいる頭痛と記憶回復の薬だが、逆にこの薬こそが元凶かもしれない。容楽は色々なことが起こって西啓の人間を信頼できないと吐露し、今では自分が本当に長公主かも怪しいという。すると沈魚は友人として頼られるのは光栄だと話し、もちろん容楽が元気になれば嬉しいと快諾した。「偽りの人生は嫌なの、不幸になるとしても自分が何者なのか知りたい どこから来て、どこへ向かうべきかを…(๑•̀ㅂ•́)و✧キラン」容楽の見張りを任されていた項影(コウエイ)は将軍府に戻り、公主がすでに屋敷に戻ったと報告した。しかし買い物に出かけた沈魚を付けたところ、急に道端で倒れ、医館に運ばれてしまったという。傅筹(フチュウ)は沈魚のことより、容楽が上機嫌な様子で、寝殿から笑い声が聞こえると知って喜んだ。やはり茶楼を再開させたのは正解だったらしい。傅筹は容楽もいずれ過去を忘れて自分との生活にも慣れると期待した。「でも情が移っては今後の…(ぁ…)」項影は思わず口を滑らせ、傅筹を怒らせてしまう。「口出しは無用だ」東宮の宴の日、泠月(レイゲツ)は将軍が公主のために新調した衣を届け、試着するよう勧めた。ちょうど書物を読んでいた容楽は見向きもせず、出かける前に着れば良いとそっけない。そこで泠月は他にも将軍から贈り物があると言った。「この干し棗(ナツメ)は青州(セイシュウ)からの献上品ですよ?」「干し棗?」ようやく公主が関心を示し、泠月は安堵した。しかし容楽は干し棗を見ると切なさに胸が痛む。思い出すのは好物の干し棗を頬張りながら、漫音(マンイン)閣で宗政無憂(ソウセイムユウ)と碁を打っていた幸せな日々…。そこへ傅筹がやって来た。すると我に返った容楽は衣の礼を伝え、支度へ向かうことにする。傅筹は何も言わなかったが、容楽が愁いを帯びた表情で干し棗を見ていたことを見逃さなかった。容楽は東宮の宴で久しぶりに昭蕓(ショウウン)郡主の姿を見つけた。しかし容楽に騙されと怒っている昭蕓に無視されてしまう。すると宴の主役である香夫人が容楽に近づいた。痕香(コンコウ)は今日の招待客たちが公主を敬うのは、実は将軍が密かに皇太子に頼んで手を回していたからだと暴露する。「夫の隠し事をあえて私に聞かせるのはなぜなの?」「将軍に感動したのです、これは私たちだけの秘密にしてください」宴が始まると、清河(セイカ)王の世子が酔った勢いでまた昭蕓にからみ出した。容楽はすぐ駆けつけ昭蕓をかばったが、世子はこの機に皇太子に昭蕓との縁談を申し出る。すると皇太子はお似合いだと言い出し、認めることにした。驚いた容楽は女癖が悪い世子を痛烈に批判、しかしかえって無憂とのことを揶揄されてしまう。「嫁入り前の女子が男と墓室で…」その時、激怒した傅筹がいきなり世子に飛び蹴りを食らわした。宴は思わぬ騒ぎとなり、皇太子は自分の顔に免じて世子を許してやれという。その時、痕香は傅筹の目配せに気づき、酔いを覚ましたいので着替えて来ると言った。皇太子妃は妻を守った将軍に敬服し、大勢の女子を娶っても大事にしない世子にかこつけ、皇太子を非難して帰って行った。すると世子が皇太子に公正な裁きを訴える。その時、痕香が慌てて戻って来た。「大変です!これを見てください、着替えようと思ったら侍女が中で首つりを…」侍女は小翠(ショウスイ)が世子に絡まれていたと証言し、それが自害の原因だと訴える。激怒した皇太子は清河王府の人間を出入り禁止にすると命じ、ただちに世子を追い出した。傅筹と容楽が東宮を後にすると、痕香が追いかけて来た。「お待ちを…不愉快な思いをさせて申し訳ありません、これは太子からお詫びの印です」痕香は精巧な小箱と一緒に密書を忍ばせる。「…ありがたく頂きます」傅筹は容楽が訝しんでいると分かっていたが、素直に受け取って帰って行った。容楽は攏月(ロウゲツ)楼を訪ねた。すると沈魚が薬の処方が判明したと報告、念のため別の医者にも調べさせたが、頭痛の薬に間違いないという。幼い頃から多くの人と渡り合って来た沈魚は用心深く、容楽はそんな沈魚を信頼し、杞憂だったと安堵した。ただし沈魚は傅将軍の手下に尾行されたという。「警戒するのはお互い様よ、それはそうと天香(テンコウ)楼の芸妓の噂を聞いたことない? 痕香という名で、とても美しい人よ」「知りません、でもそれほど美しい人なら有名になるはずです」容楽は痕香の宴での行動に違和感を感じ、沈魚に素性を調べて欲しいと頼んだ。「いつ都に来て、なぜ将軍府に呼ばれたのか?」「ご安心を、分かり次第お知らせします」その夜、痕香は東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)に傅筹を呼び出した。傅筹に会いたかった痕香は口実として皇太子と官吏の癒着を示す証拠を渡す。しかし傅筹はこの程度の物を見せるために容楽の前で危険を冒したのかと呆れた。「痕香、覚えておけ、重大なことがない限り、勝手に東宮から出るな」「太子のそばは嫌なの!媚びたくもない」「すべては大局のためだ、皇太子をよく見張れ、将来、利用できる」「なぜ私が?」「唯一、信頼できる…危険を伴う任務だが、お前に任せれば安心だ」痕香は喜び、傅筹のためなら何でもできると言ったが、容楽のことが気がかりだった。そこで痕香はそっと傅筹の肩に手を起き、宴での行動は芝居かと確認する。「本当に情が移ったら、それこそ大局に影響するわ…」「もう行くよ、用心しろ」↓痕香、お前もか…( ̄▽ ̄;)北臨(ホクリン)帝は皇太子を呼び出し、東宮での騒ぎが自分の寝殿まで聞こえたと激怒した。そこで皇太子に芸妓の痕香を今日中に追い出せと命じ、さもなくば廃太子にすると脅す。話を聞いた痕香はこれ幸いと出て行くことにした。しかし皇太子は、ほとぼりが冷めるまでおとなしくすればいいという。皇太子妃は皇帝の命令すら無視する皇太子に愛想を尽かし、二度と忠告しないと言い放った。「最後に一言だけ、″忠言は耳に痛し″、この言葉の意味は災いに遭えば分かります」容楽が書をたしなんでいると、泠月が昭蕓郡主を案内して来た。気まずい昭蕓だったが、清河王の世子が辺境に流刑になったと報告し、容楽のおかげで助かったと感謝する。こうして昭蕓はわだかまりが解け、容楽に好物の干し棗を差し出した。「無憂哥哥が送って来たのよ?」容楽は思わずふたを閉めてしまったが、昭蕓は容楽が無憂を欺いたのにはやむを得ない事情があったからだと理解してくれていた。昭蕓は容楽の書に気づき、美しい字だと褒めた。そこで字を教えてもらいたいと頼み、美しい字を書いて陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)を驚かせたいという。早速、昭蕓は容楽から指導を受けながら″宗政無郁″と練習、ようやく上達したと喜んだが、その字を見た泠月が思わず吹き出した。怒った昭蕓は泠月の顔にいたずら書きしようと筆を持って追いかけまわし、容楽は久しぶりに大笑いする。そんな楽しそうな姿を蕭煞(ショウサツ)が嬉しそうに中庭から見ていた。すると笑い声に気づいた傅筹が静謐(セイヒツ)園の様子を見に来る。…容楽、君が楽しければ私は満足だ…いつかその快楽を共にしたいそれは将軍府に来て初めて見る容楽の屈託のない笑顔だった。項影は将軍に西啓(サイケイ)帝からの密書を渡した。…山河志(サンガシ)の手がかりを容楽に尋ねて欲しい…すると項影は公主が山河志を宗政無憂に渡したのではと疑った。傅筹は確かに無憂が関係していると確信し、容楽との決別の原因が山河志かもしれないと勘ぐる。「そうだ、婚儀に現れた覆面の7名について情報は?」「まだ調べがつきません…」傅筹は何としても突き止めろと命じたが、ふと青州で超然としている無憂のことが引っ掛かる。「やはり不安だ、お前は南境へ…」項影は南境で密かに鄭英(テイエイ)と接触した。しかし鄭英は宗政無憂が付き合いが悪く、何度も訪ねたが会ってもらえないと訴える。無憂はもっぱら孫継周(ソンケイシュウ)の娘・孫雅璃(ソンアリ)と一緒にいるらしい。すると項影は無憂が関わらないなら好都合だと言った。そこで鄭英は今回の計画を仕切る秦(シン)を紹介する。「愚かで無知な民はたやすく扇動されます」「では行動しろ」項影は利用できる者は養うが、恩知らずは養えないと釘を刺して帰った。無憂は政事を無郁に任せ、しがない1日、棋譜を解いて過ごした。そんなある日、父から密旨が届く。…無憂、南境は古来、繁栄しているが、近年、反乱を起こす流民が増えている…異常なことゆえ調べて欲しい無憂は父が気分転換だけでなく、密偵として自分と無郁を南境へ送ったのだと分かった。しかし南境の士族は勢力が強く、州府は兵が不足して力がない。果たしてどこから調べればいいのか。一方、傅筹は西啓帝の密偵と接触していた。「ご所望の兵糧は南境へ送りました、山河志に関する情報は何かつかみましたか?」「宗政無憂は南境で気ままに暮らし、山河志を手に入れた様子はない おそらく公主もまだだ、怒りに任せて嘘をついたのだろう 山河志のことは何か分かればお伝えする」「もう1つ、陛下からご要望が、将軍を支援し続けるので公主の厚遇を 公主に万一があれば責任を取ってもらうと…」「公主は私の妻だ、もちろん大切にする」密偵が消えると、傅筹はいつかすべての脅威を取り払って天下の主人になると漏らした。すると隠れていた痕香が姿を見せる。「偽の身分は手配できたか?」「完璧よ」容楽に沈魚の密書が届いた。…痕香は西啓の出身…同封されていた痕香の似顔絵を見た泠月は公主と似ていると驚く。「まさか皇兄が…蕭煞!」容楽は蕭煞に似顔絵を見せたが、蕭煞は知らないと言った。するとふいに傅筹が現れる。蕭煞は咄嗟に似顔絵を後ろ手に隠し、容楽は密書を書物の下に隠したが、鋭い傅筹は勘づいていた。「新茶が届いたとか、宮中に少し献上したいが構わぬか?」「…私に断る必要はないわ、将軍府の物はあなたの物よ?」「いつの日か君も私のものになって欲しい」( ತ _ತ)oO(キモイ…容楽は無視して席を立ち、裏庭へ行ってしまう。一方、青州では鄭英が東郊の土地の件で孫継周ともめていた。孫継周はあの土地の持ち主なら耕作を放棄して孫家の食客になったと説明し、土地も孫家のものだと訴える。しかし鄭英は孫家が近年の反乱のどさくさに紛れて何軒分もの土地を取得したと反発した。本来、東郊の土地は鄭家が管理して来たが、孫家が横取りしたという。裁定できず困惑する無郁、すると珍しく無憂が姿を見せた。孫継周は当然、七皇子が自分の見方をしてくれると安堵したが、なぜか無憂はしきたりがあるなら従うよう伝え、もめごとに口をはさまないことにする。喜んだ鄭英は子孫が少ない孫一族には跡取りがおらず、どちらにしてもあの土地は婚家に献上することになるという。そこでひとり娘を自分の息子に嫁がせろと脅して帰って行った。孫雅璃は鄭氏との縁談に頭を悩ませた。しかし今回、鄭氏を避けられとしても、また別の縁談が来ると分かっている。かと言って七皇子と親しくすれば、父からどちらか選べと迫られるだろう。すると侍女が七皇子からの贈り物を届けにやって来た。つづく※昭蕓郡主=父親が功を立て爵位をもらう、父親が早世して宮外の叔父の屋敷に移ったが、宮中の出入りは認められている※東郊客桟=傅筹が容楽を助けた時に連れて来た宿※南境=鄭氏・陳氏・孫氏
2020.07.08
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白发 Princess Silver白发 Princess Silver第17話「都落ち」青州(セイシュウ)の実家へ帰ることになった孫雅璃(ソンアリ)。そこで酒楼に傅筹(フチュウ)を呼び出し、これが最後の機会になると思いの丈をぶつけた。「側室でも奴婢(ヌヒ)としてでもいい…将軍のおそばにいられるなら、それで満足です」しかし傅筹は席を立ち、気持ちに応えることはできないと断る。雅璃はどうしてもあきらめ切れず、思わず将軍の腕をつかんで涙ながらに懇願した。「将軍、お待ちください…ウッ…待って…」すると傅筹は雅璃が自分を想って毎月、作ったという香り袋をひとつだけ取り、帰って行った。↓雅璃…まさかすがりつくとは…( ̄▽ ̄;)爵位を剥奪された第七皇子・宗政無憂(ソウセイムユウ)と陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は南境へ下ることになり、父へ別れの挨拶にやって来た。すると北臨(ホクリン)帝が珍しく無憂に胸の内を明かす。「無憂…符鴛(フエン)に陥れられた朕をずっと恨んできたのだろう? 確かに朕はそなたの母に済まぬことをした、あの頃、朕は国を再興する志に燃えていたのだ 一時、情を犠牲にしても取り戻せると思っていた…しかし…」父が珍しく釈明するのを聞いた無郁は、実は七兄も父を心配していると仲を取り持った。陳(チン)太監も僭越ながら皇帝が真犯人を見つけて陳王の汚名をすすぐため、大理寺に捜査を命じたと暴露する。無郁は自分の無実を知っていながら南境へ行かせるのかとぼやいたが、北臨帝は場所が変われば気分も変わると真意を教えた。「朕は情を犠牲にして戦場に人生を懸けたことで強大な北臨の礎を築いた 自責の念はあるが悔いはない、朕の国土は任せるに足る者に任せたいと思っておる さもなくばそなたの母に面目が立たぬ」無憂と無郁は挨拶を終えて御書房を出た。すると偶然、皇帝に婚姻の挨拶に来た傅筹と容楽(ヨウラク)に鉢合わせしてしまう。傅筹は他郷に行く2人に別れを伝えると、容楽も表情を変えずに拝礼した。ちょうどそこへ孫継周(ソンケイシュウ)と孫雅璃が現れる。そこで無郁はわざと青州に着いたら孫継周も七兄の岳父になると嘘をつき、無憂の面目を守った。傅筹は皇帝から謁見を拒まれ、結局、そのまま容楽と引き返した。すると宮中ではもちろん、大街でも将軍府の馬車を見た民たちから容楽の悪評が聞こえる。「夫人は不貞な女だそうだ」「なぜあんな女を?」「悪い女が乗ってるぞ!」容楽は人の噂など気にしていなかったが、馬車が攏月(ロウゲツ)楼の前を通ると表情が変わった。将軍府に戻った容楽は初めて傅筹に話があると引き止めた。「あなたの仕業?あなたが民に危害を加えさせ、無憂に罪を着せたのね? 陛下が拝謁を許さなかったものも、そのせいだわ」傅筹は否定も肯定もせず、皇帝も容楽も常に無憂の味方で、自分を信じたことは一度もないと不満を漏らす。しかし容楽は無憂たちの都落ちを自分に隠していたのが何よりの証拠だと冷たかった。「では事実を君に告げて、妻が自責の念に苦しむのをただ見ていろと言うのか?」「(ハァ~)終わったことよ、ただ…」「私を非難した動機が何であれ、これは信頼の始まりだ ←( ๑≧ꇴ≦)何も始まってないw 今後はどんな事でも遠慮なく聞いてくれ、必ず答える、憶測はするな もちろん、いつか君にも心を開いて欲しい」「ごめんだわ」「私が心から君を想っていると、いつか分かる」←( ๑≧ꇴ≦)だったら雅璃にもチャンスやれっ!都を離れたくない孫雅璃は皇后に泣きついた。しかしかえって無憂との縁談を勧められてしまう。一方、無憂は漫音(マンイン)閣でひとり碁石をながめていた。「″世は対局のごとく人は変わりやすし、恩讐と愛憎のしがらみは解き難し″… 手の内にあるつもりでいた、今はそれも疑わしい 私も運命に翻弄される駒に過ぎなかったのか?」そこへ昭蕓(ショウウン)郡主がやって来た。「無憂哥哥、悪い女のことは忘れて!優しい姐姐だと思ったのに、私もだまされたわ!」「…もう言うな」すると無憂は侍衛・冷炎(レイエン)を呼び、この離れに鍵をかけるよう命じた。無郁は中庭で昭蕓をまちぶせしていた。やがて昭蕓が現れると、実は真剣な話があると引き留める。「私も君のことが好きなんだ 当分は遊んでいられると思っていた、君が大人になるまで待てばいいと… でもこうして都を離れたら、いつ戻れるかも分からない」「何よ!無郁の馬鹿っ!気づかないふりをしていたのね?!」無郁は昭蕓を喜ばせるどころか怒らせてしまったと焦ったが、昭蕓がふと木彫りの人形を差し出た。「あなたよ、公主姐姐と作ったの…」すると昭蕓は毎日、文を書いて他の女子を遠ざけろと迫った。「嫌なら待たないから」「分かった!」↓2人には幸せになって欲しい✩°。⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝傅筹は急に容楽を連れて攏月楼を訪ねた。すると店の準備に追われる沈魚(チンギョ)と再会を果たす。沈魚にとって攏月楼は我が家も同然、やはり離れ難く、店を再開すると教えた。実は茶道が好きな容楽のため、傅筹が攏月楼を開かせることにしたという。「これからも君が若店主だ、やりたいことがあれば自由にやるといい、では先に戻っている」容楽は傅筹を見送りながら、疑惑の眼差しを向ける。しかし沈魚から攏月のためにも店を続けないかと言われ、容楽は久しぶりに笑顔を見せた。容楽は攏月と過ごした唯品(ユイヒン)閣へ入った。…好きな人への想いは人それぞれです…全て捧げたり、利用したり…何を求めるかは心にお尋ねください攏月の言葉を思い出し、また悲しみが蘇る容楽…。その時、奥の部屋で攏月の霊位にひざまずいている蕭煞(ショウサツ)の姿に気づいた。「何をしに来たの?攏月を追い詰めて、死を選ばせたのはあなたよっ! 形だけの哀悼で攏月の安息を妨げないで!」「公主のお怒りはごもっともです…だが言うに言われぬ事情があるのです」←( ๑≧ꇴ≦)言えっ!蕭煞はどう思われようと使命を果たさねばならないと訴え、自分の職責は公主を守ることだと言った。こうして再び公主の侍従として静謐(セイヒツ)園を守ることになった蕭煞、しかし泠月(レイゲツ)からも攏月の死の責任があると辛辣な言葉を浴びせられてしまう。無憂と無郁たちは都を出立した。孫雅璃は再び都へ戻れる日が来ると信じ、後ろ髪を引かれる思いで去って行く。一方、傅筹は容楽を笑顔にしたいと願い、泠月から容楽の趣味を聞き出していた。泠月は特にないが茶道が好きだと答え、そう言えば沈魚の琴を聞く時は笑顔を見せると教える。「ハァ~また何か思い出したら教えてくれ」将軍府では寝殿にこもりきりの容楽、するとどこからともなく琴の音が聞こえて来た。調べに誘われて外へ出てみると、傅筹が琴を弾いている。「初めて聴いた時の無常感がないわ…抑揚の中に清々しさがある、きっと心境が違うのね?」「君がそばにいるからだろう」←(((;゚Д゚)))うわっ傅筹はわざわざ楽譜を取り寄せたと教え、気に入ったなら毎日、聴かせると言った。すると容楽は感謝してくれたが、すぐ部屋に戻ってしまう。その頃、東宮では痕香(コンコウ)のもとに次々と誕生祝いが運ばれていた。すると傅筹からの贈り物が届く。痕香は喜んだが、そこに皇太子妃がやって来た。「これは何事なの?!」「太子妃娘娘、明日は私の誕生日なので、太子殿下が宴を開いてくださいます」何も知らなかった皇太子妃は激怒、よりによって傅筹がくれた陶器を倒して割ってしまう。痕香は怒りに震え、思わず皇太子妃の腕をつかんで酷すぎると抗議した。その時、ちょうど皇太子が戻って来るのが見える。そこで痕香はあたかも皇太子妃に突き飛ばされたように見せかけ、大げさに床に倒れ込んだ。「何をする!」皇太子は慌てて痕香を助けると、痕香は皇太子妃が傅将軍からの贈り物を壊したと訴えた。激情に駆られた皇太子は皇太子妃を引っ叩き、出て行けと一喝する。皇太子妃は東宮に注目が集まっている大事な時期だと諌めたが、皇太子はまた口出しすれば位を廃すと脅した。容楽が急に倒れた。すると夢の中で再び尚書府の密室で思い出した記憶が蘇る。「娘(ニャン)っ!」容楽が飛び起きると、ちょうど泠月が薬を運んで来た。しかし容楽は薬を拒む。「公主、薬を飲んでいなかったから倒れたのですよ? 陛下からの薬が届かなければ目覚めなかったかも…」「皇兄からの薬?」「はい、これまで同様、安否を尋ねる者を寄越し、薬が届きました」泠月は西啓帝が公主を無理に嫁がせた理由は分からないが、公主への愛情は確かだという。薬は蕭煞から受け取ったが、西啓帝の使者が蕭煞に届けていた。容楽は定期的に頭痛が起きるのもおかしな話だと気づき、むしろ薬が原因で頭痛が起きていると疑う。「薬をやめたら記憶が少し戻ったわ、完全にやめれば頭痛は治り、記憶も戻るかも…」そこで容楽は次の薬を自分に渡すよう頼み、蕭煞には口止めした。↓どうもこのアヒル口が信用できないw翌朝、容楽は将軍に呼ばれて正殿を訪ねた。すると傅筹が卓に他国の商人から手に入れた名茶を並べ、茶道に精通する容楽に味を確かめて欲しいという。容楽は早速、茶葉の香りを確認していたが、そこへ項影(コウエイ)がやって来た。実は皇太子が香夫人の誕生祝いに将軍夫妻を招待したいという。ふいに″香夫人″と耳にした容楽は、例の自分の替え玉だと思い出し、興味がわいた。しかし傅筹が容楽は病み上がりなので断るよう指示する。「駄目よ!行くわ、太子殿下が特にご寵愛の夫人なのでしょう? 太子殿下の顔を潰して恨まれてはいけないわ」「一緒に人前に出ると?」「引きこもる気はない、あなたとの約束は守るつもりよ」「安心しろ、私も君との約束は守る」容楽は攏月楼に茶葉を届けに行くと断って出かけた。そこで泠月からもらった昨夜の薬の出がらしを沈魚に託し、どんな薬か調べて欲しいと頼む。つづく( ๑≧ꇴ≦)ふぉんしょーーーん!←まったく関係ないw
2020.07.07
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白发 Princess Silver第16話「すれ違う心」思雲(シウン)陵の墓室へ立てこもった黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)と西啓(セイケイ)の長公主・容楽(ヨウラク)。互いに騙し合っていた2人はわだかまりが解けず、距離を置いて石段に腰掛けていた。しかし容楽が寒さで震え始め、無憂は自ら歩み寄って自分の外衣をかけてやる。容楽は拒もうとしたが、無憂は外衣で容楽を包みながら、思わず抱きしめた。すると容楽は無憂を突き放し、いつになったら帰してくれるのか尋ねる。そこで無憂は今までのことを全て水に流し、漫夭(マンヨウ)を娶りたいと言った。「山河志(サンガシ)の真偽はともかく、そなたは私を信じて託してくれた、そうだろう?違うか?」「だからって何?私と傅筹(フチュウ)は婚儀を挙げた、今さら何を言っても無駄よ」「離縁状を手に入れる」「陛下の寵愛があれば何でもできると思うの?」「違う!私を信じろ!」←( ๑≧ꇴ≦)無理っ!「どうやって?短い間に何度も人に欺かれたのよ?お互いに信頼を失ったのなら離れるべきだわ …あきらめましょう、初めからこうなる運命だったの、私たちは相容れない関係よ 情は芽生えたけど、真心は捧げなかった、これからは赤の他人に… 疑念を募らせ、苦しみ続けるよりいい」「それが本心か?」「願望なの、どうか叶えて…」無憂はしばし言葉を失ったが、どうしてもあきらめられない。「傅筹は真心があると?」「…それはまた別の問題よ」「私を愛していたか?!愛していたのならどのくらいだ?!」←( ๑≧ꇴ≦)何時何分いつどこで?!wしかし容楽はただ黙って冷ややかに無憂を見つめた。無憂は愛する容楽に拒絶され、うなだれながら涙をこらえる。「…最後に頼みがある、3日だけそばにいてくれ」すると容楽はこらえ切れず、無憂のそばから離れて1人で泣いた。(꒦ິ⌑꒦ີ)かえって辛くなるだけなのに…3日経っても容楽の気持ちは変わらなかった。無憂は約束通り墓室を開けると、容楽は立ち上がって黙って歩き出す。しかし無憂とすれ違っても容楽は目も合わせようとしなかった。すると急に無憂が容楽の背中に誓いを立てる。「私、宗政無憂は…」容楽は思わず足を止めた。「…生涯かけてそなたを想い続ける、そなたと民を決して裏切らぬ」その時、容楽の瞳から大粒の涙がこぼれたが、無憂からは何も見えなかった。容楽はようやく解放されたが、陵墓には北臨(ホクリン)帝以下、朝臣たちが待ち構えていた。すると北臨帝は拝礼した容楽をいきなり引っ叩く。「黎王を誘惑したあげく、衛国(エイコク)大将軍まで惑わし、臣下の離間を計るとは!」北臨帝は処置が決まるまで容楽を収監すると命じたが、咄嗟に傅筹がひざまずいて恩情を求めた。北臨と西啓(サイケイ)は同盟を宣言したばかり、容楽公主を収監すれば憶測を呼ぶという。しかし傅筹の嘆願は叶わなかった。その時、無憂が現れ、容楽の解放を求める。これは全て自分がひとりでやったことであり、公主は半年以内に婚姻を決めたかったが、自分に拒否され将軍を選んだだけだとかばった。「父上、どうかお許しを…」北臨帝は頑な無憂が頭を下げたことから、今回はこれで片を付けると決める。「今後、この件には二度と触れるな!」朝臣たちが拝命し一件落着、そこで傅筹は容楽を連れて帰ろうとしたが、容楽は将軍の手を離して1人で行ってしまう。すると容楽の背中を見送った無憂は、またひとりで墓室へ戻って行った。将軍府に戻った容楽、しかし真っ赤に飾り立てられた部屋の中で身の置き場がなかった。そこへ傅筹がやって来る。傅筹は泠月(レイゲツ)に花嫁衣装を妻に着せるよう頼んだが、容楽は無視した。仕方なく傅筹はあきらめ、3日遅れで夫婦の誓いの杯を交わすことにする。「誓いの杯は夫婦が末永く幸せになるための儀式よ? 承知の通り私たちは偽の夫婦でしかない、誓いの杯など必要ないわ」容楽は杯の酒を床にまくと、傅筹はひとまず泠月たちを下げた。傅筹は容楽と黎王の過去を追求する気はなく、噂話も気にしないと言った。ただ大将軍の夫人となったからには、心に誰がいようと秘密するよう助言する。自分に嫁いだ以上、今後は容楽の一言一行が自分だけでなく容楽の体面にも関わるからだ。「今日、見ただろう? 私は将軍として北臨のため汗馬の労を尽くしてきたが、黎王の一言にも及ばなかった 君を救いたくてもできぬ場合がある…はあ~それでも全力で守る 信じないだろうが、私は君が長公主だから娶ったのではない 初対面で私の琴音を理解したからだ 私の心を理解できるのはこの世で君だけだろう ←( ̄▽ ̄;)重っ 多くを失い犠牲にしてきたが、あの時、心から君が欲しいと思った」←(O_O)キモッ「ふっ、買いかぶらないで、あれは口から出まかせよ?将軍を理解する?永遠に無理よ」容楽は兄と共謀して自分を騙し、何も知らぬふりをして近づいたと非難した。しかし傅筹はこれも容楽を幸せにしたいからだという。「信じてくれ」←(ヾノ・∀・`)ムリムリ「だったらすぐ離縁して」すると傅筹はまだできないと断り、容斉(ヨウセイ)と同じように1年後だと言った。容楽はどうせ1年後も騙されると一笑に付したが、傅筹はただ容楽から機会を得たいだけだという。「君の欲しいものは与える、意思を尊重し、無理強いはしないと約束する 心から私の妻になりたいと思う日まで…」「そんな日は 来 な い」「…その考えが1年後も変わらなければ、あきらめて離縁しよう」傅筹は改めて夫婦の誓いの杯を交わそうと促したが、容楽は目も合わさない。仕方なく傅筹はひとりで乾杯し杯を空けると、寂しく帰って行った。翌朝、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)と昭蕓(ショウウン)郡主が黎王府で墓室に閉じこもっている無憂を心配していると、禁衛軍が現れた。統領の向誠(コウセイ)の話では、陳王が漫夭(マンヨウ)を捜索中、配下に殺しや略奪を許したとの告発があり、皇帝が収監を命じたという。無郁はどうせ尋問されるだけだと昭蕓を安心させて出て行ったが、昭蕓は慌てて陵墓へ向かった。墓室にいた無憂は驚くほど憔悴していた。しかし昭蕓に無郁を助けて欲しいと泣きつかれ、ようやく重い腰をあげ、墓室を出る。無憂はその足で朝議に駆けつけ、陳王は自分の命に従っただけ、配下が狼藉を働いたなら自分の責任だと訴えた。北臨帝は女子1人のために騒動を起こし、十数名も死者を出したと激怒、罪を認めるだけで済むかと声を荒げる。すると無憂は黎王府が民への賠償を担うと表明し、さらに罰として爵位の剥奪と都からの追放を願い出た。「陳王と共に野に下ります」「離京を決心したなら認めよう…」北臨帝は無憂の爵位を剥奪、皇子として南境の領地の管理を任せた。しかし尚書・楊惟(ヨウイ)が爵位を奪っても十数名の命は戻らない、天下の民は納得しないと諫言する。「皇族も庶民も法を犯せば同罪です」中書監(チュウショカン)・孫継周(ソンケイシュウ)は追い討ちをかけるのかと反対したが、むしろ無憂は楊惟が民と法に忠実だと敬服した。こうして無憂は懲罰として軍棍(グンコン)50回を命じられ、朝議をあとにする。傅筹はこの機に乗じ、補佐を任せる予定だった黎王が都を離れるため、別の皇子を選抜するよう進言した。北臨帝は仕方なく皇太子の禁足を解き、政務の補佐を任せると決める。すると孫継周もこの機会に青州(セイシュウ)の実家へ戻りたいと嘆願し、無憂を支える道を選んだ。皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)は上機嫌だった。そこで愛妾の痕香(コンコウ)にも何か望みを叶えてやるという。すると痕香は半月後が誕生日のため、宴を開いて王侯や大臣を招いて欲しいと頼んだ。「称号がなくとも、私は太子殿下のものだと周知させたいのです」孫継周は屋敷に戻ると早速、引っ越しの準備に取り掛かった。これは娘と無憂の縁談のためでもあったが、まさか娘に想い人がいるとは知らず、孫雅璃(ソンアリ)に無理強いする。「殿下が離京を決意したのは過去と決別するためだ 孫家は青州で勢力を持つ、お前が世話を焼けば必ず王妃になれる」「父上!私は王妃になりたくありません!」「お前の結婚は孫家の繁栄を左右するのだ 余世海(ヨセイカイ)は人を見誤り3代続く家を滅ぼしたが、孫家は私の代で滅せぬ!」 孫継周は16年前、黎王が母方の親族から見放された時、危険を覚悟で秦永の後任になる。これも黎王が皇位に継げば孫家に報いてくれる、そう見込んだからだった。一方、傅筹も項影(コウエイ)に令牌を託し、青州の者に届けるよう命じていた。「見れば分かるはずだ、宗政無憂が領地に赴くなら盛大に歓迎してやらねばな…」すると珍しく孫継周から書簡が届いた。かつて南境で世話になったお礼がしたいと飛鴻(ヒコウ)居に来て欲しいという。傅筹は孫継周がなぜ屋敷へ招かず、酒楼に呼び出すのか首を傾げた。傅筹が飛鴻居を訪ねると、なぜか孫雅璃が待っていた。実は父の名を使って傅筹を呼び出したのだという。雅璃は酒の力を借り、南境で出会ってからずっと傅筹を慕っていたと告白した。そして化粧箱にびっしり並べられた香り袋を見せる。 ←( ̄▽ ̄;)恐っ「今までは遠巻きに見るだけでした… その代わり毎月、香り袋を想いを込めて縫っていたのです」雅璃は今を逃せば二度と言えなくなると言った。つづく( ̄▽ ̄;)3日って…せめて「明日の朝まで一緒にいてくれ」にして欲しかったわ〜そして孫パパ、お前もかっ?!さて人間不信で終わったシーズン1、まだまだ謎は深まるばかりです
2020.07.06
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白发 Princess Silver第15話「若店主の正体」婚礼の準備が整った将軍府。しかし容楽(ヨウラク)はこのまま操り人形でいたくないと、人質だった4人を連れて城外へ逃げ出した。攏月(ロウゲツ)はやがてしびれ薬が切れたが、集団行動は全員捕まる可能性が高いと懸念する。すると容楽はもはや自分と4人に主従はなくなったと話し、未来を大切にしてそれぞれの道を歩んで欲しいと訴えた。そこで沈魚(チンギョ)は琴の名曲を訪ねるため、まず北臨と曲調が異なる宸(シン)国へ行くと決める。また小唯は何年も攏月楼にいながら西啓(サイケイ)を知らないため西啓へ、泠月は共に使えていた蓮心(レンシン)を懐かしみ、訪ねたいと言った。そして容楽は演じてきた漫夭(マンヨウ)のように各地を見てみたいと願い、攏月と共に天下を訪ねる旅に出ることにする。最後に5人は手を重ね合せ、いつか再会できると信じてそれぞれの新天地へと旅立った。その頃、黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)は兵を率いて漫夭を追っていた。やがて鷹を頼りに漫夭らしき人影を発見、しかし突如として現れた天仇門(テンキュウモン)に足止めされてしまう。一方、無憂たちを振り切った容楽と攏月は必死に走り続けていた。すると目の前から護衛付きの馬車が現れ、行く手を阻まれる。その馬車から出てきたのは、西啓への帰路についたと思っていた皇兄・容斉(ヨウセイ)だった。「私が北臨を離れたと?…″山河志(サンガシ)″を手にするまでは決して逃がさぬ」うかつだった。何度も欺かれながら、また兄を信じてしまうとは…。すると容楽は兄が民のために山河志を手にれると言いながら、傅筹(フチュウ)と手を組んで両国をかく乱させたと痛烈に批判した。「和親も恐ろしい計画の隠れ蓑だった…争いになれば民がどうなるか考えないの?!」「そなたには関係ない、山河志を渡して傅筹に嫁ぎさえすれば1年後には何もかも終わる」「公主、ここは私が…」攏月は西啓の間者でありながら皇帝を裏切り、咄嗟に容楽を逃して侍衛を阻んだ。しかし蕭煞(ショウサツ)が隙を見て攏月を捕らえ、人質になってしまう。「私に構わず早くお逃げに!」「攏月を見殺しにするのか?」容楽は容斉に脅され、もはや逃げることも引き返すこともできず立ちすくんだ。↓( ๑≧ꇴ≦)ホァンション💢その時、攏月は容楽を逃がそうと、自ら蕭煞の剣を胸に刺してしまう。驚いた容楽は慌てて攏月の元へ駆け寄った。「しっかり…攏月…」「早く…逃げてください…」攏月は最後まで身を挺して容楽を守ったが、ここでついに息絶えた。容楽は唯一、信頼できる友であり、姉妹も同然だった攏月を失った。兄への恨みを募らせた容楽は実は山河志など手に入れていないと暴露し、容斉を驚かせる。しかし容斉はどちらにしても傅筹に嫁げと命じた。そこで容楽は咄嗟に侍衛が落とした剣を拾い、自分の首に突きつける。「ならば私の亡骸を届けるのね」すると容斉は人質を連れてくるよう命じ、沈魚、泠月、小唯を連行する。「この者たちまで道連れにする気か?」「陛下っ!私は目印を…」うっかり口を滑らせた小唯はいきなり背中を斬られて倒れた。←(O_O)小唯、お前もか…「もうやめて!」容楽はひざまずき、泠月と沈魚を助けて欲しいと嘆願する。「私は中山(チュウザン)に戻る、傅筹に嫁ぐわ…何でも兄上の言う通りにする」「はお、帰ろう」安堵した容斉は憔悴した容楽を立たせようと手を伸ばしたが、容楽は兄が触れることを許さなかった。無憂の一行は天仇門を退け、漫夭を探していた。やがて日も暮れた頃、林の中で2体の骸を発見、そのうち1体は漫夭の外套を被っている。無憂は恐る恐る顔を確認したが、骸は漫夭ではなく攏月だった。「漫夭…何があったのだ…」翌朝、昭蕓(ショウウン)郡主は容楽公主にお祝いを伝えようと公主府にやって来た。泠月はちょうど皇后の使いを見送っていたところで、うっかり郡主を止めるのが遅れてしまう。「ぁぁ?あなた漫夭!…公主姐姐?でも攏月楼の漫夭にうり二つ…まさか?!」しかし容楽は黙ったまま何も答えなかった。「知らせなきゃ、無憂哥哥が探しているの!」傅筹が公主府に花嫁を迎えにやって来た。すると真っ赤な面紗(メンシャ)で顔を隠した容楽が泠月と蕭煞に付き添われて歩いて来るのが見える。傅筹は馬から降りて門まで出迎え、容楽の手を取った。「もう二度とこの手は離さぬ、安心してくれ」←ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノしかし容楽は正面を向いたまま、傅筹の顔を見ない。傅筹は仕方なく容楽の手を引いて輿へ案内しようとしたが、容楽はあっさり手を離して自分で歩いて行った。無憂は血まみれになった漫夭の外套だけを持って黎王府に帰った。責任を感じる無郁だったが、まさか逃げるとは思わなかったと釈明する。「でも急に公主の侍従が現れ、奴と争っているうちに姿を消したのです」無憂は漫夭に会った時に蕭煞が現れたと知り、ようやく真相に気づいた。思えば将軍府で公主が浴槽の湯に触れていたのも、湯の中に誰かが潜んでいたからだろう。湯の波立ちを隠していたのだ。無憂は慌てて出かけることにしたが、その時、昭蕓郡主が中庭に飛び込んで来る。「無憂哥哥!大事な話が!公主は漫夭だったわ!」皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)は夫人の痕香(コンコウ)を同伴し、皇帝の名代として婚礼に参列した。公主の素顔が見られると興味本位の招待客たち、そんな中、痕香だけはなぜか浮かない顔をしている。そしていよいよ吉兆の時刻となり、容楽は失意のまま傅筹と拝礼の儀に臨んだ。「新郎新婦はひざまずかれよ…天地に拝礼、両親に拝礼、夫婦で拝礼…」容楽と傅筹は立ち上がり、夫婦で拝礼しようと向き合った。早々に頭を下げる傅筹、一方、戸惑う容楽は小さくうなづいたが、まさにその時、突然、誰かが2人を止めた。「ちょっと待ったー!」いきなり飛び込んできた無憂は容楽公主の顔が見たいと言って面紗に手を伸ばした。しかし危ないところで傅筹が阻止する。「黎王殿下、面紗を取るのは夫である私の役目です」「婚儀が済まぬうちはまだ夫婦とは呼べぬ」「では夫婦と呼べる条件とは?」「同衾(ドウキン)してこそだ、容楽公主も同じ意見のはず…」無憂の不用意な発言は、容楽に再びもてあそばれた恨みを思い起こさせた。自分との婚姻を断固拒絶しておきながら、急に顔が見たいとはどういう了見か。しかし無憂は再び花嫁の面紗をはぎ取ろうと手を伸ばし、邪魔をする傅筹と争いになってしまう。慌てた皇太子は咄嗟に間に入って無礼な無憂を叱り、父に報告すると脅した。無憂は例え父がこの場にいようと容楽公主の顔を必ず確かめると反発し、冷炎(レイエン)に命じて黎王府の兵を呼んでしまう。仕方なく傅筹も項影(コウエイ)に合図、将軍府の兵が駆けつけ、にわかに緊迫した状況となった。「婚儀を終えた今、君は私の妻だ、心配せずとも君の身は私が守る」「…将軍のお心遣いに感謝するわ、ただ私にしか解決できない問題よ」容楽は無用な争いを止めるため、覚悟を決めて無憂の前に立った。「私の顔を見れば納得するのですね?」すると容楽はついに面紗を外し、正体を明かす。噂とは違い美しい公主に見惚れる参列者たち、そんな中、無憂と皇太子は漫夭が容楽だと知って唖然となった。「やはりそうか…私を欺いたのだな?」「…これで殿下もご満足でしょう?失礼します」容楽は傅筹と出て行くことにしたが、無憂が容楽の手をつかんで引き止めた。「本当に奴の妻になる気かっ?!…忘れたのかっ?!あの夜、私たちはっ…(バシッ!)」興奮した無憂はうっかり口を滑らせ、容楽に引っ叩かれてしまう。(;╹⌓╹)オイオイオイオイ…言うか普通…容楽公主と黎王の関係が思わぬ形で露呈し、その場は騒然となった。それでも無憂は容楽を自分の女子だと明言、自分以外の男に嫁ぐことは許さないという。来い!>( ー̀ωー́ )=C<,,Ծ‸Ծ,,)<やだっ!無憂は無理やり容楽を連れて行こうとしたが、容楽はその手を振り払った。するとすっかり蚊帳の外だった傅筹が黎王の前に立ちはだかる。←( ̄▽ ̄;)さすがに不びんw「妻を侮辱した上、連れ去ると?お忘れですか?これは両国の命運を懸けた婚姻です まさか世間の女子はすべて黎王殿下の思いのままになるとでも?」「君子面するな!口出し無用だ、容楽はすでに私の女子だ、侮辱してはおらぬ」容楽は無憂の勝手な振る舞いに我慢できず、見損なっていたと詰め寄った。「婚姻は決まったことよ?どうして未練がましく私を追い詰めて恥をかかせるの?! 理解できない…あなたの目的は何?!」「私が来た理由が分からないのか?」「分からないわ、あなたの気持ちもね…」そこへ遅れて無郁がやって来る。 ←( ̄▽ ̄;)もう嫌な予感しかしない無郁はやはり漫夭が容楽だと知り、急に怒りがこみ上げてきた。「やはり君か?!ひどいよ!七哥と逢瀬を重ねながら、他の男に嫁ぐつもりだったのか?!」陳王の言葉は暗黙の了解となった容楽公主と黎王の関係を白日のもとに晒す結果になってしまう。( ̄▽ ̄;)無郁、ホント黙っててw容楽はもはや取り返しがつかなくなったとあきらめ、傅筹の元へ戻った。「釈明するつもりはないわ、両国の和親を駄目にしたのは私の責任よ 責任は全て私が負う、将軍に迷惑はかけない、離縁状を書いて」すると容楽は金色の美しい冠を外して、床に捨ててしまう。傅筹は動揺を隠し、婚儀を済ませたからには夫婦だと訴え、重荷は共に背負うとなだめた。しかし無憂は無断で自分の王妃と将来を誓う気かと憤慨、強引に容楽を連れ去ってしまう。無郁は兄のため道を開けると、黎王と入れ違いで紅白の仮面と外套をまとった手だれの刺客たちがなだれ込んで来た。刺客たちは一斉に傅筹を包囲、もはや傅筹は何もできない。結局、傅筹は容楽が残していった冠を拾うと、黙って恨めしそうに眺めていた。無憂は容楽を連れて母が眠る思雲(シウン)陵へ立てこもった。するといきなり容楽がまとっている花嫁衣装の外衣をはぎ取ってしまう。「西啓の公主でありながら茶楼の若店主に扮し、共に願をかけた身で奴に嫁ぐとは!」「傅筹に嫁いだから何だと言うの? あなたこそ山河志のために私に近づいた、偽りの愛を餌にしてね!」「偽りの愛だと?そなたはどうなのだ!私に身分を隠して策を進めていたのだろう?」「そうね、お互いに騙し合っていたのよ でもあなたの方が一枚上手だった、私はすべてを奪われたわ!」「私が何を奪ったと?そなた自身か?そなたの心か?だがそなたは私の山河志を奪った!」「あなたの物ですって?北臨(ホクリン)帝はあなたの先師の秦永(シンエイ)を殺した 一族全員を始末して、その著作を我が物にしたのよ、あなたも同じだわ 人の気持ちも考えず所有物にする…」2人が言い争い、対峙している頃、外では傅筹や朝臣たちが陵墓に集まっていた。そこへ皇太子から知らせを聞いた北臨帝が到着する。冷炎は黎王たちが陵墓の中にいると報告し、中から封鎖されたため開かないと説明した。すると北臨帝は公主の婿選びの時、自ら偽公主の茶を飲んだ将軍を疑う。「漫夭が公主だと知っていたのか?」しかし傅筹は国のため名乗りを上げただけで、公主の正体を知らなかったと嘘をついた。朝臣たちも将軍をかばい、北臨帝もそれ以上、追求できなくなってしまう。つづく(  ̄꒳ ̄)無憂「私の山河志を奪った!」って…え?
2020.07.05
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大明风华 Ming Dynasty第16話「2人の皇帝」永楽帝・朱棣(シュテイ)と建文帝・朱允炆(シュインブン)の再会に尽力する徐浜(ジョヒン)。しかしいざとなると孫愚(ソング)はやはり反対だと言い出した。若微(ジャクビ)は自分を守るためだと分かっていたが、靖難(セイナン)の遺児たちを解放するため、命を賭してやり遂げる覚悟だと訴える。徐浜は若微の志に感銘し、必ずやり遂げようと奮起した。「あの人に別れを告げてくる…」若微が部屋を出て行くと、孫愚はその背中を見送った。「若微は変わった…そう思わないか?」「死の淵に立てば人は変わる、かわいそうに… ″読み書きを覚え、人は苦悩を学ぶ″、だが若微はその前に幼くして苦悩を強いられた」若微は朱瞻基(シュセンキ)に別れを告げに向かったが、偶然、回廊にいるところを見つけた。なぜか急に引き返そうとする若微、しかし朱瞻基に別れを言いに来たのかと見破られてしまう。「すべてが終われば、もうあなたと会うことはない」「会うことはない?君たちは赦免されるのだ、義父と都にとどまれ」朱瞻基はどこへも行くなと若微を引き止めた。無事に終われば自分たちはもはや敵ではないという。「今後のことをゆっくり決めよう 遺児たちがいつ赦免されるのか、どんな大義名分で京都へ戻るのか、何も決まっていない 君はそれを見届けもしないで去って行くつもりか?」「…分かった、無事を祈るわ」すると朱瞻基は徐浜が自分を斬らんと剣を磨いているのではと揶揄する。若微は徐浜から朱瞻基と剣を交えたと聞いたことを思い出し、天下無敵の剣術士がなぜ逆賊と力を競うのかと嫌味で返した。「君のためだとしたら?」「…バカみたいっ」若微は思わず都には残らず、すぐ去ると言い出した。以前、海の向こうには素晴らしい世界があると聞いたことがあり、徐浜と一緒に船に乗って気ままに各地を巡るのも良いという。「私では駄目か?」「…しょせん私は逆賊、あなたは皇帝の孫、歩む道が違う」「去って行くならその前に君のことを忘れさせてくれ…そうでなければ行かせない」しかし若微は何とも答えようがなかった。その夜、宮中では皇太子妃の後ろ盾を得た胡善祥(コゼンショウ)が昇進の祝宴を開いていた。すると各部署ごとに侍女たちが一献を捧げにやって来る。胡善祥はその度に杯を空けては小遣いを渡した。「昇進したとは言え官服の威を借りているだけ~ 私に対する悪口は陰で言うだけにして~表ではしっかり支えてね~どうぞよろしく~♪」ひと段落すると、控えていた心眉(シンビ)がこっそり1000両の銀票を渡した。胡善祥はずい分と金持ちだと驚いたが、心眉は自分ではなく尚服(ショウフク)局の主管からだと教える。「これからは私たちも稼げるはず、姑姑ほどじゃないけど、あなたは副署なのよ? 今後も私をそばに置いてね」さらに尚食局の女官は胡善祥に5000両の銀子をつかませた。酔いも回って笑いが止まらない胡善祥、そこに突然、安(アン)貴妃が現れる。「安貴妃娘娘にご挨拶を…」胡善祥を始め祝宴にいた侍女たちは一斉に拝跪した。「立ってちょうだい…」朴妃の件で胡善祥を目の敵にしている安貴妃は胡善祥の耳をつまんで顔を引っ張り上げた。「聞かせて?誰に出世させてもらったの?」「イタタタ…太子妃です!」安貴妃はようやく胡善祥の耳から手を離すと、恥知らずと呼び、主を利用してのし上がったと蔑んだ。しかしそこへちょうど皇太子妃がやって来る。「宮中に生きる者はこの世を去る時、必ず宮女たちの世話になる どんな扱いを受けるかは宮女次第よ?肝に命じたほうがいい」張妍(チョウケン)は安貴妃を戒めて追い返すと、胡善祥にも助言してから帰った。「あなたもこれから学んで行くのよ?地位のある者の苦しみをね…」いよいよ2人の皇帝を引き合わせる日がやって来た。若微は日没までに永楽帝と共に霊山(レイサン)寺の仏塔へ到着し、すでに建文帝が侍衛2人と9階に登ったと知る。その様子を少し離れた場所から徐浜が千里鏡で確認していた。すると永楽帝が若微を連れて仏塔へ入って行くのが見える。人質の朱瞻基はのん気に手酌酒、誰か付き合わないかと戯れ言をいう。徐浜は見張り役は飲まないと教え、4人の正体を明かした。「1人は藍玉(ランギョク)大将軍の息子・藍田(ランデン)だ、一族は皆殺しに… もう1人は駙馬都尉(フバトイ)の息子、向こうの2人は鉄鉉(テツゲン)将軍の息子だ 建文帝の世であれば、おそらく一品上将軍になっていた」しかし朱瞻基はそんな話は無意味だという。「建文の世であれば、こちらが皆殺しにされ私はいない」徐浜は朱瞻基の横に座り、確かに考えても無意味だと同意した。「夜が明ければ我々は袖を分かつのだからな…」(  ̄꒳ ̄)b<映像は朝みたいですが、面会時間は日没~夜明け前です永楽帝は仏塔の1階に留まり、若微に伝言を託した。大役を任された若微は9階まで登り、ついに建文帝に謁見する。「御史大夫(ギョシタイフ)・景清(ケイセイ)の子です」「景清の子か…」若微は平伏したが、朱允炆は拝跪の必要はないと許して笠を取った。「私はもう皇帝ではない、ただの僧侶だ」「…陛下?なぜ僧侶の格好を?」「ふふ、僧侶の格好をしてはいけないか?昔は皇帝の格好をしていた」建文帝は穏やかな顔をしていた。若微は再び1階まで降りると、永楽帝に建文である証しを渡した。それは伝国璽(デンコクジ)の押印で、趙(チョウ)を滅ぼした始皇帝が″和(カ)氏の璧(ヘキ)″を得て、それを玉璽としたものだという。「角が欠けているだろう?うまく繋いである… かつて王莽(オウモウ)が漢(カン)に対して玉璽を渡すよう迫った時、投げつけられ欠けたのだ ぁ~見つからぬわけだ、甥の元にあったか」すると永楽帝は若微に実物を確認するよう命じたが、やはりそれは最後で良いと思い直した。永楽帝は建文の今の居所を聞くよう命じ、また太上皇(タイジョウコウ)の称号を授けたいと伝言した。太上皇の座に就いてもらえば世間の非難を静めることができると考えたのだ。甥には先祖の墓参りをして欲しいだけだという。しかし建文は二度と戻らないと話し、出家した身に帰る家はなく、拝む先祖もないと拒んだ。…太上皇の称号は必要ない、殿舎をもらう気もない、俗世における名も捨てた…住むなら山も宮廷も同じ、朱家の姓は何の意味も持たない、衆生はすべて等しい…どうか死後の心配などせず、民の幸せのために力を尽くしてください…私にしたことなど悔いるに値しない若微は永楽帝に建文帝の言葉を伝え、託された伝国璽を差し出した。まさか建文が要求される前に自ら差し出すとは…。永楽帝はいささか困惑したが、ついに念願だった伝国璽を手にした。…私はもう俗世を離れた…こたびは遺児たちを救うためにここへ来ただけ…皇上は安心して天下のために尽くし、恐れを忘れてくださいしかし永楽帝はまだ安心できないと漏らした。その頃、神機(シンキ)営は仏塔付近の山を巡回していた。すると草むらで何かがうごめいているのを見つける。神機営は山道を外れて捜索してみたが、獣だったのか、結局、何も見つからなかった。しかし木の上に隠れていたひとりの刺客に襲撃され、4人は殺されてしまう。その刺客とは鶏鳴(ケイメイ)寺を飛び出した聶興(ジョウキョウ)だった。疑り深い永楽帝は建文を試そうとした。そこで若微に夢の中で父から謀反人と罵られ、首を斬られそうになると話す。目が覚めると涙で顔が濡れており、まだ夢の中ではないかと不安になるというのだ。「だから太上皇の称号を受け取ってもらえたら、私の心も落ち着くことだろう この玉璽は一旦、返したい…行ってこい」しかし若微はすでに建文の答えを聞いていた。…この小さな印章は人の生死さえ左右する…しかしこれを使う者は己の運命さえ決められない、おかしなことだ…私が太上皇になっても何も変わらぬ…それより挽回しようとする努力が悪夢を消し去るはずだ…もし玉璽を受け取らぬというなら、いっそ海に捨て、この世から葬り去るべきだ驚いた永楽帝は思わず玉璽をつかんだ。若微は再び9階に上がったが、何度も往復してさすがにへとへとだった。そこで思わず建文帝に自分の疑問をぶつける。「私の質問です…ゼエゼエ… 私は幼くして両親を亡くし、復讐を旨として来ました そしてもし生きながらえたなら、この命を懸けて靖難の遺児たちを救おうと決めていました それが叶えば恨みも消えるかと…でも…そのあとはどうすればよいのです? 生きる支えがありません…ゼエゼエ…」「そなたを大切にしてくれる人は?」「おります…その人たちに報いたい…でもできない 恩に報いる方法が分からず、錐(キリ)で突かれるように心が痛むのです」「そなたは復讐を糧とし、叔父上は恐れを糧とした…苦しみは同じだ 信じなさい、心からの願いは決して朽ち果てぬ、この先、必ず良きことが待っている」「先が見えません…」「叔父上は何と?」「皇上はこう仰せでした、仏道に通じているなら私の来世がどうなるか教えて欲しいと」「叔父上にもそなたにも返す答えは同じだ 私がなぜ叔父上に玉璽を返したか、それは私に不要な物だからだ 物があっても恐れは消えぬ、私はもう満ち足りている どんな状況でも幸せに生きて行ける 皇帝として生きることも、僧侶として生きることも、私にとって違いはない…それを今生で学んだ 来世については…どう語れと?今生で失敗をしたから来世を知りたいと? その実、今生もまだ分からぬのに、来世を語る意味はない 一世の命はすなわち万世の命である、皇帝になるのも、僧侶になるのも難しい 反省し、変わることで心の平安は訪れる、どこに至ろうとも苦悩はある…己と和解することだ」若微は建文の言葉に感銘を受け、思わず涙した。「教えを胸に刻みます…感謝します」しかしその時、永楽帝が約束を違えて9階に現れた。永楽帝は今の話を聞いていた。「ひとつだけ問う、答えをごまかせばここで斬る」「構いません」「私が死んだ後、お前が反乱を起こしたりすれば、私は今日の和解を後悔するだろう、分かるか?」すると建文は護衛を下げた。「私の命を保証するため、太孫が自らの首を懸けているとか…」「そうだ、まだ若く、結婚もしておらぬ、だが孫は他にも…」「分かりました、この侍衛2人を太孫に引き渡し、私の命は叔父上にお預けします」「心にもないことを…」「その姑娘(グーニャン)は自らの命を懸け、数万の命を救おうとしている…」若微は男装していたが、建文は女子だと見抜いていた。「…仏門に入らずとも菩薩の道を歩んでいます、私は出家した身、何を恐れましょう? 達観しているからこそ、ここに来たのです」建文は自分を殺すことで安心を得られるならと両手を広げた。しかし若微が手を下すなら先に自分を殺すよう頼む。「皇帝!そうやって己の心の闇に負けたら、太孫の積み上げた苦労を踏みにじることに!皇帝!」緊迫する殿内、すると永楽帝が急ににやりとした。「建文は死んだ…記憶によれば、私が都へ攻め入った日に自害を…僧侶は殺せぬ」永楽帝は拱手し、僧侶の教示に感謝した。「またいつかご縁があれば…」永楽帝が戻ると、若微は急に安堵して体の力が抜けるのを感じた。すると建文がいきなり若微に向かってひざまずく。「やめてください!」「いつか遺児たちに会うことがあったら、私に代わってお詫びを…」若微は慌てて建文帝に叩頭し、拝命した。徐浜は仏塔から永楽帝と若微が出てくる姿を確認した。そして2人が帰ってしばらくすると建文が護衛と共に去って行くのが見える。徐浜は朱瞻基に2人の皇帝が無事に帰ったと報告した。すると酔って立ち上がれないふりをした朱瞻基は、手を貸してくれた護衛の帯剣を抜き、徐浜の首に当てる。「安心しろ、遺児たちは必ず私が救う、この命を懸けて誓おう お前は早く都から出て行け、遠くへ行き、二度と戻って来るな」朱瞻基は徐浜が若微のそばにいることを許さないと迫り、勝負を挑む。つづく( ๑≧ꇴ≦)建文!仏かっ!w永楽帝は闇深過ぎて怖いわ〜ここに来て皇太子と建文の好感度up!今週はいろいろ凄かったです
2020.07.04
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大明风华 Ming Dynasty第15話「上り始めた階段」永楽帝の妃・朴(ボク)妃が失踪し、夜を徹して捜索が続く後宮。そんな中、胡(コ)尚儀は自分の代わりに責任を取るとでしゃばった胡善祥(コゼンショウ)に激怒していた。しかし胡善祥は覚悟ならあると反発、部屋にあった白綾を手にする。驚いた胡尚儀は白綾を奪い取り、皇太子妃にとって胡善祥など犬や猫にも及ばぬ存在であり、進言さえ覚えていないと声を荒げた。「また怒るのですか?厳しくし過ぎたと後悔しますよ? 今、頼んだら私を秀女に推挙してくれますか?」「…この期に及んでまだその話を?…お前には生きて欲しい」すると皇太子妃の使いが″事は済んだか″と確認にやってくる。胡尚儀は思わず自分が死んだと伝えろと叫び、夜明けまでに進展があれば真っ先に自分に報告するよう命じた。胡尚儀は力なく椅子に腰掛けた。たとえ本当に胡善祥が朱(シュ)家に嫁げたとしても、平穏に暮らすことなどできないだろう。しかし胡善祥は刹那でも栄光を味わえるなら、何でもすると訴えた。「姑姑、今宵に賭けます、もし負けても後悔しません 鶏鳴(ケイメイ)寺に行って確かめてくださいませんか、身を挺して皇上を守った女子が私の姉かどうか 姉に似ている気がするのです、最期の望みです」胡善祥は姑姑の目からあふれる涙を拭った。その頃、安(アン)貴妃は朗報を願いながらうとうとしていたが、ふと物音がして目を覚ました。そこで部屋の中を確認してみたが、箪笥の中でガタッと音がする。安貴妃はまさかと思いながら扉を開けると、何と朴妃が眠っていた。「妹妹(メイメイ)?!起きて?!」朴妃はゆっくり目を開けると、母が娘の不運を嘆いて泣いている夢を見たという。「なぜ隠れているの?心配したのよ?」「姐姐(ジェジェ)…あの晩、皇上は私に触れていないのです…こんなこと誰にも相談できなくて… 子を授かってなどいないのです…ウッ…」ようやく真実を告白した朴妃は号泣し、希望を失った安貴妃も涙した。( ๑≧ꇴ≦)エエエーッ!夜が明けた頃、皇太子妃の使いが尚儀局に駆けつけた。「太子妃がお呼びです」胡尚儀は胡善祥に逃げるよう勧め、自分が責任を取って罰を受けると覚悟する。「私の心残りはお前だけよ…私の腕の中で育ったのだもの…」すると胡善祥は胡尚儀の足にしがみついて止めた。その時、再び使いがやって来る。「朴妃がお戻りになりました、太子妃が娘と一緒に来るようにと…」胡尚儀は急に態度が一変、胡善祥を突き飛ばすと、さっさと出かけて行った。一方、皇太子・朱高熾(シュコウシ)は中庭で愛犬に餌をあげていた。そこへ張妍(チョウケン)が不機嫌そうに戻って来る。実は昨日、皇帝の寵愛を受けた朴妃が失踪し、今朝方ようやく戻って来たという。おかげで白髪になりそうだと金切り声を上げる張妍、しかし朱高熾は大げさだと笑った。「懐妊したかなど皇上は気にしておらぬ~」実は朱瞻基(シュセンキ)が献上した薬は皇太子が飲んでいた咳止めだった。もし本当に身体に害を及ぼす媚薬など皇帝に渡したら、かえって罪に問われてしまう。すると朱高熾は張妍を労って早く休むよう勧め、自分はここで息子の帰りを待つと話した。「危険なことに首を突っ込むゆえ、きちんと諭さねばならん」( ๑≧ꇴ≦)エエエーッ!胡善祥は賭けに勝った。皇太子妃は胡善祥を引き抜くと言ってきたという。胡尚儀は胡善祥の顔を見るなり思わず手を振り上げたが、叩くことはできなかった。確かに胡善祥に罪はない。ただ出世欲に駆られて皇太子妃に忠誠心を見せつけ、うまいこと取り入ったことが我慢ならなかった。「そんなに私の上に立ちたいなら行きなさい、2度と戻ってこないで…」「姑姑…行きません、おそばにいます、離れません」しかしその時、皇太子妃の使いがやって来た。「太子妃からお達しです… ″胡善祥を尚儀局副署に封じるゆえ、浣衣・食事の管理を、屋敷も与える″と…」胡尚儀は使いにひとまず外で待つよう命じた。「もし太孫妃に選ばれたら出自をどう説明する気?私も血縁にないと露呈し、殺されるのよ?! お達しの答えは?!くだらない口実を聞く気はないわっ!」すると胡善祥の目から大粒の涙がこぼれた。「尚儀大人(ダーレン)、拝命いたします」Σ( ̄。 ̄ノ)ノ 行くんかいっ朱高熾が愛犬と戯れていると、ようやく朱瞻基が戻って来た。最近、何をしているのか聞かれた朱瞻基は、訳知り顔で永楽帝の機密の任務だと教える。すると朱高熾は重用と冷遇が表裏一体だと釘を刺し、調子づいている息子を心配した。「お前は爺爺(イェイェ)を信頼しきっている、だが爺爺の方も同じだと思うか? この犬は可愛いが門番は任せられぬ、信頼できるとは限らぬからな」↓白毛閣大学士wそこで朱瞻基は父にこっそり任務を教えた。驚いた朱高熾は鶏鳴(ケイメイ)寺に行くと決め、朱瞻基が止めるのも聞かず出かけてしまう。朱瞻基は鶏鳴寺に到着しても父を説得していた。「建文(ケンブン)のことを尋ねる気ですか?2人は会うべきでは?爺爺も建文の命は守ると…」「そんな言葉を信じてはならん、信じるお前は愚か者だ」「正直に話します、私が人質になるので殺すはずありません」朱瞻基は永楽帝を怒らせないよう頼み込んだが、父から甘いと叱られてしまう。「建文を前にして殺さぬと思うのか?お前も殺される可能性があるのだぞ?」確かに祖父には皇太子の代わりも、朱瞻基の他にも孫がいる。すると朱高熾は父が何より恐れているのは突然、死が訪れ、皇帝の座を奪われることだと言った。建文はまだ若く、現在の朝廷にも建文の旧臣たちが大勢いる。もし建文の呼びかけに国中が応じれば、再び内乱が起こるだろう。「爺爺は建文から皇帝の座を守るためなら、お前の命など気に留めぬ」( ๑≧ꇴ≦)エエエーッ!胡善祥は真っ赤な官服をまとって太子府に参上し、皇太子妃にお茶を献じて就任の挨拶とした。張妍は胡善祥が胡尚儀と何度か訪ねて来たことがあったと思い出したが、胡善祥は端で控えているだけだったと告げる。「わきまえているわね、私が嫁いだ時、太子はまだ燕(エン)王の世継ぎで、好きに振る舞えなかった 宮中の規則を会得するのに2年かかったわ、あなたはやり手ね」「太子妃娘娘(ニャンニャン)は高貴ゆえ、私とは異なります」「高貴?そうかしら?」張妍は宮中での自分にまつわる噂を知っていた。父親はただの書生で、弟はしがない商人、そのせいで皇太子からは貧乏臭さが漂っているとか。「太子妃はこのうえないケチだとね」しかし胡善祥は2人を理解していない者たちの噂など聞かないようにしているという。「黄河の水害に見舞われた年、太子爺は地方官吏と救援の方法を毎夜、話し合われました 当時、私は子供でしたが夜食を届けに… 太子爺は夜が明けてから食し、冷めてもお咎めにならなかった 皇帝にふさわしい器の持ち主です、太子妃娘娘も公私を分けていらっしゃる… ゆえに仕える私たちは褒美が少なく、冬の衣を新調できずとも満足です」「増やせというの?」「それでも難しいかと… 昇進を祝う宴席を設けるよう皆にねだられますが、私の褒美ではとても足りません」張妍は思わず失笑し、宴席の代金は太子府が持つと許した。胡善祥は平伏して決して恩を忘れないと誓ったが、その時、張妍から思わぬ指摘を受ける。「あることを思い出した、太子が言っていたの…ある女官が秀女になりたいらしいと 実はあの時、同じ部屋にいたから覚えているわ、あなたよね?」「…はい、命がけでお仕えいたします!」「そんな忠誠心はいらない、あなたは己の出自を隠しなさい 皇太子は愚かよ、罪臣の子を救うとはね、私の目にも留まるなんて実に面倒だわ あなたもなぜ昔のことを?」「…もう2度と口にしません」「忘れないで、″罪臣の子″のお前はあの時に死んだのよ…不祥事は起こさないで」↓太子妃、お前もか…w朱高熾が鐘撞堂でひざまずいて待っていると、永楽帝が朱瞻基と一緒に現れた。すると永楽帝は朱瞻基に父を起こして座らせてやれという。「どうした?太子の位に飽きて、皇帝の座を譲れと?」朱瞻基はそんなわけないと笑ったが、永楽帝は孫に父親の本当の姿を教えてやることにした。「この何年もの間、各地で官吏となった者は皆、高熾の門下たちだ 太子府の属官か科挙の合格者から高熾が抜擢した者である 叔父たちは威張っているが、大明で最も実力がある者はこの太子だ」「…父上、官吏の抜擢に私情は挟んでおりません」「そうなのか?太子府の楊士奇(ヨウシキ)たちを入閣させたのはなぜだ?私心があるからでは?」「私はこの国の太子です、有能な官吏を抜擢するのは国のため それを私心というなら私心でしょう、朱家以外の誰が私心を持ちますか?」「よく言った!ここがすごいのだ、口を開けば仁義や道徳を説く!」永楽帝は謀反の一族である朱家からなぜこんな聖人が現れたのかと揶揄した。つまり皇太子が聖人なら自分は悪人ということか…。実は永楽帝のもとに皇太子の罷免を解けと山ほど上奏が来ていた。「訴えてきた者は皆、詔獄(ショウゴク)に入れる!お前が私にそうさせるのだぞ? 己の高潔を示すために家具を売っていたのか?よかろう、ならば必要な金を与え、私は出家する お前たち兄弟の争いにも関わらぬ、私の命を縮めるなっ!」永楽帝の怒号を聞いた朱瞻基は慌ててひざまずき、父を誤解していると訴えた。しかし祖父の怒りは収まらない。すると朱高熾は立ち上がって拝礼し、自分の胸の内をさらけ出した。「私は造反せぬゆえ太子にしたのでしょう 私に謀(ハカリゴト)はなく、弟のように戦の能力もありません 反乱が起こらぬよう民の暮らしのことを考えています 父上は老二を監国にしました、私のことを憐れみ、休ませるためのお気遣いです …私は太子でなくても父上の子でいられれば満足です 私を信じなくても構いませんが、この子のことはご信頼を… 父上の姿を見ながら育ち、父上のことをよく理解しております この子が死ねば朱家に希望はなくなります、建文に会うためにこの子を人質にするとか? なりませぬ、父上は気まぐれです、もし変わらないのなら…」朱高熾は父の前でひざまずいた。「もし変わらないのなら私は謀反を起こすでしょう」↓どっちが父だ?w永楽帝は平伏する朱高熾の前に屈み込んだ。「…親子の間にこれほどの不信感が?家族とは何なのだ?」「家族ですか?ふっ、私たちを家族だと覚えておられるなら、満足です」すると永楽帝は叩頭している息子と孫をよそに、黙って殿内に戻ってしまう。朱瞻基は生きた心地がしなかった。しかし朱高熾は長らく弱肉強食の中で生きていた父は人を信用できないのだと教える。「だが私は人として真っ当に生きたい…好きにさせよう」こうして朱高熾も東宮へ帰って行った。その頃、孫若微(ソンジャクビ)たちは永楽帝と建文帝を引き合わせる最終調整に入っていた。建文帝はすでに身を移し、徐浜(ジョヒン)が迎えに行くという。「5日後、霊山(レイサン)寺の仏塔で集合を、れぞれ侍衛を2名つけて来ます 皇帝同士は顔を合わせられぬゆえ、お前が伝言役を…」「徐浜大哥は?」「太孫を人質に外で待つ、子の刻が過ぎ、建文帝が戻らねば首を斬る」「ダメだ!」孫愚(ソング)はこの件には裏がある気がすると不安を隠せない。長年、身を隠していた建文帝が本当に危険を冒して皇帝に会うだろうか。もし建文帝が替え玉なら、自分たちが君主を欺いた罪に問われてしまう。しかし徐浜は受け取った文が間違いなく建文帝の筆跡だったと安心させた。すると孫愚は朱棣(シュテイ)が建文帝を殺そうとするかもしれないと危惧する。徐浜はいざとなったら太孫を殺して自害すると言ったが、孫愚は思わず卓を叩き、絶対に駄目だと反対した。「父上、太孫だけで足りねば、皇帝の首も…」若微の大胆な発言にさすがの徐浜と孫愚も肝をつぶしたが、若微の決心は揺らがなかった。「徐浜大哥が死ねば私も生きられない…」その言葉に思わず徐浜は若微の手を握りしめる。若微は面会にも立ち会うことから、命がけで徐浜と孫愚を守ると誓った。「命を賭してやり遂げる覚悟よ…父上、私の宿願を叶えさせて」つづく( ๑≧ꇴ≦)うわあぁぁぁぁ!←言葉にならないw
2020.07.03
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白发 Princess Silver第14話「人質奪還」西啓(セイケイ)公主の住まいとなる静謐(セイヒツ)園を見学することになった黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)と皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)。皇太子は浴室なら見なくて良いと気を利かせたが、無憂は見逃さなかった。そこで傅筹(フチュウ)はそれとなく替え玉の公主を先に行かせ、時間を稼ぐ。その時、沐浴を終えた容楽(ヨウラク)はちょうど身支度を整えたところだった。すると突然、仮面を付けた公主の偽物が現れ、黙って浴槽へ滑り込み、姿を隠す。容楽は面食らったが、誰かが来ると気づいて急いで自分の仮面を手にした。無憂が湯殿に入ると、容楽公主が湯の感触を確認していた。「西啓の皇宮の浴室より狭いけれど十分です」「将軍府ですからご辛抱ください」容楽は偽物と入れ替わり、何食わぬ顔で傅筹と出て行った。するとひとり湯殿に残った無憂の元に侍衛・冷炎(レイエン)が駆けつける。冷炎は黙って首を横に振ると、無憂は将軍府をしらみつぶしに探せと命じた。傅筹は皇太子と黎王を宴席に案内した。宴には芸妓たちが登場、美しい舞を披露する。すると無憂は面紗(メンシャ)を付けた舞姫が漫夭に似ていると気づき、冷炎に目配せした。早速、冷炎は舞姫の面紗をはぎ取ろうと手を伸ばしたが、素早い身のこなしで舞姫は避ける。しかしやがてバランスを崩し、倒れた拍子に面紗が外れ、舞姫は素顔を晒すことになった。…この人が私の替え玉なのね…湯殿で入れ替わった偽物をまじまじと観察する容楽、一方、無憂は漫夭と似ているが別人だと知って落胆を隠せない。そんな2人の複雑な思いをよそに、皇太子は舞姫に一目ぼれ、名前を聞いた。「天香(テンコウ)楼の芸妓・痕香(コンコウ)です、よろしければ太子殿下にお仕えいたします」無憂はそこで引き上げようとしたが、ちょうど傅筹がふるまった酒の香りに驚いて留まった。その酒は先師である秦永(シンエイ)が造ったあの十里香(ジュウリコウ)酒…。傅筹は容楽にも勧めたが、容楽は第6話で陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が持って来た十里香酒で具合が悪くなったことを思い出した。「せっかくですが、本復するまでお酒は侍医に止められています 匂いを嗅ぐだけでも気分が悪くなります…」容楽が思わず鼻を押さえると、無憂は公主の様子を訝しんだ。すると皇太子は、16年前に皇宮の宴に集まった百官がこの酒を絶賛したが、その後なぜか秦家は父の怒りを買って皆殺しになったと話す。「秦永の酒造りの技術を継いだ者はおらぬ、ふっ」容楽は無憂が拳に力を込めて我慢している様子に気づき、つい口を出した。「秦丞相は忠臣と名高い 皇宮に銘酒を届けたことが災いとなり、一族皆殺しにされるとは落胆すべきことです 太子殿下は世継ぎでありながら秦丞相の治世の才ではなく、酒造りの腕を惜しんでおられる… 何と嘆かわしい」しかし皇太子は秦家が誅滅されたのは父の信頼を裏切ったからだと反論し、無憂の席まで行って先師の酒を飲めと勧めた。亡き師匠を侮辱された無憂は憤慨、皇太子が差し出した杯を払いのけると、そのまま帰ってしまう。宴は散会し、皇太子は痕香を皇太子府に連れて帰った。しかし痕香は見送りに出た将軍を馬車の窓から恨めしそうに見ている。一方、容楽は傅筹になぜ自分を助けたのか聞いた。傅筹は目的があるとだけ認め、自分を信じてくれことに感謝する。「将軍府に留まるか?それとも蕭煞(ショウサツ)と公主府へ?」「ふっ、私に選択の自由があるの? 攏月(ロウゲツ)たちを人質に取られた上、蕭煞の監視まで付けられて、好きに選べと? いいこと?私が操り人形でいると思ったら大間違いよ!」「君の意思の強さには驚く、漫夭…」「漫夭ですって?私は西啓の公主よ、気安く呼ばないで」すると容楽は公主府へ帰ることにした。「…あら蕭煞大人(ダーレン)、職務に忠実ね、ご苦労様」「公…ぁ…(行っちゃった)」容楽が公主府に戻ると、すでに屋敷は容斉の親衛が警護し、公主府の者は誰もいなかった。すると寝殿の前で容斉が待ち構えている。「全部、手配済みなのね…私と親しい人は1人も見逃さない」「…そなたの身分や目的が北臨の者たちに知られてはならぬ、だから慎重を期して行動している」「傅筹は北臨の者よ、見え透いた言い訳は聞きたくない」「ならば山河志を渡せ、約束は果たす、婚儀から1年で西啓の家へ連れて戻る」「家ですって?私の家はどこなの?家なんてあるの?」「…私の関心は山河志の在りかだけだ」容楽は確かに自分が山河志を持っていると認め、交換条件として人質たちを殺さないよう迫った。「沈魚(チンギョ)、泠月(レイゲツ)、小唯(ショウイ)、攏月、ひとりも欠けてはダメよ!」容斉は条件を飲み、蕭煞に明日、容楽を人質に会わせるよう命じた。すると容楽は肌身離さず持っていた玉佩(ギョクハイ)を兄の目の前に差し出し、手を離してしまう。玉は容斉の手をすり抜け、そのまま落下、無残にも真っ二つに割れた。容斉は容楽の信頼を失い、ただ黙って容楽が寝殿の中に消えていくのを見送るしかない。そして割れた玉を拾うと、人知れず言いようのない悲しみに耐えていた。↓( ๑≧ꇴ≦)ホァンションに何がっ?!皇太子妃が皇太子の寝殿に乗り込んできた。するといきなり痕香をひっぱたき、東宮に芸妓を連れ込まれては面目丸つぶれだと嘆く。しかし皇太子は痕香が傅将軍から贈られた女子だと教え、傅将軍を取り込むのにどれほど苦労したことかと訴えた。「誰かに漏らしたら承知せんぞ!」皇太子は痕香をかばい、皇太子妃を追い出してしまう。そこで痕香は皇太子に薬入りの酒を飲ませ、昏迷させた。痕香は大勢の女子を泣かせて来た皇太子を暴行し、ひとしきり憂さを晴らしてから何かを探し始めた。やがて枕のからくりを見つけ、そこから鍵を見つける。一方、冷炎は調査を終えて黎王府へ戻っていた。宴で振る舞われた十里香酒は最近、ある店が売り出した物で、同じ名でも秦家秘伝の手法を得たわけではなく、ただ香りを似せているだけ、味わいは異なるという。しかし秦家と言えば北臨の禁忌、無憂はまさか真似る勇気のある者がいたとは意外だった。店の者によると有名な酒の名を借りただけで、十里香酒にまつわる事案は知らなかったらしい。「待て、傅筹は十里香の件を知っている、なぜ危険を冒してまで禁忌の酒を持ち出したのか…」結局、将軍府では漫夭の手がかりを何も見つけられなかった。無憂はどうにも腑に落ちない。「何か見逃しているのでは?」無相子(ムソウシ)は誤報を放ったことがなかった。もし漫夭が将軍府にいたとしたら…。嫁入り前の容楽公主が将軍府を見に来たのも妙だ。宴席に現れた舞姫の身のこなし…。傅筹はあの手だれの女子を皇太子に贈った。そして宴で振る舞われたのが十里香酒…。「一見、関連がなさそうに見えるが…」無憂は傅筹の狙いが皇太子の懐柔だけではないと気づいたが、今は漫夭を探すことが先決だった。翌朝、皇太子が目を覚ますと、隣にはあられもない姿の痕香がいた。痕香は疲れてそのまま眠ってしまったと謝罪したが、皇太子は何も覚えていないという。しかし確かに床には脱ぎ捨てた2人の衣があった。無郁は黎王府を訪ね、漫夭より山河志の捜索に力を注ぐよう助言した。すると無憂は苛立ちを隠せず、思わず茶碗を投げつけ、割ってしまう。「七哥…なぜそんなに慌てているのです?目的は山河志でしょう? 漫夭の方が大事なんですか?まさか情が移ったので?」←もう黙ってろ💢その時、昭蕓(ショウウン)郡主がやって来た。実は数日前から攏月楼が閉まっているため、漫夭の居場所が知りたいという。大好きな容楽公主が将軍に嫁ぐ羽目になったのも漫夭のせい、昭蕓は文句の1つも言わねば気がすまない。「アイヤ~、七哥も数日前から探しているんだよ!」「アァ~?無憂哥哥も知らないなんて…危険な目に遭ってなければいいけど…」昭蕓の一言で無憂は急に不安になった。確かに漫夭は志半ばで諦めるような性格ではない…事件に巻き込まれたのやも…。そこで無憂は無郁に逃亡中の罪人を探すという名目で都中を片っ端から捜索しろと命じた。さらわれたとしたら、事を大きくした方が犯人を追い詰められる。しかしこれを利用して項影(コウエイ)が密かに配下を投入、黎王の名で捜索と称し、民に乱暴を働いた。一方、蕭煞は皇帝が西啓に発ったと公主に報告していた。そこで山河志を自分に渡すよう要求したが、容楽は人質に会うまで渡さないと拒む。蕭煞は仕方なく公主を連れて人質たちが監禁されている反物店へやって来た。すると店の主人が2人を裏庭の建物へ案内し、帯から鍵を出して開ける。裏庭では覆面をした黒衣の男2人が見張っていた。攏月たちは無事だった。仲間との再会を喜ぶ容楽、すると泠月は蕭煞を激しく非難する。「よくも公主を裏切ったわね!」しかし手だれの攏月だけは武術が使えないようしびれ薬を飲まされていた。「仲間にまで残酷な手を使うなんて…」容楽はふつふつと湧き上がる怒りを抑え、全て自分のせいだと嘆く。漫夭が公主だと知った沈魚は、自分たちを守るために公主も犠牲を払ったのだろうと心配した。攏月は山河志を渡さないよう説得したが、容楽は必ず救うと誓う。「待っていて…」すると容楽は蕭煞に隠し場所に案内すると告げ、出て行った。大街は漫夭を探す官兵たちがあふれていた。容楽と蕭煞は陳王の姿に気づいて物陰に隠れると、蕭煞がおとりを使うという。「他にも監視者がいるのね」呆れる容楽を尻目に蕭煞が黙って手を挙げると、暴走する馬車が現れた。案の定、兵士たちは馬車を追いかけ、蕭煞は今のうち逃げようとしたが、容楽が自ら陳王の元へ駆け出してしまう。「陳王、私を探してるの?」「漫夭!やっと見つけた!」無郁は喜んで漫夭を連れて行こうとしたが、追いついた蕭煞が後ろから容楽の肩をつかんだ。驚いた無郁は漫夭を奪われまいと阻止して争いとなったが、容楽公主の侍衛だと気づく。しかし漫夭の姿はすでに消えていた。「見失っただろう?!」「陳王殿下、実は公主府から逃げた奴婢を探しており、誤解しました」「あ~さっきの馬車だな…」蕭煞は陳王をうまくごまかして容楽を探しに向かった。しかし項影が立ちふさがり、容斉の令牌を見せて追わないよう止める。その頃、逃げ出した容楽は反物店に戻り、店主をいきなり殴って鍵を盗むと、裏庭にいる見張りを片付けた。「ここを離れましょう、早く」容楽はまだ自由が利かない攏月を背負い、みんなで城外へ逃げた。林の中を必死に逃げる容楽たち、しかし小唯が足を取られて転んでしまう。その時、うっかり香袋を落としていた。一方、無郁は黎王府へ戻り、漫夭を見つけたが逃げられたと報告した。焦りを隠せない無憂、すると冷炎が駆けつける。「西の城門で漫夭姑娘を見た者がいました!城外へ出たのやも…」↓( ゚д゚)何だって?!つづく( ˘ω˘ )小唯はわざと落としたの?本当にたまたま?もう誰も信じられなくなってる(笑
2020.07.02
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白发 Princess Silver第13話「駆け引きの代償」信じていた皇兄・容斉(ヨウセイ)に裏切られ、深く傷ついた容楽(ヨウラク)。攏月(ロウゲツ)はそんな公主を気遣い、西啓(セイケイ)帝にも何か事情があるのではないかとなだめる。実は調べてみたところ、5年前に北臨(ホクリン)に来た攏月は傅筹(フチュウ)に″凧(タコ)″を送っていた。当時、傅筹はまだ小隊長だったという。「なぜ小隊長に凧を使うのか不思議でした」わずか数年で衛国(エイコク)大将軍に昇格した傅筹、恐らく兄や西啓が関わっていたに違いない。「色々、考えていたわ、私が何か過ちを犯したのかと… 犠牲になる覚悟で北臨に来たから想いは叶わなくていい でも全く理解できない人に嫁ぐなんて、とても無理よ…」「公主、どうしても受け入れられないなら、ご自分の想いを尊重してください 黎(レイ)王を信じたいなら身分の縛りなど気にせず、2人で遠くへ逃げるのです」「…でも彼はそこまで望んでいるかしら?」そこへ小唯(ショウイ)がやって来た。「黎王がお越しです」攏月は山河志を差し出し、あとは容楽の決断に任せることにした。宗政無憂(ソウセイムユウ)は昨夜の約束を思い出し、会いに来たと言った。「今日また訪ねると…もう遅い時分だが、そなたとの約束は守りたい」その言葉を聞いた容楽は思わず無憂に抱きつき、号泣してしまう。無憂は漫夭(マンヨウ)を連れて黎王府に戻り、漫音(マンイン)閣で休ませることにした。「無憂、信じていた人に欺かれ、陥れられたことがある?」「私を欺き、陥れられるのはそなただけだ」無憂は漫夭をからかうと、何があったか分からないが悲しいのだろうと察した。「″今の信念は将来、心を刺すやもしれぬ″、そう言ったわね? 今の私は信念を失い、どう生きればいいかも分からない」「…私を信じるか?母が亡くなった時、この世から光が消えたと思い込んだ だがそなたに会えた…漫夭?どんな苦しみもいずれ過ぎ去る 信念に裏切られたなら、それは信念としてふさわしくなかったのだ 何も信用できずとも私だけは信じろ、私たちは将来を共にする」無憂は母の忌日に不覚にも攏月楼へ足を運んでいたと恥ずかしそうに白状した。思えばすべて運命だったのだろう。刺客から漫夭を守った瞬間から分かっていた、かけがえのない人だと…。「母と秦(シン)師父が亡くなり、人生に希望を失っていた だがそなたに闘志を呼び覚まされ、理想や責任を再自覚した」無憂は秦師匠が民の平和を実現するため、養民変法(ヨウミンヘンホウ)を作ったと教えた。もし山河志さえ見つかれば養民変法を復活させることが叶い、誰でも娶ることができる。無憂は漫夭と共に養民変法を進めたいと願った。もはや将来に何の希望もなかった容楽だったが、無憂の話を聞いているうちに光が見えて来る。「無憂、本当に信じていいのね?」「信じてくれ」「信じるわ」「…結婚しよう」「うん」すると無憂は明日から婚儀の準備を始めると決め、漫夭を抱き上げて寝所へ向かう。その頃、公主府では容斉がやるせない思いを紛らすため、ひとり酒をあおっていた。↓小荀子に八つ当たりする皇兄( ๑≧ꇴ≦)容楽は無憂が眠った後、山河志を枕元に置いた。「無憂、あなたに身を委ねるわ…」するとまた無憂の隣で眠りにつく。寝たふりをしていた無憂はそっと目を開けると、愛しい人の寝顔を見て微笑んだ。翌朝、無憂は漫夭を寝かせたまま中庭にいた。冷炎(レイエン)は主の様子を見に来たが、急に3日以内に結納と婚儀の手配をしろと命じられてしまう。その頃、攏月は沈魚(チンギョ)と小唯に店を任せ、出立するところだった。「そうだ、この楽譜が欲しかったそうね?若店主からの贈り物よ、言づても預かってる ″過去のことは忘れなさい、恩義に縛られ、攏月楼に止まる必要はない 琴の奏者は見聞を広めるべきだ″と…」沈魚は恩人であり一番の理解者だった漫夭がいなくなり、途方に暮れた。そこへ蕭煞(ショウサツ)が西啓の刺客を連れて乗り込んでくる。「公主は?」「誰のこと?」何も知らない沈魚は困惑した。無憂と一夜を共にした容楽はようやく目を覚ました。そこで身支度を整えて庭に出ようとしたが、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)の声が聞こえて来る。「七哥!婚礼を挙げるのですか?!」実は儀礼に詳しくない冷炎は陳王に協力を求めていた。2人の話を聞きながら幸せを噛みしめる容楽、しかし陳王の何気ない言葉から事態は一変する。「巧みな計画で漫夭を虜にできましたね~」「私も意外だった、利口な女子が情にほだされ、全てを私に委ねるとは…」すると無郁は卓の上にある山河志に気づいた。「七哥?!発見したのですか?!…もしや漫夭にもらったのでは?あーっ!やっぱり~」それにしてもなぜ山河志が漫夭の手にあったのか、無郁はすぐひらめいた。花灯(カトウ)祭の夜、尚書府に侵入したのは漫夭だったのだろう。つまり七兄はわざと警備を手薄にして漫夭が山河志の在りかを知っているかどうか試したのだ。「女心さえつかめば秘密を握るのは簡単ですね~ 漫夭があっさり罠に落ち、山河志を差し出すとは…」無憂は違うと否定したが、無郁の軽口は止まらない。「これで父上は七哥を束縛できません!漫夭が西啓の間者でも手柄を立てたなら報いてやらねば あれ~?!まさか本気で愛していると?」「当然、違うわ!」その声は漫夭だった。容楽は無憂が山河志を手に入れるため自分を欺いていたと知った。「すべて偽りよ!私を王府に留まらせ、李志遠(リシエン)の居所を漏らしたのも、 偶然を装い、密室の仕掛けを分からせたのも計画なのね? …違うと言うなら狩り場の件はどう?偽の刺客の情報で私をおびきよせた あの時は企みと認めたわ」「そうとも、すべて私の企みだ…だが山河志のためではない」その時、無郁は山河志が偽物だと気づいて無憂に渡した。驚いた無憂は思わず漫夭を疑いの目で睨んでしまう。容楽にとってその目が答えになった。「この期に及んで取り繕う必要はないわ…山河志のために皆で私をだました 私は用済みでしょう?」すると無憂は山河志を放り投げ、大切なのは漫夭だけだと訴える。「信じるとでも?あなたも結局は気にかけるふりをして私を欺き、利用したのよ 何度も罠を仕掛けてね!」容楽は引き止める無憂の手を振り払い、出て行ってしまう。黎王府を飛び出した容楽は雨の中をさまよっていた。兄に裏切られ、愛する人に騙され、これからどこへ行けばいいのか…。容楽はやがて気を失って道端で倒れると、そこへ容斉がやって来た。「今までどこにいた?心配したぞ…」一方、公主府では泠月が容楽の帰りを待っていた。そこへ蕭煞が現れる。「公主から預かりものは?」「…ないわ、公主は昨日から戻らないの、何か知ってる? 今日、勅旨が届いたわ、公主が将軍の誰かに嫁ぐと…そうなの?」しかしどこかよそよそしい蕭煞は何も言わず部屋を出たかと思うと、扉に錠をかけて泠月を閉じ込めてしまう。無憂は冷炎に漫夭の行方を探させていたが、攏月楼は閉まっていた。もし漫夭が山河志を自分に渡したと西啓の者に知られたら危ない。無憂は仕方なく無相子(ムソウシ)に協力を仰ぎ、必ず漫夭を探し出せと命じた。うっかり口を滑らせた無郁は反省していたが、漫夭も偽物の山河志で七兄を試したと訴える。無憂は苛立ちを隠せず、ただ黙って山河志を見つめていたが…。容楽が目を覚ますと将軍府にいた。すると傅筹が薬を持ってやって来る。容楽は憤慨して出て行こうとしたが、傅筹は諦めるよう忠告した。「攏月楼の者は全員、捕らえられた」「どうする気?!」驚いた容楽は急に立ちくらみを起こして倒れそうになり、傅筹が咄嗟に支えて容楽を座らせた。「君がここにいる限り攏月たちは無事だ、傷つけたくないだろう?」「私の仲間を傷つけたら何も得られないと思って!」「忘れたのか?君の仲間など誰もおらぬ…」( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)…傅筹は薬を差し出して飲むよう勧めたが、容楽はその手を払い避けた。茶碗は吹き飛び、床に転がって大きな音が響き渡る。傅筹は頑なな漫夭をこれ以上、刺激しないよう、ひとまず退散することにした。「ここを離れないことが最善の策だ…」冷炎が中庭に駆けつけた。無憂は漫夭が見つかったと思ったが、実は傅筹が婚儀の招待状を各王府に配っているという。仕方なく無憂は傅筹を通し、招待状を受け取った。「黎王には感謝します、公主を拒んでくれたおかげで私の望みが叶ったのですから…」「大き過ぎる望みは叶わぬ場合もある…」無憂はまさか公主が漫夭だと夢にも思わず、傅筹が野心のために公主を娶るのだと思っていた。すると傅筹は黎王と漫夭も結ばれるよう願っていると伝え、帰って行く。そこへ入れ違いに冷炎がやって来た。「無相子からです、漫夭姑娘は将軍府に…」「では今の傅筹は?!どういうことだ…」容楽は傅筹がいないうちに帰ることにした。しかし部屋の前で見張っていた項影(コウエイ)に止められてしまう。その時、運悪く傅筹が戻って来た。なぜか傅筹は容楽を止めようとしなかったが、そこへ兵士が慌てて駆けつける。黎王が将軍府を包囲したというのだ。「選択肢は2つだ…イー、姿を見せて黎王と会う、アー、指示に従い私が黎王を追い払う」「…追い払って」すると傅筹は漫夭に沐浴するよう指示した。無憂は私兵を引き連れ将軍府に乗り込み、自分の妃を迎えに来たと言った。そこに酒宴に招かれた皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)がやって来る。皇太子は大理寺の命もなしに高官の私邸を捜索できないと叱ったが、無憂は例え父でも邪魔する者は許さないと反抗した。今すぐ捜索すると強硬な姿勢を崩さない無憂、その時、容楽公主が現れ、黎王を非難する。「私は黎王に拒否されたので恥を忍んで傅将軍を選びました なのに今度は私が輿入れする将軍府を捜索するとおっしゃるのですか? そこまで侮辱するのは西啓の者を見くびっているからです!」「ふん、以前より雄弁になったな?」すると傅筹はちょうど公主の寝所を慌てて改修したと話し、この機会に公主だけでなく皇太子と黎王にも見てもらおうと言った。その頃、容楽は沐浴していた。すると密かに漫夭を捜索している冷炎が入って来る。容楽は咄嗟に衣を持って湯の中に頭まですっぽり浸かり、蓋の下へ潜り込んで難を逃れた。「ブハーッ!ぜえ~ぜえ~(死ぬトコだったわ…)」湯から顔を出した容楽が息を整えていると、侍女たちが着替えを持ってやって来た。「将軍が用意したお召し物です、支度しましょう」つづく( ̄▽ ̄;)ちょっw風呂にずかずか入って来る冷炎w無憂も何だかな〜無郁はもう論外wそしてついに一夜を共に過ごした2人~って、どうみてもただ寝ていただけですw
2020.07.01
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