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2022.01.24
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传闻中的陈芊芊 The Romance of Tiger and Rose
第20話「妻から奴婢に」

裴恒(ハイコウ)の手引きで月璃(ゲツリ)府を抜け出した陳芊芊(チンセンセン)。
そんな2人に林家の家職が声をかけた。
今や閑散としている教坊司、すると家職は林七(リンシツ)を救おうとしてくれた若城主に感謝する。
家職は若城主が流刑の出発前に金牌を渡していたことを知っていた。
「小姐の命は奪われましたが、林家は若城主のご恩を決して忘れません」
すると使用人が駆けつけ、家職に化粧箱を届けた。
箱の中を確認した家職は金牌と林七からの文を見て驚愕する。
…玄虎城についた、心配ない…
陳小千(チェンシァオチエン)は自分で物語を制御できなくなったとあきらめ韓爍(カンシャク)を追放したはずだった。
しかし城主の中風が治り、林七も生きていると分かり、自分でも登場人物の運命を変えることができると気づく。
「私は一体、何をしていたの?!」
芊芊は韓爍の誤解を解くため、裴恒が止めるのも聞かず教坊司を飛び出して行った。

一方、韓爍は城主に城主印を渡すよう迫っていた。
しかし城主は命より城主印の方が大事だと拒否する。
「私を殺しなさい、ただ…哀れな芊芊は母を失った悲しみに暮れ、三日三晩は泣き暮らすでしょうね」
すると韓爍はこの状況でも自分を脅す城主に呆れ、他にも手段はあると引き下がった。
城主はやはり韓爍の芊芊への真心が今も変わっていないと気づく。
そこで今後、自分に何かあれば芊芊は韓爍の仕業だと思うはずだと釘を刺しておいた。

芊芊は再び楽師に紛れて月璃府に戻った。
無事に寝殿に入った芊芊だったが、運悪く韓爍が現れる。
芊芊の楽師の扮装を見た韓爍は逃げようとしていたと誤解、すると罰を恐れた楽師が裴恒の指示だと口を滑らせた。

韓爍は楽師たちを追い返し、悪巧みの裏に必ず裴恒がいると呆れた。
「…これ以上、容赦はしない一線を超えたらもう逃げられないぞ?」
夫婦の関係を迫り芊芊を脅す韓爍、すると芊芊は離縁状を取り出した。
韓爍は離縁状など何の役に立たないと言ったが、芊芊はいきなり破り捨て、自ら寝台に横たわる。
「一線を越えるんでしょう?」
しかし韓爍は心底、見損なったと非難した。
まさか裴恒や城主を救うため、ここまで自分をおとしめるとは…。
「妻の座がそんなに嫌なら…私の奴婢になれ」

陳楚楚(チンソソ)は月璃府を訪ね、芊芊を陳沅沅(チンゲンゲン)の日晟(ニッセイ)府に移そうと提案した。
すると韓爍は給仕する芊芊の前で楚楚と親しげに振る舞い、芊芊の置き場などどこでも良いという。
楚楚は韓爍が芊芊への未練を捨てたと安堵したが、芊芊が怒って出て行くと途端に韓爍はよそよそしくなった。
「ただの玩具だが、そばに置けば遊ぶことができる」
「…それじゃあなたが星梓(セイシ)府に来る?」
「まさか私を花垣城の男のように好きに扱えるとでも?」
楚楚は韓爍が芊芊に見せつけるため自分に優しくしたと気づき、憤慨して帰って行った。



芊芊は韓爍の身の回りの世話をするが失敗ばかりだった。
わざとだと誤解した韓爍は衣に火熨斗(ヒノシ)をかけるよう命じ、少しでもシワがあれば今夜は寝かせないと脅して出かけてしまう。
すると芊芊は慣れない重い火熨斗に手こずり、うっかり右手を火傷した。

一方、楚楚はなぜか母と面会ができず、韓爍に不満をぶつけた。
韓爍は母娘の情で寝返りでもしたら困ると説明したが、楚楚は城主印が手に入らねば大臣たちも自分を新城主だと認めてくれないという。
「母上が1日、引き延ばすごとに芊芊の指を1本、送る…3日も経たずに母上は城主印を渡すわ」
「何とも良い姐姐(ジェジェ)だな」
楚楚はわざと芊芊を持ち出して反応を見たが、やはり韓爍はまだ芊芊に情があると分かった。
「ふん、盟約を忘れないでね、私が城主にならねばあなたも黒水鉱を得られない
 …良い関係を壊したくないわ」

その夜、韓爍が月璃府へ戻ると門前で裴恒が騒いでいた。
韓爍は無視して屋敷へ入ろうとしたが、裴恒から芊芊を虐げていると非難される。
「は?家事をさせているだけなのに虐げてると?」
「城主の娘に慣れない家事などさせるな、火傷させても知らぬふりか?!」
「やけど?なぜお前がそれを?」
韓爍は動揺を隠し、まともな軍もない裴恒には愛する者も己さえも守れないと追い返した。

韓爍はすでに休んでいた芊芊から布団をはぎ取った。
何事かと驚いて目を覚ます芊芊、すると韓爍が包帯を巻いた芊芊の右手をつかむ。
「火傷したなら言え、裴恒は知っていたぞ?」
「言ってどうなるの?気にもされないのに…裴恒にも言ってないわ」
「…痛むか?」
「…痛い」
芊芊はひとりぼっちで急に心細くなり、韓爍にそばにいて欲しいと泣きついた。
仕方なく韓爍は芊芊を床に寝かせ、独り寝台を独占する。
「…もう寝た?きれいな月、初めてあなたと眠った夜みたい…ごめんなさい、辛い目に遭わせて」

一方、裴恒は芊芊を助けられず、無力な自分に腹を立てていた。
その時、ふと亡き母の肖像画を目にし、その手にある令牌に気づく
…そうだ護城軍の花(カフ)符だ…

翌朝、韓爍は久しぶりにぐっすり眠り目を覚ました。
するといつの間にか床で寝ていた芊芊が自分に抱きついて寝ている。
韓爍は芊芊を起こさないようそっと起きあがろうとしたが、芊芊が寝ぼけて抱きついて来た。
「おかえりなさい…ムニャムニャ…どれだけ会いたかったか分かる?…」



韓爍は芊芊に優しくなった。
そこで芊芊の火傷の手当をしながら、花垣城の件が片付いたら芊芊を連れて玄虎城に帰るという。
とは言え花垣城の占領を解くわけではなく、玄虎城が治めることに変わりなかった。
「君は玄虎城に来て私の夫人になれ」
驚いた芊芊は楚楚が城主になるはずだと訴えたが、韓爍は互いに利用しただけに過ぎないと冷たい。
「明日、城主が退位の書に署名し、皆が捕らわれの身となる」
「やっぱり本性は変わらないのね…」
「私の本性とは?」
小千は自分で決めた設定を語り始めた。
「名は韓爍、玄虎城の若城主、用意周到に花垣城殲滅を企てる
 しかし病に侵され余命わずか、龍骨で治すため人質として花垣城へ
 病弱を装い謀略を巡らす、まさに影の大魔王よ…人物紹介3頁」
芊芊は不満なら自分にぶつけ、他の人に手を出さないよう訴える。
しかし韓爍は流刑となった自分がどう過ごしていたかも尋ねず、城主の数日の軟禁で責める芊芊に失望した。
「君は親孝行だな、しかし少しでも私に逆らえば…母君の命が危うくなるぞ?」

梓鋭(シエイ)は少君の若城主への仕打ちに憤った。
しかし白芨(ハクキュウ)は少君が決して若城主を傷つけないと知っている。
「ただの脅しだと分かるだろう?若城主こそすぐ頭に血が上る…」
「ちっ!ここを動かないぞ!少君から守ってみせる!」
梓鋭は寝殿の前で座り込んだ。

一方、裴恒は花符さえあれば護城軍を二郡主から奪えると考えた。
例え男であっても花垣城の歴代司軍は裴氏が輩出、母の名声はまだ衰えていないだろう。
そこでその夜、裴恒は二郡主の謀反に反発する乳母の手引きで星梓府に忍び込み、花符を奪った。

深夜の軍営に裴恒が現れた。
裴恒は花符を示し、母の名のもと城主を守るべきだと訴える。
しかし将軍は男の出る幕ではないと鼻であしらい、部下たちを解散させた。
すると裴恒は将軍の帯剣を抜き、花符に従わなかった罰として処刑してしまう。
驚いた部下たちは一斉にひざまずくと、裴恒の命で城主と若城主の救出に向かうことになった。



翌朝、月璃府は護城軍の攻撃を受けた。
芊芊は異変に気づいて戸を開けると、ちょうど玄虎兵を斬りつける裴恒を目撃する。
「芊芊…助けに来た…」
初めて人を殺めた裴恒はまだ震えていた。
「ごめんなさい…」
芊芊は自分が裴恒をここまで追い詰めたのだと思うとやるせなくなった。

つづく





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最終更新日  2022.01.24 15:06:34
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