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あらあら、ブログを持っていることも忘れてしまうほど、ご無沙汰していた。今はもう秋。娘夫の両親の家は当市の端、「黒い森」の麓にあって、自然に囲まれ、庭もものすごく広い。庭の果樹が、今年の猛暑のおかげで、たわわに実をつけた。地面に落ちるリンゴは、毎日山ほどあって、とってもとっても翌日にはまた山のように落ちているそうだ。拾ったリンゴを近くのジュース作りする農家に届けると、じか搾りのジュースを安く売ってもらえるのだそう。リンゴとニワトコの実を搾ったジュースはとても美味しかった。市販のジュースにはない自然な味。「リンゴもマルメロも好きなだけ持って行って」と言われて、山ほどもらってきた。マルメロは3キロぐらい。前にも書いたけれど、マルメロの加工はかなり厄介。生のマルメロは切ったり、皮をむくには力が必要で、時間もかかる。今回はネットで見つけたレシピに従った。まず、清潔な布巾で、皮を覆っている細かい毛のようなものを拭き取る(洗わないで拭き取る!)。これだけでも、1時間ぐらいかかった。マルメロは丸のまま、たっぷりの水で30分ぐらい茹でる。こうすると、切ったり、芯をとったり、皮を剥くのが簡単になる。芯と皮は先の茹で汁の一部でもう一度、グツグツ茹でる。この茹で汁をザルでこして、ジェリーシュガー(ペクチン入りのジャム用砂糖)と混ぜて煮る。これで、マルメロのジュレ(つまりはゼリー状のジャム)のできあがり。プルプルで、マルメロ独特の香りがする、優雅なジャム。皮と芯を除いた果肉と同量(私は3分の1)の砂糖を混ぜて、焦げ付かないようにかき混ぜながら、30分以上煮て、水分を飛ばす(この作業は小豆を煮て餡を作るのに似ている)。ムースのようになったマルメロを天板に2センチぐらいの厚さにのばして、50〜100度のオーブンで乾かす。好きな形に切る。甘酸っぱいお菓子のできあがり。前にもこれ書いた。毎回、「もうこんな作業は絶対にやらないぞ」と決心するのに、またもやってしまった。週末、3日もかかって、できたのはジャム8瓶と天板2枚分あまりのマルメロ菓子だけ。娘夫の両親とは気が合って、良い友人関係がもてて幸せだ。価値観とか興味、あるいは政治意識が似ているからかもしれない。ある友人(ドイツ人女性)が、子供のパートナーの親と意志が通じるというのはとても大切だ、と言っていた。ほんと、そう思う。娘夫のお母さんとは、しょっちゅう本の交換をしている。「xx読んだ?」「読んでいない」「じゃ、買わないで待ってて。読み終わったらすぐ送るから」「こちらからも、xx送るわよ」と言った具合。時には私が彼女に送った本が、その後、私の娘の手に渡る。そういえば、村田さやかの「コンビニ人間」(もちろんドイツ語版)も娘夫のお母さんにいただいて、読むことができた。お義母さんはこの本を読んで、日本社会においてはいまだに女性が抑圧されていると解釈したようで、『あなたが日本を出て、こちらで生き始めたわけがやっとわかった』と書いてきた。いやー、わたし自身は別に抑圧されたという意識はないんだけど、、、。まあ、いろいろな読み方があると思うけれど、「コンビニ人間」は面白かった。それにしても尊敬に値するよね。コンビニで働く人の気配りって。ドイツにはコンビニはない。まあ、できないだろうな。唯一、コンビニと似たような機能を果たしているのは、ガソリンスタンドかもしれない。
2018/10/02
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昨日、スーパーに行ったら、ちょうど目の前の棚に、乾燥青エンドウが一パックだけ残っていた。セールだったらしく、ほとんど売り切れた商品のようで、さらに値下げされて、500gのパックが88ユーロセント(120円ぐらい)。テレパシーだ!どういうわけか、数日前に「うぐいす豆は、乾燥青エンドウを煮れば作れるはず」などという考えが浮かんで、とつぜんうぐいす豆が食べたくなっていたところだったから。うぐいす豆を最後に食べたのは、何十年前のことだろう。そもそも、子ども時代から、家で作ることも、買うこともなかったから、食べる機会もほとんどなかったはず。でも、あのおいしさだけは知っていた。小豆の餡とは違う香りが独特で、食べたいなあというあこがれだけがいつもあった。塩味の煮豆は嫌いなのに、甘い豆は好き!白えんどうでも、甘納豆でも。で、インターネットで見つけたレシピにしたがって、青エンドウ500gすべてを10時間ぐらい水につけてから、重層を入れて二度、煮立てては水を捨て、を繰り返してから、たっぷりの水を入れて、3分ぐらい煮たあと、前に書いた、鍋帽子にくるんで一晩おいておいたら、すっかり柔らかくなった。煮汁をほとんど捨て、砂糖と水あめをくわえて煮てから、バーミキサーでグワンとつぶし、ふたたび火にかけて、ちょっと練った。これでうぐいす豆の餡子のできあがり。うーん、おいしいぞ。できあがった大量の餡のほとんどは、冷凍した。目の前にあると、すぐに食べてしまいそうで怖いから。それに、こうしておけば、アンパンが食べたくなったら、即座に作れる。白玉粉もどきのもち米粉を水で溶いて、電子レンジにかけて、求肥を作り、この皮で残りのうぐいす餡を包んだ。大福のようなもの。あー、おいし!実験のために、白玉粉にちょっと小麦グルテンを混ぜて、電子レンジにかけて作った生地でも、包んでみた。ちがいはほとんどなかった。どっちもおいし!うぐいす豆がこんなに簡単に作れるなんて。これまで何十年も生きてきて、一度も作らなかったことが悔やまれる。
2018/02/25
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BFの姉が昨年末に、近くのイタリアデリカテッセンの店でパネトーネを買った。レシピは秘密なのだそうだ。といっても店の自家製ではなくて、イタリアのメーカーから仕入れたもの。たしかにフンワリ盛り上がって、クラムがゴムのように弾力があって(どこまでも伸ばせそう)おいしい。このパネトーネ、なんと3ヶ月も持つのだそうで、1月末になってもまだ残っている。食べてみたら、いささか乾いたものの、まだ弾力がある。こういう生地は家庭では作れないのではないかな。大量生産のパンには、パンをフワフワにして、しかも長持ちさせる酵素を添加するそうだ。実際、デンマーク製の酵素を入れた食パンは一ヶ月たってもいたまないし、押しても戻ってくるほど弾力がある。このパネトーネにも酵素が入ってるんじゃないかな、と疑いたくなる。そんなどうでもいいこと(パネトーネが好きなわけじゃないので)をツラツラ考えながら、ライ麦サワー種(小麦の場合には日本ではルヴァンと呼ぶらしい)を使ったパネトーネで検索したら、こういうのが見つかった。ほら、すごく膨らんでいるでしょう。タイトルは「パネトーネ‥・ついにトラウマを克服」だと。フンフン、そうまで言われると実験したくなる。このパネトーネはなんと3日もかけて作る。くわしい作り方はここでは省略。上のサイトにドイツ語でくわしく書かれています。イーストなどはまったく使わず、スペルト麦のサワー種(ウヴァン)だけでやってみた。第一日の前の晩ルヴァンのいわばエキス(継いできたルヴァン種)ほんの少量と水と粉を少量合わせて、15度のところで一晩置く。わたしは住まいの外に出した(野外ではなく、建物内の階段室)。家の中は玄関でも20度近くになるみたいだから。第一日上で継いだルヴァン種のほんの少量とまたまた粉少量と水少量を合わせて、15度のところで7時間置く。その後、これに粉やや多めと水を合わせて30度で3時間おいてやっと元種が完成。第二日目粉の半量と元種と砂糖、水、バターの一部をこねて、15度のところで15時間!!置く。わたしの場合には、15時間後は夜中の3時になることが判明したので、夜中の1時に冷蔵庫にしまって、早起きをまぬがれた。第三日目やっと本捏ねになる。残りの粉、卵黄6個分、生クリーム、バター、砂糖などで、ニーダーを使って15分捏ねる。これが大事らしい。上のサイトのパンオタクはKENWOODの捏ねマシーンを使っているらしい。あー、欲しくなった。捏ね上がってから、40分生地を休ませたあと、ラム酒につけたレーズン、オレンジピール、クルミなどをくわえてたたみ、成形。あとでわかったことだけれど、パネトーネの成形にはらせん状に回す技術が必要らしい。上のレシピの元となった人のサイトに紹介されていたYOUチューブを見た。生地をくるくる回すようにしてから、最後にムギュッと裏側をつかんて、型に入れるの。あー、成形前に見れば良かった。パネトーネの型なんかないので、上のサイトの人に見習って、18cmのケーキ型の内壁にクッキングペーパーをつけて、高さが18cmになるようにした。これに生地を入れて、22度から27度で、5時間半も二次発酵。そうしたら、5時間後には本当に16cmの高さまで生地がふくれた。200度に予熱したオーヴンで、レシピとおりに180度で50分焼いた。焼き終わるよりずっと前に生地がふくれて、ついにオーブンの天井にたどりついてしまった。型はオーヴンの一番下の段に置いたのに。アルミフォイルで上をおおったけれど、焼いている内に焦げる匂いがただよった。それでも、無視して焼き続け、時間がきたら、生地が生焼けかどうかも確かめずにスイッチを切った。自家製天然酵母で生地がこんなに膨らんだのははじめて。三日も時間をかけたのが良かったのか、捏ねが決め手なのか。生地はしっとりキメが細かくて、デリカテッセン店のパネトーネのような大きな気泡はないし、ゴムのような弾力もない。どちらかというとシットリ、ふわり。あと十分長く焼いていたら、ちがった結果になったかな。ルヴァンつまりはサワー種なのに、まったく酸っぱくない。これは元種を起こす段階や二次発酵を、30度以下の環境でするかららしい。この温度だと一定の菌(たとえば酢酸菌)が増えないからみたいだ。実験はおもしろかった。次は焼く時間をもっと長くして、焦がさない工夫をして、成形もイタリア人の職人を見習ってやってみよう。もしかして、来年になってから。https://www.kochtopf.me/der-panettone-endlich-das-trauma-ist-uberwunden
2018/02/10
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いつも行くスーパーマーケットのヴィーガンコーナーを見るともなしにながめていた。近ごろはふつうの店でも、エコ食品やヴェジタアンやヴィーガナー用の食品が増えた。大豆ミートとか真空パックの豆腐とか、スモーク豆腐とか。ふと「セイタン用の粉」という文字が目にとびこんだ。セイタンという名前をはじめて聞いた(目にした)のは、はるか昔、ドイツに住み始めたばかりの頃だった。友だちが「これって日本の食材でしょう」と言ったけれど、わたしは聞いたことも食べたこともなかった。そのまま調べもしなかったけれど、今回は家に帰ってすぐにググった。なんだ、セイタン(どうやら日本語らしい)とは麩のことらしい。つまりは、小麦グルテンからつくられた食材。スーパーにあったセイタン用の粉も、成分表に小麦グルテんと書いてあった。あら、待てよ。小麦グルテンは家にもある。前に、バゲットを焼き始めた頃に、改良を目ざして小麦グルテン粉を添加したことがある。そのために買ったグルテン粉1キロのほとんどは、その後使われることもないまま、ガラス瓶に待機している。だってね、バゲット用の添加にはせいぜい一回、3gぐらいしか使わないのだから。賞味期限などとっくに過ぎているけれど、カビもないし、虫が侵入した気配もないので、ダメでもともと、麩だかセイタンだかを作ってみよう。どっかのレシピにしたがって、小麦グルテン粉を水で練った。あらあら、おもしろい。グルテン粉がみるみる水を吸って、ゴムまりのようにふくれた。質感もゴムまりかスポンジのよう。これを適当に切って、熱湯で茹でた。茹でていく内にまたもどんどんふくれていく。ゆであがったセイタンだか生麩もどきだかを食べてみたけれど、日向臭いばかり。冷めるにしたがって、さっきのフワフワは消えて、引き締まってしまった。ゴムというかちくわというか。味がないのと日向臭いのが気になって、だし汁と醤油と味醂でひとまずは煮ておいた。それでも味がないので、ショウガとニンニクのすりおろしと醤油と砂糖に一晩つけておいて、翌日に唐揚げをしてみた。おおー、これはいいぞ。言われなければ、鳥の胸肉の唐揚げと思えるかも。少なくともファストフードのナゲットよりはおいしい。質感は固めのチクワかさつま揚げ、あるいは柔らかめのイカとでも言いましょうか。わたしは病み付きになりそう。日向臭さも消えていたし。で、このチクワかさつま揚げの食感から思いついて、さらなる実験をした。スケソウダラ(これはタラではありませんが、よくタラと呼ばれているみたいです。養殖ではないところととびきり安いのが長所。魚肉製品の材料になる代表的な魚らしい。味は素っ気ない)の冷凍を買ってきて、半ば凍ったままの状態でフードプロセッサーでミンチしてから、すり鉢ですって、そこに少量の小麦グルテンを混ぜてみた。グルテンがプリッとした食感を出してくれるのを期待して。でもね、期待は裏切られた。いつも通り、さつま揚げもどきはサクサクしすぎで、あのさつま揚げとか蒲鉾独特の食感は得られない。もっとグルテン粉を入れれば良かったのかな。それとも、もっともっと魚肉をすり鉢で摩って、魚肉の繊維のような質、ホロホロした質が壊れるまでねとねとにしなければいけないのだと思う。ネットに出ている手作り蒲鉾やさつま揚げのレシピでは、その点をくわしく書いてないのが残念。それとも他の方々はとっくにこの問題を克服しているのかな。さつま揚げや蒲鉾は特には好きじゃないけれど、手に入らない所にいると作ってみたくなる。で、さつま揚げのことは忘れて、次なる実験をした(昼食は抜きなのに、出来損ないさつま揚げの味見でお腹はいっぱい)。またまたネットで見つけたレシピで、生麩を作るには、小麦グルテンに白玉粉を加えることを知った。白玉粉の代用は、こちらではもち米の粉のようなものを使う。これで白玉も大福も作れる。で、どなたかのレシピどおりにグルテンと水同量をこね、白玉粉と半量の水もこね、これらを合わせて、またもこねた。これが生麩の生地らしい。たまたま冷凍庫に見つけた小豆の甘煮を煮詰めて餡子にした。で、生麩のやわらかい生地で餡を包み(実験だから4個だけ)、残りの生麩の生地は棒状にした。これら両方を15分ぐらい蒸した。今回は前回の生麩もどき(グルテン粉だけの)とちがって、モチモチとやわらかい。この方が食べやすいのかもしれないけれど、味はないなあ。おいしいとも思えない。昔、京都か金沢のすてきな和食レストランで食べた生麩とは大違い。あの上品さはどこにもないな。生麩まんじゅうもおいしいとはいえない。これなら白玉粉でつくった大福の方がおいしい。なんでかな。このやわらかい生麩を前のようにショウガとニンニクと醤油につけて唐揚げにしたら、どういう食感になるんだろう。グルテン粉だけの小麦グルテンミートの方がわたしには合っているかも。
2018/01/28
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エコスーパーでふと思いついて、乾燥白インゲン豆を買ってきた。大昔、母方の祖母はお正月のおせちの一つとして、白インゲンの甘煮を作っていた。砂糖で煮ただけの白インゲンだけれど、わたしは大好きだった。食べ始めると止まらなくなった。煮豆(醤油味、塩味)は好きではないけれど、甘い豆は大好き。ふしぎだな。白インゲン豆500gを3リットルぐらいの水で一晩ふやかしてから、ふっとうするまで過熱し、1分ぐらい煮立てただけで、すぐに火を止めて、前に書いた鍋帽子とクッションで保温調理。2時間ぐらいたった頃に、もう一度火にかけて、30秒ぐらい煮立てて、ふたたびクッションに置いて、鍋帽子をかぶせて放置。これだけで、豆はやわらかくなった。2リットルの鍋いっぱいになった豆。これをぜんぶ甘く煮るには、砂糖はどれくらい使うのだろう。しかたがない、一部は料理に使うかな。でもなあ、塩味の煮豆は好きじゃないのよね。とくに和食の煮豆はダメ。昔、フランス人の料理上手の女性が、ライスやジャガイモの代わりに、塩で煮た白インゲンを出してくれたけれど、あれもちょっと味気ないし、胸につっかえるような感覚だったよな。などとブツブツ言っていたら、BFが「イタリア風の豆料理がいい。ニンニクとかスパイスいっぱいのやつ」チッ、何も知らないくせして、無責任な提案をするんだから。と思いながらも、ドイツのサイトで調べたら、一つだけ出てきた。ニンニク、エシャロットをオリーブ油で炒めてから、やわらかく戻したドライトマトと下茹でした白インゲンをローズマリー、タイム、オレガノなどのスパイスといっしょに軽く煮込む料理。といっても、副菜としてで、レシピではこの上に肉のローストがどかんと載る。わたしはエシャロットだけでなく、小口切りしたセロリ数本と人参数本もくわえて、レシピ通りにつくった。レシピの指示どおり、最後に辛いスパイス、「ハリッサ」(唐辛子などのスパイスのミックス、偶然、レバノン製のが手元にあった)、ミニトマト、レモンの皮もまぜて。塩味の煮豆は好きでなかったのに、いっしょに入れた野菜のおかげか、かなりおいしく食べることができた。あとでわかったけれど、このレシピを新聞(インターネットの新聞も含め)に書いたのは、知人の一人だった。定期的に新聞に「男の料理」みたいな感じでレシピを書いている、当市在住の弁護士。だから、作り方が簡単だったのね。今回は肉のローストははぶいて、いっしょに食べたのは、前日につくった大豆ミートのハンバーグやブロッコリの残り物。これで、下茹でした白インゲン豆の3分の1は処理できた。残りの豆には砂糖をドカンと入れて、保温調理をもう一度して、甘く煮た。この甘い豆、子ども時代と同じく、食べ出すと止まらない。危ない、アブナい。一部は冷凍して、残りの煮豆で、人生初の「練りきり」を作った。白インゲン豆の甘煮をバーミックスでくだいて、白あんを作ってから、白玉粉(に似た、こちらで売っている米粉)といっしょに、電子レンジで過熱するだけ。練りきりが出来たのはいいけれど、これで何を作るかはわからない。味見している内に、いつの間にか、全部消えてしまうかもしれない。練りきりって、ちょっとマジパンに似ている。これをクリスト・シュトレンに入れたら、どんな味になるのだろう。
2018/01/20
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腸内細菌のたいせつさを報じる番組を見た。ふだんの食事だけでは、増えない、または存在しない腸内細菌があって、それが腸内に存在するかしないかでは、健康にかなりの違いがあるのだそうだ。ただし、ネズミでの実験だったけどね。この望ましい腸内細菌がいないと、腸に穴があいたり、、(あとは忘れた)、、といろいろやっかいなことが起こるかもしれないと、その番組はおどしをかけてきた。父親が直腸癌で早死にしたこともあるし(わたしは歯槽膿漏といい、50肩といい、あまり望ましくない性格や外見といい、父親に似ているので、腸の癌にかかりやすい遺伝子も染色体上に連鎖してのっかっているかもしれない)、身近な友人が最近、腸に穴があいて、手術を何回もしなければならなかったという話も聞いていることだし、望ましい腸内細菌は増やすには越したことはないようだ。こういう望ましい腸内細菌を増やすのにとくに良い食物は、食物繊維で、とりわけ全粒粉やオートミール、つまり燕麦なんだそうな。全粒粉100%で焼いたパンは毎朝食べているけれど、燕麦はほとんど食べていない。たまに、思いついてオートミールのフレークやナッツやフルーツのミューズリーは食べるけれど、しばらくするとやめてしまう。それで、ふと思いついて、久しぶりにオートミールの粥、つまりはポリッジを食べることにした。毎朝、起きるとまず(寝間着のまま)、オートミール(燕麦)の細かいフレークを大さじたっぷり二杯、小鍋に入れて、牛乳を適当にそそぎ、弱火で1、2分煮てから、中火で煮立たせて、すぐに止めておく。その間にコーヒーを淹れ、ライ麦(全粒粉)サワー種とスペルト全粒粉ルヴァン種で焼いたパンをトーストして、チーズとトマトをのせて食べる(まだ寝間着のまま)。この二枚を食べ終わる頃には、オートミールが牛乳の水分を吸い込んで、お粥状になっている。これに友だちがつくった自家製ハチミツ(ものすごく香りが良い。ハチミツがこんなにおいしいとは思いもしなかった)を小さじ一杯混ぜて、食べる。オートミールなんて、昔はおいしいとは思わなかったけれど、今はこの一瞬が幸せ。BFの姉はオートミールを水で煮て、バターを混ぜて食べるんだとか。この方が正攻法らしいけれど、わたしはミルクで煮るのが好き。これまで、牛乳を買う習慣がなかったけれど、オートミールがきっかけでミルクを買うようになって、牛乳ってなにかと便利だなと思うようになった。オートミールのお粥で望ましい腸内細菌が増えてくれるのなら、喜ばしいことなのだけれど、オートミールには一つだけ難点がある。それはね、腸内細菌が活発になるためか、腸内にガスが大量に発生すること。昔、サツマイモを食べるとそうなると言われていたけれど、わたしはそうはならなかったのに、オートミールはすごい効力を出す。これは、望ましい腸内細菌が増えてくれている証拠と言えば、喜ばしいことなのだろうけれど。わたしだけでなく、誰もが経験する現象らしくて、テレビで学者だか誰だかが、「オートミールは健康のために絶対に食べるべきだ。ただし、そのあと体から噴出する香りがたいへんだけれど」とか言っていた。オートミールのおかげで、腸の働きも活発になったらしくて、いらないものがドンドン出て行ってくれる感じ。体重も減った。
2018/01/19
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1、3キロの牛肉の塊を買ってきた。一応、ビオ、つまりはエコ農業で育てられた牛の肉。脂がまったくない、煮込み用の肉。2リットルの水とローリエ、粒胡椒といしょに火にかけて、煮立ったら、弱火にして1分(たった1分)だけ煮て、火をとめた。すぐに厚いクッションの上に置いて、自作の鍋帽子をかぶせてそのまま放置。肉の存在すら忘れたころ(数時間後、いつでもかまわないの)、帽子をとって、前の作業をくりかえした。これを全部で3回したら、肉がすっかりやわらかくなった。火(つまり電気)を使った時間は、最初に沸騰させるまでの数分と、弱火で煮た1分、次からはふたたび沸騰させるまでに1分もかからないから(鍋帽子をかぶっていたので、まだ熱いまま)、全部合わせても、10分。こうやってゆっくりと、100度以下で肉を煮ると、煮汁、つまりはスープがものすごくおいしい。最後に上の鍋にセロリ、人参、丸のままのジャガイモを入れて、ふたたびふっとうさせ、たった1分だけ弱火で煮て、鍋帽子の下でお休みいただいた。そのまま放置した時間が長過ぎたのか、ジャガイモがこわれそうになるほど柔らかくなった。保温調理は水が多いほど、効果が大きい(これは当然よね。100度に近い温度が長い間たもたれるから)。だから、大きな塊肉の煮込みとかシチュー、あるいはジャガイモなどをゆでるなど、水分をたくさん使う調理に向いている。カボチャは30秒だけ煮立てて、そのまま保温しておけば、1時間もたたない内に柔らかくなった。20年以上前から日本の「はかせ鍋」も持っているのだけれど、わざわざこれを取り出してくるのが面倒で、あまり使わなくなってしまった。保温効果は同じなのだけれど。あるとき、おみかんさんのプログ「いつも食べることばかり」で鍋帽子のすばらしい効果を知って、作ってみる気になった。今、わたしが使っている鍋帽子は、とてもデカイ手製。まず、古いウールのロングスカートを三着、ミニスカートにした(この方が歩きやすい、ダンスをしやすい)。この作業で切り取った布(この内の2枚はフェルトなので、保温には最適)をはいで、鍋帽子の表布にした。裏布は古い木綿のシーツ、表と裏の間には古い厚手のセーターを詰めた(綿の代わり)。こうして出来上がった、分厚くてドデカイ帽子をキッチンの壁にかけておいて、いつでもさっと使えるように待機させる。この帽子は、両手鍋なら、大小どんな鍋にもかぶせられる。片手鍋も小さな鍋ならかぶせられる。鍋を厚いクッションの上に置いて、この帽子をかぶせるだけなので、なんの心構えも準備もいらない。だから、なにかを煮たり茹でたりするときに、さっと使う気になる。ここが、保温調理専用の鍋を使うのとちがうところ。それにしても、鍋帽子の効果がこんなに高いとは、思わなかった。それに、角煮やビーフシチュー、塊肉の煮込みは、ふつうに調理するよりも、保温調理の方がずっと失敗が少ないと思う。
2018/01/09
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恒例のようになった、アフタークリスマスディナーを「開催」した。お客は、BFの姉、彼女の息子と娘、BFの妹(といっても、一時間違いの)、BFの長女と次男。つまりは、すべてBFの家族。彼の家族のために、一日半もかかって料理をするのは、マゾヒスティックかもしれないけれど、喜んでぱくぱく食べてくれるのを見ると、またやろう、と思ってしまう。今回のメインは、BFたち兄姉妹の生まれ故郷の料理、ケーニッヒスベルガークロプセ(ヴィキペディアではキングスベルガーとなっているらしい、ケーニッヒの英語がキングだから)。つまりは牛肉のひき肉団子をスープストックで煮てから、スープストックと生クリームでつくったケッパー入りのソースをかけ、ゆでたジャガイモを「主食」に食べる料理。付け合せは、紫キャベツの赤ワイン煮とバターでゆでた野菜。ケーニッヒベルクは現在のロシアの飛び地、カリーニングラード。戦前はドイツ領だった地域で、彼らは戦争末に、何年もかかる逃避行をして、命からがらドイツ本国に逃げきた(大量の人が途中で死んだ)。つまりは難民生活をしたということで、その体験談を聞くたびに、かれらのお母さんとおばさんの勇気と知恵、そして運の良さに感心する。こういう死ぬような体験をした人は強い。そしてとても、ほがらかで楽観的。まあ遺伝かもね。ということで、ケーニッヒスベルガーは作るのが簡単(作り方はこのブログの中にあります)なので、楽なのだけれど、問題は前菜。BFの姉が春巻きが好きで、毎回、食事に呼ぶたびに、これを期待される。でもね、毎回じゃあ、ノウがない。それで迷いに迷って、今回は揚げ餃子にすることにした。焼き餃子じゃあだめなのよ。パリパリした皮が好きらしいから。中身は、この姉がクリスマスイヴの食事につかった残りのキノコ類と大量のニンニク、これにエビとチーズをプラスした。ここまでは簡単。餃子の皮を買いに、遠くのアジアショップまで行く時間がない(24日は日曜日、25日と26日は、ドイツはクリスマスの祭日だっただから、店舗は3日間つづけてすべて閉店)。しかたがない、皮は手作りにした。これは意外に簡単だった。300gの小麦粉と150gの水をこねて、うすくのばすと30枚の皮になった。でも、わたしは餃子が包めない。あのひだ入れができない。中身をおいた皮を二つ折りにして、中央と両端をくっつけてから、その間を指でたたみながら、くっつけると、理論ではわかっていても、そううまく行くもんじゃないの。だから、できあがった餃子もどきは、とても不格好。しかも、揚げるまで(お客が着いてから揚げた、さめないように)に時間があったので、なんとなんと餃子の底が下のベイキングシートの紙にくっついて、一部穴があいた!!!前菜はほかに、マーシュのサラダ、スモークサーモンのムース(生のようなサーモンのたたき、エシャロット、キュウリ、サワークリーム、ディルをミキサーで合わせて、ゼラチンで固めた)とアヴォカドのムース。で、はたと気がついた。サーモンとアヴォカドのムースには、やっぱりパンがいるんではないか。一切れぐらいは必要。ということで、添えるためのバゲットも焼いた。前回に書いた無水鍋に入れて、オーヴンでしばらく焼いてから、蓋をとって、さらに焼いた。今回もやっぱり焼き上がりは軽く、クラムはフワフワになり、クラストは薄かった。ま、食べやすいけれど、味はオーヴンだけで、鍋なしで焼いた方がいい。それとも、今回はイーストだけで生地をおこし、ルアン(スペルト麦粉で起こしたサワー種)を使わなかったから、味がないのかな。香りもなかった。こんなことで、料理の準備に時間がかかった。デザートは定番のフルーツサラダのほかに、パンナコッタとフランボワーズムースを重ねたケーキ。牛乳と生クリームで前日にパンナコッタをつくり、当日はフランボワーズ(つまりはラズベリーね)をさっと煮て、ゼラチンをとかしいれて冷ましてから、泡立てた生クリームと合わせたムースをパンナコッタの上に重ね、さらにその上にフランボワーズのゼリーを薄く塗ったもの。生クリーム500mlと500gのラズベリーを使ったムースはすごいボリュームになった。揚げ餃子は一部はパンクしたものの、完売した。一つ一つがかなり大きめだったのにもかかわらず、BFの姉は4つも食べた(わたしは2個でせいいっぱい)。メインのケーニッヒスベルガーも肉、1、4kg分の大きめ肉団子(全部で25個)もジャガイモもほぼ完売。こうやって、お客がパクパク食べてくれるのを見るのは、気分がいい。だから、こりずにまた、ディナー招待をしたくなるのよね。餃子はどうやったら、うまく包めるようになるのかな。やっぱり春巻きにしとくかな。これなら誰でも包めるもんね。
2017/12/28
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いやいや、自分のブログがあるのも忘れてしまったほど、長く書かなかった。ことさら書くようなことも起こらなかった。何を血迷ったか、とつぜん、日本から無水鍋(広島アルミの元祖無水鍋)の最新版を取り寄せた。取り寄せは簡単かと思ったら、そうでもなかった。まず、高額の送料(7000円以上!)がかかった。古いタイプの鍋なら一つ買えてしまうほどの価格だ。注文してから1週間以上が過ぎて、やっと現物がフランクフルト空港に到着したらしいとわかったけれど、税関から「価格を証明するものと現金をもって、取りに来い」という手紙がきた。税関に行くと、小包を目の前で開けるようにと言われ、現物を見せなければならなかった。商品を一目見て、職員が発した言葉「これはアルミ製ですな」で、いささかビビった。ヨーロッパではアルミの鍋は健康に悪いと懸念されているので、もしかして禁止かもしれなかったから。隣の窓口で小包を受け取りに来た人は、中身が禁止品だったらしく、受け取りができないと言われていたから、もしかしてワタシも?と思った。でも、税関のおじさんは、長い時間かけて計算書をパソコンに打ち込んでプリントアウトしたあと、「消費税と関税を支払い窓口で払って」と言って、小包をくれた。こうして、こちらの消費税(19パーセント)と関税、合わせて5000円以上を払い、やっと現物を受け取ることができた。日本の通販元に払った商品価格にも消費税がかかっていたから、これでは二重払いではないか。というわけで、やっと手にした無水鍋。IHでも使えるタイプと聞いて、買ったのだけれど、いざとなったら、やはりアルミ製の鍋で煮炊きするのは、ちょっと迷いがある。それで、同時進行でやはり日本から取り寄せた「無水鍋で焼くパン」という本を参考にして。パンを焼くことにした。パンなら、生地が鍋にじかにあたるわけではないので、まあアルミでも気にならない。まず、カンパーニュを焼いてみた。わたしはガスコンロは持ち合わせてなく(というか、ガスは地下の暖房用ボイラーに配管されているだけで、地上階には配管されていない)、IHか電熱コンロで使うのだけれど、火力をどれほどにしてよいかわからない。最初に焼いたパンは、ふっくら盛り上がったけれど、まったく色づかなくて、最後はオーブンのグリル機能で色づけをしなければならなかった。味はまあまあ。クラストが薄いのが気になるかな。次に焼いたときには、生地にクルミやレーズンを入れて、前回よりも強火にしたら、ちゃんと色づいた。クラストが薄いのは同じ。今度は、予熱した無水鍋に生地を入れて、予熱したオーブンで焼く方法をためしてみた。オー、わたしが焼いたとは思えないほど、ぱっくりとクーブが開いたぞ。もっと驚いたのは、焼き上がりのパンの軽さ。これまでバゲットでも、どうしても実現できなかった軽さ。これはすごい。次にはミニバゲットを無水鍋に入れてオーブンで焼いてみようかしら。無水鍋で焼くパン(オーブンに入れないで、コンロで鍋だけで焼いた場合も)のもう一つの特徴は、クラムがものすごくフンワリして、翌日になってもフンワリが消えないこと。おもしろいので、今度は先のレシピ本にあった黒ごまパンなるものを焼いてみた。生地に少々のオリーブを入れ、ちぎりパンのように小さく丸めた小麦粉の生地をお互いにくっつくように円形に並べて焼いたパン。今回はオーブンは使わずに、電熱ヒーターだけで、強火で焼いたら、ちゃーんと色づいた。今回もフワンフワン。かるーく焼けた。でもね、考えてみたら、フワンフワンのパンが好きなドイツ人はいないし、わたしも実は好きではなくなってしまったんだった(忘れてた)。ただ軽くてやわらかいだけのパンて、味気がない。しょうがないから、ショウガ入りのカボチャのスープといっしょに昼飯に食べた。でも、まだ残ってる。無水鍋のパンがフワンフワンになるのを利用して、アンパンとかパネトーネなんかを作ったら、おいしいかもしれない。それとも、バターを生地に入れたら、パンが冷めたあとには、やっぱり固くなるのかなあ。誰か教えてくれないかな。パンが焼けたのは良いけれど、このパンを焼いたあとの無水鍋の内側の状態を見て、唖然とした。鍋全体に黒っぽいシミがついてしまった。何かを入れて焼いたりしたわけではなくて、蒸し板を鍋底に敷いて、その上にベイキングペーパーも敷いて、そこに生地を焼いただけなのに、鍋の底も壁面も、べったり焦げ茶色〜黒になったのはなぜなの?前回と前々回、パンを焼いたときにはちっともそうならなかったのに。知らない間に食物の粒子が内側にへばりついて、それが高温で熱されて、いわば炭素のこげになったのか。これを落とすために、まずは日本のクレンザーに似たような洗剤を買いにでかけ、スチールたわしでこすること、一時間。それでも、鍋は元のようにはきれいにはならなかった。パンを焼くよりも、洗う方に時間がかかるなんて。これは良い買物をしたと言えるのだろうか。しばらく、パン遊びをするのは面白いけれど。アルミといえば、振り返ってみれば、子ども時代はアルミやアルマイトの鍋や釜で炊いた食物をずっと食べていたんだ。ずっと使っている日本製の電気釜の内釜もアルミ製のようだから、無意識とはいえ、いまだにアルミ製鍋を使っているわけだ。もう歳だし、先は長くないのだから、鍋とか、健康とか、どうでもよいのかな。
2017/12/24
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十年近く前から、毎週、継ぎ続け、毎週焼き続けているライ麦サワー種。混ぜるたびに、「ぬかみそに香りがそっくりだよな」と思っていた。ぬかみそについて読んでみたら、やっぱり案の定、ライ麦サワー種で働いている菌も、ぬかみそで活躍する菌も、乳酸菌なんだな。そんなら、ライ麦サワー種でも漬け物ができるはず。米ぬかはこちらでは手に入らないので、ライ麦サワーでできるのなら、うれしい。それで、物は試し、ライ麦サワーの元種を大さじ3杯分ぐらい取り出して、いつも継ぐときのように、ライ麦(全粒のあらびき)と水を足して、混ぜて一晩おいた。塩をまずは入れなかったので、発酵が急速に進んで、もう乳酸菌の香りがいっぱい。これに塩をどっと入れて(入れすぎた)、ためしにキュウリとダイコンのしっぽを入れておいた。日中、30℃という暑さのせいで、半日でキュウリはまるで古漬けのようにつかった。しょっぱーい。明らかに塩の入れ過ぎ。水で塩抜きをしたら、ちゃんと漬け物として食べられた。糠どこには、ライ麦全粒のあらびきを足して、塩は足さず、またまたキュウリを入れて、今回は冷蔵庫に一晩。言われなかったら、違いがわからないほど、ぬかみそ漬けにそっくりな漬け物ができた。サワー種がすでに「育っていた」(発酵していた)おかげで、すぐに漬けることができたのがラッキー。でもねえ、漬け物がを毎日食べるほどは、米を食べないので、糠どこの保存がむずかしそう。
2017/08/27
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またプルーンの季節になった。プルーンを使った、ドイツの典型的なケーキは、菓子パン生地にのせて焼くシンプルなもの。プルーンのケーキは実はあんまり好きじゃない。BFがケーキを期待して買ってきたので、しかたなく焼くことにした。菓子パン生地は、牛乳の代わりに生クリームを使う(ほかに卵、バター、砂糖など)。こうすると、気のせいか、生地がふんわりするし、味もリッチになる。生地が厚いと、残す人がいるもんで、できるだけ薄くしたら、生地が余った。よし、これでButterkuchen(つまりバターケーキ)をつくってみよう。余生地をひらべったく延ばして、バターの小片をのせて、砂糖を振りかけて、プルーンのケーキの上段に入れて、いっしょに焼いただけ。アーモンドスライスをのせれば、もっといいけど、冷凍庫を探すのがメンドクサイので、なし。15分焼いて、バターケーキだけ取り出した。生地がきつね色になって、おいしそう。まだ11時で、さっき朝食たべたばかりだけど、食べちゃおう。ウー、フンワリして、生地のリッチさがつたわって、砂糖だけのケーキなのに、おいしい。アーモンドをのせたら、もっとウマかっただろうな。今日は昼食抜きにしよう。プルーンのケーキは、180℃で45分焼いた。プルーンから汁が出ると、生地がビショビショになるので、パン生地の上にパン粉やビスキュイのくだいたものをしき、ならべたプルーンには砂糖はまぶさなかった。そうすれば、いくらかビショビショはふせげる。砂糖は、焼き上がって、冷めてから振り、それでもたぶん酸っぱいので、ホイップクリームをかけて食べる方がおいしい。でも、あんまり好きじゃないので、出来上がったのを見ても、「お先に一口、試食」という気にならない。次は、この菓子パンの生地でアンパンとバターケーキを焼くことにしよう。
2017/07/25
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とつぜん、無性に白玉が食べたくなった。小さいとき、母がときどき作ってくれた白玉。料理がまったくできない祖母でもできた白玉。餡と混ぜたり、あんみつに入れるのも悪くないけれど、なつかしいのは、砂糖をかけただけの白玉。当地では、日本製の白玉粉は手に入らない。でも、Klebreismehl(粘りのある米の粉)という水磨(次にくる漢字は読めず、米へんに需)米と書かれた中国製の粉が代用できる。この粉で大福も作れる。この粉と水を適当に混ぜて、耳たぶぐらいの固さにして、団子状にまるめて、熱湯に落として、浮き上がってきたら、水で冷やして、もうできあがり。本当に5分でできる。デザートのフルーツサラダに混ぜて食べてみたけれど、なんだか物足りなくて、モラセスをかけたら、黒蜜のような味と香り。これはこれでおいしいけれど、やっぱり砂糖をかけただけの白玉がおいしく感じる。こういう質感と大きく関係した食物は、子どものころから親しんでいないとおいしいとは感じないみたいだ。ドイツ人にこのおいしさをわからせるのはむずかしい。みつ豆に入った味もそっけもない寒天も同じ。それでも、ときどきこういう、かれらにとってはストレンジな食材を最初からおいしいと感じる人もいるからふしぎ。今日、なべに残った白玉に砂糖をかけて、立ったままつまみ食いした。すっごくおいしかった。20年近く前に逝った母を思い出す。
2017/05/09
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どこかのプログ(日本の)に「トマトにはかならずアルペンザルツをかける」と書かれていた。こう読むと、なにかとくべつ高級のお塩のような印象を受ける。でも写真を見たら、あら、これはこちらのどこのスーパーでも売っている、ごくふつうの食塩ではないですか。昔は、わたしも買っていた、というか選んで買ったのではなくて、単に一番よく見かける塩で、一番安かったから。ヨードとフッ素入りのアルペンザルツ(これは日本では売っていないみたい)。アルペンザルツは筒型の容器が便利なので、今も容器だけは使って、中にはいくらかグレードアップして、ビオの海塩で、塩をサラサラにする素材無添加というのをもっぱら使っている。日本ではアルペンザルツは高級とみなされているのなら、たぶん高いはず、と思って、ネットショップで見たら、あらあら驚いた。500g入りで700円以上だって!!こちらのスーパーでは、日本円に換算して130円くらいで売っている。すごいわねえ。5倍以上のお値段。まあ、当然といえば当然。日本製の醤油やなんとか味噌(日本のスーパーでごくごくフツーに見かける大衆用の商品)も、こちらで買えば、日本よりはずっと高くなるのだから。輸入の手間、関税、運賃などなどが加算されるのと、希少価値のものは高くなるのは当たり前といえばそうだけれど。けれども、もしかしたら、お値段が高いからこそ、高級感がかもしだされて、喜ばれ、選ばれ、売れる、という面もあるのかもしれない。もし、アルペンザルツが日本の塩と同じような値段だったら、「これって特別の塩なのよ」という気持ちもなくなるだろうしな。もしかして、アルペンザルツっていう名前が高級に感じるのかな。アルペンっていったって、アルプス産というわけじゃなくて、単に岩塩だというだ。わたしは岩塩の塩よりも、海の塩の方がミネラルが多いということで、こちらを使うようになった(ホントかどうか知らないまま)。これも思い込みかな。なんて、くだらないことを考えて、仕事から気持ちがそれた。うー、たかが塩のことで、なんで考えたりするんだろ。化粧品にも同じことが言えるかもしれない。理由なくお値段が高いだけで、たとえ成分は似たようものでも、高級感が出て、そのおかげで売れるということはありそう。わたしも昔は一時期、そういう化粧品を買っていた。900円の化粧クリームと9000円のをくらべたら、9000円の方がアンチエージングに効きそうに感じてしまうから不思議だ。ある知人のシルバーレディーが、ながいことS生堂のど高い高級化粧クリームをずっと使っていた。S生堂の化粧品はドイツではお高いけれど、この高級クリームはさらにど高い。あるとき、彼女は決心した。「鏡をみたら、もうしわだらけ。これらのしわは今さらのばせるわけでもない。高いクリームを使っても、使わなくても同じみたい。やーめた!」やめてふつうのクリームにしても、しわが増えたわけではないようだ。高級化粧品や高級食材を使うのは、効果や味が問題なのではなくて、おしゃれな気分を楽しむものなのかもしれない。わたしには、アルペンザルツの味も、いま使っているエコ商品も、味のちがいはわからない。ただ、ものすごく安いフランスの塩(なんと500gで40円)だけは、混ぜ物で薄めているのがわかった。いくら入れても、ちっとも塩辛くならないから。こういう商品はやっぱり使いたくないな。
2017/05/05
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Obsttorte posted by (C)solar08最近、久しぶりにテネリフェ島に一週間ほど行ってきた。スペイン領、カナリア諸島の大きな島。数年前にはたびたび出かけたけれど、この6年間は行っていなかった。そういえば、歳のせいか、前のように南アメリカとか東南アジアなど、遠いところに出かけることも、ほとんどなくなってしまった。10時間以上の飛行時間をかけてまで、異国に行かなのが面倒になった。カナリア諸島は日本人にとってのハワイみたいな感覚で、4時間ぐらいで行かれるところが便利。テネリフェ島もドイツ人でいっぱい。住み着いているドイツ人も多いので、ドイツ人が経営するレストランやパン屋もたくさんある。海の見えるドイツカフェには、ドイツっぽいパンやケーキがずらりと並んでいる。旅の連れは、そこでゼリーで固めたフルーツがのっているケーキを食べて、「おいしい、おいしい」と言っていた。ケーキにあまり興味(食欲)がなかったワタシはそれを横目で見るだけにしておいた。一番底に薄いタルト生地、その上にビスクィ生地、その上にカスタードクリーム、一番上にゼリーで固めた色々なフルーツがのっていた。ドイツのインターネットでそれらしいケーキを探したら、一つだけ「スエーデン風フルーツトルテ」というのが出ていた。テネリファのとかなり似ているので、作ってみた。このレシピは一番下のタルト生地はなし。そうよね、いらないわね。せっかく焼いたタルト生地を残す人も近くにいるし。それで、一番下はスポンジ生地。そらママ。ロールの生地のレシピで焼いた。その上のカスタードクリームは、ヴァニラプディング用の粉(こちらで大昔から売られ、現在も家庭でプディングを作るときに使われている、発色剤とヴァニラとスターチのミックス)と生クリームでつくった(牛乳でつくるよりおいしい)。その上にイチゴ、パイナップル、キウイ、缶詰のミカンを何層も重ねてゼリーで固めた。季節外れの、味も香りもないスペイン製イチゴを買うのはシャクだったけれど、見栄えのために。16才のドイツ少年二人にホールで出したら、一人は2切れ、もう一人は3切れも食べた。ちなみにこのケーキの直径は26センチ、高さは9センチぐらい。これを八等分したのだから、一個は相当な大きさ。二人とも背の高さは183センチぐらいだけれど、ヒョロヒョロ。食べても食べても太らない時代ってあるんだな。
2017/03/23
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そば粉入り、ルヴァンで焼いたカンパーニュ posted by (C)solar08ホップ種をやめていらい、バゲットやカンパーニュはスペルト麦粉と水から起こしたルヴァンで焼いている。日本ではライ麦と水で起こした種はサワー種、小麦粉と水から起こした種はルヴァン(フランス語起源の名称)と区別して呼んでいるけれど、どちらもつまりはサワー種(ザウアータイク)。サワー種(ルヴァン)の良さは、継ぐのが簡単なこと。前回の種に粉と水をほぼ同量足して、よく混ぜて、一晩置いておくだけで、新しいサワー種ができる。こうしてできた新しい種の一部だけを取り分けて、新しい粉をいくらか足してそぼろ状にしてジャムの空き瓶などに入れて、冷蔵庫で保存すれば、二週間はもつ。この継ぎ方はライ麦サワー種でも、スペルト麦のルヴァンでも同じ。残り(つまり大半の種)の種に、粉や水などパンの材料を入れて、こねて、成形して、数時間二次発酵してから焼く。これがいつも焼いている、全粒粉70%のドイツパン。バゲットや上の写真のようなカンパーニュは別の方法をとっている。前回に継いだルヴァン(つまり空き瓶に入れて冷蔵庫で保存した種)の一部を人肌温度の水で溶いて、これを生地への加水に使って、他の材料といっしょにこねる。水に溶くのがかなり面倒。こうしてこねた生地を室温と冷蔵庫で、一晩一次発酵させて、翌日に成形、二次発酵して焼く。今回はスペルト麦粉や小麦粉に、10%ほどそば粉、10%ライ麦粒の粗挽きも足して焼いてみた。そば粉を入れると香りがとてもよいので大好きになった。今回はわたしとしてはかなりクープが開いた。被せ焼きしたわけでもないのに、開いたのは、クープを思い切って深く入れたからかもしれない。
2017/03/10
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今、ケアスティン・ヘンゼル(Kerstin Hensel)というドイツ人女性作家の「いつわりのウサギ」(Falscher Hase)という本を読んでいる。東西ドイツがわかれていた時代に、歯科医の女性助手に一目惚れした主人公が、片思いのまま、この女性が住む東ベルリンへと、西ベルリンからわざわざ入って、東ベルリンで兵士から警察官になり、定年を迎えるという、かなり暗いけれど、どこか笑ってしまう話。話の面白さもそうだけれど、なにしろ文章がとても文学的な作家。とても気に入ってしまった。日本語版に訳したいほどだけど、これは日本じゃ売れないかなあ。この小説のタイトルである「いつわりのウサギ」は話の中でとてもひんぱんに登場する。BFはドイツ人のくせに、いつわりのウサギが何なのか、これまで知らなかった。いつわりのウサギとは、日本語というか英語でいうミートローフのことだ。おかしなことに、わたしのブラウザーで日本語でミートローフと書いてグーグルすると、日本語のサイトがたくさん出てくるだけでなく、ブラウザー画面の右側にちゃんとドイツ語でFalscher Haseと出てくる。勝手に訳してくれるんだな。この小説の主人公の母親は、家族のためにしょっちゅう、いつわりのウサギを作る。戦争中は食糧難だったために、肉がなく、肉の代わりに雑穀や野菜を細かく切って、「二重のいつわsり」のウサギを作ったりもする。小説に感化されて、昨日は何十年かぶりにミートローフを作った(日本にいたときには作ったけれど、ドイツにきてから作ったことなし)。牛肉のミンチ500gにグリーンピースや自家製パンのパン粉、いためた粗くおろした人参と刻みタマネギを入れて、真ん中にはゆで卵も入れて、オーヴンで焼いた。このいつわりのウサギは、ハンバーグステーキよりもおいしかった。汁が流れ出ないのでジューシーなためだろうか、何より味がメチャクチャにおいしかった。スーパーの安い牛肉ミンチだったのに、不思議。BFはミートローフを食べるのは長い人生ではじめてだったらしい。安くておいしい、いつわりのウサギ、これからはしょっちゅう食卓にのぼりそう。
2017/01/30
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先日、こちらのテレビで、腸内細菌をテーマに「識者」たちが語り合っていた。腸内細菌の効力を得るために、他人の腸の内容物を摂取する療法もあるんだそうな。ギョッ。会談の中で、その道の専門家(ドイツ人女性)が「日本を訪問して、日本では様々な発酵食品が食べられていることに驚いた」と言っていた。そういえば、ここ1年ぐらい、納豆を食べてないな。納豆はアジア食品店で日本からの輸入品(冷凍)を売っているけれど、ミニミニパックの納豆が200円近くもするので、あまり買う気になれない。以前、BFがドイツの雑誌で「NATTO」のことを読んで、「ナットウが健康に良いって書いてある、食べよう」ととつぜん言い出したことがあって、「何をいまさら、そんなことわかりきってるじゃん」と回答しつつ、そのときは一応、冷凍物を買ってきて食べさせた。前にも納豆を自分で作ったことがある。大豆をゆでて、市販の納豆と混ぜておくだけで、できた。ただ、そのときは大豆の茹で方に欠陥があったのと、どうやら発酵させすぎて苦くなってしまったので、「苦い思い出」ばかりが残っていて、その後作る気にならなかった。シイラさんのプログによく、ダイコンおろしや納豆をのせたおそばが出ていて、いつもうらやましく眺めていた。ちょうどビオのダイコンもあることだし、久しぶりにつくってみることにした。大豆はビオ(エコ)食品のスーパーにしか売っていない。豆腐がこれだけ普及している今でも、大豆は日本ほどには食べられていないのがわかる。大豆を一晩、水に浸してから、圧力鍋で30分ぐらい茹でたら、ちょうど良い柔らかさに煮上がった。熱い大豆に冷凍納豆のミニパック一個分を混ぜて、オーブンに入れた。暖かい温度を保つために、熱湯を入れた大きめの茶碗もオーブンに入れ(これはパンを早く発酵させるときに、良く使う方法、いつもうまくいく)、茶碗の湯がさめるたびに、熱湯ととりかえた。あるレシピに、八時間発酵させると書いてあったので、試してみた。八時間というのは正解みたい。大豆はまだそれほど糸を引きはしないけれど、ネバネバしているので、納豆菌が増えているのは確か。発酵させすぎて苦くしないために、暖かい環境での発酵はこれで止めて、密閉容器に一食分づつわけた。すぐに食べない分は、数時間、冷蔵庫で寝かしてから、冷凍した。これでいつでも納豆が食べられる。シイラさんプログの写真に見習って、おそばに納豆、大根おろし、ワカメ、温泉卵(のようなもの)、ネギをのせ、蕎麦つゆ(濃さはもりとかけの中間)をかけて食べた。ああ、幸せ。納豆おろしワカメ温泉卵そば posted by (C)solar08冷凍した納豆は、食べる数時間前に室温で解凍して、たびたびグルグルかき混ぜたら、どんどんネバが出て、市販のよりもおいしい納豆になった。今回はぜんぜん苦くない。あの苦さはやっぱり発酵させすぎた結果だったらしい(本当かどうかはわからないけど)。実はわたしは大豆が好きなわけではない。大豆の煮豆もチリコンカーンも、きな粉もわざわざ食べたいとは思わない。豆腐だってきらいじゃないけど、好きかと聞かれたら、答えにつまりそう。でも、納豆作りで余った茹で大豆をカレー味の煮込みにしたら、それなりにおいしかったのにはちょっと驚いた。納豆づくりがきっかけで、大豆をちょっと見直した。
2016/11/29
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最近、x回目の誕生日を迎えた。父が逝った年齢についに達してしまった。誕生日というのは、「また歳とった」となげく日なのか、「とにもかくにも、ここまで生きてこられたことに感謝」すべき日なのか。この歳になると、やっぱり後者だろう。もう、いつ死んでもいい、という気分にもなる。親に「わたしを生んで育ててくれて、ありがとう」と感謝すべき日なのだ、という人もあるが、育ててくれたことに感謝はしても、生んでくれたことをありがたく思うことは、正直いってあんまりない。子どものときから、「生まれて来たというのは、死にいたる電車に無理矢理のせられたようなものだ、終点には死だけが待っている」という意識につきまとわれているから。死そのものは怖くはないけれど、死にいたる過程を自分で選べないところが、怖い。途中下車することはできても、どこの駅も死でしかない。とはいえ、自分がアフリカでもなく、シリアでもなく、コロンビアやハイチでもない、恵まれた国に生まれ、しかも、第二次大戦と(おそらく起こるであろう次の)大戦やカタストロフの間に生きることができ、苦労もせずにノホホンと生きてこられたのは、ひたすら親のおかげだ。やっぱり親に感謝すべきだけれど、もう遅い。親にはもらうばかりだった。でも、親というのは子どもから何かをもらいたいとか、何かをしてもらいたいなどとは思わないのではないかしら。少なくともわたしは、自分の子どもからプレゼントをもらいたいとか、何かをして欲しいと思ったことは一度もない。娘の夫に窓ふきとバスタブ掃除をしてもらったことがあるけれど(恥)。とにもかくにも誕生日。ドイツでは誕生日はクリスマスと並んで、一年で一番たいせつな日。ただし、周囲に祝ってもらうというより、誕生日を迎える人自身が家族や友だちを招待するのが普通。幼稚園や職場などでも、誕生日を迎える子どもの親、誕生日を迎える人自身がその日にはケーキを焼いてもっていって、クラスの子どもたちや同僚に振る舞うことがある。もちろん、周囲の人がロウソクのともったケーキを用意して、本人を驚かせることもあるにはあるけれど。一般的には誕生日を本人が祝い、身近な周囲を招待することが期待されている節がある。そういう期待から逃れるために、旅行してしまった年もたびたびある。でも、今回は去年と同様に、身近な人を夕食に招待した。それでも、スペースの関係で、客の数を7人にしぼった。10年ぐらい前までは、立食式にして、20人以上は招待して、寝室を除く家のすべてを開放して、お客たちがどこでも食べられるようにしたこともあるけれど、こうすると、お客の知っている人どうしがかたまってしまって、スモールトークがかわされ、深い会話になることがなくて、なにか薄っぺらい感じがしないでもない。そもそも、こういうイベントを開催する気力や体力はないわ。お客(娘の義父母さん、悪友良友、BFの姉)はすべてドイツ人。今回は、彼らがふだん食べる機会がないものにした。例年はラムとかノロジカのローストをメインにするのだけれど。今回は中華と和食が中心。前菜は、BF姉(いつもおいしいワインやシャンペンをたくさん寄付してくれ、自分でもたっぷり飲む)のたっての要望で、エビ入り春巻き(これが一番手間がかかる)。メインはイベリコ豚のロースト、シーフード八宝菜、筑前煮、五目寿司、トマトのマリネ。デザートはパンナコッタとフルーツサラダ。筑前煮にはコンニャクや蓮根、五目寿司には金針菜(ハスの花の乾燥)など、ドイツ人が知らない食材をいくつかのアジアショップで買い集めてきた。コンニャクが買えるのはありがたい。トマトのマリネには、紫蘇の花穂を添えた。どの料理も、日本人にとっては日常的に食べる、ごくふつうのものなのだけれど、ドイツ人にとってはエキゾチックで特別なご馳走だったようで、大いに感激された。コンニャクとかハスは、味よりもどちらかというと質感を味わう食材なところも、彼らにとっては興味い体験だったようだ。わたしが個人的に気に入ったのは、イベリコ豚のロースト。値段が高いのが難だけれど、今回は思い切って、霜降り肩肉のブロックを1・6キロ買った。レシピは、AEGの日本のサイトで見つけたもの。AEGのコンベクションオーブンの宣伝と関連したレシピだろう。赤ワインでマリネしてから、焼き、焼き上がった肉に、ネギ・ショウガ・ニンニクを混ぜた、バルサミコ酢たっぷりのソースをかけてサービスする。酢の量の多さにぎょっとしたけれど、イベリコ豚の脂身のこってりを中和してくれて、酸っぱさも感じない。2時間近くかかって、じっくり焼き上げたイベリコ豚は、柔らかくてジューシーでとてもおいしかった。脂身が多い霜降り肉だったので、お客たちがいやがるのではないか(周囲のドイツ人たちはみんな、ハムやロース肉から脂の部分をいちいち取り除いて食べるほど、脂身をいやがる)と心配したけれど、イベリコ豚の脂身のうまさに誘惑されて、みんな食べていた。アハハ、脂の多さに気がつかなかったらしい。このレシピはAEGのよ、と言ったら、みんな驚いていた。「なんで、電気機器企業のサイトにレシピが載っているの?」と。AEG(ドイツの電気機器企業)が日本でイベリコ(つまりはスペインの)豚のレシピを出して、それをドイツにいる日本人が作って、それをドイツ人が食べているという巡り合わせが面白い。アルコールが飲めない人(元アルコール中毒で今はクリーンな人、運転をしなければならない人、元々飲めないわたし)のために、パッションフルーツジュース+紫蘇シロップ+水+レモンとライムの絞り汁を材料にしたノンアルコールカクテルを作った。これが意外においしかった。昨日、サルサダンスのレッスンに行ったら、先生(とても教えるのが上手な、すてきな若い女性)がぐぐっと近寄ってきて、いきなり私を抱きしめて、耳元で「おめでとう」とささやいたので、びっくりした。ダンス学校は、生徒たちの誕生日をいちいちチェックして、コンピュータのデータに入れて、毎回、教師が気がつけるようにしているようだ。銀行やデパートからも誕生日カードが届く。ドイツって、ほんとに誕生日が大切なんだな。でも、日本からも、息子が電話をくれ、弟からは、毎年おもしろい近況報告メールが届く。彼とはお互いの誕生日と正月だけ、メール交換をしている。こういう程度の付き合いがちょうど良いのかもしれない。
2016/10/12
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スペルト麦ルヴァン種のバゲット posted by (C)solar08前回のサワー種バゲットが改良の余地ありありだったのと、サワー種から発展させたスペルト麦粉(日本でもドイツ語名のディンケルという言葉を使っている場合もあるみたい)のルヴァン種で、再度バゲットをつくってみた。あまり固くならないように、今回は全粒粉はほとんどやめてミネラル分がやや少なめのスペルト麦粉。それでも、クラストがとても厚く、カリッとなって、わたしのか弱い歯がこわれるかと心配になった。わずかなドライイーストを添加すれば、柔らかめになるんだろうけれど、変な意地がこれを許さない。ま、私一人が食べるんだから、いいの。パンへの添加と言えば、またしてもテレビでパンのさまざまな面を紹介する番組を見た。それによると、パン職人が焼く個人のパン屋にしろスーパーにしろ、ディスカウントショップにしろ、市販のパンの90%には、さまざまな添加物が含まれているんだって。そもそも、製粉所で売られている粉自体に、添加物が盛り込まれているそうだ。保存材、乳化剤、エンザイム(酵素)、、、、、パンテクノロジー研究によって、クラストをカリッとさせる添加物、見た目をブラウンにしておいしそうに見せる添加物、クラムをもっちり、ふんわりさせる添加物、日持ちを良くする、、、などがどんどん開発されている。だから、スーパーのすっごく安いパンも、それなりにおいしいし、見た目も「本物」なわけ。そして酵素、アミラーゼの「おかげで」、パンは何週間も腐らないんだって。添加用のアミラーゼ(わたしたちの唾液にも含まれている)は遺伝子操作から作られた生物から採られるとか、、、、。出来上がったパンにはアミラーゼの痕跡は残らないので、これが使われたかどうかは検査できないのだそう。だから酵素を使用したことの表示義務はないのだそう。ま、年寄りのわたしにはどうでもいいことだけれど、いろんな化学物質を添加したパンの方が見た目もかっこ良くておいしかったりしたら、がっかりするわね。わたしはライン川ほとりの製粉所から粉を買っているけれど、この粉には添加物がゼロなのか、今度確認しなければ。アンティパスティミスティのようなもの posted by (C)solar08冷蔵庫にあったズッキーニ、パプリカ、シャンピニオンと冷凍の殻つきエビにオリーブオイルと塩こしょうをふりかけて、オーヴンで焼いた。せっかくのエビなのに、なんだか味が物足りない。それで、ちょうど残っていたクリームチーズと自家製ドレッシング(タマネギ、マスタード大量、オリーブオイル、アセトバルサミコなどをミキサーにかけて作った)を半々にしてかけたら、とてもおいしくなった(写真の真ん中あたりの白いもの)。うーん、このソースはいける。クリームチーズの代わりにクレームフレッシュでも良いかもしれない。友だちの誕生パーティーに、エビのカクテルをもってきた人がいた。チコリの葉にのせた茹でエビに、オーロラソースみたいなのがかかっていて、とてもおいしかった。作った人に聞いたら、クレームフレッシュとケチャップを混ぜただけだって。ケチャップは買わない主義だったのだけれど、すぐに買って作ってみた。おいしい。身の回りのドイツ人が市販のマヨネーズを嫌うので、わたしもここ30年近く、買ったことがない。どうしても欲しいときには自分で作るけれど、日持ちが心配なので(なんといっても生卵だからね)、なかなか手がでない。でも、クレームフレッシュはマヨネーズの代用になる場合がある。クレームフレッシュはサワークリームのようなもの。半固形のクリーム(脂肪分は30%ぐらい)。クリームソース、スープ、カレーなどなどに入れることができて、とても便利。わたしにとってクレームフレッシュを使った一番簡単な料理は、魚をフライパンでオリーブで焼いてから、最後に白ワイン、クレームフレッシュ、醤油を入れて混ぜて、ちょっと煮て、レッドペッパーの粒を散らしたもの。「このソース、どうやって作ったの。複雑でおいしい」などと誉められる。あはは、インスタントよりも手抜きの料理なのに(写真なしですみません)。
2016/09/12
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何年も継いできたホップ種をついに断念した。2週間、留守にしている間に表面に白いものが浮かんでいたから。カビだといやだから、「断腸の思い」で捨てた。でも、ホップ種を新たに始める気力と忍耐力がない。これまでのは、だるまや。さんからいただいたのを玄米麹とジャガイモその他で継いできたもの。自分で一から始めるとしたら、5日間、毎日ジャガイモをつぶしたり、ホップ茶をつくったりして、徐々に育てていかなければならない。うー、そういう気にはなれない。だからと言って、毎週焼いているバゲットをドライイーストで作る気にもなれない。一方、10年近く継いできているライ麦サワー種の方は、いまだにカビが生えることもなく、コンタミネーションが起こることもなく、元気(作り方はこちら)。それで、ふと思い立って、継いだばかりのサワー種のほんの一部をスペルト麦の全粒粉と水と混ぜて一晩置いておいた。そうしたら、翌朝にはふっくらと膨らんでいた。ま、当然といえば当然だけれど。つまりは、スペルト麦のルヴァン種ができあがったということ(サワー種だって、つまりはルヴァン種と呼ぶことができると思うけどな)。このルヴァン種(適当量)にスペルト麦粉(適当量)、塩、水を混ぜて、30℃ぐらいのところに2時かンぐらい置いておいたら、この生地も膨らんだ。ルヴァン種が全粒粉だから、かなり茶色の生地。これをいつものように成形して焼いたら、まあまあのバゲットになった。ライ麦サワー種でつくったスペルト麦バゲット posted by (C)solar08全粒粉のせいで(?)、重々しいバゲット、クラストはかりっとして、バゲットっぽいけれど、クラムは相変わらず気泡がつまって(最高温度が230℃のオーヴンだから、いつもどおりオーヴンのせいにしておく)いる。ちょっと酸味もあるけれど、ジャムをつければ気にならない。このスペルト麦粉ルヴァン種もこれからは継いで(取り分けた適当量のルヴァン種にスペルト麦粉を足してホロホロの種にして冷蔵庫で保存)、今後はこれでバゲットを焼くことにしよっと。ライ麦サワー種+スペルト麦のドイツパン posted by (C)solar08サワー種の本来の目的はいつものドイツっぽいパン。サワー種(ライ麦全粒粉)、スペルト麦全粒粉、スペルト麦粉、これらの粉の量はそれぞれ3分の1ずつにルピヌス(葉団扇豆)の粗挽き、亜麻の種、ヒマワリの種、オートミールなどをミックスした。朝食は相も変わらず、このパン2枚にチーズとトマトマリネ、バゲット(今日からはルヴァンで焼く)5cm区画ぐらいに自家製ジャムとバター、コーヒー。どういうわけか、朝食だけは毎日同じものを食べてもちっとも飽きないし、毎回、ああ、なんておいしいんだろうと自己満足。
2016/09/05
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自家製柴漬け posted by (C)solar08もう夏が終わりそう。今年の夏は何もしなかった。ベルリンに行ったのと、2週間ぐらい続けてBFのフランスの田舎家にいって、両足と両脚をダニに刺されまくっただけ。それでも、広い庭の土の地面を歩き回るというのは体に良いみたいだ。フランスに行っている間は首の凝りも少なくて、腰もいたまなかった。家に戻ってパソコンの前にすわったとたんに、首の両側が痛み、10年以上前の50肩も再発しそう。家の中をちょっとウロウロしたり、町中のアスファルトの道路を1時間ぐらい歩き回る程度では、運動が足りないし、コンクリートやアスファルトの地面を歩くのは不自然なのかもしれない。今年は去年のようなプルーンや杏の梅干しも、プルーンの梅酒風も作らなかった。梅干しがすっかりまだ残っているから(それはそうだよな。米を食べる機会があまりないのだから)。ベランダの紫蘇(プランターに落ちた昨年の紫蘇の実から自生)は、いまや赤しそと青じその間みたいな色になってしまったが、それでももったいないので、収穫してゆかりだけを作った。収穫したのに、まだまだ葉が生えてきたので、柴漬けのようなものを作った。こちらのナスは米ナスみたいにでっかくて、皮が固い。だから皮をむいてから切って、塩水につけて灰汁抜き。キュウリもでっかくて長い。ナス、キュウリ、ショウガ(ミョウガはまだ咲かないのでなし)を塩と混ぜて、酢を足して、重しをして三日間。レシピどおりに発酵して、泡がたってきた。水をすて、野菜を搾ってから、酢とみりんと混ぜて、ビンに入れてできあがり。でもね、今回はちょっと塩辛くなってしまった。前回は塩少なめで混ぜて数時間だけ漬け、水気をしぼって酢とみりんと混ぜた。こちらの方が食べやすい。いずれにしろ、おいしいわ。自分で作った柴漬けの方が買ったものよりも、おいしいような気がする。
2016/09/01
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葉っぱから餡子まで、手作り桜餅 posted by (C)solar08二週間前の土曜日も雨だった。雨の中をトボトボと15分くらい歩いて、住宅地内の小さな小道に出かけた。ここに八重桜がたくさんあることを突き止めていたからだ。ここの八重桜の樹は背が低目だから、わたしでも葉が採れるかもしれない。と思ったのは軽はずみで、手が届く所には葉はなかった。見回したら、ある集合住宅の庭の隅の大きな八重桜は低いところからも枝を伸ばしている。集合住宅なので庭はオープン。あたりに人影がない(雨だもんね)のを確かめてから、すっと入って、低い枝から葉をすばやく採った。ついでに、花も。残念ながら花も満開で、しおらしい蕾から開き立ての若い花はほとんどなかった。でも、ぜいたくは言ってられない。誰にもあやしまれない内に退散しなければ。そういえば、この住宅の隣の建物は、大昔、留学生としてここに来たときに最初に住んだ私設学生寮だった。三階の角の部屋。今は隣りに高級住宅がたくさん建っているけれど、わたしがここに住んだときには、高級住宅があった土地は石炭置き場だった。毎日、窓から目の前の暗い石炭置き場を眺めては、「なんでこんな寂しいところに来ちゃったんだろう」とため息をついていたっけ。まさか、ここが永住の町になろうとは、あの頃は思わなかった。寂しい町なんかじゃないの。桜の葉っぱに熱湯をかけてから、塩漬けした。花も塩漬け。花の方が葉よりもずっと香りが強いこともわかった。それから二週間後の土曜日、この八重桜より手前の広場で開かれている青空市に行った。昔、インタビューしたことがあるエコ農業のミヒャエルのスタンドで、つやつやしたカブを見つけた(日本と同じ品種はたまにしか手に入らない)。「トーキョー」という名の品種。一本(一束じゃなくて、一個)150円以上だって。高いとは思ったけれど、二本買って来た。葉っぱがとっても新鮮でおいしそう。隣のシュタイナー農業のスタンドでは、ぶっとくて短い練馬大根があったので、これも買った。カブの葉は茹でて一部はみそ汁に入れ、残りはそのまま、カブは刻み昆布といっしょに甘酢づけ、大根の葉は刻んで熱湯をかけて塩でもんで、炊きたてのご飯に混ぜた。大根おろしも作って、卵焼きに添えた。ささやかランチ posted by (C)solar08ささやかだけど、こういうランチが一番おいしい。肉のローストとか赤ワイン煮とかもいいけれど、究極的にはこういう野菜いっぱい、油なしのご飯がおいしい。午後は、さっき行った青空市の場所で開かれるフリーマーケットに出かけた。最初のスタンドでアンチークのお皿のセットを眺めていたら、そのスタンドを出している「おばさん」から「ミーネコ」と呼ばれた。よくよくその顔を見たら、あらあら30年も前から知っている友だちだった。昔はすらっとしていたのが、横に倍増していたから、彼女だとはわからなかったんだ。彼女の出産後に一度だけ見た赤ちゃんは、もう16才の若者になっているって。時のたつのは速すぎる。共通の友だち二人がもう他界してしまった。「でも、わたしたちはまだしっかり生きているのよ」とほがらかに笑う彼女は、長い間やっていたB&Bができなくなって、今はその日暮らしなんだそうだけれど、わたしよりも明るい。フリーマーケットのあるスタンドで、日本の煎茶のセットを見つけた。「これ古いの?」とスタンドの女性に聞いたら、半年前にご主人が日本に行って、持って帰ったものだそう。きっと取引先などからお土産にもらったのかもしれない。「高いらしいけれど、わたしはお茶は飲まないから」とのことで、5ユーロ(650円ぐらい)でいいというので、すぐさま買ってきた。前の晩につけておいた小豆を煮て、餡子をつくった。またも雨の日曜日、白玉粉(というかもち米の粉)と小麦粉を混ぜて、白く焼いて(桜の花の塩漬けそのせた)、餡子をくるんで、塩抜きした桜の葉で巻いた。フリーマーケットのお茶 posted by (C)solar08白玉粉の割合が多かったためか、とってもモチモチの桜餅になった。葉はかなり苦い。熱湯で1分ぐらい煮ればいいのかな。でももっと香りが飛んでしまいそうな気がする。香りはほのかだけれど、それなりに桜餅。同時につくった練りようかん(のつもり)は単なる水ようかんになってしまった。あー。
2016/05/01
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自家製ウスターソース posted by (C)solar08子牛のロースト用に人参、タマネギ、セロリなどをワインで煮て漉して、ブラウンソースを作った。こういうとき、いつも「もったいない」と思うのは、大量に出る野菜のカス。野菜を煮たかす posted by (C)solar08食物繊維がたっぷりだし、そもそも食べられるものを捨てるというのが、気に入らない。何かの料理のフィリングにしようかしら、それともシチューに混ぜ込む?でもな、味がもう抜けているかも。前に日本のネットで見た、自家製ウスターソースを思い出した。で、この野菜のカスにトマトペーストやトマトケチャップ、カルダモン、ショウガ、クローブ、コリアンダーの実その他のスパイスを入れて、グツグツ煮た。ちょっと残っていた、そばの汁の出汁の残りも入れてしまった。不思議なことに、なんとなくウスターソースっぽい香りがただよう。ウスターソースっぽい香りって、どのスパイスが決め手なのか、わからない。カルダモンかな。このままでもいいらしいけれど、あまりに食物繊維がいっぱいなので、またしても網の目の細かいザルで漉した。漉すだけでも30分以上かかる、フーッ。今回は野菜カスは捨てた。二度使ったんだから、いいよね。なんとなくウスターソースっぽいものが、できたぞ。自家製ウスターソース posted by (C)solar08本当はこれをもっと煮詰めると、トンカツソースみたいなドロドロソースになるらしいけれど、もうここでストップ。ビンに詰めたら、たった300mlぐらいにしかならなかった。味も匂いも、かなりウスターソースっぽい。このソース、とっても便利。トンカツやお好み焼きにかけるだけでなく、肉料理のブラウンソースの味にパンチを効かせることもできるし、サワークリームと混ぜて、魚料理にかけたら、とてもおしゃれな味になった。市販のウスターソースより味が複雑なので、使い道も多様かもしれない。どれだけ冷蔵庫の中で日持ちするか不安なので、時々出しては沸騰させて使っている。市販のソースは室温で数年たっても黴びなかった。あれは一体?
2016/04/20
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太巻きフライ posted by (C)solar08本当は全然ちがう話を書くはずだったんだけど、ちょうどこういう写真が娘からきたから、ちょいと紹介。ドイツではいまやいたるところにスシレストランがある。といっても、手頃な値段の寿司屋や回転寿司はたいていがタイ人とか中国人の経営。前に当市の回転寿司屋に行ったら、大きなのり巻きのフライが出てきたのでびっくりした。作っているお兄さんに「おいしいよ」って言われたけれど、手が出なかった。そのお兄さんに「どこから来たの」って聞いたら、「タイ」と言ってた。そんな事も忘れていた今日、娘からメールと写真がきた。ベルリンのあるお寿司屋で寿司フライを食べてみたらおいしかったので、作ってみたそう。マヨネーズやブルドックソースをかけて食べるんだって。たしかに、おいしそうだな。娘はいつのまにか太巻きが巻けるんだ!わたしはいまだにできない。っていうか、太巻きは太すぎて、食べるときに壊れるので、好きではない。お寿司屋(ちゃんとした日本人の親方のいるお寿司屋)でも、太巻きは細巻きに変えてもらう。でも、心を入れ替えて、食べてみようかな。食ににかぎらず、新しいことに手を出すのは、悪いことではない。世界が広がる(って、太巻きじゃあ広がらないか)。
2016/01/31
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ポピーシードとリンゴのパイ posted by (C)solar08正月三日に日本からのお客様がご子息連れでいらした。昔、当市にご家族でしばらく住んでいた方。帰国後もクリスマスやお正月の時期によく滞在される。で、急遽、今年の焼き始めとして、ポピーシードとリンゴのケーキを焼いた。つい、数日前に「焼き納め」したシュークリームがちょうどなくなったから良いタイミング。ポピーシードって、つまりは日本のあんぱんの表面にポチポチくっついている芥子粒。この芥子粒を卵などと混ぜてタルトなどのフィリングにしたり、ヘーゼルナッツなどのパウダーと混ぜて生地にしたケーキを、ドイツ人はとても好む。ふつうの生地の間にポピーシードの層を巻き込んだ「ドナウの波」という名前のケーキもある。でも、ポピーシードばかりだと口の中がブツブツ、パサパサする感じなので、リンゴといっしょに焼くことにした。タルト生地は前にフランス風アップルタルトのところで紹介したタルト生地がとても楽でおいしいので、最近はこればかり作っている。アップルタルトを紹介したときは、まだ別のミニフードプロセッサーを使っていたので、生地をまとめるために水が大さじ4杯(粉125g、バター85g、砂糖少々、塩ちょっぴりに対して)から5杯も必要だった。その古いフードプロセッサーがこわれたので、新しいミニフードプロセッサーを買った。今回のはカッターの刃が二段構えになっている。これだと、下段の刃でk遠心力で舞い上がる粉とバターが上段の刃ですぐにまたカットされるので、粉の中でバターを米粒大に粉砕するのに5秒、その後、水を入れて生地をまとめるのにも5秒もかからない。しかも、あまりに簡単に生地がまとまるので、水は大さじ2杯ですんだ。タルトやパイ生地にはなるべく水を少なくしたい(その方がサクサクになる)ので、これはすばらしい。二段の刃がこんなに威力をもつなんて。日本にも二段がまえのがあるようです(ニンジャカッターとか)実はこのほかにも大型のフードプロセッサーとかバーミキサーの付属のフードプロセッサーももっているのだが、大型プロセッサーは容器が大きすぎて、中身が大きく飛び散ったり、容器にはりついたりして、全然向いていない。バーミキサー付属のフードプロセッサーも刃が一段だけなので、粉やバターが舞い上がったのを上段で捉えることはできない。というわけで、無駄だとは思いつつ、新しく買ったこの二段構えの刃をもつKENWOODのミニフードプロセッサーは無駄ではなかった。父が昔、いつも言っていたっけ。「道具だけはケチるな」と。こうして水大さじ2杯だけでまとめた生地を冷蔵庫に1時間ぐらいおく。その間に、ポピーシードを牛乳とバターをふっとうさせた中に混ぜ入れて、しばらく置いて冷ましてから、卵と砂糖と混ぜる。リンゴを薄切りにして、砂糖少々とシナモンをまぜて軽く火を通し、冷ます。ポピーシードのフィリングをタルト生地に詰め、その上にリンゴを並べる。175度で40分ぐらい焼いてできあがり。泡立てた生クリームを添えるとおいしい。日本人の口には合わないかと危惧したけれど、お客様はたいらげて下さった。ありがたい。お客様からは日本からのさまざまなおみやげに混じって、沖縄の黒砂糖をいただいた。「これがメインのおみやげです」と。とてもおいしそう。偶然だが、少し前に黒砂糖が欲しいと思っていたっけ。黒砂糖はドイツにはない。黒砂糖の独等の香りがなつかしい。黒砂糖で作りたかったのは虎屋の羊羹(おもかげ)をまねた羊羹だったかな(黒砂糖の香りが利いて昔から大好き)、それともくず餅もどきだったかな。二つとも、食べる意欲も作る意欲もいまでは消えてしまったので、とりあえずは黒蜜をつくってあんみつにしようかな。
2016/01/05
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前回の長いクリスマイヴのあと、まだ食べ足りなくて?27日に7人を呼んで、ディナーをふるまった。前菜は要望に答えて、去年と同じく春巻き(エビ、タケノコ缶詰、椎茸、マッシュルーム、キクラゲその他野菜、ショウガ、そしてチーズのフィリング)とサラダ。メインはノロジカ(ふつうのシカよりもずっと小さくて角がない。オオカミがいなくなったために増えて、モミなどの食害を及ぼすので猟期にハンターによって殺され、地元の肉屋で売られる)のモモ肉(2、5kg)のオーヴン蒸し焼き。デザートはいつものフルーツサラダとパンナコッタのラズベリーソースかけ、シュトレンの残り。7人のドイツ人客(ってすべてがBFの身内)を観察していて、ドイツ人の食事の趣味がわかって面白い。誰もがおいしがるのが、春巻き。18本、かなり大きめのを作って、半本だけが残った。わたしは1本だけ食べたので、残りの16、5本を7人が食べたことになる(その後に肉の塊が出るのがわかっていて!)。よっぽど好きなんだな。自家製チリソースも受けた。メインのノロジカの肉は、日本人の好みには絶対に合わないと思う。レシピどおり、赤ワインや香味野菜などのソースにつけて3時間、オーヴンで低温で蒸し焼きにしたのでとても柔らかくなったけれど、まったく脂っ気がなくて、いわばパサパサ。ちょっとレバーを食べたときのような食感、うーん、子ども時代に母が時々作ってくれてとっても嫌だったカツオの煮物にも似ている。高い値段を払って買ったのにー、このお金でラムか鴨(アヒル)を買ったら、ずっとおいしいのにーと内心、ブツブツと後悔したのだけれど、みんな食べる、食べる。こういう味がおいしいんだそうな。霜降りの和牛も最近はドイツでもものすごい値段で売られ、高級レストランでも出されているそうで、こちらも評価されているだけに、不思議。デザートのおまけに出した、前々回に書いた栗入りシュトレンについては意見が分かれた。マロン入りでおいしい、と言ったのは、日本食がかなり好きな姪(BFの)。彼女は寒天に餡子をかけたもの(あんみつもどき)が気に入るほど、和食がわかる人間だから、うなづける。あとの人々は、マロンが入ると、もはやシュトレンの味からはずっと離れると言った。そういえば、娘の長男(4才半)からは電話で、「パパの作ったシュトレンとみね子のシュトレンの両方を食べたよ。みね子のはマロンが入ってた。マロンはボクにはおいしくない」とはっきり指摘されてしまった。うー、もう来年はシュトレンは焼かないぞ。残って乾いたシュトレンのスライスにブランデーを水で薄めたものをかけておいた。そしたら、しっとりしたお菓子になった(当然)。そしたら、BFは「これこそがおいしいよ」とのたもうた。ウー、来年はシュトレンなんか焼かないで、最初からブランデーケーキを焼くぞ。で、12月30日の今日はパンとケーキを焼いた。パンを焼くときには、エネルギーのカスケード利用のためにケーキも焼くことが多い。まずは、230度(これ以上は熱くならないボッシュのスチームオーヴン)でバゲットを焼き、ホップ種のバゲット(黄色い小麦で) posted by (C)solar08次に最初は230度のままで、定番のライ麦サワー種のスペルト麦その他もろもろの朝食用パンを焼き、ライ麦サワー種+スペルト麦+ルピナス粗挽きなどが入ったドイツパン posted by (C)solar08これを焼いている間に温度を10〜20分ごとに10度ずつ下げて、一時間後にパンを出してから、190度にして、なんとだいそれたことに、シュークリームの皮を焼いた(最後は180度、その後も余熱利用でしばらくオーヴン内に置く)。今回はめずらしくも、生地をちゃんと絞り出したのに、結果はおどろおどろしい形にふくれあがった。奇怪な形にふくれたシュー posted by (C)solar08ま、今回はシューがしぼまなかっただけでも喜ばなければいけないけれど、もうシュークリームも作らないぞ。フィリング用には、生クリームと卵黄でカスタードクリームを作り(牛乳を買う習慣がないので、生クリーム一本やり。200mlで60円と激安だからできること)、別の生クリームをホイップしてミックスした。形は悪いけど、味はまあまあ。カスタードクリームで使った卵の卵白はココナッツファインと砂糖と混ぜて、ココナッツマカロンに。シューを焼いたあとのオーヴンの温度を130度まで下げて、30分ぐらいゆっくり焼いた。ココナッツのマカロン posted by (C)solar08カリカリ、フワフワになってくれた。結局、このオマケが一番うまくいったかも。朝、10時に開始した焼き納め活動は、午後5時にやっと終了した。明日の大晦日の晩はBFの姉妹、つまりババ2人といっしょにコールドミール(ハムやチーズなどの冷たい食事)で祝う。零時に町中、国じゅう、あらゆる街角で打ち上げられる花火を見て、それでお祝いはおしまい。今年一年、個人的にはなんら危機的なことが起こることもなく過ぎたことに感謝。難民(ドイツには100万人入ったそう。来年も同じぐらいが予想される)の方々の境遇を読んだり、テレビで見たりすると、我が身の幸運に感謝せざるを得ない。こうやってノホホンとパンを焼いていられる幸せに感謝。生活にも社会にも役立たない、愚痴やひとり言を読んでくださった方々、一年間ありがとうございました。来年?さあ、どうなるかな。
2015/12/30
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DSC03850 posted by (C)solar08今朝、朝食のパンをかじりながら読んでいた雑誌「Spiegel」に、今ではほとんど世界中で見られるクリスマスの祝い方の根源の多くはドイツにあると書かれていた。たとえば、クリスマスツリー。クリスマスツリーの最初の「証拠物件」は、1509年に出されたルーカス・グラナッハによる銅版画なのだそう。今でもクリスマスツリー用のモミやドイツトウヒの消費はドイツが最大だそう。ドイツ人の多くは、クリスマスツリーの習慣はドイツだけだと思っていて、「中国や日本だってあるよ。わたしの子ども時代だって母が小さなモミの木を買って、みんなで飾った」と言うと、驚かれる。ドイツでは個人の家庭でも高さ2〜3メートルのモミの木を飾るのが普通。クリスマスイヴにプレゼントを贈る習慣は、マルティン・ルター(宗教改革者)の発案だそう。それまでのカソリック教ではプレゼントは聖ニコラウスの日(12月6日)だったのを、ルターが聖人崇拝はよろしくないとして、プレゼントを贈る日をキリストの誕生日に移したのだそう。クリスマスの伝統的な聖歌(たとえば「きよしこの夜」)もドイツが発祥。もちろん、ジングルベルとかホワイトクリスマスといったは「クリスマスソング」はアメリカ発祥。「真っ赤なお鼻のトナカイさんは、、、」(赤鼻のトナカイ)は、アメリカのデパートが塗り絵の本を売るために発案した歌がオリジナルなんだって。で、日本でも盛んに焼かれるクリスマスのケーキ、シュトレン(Stollen)もドイツの発祥のケーキ。ウィキペディアによると、シュトレンの最初の記録は1329年にあるそうだが、今のようなシュトレンの記録は1730年だって。そうだよな、あの固さといい、日持ちの良さといい、いかにもドイツ的。シュトレンの定義としては、バターや卵たっぷりのイースト生地にレーズン、レモン・オレンジピール、アーモンド)を混ぜて焼いて、粉砂糖かアイシングでカバーしたもの。おくるみに包まれた赤ちゃんキリストをイメージするべきケーキ。ということで、いかにもドイツ的なシュトレンなのだけれど、日本ではシュトレンが独自に進化しているようだ。ドイツのシュトレンのような、いくらかパサついた味(ただし、バターやラードをこってり入れたものはパサつかない)から離れて、栗とかイチジクとかを入れたり、抹茶入りのシュトレンなんていうのもネットで見かけた。ことしはシュトレン三昧になった。一昨日の午前中にAmeliaさんから「八丁味噌入りのシュトレン」をいただいた。DSC03848 posted by (C)solar08お味噌の味がじかにするわけではなくて、生地の味に奥行きがあって味わい深い。祖母が好きだったみそ餡入りの柏餅を思い出した。そして同日の午後にはスイスのだるまや。さんからも届いた。まさにシュトレンの日。DSC03849 posted by (C)solar08こちらはイチジクやマロンが中心に据えられたバターたっぷりのお味。それにしても、粉砂糖の見事なコーティングの技にびっくり。Ameliaさん、だるまや。さん、ごちそうさま!!実はわたしは去年まではドイツのレシピで焼いていたのだけれど、去年だるまや。さんからいただいたシュトレンに触発されて、今年はまねさせてもらうことにした。栗の甘煮を中心に入れ、自家製オレンジピール、イチジク、クランベリー、レーズンなどのフィリングを混ぜた生地を、フィリングなしの生地で包む方法は「日本式」(?日本のブログだけで見かける)。でも、この方法の方がレーズンやクランベリーが焦げることもないので理にかなっている。DSC03850 posted by (C)solar08栗の甘煮が煮くずれて(みなさんどうやって渋皮煮とか甘露煮をくずさずに作れるの?)、一部は栗餡のようになったのだが、それが和菓子のような感触を生み出し、すっかり気に入ってしまった。それで、最初は粉1、3キロで8本焼いた後、さらに粉800gでもう一度4本焼いた。その半数以上はプレゼントとして各地に送られていったが、自分たちでももう2本食べてしまった(クリスマスにならない内に)。そういえば、シュトレンは何日、何週間も寝かせてから食べろ、と言われるけれど、焼きたてのシュトレンも生地がふわっとしていて、これはこれでケーキとしておいしいと思う。ミルクの代わりに生クリームを生地に入れるとかなり柔らかくなる。そう、ケーキはこれでおしまい。あとはアフタークリスマスにノロジカのローストをつくる作業がまっている。Frohe Weihnachten!!
2015/12/20
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ルピナス(葉団扇 はうちわ)って、これまでは野原で咲いている青い花しか知らなかった。フジの花が逆さまになって地面からあちこり突き出ているような(すごい無茶な表現)花。緑肥に使われるということは聞いたことがあった。BFの姉の孫は、私が焼くライ麦サワー種とスペルト麦粉のドイツパンしか食べないので、母親を困らせていた。最近、「やっとマチルダも食べてくれるパンを見つけた」と彼女が教えてくれた。ルピナスパン(ルピネンブロート)として売られていたのだそう。「え、ルピナスって花でしょう?それがパンになるわけ?」と思って、エコスーパーで探したら、あった、あった、ルピナスの豆の粉が。ルピナスという植物はアメリカ原産で、アメリカや地中海沿岸地域に分布する植物なのだそうで、ルピナスビーンズ(ルパンビーンズ、葉団扇豆)の塩ゆではおつまみにもなるんだって。ルピナスの豆を挽いた粉は大豆の代わりにも使われるらしい。きな粉の匂いが嫌いな人や大豆アレルギーの人に便利とか。タンパク質成分が50%近く、脂肪分は大豆よりも少なく、グルテんやデンプンを含まず、カロチン、ヴィタミンE、カリウム、マグネシウム、鉄などが含まれているので、健康に良くてヴェジタリアンやヴィーガンの食品の原料にもなるそう。でもね、ルピナスの粉は高い。1kgで3000円近く。こんなの入れたら、わたしのパンは高級パンじゃあないの。それで、インターネットで探したら、アマゾンでも高い。もっと探したら、ある製粉所が安めに売っていた。豆の粗挽きと粉の両方を買ってみた。ルピナス豆の粉と粗挽き posted by (C)solar08粉の袋には、「パンの材料に入れる場合は、粉の1割以下にすること」と書かれていた。ホッ、安心。いつものライ麦サワー種、スペルト麦粉の生地に混ぜた。ライ麦サワー種にルピナス豆粉(黄色っぽい)を混ぜる posted by (C)solar08できあがりはこんな感じ、いつもと代わりがないけれど、ちょっと黄色っぽいかな、写真じゃわからないけど。ルピナス粉入りライ麦サワー種+スペルト麦粉のパン posted by (C)solar08違いは、パンがいつもより膨らんで、ちょっとモチモチというか弾力感があること。味?ちょっときな粉のような風味がある(きな粉入りのパンは好きじゃあないの)のと、ドイツパンとしては少々柔らかいのが気になるけれど、言われなければわからないかも。実際、BFのお姉さんは今までのパンとの違いに気がつかなかったようだ。喜ぶべきか、悲しむべきか(せっかく苦労して手に入れたのにと)。次にルピナスの実の粗挽きを混ぜて焼いてみた。こちらはおいしかった。味が濃いパンのような気がする。次にもう一度、ルピナスの粉を少なめにして焼いてみた。フラックスシードやヒマワリ種やオートミールも混ぜた。ルピナス粉入りライ麦サワー種+スペルト麦粉+フラックスシード+ヒマワリ種のパン posted by (C)solar08今回も型に入れてからの発酵が速くて、ルピナスを入れない場合よりも膨らんだ。他の混ぜ物のおかげかも知れないけれど、おいしく感じた。健康に悪くはないらしいから、買った2kgを使い切るまではパンに入れよっと。近頃はバゲット用にはオーガニックのゲルプヴァイツェン(つまり黄色の小麦)の粉を使っている。カロチンなどが含まれていて(だから粉が黄色)、アンチオキシダントでアンチフリーラディカルなんだそうだ。イエロー小麦粉のバゲット(ホップ種で) posted by (C)solar08こうやって切って、冷ましてから冷凍保存している。そういうことはともかく、吸水が良くて、味わいもふつーの小麦よりも深いような「気がする」ので、この粉一本やり。
2015/11/13
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BFのフランスの田舎家の中庭に植えておいたミョウガが咲いた。日本とちがって9月下旬。冬の寒さに耐え、夏の乾燥もなんとか生き延びてくれたけれど、花をつかせるとは期待していなかった。10から20くらいのミョウガの花。ミョウガがないときには欲しい、欲しいと思うのだけど、いざ手にしてみると、何にしてよいか迷ってしまった。ベランダで育てていた頃に咲いた花は甘酢漬けにしたけれど、あれは色がきれいなばかりで、ミョウガ独特の香りがとんでしまうような気がする。それで、・ナスとミョウガのみそ汁・ナス、ピクルス用のキュウリ(小さくころっとしていてカリカリと歯ごたえがいい)、納豆昆布、おかかといっしょに山形のダシ・ピクルス用のキュウリとベランダの紫蘇といっしょに漬け物・卵とじにしてお昼ご飯に食べた。ご飯はリゾット用の有機米を日本的に炊いた。ミョウガづくしのランチ、あー、おいし!デザートには、だるまや。さんが日本から送ってくださった、栗入りの和菓子をいただいた。あー、おいし!貴重なミョウガは薬味用にとっておきたかったところだけど、冷凍したら風味が悪くなりそうだったから、やめておいた。ミョウガの植物は以前はこちらのは屋外では越冬しにくかったけれど、温暖化の「おかげ」か、このところ順調に生き延びている。こちらの種苗センターでもミョウガの株(鉢植え)が売られている。でも、初夏に株の根元にミョウガの花が顔を出すとか、これを掘り出して食べることができるとかは、ほとんど知られていない。また、来年の夏にミョウガが咲いてくれるまで、楽しみに待つことにしよう。
2015/10/03
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いただいた、落ちリンゴ posted by (C)solar08娘夫のお義父母さんから、庭に落ちたリンゴをたくさんいただいた。「中から虫が出てくるかもしれないよ」と言われたけれど、そんなのはへっちゃら。虫がいるのは、リンゴがおいしい証拠、農薬がない証拠。上の写真の大きな茶色のリンゴはボスコップといって、酸味が強く、ケーキに好んで使われる品種。リンゴのタルトを焼くとき、いまだに解決できない難点は、生のリンゴ、つまり下煮をしていないを下焼きしていないタルト生地にそのままのせて焼くと、リンゴから出る汁でタルト生地が柔らかくなってしまうこと。パリッとした生地にならない。タルト生地が厚ければ、この問題もいくらか解決するのだけれど、厚いタルトは食べずに残す人がいるので、これはもったいない。それに、私も生地がごく薄くて、パリパリのタルトが好き。ドイツのネットで探していたら、「フランス風アップルタルト」のレシピで、いかにもフランスのお店で売っているような、パリパリに焼けた薄い生地のアップルタルトが見つかった。(ここをクリックすると、レシピと写真が見られます。ドイツ語ですが、ページの下の方にはヴィデオもあって、作り方がよーくわかります。)小麦粉と小麦粉の3分の2の重さのバター、砂糖少量、塩ちょっぴりをフードプロセッサーに入れて、一秒動かしては止めという作業を繰り返すと、バターが粒々に細切れになって粉にまぶされるんだ(当然なのに、今までやってなかった)。そのあと、水少々を入れて、また同じ作業。まとめてから冷蔵庫で30分ねかせた。オーヴンシートの上にこの生地をうすーく、厚さ3ミリ以下にのばして、その上に、たくさんのリンゴを皮をむき、ごく薄切りにして、一塊ごとに立てて並べる。レシピにはリンゴ2キロと書いてあったけれど、そんなにのせられなかった。1キロ半弱。溶かしバター少々を表面に塗り、スプーン3杯ぐらいの砂糖をふりかけて、200度に予熱したオーヴンで45分焼いた。タルト生地の下側(コンベクションのオーブンなので、下火が弱いような気がするので)が良く焼けてくれるように、タルト型などには入れず、バゲットを焼くときと同じように、予熱で熱した銅板の上に、オーヴンシートごと生地をそのまま置いて、焼いた。これが良かったみたい。ずっと200度のままにしたので、リンゴの表面がこげはじめた。いつもはここでビビって温度を下げてしまうから、生地がやわらかくなるのかも、と思って、「心を鬼にして」上側をアルミフォイルでおおっただけで、焼くのを続けた。リンゴのフランス風タルト posted by (C)solar08焼いている間に、むいた皮と芯に砂糖たっぷり入れ、水をひたひたにそそいで、30分煮込み、ザルでこしてからさらに煮詰めて、ドロドロのリンゴシロップを作っておく。焼けたタルトのあら熱がとれたら、表面にシロップを塗る(アンズジャムを塗る代わりのような感じ)。これまでで、一番フランスのに近いアップルタルトが焼けた。生地は薄くて、底もパリパリで、ちょっとパイみたいになった。うれいしのは、このレシピなら卵やミルクが必要ないこと。材料は粉、砂糖、バター、水、リンゴだけ。ただね。リンゴの酸味が強いので、100gの砂糖で作ったシロップでは足りないぐらい酸っぱい。ヴァニラアイスとか生クリームを添えて食べれば、おいしいはず。次回はこんなに酸っぱくない品種のリンゴで作ってみよっと。リンゴのフランス風タルト posted by (C)solar08本当は今、難民のことばかり考えてるのに、なんでケーキの話になってしまったんだろう。
2015/09/06
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葉を採取したばかりなのに、まだ育ってくる赤じその葉 posted by (C)solar08紫蘇って、採っても採っても葉が出てくるのね。去年はスイス人の友人に赤じそを一株もらいました(スイスでは紫蘇とか水菜とかの種を売っているらしい。ドイツでは見かけない)。去年は葉を収穫したあとに、種もとっておいて、今年の春にベランダのプランターや植木鉢数個にばらまいておいたら、出るわ、出るわ、紫蘇だらけ。間引きをして、全部で15株ぐらいを生長させた。7月初めの二週間、旅行で留守にしていた間はまったく雨が降らなかったので、一部は枯れた(出かける前に葉を収穫しておいて助かった)。でも、数株はこういうひどい仕打ちにも耐え、乾燥に耐えてくれて生き延びた。かれらは、とても丈夫で元気がいい。一昨日、昨日と葉を採ったのに、また葉が出て来ている。すごいなあ、生物の生命力。7月に収穫した赤じその葉は、塩揉みしてから、前々前回に紹介したプルーン梅干しといっしょに漬け、8月に収穫した葉は杏といっしょに漬けた。アメリアさんが杏でも梅干しみたいになったとおっしゃったので、特売の杏1キロでやってみた。今回は塩を15%ぐらいにし、クエン酸も控えめにして漬けた。杏の梅干しもどきといっしょに漬けた紫蘇 posted by (C)solar08今日は日中最高気温が35度で、今夏最後のカンカン照りのなので、お日様に当てた。陽光が当たるところはお湯がわかせるくらい暑い(熱い)ので、殺菌または滅菌効果もあるだろう。元がでっかい杏だったから、でっかい杏干しになった。塩分が控えめだから、かびるのが怖いので、杏干しペーストにしてしまおうか。それに、ペースト状の方が使うのに便利だし。でも、杏の梅漬けとして日本でも売られているのを今、ネットで見たら、このままでいいかな、とも思ってしまう。「とてもジューシー」だって。いっしょに漬けた紫蘇もかりかりになるまで干して、フードプロセッサーで粉々にしてゆかりにしよう。一昨日、昨日、今日と収穫した赤じそは、もう一緒に漬けるものがないので、はじめて紫蘇ジュースなるものを作ってみた。紫蘇ジュース(右は3倍に薄めたドリンク) posted by (C)solar08水で煮出して、汁に砂糖とクエン酸とレモン汁をくわえただけ。見た目はきれいだけれど、紫蘇の香りは少ない。ジュースというよりも、紫蘇エキス入りシロップだな。シロップといえば、今年はニワトコの花シロップ、ショウガシロップ、ニワトコの実シロップとシロップ続き。どれも、煮出し汁に砂糖とクエン酸とレモン汁を混ぜるだけだから、味はあんまり変わらない。香りだけが違う。ふだんジュースを買わない習慣(重くて運べないし、甘味をとりすぎるしで)なので、こういう保存飲料があれば、ちょっとジュースっぽいものを飲みたくなったときに便利。そして、このジュースのしぼりカス紫蘇も塩でもんで、杏を塩漬けしたときに上がってきた杏酢に漬けた。明日もお天気だったら、この葉もほしてゆかりにしよっと。ゆかりと言えば、わたしが生まれたときに両親はわたしの名前をゆかりにしようか、と考えたこともあったらしい。それなのに、あの我がまま祖母が自分の母親の名前を勝手につけちゃったようだ。だから古風な名前、いまだに好きになれない。あー、ゆかりにくれたら良かったのにー、と後で両親をなじったことがある。理性的に考えれば、こんな歳になって「ゆかりちゃーん」、なんて呼ばれたら、さぞこっ恥ずかしいだろう。こうして、ゆかりを食べたり作ったりする度に、名前のことを思い出してしまう。娘は5才ぐらいのとき、「いちごっていう名前にしてほしかった」と言って、自分のパンツにマジックで名前をxxxxxイチゴと書いてしまった。今では「いちごでなくって、良かったー」と安心しているに違いない。その後、小学校の頃にはバーバラっていう名前にして欲しいとも言っていたが、あまりに顔と合ってないよなあ。ネギの根元を植えておいたら、、、こんなに育った posted by (C)solar08とても便利。ネギの鉢にも赤紫蘇が生えている。どこもかしこも、今年は赤紫蘇。葉を採取したての赤じそ、まだある葉っぱ posted by (C)solar08
2015/08/30
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プラム(プルーン)で梅干し(干し上がり) posted by (C)solar08手前が生のプルーンプルーン(プラムの小さめのタイプ。濃い紺・紫色です)は7月後半あたりが出盛り。今もまだ売っている。去年に始めたことだが、今年もプルーンを青梅の代わりに使って、酸っぱさを補うためにクエン酸の粉末を加えて、梅干しを作った。梅干しがとりたてて好きでもないのに、ないとなると(というかアジアショップで買えるけれど、高いし、おいしくない)欲しくなるのと、地元産の新鮮なプラムやプルーンが安く(1キロ200円から300円)手に入るから。今日はス―パーで1キロ99セント(130円くらい?)で売ってた、ウー。プラムを塩漬けにする(クエン酸入り) posted by (C)solar08今年は2キロ漬けたった(上の写真)。この日のために、プランターで赤じそもたくさん育てておいて、塩漬けにしておいた。塩水をしぼった紫蘇と、プルーンの量の20%近くの塩と2%くらいのクエン酸をくわえて、倍ぐらいの重さの重しをして3週間漬けた。漬けて3日ぐらいで水が上がってきたので、あせって、重しを減らした。早く干したかったなあ。外は日がかんかん照っていたから。やっと3週間たった。ちょうど快晴でラッキーの二日間。プラム(プルーン)で梅干し作り posted by (C)solar08直射日光が当たるところは、お湯がわかせるくらい暑いから、これで煮沸の代わりの殺菌効果もありそう。紫蘇は別にとりのけて(手前左)、ミキサーで粉砕してゆかりにした。かんかん照りの二日間、干したら、去年とちがって皮が柔らかくなって、ところどころシワシワ、塩を吹いているのもある(一番上の写真の右奥)。塩っからすぎるかな。昔、母方の祖母が、豊島区にあった家の庭に育った梅で梅干しを作っていた。あるとき、干し上がったばかりの梅干しを見て、塩を吹いているので、びっくりしたのを今も覚えている。これとおんなじことが、わたしにも出来たなんて!プラム(プルーン)で梅干し posted by (C)solar08青空市のプルーンを見ると、つい買ってしまう。1キロのプルーンを乗せたケーキは二度作った。さらに1キロのプルーンはラム酒一本と500gの氷砂糖と漬けて、梅酒もどきにする。これも祖母が作っていたもの。子どもの頃にも薄めて飲ませてもらっていた。でも、漬ける期間は3ヶ月だって。待ちきれないなあ。
2015/08/05
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Ameliaさんから、さまざまな地元地域の食品をいただいた。心をかけて探してくださった様子がしのばれる、あたたかいプレゼント。その中におそばと冷や麦、そしてとても高級そうな蕎麦つゆがあった。いつもは、出し粉(九州で買った)で出しをとって、みりんと醤油で簡単な蕎麦つゆをつくっているのだけれど、薄めるだけで本格的な蕎麦つゆがすぐに頂けるのは、やっぱりありがたい。いただいたおそばと冷や麦と蕎麦つゆ(背後はプラム(プルーン)) posted by (C)solar08背後の野菜も農家の青空市で買ったものそば、うどん、ソウメンは時々食べているけれど、冷や麦は実に久しぶり。十年ぐらい食べていないような気がする。冷や麦というと、子どもの頃の夏休みを思い出す。昼食は冷や麦が多かったなあ。当時の冷や麦にはピンクとグリーンの麺が混じっていたっけ。子どもの目にも、人工着色だとわかるような色なので、口に入れるのは躊躇しながらも、どこか心惹かれてしまう雰囲気があった。たとえて言えば、小学生時代に毎月のように買っていた「リボン」という少女マンガ雑誌のような感じ。こんなものを読みふけっていては、頭に健康ではないとわかりながらも、つい目が惹き付けられた。今でも、夏のある号の表紙を覚えている。浅野寿々子という可愛い女の子がグリーンの服を来て、涼しげにグリーンのソーダ水を飲んでいる写真だった。なんでこんなこと、今でも覚えているんだろう。このグリーンの「涼しげさ」の雰囲気を、冷や麦のグリーンとピンクもかもしだしていたような気がする。農家の青空市で買ってきたナス(こちらのナスは米ナスのような大きなものばかり、皮が硬い)の半分は薄切りにして塩揉みして、熱湯をくぐらせてから、ごま油などでサラダにした。一頃こちらにあった、韓国料理のレストランで食べておいしかったけれど、わたしのはおいしくなかった(酸っぱすぎ)。残り半分のナスはドイツ製エコ豆腐(期限が切れたのであわてて冷凍しておいたのを解凍した、どうなっているか見たかった)といっしょいnオイル焼きして、オロシしょうがと削り節と醤油をかけた。豆腐は角に頭をぶつけそうなほど硬かったけれど、まあ食べられる。凍り豆腐にはならなかったみたい。豆腐とナスのオイル焼き、ショウガと鰹節かけ posted by (C)solar08このところ、ス―パーで野菜を買わず、青空市の近郊農家から買うようにしている理由の一つは、ある農家が売っている「ビーフステーキトマト」(ドイツ語では雄ウシのハートトマトという意味の名前がついている)のため。昨年ごろからやっとドイツでも出回るようになった、とてもおいしいトマト。スーパーでも時々売っているけれど、この農家のは完熟していて、甘くて、くらべものにならないほどおいしい。他の品種より、いささか高いけれど、払うだけの価値はある。完熟トマト posted by (C)solar08今日は熟しすぎたのを「スープ用トマト」として普通の価格の半額以下(1キロ200円)で売っていた。でも、生で食べてみたら、中まで真っ赤で、とろりとしていて、いつもよりもさらにおいしかった。もっと買えばよかった。そういうわけで、Ameliaさんとトマトのおかげで、簡単だけれどレストラン以上に満足できる昼ご飯がいただけました。こういうの、小さな幸せっていうのかな。ごちそうさま。ある日の昼食 posted by (C)solar08丸のトマトは、元の姿をお見せするために。
2015/08/01
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ワカメ入りパン(スペルト麦粉、ライ麦全粒粉) posted by (C)solar08テレビでスエーデンの小さな島の暮らしを紹介していました。船でしか到達できなくて、島内では自動車が禁止されていて、移動手段は徒歩かボートだけ。静けさを求めてやってくる大都市の人が、長期滞在して、自然をゆったりと楽しんでいます。この島の住人でベーカリーを営む男性が、天然の海藻(見たところでは、ワカメや昆布らしい)を潜って何十キロも採取していました。生活が貧しかった昔には、この住民は海藻を食材の一つにしていたとか。「海藻はミネラルをたくさん含み、健康な食材」と日本人なら誰もが知っているようなことが、説明されていました。ホホー、ヨーロッパでもワカメを食べるところがあったのかと、おいしそうな天然ワカメを眺めました。採取されたワカメは天日でカラカラになるまで干されてから、機械で粉々になるまで粉砕され、この海藻粉はクネッケーブロートや海藻入りのパンに使われたのです。「タング(海藻のこと)入りクネッケ」と名付けられて売られるのだそう。海藻粉入りの茶色いパン(カンパーニュみたいなの)も売るそうです。「海藻の香り、磯の香りがしておいしい」とのことですが、ワカメ漁を手伝う、この男性のお嬢さんは「磯くさくて、おいしくない」とコメントしてましたけど。で、このアイディアを試してみたくて、ドイツのインターネットショッピングで買った、干しメカブ(もしかしたら、これもスエーデンで採れたものなのかな)をフードプロセッサーで粉々にしてから、小麦粉、スペルト麦(ミネラル分の多い粉)、ライ麦全粒粉少々、フラックス種、オートミール少々、塩と混ぜて(量はまったく手加減、測らず)、自家製天然酵母のホップ種で一日近くゆっくり発酵させて、適当な形のパンを焼いてみました。ワカメの量は粉の量の5から10%ぐらいかな。ダメで元々と。ワカメ入りパン posted by (C)solar08こんなにいい加減に作ったのに、これがやけにおいしいの。何が良かったのかはわかりません。磯の香りとまでは行かないけれど(そうならなくて良かった)、香ばしくて(なんの香りなのか表現できない香り)、クラムもクラストもいつものカンパーニュやバゲットよりもピタリと決まっていて、バターをつけて食べるだけで、もっと食べたくなるおいしさ。海藻の匂いがするまでにはいかないおかげで、ジャムを塗って食べても気になりません。ひょうたんから駒みたいなもんでした。もっと作りたいけれど、日本から送ってもらったワカメをパンにしてしまうのはもったいないし(やっぱり貴重なワカメはみそ汁とか酢の物で食べたい)、今回使った干しメカブもやたらと値段が高くて、少量でも粉の値段を越えてしまうしで、定期的に作るまでにはいかなそう。
2015/06/23
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茹でたて白アスパラガスと生ハム posted by (C)solar08こちらでは生のタケノコは手に入らなけれど、その代わり5月から6月は、地元産の採れたての白アスパラガス(グリーンも)や野摘みのイチゴが青空産直市や道路わきのスタンドで、山のように売られる。新鮮な白アスパラガスは皮を剥いて、たっぷりの湯で数分茹で、熱々をフーフーしながら食べる。これに茹でジャガイモ(または細く切ったクレープでもいいけれど、わたしはジャガイモ一本やり)と生ハムやハム、あるいはウインナーシュニッツェル(子牛のカツ)を添えて、溶かしバターをかけて食べるのが好き。オランダソース(卵黄入りのどろっとしたソース)をかけるのが普通らしいけれど、わたしはパス(作るの面倒だし、どろっとしているし、インスタントの粉で作ったのはうまくないし)。角切りバターを熱いアスパラガスやポテトにかけて溶かすのが好き。このお料理はパンやライスには向かない。ほとんど水のような野菜と塩味じゃあ、「おかず」にはならないもんね。だからポテトが「主食」。もっぱらアスパラガスばかりをわっしわっしと食べる(一人前、最低500gは必要)。白ワインとかシードルを飲みながら頂くのがよろしいようで。その白アスパラガスもそろそろ旬はおしまい。青空産直市で、ぶっといアスパラガスが2キロ入った袋が10ユーロ(1300円ぐらい?)で売られていた。同じようなのを1キロ買っても10ユーロなのに。大安売り。まず1、3キロぐらいを二人でたいらげた。翌日は、フライブルクの寿司レストランで「白アスパラガスの天麩羅」を出していたのを思い出して、作ってみることにした。グリーンアスパラガスの天ぷらは良く作るけれど、白は水気がありすぎると思って、これまで敬遠していた。白アスパラガスの天ぷら posted by (C)solar08皮を剥いて切ったアスパラガスに小麦粉と水の衣をつけて揚げただけ。水が油がはねるあ前に取り出した。こうすれば、まだコリッと歯ごたえがあって、なかなかおいしい。茹でるとつい、柔らかくしすぎてしまって、まるで缶詰のアスパラガスみたいになる危険がある。揚げた白アスパラガスは、ちょっと蕗に似た味がするような気がしたのは不思議(子ども時代に大嫌いだった蕗が今はなつかしい)。ただし、揚げると、アスパラガス独特の風味が消えてしまうような気がする。シイラ♪さんのブログにヒントを得て、メカブ(こちらのマクロビオティク通販で購入した干しメカブ、やたら硬い)蕎麦もどきを作ってみた。納豆がないので、メカブと大根おろしと海苔だけのせた蕎麦に、アスパラガス天麩羅を添えて、天付きザル蕎麦。メカブと大根おろしのザルそば+天麩羅 posted by (C)solar08大根おろしって、どうしてこんなにおいしいのかしらね。ウー、幸せ。イチゴの季節もそろそろおしまい。近郊で採れた、小粒と中粒の熟したイチゴを、合わせて1キロ買ってきた。こちらで買ったケーキの本に、かなり凝ったケーキのレシピがあった。イチゴと生クリームを大量に使うケーキ(トルテ:カステラ生地とクリームを重ねた分厚いケーキ)。ただし、レシピのは直径28cmのケーキ型の分量なので、これを3分の2に減量して小さな型で作った。イチゴの使用量も600gぐらいに。イチゴとパンナコッタのトルテ posted by (C)solar08全卵を泡立てたスポンジケーキの台にミントシロップ(砂糖と水とミントの葉で作った)とレモン汁をふりかけ、大量のイチゴを盛り、その上にパンナコッタの材料のようなクリーム(泡立てた生クリームとレモンの皮のすりおろしとゼラチン液を混ぜたようなもの)を流し入れ、冷やして固め、さらにその上に輪切りのイチゴを並べてナバージュ(ナバージュ用の粉末とカシスのジュースで作った)をかけ、さらに冷やし固めた。型が小さかったので、セルクルからナバージュがあふれそうになって、途中でナバージュを塗りを中止した(残りはゼリーとして食べてみよっと)。これはやっぱり、直径28cmの型で作った方が良さそう。コーヒーを淹れて、ケーキを楽しんだ。生クリームこてこて入りなので、ほんの小さな一切れでもお腹いっぱい。イチゴとパンナコッタのトルテ posted by (C)solar08左奥に見えるのは、本のレシピ。レシピのケーキでは、ナバージュが熱い内にクリームの層に流したらしくて、生クリームの白とナバージュの赤が混ざってしまっている。わたしはナバージュが出来てから数分おいて、あら熱をとったので、混ざらず、ちゃんと分離した。それとも、混ざった方がいいのかな。まさかー。タケノコも蕗もないけれど、毎年、新鮮な白アスパラガスとイチゴが大量に食べられて幸せ!
2015/06/13
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ニワトコの木(左) posted by (C)solar08隣の家の庭のニワトコ(右はジャスミン)今、庭や森の縁や野原の縁では、ニワトコが白い花を咲かせています。ニワトコの花(Holunder) posted by (C)solar08クリーム色っぽい白の清楚な花。香りが独特で、この香りを生かすためにシロップをつくって、水やソーダ水で割って飲み物にしたり、シロップをムースに入れて香りをつけたり。花と水と砂糖で発酵させて、スパークリングワインのような飲み物を作ることもできます。で、今回は両方ともやってみました。ニワトコの花でシロップづくり posted by (C)solar08500gの砂糖を600mlの砂糖に溶かして(熱湯にして)、冷ましてから10本くらいの花穂と2個の無農薬レモンの輪切りを入れて、数日置き、ふきんで越します。40gぐらいのクエン酸を溶かしてから、瓶などに詰めてできあがり。数ヶ月はもつそうです(すっごく甘いから)。このシロップを10倍近くの水やソーダ水で割れば、さわやかな香りで、甘酸っぱい清涼飲料になります。ニワトコの花でスパークリングワインつくり posted by (C)solar08スパークリングワインっぽい飲み物を作るには、水、水の10%ぐらいの砂糖、レモン輪切り(適当)、ワインビネガー少々を混ぜ、暖かい所に置いて、時々混ぜます。数日後には天然酵母が育って、シュワシュワしてきます。そうしたら、布で漉して、頑丈な瓶に詰めて、涼しい所に数日ねかせて、できあがり。わたしは発酵を促進するために、ほんの一、二滴ほどホップ種(バゲット用にいつも作ってある)を入れてしまいました。そしたら、もう翌日にはシュワシュワ。あせった、あせった。がまんして三日後に漉して、瓶に詰めましたが、まだ発酵が続いているので、ガラスのワイン瓶が爆発するのがこわくて(よく起こるケースらしいです)、瓶のふたはゆるめにしめて、冷蔵庫にしまってあります。ニワトコの花のシロップ(左)とスパークリングワイン posted by (C)solar08本当は数日から10日寝かせておくらしいけれど、ホップ種のせいで発酵がさかんなので、次の日にはもう飲む始めてしまいました。これもほのかに甘酸っぱくて、さわやか。砂糖の一部がアルコールに代わっているようで、アルコールに弱いわたしは、顔が赤くなりそう。ニワトコのスパークリングワインっぽいもの posted by (C)solar08スパークリングワイン用の液を混ぜたスプーンで、シロップづくりの液も混ぜてしまったため、シロップの方も発酵はじめてしまいました。酵母の威力ってすごい。スパークリングワインを漉したとき、ボウルの底には澱(おり)、つまりは天然酵母がたくさん残りました。ホップ種の瓶の底の澱に似ています。で、試しに、この澱と水で小麦粉を混ぜておきました。そしたら、一時間後にはブクブク。さらに小麦粉を混ぜて、柔らかいパン生地ぐらいの固さにこねておいたら、これも一時間後には大きくふくらみました。あらー、ホップ種よりも元気、粉イーストよりも発酵がスピーディー!この生地にさらにライ麦全粒粉、胡麻、フラックスシード、オートミール、ふすまなどを混ぜて、適当に焼いたら、カンパーニュのようなパンになりました。もう一回、じっくり試してみよう。残りの花は干して、ハーブティーにします。花が黒い実に代わったら、これも収穫して、ジュースにできます。ただし、絶対に薄めて飲むこと。ビタミンやミネラルいっぱいの栄養豊かなジュースですが、効き目がすごすぎるみたい。ニワトコの花を干す posted by (C)solar08
2015/06/02
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インターネットで偶然に見かけた「すんげぇパン」。ものすごく膨らんで、てっぺんが爆発的になるから、すんげぇのかな。生クリームやミルク、バター、卵が入った生地で焼いた山食。フワフワの食パンを食べなくなってもう20年以上。ドイツにいる限りはこういうパンに出会うことは少なくて、もっぱらバゲットとライ麦サワー生地で焼いたスペルト粉のドイツ的ごつごつパンばかり食べる習慣がついて、もうフワフワパンを食べたいと思うこともなくなってしまった。フワフワパンはなんだか心もとなくて、パンの味を実感できないような気分。菓子パンは好きなんだけどな。でも、このすんげぇパンを見たら、焼いてみたくなった。ドライイーストを使うので、さっさと膨らみ、開始から三時間余りで焼き上がってしまった。どれだけすんげえことになるかと期待したけれど、生クリーム入り食パン posted by (C)solar08残念ながら、わたしの腕ではすんげぇパンほど爆発的には膨らまなかった。ふつうの焼き上がり。でもね、クラムはすっごくしっとりで、きめが細かくて、生クリームやバターや卵のおかげか、ちょっとブリオッシュみたい。ちょうど野摘みのイチゴがやってきたので、このパンをケーキ生地の代わりにすることにした。ふんわふんわのパンに生クリームを山盛りにぬって、イチゴをのっけてはぱくつく(ぱくついたので写真なし)。おいしかったけれど、お腹がすぐにいっぱいになりました。こういう食パンを食べる機会は今後しばらくはないだろうから、もう十年以上食べていない卵サンドを作ってみた。作ったといえるほどのものではなくて、ゆで卵をアボガドサラダの残りとかベーコンキャベツの残りに混ぜただけフィリングのサンドイッチ。生クリーム入り食パンで卵サンド posted by (C)solar08ドイツにはこういう、やわらか食パンの薄切りで作ったお上品なティーサンドイッチってほとんどない。バゲットに中身がたっぷり詰められたサンドイッチがほとんど。久しぶりだからおいしく感じるかなあと期待したけれど、期待はほぼ裏切られた。パンがやわらかくて、ほころびそうで、極薄には切れなかったからかなあ。大昔、子ども時代に食べた、上野広小路の「凮月堂」の一階ティールームのお上品なサンドイッチよりおいしいティーサンドイッチには出会ったことがない。すっごく薄くて、シンプルなのに、あれはおいしかったなあ。とくにポテトサラダのサンドイッチとローストビーフのサンドイッチ。ちょっとマスタードが利いていて、子どもの舌にも繊細なおいしさがわかった(ような気がする)。残念ながら、今はこのティールームはもちろんないし、同じサンドイッチが食べられるわけでもない。日本に行ったときに、「凮月堂」を時々のぞいてみるけれど、店は小さくなってしまって、すっかり様変わりしてしまった。そりゃそうだよね。時代はすんごく変わったんだから。でもちょっと寂しいな。それでも、いまだにゴーフルだけはあるのが、れしい。娘も大好きなゴーフル。日本を思い出すらしい。子ども時代といえば、ふつうの食パンにバターを塗って(マーガリンじゃなくて、絶対にバター)、お砂糖をふりかけて食べるのが好きだった。ジャムでもコンフィチュールでも蜂蜜でもマープルシロップでもなくて、ただの砂糖。で、せっかくふわふわパンを焼いたのだから、これもやってみた。食パンにシュガー+バター posted by (C)solar08フランスのドイツ系ディスカウントスーパーで500g250円ぐらいで買った大安売りのバター。室温においても、すぐには柔らかくならないのがうれしい(嫌いなんです、塗りやすくソフトにしたバターが)。固くて薄くは塗れないので、分厚く塗ったバターにグラニュー糖をふりかけた。すんげぇ不健康なパン。単純なのに、あー、おいし!卵サンドよりもずっと期待に答えてくれた。書いていたら、また食べたくなった。砂糖とバターって、つまりはバタークリームの材料よね。でも、バタークリームにしてしまうと、こってりしすぎておいしいとは感じることができない。バターと砂糖とフワフワパンが口の中でやっと溶け合うのがおいしいみたい。同じ延長でいくと、やはり子ども時代に、冷たいミルクにリンゴの薄切りと砂糖を入れて、スプーンですくって食べていた。イチゴの代わりだったのかもしれないけれど、これも単純だけれど、妙においしかったなあ。生クリーム入り食パン posted by (C)solar08
2015/05/21
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ラズベリーのグラタン posted by (C)solar08どこかのブログで見かけたラズベリーケーキのレシピ。メモしておいたまま、忘れていたレシピ。「ケーキ」を「グラタン」に変えたら、扱いがもっと簡単になった。作り方は超簡単。(2〜3人分)卵1個、生クリーム200ml、砂糖大さじ3、粉(わたしはコーンスターチ)大さじ1、バニラエッセンスかバニラシュガー適当を泡立て器で混ぜて、バターを塗ったグラタン皿に流し、ラズベリー100〜125gを散らして、160度に予熱したオーブンで30分焼くだけ。準備時間は15分です。熱々を食べれば、クレームビュルレのラズベリー入りみたいだし、冷やせば焼きプリンのラズベリー入りみたい。クリームがとろりとしておいしいの。今日は久しぶりに出汁をとった。一年前に九州で買って来た出汁の粉。まだまだたくさん残ってる。ということは、出汁をとる機会はたまにしかない、ということ。この一ヶ月を振り返ってみたら、みそ汁や蕎麦つゆを一度も作ってないことに気がついた。お米を炊くのも、二週間に一度ぐらいかなあ。歳のせいか、和食の方が食べたいけれど、面倒だからな。せいぜい、一人で食べる昼食に、冷や飯を電子レンジで温めて、インスタントみそ汁(フライブルクのアジアショップで見つけた日本製)、去年つくったプルーンの梅干し、焼き海苔、前の晩の残り物を食べるのが、週に一度あるかないか。じゃ、ふだんは何を食べてるかと思い起こしてみれば、昨晩はジャガイモお焼き(というかスイス料理のレスティのように、ジャガイモを粗くおろして、塩胡椒してから、薄い小判型に成形してオイルで焼くだけ。ジャガイモ料理としてはこれが一番おいしいと思う)+アップルソースとサラダだけ。一昨晩はビーフブルギニョン(フランスに数日行っていて、レストランで食べたので家でまねしてみた)に野菜の付け合せ、日本で言う「主食」はジャガイモと根セロリのムース(つまりはマッシュポテトのようなもの)。その前日も魚料理に茹でジャガイモの付け合せ。夕食にパンを食べることはないけれど、「ご飯」を食べることもめったにない。パスタ類も炭水化物の取り過ぎになるから、夕食ではごく時々だけ。BFが典型的な北ドイツ人の好みで、とにかくジャガイモを「主食」にすれば喜ぶから、ふだんは皮付きの茹でジャガイモかオーブン焼きのジャガイモが「主食」。お米を主食、つまりは付け合せにすると、私の方が食べる量が多いことからも、好みの違いがわかる。ただし、ドイツ人すべてがそうってわけではなくて、娘の夫は、ご飯ももりもり食べてしまうから、人それぞれのよう。でも、郷に行っては郷に従えで、わたしもジャガイモ文化にすっかり慣れきってしまった。本当はご飯と焼き海苔とみそ汁があれば、何もいらないと言いたいところだけれど。今晩は数年ぶりにヒレカツ(ドイツ式のシュニッツェルではなくて、日本式のトンカツよ)にみそ汁、ゴボウのキンピラ、刻みキャベツのサラダにしよう。ううう、幸せ。トンカツのパン粉用に、レストランで出されたバゲットの残りをハンドバッグに入れて持ち帰った。自分で焼いたバゲットをパン粉にすれば良いのだけれど、なんだかもったいなくて、、、、(すごいケチです、わたし)。かといって、市販のパン粉は絶対に使いたくないという、おかしな意地があるのです。これまでは、やはり自分で焼いたライ麦サワー種の全粒ドイツパンをミキサーにかけてパン粉にしていたけれど、ごつごつしたドイツパンではきめの細かいパン粉はできないので、フライには向かないことを、やっと自覚した。ハンバーグなどのつなぎとしては味が良いけれど。でも、寄せ集めの固くなった残りバゲットをパン粉にするだけで、30分もかかってしまった(大きなフードプロセッサーでは細かくならないので、小型のに変えたりして)。
2015/05/01
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インスタントプディングパウダー、インスタントカスタードソース posted by (C)solar08ドイツで「プディング」というと、まっさきに思い浮かぶのは、上の写真の右のようなもの。日本のカラメル付きのカスタードプディング(プリン)は、クレ―ム・カラメルとかフランと呼ばれるのが普通のようです。だから、昔ドイツに来たばかりの頃は混乱したのよね。プディングというからカスタードプリンのことかと思ったら、ぶよぶよした黄色いものが出て来たから(子どもの頃、母は家族の誕生日のたびに、砂糖を焦がして作ったカラメルを型の底に敷いた、蒸しプリンを作ってくれたので、フランはわたしには特別思い入れの深いお菓子です)。そして、普通の家庭(つまりはお菓子オタクじゃない)では、プディングと呼ばれるこのぶよぶよは、インスタントプディングパウダーで作ることが多いみたいです。インスタントプディングパウダー(上の写真の右)はすでに19世紀末にはDr.Oetke社からr発売されていたそうです。原材料はコーンスターチと発色剤(カロチン)とバニラの香料。卵黄とかクリームのパウダーはぜーんぜん入っていません。この粉に砂糖を加えて少量の牛乳に溶かすと、牛乳は一瞬でぱっと黄色になります。前もって沸騰直前まで温めた牛乳と混ぜて、1分ぐらい煮立てればバニラの香りのプディングのできあがり。通算10分の調理時間。そのまま数時間おいておくと、写真右のようなプディングになります。つまりはミルクをデンプンで固めた黄色い色つきのブラマンジェで、フラン(カスタードプディング、プリン)とは似ても似つかない質感のものです。でもそれなりに食べられてしまうのが、不思議です。このところ、カスタードクリームっぽいものと生のリンゴをフィリングにして焼くアップルタルトにはまっていて、というか簡単にできるからこればかり作っていて、わたしなりにあれこれ工夫しました。あるときは「本格的に」フィリングのクリームをサワークリーム、卵黄、砂糖、バニラビーンズ、レモンの皮のすりおろしで作って、空焼きしたタルトの生地に生のリンゴを並べ、その上からクリームを流して焼きました。その結果はこれ卵黄や生クリームでちゃんと作ったプディングをフィリングにしたアップルタルト posted by (C)solar08写真のケーキが反り返って、表面が白っぽいのは、冷凍しておいた最後の一切れを撮影のために取り出して、すぐに撮ったから(すぐに食べる予定がないので、解かしたくなくて)これはこれで、おいしかったのですが、あるホテルのカフェで食べたような味がしないんです。で、次は最初の写真のインスタントプディングパウダーを使用。このメーカー自体が出しているレシピ本には、当然ながら、このパウダーで作ったブディングをフィリングにする例が出ています。ふつうは一袋のパウダーに500mlの牛乳を使うのですが、代わりに生クリームと牛乳を半々にして作ります。私は牛乳を常備していないので、生クリームとスキムミルク+水で代用して、粉といっしょに煮立ててプディングの出来上がり。あとは「本格的」方法と同じように、空焼きしたタルト生地(今回はアーモンドパウダーも混ぜ)に生のリンゴを並べ、プディングをもったり上から投げ込んで、45分ぐらい焼いて出来上がり。その結果がこれインスタントプディングパウダーと生クリームで作ったフィリング入りのアップルタルト posted by (C)solar08これも冷凍庫から出したばかりの冷凍状態食べてみたら、こちらの方がおいしいの!!インスタントなのにー、卵黄もバニラビーンズも入ってない、ただのデンプンクリームなのにー!一度これをよそのお家にコーヒーに呼ばれたときに持って行ったら(招待してくれた女性はケーキ作るのメンドクサイとかで)、おいしい、おいしいと喜ばれて、直径26cmのケーキがすぐに消えた(食べた人は4人)ので、インスタントパウダーを使ったことは言わないでおきました。プディングパウダーと同様の成分で、ヴァニラソース(カスタードソース)パウダーという粉も売られています。つまりはデンプン粉の量が少なくて、ゆるゆるのソースになるだけです。これも牛乳と砂糖を加えて煮るだけ。アップルシュトゥリューデルのような、バニラソースをかけて食べた方がおいしいケーキに使います。これも便利。ある時、BFの姉(グルメでうるさい)のところにシュトゥリューデルといっしょに、このインスタントソースを持っていったら、お皿をなめんばかりにきれいに平らげてくれました。「ソースがおいしいわ」っと言いながら。このときも、インスタントパウダーで作ったことは言わないでおいたわ。夢は壊したくない。でも、不思議です。どうしてデンプンの粉と牛乳と砂糖とバニラエッセンスだけで作ったソースがおいしく感じられるのか。もし発色剤が入ってなくて、これがただの白、ミルク色だったら、同じようにおいしく感じるのだろうか、、と。ちなみに、ソースパウダーもプディングパウダーも値段が安いです。まあね、材料の大半は少量のデンプンだけだもんね。当たり前といえば当たり前。大手で老舗のDr.Oetker社の製品は3袋入り(つまりはミルク1500ml分)で日本円にして160円ぐらい、ソースも同じぐらいの値段。これでも安いといえますが、別のメーカーの類似商品は同じ量で80円ぐらい。原料表示は同じなので、思わず迷います。味は違わないような、、、、。それにしても、ちょっと残念です。ちゃんと卵とクリームで作った「本物」よりもインスタントの方がおいしく感じられるなんて。他の料理にも時々こういう例はあるようですが。わたしたちの舌がおかしくなっているのかしら。拾ってきたレンギョウの枝が満開 posted by (C)solar08
2015/03/22
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パネトーネ posted by (C)solar08食べたくも作りたくもない料理やお菓子を、他の方のブログでたまたま見かけると、急にそれを作ってみたくなることがありませんか。私はしょっちゅう、そうなります。チョコレートは歳のせいか、食べる気が起こらないのに、ネットで生チョコを見たら急に興味がわいて、わざわざ板チョコを買いにでかけて、生クリームと合わせて作りました。チェリーの洋酒漬けをフィリングにして、それなりにおいしいチョコレートができたけれど、できあがった頃にはチョコレートの香りにげんなりして、食べる気にもなれませんでした。オレンジピールも全然好きではないのに、ブログでたまたま見かけたら、作りたくなりました。無農薬のオレンジを買って、中身はフルーツサラダに入れて、皮を三回茹でこぼしてから、砂糖で煮詰めて、出来上がり。あら、オレンジピールってこんなに簡単だったなんて、知らなかったわ。オレンジピールがこんなに出来ても困る。そしたら、だるまや。さんのブログでパネトーネをお見かけして、パネトーネにオレンジピールが入るのをはじめて知りました。季節はずれだけれど、急に作ってみたくなりました。生地はドイツのお菓子づくりの本のレシピで作りました。ただし、牛乳を生クリームに代えて。牛乳を常備していない(使うことが少ないので、すぐにヨーグルトになってしまう)くせに、生クリームだけは安い(ドイツでは一番安い商品は200ml、80円ぐらい)のでいつも冷蔵庫に何カップもあるから。小麦粉400g、ドライイースト、生クリーム200ml、砂糖100g、バター100gk強、全卵1、卵黄1、塩少々、ラムレーズン、オレンジピール(オレンジ2個分弱)。パネトーネ型はもっていないので、直系18cmのケーキ型にベーキングペーパーを敷いて高さを倍ぐらいにして焼きました。パネトーネって焼くのに時間がかかるのですねえ。コンベクションで170度で焼いたのですが、50分たっても真ん中は生でした。1時間10分ぐらいかかってやっと焼けました。焼きたてのパネトーネに砂糖と水とオレンジリキュールをさっと煮てつくったシロップを塗りました。生クリーム入りのパネトーネ posted by (C)solar08シロップが効いたのか、生クリームを使ったのが良かったのか、予想していたようなパサパサ生地ではなくて、しっとりして、とてもリッチな味のケーキになりましたよ。冷めても、翌日に冷蔵庫から取り出した直後でも、固くならず、しっとりのまま。BFの姉がよく、イタリア人が経営するデリカテッセン店でイタリア産の「高級」パネトーネを買うのですが、レーズンパンみたいなもので、おいしいとは思えなかったの。自作のこれなら、パネトーネも悪くないわ。我ながら驚いて、食べたくなかったはずなのに、ぺろっと食べてしまいました。この方法でシュトレンも作ったら、パサパサじゃあなくなるのかしら。ブリオッシュもこの生地ならしっとりするのかな。卵黄1個を使ったので、卵白1個分が余ってしまいました。捨てるのはもったいないので、これをメレンゲにして、砂糖100g、ココナッツファインとアーモンドパウダーを適当に混ぜて、スプーンですくって、天板にならべ、パネトーネを取り出した後のオーヴンに入れて、設定温度を80度に下げて2時間!!(これもドイツのお菓子本のレシピです)。ココナッツマカロン posted by (C)solar08のようなものマカロンと呼ぶのは恥ずかしい形ですが、味はマカロン。こうして、食べたくもなかったのに二つのお菓子を作ってしまいました。作る欲だけはまだあるのよね。哀しいのは、食欲がおとろえるという「老化現象」。欲をとりさったら、後は何が残るんだろう。
2015/03/08
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ホップ種のバゲット posted by (C)solar08前回のドイツ的パンはまあこれ以上望むこともないけれど、バゲットはいまだに手探りです。クープはね、オーヴンのスチームがバンバン出れば、どうやっても開くということがわかりました。ふだん使っているのは、スチーム調理やスチームを時々わずかに入れながら焼くことができる、いわゆるコンビオーヴンで、蒸気が数分置きにバカバカ出ます。だから、私は予熱の間だけ蒸気コンビのプログラムにして、生地を入れたあとはすぐにコンベクションに切り替えます。それでも庫内に蒸気がたっぷり残っているし、オーヴンの底面の丸い水入れに熱い湯が残っているので、庫内には最後まで蒸気があります。そのおかげで、クープだけはどんなことがあってもぱっくり開いて、帯切れもしばしばです、というかいつも帯切れです。一方では、気泡はいまだに大きく開きません。ドイツのスチームコンビオーヴンは蒸気は満点だけれど、どの機種も(たとえ50万円のでも)最高温度が230なところが難点です。だから、気泡が小さく、クラムが詰まるようなのは、最高温度が低いからかと、オーヴンのせいにしていました。それに、これまで「節電」のために、バゲット二本を同時に焼いていました。これじゃあ、生地を入れたときに、庫内の温度が下がってしまうのは承知でしたけど、なんかもったいなくてね。で、先日、「思い切って」(おおげさ)一本ずつ焼いてみました。コンベクションのオーブンなので、230度でセットして、表示が230度に達しても、生地を入れずにガンガン炊き続けると、実質温度(温度計を別に入れておいています)は、240度近くにはなります。そうなってから、生地を入れます。一本焼きだから、気泡は二本焼きの場合よりも、大きくなるはずと期待したのですが、結果は、クラムが詰まって普通のパンのようになってしまいました。写真は当然なしです。がっかりして、次のときは再び、二本で焼きました。だから、生地を入れたとたんに、オーヴン内の温度は少し下がります。でもね、今回はホップ種のバゲット posted by (C)solar08あいかわらず詰まっている部分が多いけれど、わたしとしてはかなり気泡が開いた方。別の箇所はもっとボコボコでした(全部をお見せできないのは、バゲット一本を四個に切り分けて3個を冷凍し、4日にわたって毎日1区分ずつ食べる(一日一回分長さ4センチ)ので、焼けた直後にすべてを縦割りするわけにはいかないから)。こういうことが、これまでにも何回かありました。くじに当たったみたいに。ということは、気泡の大きさは必ずしもオーヴンの最高温度に左右されるわけではない、ということですよね。発酵や水分の状態によっても、気泡の大きさは大きく変わるみたいで、ますますわからなくなりました。最高温度が300度以上出せる、セミプロ用のオーヴン(中が三面シャモットレンガ張り)で焼いても、それほどの気泡は開きませんでした。気泡のためだけに、大枚はたいて買ったのに。おまけに、このオーヴンは蒸気が出ないので、大型スプレー(園芸で農薬をまくための)で水を噴射したけれど、タイミングが悪いのか、量が足りないのか、クープはスチームコンビオーヴンのようには開きません。すばらしいオーヴンであるのは確かだけれど、なにしろ予熱に1時間半以上かかるので、たった20分のバゲットのために使う気になれません。パンを焼いたあとの余熱(スイッチを切ったあとも、庫内は5時間ぐらい100度以上が続く)でケーキを焼き、肉をとろりと煮たりできるのはすばらしいのですが、前から準備をしておかなければならないので、思い立って焼くということができないのです。===さて、昨年のクリスマス前には、ドイツのレシピで、とてもぱさっとしたシュトレンを焼いてしまいました。それがくやしくて、今回は志賀さんのレシピをちょっとお借りして、ドライフルーツがぎっしり詰まった「日本式シュトレン?」を焼いてみました。ただし、カロリーがあんまりなので、外側のバターと砂糖のコーティングはなし。日本のレシピで焼いたシュトレンもどき posted by (C)solar08洋酒に漬けたレーズン、プルーン、イチジク、クランベリーとクルミがフィリングです。たしかにね、こちらの方がしっとりとして、味がリッチでおいしいわ。でもねえ、これはドイツではシュトレンとしては通じないでしょうね。周囲にプレゼントしたら、みんな「おー、フルーツケーキ」と言ってましたから。いつものパサパサっぽいシュトレンの方がドイツでは好まれるみたいです。所変われば、、、ですね。
2015/02/06
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なんてタイトルを偉そうにつけるのはおこがましいですが、ふりかえってみれば、今も毎週継いでは使っているライ麦サワー種は、起こしたのが2008年、7年も継ぎ続けていることに我ながら感慨をおぼえます。っていうか、時間が経つのがいかに速いことか(あっという間に7才も歳をとったということで)。で、どうやってライ麦サワー種を継いでいるかをちょっとね、紹介しますね。ライ麦サワー種の起こし方は、2008年のこの記事に詳しく書いておきました。ライ麦の粉と水を混ぜておいておく、を5日間くりかえして出来上がった種です。市販のスターターは使っていません。それ以後は次のようにして継いでいます。1 まず、前回継いで、一部だけ取り分け、ライ麦全粒粉を適当に加えて混ぜて冷蔵しておいたサワー種を冷蔵庫から取り出して大きなボウルに入れます。継ぐ前のライ麦サワー種 posted by (C)solar082 1に(私の場合は大量のパンを焼くので)ライ麦全粒粉(全粒粉でなくても良いですが、なるべく灰分の多いものを使いたい)400gと水400ccを入れて、よく混ぜます。300gずつでもオーケー。粉と水がほぼ同量である点が大切。混ぜたら、室温で12〜18時間おいて、発酵させます。継ぐ前のサワー種に水とライ麦粉同量を加えて混ぜた種 posted by (C)solar0812時間後には12時間発酵させたライ麦サワー種 posted by (C)solar08今回はわざと水の量を少なめにしたので、あんまり盛り上がってはいません。水を多くすればするほど、膨らみます。でも、これぐらいでも大丈夫。3 これでザワー種の継ぎは完了です。継ぎが完了したザワー種のほとんどは新しく焼くパンに使います。ただ、ほんの一部(1のところに書いた、継ぐ前のサワー種とほぼ同量)だけを取り分けておいて、ジャム用の瓶などに入れ、一部を取り分けたライ麦サワー種 posted by (C)solar08新たにライ麦粉を加えて(量は様子を見ながら、種がそぼろ状になるぐらいにする)、混ぜて冷蔵庫に保管します。継いだライ麦サワー種にライ麦粉を足して混ぜて保管 posted by (C)solar084 乾燥サワー種3の「ほんの一部を取り分ける」というのを忘れると、パニック状態になります。だって、これこそが次のサワー種のスターターになるわけですから、これがなくなったら、ライ麦粉と水を混ぜて、、、という作業を5日間くりかえさなければなりません。知人にサワー種をあげてスターターとして使っていただいたことがあるのですが、その方はあるとき、取り分けを本当に忘れ、自分で起こさなければならなかったそうです。で、そうなったときの保険のために、瓶やボウルにこびりついたサワー種をクッキングペーパーに薄く塗り付けて、乾かしたドライサワー種を冷蔵庫に保管しています。乾燥させたライ麦サワー種 posted by (C)solar08長期旅行に出かけたときに、一度だけ、試してみたことがありますが、うまく使えました。適当に水に溶かして、2の作業をするだけです。5 サワー種の長期保存3のところで準備する、次回用のサワー種は粉を多量に加えて、乾いた状態にすればするほど長持ちし、冷蔵庫で2週間は保管できますが、一ヶ月以上留守にする場合はカビとか雑菌の繁殖が心配になります。そういうときは、乾燥サワー種にするか、思い切って冷凍します。ただし、次に使うときに、2の過程がうんと長くかかります。冷凍されて眠っている細菌が活発になるには時間がかかるから。でも、生きていてくれたのには驚きました。でも、乾燥されたサワー種の方が起きるのが速いようです。3でできたライ麦サワー種だけに粉を加えても、生地は十分にふくらみます。量の目安としては、サワー種の重さ(粉と水の割合がほぼ1対1だから、粉の倍の量)と同じだけの粉の量まで混ぜても焼けます。それより少なければ、もちろん大丈夫。ただ、最近は、ドイツパンを焼くときに、2のようにしてサワー種を準備するだけでなく、同時に400gのスペルト麦粉とホップ種と水(合わせて400cc弱)で元種をつくっておきます(冷蔵庫で一晩発酵)。味が複雑になるような気がして(気のせいらしい)。あるとき、ホップ種の元種を忘れて、サワー種だけで焼きましたが、できあがりは同じでした。味も。ホップ種とスペルト小麦の元種 posted by (C)solar08ホップ種を使った元種を作った場合には、翌日、ライ麦サワー種(800g、内粉の量は400gぐらい)とこの元種(800g弱、内、粉の量は400g)、新たにスペルト麦粉400g、塩20g、パン用スパイス(キャラウエイ、フェンネル、アニス(八角)を挽いたもの)適当、ヒマワリの種、フラックス種、はと麦のふすま(健康に良いらしい)カップ半から1ぐらい、などなどを加えて、10分ぐらい捏ね(電動ミキサーの捏ね用ニーダー)ます。つまり、合計1200gの粉(ライ麦3分の1、スペルト麦3分の2)にその他もろもろを混ぜたわけです。この種を型(長い食パン用型1本とパウンドケーキ型1本)に入れ、胡麻をふって、3時間ぐらい発酵させます。ライ麦サワー種とスペルト麦その他を混ぜ・捏ねて二次発酵 posted by (C)solar08発酵後、250度(わたしの蒸気調理コンビコンベクションオーヴンは230度が最高なので、しかたなく230度で始めて、徐々に温度を下げて、合計1時間ぐらいで焼き上げます(長い食パン用型のは1時間10分、同時に二本焼けます)ライ麦サワー種+スペルト麦粉ホップ種+スペルト麦で焼いたパン posted by (C)solar08これで出来上がり。長い方のパンは二分するので、合計3本のパンになります(2本は毎回、あげてしまうので)。サワー種のパンは、買ったものはかなり酸っぱいですし、そもそもドイツ人は酸っぱいパンを食べたいからサワー種を使うのですが、私のサワー種のパンはどういうわけか、あまり酸っぱくありません。良いのは、このパンは日にちがたっても味が落ちないところです(バゲットなどと違って)。落ちないどころか、味が落ちついて、おいしくなるような気がします。毎朝、このパン、すっごく薄く切った2枚にチーズ少量と前の晩の残りのサラダかキュウリのピクルスとかをのせて食べるばかりなのに、これだけは一年中食べても飽きないから不思議です。ご飯に漬け物とみそ汁みたいなものかなあ。でも、昼とか夜にはパンを食べたいとは思わないのも、不思議。ライ麦サワー種+スペルト麦その他で焼いたドイツパン posted by (C)solar08
2015/01/31
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クリスマスが終わってから、ドイツは雪だらけ。こういうとき、家の中でヌクヌクできる幸せを、いまさらながらありがたく思います。クリスマスといえば、イヴはレストランでやり過ごしたあと、二日続けて久しぶりに大きな料理をしました(って、結果は大したことなし)。鴨ロースト+紫キャベツの煮込み+茹でポテト+ブロッコリー posted by (C)solar08ディスカウントスーパーで24日(イヴの日は半日でどこも店じまい)の11時に最後に残った一羽の鴨が3割引になっていました。それに気がついたのは、レジまで持ってきてからだったけれど、そうでなくても安かった。もう何年も鶏肉は食べないようにしています。狭い所に何万羽が大量飼育され、抗生物質たっぷりの配合飼料を食わされているのを考えるとね。いざというときに耐性菌ができていて、効かないと困るから。鴨の場合も事情は同じらしいのですが、つい欲にかまけて、買ってしまいました。もう歳だから、いいよね。ふだん抗生物質は飲まないから、たまにはいいよね。鴨は手羽先や首は切り落とし、塩胡椒をもみこんで、お腹にリンゴ、プラム、タマネギ、オレンジ(皮なし)、マージョラム、ローズマリー、塩こしょうをたっぷり詰め、2時間以上、じっくり焼きます。鴨は皮下脂肪がニワトリよりもずっと厚いので、脂肪がとけて出て行くまでじりじりと焼くのです。焼かれている様を見ていると、石川五右衛門を思い出しました。脂が毛穴から出て、たらたら落ちる様子がね。こうして焼いた結果、ローストの受け皿には厚さ数センチもの脂がたまり、皮下脂肪を落とした皮は飴色にカリカリになって、とてもおいしいの。肉よりも皮の方がおいしいくらい。鴨の丸焼き posted by (C)solar08この段階では、まだ皮がカリカリになってない。もっと焼いて、もっとカリカリにした。焼いている間にソースを作ります。鴨の手羽先や首を十分炒めてから、人参、タマネギ、ポロネギも炒め、ローリエその他のスパイスと共に、半リットルの赤ワインと同量以上のフォンドかブイヨンで2時間近く弱火でコトコト煮ます。バーミックスで粉々にしてから、ザルで漉し、ローストから出た汁(脂肪をすべて除去した残り)も加えてさらに煮詰め、味を整えて出来上がり。私は醤油をちょっと加えます。ソース作りは、目の細かいザルで漉すだけでも時間も手間もかかるけれど、それだけの甲斐はあります。27日はBFや彼の子ども+親戚、合わせて6人を招いてのアフタークリスマスディナー。BF姉に「前菜にまた揚げワンタン作って」と言われたけれど、チマチマしたものをたくさん揚げるのは面倒なので、今回の前菜は、春巻きにキノコのソテー添え、それとマーシュのサラダ(クルミ入り)。前菜(エビ入り春巻き、エリンギ、椎茸、クランベリー) posted by (C)solar08エビたっぷり+マッシュルーム+野菜+カレー粉、そしてチーズの細切れをフィリングにした春巻きと、エリンギと椎茸のソテー、これに生クランベリーのワイン煮を添えました。キノコとクランベリー添えのアイディアは、イヴに行ったレストランの前菜の真似。ドイツ人って、揚げワンタンとか春巻きが好きなんだねえ。中身たっぷりではち切れそうに大きな春巻きなのに、誰もが二個をたいらげてました。メイン料理のラムの塊が待ち構えているというのに。春巻きのフィリングにチーズを入れたのが良かったのもしれません。ラムのローストも、ソース作りに一番手間がかかります。ラムのもも肉(骨なし、1キロ半の塊を2個)は今回は醤油麹、オリーヴ油、ローズマリー、ニンニクとショウガの漬け汁に一晩マリネしておいて、オリーブ油をしいたフライパンで表面を数分炒めてから、オーヴンに移して、100度で2時間半ぐらい低温焼きしました。こうすると、肉がとても柔らかく、内部はピンク色になります。その間に別にもらったラムの骨を十分炒めてから、タマネギ、人参、セロリの根も炒め、さらにはトマトペーストも炒め(こうすると酸味がまろやかになるらしい)、半リットルぐらいの赤ワイン、フォンド(なければ水かブイヨン)、タイムなどといっしょに、これまたコトコト二時間ぐらい煮て、バーミキサーで粉砕してから、目の細かいザルで漉して、さらに煮詰めてできあがり。鴨のローストのソースと煮てます。時々、ジャムとかを隠し味に入れることも。ラムのローストには、「主食」(つまりはライスやパンの代わりになる付け合せ)はジャガイモが一番。普段は茹でジャガイモで済ますのですが、今回はお客を呼んでのディナーなので、ポテトグラタン。ドイツやフランスのポテトグラタンは、薄切りの生のジャガイモを重ね(一段ごとに塩胡椒しながら)、生クリームをたっぷりかけ(あるいは溶かしバターを1カップぐらい)、ナッツメッグやニンニクをおいて焼いたものがふつう。P1000978 posted by (C)solar08焼く前の段階。あちこちにバターを置き、生クリームをそそぐ。この状態で焼いたあと、わたしは最後におろしチーズをかけて、もう一度焼いて焼き色をつけます。これが一番おいしいグラタンだと思っています。ローストの付け合せはこの他に、黄色と紫色の人参のソテー、インゲンとベーコンのソテー、芽キャベツのソテーにしました。ラムロースト+ポテトグラタン+野菜付け合わせ+ソース posted by (C)solar08前回はオーヴンが設定温度よりも熱くなりすぎて、焼きすぎてしまったけれど、今回はバッチリピンク色にとどまってくれて、まあまあ成功。3キロも用意した肉の3分の1が残ったし、鴨の骨にもまだたくさん肉やカリカリの皮がはりついているしで、次の日も、そして今日もまだ鴨とラムの日が続きます。でも、お客たちに「春巻きおいしい」「ラムが柔らかーい」と喜んでもらうと、たまにはこういう手間をかけてもいいかなあ、と思ってしまいます。レモンムースとフルーツサラダ posted by (C)solar08デザートにはフルーツサラダと、BF姉が作ってきてくれたレモンムース。一ヶ月前に作ったシュトレンもすっかり平らげられ、お客たちと夜中の3時まで遊び、しゃべりましたよ。
2014/12/29
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マジパンとアーモンドクリーム入りシュトレン posted by (C)solar08家にいると、時間がたつのがとても速いと思います。旅に出ていると、一日の中身が濃いためか、一日がとっても長いように思えるのに、自宅で日常生活をこなしていると、一週間、一ヶ月が一瞬で過ぎ去っていきます。「主観的相対性理論」とでも呼びたくなります。というわけで、またしてもクリスマスが目の前に迫っています。フライブルクの町の真ん中では、もうクリスマスマルクトが始まりました。通りかかっても、見て回ることもなくなったほど、日常化したマルクトですが、年ごとに大きく広がっているのは町にとっては喜ばしいことでしょう。フランス語やスイスドイツ語が飛び交います(どちらもここから近いから)。で、「もう焼かない」と決めたはずの(去年もそう言っていたと、だるまや。さんが教えてくれた)シュトレンを、どういうわけか6個も焼き(バターとフルーツ少なめにしたら、パサパサ目になった模様)、翌日にはフルーツブレッド(ベラベッカとかフッツェルブロートとも呼べるような代物)ドライフルーツブレッド posted by (C)solar08を作るために、大量のドライフルーツ洋酒漬けと少量の生地を無理矢理こねているところに、ブザーが鳴って、小包が届き、作業を中断して小包を開けたら、だるまや。さんから頂いたシュトレンと焼き菓子 posted by (C)solar08あらあら、おいしそうなお菓子。自分のフルーツブレッドはわきにどけて、立ったまま、いただいたフィナンシェを一つパクリといただいてしまいました(お行儀悪いけど、誰も見てないからい、いいの)。バターの香りとしっとりした食感、幸せ。だるまや。さんのシュトレン(中身はだるまや。さんのブログでご覧ください)は濃厚で豪華で上品なお味。バターがすばらしく効いています。太りそうなので、一回に一切れが限界です。わたしのパサパサシュトレンとでは、同じお菓子とは思えないほど外見も中身もちがいますが、色々なレシピで色々な味を生み出されるというのも、いいですね。というわけで、わたしのクリスマス作業はこれでおしまい。クリスマスクッキーはドイツ人にまかせます。多くの家庭では、この時期になん種類ものの手のかかるクッキーを作る習慣があります。娘夫のお義父義母さんやその友人などが作るさまざまなクリスマスクッキーは味といい、外見といい、プロ並み。売っている高いクッキーよりもおいしいのです。久しぶりに子ども時代のクリスマスを思い出しました。日が近づくと、母と一緒に根津の町に出かけて、花屋さんで鉢植えの小さなモミ(今から思うとドイツトウヒだったかも)買ってきて、ささやかに飾り付けたものです。当時の私の目には、ラメの飾りがとてつもなくきらびやかに見えました。脱脂綿を雪代わりにしたなんて、今から思えば、なんと質素だったことか。いくつかのガラス玉だけが、華やかに輝いていました。イヴにはちょっとお祈りもして(母がクリスチャンだった、その他の家族は無宗教)、みんなで賛美歌を唄って(音痴の父も声高らかに音をはずして唄った)から、ローストチキンではなくてブイヤベースとサフランンライス(サフランは漢方の薬局で買ってきていた)のごちそう(?)で質素に祝うのが習慣でした。そして、イヴの晩はなかなか眠りつけなかったものです。だって、夜中のいつかに、母がこっそりと枕元に贈り物をおいてくれることを知っていたから。「いつ、置いてくれるのかな」とドキドキしながら、眠ったふりをして待っていました。何をもらったかはまったく忘れてしまいましたが、本が中心だったような、、、。子ども時代には、その時その時に体験する行事やできごとの一瞬一瞬を楽しんだり、悲しんだりしたものです。未来のことなど案じることもなく、考えることもなく。永遠に続くものなど、世の中にはない、という事実を知ることもなく。その呑気さが、子どもの特権なのかもしれません。あーあ、子どもに戻りたい。
2014/11/29
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そうじゃないかなといつも思っていたことが、また証明されたような気がしました。昨日のこちらの新聞に、サントリーウイスキーの「山崎シングルモルトなんとかかんとか」が世界で最高のウイスキーに選ばれたというニュースが載っていました。本場であるスコットランドのウイスキーをとっくに凌駕しているのだそうですね。いえいえ、このことをいつも思っていたわけではありません。ウイスキーは、学生時代に日本のある修道院付属での合宿で、コーラ割りでがぶがぶ飲んで(甘いから飲めてしまう)、そのあとものすごいひどいことになり(逆流)、翌日は「これがかの二日酔いというものか」と実体験していらい、いくらおいしくても飲む気にはなれません。老いた今では、アルコールはおしなべてダメですが。ウイスキーについて、サントリーがスコットランドの真似ではなく、独自に味を追究、開発してきて、質の高いウイスキーを完成させたという内容の記事のあとに、新聞にはこう(内容をかいつまめば)書かれていたのです。「そもそも日本の食事は本場を越える質の高さに達している。中華料理は中国よりもおいしく、ピッツァやバケットはイタリアやフランスをしのぐ」ねっ、ねっ、そうじゃないかとは思っていたのよ。まあ、ピッツァはどちらの国でも試したわけじゃないから、わからないけど(ただし、スパゲッティはボローニアの街角で食べたのがどこのよりもおいしかった。シンプルなのになんとも言えずおいしかった)。バケットは、夏に出かけたパリでも、コートダジュールでも、いつもまあまあの味。日本には本当においしそうなバゲットを売る店がいくつもあるようだし、家庭で焼かれているバゲットもみなさん相当の質で、いったいどうしてそうなのだろうと不思議でしかたがないのです。その理由の一つは、どうやら日本人の方がおいしい食事にお金を出そうという姿勢があるからのようです。日本のエンゲル係数は23パーセントぐらいですが、ドイツのそれは15%ぐらいらしい。これは別に日本の方が貧しいというわけではなくて、ドイツ人は食事にお金を出そうという意欲が少なくて、イギリスよりもフランスよりも安値の食材を買うそうです(例外は別、一般的に言ってです)。食よりも、住居とかバカンス(なんたって6週間あるから)にお金を遣いたいらしいのです。テレビの食物問題についての番組でも言っていましたが、ドイツはヨーロッパのゴミ箱などと呼ばれているそうです。「安ければ、たとえ品質が悪くてもよい」という消費者が多いので、良いものはイギリス、フランス、オランダにまず輸出されて、最後に残ったひどいもの(ただし外見だけは見栄えが良い)がドイツに入ってくるのだそう。実際、ディスカウントスーパーチェーンでは、どうしてこんなに安くできるのかと思うほど安い食品が並んでいます。そうしないと売れないの。ビオの食品でも、最近は安い外国商品がたくさん入ってきて、そのせいで、国内のエコ農業農家が競争に勝てず、せっかくエコに切り替えたのに、また従来農業に戻って行く傾向が高まっているそうです。日本の状況を見て、いいなと思うのは、いわゆる自然農法の野菜やお米や穀物を小規模に生産する方々が全国にいらっしゃって、こうした農家が大手のスーパーではなくて、個人の家庭や一定のレストランと契約して宅配などで売ることで、生計をたてていること。おいしくて安全で健康で、生産者の顔が見える食物にたいして、ある程度のお金を払おうという意思のある消費者が十分にいらっしゃるからこそ、こういうことができるのだと想像できて、すてきだなと思います。ドイツでもエコ農家の宅配や会員制度(会員が毎週、乳製品や野菜を注文し、毎週決められた配給場所に取りに行く)もありますが、マイナーな存在です。それでも、どこの町にも市にも青空直売市が毎週あるので、そこで地元の新鮮な野菜を直接生産者(従来型であれ、エコ農家であれ)から買うことができるので、地元農家を応援し、良い食材を手に入れることはできます。それなのに、せっかく青空市があっても、そのすぐ近くの大手スーパーで野菜(輸入物の安い品が中心)を買う人が多いのは、やはり安さが理由なのでしょうね。いつも「残念だなあ」と思ってしまいます。まあね、安いと手がつい出るのは、私も同じだから、他人のことをとやかく批判することはできませんけどね。もう一つ、日本では有機農法のさらに先をいく、自然農法(無肥料栽培)が広がっていることにも、興味があります。なるほどねえ。時間や手間はかかるでしょうけれど、納得の行く方法。いつか私も食べてみたいなあ。ドイツでは有機農業は盛んでも、無肥料栽培は聞いた事がないです。どこかにはあるのかなあ。
2014/11/21
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牛肉入りタジン posted by (C)solar08モロッコといえばタジン鍋の料理どこへ行ってもタジン、タジン。どのレストランでもタジン、タジン。タジンのほかはサラダとピッツァぐらいしかないんじゃないかと思うほど、タジンばかり。金曜日の昼食だけクスクスを出すレストランが多いそうです。これもタジン。でも、タジンといっても色々なんですね。旅の最初に質素なドライブインで軽い食事のためにオムレツを注文したら、タジン鍋が出てきました。蓋を開けたら、オムレツをトマトとタマネギのソースで煮たようなお料理。熱々でおいしかったです。モロッコのオムレツタジン posted by (C)solar08昔、祖母が「トマ卵」といって祖父のために作っていたのを思い出しました。あの、家事も料理もほとんどできない(しない)祖母が作る数少ない料理(といえるかどうか)でした。祖母のは、トマトをバターで炒めてからそこに卵をかけて両面焼いたもの。祖母が病気のときには代わりに作らされたものです。で、結婚してから、あるときこれを作ったら、ふだんは料理に何にも文句を言わなかった夫から、「悪いけど、これチーズみたい臭いがして食べられない」と言われ、びっくりしたものです。トマトと卵をいっしょにすると、チーズの味??とはね。このモロッコのタジン・トマタマの方がおいしいわ。ちなみに、ふつうのレストランにはふつうのオムレツがいつもあります。カリカリに焼いたオムレツが(衛生上は良いかも)ふつうのタジンは中心に大きなぶつ切りの肉、その周囲をポテト、ズッキーニ、人参、ナス、インゲン、トマトなどの野菜がおおって、野菜と肉の汁だけで蒸し煮にしたタイプがほとんど。ベジタリアン用に肉なしのもあります(こっちの方が高い場合もあり)。そういえば、多くのタジン料理には、日本のカブに煮た味のカブがたくさん入っていて、なつかしかったです。味はカブと大根の中間みたい。ちょっとおでんみたいよ。こういうのもありましたよ。トマトとミートボールのタジン posted by (C)solar08小さなミートボールのトマト煮みたいなタジン。ミートボールのタジンには最後に卵でとじたタイプのと、卵なしでもっと野菜たっぷりのに出会いました。首都のラバトにつく前に、通りがかった町では店先にかまどを置いて、その上にタジン鍋を並べて屋台のように食べるレストランがいくつもありました。店先に並んだタジン posted by (C)solar08作っているおじさんが作り方を説明してくれました。タジン料理の作り方を説明してくれた人 posted by (C)solar08鍋にまずは千切りしたタマネギをたっぷり敷きます。その上に、大きくぶつ切りしたラム肉をのせます。その上にまたまたたっぷりタマネギをのせ、肉を覆うようにします。こうしてできた肉とタマネギの山に厚さ1から2センチのジャガイモ、棒切りの人参などの野菜を「たてかけます」山のてっぺんにトマトを一切れのせてから、またまたタマネギの千切りをのせます。オイルをたらしかけ、塩こしょうをたっぷり振ってから、蓋をして二時間以上蒸し煮するそうです。これは屋台だから、いきなり野菜も入れてしまうのでしょうね(手間をかけないように、本当はスパイスもきかせるはずなのに、これも省略してた)。本当は肉だけを二時間ぐらい煮てから野菜を入れるみたい。だからレストランによって、野菜がトロトロになっていたり、そうでなかったり。この屋台のは、タマネギがトロトロにとけ、鍋の底のはこげついて真っ黒というかキャラメル状になって、これはこれでいけました。タジンの良いところは、水などの液体をまったく加えないので、野菜と肉の味をじっくり味わえることなのではないかと思いました。いくら食べても飽きない料理でもあります。タジンの前に「前菜」としてよく食べたのはモロッコサラダ。トマトとタマネギを細かく刻んでミントやキュウリ少々を加えただけのサラダ。これがドイツで食べるよりおいしいから不思議。思うに、トマトが昔ながらの自然なトマトで、味が濃いからかもしれません。モロッコのトマトサラダ posted by (C)solar08一番最初のオムレツの写真と、この写真の左にもちょびっと写っているパン。どのレストランでもホテルでも出される平たいパン。町中の小さな店でもどこでも売られています。ドイツ人はフラーデンと呼びます。トルコやチュジにアの似たような平たいパンのこともフラーデンと呼びますけど、モロッコのは微妙に違いました。ちょっとバゲットに近いかな。時には、フォカッチャみたいなのもあってがっかりだったけれど、ライ麦入りのはクラストがかりっとしていておいしかったです。早速、家でも焼いてみた。ライ麦とスペルト麦とホップ種(酸っぱくなったけど)で表面にフスマをふりかけて。形はそれなりになったけど、味はどうかな。こういうときに限って、気泡は大きく開くのよね。バゲットのときには開かないのに。そして、モロッコといえば、ミントの葉っぱがたくさん入った緑茶、モロッコティー。モロッコのお茶、ミント入り緑茶 posted by (C)solar08砂糖入れないで、とわざわざ言わないと、すっごく甘い砂糖汁みたいのが出てきます。さらに角砂糖まで添えて、、、。うー。
2014/11/06
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ホップ種をいい加減に扱いすぎていたようです。元気がなくなって、いつもなら粉と混ぜてほっておけば、数時間でふくらんでくれていたのに、うんともすんとも言わなくなってしまいました。ホップ種をなめてみたら、酸っぱい、酸っぱい。あまりにひどい扱いにされたためか、雑菌が増えたようです。ネットで見たら、砂糖をくわえて室温に置いておいたら、また元気になったという記事があったので、そうして見ました。それでも元気になりません。当座の処置として、粉イーストをほんの微量だけ足して、なんとかバゲットは焼けましたけれど、これはいかん。最初から起こし直すかなあ。いやいや、面倒くさい。で、試しに、この酸っぱくなったホップ種をほんのちょっと(50ccぐらい)を「スターター」として使うことにして(まだホップ種がこの液体の中に生存していることを祈りつつ)、ジャガイモ中一個でつくったピュレー、乾燥ホップの実の煮出し汁、砂糖かなりたくさん、乾燥麹もかなりたくさん(大さじ2杯ぐらい)と水を足して、今回はちゃんと殺菌した瓶に入れて、30度ぐらいのところに数時間、それ以後は室温で半日置いておいたら、ブクブク、シュワーっといつもの反応が戻ってきました。思い起こせば、元気がなくなるにいたる過程では、継いだ時にこういう反応もなかったのに、それにも気がつかずにいたのがいけなかったのかも。それと、近頃は継いだ後に暖かいところに置く時間が少なすぎたのも、元気をなくさせた原因なのかもしれません。今回は、暖かいところに置いて発酵を進ませてから冷蔵庫に入れたのが良かったのかしら。そして、二日後にこの生き返ったらしいホップ種でバゲットを焼いてみたら(粉イースト足さず)、生地はふくらんでくれて、バゲットもそれなりに焼けてくれました。これに反省して、まずはもっと頻繁に(一週間に一回ぐらい)継ぐことにします。ホップ種も人の子、というか生き物。栽培植物や人の子と同じように、いつも様子を見て、声をかけてあげないと、元気がなくなるようです。元気がなくなったホップ種を蘇らせる正攻法はわかりませんが、まずはこの方法で試してみよっと。それとも、もしかして、前種なしでも、ジャガイモとリンゴと麹とホップ煮出し汁と砂糖と水を混ぜておくだけで、ホップ種を起こすことができるのかな。6日もの間、毎日同じ作業を繰り返さなくても。一度これも試してみなければ(怠惰な人間は手抜きの方法ばかり考える)。
2014/10/16
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自家製、梅酢の柴漬け posted by (C)solar08前々回でプルーンで梅干しを作ったと書きましたけど、考えてみたら、というか考えなくても、自分は実は梅干しはそれほどは好きではないことに思い当たりました。だから、もらった梅干しが何年も冷蔵庫でひからびていたんだった。梅干しは酸っぱいから、そのショックに身をひいてしまうんだな。で、せっかくできあがった梅干しは冷蔵庫の奥に引っ込めて、梅酢につけたショウガばかりを食べています。焼きそばでもカレーでも、これをそえるとおいしくなるの。ネットで自家製柴漬けの作り方を見つけました。ただ、ドイツで手に入るナス(スペイン産)は米ナスだから、皮が厚いのが難。キュウリも太くて長いし。それでも、これを切って、塩で半日下漬けをしてから、梅酢(プルーンを紫紫蘇とクエン酸といっしょに塩漬けしてあがってきた水)とみりんを1対1ぐらいの割合で混ぜたところにショウガといっしょに漬けたら、あらあらおいしい、ほんとに柴漬けみたい。昼ご飯 posted by (C)solar08茶碗のような容器がかけているのが、いかにもむさくるしいけれど、この茶碗のようなボウルは一番便利な食器です。昨日の昼ご飯一食分にした冷凍ご飯を暖めたもの、前日つくった出汁巻き卵の半分(だし巻き卵って、むずかしくてちゃんとできたことはありません。一つを作るのに、卵が最低2つ使うけれど、卵は一日に一個しか食べないことにしているので、半分が残りました)と大根おろし、ナスの残り(柴漬けには米ナス一本の5分の4を使用)とマッシュルームを炒めてそばつゆの残りで煮た揚げ浸しもどき、とろろ昆布と花鰹に熱湯と醤油をかけただけの汁一五分以内に用意できて、一五分ぐらいで完食こういうご飯が一番おいしく感じるのは、歳のせいでしょうか。豪華なフランス料理よりもおいしく感じて、しかも気持ち悪くならない(満腹になると気分が悪くなる性格)のが不思議です。万能生地(ピッツァでもタルトフランベでも) posted by (C)solar08簡単と言えば、15分以内でできるピッツァやタルトフランベを追究して、一番わたしに合った簡単万能生地に達しましたよ。粉(小麦粉でもスペルト麦粉でも)100gに水50g、塩少々、オリーブ油大さじ1ぐらい、オレガノとかプロヴァンスハーブをこねて(100回ぐらい折り畳む)るだけです。どうせ薄くのばすので、焼くとふくらむから、ベーキングパウダーもイーストもいらないということがわかったのです。好み次第で、この分量の生地を二分割して、薄くのばして、オーヴントースターで空焼きしてから、ひっくり返してトッピングして、数分、トッピングに火が通るまで焼くだけ。ピッツァでも、タルトフランベ(フラムクーヘン)でも合います。なにしろ薄いのが好きなので。餃子の皮のピザでもできるなら、小麦粉と水をこねて薄く伸ばせばいいじゃん、と思ったわけです。残りの生地をトッピングなしでただ焼いただけで、パン代わりにしたら、インドのピタだかなんだかみたいで、これでもいいわ。それにしても、オーヴントースターって便利ですね。オーヴンのように時間をかけて予熱しなくてもよくて、使い方のコツを会得すれば、色々なものが即焼けるから。バゲット、ホップ種 posted by (C)solar08ビオのイエロー小麦を使っています今頃になって、誰もが知っていることを発見ていうか実感しました。朝食べるバゲットは、焼いたあとに、冷めたらすぐに一食分(上の写真の一本の4分の1)ごとにカットして、すぐに冷凍して、食べるときに冷凍庫から出して、トースター(ドイツパンをポップアップのトースターで焼くので、これもポップアップのトースターで)で焼くと、ほぼ焼きたてと同じようなカリッとしたクラストが楽しめるの。今まで、パンケースとかポリ袋に入れていた自分が情けない。こんな自明のことを実行しなかったなんて。
2014/09/01
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プラム(プルーン)の梅干し posted by (C)solar08スイスにお住まいのおみかん2さんのブログ「いつも食べることばかり」を拝見していたら、プルーンやミラベルや杏で梅干しのようなものをお作りになった記事が出ていました。さすがおみかん2さん。そもそも私がプログというものを知ったのも、おみかんさんのブログがきっかけでした。生ラーメンがないドイツで、麺の作り方を探していて、行き当たったのです。彼女のアイディアはシンプルかつ名案。細い乾麺を重層を入れてゆでると、ラーメンぽい香りが出るというもので、やってみたら本当でした。梅干しはドイツでもエコショップで良質のものが買えるのですが、高いのが難。まあね、梅干しが好きでもないから、どうしても買いたいとは思わないの。一方、プルーンが旬の今、生のプルーンは1キロ150円ぐらいで買えます。だから、これを梅干しにするとうのはすばらしいアイディア。でも、本当にそうなるのかしら。日本の青梅よりプルーンはずっと甘味があるし、酸味は少ないし。ちょっと疑心暗鬼で、まずは500gで試しました。それと、今回は種をとってみました。おみかんさんが書いているとおり、重量の12パーセントぐらいの塩をまぶして、酸味を補うためにクエン酸の粉も入れて、重しをして一ヶ月ぐらい。ちょうどベランダのプランターにあった紫紫蘇も塩でもんで混ぜました。保存材としてビタミンCの粉(アスコルビン酸)も少々。塩漬けのプルーンからは真っ赤な梅酢ができ、とっても良い香り。これをベランダで三日干したらプルーンの梅干し posted by (C)solar08なんかね、まだ実の部分がちょっとコリコリしていて、普通の梅干しのようにべちゃんとはならなかったのですよ。でも味はクエン酸のおかげで酸っぱくなって、まさに梅干しでした。そしてもっとすばらしいのは、すてきに赤い梅酢。プルーンは青梅よりも赤いので、紫蘇の助けがなくても、梅干しも梅酢も赤くなるのは当然です。プルーンの梅酢につけたショウガ posted by (C)solar08まるで着色料を入れたみたいに、きれいな赤色でしょう。この梅酢に砂糖を少々たしていったん沸騰させ、ショウガの薄切り(新ショウガはこちらにはないので、ひねショウガを薄切りにして数秒ほど熱湯に入れたもの)をつけました。プルーンの梅酢につけた紅ショウガ posted by (C)solar08こんなに真っ赤になって、市販の人工着色した紅ショウガみたい。小さい頃、この真っ赤に色付けされたのが欲しかったけれど、母は「人工着色してあるからダメ」と買ってくれなかったなあ。あのとき、プルーンのことを知っていたら、自然な色で着色できたのにー。そういえば、母方の祖母は、東京のちっぽけな庭になる梅で、毎年梅干しと梅酒をつくっていたっけ。干した梅干しが塩を吹いているのを、目を丸くして眺めていたことは、今でも覚えています。あのときには、梅干しはどうやって作るのかなんてことは、考えもしなかったのに、今頃になって、こんなことを生まれてはじめてするとは、、、。500gでの体験に気を良くして、次には1キログラムを丸ごと塩漬けにして、干しました。一番上の写真は、これを3日干したときのです。今回は皮がしわしわになって、中身も柔らかくなって、梅干しみたい。一つ、カツオ節をまぶして、ご飯といただきましたが、ほんとに梅干しそっくりの味でした。おみかん2さんのおかげです。おみかんさんは、これを梅ペーストにもなさるようですが、わたしはこのままで。
2014/08/23
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バゲットのグランプリを受賞したパリのパン屋 posted by (C)solar08Antonio TEIXERA (Aux Délices du Palais)60 bd Brune 75014 Paris15年以上ぶりにパリに行ってきました。5日間のプチ旅行。フライブルクから超特急?(TGV)で4時間半でパリに着いてしまうのですから、ベルリンに行くよりもずっと近いです。早朝に出発して、11時にはモンパルナスにある安ホテルに到着、昼にはサンジェルマン・デュ・プレ辺りを歩いていました。ちなみにパリ最初の昼ご飯は、寿司セット。おいしくなかったー。パリでもスシ・レストランがいたるところにあります。パリでのお目当ての一つは、2014年度のパリ、バゲットコンクールで最優秀賞を獲得したというバゲットを買うこと。偶然にも、このパン屋、Aux Délices du Palaisはモンパルナ(ただし南端)にあって、宿から地下鉄で数駅のところ。この辺りはそれほど店も並ばず、人も少ない地区で、こんなところにグランプリを獲得した有名パン屋があるのだろうかと、心配になったほどです。見つけたお店は、フランスの小さな町でも見かけるようなごく簡素なパン屋さんとカフェ。最優秀賞をとったのはバゲット・トラディション。一番ふつーのバゲットです。値段はなんと1ユーロ(か1ユーロ10セントだったか)、つまりは130円ぐらい。これも田舎のパン屋のバゲットと変わりません。買ったのはいいけれど、朝食を食べたばかりなので、食欲がなくて、味見をする気になれません。それに写真もとりたいし。ということで、写真を撮ったのは、晩になって、ホテルのベッドの上。グランプリを獲得したバゲット posted by (C)solar08一日中、バッグの中に押し込まれていたので、ひしゃげてしまいました。小さなアーミーナイフで、無理矢理もごもご切ってみると、グランプリを獲得したバゲットのクラム posted by (C)solar08さすが、ふつーのパン屋のバゲットとちがって、気泡がちゃんと開いていて、クラムはかなりもっちり。前に書いたような、麩のようなサクサクとは違いました。クラストはひきがあって、噛みちぎるのもたいへんなくらい。ま、これは買って何時間もたってしまったからで、焼き直しもできないので、かりっとしたクラムが湿気を帯びてしまったということもあります。塩気がかなり強いのも目立ちました。ふつーのパン屋のバゲットよりも、味が濃くて、食べ応えがある、とでも言えましょうか。買ってから4日後、フライブルクに戻ってから、残りを今回は包丁ですぱっと切ってみました。グランプリを獲得したバゲットのクラム(買って4日後) posted by (C)solar08トーストしたらカリカリになりましたが、それでもクラストはまだちょっとゴムのような歯ごたえがあります。やはり、塩気の強さがとても目立ちます。グランプリを獲得したバゲットのクラム(買って4日後) posted by (C)solar08箇所によっては、生地の芯の部分がちょっと詰まっているので、なんだかうれしくなりました。私のバゲットだけじゃないのね。ちなみに、パリのレストランで食事にそえられているバゲットやホテルの朝食のバゲットはどれも、クラムの目が細かくて、気泡が大きなバゲットに出会うことはなかったです.パリだからって、フランスの地方町とそう変わるわけじゃあないんだね。なんだ、なんだ!この店の周辺は住宅地で、大通りにカフェがちらほらあるだけ。行くところもないので、近くで開かれていた有名らしい蚤の市を歩いてみました。パリ、モンパルナスの蚤の市 posted by (C)solar08地下鉄の駅を降りるときから気がついていたのですが、日本人客がとても目立ちます。あちこちから日本語が聞こえてきます。あるスタンドでは、日本の古本を売っていましたよ。残念なのは、こういう蚤の市はアンティークや古道具を売る業者のスタンドばかりなこと。こういうスタンドからは、目玉品を見つけることはむずかしいです。私が好きな蚤の市は、ふつうの市民や家庭が出すガレージセールのようなマーケットです。家で代々ためこまれた物の中に、時には逸品や便利なものを安価で見つけることができるから。残念ながら、このモンパルナスの蚤の市は業者だけの市でした。可愛かったのは、パリ、モンパルナスの蚤の市 posted by (C)solar08紙袋の店昔の店で使われていたような、パンやお菓子の紙袋を売る店。これらの紙袋はいかにも古く見えます。本当に古い物なのか、古そうに見えるように新しく作ったものなのかは、わかりませんが、ちょっと食指が動きました。でも、買わなかったよ。使う目的がないし。
2014/07/02
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