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「昆明に帰ったら、どこへ行きたいですか?」帰りの車の中でwhさんに訊かれたので、tetywestは、「中国銀行」家内は、「スーパーマーケット」と答える。手持ちの人民元は底をついていたし、友人から頼まれた土産も買わなくてはならなかったからだ。昆明の西部地区へ戻ったときはもう午後4時を過ぎていたのだが、運転手はメインストリートの中国銀行の前で車を停めてくれた。早速tetywest夫婦とwhさんは両替をするために銀行に入る。1万円札を2枚whさんに渡して、tetywest夫婦が店内のソファーに座って様子を窺っていると、IDガードを提示しただけでいとも簡単に両替が終了した。その間に運転手夫婦は小学校へ子供を迎えに行った。しばらく銀行の前で待って自動車が帰ってきたとき、奥さんがいなくなっていた。子供を塾に連れて行ったのだそうだ。中国銀行で両替財布の中に十分お金ができたので、次は買い物なのだ。しばらく走って到着したのは、広い駐車場と大きな平屋の建物の郊外型のスーパーマーケットだった。店内はゆったりした通路スペースを確保してあり、売り場の配置も日本とまったく変わらない。まずは友人に頼まれた「マオタイ酒」を探す。しかし、その店には指定された銘柄がなかった。お酒を飲まないtetywestは「他の銘柄でもいいじゃないの」と思ったのだが、whさんはすぐに他の店へ行くことに決めたようで、我々も何も買わずにそこを出る。30分ほど走って次に到着したのは昆明市のいわば「銀座」のようなところだった。大きなデパートが建ち並んでいて、人通りも多い。立体駐車場の2階に車を停めて、歩いて1階まで降り、通りの向かいにある6階建てくらいの大きなビルの2階へ上がる。2階は隣のビルとも繋がっている吹き抜けの遊歩道になっていて、スーパーマーケットの入り口もそこにあった。店内に入ると、スナック菓子がずらっと並んでいる。ワゴンセールで袋入りの「ヒマワリの種」や「スイカの種」を売っている。ここでtetywestは頼まれた酒を、家内は自分たちの土産を買うことに役割を分担した。酒のコーナーでは運良く指定された銘柄が「特価」だった。空港の免税店より50元以上安い。その上、中国では消費税がないのでめちゃ儲けたような気分になる。しかし実際に儲けたのはtetywestではなく、依頼した友人なのだが・・・。頼まれた「マオタイ酒」を買い終えても、家内はなかなか戻ってこない。あまりに待たされるので探しに行こうとしたとき、向こうからカートを押しながら歩いてきた。カートの中は「ヒマワリの種」と「スイカの種」と「ピスタチオナッツ 」の袋が山のように積み上げられている。「ずいぶん遅かったじゃないの」「大変だったのよ。袋の中に空気が入ってるのと、入ってないのがあるのよ。それで、ちゃんと空気が入ってないのを選ぶのに苦労したんだから」なるほど・・・さすが主婦は細かいところに気がつくのだ。これで土産は揃ったとwhさんに告げると、「もう少し待ってください」とのことだった。hxyさんがシャンプーを、whさんは手提げバッグを買うのだそうだ。カートを押して酒のコーナーと反対側まで歩いていくと、そちら側は化粧品や文房具や日用雑貨のコーナーだった。tetywestはシャープペンシルの芯が切れていたのを思い出したのでそれを探した。家内は日用雑貨の安さに俄然購買意欲が湧いたようで、食器を洗うスポンジ、鋏、水性ボールペン、etcをカートの中に放り込んでいる。「それって、日本でも100均で売ってるんじゃないの?」「こっちの方が全然品質がいいのよ」しかし、わざわざ中国まで来て買うものが日用雑貨というのは、いかにも日頃の生活が滲み出ている(汗)
2004年02月23日
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「阿詩瑪」の池の周りを散策していると、突然英語で話しかけられた。それは年配の白人の男性で、団体からはぐれて迷子になったらしい。バスの駐車場へはどう行けばいいのかと訊いている。tetywestは英語はわかるが石林の地理はまったくわからない。whさんは地理はわかるが英語がわからない。それでも、この中国語がまったくわからない変てこな通訳を挟んで、3人がそれぞれ違った母国語で思考した結果、どうにか問題は解決した。tetywestとwhさんが「小石林」まで彼を連れて行き、そこでtetywestが、「Go right way」と言うと、彼は理解したようで小走りに去っていったのだ。しかし、今これを書いていて発見したのだが、「Go right way」では「正しい道を進みなさい」ではないか!!あの時はジェスチャー付きだったので何とかわかってもらえたようなものの、tetywestの英語はかなりいい加減なのだ(冷汗)出口に向かう途中には土産物屋が並んでいる。さすがに石林は有名な観光地だけあって店員も日本語を話すし、道端で声をかけてくるおばさんたちも日本語だ。「ゴコデセンエン、ゴコデセンエン!」手に持っているのは派手な原色の刺繍入りの小箱。tetywestも家内もあまり興味がないので、「ぷよー、ぷよー」と断る。家内は麗江で買った藍染めの布をもう少し買いたかったようで、土産物屋の店員と値段交渉を始めた。しかし、麗江よりかなり高い値段だったので買うのを諦めたようだ。結局石林では何一つ土産を買わずに終わってしまったことになる。最初に通ったゲートを出ると、その隣の建物に大勢のガイドさんが待機している。着ているのは阿詩瑪と同じサニ族の民族衣装なのだろう。麗江や大理よりこちらの方が格段にカラフルだった。「石林」のガイド嬢駐車場に戻ったのは午後1時30分だった。「ここは値段が高いですから、帰る途中で昼食を食べます」と言うことで、駐車場を出発して5分ほど走ったドライブインで昼食をとる。時間が遅かったので他に客はいなかった。「石林」の近くのドライブインここで食べた食事は、運転手夫婦に言わせると「あまり美味しくなかった」のだそうだが、tetywestは結構美味しかった。特にカシューナッツを炒めただけの料理がシンプルで美味しかったことが印象に残っている。ドライブインで昼食食事が終わって車に戻ったとき、家内がwhさんに質問している。「さっきの料理、いくらくらいの値段なの?」「さっきの料理はあまり高くないです。だいたい100元(約1500円)くらいでしょう」「へ~、全部でそうなの?」「はい、そうです」これを聞いて家内がどう感じたのかはわからないのだが、tetywestは日本の物価水準と比較すると結構高いと思う。
2004年02月22日
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「蓮華池」にかかる橋を渡って開けた場所に出ると、whさんたちはここでも記念撮影をする。まったく中国の人は記念撮影が好きだ。屏風のように連なった岩の間を通って行くと、また違った景観が広がっていた。そこは、緑の芝生と石柱が調和して何かホッと安らぎを覚える空間だった。石柱も先ほどの「石林」のように巨大で荒々しい迫力ではなく、遠くにまとまっていて優しい感じがする。「あちらが『大石林』で、こちらが『小石林』です」「そうだったの・・・何となく日本の庭に感じが似ていて、こっちの方が落ち着けるなぁ」「それでは、奥さんと記念写真を撮ってあげましょう」おいおい、またかよ・・・と思ったのだが、素直にwhさんの指示にしたがうことにする。「小石林」小石林の広場を抜けて、これも狭い岩の間を抜けると、またまた観光客でひどく混雑している場所に出た。小さな池の向こうにそびえている岩をバックにしてみんなが記念撮影をしている。土産物屋もたくさん並んでいるのだが、それよりも民族衣装をレンタルする商売が多い。主に女性がその衣装をまとってカメラに収まっているようだ。whさんが、「あの岩は『阿詩瑪(アスマ)』と言います。少数民族の女性が帽子を被って籠を背負っている形をしています」と教えてくれたのだが、tetywestには「アスマ」ではなく「ハンマーを振り上げた悪魔」みたいに見える。まあ、ともかくみんなが記念撮影をしているのだからと、ここでも記念撮影をする。しかし、さすがに民族衣装は借りなかった。帰国後「阿詩瑪」を調べてみると、雲南省に伝わる物語のヒロインの名前で、中国では映画にもなったくらい有名らしい。-------------------------------------雲南省の少数民族、サニ族の農家の娘だった阿詩瑪は、両親や兄のアヘイと共に貧しいながら幸せに暮らしていた。ところが金持ちのルプパロウとその息子のアジーは阿詩瑪の美しさに目をつけ、ひそかに阿詩瑪を嫁にしようと考える。しかし阿詩瑪の心はお金や品物では動かない。金持ちは親子は手下を使って彼女を誘拐し、思うままにならないと知るや阿詩瑪を牢に入れてしまう。。阿詩瑪の兄アヘイは彼らを追いかけて金持ち親子の家に乗り込む。そこで、謎解きに勝てば阿詩瑪を返してもらえることになる。謎解きに勝ったアヘイ。だが卑怯なルプパロウとアジーにだまされ虎のえじきに・・・しかし村一番の力持ちのアヘイはみごとに虎を退治し、阿詩瑪を助けだした。アヘイは妹と共に村に帰ろうとする。しかしどこまでも執念深い金持ちの息子アジーは、河の堰を切って洪水を起こし、阿詩瑪を殺そうとするのだ。押し寄せてくる水にのまれ阿詩瑪は水の中へ。しかし心優しい阿詩瑪は仙女によって山上に運び上げられ、「こだま」となった。それ以来、家族が彼女の名前を呼ぶと、山や谷がその声に応じて鳴り響くようになったという。-------------------------------------伝説のストーリー自体はそれほど珍しいものではない。しかし、「こだま」になるというところがいかにも「天空に一番近い国」雲南省の伝説らしいと思うのだが・・・ちなみに「阿詩瑪」は雲南タバコの銘柄にもなっている。
2004年02月13日
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「石林」で一番低い「剣宝池」から、迷路のような遊歩道を通って一番高い「望峰亭」へ向かう。ここからは「石林」の全貌がパノラマで見渡せるのだ。石の白さと木々の緑のコントラストが何とも美しい。「望峰亭」からの眺めしかし、「望峰亭」の混雑ぶりはすごいものだった。まるでラッシュアワーの満員電車みたいだ。電車とちょっと違うのは、誰もがここで記念撮影をするために、展望台のフェンスのそばには少しスペースがある。フェンスにもたれてポーズを取り、そこから少し離れてカメラを構えるからだ。したがって5m四方くらいしかない展望台の中心部は「押すな押すな」状態なのだ。この展望台で撮影した中にわけのわからない写真があったのだが、よく見ると「ズボンのどアップと空(そら)」だった。混雑の中で知らないうちにシャッターを押していたようだ。どうせならスカートの方がよかったのに・・・いやいや止めておこう。tetywestたちも順番を待ってフェンスの一角を確保し、記念撮影を開始する。tetywest夫婦、whさんとtetywest夫婦、運転手夫婦、hxyさんとwhさん、etc、etc・・・一通りの組み合わせで写真撮影が終わるのに5分以上かかった。「望峰亭」は、最初に「石林」と書かれた岩を見た場所からも見えていたのだが、今度は逆に「望峰亭」からその広場を見下ろしてみる。やっぱり混雑していた。「望峰亭」からの眺め「望峰亭」を降りてwhさんの後ろについて歩いているうちに、いつの間にか観光客がぐっと少なくなっていた。「石林」は広いので、団体さんの観光コースから少し外れるとゆっくりと景観を楽しむことができる。道端でおばさんが石を売っている。灰色の石に黒い模様が浮かび上がっていて、その模様がまるで龍の形に見える。tetywestは興味がなかったので素通りしたのだが、後から来ていたhxyさんがその石に興味を示していた。石を売っているおばさんと何やらさかんに話し込んでいると思ったら、その石を手に持っていた。whさんが、その石を鑑定する。「偽物ですね・・・この模様が裏に続いていません」やっぱりそうだったか・・・tetywestは北京の「トンボの化石」以来、この手の土産物は用心することにしている。「いくらだったの?」「10元だったそうです」まあこの値段なら、同じ偽物でも雲南省の方が北京よりずっと良心的なのだ(笑)
2004年02月12日
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今から2億7千万年前、海の底だった場所が火山活動によって標高2000mもの高さに押し上げられた。その後風雨や流水に浸食され、風化されて現在に至ったカルスト地形が「石林」だ。ちなみに、この大規模な造山活動のもたらした恩恵として、雲南省は翡翠の宝庫となっている。ヒスイ以外にもジルコン、トルマリン、ヘミモルファイトなど、tetywestの聞いたこともないような宝石が採れるらしい。tetywestが露天でおばさんからミカンを買っている間に、hxyさんたちは茹でたトウモロコシを買っていてtetywest夫婦にも1本ずつ渡してくれた。そのトウモロコシは種が白色だった。日本で食べるトウモロコシより甘くないのだが、モチモチっとしていてお米に近い食感だった。トウモロコシをかじりながら、これもhxyさんに買ってもらった「雲南石林」の入場券(80元)を切ってもらって園内に入ると、最初に橋を渡る。橋の左右にはもうすでに石柱が林立しているのが見える。石林の入り口付近ただ、tetywestが想像していたのはこんな優しい風景ではなく、もっと圧倒的な迫力で迫ってくる石の塊りだった。しかし、遠くを見渡しても木々に覆われた山が見えるだけで、そんな場所はありそうにもない。「whさん、ここへ来たのは何度目なの?」「5回目です」この答えを聞いて、tetywestはかなり安心した。それだけ何度も来ているwhさんに任せておけば、見所を外す筈はないからだ。橋を渡って湖に沿って歩いていくと道路が3つに分かれている。ちょうどゴミ箱があったので、食べ終わったトウモロコシを捨てる。さて、どの道を行くのだろうと思っていると、意外にもwhさんは真っ直ぐに森の中へ入っていく。鬱蒼とした大きな木々の間を下っていくと、突然視界が開ける。そこは土産物屋がならんでいて観光客でごった返していたのだが、その人ごみの向こうはまさしく「石林」だった。正面の岩には、誰にでもわかるように「石林」の文字が刻まれていたのだ。「石林」巨大な岩が、まるで打ち上げを待っている宇宙船のように真っ直ぐ空に向かって聳えている。中国の人でなくても、ここでの記念撮影をはずす訳にはいかないだろう。順番を待って、それぞれにポーズをとりながらの記念撮影が終わると、両側から迫ってくる岩の間をくぐる迷路のように造られている遊歩道を通ってさらに下っていく。遊歩道は石畳で舗装してあるのだが、朝から降ったり止んだりしている雨のために濡れているので滑りやすい。石林は、遊歩道の角を曲がるたびに、岩の間をくぐり抜ける度に、違った表情を見せてくれる。tetywestは、「お~」「わ~」・・・ただただ感嘆詞の連続だった。石林石林石林
2004年02月06日
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午前10時45分に広い有料駐車場に到着する。トイレを済ませて、土産物屋が並んでいる場所を通り抜けていくと、露天でおばさんがミカンを売っているのを見つけた。tetywestは今回の旅行でぜひとも確かめたいことがあった。それは「9月上旬の中国産のミカンの味」なのだ。2月に福建省へ視察旅行に行ったとき、「中国の極早生は8月の終わりに糖度が11度になります」と聞かされていたからだ。その時は、「いくらなんでも、オーバーでしょう。そんなん『眉唾』に決まってるじゃないの」と信用しなかった。しかし、よくよく考えてみると福建省ではミカンの花が3月下旬に開花するのだ。これは日本より2ヶ月近く早い。そうすると、中国で8月下旬のミカンとは日本で10月中旬のミカンと同じ品質でも不思議ではない。もちろんすべての極早生が「8月に11度」にはならないだろう。その糖度に達するのは、極々限られた高品質のミカンだけかもしれない。何はともあれ、「百聞は一見に如かず」なのだ。whさんに頼んでそのミカンを買ってもらうことにした。tetywestは籠に盛ってある中から美味しそうなのを8個選んで、おばさんに渡した。なぜ8個にしたかと言うと、6人で行動しているので1人1個ずつ、そして余分の2個は個体差のあるミカンの味をより正確に調べるためだった。おばさんはビニール袋にミカンを入れて棹ばかりで重さを計ると、袋の中にミカンをもう1個放り込んでtetywestに渡してくれた。whさんが4元払うのをしっかりチェックする。露天で売られているミカンミカンはL級の大きさだったので、おそらく9個で1kgになるのだろう。1kgの値段が4元(約60円)は、日本との物価水準で比較すると結構高い。着色は2分~3分といったところだろうか。日本ではこの時期にここまで着色するのは不可能だ。中国の方が約1ヶ月は早いことになる。「味はどうなんだろう?」さっそく1個食べてみる。「う~ん・・・舌センサーによれば、糖度8度、酸度が1.0%かな・・・」「見かけよりは酸っぱくないね」家内が食べているミカンも1袋味見してみる。これも同じような味だ。直接tetywestの仕事に関わることだけに、このミカンの味はショックだった。ちょっと話が専門的になるのだが、「糖度8度、酸度1.0%」の味とは、日本では10月上旬の極早生の味に匹敵する。外観だけでなくミカンの中身も、中国の方が約1ヶ月早いのだ。しかも、このミカンは観光地の露天で普通に売られているミカンなのだ。もし、将来中国産のミカンを日本に輸出するようになれば、このミカンよりはずっと厳選された品質で揃えてくるのは間違いない。そして、中国の消費者価格がキロ当たり60円だとすると、CIF価格(中国から日本に到着した時点の価格)も60~70円だろう。そうすると卸売り価格がキロ当たり100円で、スーパーの店頭には198円で並べるのにちょうど都合がいい価格になる。そうなれば日本の極早生は壊滅的な打撃を受けることになるだろう。孫子の兵法に曰く、「敵を知り己を知れば、百戦危うからず」・・・しかし、なぁ・・・・(深い溜息)
2004年02月04日
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「石林・土林・熱帯雨林」を「雲南の三林」と呼ぶのだそうだが、昆明を訪れる観光客がおそらく絶対に外せない景勝地、それが「石林」だ。tetywestもその名前だけは以前から知っていた。石林に近づくにつれて、車窓からもそこかしこに石の柱が立っているのが見える。石の柱の丘だけを残して、周りは畑として開墾されている。畑の中に石の柱が突き出しているところもある。栽培されているのはトウモロコシだった。平野では瓢箪を栽培している農家が多い。ちょうどキウイの棚仕立てのような栽培方法で、収穫直前の緑色の瓢箪がいっぱいぶら下がっている。雲南省のことを何も知らなかったtetywestでも、5日目ともなれば「なぜ瓢箪なのか?」は想像がつく・・・それは「ひょうたん笛」の材料なのだ。もともと「ひょうたん笛」は少数民族が手製で自分の笛を作っていたものだ。当然瓢箪も庭に1本あれば十分だっただろう。このように経済栽培されているのは、土産物として人気が出てきた最近のことだろう。実を言うと、麗江古城を散策しているときtetywestは「ひょうたん笛」を買い損ねていた。それは瓢箪と竹を組み合わせた縦笛で、瓢箪の下に竹の筒が3本出ている。真ん中の1本は長く、両端は短い。真ん中の竹には何個か穴が開いていて、それを押さえながら演奏するのだ。土産に1個欲しいと思い、whさんに値段交渉をしてもらった。店員の言い値は50元(750円)だったのだが、tetywestは「高い」と思ったので買わなかった。その笛は塗装も施されてなく、いかにも玩具みたいだったのだ。あとで落ち着いて考えてみると、もし笛を買えば演奏するために運指方法を覚えなくてはならない。tetywestの性格では、おそらく一曲マスターする前にその笛はどこかに忘れ去られてしまっていたことだろう。ただ、その笛の形には興味を覚えたので帰国後調べてみた。「ひょうたん笛」が写真入で掲載されている「People,Life and MUSIC」(http://tokyo.cool.ne.jp/worldmusic/contents.html )によると、竹の筒が3本あるのは、バグパイプのように持続音と旋律をいっしょに演奏するためで、瓢箪を取り付けるのは、リードを護るためと、多くの管を一度に咥える不便を解消するためだそうだ。そして何と!この笛は恋愛の道具として使われていたのだ。男が夜遅くこの笛を吹きながら好きな女性の家の前まで行き、女が出てくるまで外で吹きつづける。しかもメローディーはある暗号でなっていて、聴き手の娘はそのメロディーから男が何を伝えようとしているのか判るという。この笛の形だが、ひょうたんは女性を象徴し、竹は男性を象徴しているのだそうだ。こうしてみると、何とも奥の深い楽器なのだ・・・土産に買っておくべきだったか・・・しかし、そのHPを読み進んでいくうちに、この笛を吹くためには、特別な呼吸法と非常に珍しい運指方法をマスターしなければならないことが判明した。やっぱり買わなくて正解だったようだ。
2004年02月02日
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