2023年10月15日
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カテゴリ: OPERA

Kensho MAEKAWA Airi NAKANO Hiromichi KOBAYASHI Hao ZHONG Michiko TAKEDA Leonardo SINI Tatsuya HIGUCHI Kasumi SHIMIZU Ken-ichi KANOU Shigeru HATAKEYAMA Yui NANASAWA
Photo Album
Photo: ©Shevaibra, courtesy of Tokyo Nikikai Opera Foundation
※主催者様のご厚意により、カーテンコールの撮影OK

Tokyo Nikikai Opera Foundation
DON CARLO New Production 
Japan premiere
Opera in five acts
Music by GIUSEPPE VERDI
Production of STAATSOPER STUTTGART, in cooperation with the Tokyo Nikikai Opera Foundation
French language libretto by Joseph Méry and Camille du Locle,
based on the dramatic play “DON CARLOS” by Friedrich Schiller
Italian translation by Achille de Lauzières

FRI. 13. 18:00, SAT. 14. 14:00 & SUN. 15. 14:00 October 2023
at Tokyo Bunaka Kaikan (Japan)

Playing time: about 4hours 20min.

Conductor: Leonardo SINI
Stage Director: Lotte de BEER
Associate Stage Director: Carmen C.KRUSE
Set & Costume Designer: Christof HETZER
Lighting Designer: Alex BROK
Choreographer: Ran Arthur BRAUN

東京二期会オペラ劇場
ヴェルディ「ドン・カルロ」〈新制作〉
オペラ全5幕(イタリア語5幕版)
日本語および英語字幕付き原語(イタリア語)上演
上演予定時間:約4時間20分(休憩含む)

原作:フリードリヒ・フォン・シラー『ドン・カルロス』
台本:フランソワ・ジョセフ・メリ、カミーユ・デュ・ロクル
イタリア語訳:アキッレ・デ・ロージェール
作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ

《二期会創立70周年記念公演》
シュトゥットガルト州立歌劇場との提携公演

2023年 10月15日(日) 14:00
東京文化会館 大ホール
(日本ツアー最終日)

指揮: レオナルド・シーニ
演出: ロッテ・デ・ベア
演出補: カルメン・クルーゼ

舞台美術: クリストフ・ヘッツァー
照明: アレックス・ブロック
振付: ラン・アーサー・ブラウン

合唱指揮: 佐藤 宏
演出助手: 太田麻衣子

フィリッポII世 ジョン ハオ
ドン・カルロ 樋口達哉
ロドリーゴ 小林啓倫
宗教裁判長 狩野賢一
修道士 畠山 茂
エリザベッタ 竹多倫子
エボリ公女 清水華澄
テバルド 中野亜維里
レルマ伯爵&王室の布告者 前川健生
天よりの声 七澤 結

Woodcutter(Act 1)木こり solo:宮下嘉彦(バリトン)

6人の代議士(全日出演)
岸本 大
寺西一真
外崎広弥
宮城島 康
宮下嘉彦
目黒知史

二期会合唱団
東京フィルハーモニー交響楽団

主催:公益財団法人東京二期会

***

東京二期会「ドン・カルロ」最終日
若い力が結集して作り上げた
パワー爆発の「ドン・カルロ」、胸熱でした!
演出はもう笑うしかなかったけど、
音楽が素晴らしかったので最後は納得でした。
マエストロ・シーニは若いながらオペラ指揮者で歌手をじっくり歌わせたり速く歌わせたり自在にコントロールしていてすごかったです。
歌手ではロドリーゴの小林啓倫さんが最高でした。
もともとロドリーゴはおいしい役ですが、今回おいしすぎでしたw
マエストロもたっぷり歌わせてました。

またエボリの華澄さんが圧巻の演唱ですごかったです。
このオペラのタイトルが「エボリ」でもおかしくないぐらい演出的にいじられてました。

演出的にいじられたと言えば少年愛の変態聖職者役に読み替えられた狩野さんの宗教裁判長も読み替え度ハンパなかったです。お声は神々しいぐらいすばらしいのに…(°▽°)

コンヴィチュニー直伝の全てパロって矮小化し人格否定する演出、本当にやめましょう。

sexual assault, violence and murders, somewhat like the haunted house opera

ドン・カルロはスペクタクル・シーンもさることながら、6人の深いオトナな心理劇が根幹です。そこに向き合わないで茶化して終わるのは、演出家の教養のなさが知れるというもの。
自分の世界に換骨奪胎して演出するのにはもっと深い器、時代観、美的センスが必要です。
設定はスペインの20~30年後と言いながら、見た感じでは近未来感はゼロ。現状の紛争に明け暮れ難民を輩出する、中南米、あるいはアフリカ、あるいはレバント地方、あるいは東欧の、カトリック系軍事政権の某国を想定しているように見えました。
全て現実世界に読み替えないと気がすまないのでしょうか。
またこどもがおとなのまねして暴力的になるというのをテーマにしたいなら、あのシーンでそれやるのやめて~
性的虐待や暴力描写はヨーロッパの歌劇場ではある意味フツーというかよくあるレベル。
過激にしないとレジーの意味がないと勝手に思ってるのか知らんが…

No More ミニ・コンヴィチュニー

怒りの詳細リポート続く。





***
Don Carlo(Don Carlos) Fach :(※数種の資料を参照)

Philip II Bass Fach : heavy bass / dramatic low bass / Dramatischer seriöser Bass / dramatic basso profondo
Don Carlo Tenor Fach : spinto
Rodrigue Baritone Fach : lyric baritone / Kavalierbariton(Full lyric baritone) / baritono cantabile
The Grand Inquisitor Bass Fach : heavy bass / dramatic low bass / Dramatischer seriöser Bass / dramatic basso profondo / Charakterbass
Elisabeth Soprano  Fach : spinto
Princess Eboli Mezzo-Soprano Fach : dramatic mezzo

A Monk Voice Part : bass
The Count of Lerman Voice Part : tenor
A Royal Herald Voice Part : tenor
Thibault Soprano
A Voice from Heaven Soprano
The Countess of Aremberg : Silent

***
Act 1
[This act was omitted in the 1883 revision]
The Forest of Fontainebleau, France in winter
A prelude and chorus of woodcutters and their wives

フォンテンブローの森の中で飢える木こりとその妻たち という原設定だが(その後の改訂版で削除されたシーンで演奏されるのは極めてレア。 2013年のザルツブルク音楽祭の「ドン・カルロ」 ではこのシーンがあった。)

木こりの独唱がある。宮下嘉彦さん(バリトン)。美声の若手です。

人々は、読み替えられていてどう見ても現代の難民?
この国家では白い服装の上級国民とダークな暗い色調の服装の下級国民に分けられている

この時点でエリザベッタは敵対する国の人?の服装でテバルドと連れ立っている。
どう見ても狩りをしている優雅な王室の人ではない。

カルロはエリザベッタをはるばるフランスまで見に来た、という原設定だが
この読み替えは???

カルロは極めて内向的でいわゆる「コミュ障」っぽい。

原設定:狩人たち

カルロのアリア
Io la vidi, al suo sorriso
- Romance, From 5-act version only
Range:F#/Gb3 - B4

カルロの樋口さん、圧倒的パワーのスピント歌唱

原設定:森で迷ったエリザベッタとテバルドはカルロに出会う
読替版:壁の前でテバルドは銃をカルロにつきつける(テバルドは原設定では小姓で男の子だがこの設定では女性で、黙役のアレンベルク伯爵夫人の役を兼ねている)

原設定:カルロは小枝を拾って火を点けてエリザベッタのために薪をする
読替版:紙くずを木屑の上に置いているが火は点けてない。

カルロは自分のスマホの自分の写真をエリザベッタに見せる

あなたがカルロス王子様なの?

二重唱の中の
エリザベッタ独唱部分
Di quale amor, di quanto ardor

繊細でノーブルな歌唱、美声のリリコ・スピント・ソプラノ竹多さん。

恋に落ちる二人…なのか?

壁が開くと白い床入りのベッドがあり
さっそくことに及ぶ二人

テバルドが来て結婚相手が変わりスペイン国王のフェリペ二世になったと告げる
レルマ伯爵(前川さん)
当惑するエリザベッタは両国の和平のため結婚を承諾する。
武装した三人の男(黒尽くめ)?がエリザベッタに白い服を着せ、何重にもヴェールをかける

第2幕

読替版:サンジュスト修道院で修道士に土下座している子供たち 
修道士は先代のカルロ5世のイメージですので土下座している兄弟姉妹は暴虐王フィリッポとその兄弟の過去の時代と思われる
カルロはカルロ5世に土下座している子供たちと無理やり遊ばされる

原設定:キリストの権威を借りて絶対王政を敷くフィリッポのハプスブルク朝スペイン。
読替版:キリストの権威を借りて絶対王政を敷くフィリッポの21世紀半ばの軍国主義的独裁国家、スペイン。

修道士

カルロ

壁が回って、階段の上にだらしなく寝そべる男、ロドリーゴ登場。
ロドリーゴはガテン系の作業着を着ていて、ワイルドで精悍、声が大きくてがっはっは~系の開放的な性格 汚いリュックをかたわらに置いている

お~カルロじゃねえか!
おまいもフランドル行ってみ
オレ行ってきたから
すげーことになってるし
なんだあ?いじけて
話してみそ

カルロ:僕が好きなのは…

ロドリーゴ:はあ?

カルロ:エリザベッタだお

ロドリーゴ:かあちゃん?まじすか。

友情の二重唱
Dio, che nell’alma infondere

読替版:壁が回ってエリザベッタとフィリッポの結婚式

二人の前に飛び出そうとするカルロを柔道の技でぶん投げて制止するロドリーゴ
二人はくんずほぐれつ、大立ち回りの大喧嘩
何やってるん…???目が点 (・_・)

第2場
修道院の庭

ここは美しいセットでした
大きな1本の樹木がありその木陰に集う女官たち

テバルドが女の服装

Cantiam!

エボリのヴェールのアリア
Nei giardin del bello
(Canzone del velo)
D4 - A5

Nei giardin del bello
saracin ostello

Ah! Tessete i veli,
vaghe donzelle

女性たちは顔に隈取のようなメイクをしている人が多く、顔だけ見れば中国の後宮?服装は洋装のドレス。
エリザベッタが来るが女官たちはバカにして笑っている

エリザベッタ:楽しそうね

ロドリーゴがさっそうと現れる
汚い服のロドリーゴを女官たちは避ける

ロドリーゴはこれ見よがしに百合の紋章の付いた書簡を掲げる

三重唱、すばらしい~!

エボリ
Che mai si fa nel suol francese

関心を示すエボリを巧みにエスコートするロドリーゴ。

エリザッタ 褒美をとらせよう

ロドリーゴ 他の方にお慈悲を

エリザッタ
Ditelo chi mai?

ロドリーゴのアリア
Carlo ch'è sol il nostro amore - Romance
C#/Db3 - F#/Gb4

ロドリーゴ
Carlo, ch’è sol il nostro amore

ロドリーゴ
Ah! Carlo del Re suo genitore

ロドリーゴ
Un sol, un solo detto d’amore
sparir il duolo farà dal cor

se tornerà, salvo sarà.

se tornerà Carlo fia salvo.

エリザベッタ
会いますわ。

カルロが来るがうじうじしている。
ロドリーゴはカルロの後押しをし、二人が会話するのを見届けてから退出する

カルロとエリザベッタ

Io vengo a domandar
grazia alla mia Regina

Il ciel avaro un giorno sol mi diè,
poi rapillo a me!

Ah! perché mai parlar non sento
nel vostro cor la pietà?

エリザベッタ
Il dover, come un raggio
al guardo mio brillò

カルロ
Isabella, al tuo piè morir io vo’ d’amor.

カルロは喪失感で気絶する

エリザベッタの動揺

カルロのうわ言
Qual voce a me dal ciel
scende a parlar d’amor?
Elisabetta! tu bell’adorata

カルロ
O mio tesor! sei tu

激昂するカルロ

Sotto al mio piè si dischiuda la terra
io t’amo Elisabetta

エリザベッタ
それなら父親を殺しに行きなさい!
さあ行くのよ!

カルロ
なんてことだ!

走り去る

王のお成りです

フィリッポ登場

フィリッポ
Perché sola è la Regina?

お付きの女官、アレンブルゴ伯爵夫人(テバルド)をくびにするフィリッポ。
エリザベッタへの当てつけだ。
この演出では反逆者として処刑されちゃうのかな?と思わせる展開

エリザベッタのアリア
Non pianger, mia compagna  - Romance
C4 - A#/Bb5

ritorna al suol natio,
ti seguirà il mio cor,
ah! ti seguirà, ti seguirà il mio cor!

フランスへ帰りたいという思いを表現する。
すばらしい!

ここでエリザベッタは指輪を抜き取ってコンテッサ・アレンブルゴに渡していたような…
フィリッポへの嫌がらせでしょうか

エリザベッタ退場。

ロドリーゴを呼び止めるフィリッポ。

まて!

フィリッポとロドリーゴの対決です。
フィリッポは中央の白いテーブルについて座っている
テーブルの上には白い箱がある(これは後にエリザベッタの宝石箱となる?)

フィリッポ
望みはないのか

ロドリーゴ
法という盾があれば十分です

フィリッポ
生意気さも許そう。
non sempre!
しかしいつもではないぞ

ロドリーゴ
Ove alla Spagna una spada bisogni

私のためではなく…

フィリッポ
話すがよい

ロドリーゴはフランドルの窮状を訴える

ロドリーゴ
Ah! sia benedetto Iddio,
che narrar lascia a me
questa cruda agonia
perché sia nota al Re.

すばらしい!!
最高です。

フィリッポ
La morte in questa man
ha un avvenir fecondo

フィリッポ
スペインは平和ではないか
同じようにフランドルにも

ロドリーゴ
Orrenda, orrenda pace!
la pace è dei sepolcri!
それは墓場の平和です

フィリッポは激怒し顔を近づけてにらみ合う二人
しかし…
ロドリーゴは屈しない

ロドリーゴ
di voi l’istoria a dir:
Ei fu Neron!
後世、ネロと呼ばれてもいいんですか

ロドリーゴ
Come un Dio redentor,
l’orbe inter rinnovate,
v’ergete a vol sublime,
sovra d’ogni’altro Re!
Per voi si allieti il mondo!
Date la libertà!

すばらしい!!

フィリッポ:
お前もわしの立場になればわかるのだがな。
聞かなかったことにしよう
お前を側近にしたい

フィリッポは心の中をロドリーゴに打ち明ける。

フィリッポ
sgraziato genitor!
sposo più triste ancor!

息子は、わしの大切な宝を奪ったのだ。
(宝とは言うまでもなくエリザベッタの心です)

フィリッポ
Possa cotanto dì la pace a me tornar!

大審問官に用心するのだ
Ti guarda!
激しく言う。

フィリッポの差し出す手に忠誠を誓う

第3幕 

バレエ音楽
挿入音楽
ヴィンクラー:プッシ―・ポルカ

こういう試みはすでにヨーロッパの劇場ではよくなされている
次第に歪みを増していく違和感を与える音楽
たいがいヨーロッパでは客が怒り出してBooingとBravoの応酬となるが日本ではシーン…

ここでのシーンは演出家がもっとも主張したかった部分
こどもたちが遊んでいるのだが
その遊びとは
火刑
吊るされた人形に火を点けて遊ぶ
怖ろしい…
この後のシーンに火刑のシーンはなく読み替えられているのに
なんでここ火刑なん?という気もするが…

第1部

美しい王宮の庭…ではなく
大きな壁(嘆息)

壁の角の部分に立つカルロ
なぜか二人の女が左右から近づいてくる

しもて側のエリザベッタは逃げ去る

かみて側はエボリ
ヴェールをとるエボリ

カルロ
王妃じゃない!

カルロ
Noi facemmo ambedue un sogno strano,
in notte sì gentil tra il profumo dei fior.

エボリ
夢ですって!

エボリは激怒し、カルロの秘密の恋の相手を悟ってしまう

ロドリーゴが上級国民の白い服装で現れる。髪もなでつけている。
ロドリーゴが二人に割って入る

エボリ
あたしを誰だと思ってるの?

ロドリーゴとの押し問答、カルロの嘆き

カルロ
Sol Iddio indagar potrà,
se questo cor colpa non ha.

ロドリーゴはエボリを黙らせようと

やめるんだロドリーゴ

ここでも二人は格闘してたかな?

刺しなさいよ、ほら!

いい策を思いつきました。

エボリ
Trema per te, falso figliuolo
呪われた息子よ

三重唱

すばらしい!

エボリは怒りに燃えて立ち去る

重要書類を預けてください

王の側近であるお前にか?

お疑いなのですか?
この私を?

カルロ
In te riposi ogni fidanza

書類をロドリーゴに渡す…あったかな?

友情の二重唱のメロディ

2人は分かれる

第3幕 第2場
火刑の場

ここは
教会から王が出てくる場面で荘厳で
最もスペクタルな場面だ
しかしこの演出では、教会前の火刑台ではなく
牢獄である
抵抗運動をした貴族が入っている牢獄
看守がカンカンと鉄格子を叩く
囚人たちが通路に並ぶ

(民衆→)囚人が王を讃える

聖職者たちの集団

ロドリーゴ、エリザベッタ、エボリ、などが一堂に会している。

ここで本来いないはずの宗教裁判長(大審問官)が出てくる。わかりやすい人物紹介。

国王の布告者(=レルマ伯爵)が現れる
テノールが国王の布告者とレルマ伯爵の二役兼ねるのはよくあることだがこの演出では同一人物として演じられる。テバルドとアレンブルゴも同一人物だし、大審問官がここで出てきてやらかすことといい、全体的に複雑な登場人物を戯画化しわかりやすくシュリンクした演出だということが次第にわかってくる。

国王の布告者
Schiusa or sia la porta del tempio!

ここはアカペラ
前川さんのリリックな美声が立ち上りすばらしいです。

フィリッポが登場し権威を誇示する

フィリッポ
Nel posar sul mio capo la corona

反逆には炎と剣による死が待っとるぞ

宗教裁判長が神の恩恵を与え神の代理人である王に長い祝福のキス(the mouth-to-mouth kiss)
を与える
えっ?
((( ;゚Д゚))
ブレジネフのキスを思い出してしまう

6人のフランドルの使者(プロテスター)を連れてくるカルロ
プロテスターとカルロは腕を組んで中央に陣取る
そして寝そべって排除されまいとする
よく公共のイベントで抗議行動をする活動家の行為を描写しています

Sire, Sire,
no, l’ora estrema ancora non suonò

フィリッポはにべもない

A Dio voi foste infidi

guardie, guardie, vadan lontan da me
こいつらをなんとかしろ

人々
Ah! pietà, pietà, signor

すばらしい重唱

フィリッポは大審問官のキューを待っている。
大審問官の指示でようやくフィリッポはプロテスターを逮捕するよう指示を出す

6人の代議士(プロテスター)は逮捕連行される

カルロはフランドルを自分にくれと直訴する

たわけめ
わしに刃向かう剣をお前に与えると思うのか?

カルロの見せ場
Sarò tuo salvator, popol fiammingo, io sol!

ここの高音もばっちり出してました。

ロドリーゴがまた捨て身のカルロを阻止しようと何度も体を張って止めようとする

カルロは短剣を抜く
ロドリーゴが割って入る。

ロドリーゴ
A me il ferro.

カルロの驚き
カルロは剣をロドリーゴに渡す。

火刑のシーンが大胆に読み替えられています
宗教裁判長が難民の少年に祝福のキス(Deep kiss)を与える。少年の頭に布をかぶせその頭にキスし、連行させる。

天の声

第4幕

オケ演奏に続いてフィリッポの名アリアとなるシーン

チェロの独奏

フィリッポの寝室
設定は執務室なので異なる演出
かたわらに寝ているエボリは起き出してフィリッポの服をさぐっている なぜ?
しかしフィリッポが起きるのでまた寝たふりをする
宝石箱(白い箱)がベッドのかたわらに白い衣服とまとめて置かれている

フィリッポのアリア
Ella giammai m’amò!
F#/Gb2 - E4

Ella giammai m’amò!

amor per me non ha!

エリザベッタをわしを愛していない

il mio crin bianco il dì che
qui di Francia venne.

No, amor per me non ha,
amor per me non ha!

Il sonno, o Dio,
sparì da’ miei occhi languenti.

Dormirò sol nel manto mio regal,
quando la mia giornata è giunta a sera

わしが眠れるのは墓に入った時なのだろう

Se il serto regal a me desse il poter
di leggere nei cor

人の心を読み取る力を与えてくれたら…
しかしそれは神だけの御業

しかしこの名アリアを歌いながら、
フィリッポはエボリに性的サービスを強要している。
え~
え~
え~

レルマ伯爵の声

Il Grand’Inquisitor!

大審問官が入ってくる。
大審問官は盲目ではない設定です。

エボリは大審問官と鉢合わせする。まずいところを見られたわけだが何もお咎めがない
エボリは出ていく

息子の処罰について相談するフィリッポ

息子を極刑に処すことへのお墨付きをもらう

他には?

ない

では私が言おう
反逆者
ポーザを処刑しろ

フィリッポ
No, giammai!
嫌だ!

大審問官
それではお前が裁判に立つのか。
お前はわしがしてきたことを台無しにするのか?

フィリッポは突如頭上に吊るされた反逆者を見る

あれは俺なのか…?

フィリッポ
仲直りしましょう

大審問官
Forse!
さてな

大審問官は出ていく。

フィリッポ
Dunque il trono piegar dovrà
sempre all’altare!

エリザベッタが取り乱して駆け込んでくる

Giustizia, giustizia, Sire!

宝石箱が盗まれました

フィリッポ
それはこれか?

驚くエリザベッタ

フィリッポ:
カルロの肖像画がお前の宝石箱の中に…

私は王太子の婚約者でしたもの。
私をお疑いになるのですか?

フィリッポ
io lo giuro innanzi al ciel,
il sangue verserò!
わしを馬鹿にするなら血の報復が待ってるぞ

どうかお慈悲を

浮気女への慈悲をか?

エリザベッタは気を失う

誰か!

エボリとロドリーゴが駆け付ける

重唱シーン
全員が自らの心の内を語り
全員違うことを考えているのに
すばらしい重唱になっているという
ヴェルディの真骨頂のシーン
しかし…
演出が込み入っています
ロドリーゴはフィリッポの身の回りの世話をする
貴族の位で普通はありえませんが。
フィリッポは潔癖症で常にジェルで手を消毒し
黒い手袋をはめている

フィリッポ
Ah! sii maledetto, sospetto fatale

エリザベッタが目覚め苦しみを歌う

フィリッポとロドリーゴが退場する。

エボリは裏切りを王妃に告白する

カルロを愛していたですって?

お許しください
そして国王の誘惑に屈しました

十字架を返して。

いよいよ名アリアです

エボリのアリア
O don fatal
B3 - B5

エボリ
O don fatale, o don crudel

エボリは???で自分の??を????

Ti maledico, ti maledico, o mia beltà!

パワー爆発
すばらしい演唱です
王の娼婦として扱われるさまを見ているだけに観衆はエボリに感情移入している

カルロの牢獄…といっても壁だけですが…

ロドリーゴが来る
名場面だらけのドン・カルロの中でも屈指の名シーンが来ました。
ざわざわと心が浮き立ちます
ついにこの日が来たかと…!

ロドリーゴのアリア
Per me giunto  - Romance
C3 - F4

もうお会いすることはありません
天国できっとお会いできるでしょう

lagrimar così perché?
No, fa cor, no, fa cor,
どうしてお泣きになるのです
気をしっかり持ってください

l’estremo spiro lieto è
a chi morrà per te.

死ぬ最後の瞬間まで私は幸せです
あなたのために死ぬのですから。

すばらしい!

大拍手

銃声

ロドリーゴは倒れる
O Carlo, ascolta

壁に寄りかかって上半身を支えて歌います

アリア
Io morrò, ma lieto in core  - Romance
E3 - F#/Gb4

Ah! io morrò, ma lieto in core

死んでいきますが私は幸せです
スペインのための救世主をお救いできたのですから

長大なアリアの後にまた長大なしかも超レガートで歌わなくてはならないアリア
馬力がないと歌えません。
すばらしいです!!!

私のことを忘れないでください
もうダメなようです
カルロさま、さようなら

ロドリーゴがこときれた直後にフィリッポがやってくる
フィリッポは壁に寄りかかったまま死んでいるロドリーゴを邪険に押す
倒れるロドリーゴの亡骸
黙役の手下がロドリーゴを布で包んで引きずっていく

(民衆→)難民?が(カルロを引き渡せと)迫る

難民?の反乱

エボリがカルロを連れて逃げる

しかしそこに大審問官が

彼の一言で皆ひざまずく民衆

窮地を救われたフィリッポ。

第5幕
(サンジュスト修道院の回廊)
エリザベッタ

いよいよ名アリアです

Tu che le vanità conoscesti del mondo
A#/Bb3 - A#/Bb5

すばらしい!!

ここは壁がなくがらんとしたステージ
何もない
墓もなく、美も、神聖さも何もありません

カルロが来るが…

エリザベッタとカルロの距離感も離れている

しかし壁が現れ
その壁が動くとフィリッポと大審問官が軍隊を引き連れて待ち構えている

ところが…

ここからは割愛

やっぱコンヴィチュニーだわ…

***

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最終更新日  2023年10月17日 12時37分19秒


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