サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2007.01.09
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 かつて、あるいはここ最近話題の人たちで、私が好きな人とは ――、例えば、
「独立総合研究所」の青山繁晴さん、関西のテレビではおなじみですが、考え方には異論を抱く人もいるかもしれませんが、常にものの見方に新しい視点を与えてくれる、という意味で好きです。これは彼の話し方が明確で論理的であることによるので、意見を異にするにしても、話を聞かせる論理的な明晰さがあるのです。
 それとは対蹠的に実行者としての力を、その日本的な親分肌で感じさせる人が、前にも取り上げましたアフガニスタンの中村哲さん、さらにサミュエルソンの小室直樹氏かな。いずれもおっしゃっている内容以上に、多面的なものの見方とか、思考の方法のようなものを私たちに与えてくれます。

 私は戦後左翼が「戦争」とか「防衛」に関して、その言葉を発すること自体を忌避していたのが、不思議でしょうがなく、それって裏返しの「言霊信仰」ではないかと思ったものでした。戦後「古事記」や「天皇」に触れるのを避けた日本の史学会の動向もそれとパラレルに進行してきましたね。
 それを代償するかのように「騎馬民族説」や「邪馬台国論争」といった、学問的にだけでなく文化的にも不毛の論争が、民間だけでなく学会でも取り上げられました。これは正面から日本の歴史に向き合おうとしない、戦後日本の思考体質の結果です。その中で唯一「古代朝鮮半島」との関わりを見直した、いわゆる半島交渉史論が、主として関西で行われたのは、新たな視点を導入したという意味では有用であったかもしれません。
 しかしこれもまた、現在の政治関係で奇妙に歪められ利用されて、おかしな方向に進みかかっているように見えます(「帰化人」を呼称がおかしいと「渡来人」と言い直したり、ハングル読みを無理矢理カタカナ読みにしたり、ハングルの発音はいかんせんカタカナでも不可能で、そのうちハングルで表記せよ、というような要求が出てくるかもしれません。これらは現在の政治状況が歴史にフィルターをかけてしまう典型的な例です。歴史を見つめる目にとって、これほど不毛の論争はありません)。

 その意味で、最近あまり登場されませんが、例の「ソビエト帝国の崩壊」の小室直樹氏も、その堅牢な論理性で好きでした。この人の「韓国論」や「戦争論」は、その明晰性において他に比類がなく、はたまた論理性と論理の限界についても充分意識した書かれかたが小気味良くて、この論法なら足元がぐらつくこともなく、大声になることもなく、相手に聞かせることができると思ったものでした。
 相手に勝てる、という意味ではありません。論争に勝ち負けを持ち出したら、結局腕力の強さに帰結して、お互いに恨みを残しますよ。 論理は常に感情に打ち負かされます 、感情は論理脳の下部、別次元に位するからです。
 早い話、1億の民に対して100人の論理が勝ったとしても、周囲は誰も勝ったとは認めないでしょう。スウェーデンやスイスがなぜ国際的なPresence(存在感)を維持できているのか、ということはもう一度よく考えなければなりません(スイスが第二次対戦中、領空に侵入した連合国の飛行機に対空砲火を浴びせたとか、スウェーデンが10年ほど前、領海に侵入したロシアの原潜に、爆雷攻撃を行って腕ずくで浮上させたとか)。
 国際関係については、お互いに言い分をハッキリさせるということが大事なので、互いの地点がハッキリすれば、後は交渉と妥協でしょう。国際関係で完全な勝ち負けというのは、戦争による決着しかありえないのですが、現代では戦争はお互いに疲弊するのが、どうもオチのようですね(核を使わずとも、第二次対戦後の英国、フランスのように)。
 であるなら多少は不満が残っても、付き合っていくしかしょうがない、ただしこちらの言い分はハッキリ言っておく、というのが大事なのでしょう。

 中国というのは、日本に限らず、周辺諸国にとっては、今に限らず歴史的にも巨大すぎて、重たくてしょうがない。しかし国ごとどこかへ引っ越すわけにもいかないので、こことどうやって付き合っていくか?さらには「孫子の兵法」の国ですから、外交交渉はお手のものの相手であります。「遠交近攻」という中国戦国時代の兵法を思い出します。
 アメリカがイラク戦争の失敗でちょっと自信を失くしている間に、東アジアでの中国のPresence(存在感)はいかにも大きく見え、さらには中近東からアフリカへ触手を伸ばしているようです。中国にとっては近接の日本というのは、過去の問題としてではなく、今の関係として眼の上のタンコブかも知れず、さしあたってかってに力を減殺してくれるのが一番望ましいのでしょうが、かといって完全につぶれてもらっても(資本投下が減るので)困る。
 適当に弱まって、おとなしくしていてくれる(中国のいうことを聞く)のが、一番好いのです。そこで浮かび上がってくるのが、朝鮮半島ということになるのですが――。

 青山さんが昨年末ごろに、テレビで「北朝鮮の核廃棄を、本当に望んでいるのは、日本だけ」という発言を聞いていて思ったことでした。
                                      ― つづく ―





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Last updated  2007.01.09 15:19:06
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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