サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2010.11.08
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 時事的話題、なかんずく政治向きの話題はしないと、いくら心に決めていても、いったんしゃべったからには、結局とことん話してしまわないと、しゃべるほうも聞くほうも気分の収拾がつかないというのが、この手の話題の厄介なところなのです。というわけで本件の締めくくりは、しばらく後回しになりそうです(当然「源氏読み」は、さらに後回し)。

 さて、では「事柄のあとを引き受ける」とは、どういう態度を意味するのでしょうか?
 本人(たち)が、これほど悩みかつ真剣に真実を世に知らせたかったのだから、我々はそれを真摯に受け取らなくてはならない、ということで好いのか?ということです。
 これはビデオを流出させた本人(たち)の動機を忖度している態度ということになります。そしてそこには、ほとんどこれが海保内部の人間、もしくはそれに近い筋のものがやった、ということを当為の前提にしているようです。そこから発して、海保の現場の士気が著しく低下していて、止むに止まれぬ心情からこれを起こした(だから、しかたがない)、という論法なのでしょう。

 もしこれが万が一、たんなる愉快犯の行った犯行であったならば、上の前提はすべて吹っ飛んでしまいますが、一応ここではそれは考えないことにします。少なくとも今どきのマスコミの論調、あるいは国会議員や評論家たちの一部は、それを前提として海保を弁護、ないし流出犯を擁護する方向に向かっているように思えるからです。しかし可能性としては低いですが、その恐れも捨てきれません。その場合、今まさしく威勢良くビデオ流出を擁護している人たちは、どう弁明するのでしょう。

 まあそれはさておき、本題に戻るのですが、本人(たち)の動機を忖度して、その心情が真剣なのだからという論法には、「事柄のあとを引き受ける」という観点が欠けてはいないか?
 「責任を持って事を処す」とは、「事柄の後始末をもすべて引き受ける」あるいは「後始末はようしないが、国のかたちを侵してでも、知らせるに足る理由がある」ということでしょう。マスコミ、国会議員そして評論家の一部は、おそらく後者に与したい、もしくはそちらのポジションで議論をしたいようです。
 しかしそれって、対等に責任を負った議論とはどうも思えない。「若手将校の気持ちにも理由がある」と思い、それを口にした時、その管理者たちは「出来した事実」に対して、どこまで本気で始末をつけるつもりだったのか?自身の本気度を示すために、切腹覚悟で相手に臨むしかない、というレベルだったのではないか?私は実はそういう手法というか、身振りというのが、どうもうさん臭く思えてしかたが無いのです。
 これほど真剣なのだから、説明責任も後始末もすべて「免責」されている、「後はお前たちやれよ」と凄んで、自身の口も相手の口も封じて、(我が身の真剣さを証明するために)切腹してオシマイというのでは、世界中にばら撒かれた敵味方の大量の死体を前にして、後に残された者たちはやり切れない。関西風に言うなら「ほんなら、この後始末どないせえちゅうねん!」ということになってしまいます。

 「真剣に悩んでいるのだから」とか「覚悟の上なのだから」といった、実行犯の気持ちの忖度はこの際別、事実的に出来した事柄に対して、自分たちはどういうポジションでいるべきか、そしてそのポジションを選んだ時、それを人にどう発するべきか、そこをハッキリさせておく、というのが責任ある発言というものでしょう。
 上にあげた事例で言うなら、もしこうした流出を擁護する発言をするなら、こうした「真剣な中味」ならば不法行為も許される、という立場に立つことになるが、その場合その不法行為を凌駕し得る国のかたち、というものを人に説明出来るか、仮にそれが出来るとして、それは民主主義法治国家で在り得るか、というところまで思考の次元を上げなければならない。
 それを前提にした上で、こうした守秘義務違反を擁護する発言をするならば、それを聞く側もまた、それをまともに受けざるを得ないのですが、はたしてどうなのか?

― つづく ―





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Last updated  2010.11.08 15:08:53
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
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