お散歩 。。。 0
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にほんブログ村 天国と地獄というタイトルから、みなさんは何を思い浮かべますか? 皇子の世代で映画好きであれば、黒澤明監督のサスペンス映画、天国と地獄。 1963年( 昭和38年 )に公開され、毎日映画コンクールや日本映画賞など を受賞した名作です。 製靴会社の専務権藤の息子とまちがえられて、運転手の息子が誘拐されます。 犯人から要求された身代金は三千万円。権藤は苦悩の末運転手のために、全財産を 投げ出して三千万円を犯人に渡します。今見ても、とてもよくできている サスペンス映画だと思います。 日本の刑法はいまだに犯罪者の人権保護とかいうわからんちんの 法体系で、被害者及びその家族の悲しみへの配慮に、欠けているところが あります。当時も、未成年者略取誘拐罪で 3ヶ月以上5年以下の懲役 〈刑法第224条〉、営利略取誘拐罪で 1年以上 10年以下の懲役〈刑法第225条〉)という、軽いものでした。 黒澤監督は天国と地獄でこの問題に一石を投じた結果、国会でも問題として 取り上げられ、1964年の刑法一部改正(「身代金目的の略取( 無期または 3年以上の懲役 )」を追加)のきっかけになったそうです。 天国と地獄から、運動会で必ず流される< 地獄のギャロップ > または、カステラ一番 電話は二番 三時のおやつは文明堂という、テレビ コマーシャルで流れた曲、またはフレンチカンカンのBGMを、 思い浮かべた方もいたかもしれません。 これは、オッフェンバックの< 地獄のオルフェ >という、 前二幕四場のオペレッタの曲であることを、知っておられるかたは あまりいないのでは?? 初演から1859年6月まで連続228回公演を記録した、大ヒット作にしてオッフェン バックの代表作。日本では、1914年に帝劇で初演されて以来、天国と地獄の の名で知られています。 このオペレッタは、ギリシア神話のオルペウスの悲劇をもとに作られた、 グルックの『オルフェオとエウリディーチェ』の、パロディといっても いいでしょう。 グルックの作品に第二帝政期のフランス社会が、抱えていた偽善性や矛盾の風刺を することで、当時の世相を取り入れています。本来は死んだ妻を愛するあまり、 地獄に赴くという感動的な夫婦の物語を、互いに愛人を作り、決して愛し 合っているわけではないのに、体面だけを気にして仕方がなく妻を取り戻しに いく、という偽善に満ちた夫婦の滑稽さを風刺した作品。 以前、プリマドンナという記事で紹介しました、ナタリーデセイがヒロイン を演じ、1997年リヨン国立歌劇場で上演された、音楽監督・指揮ミンコフスキの 天国と地獄が最高だと思います。 ジェネオンからこのDVDが発売されていますので、ご興味のあるかたは是非 見てくださいな。 日本ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.10.05
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にほんブログ村 あはっ・・お父さん方、タイトルから変な妄想をしたのでは・・・ トリスタントとイゾルデに出てきたような、惚れ薬・媚薬の話 ではおまへん。オペラのタイトルだす。 オペラは敷居が高いとか、難解ではないのか?とか言って、食わず嫌いな方が 実際は多いようです。でも一度見てみると、音楽・声楽・舞台など総合芸術 としての、オペラの魅力の虜になると思います。 それでは、何から見たらいいかと聞かれれば、皇子はドニゼッテイの < 愛の妙薬 >を、迷わずお勧めします。 オペラは殺人を伴う悲劇が多く、喜劇的な内容のものはモーツアルトの < フィガロの結婚 >、ロッシーニの< セビリアの理髪師 >と、 ドニゼッテイの< 愛の妙薬 >ぐらい。 愛の妙薬は、人間味溢れる登場人物が織りなす、とても楽しい喜劇であって、 結末もハッピー・エンデイングであるところがいいですね。 皇子はこのオペラが大好きで、出演者の違う 4枚のDVDを持っています。 ヒロインはちょっと我儘で気が強い、村一番の美人のアデイーナ。ヒーローは おバカさんですが、純朴でアデイーナを一途に思う、ネモリーノ。 皇子とオペラとの初めての出会いは、この小学館の< 魅惑のオペラシリーズ >。 解説書もついていて、初心者にはとてもよいものでした。このDVDでは、 アデイーナをエスポジト、ネモリーノをマチャードが演じています。 オペラ界絶世の美人といわれている、ゲオルギューがアデイーナを、 アラーニャがネモリーノを演じています。当時、二人は夫婦だっただけに、 舞台に緊張感が漂わず、よい出来栄えではありません。 アデイーナをキャサリン・バトル、ネモリーノをパヴァロッテイが演じて います。上演はメトロポリタン劇場だけに、舞台は見応えがあり素晴らしい! ただ、バトルのアデイーナは品がよすぎて、声の線が細すぎる感があります。 皇子お薦めの1枚が、これ( VIRGIN CLASSICS )。 但し輸入盤なので字幕が英語となります。ストーリー展開やセリフを知って いないと、ちょいときついかも・・ アデイーナを、アンナ・ネトレプコが演じてます。彼女は結婚・出産後 激太りとなってしまい、皇子を含め多くのファンを失望させました。ネモリーノ は、ゲジ眉のヴィラゾンが演じてます。 愛の妙薬では、真の悪人ではありませんが、いかさま師のドウルカマーラと、 地方守備隊の隊長でアデイーナにひとめぼれ、結婚を申し込むベルーコーレの 脇役が、重要な役割を負っています。 その意味で、このDVDでは、ベルーコーレをあのレオ・ヌッチが演じ、 キャステイングの上でもこれ以上の舞台は、今後見ることがもうできないと 思います。 そして、愛の媚薬の中には、皇子の大好きな アリアが、入っています。 第2幕第2場で、アディーナを想う気持ちが、美しい旋律となり聴く人の心をうつ、 ネモリーノが歌いあげるこの曲< 人知れぬ涙 >。 皇子の持っている御薦め4枚目の、DVDに収録されていますが、このヴィラゾン の熱唱に観客が劇中で、アンコールを行うというハプニングが、あったものです。 パヴァロッテイもさすがですね。歌唱力では1番ですが、悲しいかな演技力が・・ どうですか、みなさん・・・オペラを一度見てみたく、なったでしょう?! ブログ村ランキング、参加しています。 下の画像を、応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.09.25
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にほんブログ村 オペラは、ソプラノやテノール歌手のアリアが花形で、その他大勢の合唱は 縁の下の力持ち。でも、普段耳にする合唱曲で、オペラからきたものである事を、 意外に知らない方も多いと思います。 今日はそんな知名度の高い、オペラの合唱曲を紹介したいと思います。 (1)アイーダ 凱旋行進曲 ヴェルデイ作曲の古代エジプトを舞台に、恋と祖国の間で揺れる純愛物語、 アイーダ。規模の大きさと華やかさを兼ね備えたオペラだけに、野外劇場で 上演される機会も多いです。 その第2幕で祖国を勝利させた司令官ラメダスとエジプト軍に対して、高らかに 鳴り渡る有名な行進曲。吹管をまっすぐに伸ばしたアイーダ・トランペットに よるバンダが左右に分かれてファンファーレを演奏し、そこに合唱団が加わって 祝祭気分を盛り上げます。サッカーの応援歌としてこのメロデイーが 使われ、音楽ファン以外でも知名度アップしました。 ( 2 ) ナブッコ < 行け、わが想いよ、黄金の翼にのって > 同じくヴェルデイ作曲の、旧約聖書に基づいた人間ドラマ。破竹の勢いの バビロニア王ナブッコ、正妻の娘長女フェーナと次女アビガイッレ( 奴隷の 娘であると後でわかる )の確執、王位継承をめぐって王と次女の対決など、 激しくストレートな改心のドラマです。 その第3幕で、バビロニア軍に捕らわれたヘブライ人たちが、望郷の思いに かられて歌う有名な合唱曲が< 行け、わが想いよ、黄金の翼にのって >。 ナブッコ上演時、イタリアで起こり始めていた国家統一運動のシンボル・ソングと なった伝説から、イタリアの< 第二の国歌 >とも言われます。 ( 3 ) 椿姫 乾杯の歌 またまたヴェルデイ作曲の、オペラとしては不動の一番人気。田舎者の富豪の 息子アルフレードと高級娼婦ヴィオレッタの、激しく燃える真実の愛の物語。 第一幕冒頭の夜会シーンで歌われる、乾杯の歌。 結婚披露宴の乾杯の際に演奏されたりして、これは超有名なゴージャスの酒の歌 ですね。 ( 4 ) ローエングリン 婚礼の合唱 ワグナー作曲、彼の最後のロマン的オペラ。白鳥の騎士ローエングリンと公女 エルザ、白鳥の騎士との決闘に敗れたフリードリヒとその妻オルトルートという 二組のカップルの善悪・あるいは光と闇の物語。 第二幕、ローエングリンとエルザの婚礼の合唱、< 真心こめてご先導します > は、結婚式BGMの定番として流されますね。 (5)トロヴァトーレ アンヴィル・コーラス またもや、ヴェルデイ作曲。ここからもヴェルデイが、最も偉大なオペラ作曲で あることが、わかりますね。 吟遊詩人の呪われた過去、炎と燃える女の執念が交錯する悲劇。ヒロインの レオノーラは、リゴレットのジルダ、そして椿姫のヴィオレッタと共に、 コロラトウーラの高度なテクニックとドラマティックな表現を必要とされ、 ソプラノ歌手にとってはハードルが最も高い役どころと言われています。 第二幕の幕開きに相応しい曲で、短いけれどエキゾチックで印象的な音楽。 ジプシー達の貧しいが楽しい生活を活写し、老婆アズチューナがいまわしい 過去を語る、< 炎は燃えて >へとつながります。 (6)ウェーバー 『魔弾の射手』より「狩人の合唱」 ドイツの民話を題材とし、魔の潜む深い森や、封建時代の素朴な中にも良き 生活を描いたオペラ。ドイツ・ロマン主義を確立した記念碑的作品であり、 その清新な 音楽は新しいドイツ音楽を確立するものとして受け止められました。 序曲は特に有名で、その冒頭部分は賛美歌「主よ御手もて引かせ給え」 としても、知られています。 第三幕第六場、領主オットカールの酒席の天幕で、猟師たちが狩りを讃える歌 です。 まだまだご紹介したい合唱曲はありますが、今日はこのへんで。 さいなら、さいなら・・ ブログ村ランキング、参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.09.24
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にほんブログ村 オペラといえばアリアですが、声が絡み合って美しいハーモニーを醸成する、 重唱もまた楽しいものです。男女が恋を語る二重唱は当たり前なので、 登場人物のそれぞれの想いが交錯しそこにドラマを感じる、皇子なりのお薦め 重唱をほんのいくつか、紹介したいと思います。 まずは、リヒャルト・シュトラウスの< 薔薇の騎士 >から、第三幕の フィナーレ三重唱。 薔薇の騎士とはウィーンの貴族が、婚約の申込みの儀式に際して立てる使者の こと。婚約の印として銀のばらの花を届けるとの想定で、物語が作られて います。 音楽内容的には、モーツアルト・オペラを目指し、プロットも< フィガロの 結婚 >と似ているところがあります。 しかし、リヒャルト・シュトラウスの音楽は、モーツアルトに比べると、 サロメやエレクトラの作風に見られるごとく難解であって、個人的 には好きではありません。 しかし、年下の騎士オクタヴイアンを恋人にもった、元帥夫人マリー・テレーズ が、彼の新しい恋の相手ゾフィーとの幸せを願って最後は身を引くという、三人 それぞれの想いを綴ったこの三重唱は、聴き甲斐がありますよ。 次は、ヴェルデイの< リゴレット > プレーボーイのマントヴァ伯爵の宮廷芸人である、醜い道化師リゴレット。彼の 可憐な娘ジルダは伯爵に恋し、略奪された上で犯されてしまいます。この話を 聞いたリゴレットは逆上し、表の顔は居酒屋の主人で実は殺し屋のスパラフチーレ に、伯爵の殺人を依頼。 居酒屋でスパラフチーレの妹マッダレーナを、相変わらず口説いている伯爵。 外で、侯爵の不実な姿を見て嘆くジルダ、そして復讐の想いをつのらせる リゴレット。4人それぞれの異なる想いがからみあう、最高の4重唱だと 思います。 最後は、ロッシーニの< アルジェのイタリア女 >。 異教徒の国へ拉致されたイタリア女性イザベッラが、女性としての魅力と 強い意志と機知によって自分だけでなく恋人( リンドーロ )、そして 同国人の仲間まで救い出すと言うストーリー。 第一幕第4場、宮廷の大広間で繰り広げられる、下の登場人物入り乱れての 七重唱は圧巻で、笑いさえでてきます。 ムスタファー…アルジェリアの太守(B) エルヴィーラ…ムスタファーの妻(S) ズルマ…エルヴィーラの女奴隷(MS) ハリー…アルジェリアの海賊の首領(B) リンドーロ…若いイタリア人、ムスタファーに気に入られている奴隷(T) イザベッラ…イタリア娘(A) タッデオ…イザベッラの友人、不良老人(B) この映像は、メトロポリタンオペラ劇場100周年記念のライブ録音DVD < CENTENNIAL GALA > ( グラムフォン )に収録されています。 1983年に開催された記念ガラコンサートは、午後・夜と二部にわかれ延べ 70人のオペラ歌手が、お祝いに駆けつけ出演しました。 皇子は、DVDの中のこの重唱が面白く感じ、それから上の画像にある < アルジェの女 >のDVDを、買ったものです。演目自体はオペラとして、 マイナーな部類に属しますが、この七重唱は特筆すべきものでしょう。 まだまだ重唱として面白いものがありますが、今日はこのへんで・ さいなら、さいなら・・・ ブログ村ランキング、参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.09.23
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にほんブログ村 みなしゃ~~~ん、人間の声とは思えないこの歌を、まずは聴いてみておくんなまし。 わての好きなオペラ歌手の一人、バルトリの・・・ ( 《La Griselda》より“Agitata Da Due Venti” ) このように、クラシック音楽の歌曲やオペラにて、旋律に細かく速い音符の連なり を用いて装飾を施し、まるで声を転がすように歌う方法を、コロラトウーラ といいます。 この超技巧なコロラトウーラを、歌いこなせる歌手はそれほどいなく、また 下記のオペラでは、一つの見せ場にもなっています。 ベッリーニ - 歌劇「夢遊病の娘」より ああ、信じられないわ ヴェルディ - 歌劇「椿姫」より ああ、そはかの人か ヴェルディ - 歌劇「リゴレット」より 慕わしい人の名は ドニゼッティ - 歌劇「連隊の娘」 より みんながご存知 ドリーブ - 歌劇「ラクメ」より 若いインドの娘はどこへ(鐘の歌) グノー - 歌劇「ファウスト」より 宝石の歌 ドニゼッティ -歌劇「ランメルモールのルチア」より 狂乱の場 モーツァルト - 歌劇「魔笛」より 夜の女王のアリア ロッシーニ - 歌劇「セビリアの理髪師」より 今の歌声は 特に有名なのが、モーツアルト魔笛の、夜の女王のアリア。 「夜の女王」は劇中で2つのアリアを歌いますが、2幕で歌われる2番目のアリア 「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」のほうが有名であり、単に「夜の女王の アリア」と言えば、普通この曲を指します。 夜の女王が娘のパミーナに、ザラストロを殺すように迫る第2幕の場面で歌われ、 ザラストロへの激しい復讐の思いが、超絶技巧を要するコロラトゥーラで 歌われます。 「コロラトゥーラの女王」「ベルカントのディーヴァ」と讃えられたのが、 グルベローヴァ( 1946~2021 )。 1970年ウイーン国立劇場で、魔笛夜の女王を演じ喝采を浴び、その後1973年 グラインドボーン音楽祭、1977年メトロポリタンに出演し、夜の女王といえば グルベローヴァと言われるようになりました。 コロラトゥーラ・ソプラノとして、異例の半世紀にも及ぶ活躍を続け、 オーストリアならびにバイエルンの"宮廷歌手"の称号を与えられました。 日本にも15回来日し、多くのファンが彼女の美声に酔いしれたことから、 2021年突然の訃報に驚き悲しんだものでした。 日本ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.09.22
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にほんブログ村 オペラにおいて、男装する女性歌手の役柄をズボン役といいます。 まあ~、宝塚の男装役と同じようなものですね。ズボン役はバロックオペラ後、 モーツアルトフィガロの結婚のケルビーノから、始まったと言われて います。 ケルビーノは、憧れの伯爵夫人の前、スザンナのギター伴奏で、自作のラブ ソングを歌います。これが上に貼った、有名な< 恋とはどんなものかしら >。 ズボン役は、その後ベートーヴェンの<フィデリオ>のフィデリオこと レオーネ、ヨハンシュトラウス2世のオペレッタ<こうもり>の オルロフスキー、フンパーデインクの<ヘンゼルとグレーテル> のヘンゼルとして登場。 20世紀になり、リヒャルト・シュトラウスのオペラ〈薔薇の騎士〉の オクタヴィアンで、頂点に達します。 幕開き冒頭のオクタビアンと元帥夫人の濡れ場、オクタビアンとゾフィーの 二重唱、3幕最後の三重唱など、オクタビアンが本オペラの重要な役となって います。 翻って、宝塚の男役人気ランキングを調べたところ・・・ 第一位 天海祐希 第二位 真矢みき 第三位 大地真央 第四位 紫吹淳 第五位 真琴つばさ だそうですよ。 日本ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.09.21
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にほんブログ村 皆様にお楽しみ戴きました、何処かで聴いたオペラも、今回 で終わり。最終回は、モーツアルトのオペラの中でも、上演回数が 最も多く人気のある作品、魔笛。 物語は王子によるお姫様の救出劇ですが、夜の女王の国とザラストの国が途中で、 善玉と悪玉が入れ替わってしまいます。 パパゲーノのおれは鳥刺しという、陽気で愉快なアリアもいいですが、 第二幕で夜の女王が歌う< 地獄の復讐が胸にたぎる >が 最高!!! 高音の超絶技巧を( コロラトウーラ )要する、この曲を 歌い上げるソプラノ歌手はそれほどいません。 この曲は、トヨタのアルファードのCM<窓>編で、編曲的に使われました。 歌っているのは、ソプラノ歌手のYuccaですが、上述の二人に比べると やはりいまいち・・ レクサスのコマーシャルには、レオン・カヴァルロのオペラ「道化師」からの アリア「衣装をつけろ」が採用されるなど、車のCMでも結構オぺラの曲も 採用されています。 どうでしたか? これまで疎遠だと思っていたオペラも、何処かで耳にしたことがあった でしょう?! 少しでも興味をもたれ、今度はオペラを目で見て楽しまれることを、切に 望む次第だニャア~~!!! ==これでおちまいなのだ、ワン== ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.08.31
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にほんブログ村 続いては、プッチーニ作曲の全一幕オペラ、『ジャンニ・スキッキ』。 主人公の中年男ジャンニ・スキッキが、大富豪の遺産を巡る親戚間の騒動と、若い 男女の恋を見事に解決するさまを、コミカルに描いた喜劇。 オペラとしては、評論するほどの価値もない作品ですが、コンサートやリサイタルで 単独で歌われる、ラウレッタのアリア< 私のお父さん >O mio babbino caro だけは、いいですニャア~~!!! このアリアは、アカデミー賞受賞映画< 眺めのいい部屋 >の主題歌にも なっており、また日本映画< 異人たちとの夏 >でも、印象的に使われて います。 仲村トオルと鷲尾いさ子夫妻が出演した、花王メリットシャンプーの CMでも、私のお父さんが流れました。お父さんと遊んで帰ってきたシーンが、 テーマになっているので、曲のタイトルとぴったり合いますね。 私のお父さんを情感豊かに歌い上げる、永遠のデイーヴァマリア・カラス。 20世紀最高のソプラノ歌手といわれ、ランメルモールのルチア、ノルマ、椿姫の ヴィオレッタ、トスカなどの歌唱は、技術もさることながら役の内面に深く踏み 込んだ表現で、多くの聴衆を魅了しました。 近年、彼女の功績をたたえ映画製作も相次ぎ、2002年(日本公開は2003年)には カラスと個人的な親交もあり、オペラ演出家としても名高いフランコ・ ゼフィレッリ監督による< 永遠のマリア・カラス >が作られ ました。 2005年(日本では2008年公開)には没後30周年企画として、カラスとオナシスの 関係に焦点を当てた< マリア・カラス最後の恋 >が、2007年(日本では2018年 公開)にはドキュメタリー映画< マリア・カラスの真実 >、2017年(日本では2018年公開)には< 私は、マリア・カラス >が公開されています。 ==つづく== ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.08.30
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にほんブログ村 続いてはワグナーのニュルンベルクのマイスタージンガー。 若いヴェルターとエヴァのラブストリーではなく、内心でずっとエヴァに心を寄せて いた靴屋のマイスターザックスが、身を引き2人を応援するという男やもめの、 人生黄昏を感じさせられた物語でした。 第一幕の前奏曲として演奏されるこの曲が特に有名で、単独で演奏される機会も 多い。楽劇中に登場するライトモテイーフを使い、祝祭的で溌剌とした雰囲気に 彩られた名曲ですね。 テレビコマーシャルの中でも、この前奏曲はよく使われ、グラブルのCMで流 された事を記憶されている方も多いと思います。 マイスタージンガーとは、職人の親方が芸術の分野で、自ら作詞・作曲・ 歌唱を兼ねるもので、日本語に訳すと<親方歌手>あるいは<職匠歌手>となり ます。 ワグナーのオペラは、難解で加えて上演時間も長く、皇子的にはあまり好きでは ありもはん。本オペラも上演時間は約4時間20分(第一幕80分、第二幕60分、 第三幕120分)、休憩時間をいれれば5時間を超えてしまいます。 物語の中心は、16世紀中ごろのニュルンベルク。 ドイツの中心都市であったニュルンベルクは、シュットガルト・ドレスデンと 共に、三大クリスマスマーケットの一つとして有名で、毎年200万人が 訪れると言われています。 ドイツのクリスマスマーケットでは、手作りの木工品や雑貨を販売する出店も 多くみられます。なかでも特徴的なのは、顔がクルミ、体はプラムやイチジクで 作られた人形、ツヴェッチゲメンレ(Zwetschgemännle)。さまざまな衣装を 身に着けた人形が、安いもので5ユーロくらいから探せます。 クリスマス時期恒例のレープクーヘン(Lebkuchen)はニュルンベルクが元祖。 スパイシーでちょっとクセのある味が好き嫌いの分かれるところですが、ハート 型のオーナメントも、いいですニャア~~!!! ==つづく== ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.08.29
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にほんブログ村 次は、マスネ作曲のタイス。 物語は修行僧と娼婦のラブストリーという、奇想天外な内容です。多くのdvdが 発売されていますが、エヴァ・メイがタイスを演じるこの作品が、名盤と 言われています。 オペラタイス第二幕の第一場と第二場の間で演奏される間奏曲が、 タイスの瞑想曲。 第二幕第一場で修道僧アタナエルは、高級娼婦のタイスに享楽的な生活から離れ、 神を通じた救いを求めるよう彼女を説得します。タイスがどうしたもんだべえ?! と考えている間、管弦楽によって演奏されるのがこの瞑想曲。 タイスの瞑想曲は、ヴァイオリンのソロ曲として演奏される機会も多く、 みなさんも耳にしたことがあると思います。またテレビCMや映画タイタニック などでも使用され、世界的に有名な曲ですね。 高級娼婦との悲恋物語で有名なのは、ヴェルデイの椿姫。 オペラで不動の一番人気の作品で、激しく燃える真実の愛の物語そして悲しい 結末に、観客は必ず涙を誘われます。 ==つづく== ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.08.28
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にほんブログ村 次は、ピエトロ・マスカーニ作曲のオペラ、カヴァレリア・ ルステイカーナ。 19世紀後半のシチリアで展開される、三角関係のもつれが招く悲劇。このオペラは 全一幕という上演時間が短いことから、レオンカヴァッロ作曲の道化師と 同時に、上演される事が多いのです。 オペラ自体はたいした作品ではありませんが、甘く切ない旋律があふれる間奏曲 が有名。 むきだしの感情のもつれという、どろどろとした二組男女の愛憎劇の中で、 この美しい曲の流れに一瞬心の安らぎを得ます。しかしそれは、その後に起こる 悲劇的結末を、より強調する結果となってしまいます。 ミスドのコマーシャルにも、この間奏曲は使われたことがありましたね。 「この曲ってアヴェ・マリアじゃないの?」と思われる方もいるかも しれません。実はマスカーニのアヴェ・マリアは、このオペラの間奏曲に、 あとから歌詞がつけられたものなのです。 映画ゴッドファーザーパート3のラストシーンで、この間奏曲が流れた のがとても印象的でしたね!!! ==つづく== ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.08.24
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にほんブログ村 続いては、イタリアヴェルデイ作曲のアイーダ。 古代エジプトを舞台にした、恋と祖国の間で揺れ動く純愛物語で、規模の大きさ と華やかさを兼ね備えたオペラであることから、野外劇場で上演される機会も 多いです。 第二幕で祖国エジプトを勝利させた司令官ラメダスと、エジプト軍に対して 高らかに鳴り渡る凱旋行進曲が、特に有名。 吹管をまっすぐに伸ばしたアイーダ・トランペットが、左右に分かれて ファンファーレを演奏し、合唱と共に祝祭気分を盛り上げます。 この曲は日本でサッカーの応援歌として、定着してしまいましたね。 サッカーシーズンになると、たいていこの曲がCMなどで使用されています。 オペラの凱旋行進曲が、なぜサッカーの応援歌に???? 中田英寿選手が、イタリアセリエA時代に在籍したチームの一つがパルマFC。 アイーダの作曲家であるヴェルディの出身地が、パルマであったこともあり、 パルマFCでは、町の偉人であるヴェルディの作品の中でも、特に有名なアイーダ の「凱旋行進曲」を、古くから応援歌としていました。 中田選手はこの「応援歌」をとても気に入り、そのことを自身のホームページに 掲載しました。これを見たサポーターたちが、中田選手を応援する際にスタジアム で歌い出したことがきっかけとなり、この「凱旋行進曲」が一躍サッカー応援歌の 代名詞的な存在となったのだそう。 ==つづく== ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.08.23
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にほんブログ村 音楽、歌、演劇と舞台の総合芸術と言われる、オペラ。DVDでの鑑賞を 趣味の一つとしている皇子は、ブログで時々記事にアップしてきました。しかし オペラは敷居が高いのか、馴染みがないのか、ブロトモさんのコメントも今一つ。(笑い) 今回は観たことがあるということではなく、何処かで聴いたことが あるという視点で、オペラの曲をご紹介したいと思います。 数あるオペラの中でビゼー作曲のカルメンは、音楽として芝居として完成度の 高い作品。魔性の女カルメンに、惚れたうぶな男ドン・ホセは、 家も婚約者 ミカエラも捨て、最後に自分から心が離れた、カルメンを刺殺します。 劇中のアリア、ハバネラ( 野の鳥 )や闘牛士の歌が有名。 特に第一幕でカルメンが登場し、( 恋は野の鳥、飼いならすことなど出来 ない )と、この悪女に相応しい歌詞のハバネラは、エロスを漂わせた エキゾチックな調べと共に、聴く者の心に強い印象を残します。 テレビ番組、「ビートたけしのTVタックル」のオープニングで使用され、 またTVコマーシャルでも数多くバックサウンドとして取り上げられてきたので、 耳にした方も多いと思います。たとえば、ちふれ「CHIFURE美養液」キリン「午後の紅茶」オリンパス1眼レフレフカメラ「E300」コーセー「ソフティモホワイト」ソフトバンク「ケータイPHOTOS」ECC外語学院TOTO「スプリノ」JTB 当該コマーシャルをユーチュブで探しましたが、残念乍ら見つかりませんでした。 ハバネラはフィギュアスケートの曲として採用されることも多く、 浅田真央、ザキトワ、カテリーナ・ビットなどが、この曲で華麗なスケ―テイング を見せてくれましたね。 こちらの方が、記憶に残っているのでは、ないでしょうか?! ==つづく== ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.08.22
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にほんブログ村 人間はそもそも悪であり、その悪魔的本能を抑止しているのが、< 理性 > とする性悪説。 物質欲、情欲などを理性で制御出来ずに、己の本能のままに生きる女すなわち < 悪女 >は、オペラでも数々取り上げられています。その悪女に惚れた 男は、破滅の道へひたすら走り、結果として どちらかの< 死 >をもって、 物語が終わっています。 オペラを見た事がない人でも、ビゼーの< カルメン >の話は、誰でも ご存知ですよね。 魔性の女カルメンに、惚れたうぶな男ドン・ホセは、 家も婚約者ミカエラも捨て、 最後に自分から心が離れた、カルメンを刺殺します。 マスネの< マノン >では、享楽的で金銭欲の強い女マノン・レスコー に 惚れた、騎士デ・グリューの破滅への道が描かれ、これは マノンの獄中の死で 終わります。 このマノンに魅せられたプッチーニも、< マノンレスコー >として オペラ化し、こちらも傑作と讃えられています。 この二つを、オペラの悪女の代表的な作品として、あげる人が多いのですが、 ベルクの< ルル >は身近な男を次々と死へ誘う情欲女が、最後は娼婦に おちぶれて、変質者に殺害されるお話。 ショスタコーヴィチの< ムツエンスク郡のマクベス夫人 >は、 ブルジョアの若妻が使用人に惚れ、義父と夫を殺害した後、結婚しようとするが 悪事が露見。その男にも最後はふられて、非業の死をとげるという話なども、 典型的悪女の話です。 後者の2作品は共に20世紀のオペラで、無調音楽や十二音技法など 前衛的な音楽で彩られています。ストーリーの悲惨さ、難解な音楽もあいまって、 鑑賞後不快感しか残りませんでした。ロマン派皇子にとっては、これらは 愚作と しかいいようがおまへん。 男は< 小悪魔 >的な女性に、惹かれる傾向は確かにありますが、 < 大悪魔 >はおとうさんがた、やはりやめた方がよろしゅう おすえ~~!! さてさて、サイト NEVER に 悪女になる秘訣が、載っておりました ぞい・・・ 貢がせる女の特徴 1.焦らし上手 人間は簡単に手に入れたものよりも、努力して手に入れたものの方を大切に します。恋愛でも、簡単に落とした女性より、時間とお金をかけて落とした 女性のほうが大事にされます。何回かデートして焦らすことが、男性が貢ぎたく なる女になるポイントです。 2.嘘上手 嘘でもいいので誠意を示し、男性に安心感を与えることで「手に入れられそうで 手に入らない女性」という印象を植え付け、狩猟本能を煽ることができます。 3.秘密の共有 秘密を持つということは、それだけお互いを近づけること。秘密の共有で、 この女性とは「簡単には離れられない」と思わせようとしていたようです。 たとえば、「ここだけの話なんだけど」という前置きと共に、相談ごとを 持ちかけたりすると良いかもしれません。 4.お金のかかる女であることをアピールする 外見がオシャレで、高価なブランド物を身につけていないと、貢ぐ男は寄って きません。髪も美容院できれいにしてもらい、洋服も高級ブランド品をつける。 その見た目を見て、お金がかかりそうだけど、でもしたい!と思う男に貢がせる のです。もし、見た目が品祖で地味な感じだと、お金のない男しか寄って きません。 5.貧乏を装うのも手 貧乏だからお金ちょうだい作戦です。「貧乏だから食事おごって♪」「貧乏 だから家賃払って♪」とストレートにお願いするわけではないけれど、そういう 雰囲気を出すことで、多少のお金に余裕のある男性なら、サポートしてくれる ことも少なくありません。 だそうで、ごじぇ~ます。 聞くところによれば、シニア出会い系サイトやお見合いパーテーが、大盛況との こと。 暇と時間を持て余しているじいさまを、貢がせるチャンスがありますよん。 熟女諸君・・・せいぜいお気張りやす!! ブログ村ランキング参加しています。 下の画像応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.07.14
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にほんブログ村 オペラで、ヒロインが悲しみの挙句精神的に錯乱し、華やかな装飾音譜に 彩れたアリアを歌い上げるシーンがあります。これは、ドニゼッテイや ベッリーニが活躍した時代1830年代に流行ったオペラの一場面で、 狂乱の場 mad scene と呼ばれるようになりました。 代表的な作品が、ドニゼッテイのランメルモールのルチアや ベッリーニの清教徒。この時代はソプラノのプリマドンナが人気にあり、 コロラトウーラと呼ばれる超絶技巧が発達しました。 狂乱の場で最も有名なのが、ドニゼッテイのランメールモールのルチア。 恋人と無理やり引き裂かれ、意の沿わぬ男と政略結婚されたルチアが、結婚式の 初夜の床で狂乱し、夫を殺害します。その後、血の付いた白い衣装のまま、 狂乱のアリアを歌います。 実は、本作品の原作は1818年に発行された< ラマムアの花嫁 >という 小説で、スコットランドで実際にあった事件を題材にしてあります。 皇子とルチアとの出逢いは、このDVDが初めて。 舞台に登場した、二人の女性の内若い方が、ヒロインのルチアだと思ったら・・ おばはんの方で、びっくりぽん。彼女がその時、サザランドだと知り ました。歌唱力は超一流なのですが、なにせこの容貌が・・・ それでは皇子が推すプリマドンナ、デセイとネトレプコの舞台を、 お楽しみ下さい。 ベッリーニ最後のオペラとなった「清教徒」。 17世紀半ば、イギリスの清教徒と王党派の抗争の中での物語。 ヒロイン・エルヴィーラと王党派騎士アルトウーロとの愛を描いた このオペラは、ランメールモールのルチアと同様に、ソプラによる超絶技巧の 狂乱の場があります。 それでは、これもネトレプコの熱演で・・・ 日本ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.05.11
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にほんブログ村 最後のプリマドンナは、イタリア人のメゾソプラノ歌手、チェチーリア・バルトリ ( 1966~ )。 以前通っていた歯医者さんがクラシック音楽に造詣が深く、院内には常時クラシック が流れていました。CDが終わると、治療中でもその手を止め、かけ直しにいく 程ですから、患者はたまったもんではありませぬ。 そのお医者さんに、薦められたのがバリトリ。 彼女は、モーツアルトとロッシーニのオペラ役で有名。 1997年メトロポリタンでの、ロッシーニ< チェネントラ >の主役を 演じ、大ブレーク。 この出演が絶賛を受けた結果、チェネントラの役はバルトリと結び付けられ、 以後語られるようになりました。 しかし、バルトリ自身はオペラより、ヴィバルデイやハイドンのようなバロック や初期の古典派音楽に注力するようになりました。 17世紀、変声期前の少年を去勢し、少年期の高い声域を維持させ、本来女性の 音域であるソプラノやアルトのパート歌うカストラートという、男性歌手の 職種がありました。 彼等の為に作曲された、技巧的に美しく官能的な作品に、バルトリは深く 共感します。 そして発表されたアルバムが、「Sacrificium(神へのささげもの)」。 伴奏は、人気のイタリアの古楽グループ、「イル・ジャルディーノ・アルモニコ」が 担当していて、バルトリのお薦めDVDは?と聞かれれば、この作品を推薦します。 久しくオペラの舞台が外れていたバルトリが、ロッシーニのアルジェの女に 出演したというので、早速購入。 でも、舞台が現代に置き換えられた脚本で、昔のオペラをよしとするわての 評価は、しょんぼりのしょんぼり・・・ == 完 == 日本ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.05.10
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にほんブログ村 2人目が、フランスのナタリー・デセイ( 1965~ ) 。 レパートリーの幅広いリリック・ソプラノ及びコロラトウーラ・ソプラノで、 歌唱力と美貌を兼ね備えた現代世界最高のオペラ歌手の一人でした。 ドイツ・オペラだけでなく、イタリア・オペラ、フランス・オペラなど、広範な レパートリーを持っています。 オペラ歌手というと、お相撲さんのような立派な体格の女性が多いのですが、 彼女は小柄でスリムなので舞台映えがします。ランメルモールのルチア 狂乱の場でわかるように、鈴をふるわすような美声と、女優にしていい ほどの演技力の持ち主。 この狂乱の場の歌は、15分間以上の難しいフレーズの連続で、単に歌うだけで なくある種の狂気も、演技で表現しなければいけません。オペラ歴史上、ほぼ 完璧にこの狂乱の場を歌いきれる歌手は、マリア・カラス、グルヴェーローヴァ、 ナタリー・デセイ、ネトレプコなど、10人程度と言われています。 しかし、無理がたたったのか2001~2002年声の不調を訴え、診断結果 喉にポリープが出来ているのが発見されました。声帯の外科手術を経て復帰 しますが、2005年に再手術しその後舞台に再復帰。 結局、2013年にはオペラの舞台から引退してしまいました。 オッフェンバックのオペレッタ、天国と地獄に見られる、コミカルな 演技も彼女の魅力。歌・芝居・踊りと三拍子揃ったヒロインユリデイス役が、 デッセイの本領を発揮した舞台となっています。 共演するジュピテール役のローラン・ナウリは彼女のご主人だそうですが、 スケールの大きい演技、しかも何処か愛嬌があっておもろい。 名ばかりの夫婦というものを、笑いとエロシテイズムと美しいリズムで、 痛烈に風刺。 フイナーレ出演者総出のカンカンが、まさにフランスならではの、大輪の オペレッタに仕上がっています。 ドニゼッテイの連帯の娘も、面白かったですね。 ==つづく== 日本ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.05.09
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にほんブログ村 オペラのヒロインを演じる花形オペラ歌手を、プリマドンナといいます。 舞台に出てきただけで花が咲いたように華やかで、観客の心をたちまちとらえて しまい、しかも歌も演技もしっかりしている。 オペラのヒロインのほとんどがソプラノのため、現在は人気・実力を兼ね 備えたソプラノ歌手をプリマドンナと言います。DVDで多くの舞台・プリマドンナ を見て、皇子的にも好きな歌手が三人でき、彼女達の歌や舞台を収録したCDや DVDを集めるようになりました。 その一人が、アンナ・ネトレプコ。 ネトレプコ( 1971~ )はロシア出身の歌手で、卓越した歌唱力のみならず その美貌によっても、現代を代表するソプラノ歌手の一人。モーツアルトや プッチーニを得意とし、またランメルモールのルチア狂乱の場では、 超絶技巧のコロラトウーラを歌い上げて、喝采を呼びました。 ネトレプコはその美貌のみならず、明るくお茶目な性格の舞台上での演技が、観衆 から愛されました。 2007年ドイツバーデン・バーデン祝祭劇場での、ガラコンサートを 収録したのが、このDVD。ネトレプコが、銀色の靴を脱ぎすてて素足で踊り、 その後歌いながら花束から花をちぎり、客席の紳士に向けて投げるというシーンが 見られ、びっくらこきました。 ネトレプコとメゾソプラノのガランチャによる初共演、「花の二重唱」も 見どころの一つ。 本コンサートは( 2007年7月28、31日、8月3日 )3回開催されましたが、 チケット販売開始後3日も経たずに全て完売したそうです。 当時、ネトレプコとヴィラゾンはゴールデンコンビと言われ、数々の 舞台で共演しました。 2005年ウィーン国立歌劇場で上演された、ドニゼッテイ< 愛の妙薬 >の 共演舞台のDVD。 テノールが本格的な主役となる史上最初のオペラであり、ヴィラゾンは優秀な 歌い手としてだけでなく、俳優としても超一流であるということが、本舞台で 証明されました。大喝采の中、名アリア「人知れぬ涙」をアンコールとして、 再度歌うという歴史的な出来事が収録されています。 かようなプリマドンナも、ロシアのウクライナ侵攻の影響を、もろに 受けています。 というのは、2012年・2018年のロシア大統領選挙で、ネトレプコはプーチン の選挙キャンペーンに協力。また、2014年ロシアによるクリミアの一方的併合時、 親ロシア派のドネツクにあるオペラハウスに100万ルーブルを寄付していました。 このような過去の経緯から、プーチンのウクライナ侵攻に対しネトレプコが、 批判を控えたこともあり、反ロシアの欧米各国の劇場からは、ネトレプコの出演 取り止めや禁止措置をとるようになりました。 スポーツもそうですが、音楽の世界でも狂人プーチンの為、出場機会を失う者が いるわけで、彼を抹殺するしかこの泥沼の戦争に、終止符を打てないのでは ないでしょうか? ==つづく== 日本ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.05.08
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にほんブログ村 わての奥さまは、マスコミの情報に乗せられやすい。 新聞を読むと、 ( これ食べてみたあ~~い!! ) ( これ読んでみたあ~~い!! ) ( これ見てみたあ~~い!! ) と、絶叫。 心優しい皇子はその叫びを聞くと、願いを叶えてあげてきました。 時は、2007年。 当時の朝日新聞夕刊に、赤川次郎の< 三毛猫ホームズとオペラに行こう > というコラムが、1年半にわたって連載されました。 赤川次郎は、1981年ミラノ・スカラ座の来日公演を見て、すっかり オペラの虜となってしまいます。暇さえあれば、ウイーン・ミラノに飛んで 行き、現地でオペラを鑑賞。家に帰ればDVDで鑑賞と、オペラ三昧の日々。 その記事を読んだ奥さまが、 ( これ、見てみたあ~~い!! ) と絶叫したのが、モーツアルトのオペラ< 魔笛 >。 クラシック音楽に溺れていたわては、オペラの名前は聴いたことがありますが、 その舞台をこれまで見た事がありません。そこで赤川が、< 魔笛 >の名盤 として推奨したDVDを、購入しましたがな。 サバリッシュ指揮の下、極めてオーソドックスな演出で、メルヘンの味わい 豊かな舞台が見られます。また。コロラトウーラの難曲で知られる、夜の女王 を歌うエデイタ・グルベローヴァの、圧倒的な歌唱力も見どころの 一つ。 唄、音楽、舞台と、まさに総合芸術といっていいオペラは、確かに おもろい!!! でもオペラ・ハウスに出かけるのはまだ時期尚早と、初心者向けのDVDを探して みつけたのが、小学館の< 魅惑のオペラ >。 名盤でなくても、ストーリーや歌手の解説などと共に、舞台の録画も見る事が 出来ます。オペラは物語の筋を知って見ると見ないとでは、その楽しさが全く 違ってきます。 ウイーン駐在時、訪問客の多くがオペラかウイーンフィルの演奏を聴きたい とのことで、事務所には全オペラの解説書が置いてあり、客に事前にコピーを 渡しました。 オペラは途中の休憩を入れて、4~5時間の長丁場となりますので、折角 このような配慮をしても、長旅の疲れかほとんどの客が途中で居眠り。 鼾をかく人もいて、周囲から顰蹙をかうことが、たびたびありました。 そして、オペラにかんする本や雑誌を購入の上、名舞台といわれているものを 録画したDVDを購入し、その数は200以上。東北単身赴任中の長い夜のお楽 しみは、このDVDの鑑賞でしたね・・・ 最近のオペラは費用の節減によるしょぼい舞台装置や、奇をてらった現代的解釈の 脚本などで、集めたDVDで見たオペラの楽しさは、とても味わえないものに なってしまいました。 日本ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2023.05.03
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にほんブログ村 オペラといえばアリアですが、声が絡み合って美しいハーモニーを醸成する、 重唱もまた楽しいものです。男女が恋を語る二重唱は当たり前なので、登場 人物のそれぞれの想いが交錯しそこにドラマを感じる、皇子なりのお薦め 重唱をほんのいくつか、紹介したいと思います。 まずは、リヒャルト・シュトラウスの< 薔薇の騎士 >から、第三幕の フィナーレ三重唱。 薔薇の騎士とはウィーンの貴族が、婚約の申込みの儀式に際して立てる使者の こと。婚約の印として銀のばらの花を届けるとの想定で、物語が作られて います。 音楽内容的には、モーツアルト・オペラを目指し、プロットも < フィガロの結婚 >と似ているところがあります。 しかし、リヒャルト・シュトラウスの音楽は、モーツアルトに比べると、 サロメやエレクトラの作風に見られるごとく、難解であって個人的には 好きではありません。 年下の騎士オクタヴイアンを恋人にもった、元帥夫人マリー・テレーズが、 彼の新しい恋の相手ゾフィーとの幸せを願って最後は身を引くという、三人 それぞれの想いを綴ったこの三重唱は、聴き甲斐がありますよ。 次は、ヴェルデイの< リゴレット > プレーボーイのマントヴァ伯爵の宮廷芸人である、醜い道化師リゴレット。彼の 可憐な娘ジルダは伯爵に恋し、略奪された上で犯されてしまいます。この話を 聞いたリゴレットは逆上し、表の顔は居酒屋の主人で実は殺し屋のスパラフチーレ に、伯爵の殺人を依頼。 居酒屋でスパラフチーレの妹マッダレーナを、相変わらず口説いている伯爵。 外で、侯爵の不実な姿を見て嘆くジルダ、そして復讐の想いをつのらせる リゴレット。4人それぞれの異なる想いがからみあう、最高の4重唱だと 思います。 最後は、ロッシーニの< アルジェのイタリア女 >。 異教徒の国へ拉致されたイタリア女性イザベッラが、女性としての魅力と強い 意志と機知によって自分だけでなく恋人( リンドーロ )、そして同国人の 仲間まで救い出すと言うストーリー。 第一幕第4場、宮廷の大広間で繰り広げられる、下の登場人物入り乱れての 七重唱は圧巻で、笑いさえでてきます。 ムスタファー…アルジェリアの太守(B) エルヴィーラ…ムスタファーの妻(S) ズルマ…エルヴィーラの女奴隷(MS) ハリー…アルジェリアの海賊の首領(B) リンドーロ…若いイタリア人、ムスタファーに気に入られている奴隷(T) イザベッラ…イタリア娘(A) タッデオ…イザベッラの友人、不良老人(B) この映像は、メトロポリタンオペラ劇場100周年記念のライブ録音DVD < CENTENNIAL GALA > ( グラムフォン )に収録されています。 1983年に開催された記念ガラコンサートは、午後・夜と二部にわかれ延べ 70人のオペラ歌手が、お祝いに駆けつけ出演しました。 皇子は、DVDの中のこの重唱が面白く感じ、それから上の画像にある < アルジェのイタリア女 >のDVDを、買ったのでした。 演目自体はオペラとして、マイナーな部類に属しますが、この七重唱は特筆 すべきものでしょう。 まだまだ重唱として面白いものがありますが、今日はこのへんで・・ さいなら、さいなら・・・ ブログ村ランキング、参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2022.09.14
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にほんブログ村 皇子の趣味の一つは、クラシック音楽鑑賞。その中でも、オペラが大好き・・ しかし、オペラに興味のあるブロ友さんはまずいなく、関連記事をアップすると 極端にコメントが少なくなります。( 笑い ) オペラは、ソプラノやテノール歌手のアリアが花形で、その他大勢の 合唱は縁の下の力持ち。でも、普段耳にする合唱曲で、オペラからきたもので ある事を、意外に知らない方も多いと思います。 今日はそんな知名度の高い、オペラの合唱曲を紹介したいと思います。 (1)アイーダ 凱旋行進曲 ヴェルデイ作曲の古代エジプトを舞台に、恋と祖国の間で揺れる純愛物語、 アイーダ。規模の大きさと華やかさを兼ね備えたオペラだけに、野外劇場で 上演される機会も多いです。 その第2幕で祖国を勝利させた司令官ラメダスとエジプト軍に対して、高らかに 鳴り渡る有名な行進曲。吹管をまっすぐに伸ばしたアイーダ・トランペットに よるバンダが左右に分かれてファンファーレを演奏し、そこに合唱団が加わって 祝祭気分を盛り上げます。 サッカーの応援歌としてこのメロデイーが使われ、音楽ファン以外でも 知名度がアップしました。 ( 2 ) ナブッコ < 行け、わが想いよ、黄金の翼にのって > 同じくヴェルデイ作曲の、旧約聖書に基づいた人間ドラマ。 破竹の勢いのバビロニア王ナブッコ、正妻の娘長女フェーナと次女アビガイッレ ( 奴隷の娘であると後でわかる )の確執、王位継承をめぐって王と次女の 対決など、激しくストレートな改心のドラマです。 その第3幕で、バビロニア軍に捕らわれたヘブライ人たちが、望郷の思いに かられて歌う有名な合唱曲が< 行け、わが想いよ、黄金の翼にのって >。 ナブッコ上演時、イタリアで起こり始めていた国家統一運動のシンボル・ソングと なった伝説から、イタリアの< 第二の国歌 >とも言われます。 ( 3 ) 椿姫 乾杯の歌 またまたヴェルデイ作曲の、オペラとしては不動の一番人気。 田舎者の富豪の息子アルフレードと高級娼婦ヴィオレッタの、激しく燃える 真実の愛の物語。 第一幕冒頭の夜会シーンで歌われる、乾杯の歌。 結婚披露宴の乾杯の際に演奏されたりして、これは超有名なゴージャスの 酒の歌ですね。 ( 4 ) ローエングリン 婚礼の合唱 ワグナー作曲、彼の最後のロマン的オペラ。白鳥の騎士ローエングリンと 公女エルザ、白鳥の騎士との決闘に敗れたフリードリヒとその妻オルトルート という二組のカップルの善悪・あるいは光と闇の物語。 第二幕、ローエングリンとエルザの婚礼の合唱、< 真心こめてご先導 します >は、結婚式BGMの定番として流されますね。 (5)トロヴァトーレ アンヴィル・コーラス またもや、ヴェルデイ作曲。ここからもヴェルデイが、最も偉大なオペラ 作曲家であることが、わかりますね。 吟遊詩人の呪われた過去、炎と燃える女の執念が交錯する悲劇。ヒロインの レオノーラは、リゴレットのジルダ、そして椿姫のヴィオレッタと共に、 コロラトウーラの高度なテクニックとドラマティックな表現を必要とされ、 ソプラノ歌手にとってはハードルが最も高い役どころと言われています。 第二幕の幕開きに相応しい曲で、短いけれどエキゾチックで印象的な音楽。 ジプシー達の貧しいが楽しい生活を活写し、老婆アズチューナがいまわしい過去 を語る、< 炎は燃えて >へとつながります。 (6)ウェーバー『魔弾の射手』より「狩人の合唱」 ドイツの民話を題材とし、魔の潜む深い森や、封建時代の素朴な中にも良き生活を 描いたオペラ。ドイツ・ロマン主義を確立した記念碑的作品であり、その清新な 音楽は 新しいドイツ音楽を確立するものとして受け止められました。 序曲は特に有名で、その冒頭部分は賛美歌「主よ御手もて引かせ給え」としても、 知られています。 第三幕第六場、領主オットカールの酒席の天幕で、猟師たちが狩りを讃える歌 です。 まだまだご紹介したい合唱曲はありますが、今日はこのへんで。 さいなら、さいなら・・ 日本ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2022.09.13
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にほんブログ村 悪女とは、読んで字のごとく< 悪い女 >のこと。でも悪の本質からいって、 二つに大別されるのでは、ないでしょうか? 1)善悪の倫理観からいって、悪行を重ねる邪悪な女 2)恋愛において、男を翻弄しそして破滅させる女( ファム・ファタール ) それでは、日本の歴史上三大悪女と言われているのは・・・ 北条政子 息子2人(源頼家・実朝)を暗殺、もしくは暗殺されるきっかけをつくり、 源氏将軍が三代で断絶し、北条氏が鎌倉幕府を奪取。傀儡の征夷大将軍を、 藤原氏や皇族から迎えるなどの政治的工作を重ねました。 日野富子 応仁の乱のきっかけをつくり、裏では東西両軍に軍資金を貸し付け、戦いを 焚きつけたといわれています。 淀殿 家康は、弱小大名としてでも、豊臣家が残る選択肢を残していたのに、プライドが 邪魔をし、結局、豊臣家を滅ぼすこととなりました。また、秀頼も秀吉の子では ないと言われています。 では、世界三大悪女とは・・・・ イギリスのメアリー1世、中国の江青、ルーマニアのエレナ・チャウシェスク といわれていますが、清国時代の西太后を挙げる人もいます。 前述の悪女はカテゴリー1)の女ですが、ファム・ファタール (仏:Femme fatale)男を破滅させる魔性の女となると、かなりの数に なるのでは?! 小説でも、プロスペル・メリメ『カルメン』に描かれたカルメンや 谷崎潤一郎『痴人の愛』に描かれるナオミなどが代表的な例。『新約聖書』「福音書」などに伝わるサロメは、イエスに洗礼を授けた洗礼者 ヨハネの首を求めた代表的な悪女として、古来キリスト教世界で名が知られ、 19世紀末から20世紀初め頃の世紀末芸術において、好んで取り上げられた モチーフです。 悪女の代名詞的な存在であるカルメンは、誰でも知っていますよね。 ( 恋は気まぐれな野の鳥。あんたの思い通りにはなりゃしない。私が惚れたら 気をつけるんだね。)と挑発されたドン・ホセ。田舎育ちのうぶな彼は、 自由奔放に生きる野性の女、カルメンの魅力に取りつかれ、理性も何もかも 失って破滅の道へと進んでいきます。 ( 私は誰の思い通りにもならない。)と言い切り、自分の心に嘘をつかない 生き方に、現代の女性の支持を得ている部分もあるそうです。音大でオペラの 授業をやると、多くの女性の心を掴むのが、カルメンというのですから・・・ オペラで主役をはるのはソプラの歌手ですが、このカルメンはより太くて 厚みのある、強い声であるドラマテイコ メゾ・ソプラの歌手が演じる ところも、ちょいと違います。 もう一作品、オペラ上のファム・ファタールをあげるとすれば、マノンでは ないでしょうか? 僧籍に入ろうとしていたデ・グリューは、美しい少女マノンと出会い、その魅力に とらえられ翻弄されながら、破滅の道へ進んでいきます。欲望のおもむくままに 生きているマノンは、マスネのマノンというオペラで、甘く夢みるような音楽で 描かれています。 マノンの魅力に魅せられたプッチーニも、マノン・レスコーとしてオペラ化し、 これも傑作といわれています。 お父さん方、悪い女にひっかかったら、あかんぜよ!!! 日本ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2022.09.12
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にほんブログ村 今日はスポーツとの関わりという点から、オペラについて書いてみたいと 思います。まず頭に浮かぶのは、フィギュアスケート・・・ ショート・フリープログラム演技の音楽として、クラシック音楽そしてオペラの 曲が、使われることが少なくありません。 まず、思い出すのがトリノオリンピックで、日本人として唯一金メダルに輝いた、 荒川静香が起用した曲、トウーランドットの<誰も寝てはならぬ> でしょうね。 トリノ五輪女子シングルで、SPではほぼノーミスの内容で3位につけ、1点差以内 に並ぶ大接戦。フリーではループジャンプがダブルとなった以外は完璧の演技を 披露。自己最高得点をたたきだして1位となり、会場の観衆からはスタンディング オベーションの賞賛を受けました。 合計スコア191.34で総合優勝を果たし、アジア選手として五輪フィギュア史上 初の金メダル( 併せて同五輪日本代表選手として唯一のメダル)を獲得。 トウーランドットとは、プッチーニが病没直前の数年間、心血を注いだ最後 のオペラ。 中国の王女トウーランドットと結婚するには、王女の出題する三つの謎を 解かないと死刑になります。氷のような心をもつ王女に、ひとめぼれしてしまった 放浪の王、カラフとの壮大な愛の軌跡の物語です。 最も有名なアリア誰も寝てはならぬは、最終幕である第3幕 でカラフに よって歌われます。第2幕において、カラフは、トゥーランドット姫への求婚者に だされる、3つの難題を見事に解決。 それにも関わらず、姫はカラフとの結婚に難色を示します。そこでカラフは自分の 名前を夜明け前までに当ててみせれば、結婚を諦めて命を捧げようと申し出ます。 ただし、名前を解き明かせなかったら、カラフとの結婚を姫は承諾しなければ ならないと。 そこで冷酷な姫は自国の国民に対し、カラフの名を解き明かすまでは寝ることを 禁ずるというお触れを出します。そして、もし誰も解き明かせなかったら、国民を 皆殺しにすると言うのです。 カラフは一人、宮殿から月に照らされた庭に出る。そこでトゥーランドット姫の お触れを聞き、ここでアリア『誰も寝てはならぬ』が、カラフによって歌われる のです。 「誰も寝てはならぬ」が世界的に有名になるきっかけを作った人物が、 パヴァロッテイ。イギリスのラジオ番組でパヴァロッティ・ファンの ディレクターが、パヴァロッティの歌う「誰も寝てはならぬ」を放送。 パヴァロッティ「誰も寝てはならぬ」単体でシングル発売し、クラシックとしては 異例の、イギリスのシングルチャートのトップ(ロック含め全シングルチャート トップ)を数週間に渡り記録し、全英だけで400万枚以上、全世界1200万枚以上 の驚異的セールスを記録。 女子シングルでよく使われるオペラの曲が「カルメン」。 1988年のカルガリー五輪フリーで< カルメン >を演じ、見事に金メダルに 輝いた、旧東ドイツのカタリナ・ビットを忘れてはならないでしょう。 その後、アメリカにわたってプロスケーターになってからは、「カルメン・オン・ アイス」という映画でもカルメンを演じています。 トゥーランドットが荒川静香なら、カルメンはカタリナ・ビットといって いいのでは。 安藤美姫も、2007・2008の日本選手権で、見事にカルメンを滑りきり、 真央ちゃんに次いで2位でしたね。 男子フィギャースケートでは、引退した高橋大輔も2012~2013シーズンの フリープログラムとして、オペラ道化師より、< 衣装を付けろ >を使用して います。 レオン・カヴァッロ作曲の< 道化師 >の第一幕の幕切れで、妻ネッダの浮気を 知った旅回りの道化一座のカニオ。怒りと悲しみに震えながらも、道化はそんな ときでも客を笑わせるのが仕事と、身の辛さを激情的に歌うアリア。 どうですか・・・オペラの曲というのは、意外にみなさんの近くにあるもの なのです。 ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.10.27
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にほんブログ村 皇子が好きなオペラデイーヴァの一人が、 チェチーリア・バルトリ (Cecilia Bartoli)。 イタリアのメゾ・ソプラノ歌手ですが、声質はリリコ・ドラマテイコ・ コロラトウーラと言われ、また完璧なアジリタのテクニックが特色。 アジリタとは、細かく速いパッセージを歌うテクニックで、まるで楽器で演奏 するかのように、自由に声を転がすように歌う技法。また、独特の呼吸方法、 低音から高音までの声域という、バルトリの表現力は感嘆に値します。 モーツアルトやロッシーニのオペラを得意としてましたが、彼女の興味は オペラ舞台より、ヴィバルデイ・ヘンデル・グルックなどバロック期の歌曲に 移ってしまいました。 特に、男性の体を持ちながら女性の音域で歌ったカストラートのアリアを 歌った、< 神へのささげもの~カストラートのためのアリア集 >が世界的に 大ヒット。 バルトリのDVDやCDはかなり持っているのですが、オペラ出演はロッシーニの チェネレントラの1枚のみ。メトロポリタン歌劇場での出演が大絶賛され、 チェネレントラ役はバルトリしかいないとまで、言わるようになりました。 そんな中HMVを見ていたら、2018年8月ザルツブルク音楽祭で上演された、 ロッシーニのアルジェのイタリア女の主役をバルトリが演じた、DVDを 見つけました。 あらすじは、アルジェの太守ムスタファは、妻のエルヴィーラに飽きたこと から、部下に美しいイタリア女を誘拐するように命じます。そしてムスタファ は妻を追いだす為に、奴隷となっていたイタリア青年リンドーロに、押し付け ようと目論みます。 捕らわれてきた美しいイザベッラを見たムスタファは彼女の虜となり、妻へ迎え ようと画策。しかしイザベッラとリンドーロは元恋人同士。捕らわれの身である 二人で脱出を試み、イザベッラに夢中のムスタファはすっかり騙され、二人は 見事脱出に成功。これに懲りたムスタファは妻と元のさやにおさまるという喜劇。 皇子の持っているDVDは、1998年4月パリオペラ座のライブ収録で、イザベッラ をジェニファー・ラーモアが演じています。 この喜劇の見どころはなんといっても、第一幕のフィナーレ。 登場人物7名が、入り乱れて歌う7重唱。 現代衣装での舞台演出というのが、ち~~と違和感がありましたが、久々に バルトリに逢えて懐かしく思いました。しかし、バルトリも52歳。さすがに容姿の 衰えは隠せず、かってのデイーヴァも今やデブ婆に。しかし、その歌唱力は 昔と変わらず、ちょ~~感激~~~!!! ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.10.05
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にほんブログ村 オペラの何が楽しいかというと、総合芸術といわれるだけに、劇あり歌あり 音楽ありとして、時代や国境を越えた人間の感情が、そこに表現されている からなのです。 オペラ歌手は単に、その歌唱力だけでなく演技力も必要で、そのうえ ビジュアルな舞台俳優として容姿端麗でないと、人気は出てきません。 歌唱力・演技力・容姿の総てにおいて優れた歌姫を、イタリア語で デイーヴァと言います。 一時期オペラに凝って DVD を 100枚くらい収集しましたので、たいていの オペラは鑑賞したといえます。その中で輝けるデイーヴァは? いまや、その面影もない、デブ-バ(婆)になっているとは、思いますが・・ 筆頭にあげるのが、フランス生まれのナタリー・デセイ。 鈴を震わすような美しいコロラトウーラの技巧の持ち主で、しかも女優 にしていいほどの演技達者。さらにスリムで小柄の彼女は、舞台映えがします。 そして、アンナ・ネトレプコ。 ロシア生まれで、2002年ザルツブルグ音楽祭でデビュー、話題をさらいました。 来日もしており、小澤征爾指揮の < ラ・ボーエム >のヒロイン、ムゼッタを 歌って、多くのファンを魅了。モーツアルトやプッチーニ、また< ランメルモール のルチア >の主役を歌うなど、コロラトウーラ歌手としても活躍してます。 そして、美形といえばこの人、アンジェラ・ゲオルギューでしょう。 輝くばかりの美貌とスタイル、ルーマニア生まれの歌姫。< 椿姫 >のヒロイン ヴィオレッタが得意で、故ゲオルク・ショルテイに抜擢されて演じたこの役で、 世界を揺るがすセンセーショナルな、成功を収めました。 最後にあげるのが、チェーチリア・バルトリ。 イタリア生まれのメゾ・ソプラノ歌手。オペラ舞台から彼女の関心は、ヴィ ヴァルデイ、ヘンデル、グルックなど、バロック期作曲家の歌曲に移ったために、 舞台でお目にかかることはなくなりました。 完璧なアジリタのテクニックを持ち、独特の呼吸法、決して声をはらない コントロールされた歌い方は、お見事としかいいようがありません。 日本人において、ソプラノの歌姫をあげるとしたら、線が細くて小振りになって しまいますが、森麻季( 1970~ )でしょうかね。 プラシド・ドミンゴ世界オペラコンクールで 3位を受賞、日本人として初めて ワシントン・ナショナル・オペラに出演し、ワシントン・アワードを受賞する など、国際的にも目覚ましい活躍をしています。 てへへへへ・・・皇子が、オペラを好きな理由が、なんだかわかってきた でしょう?! ブログ村ランキング、参加しています 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.09.06
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にほんブログ村 オペラの上演時間は長い。 インターミッションを入れれば、三幕で平均4時間。 人間が座ったまま楽しめる限界は、2時間までではないでしょうか?!でも、この 休憩時間にシャンペンや白ワインを飲みながら歓談するのも、オペラの 楽しみ方の一つなのですが・・長いといえばワーグナーの< ニーベルングの指輪 > など、なんと4日間に亘る上演。 また言語がわからないから、観ていてもつまらない。 オペラはほとんどが、イタリア語かドイツ語ですので、日本人でこの 言語に精通している人はまずいません。そのうえ、物語の筋がわからなければ、 まったく理解不能で面白くないのは当然。 しかし、オペラのストーリーを事前に読んでおけば、言語がわからなくても 筋を追えますし、最近は舞台両袖に日本語訳字幕がでるので、言語問題は 解決します。 あの甲高い声を聴くと頭が痛くなるとか、じんましんがでてくるってか?! オペラのヒロインはソプラ歌手ですから、その歌声は一般人にとって耳障りな 音域なのかもしれません。 しかしオペラが好きになると、鈴を転がすようなコロラトウーラは、ふんま パルピテーションでごいす。マリア・カラス、グルベローヴァやナタリー・ デッセイの声を一度聴いておくんなまし!! オペラを身近に感じられない一番の理由は、鑑賞の料金が高すぎる事ではない でしょうか。海外引っ越し公演であれば、S席で10万円はしますので、ペアーで 鑑賞となると20万円を越してしまいます。これなら、二泊三日の国内温泉旅行の 方を、誰でも選択しますよね。 でもオペラは総合芸術ですから、大掛かりな舞台装置、多くの出演者、そして オーケストラなど、表方・裏方の人数は相当なもの。海外からの引っ越し公演に なると、どうしてもこのような高額な料金と、なってしまうのです。 最近は舞台装置費用を削減するためしょぼい舞台や、また現代的な解釈による わけのわからない演出が多くなって、かえって過去の名優・名演を DVDを買って 観るほうが、楽しいかもしれません。これなら 数千円程度で済みますから。 皇子の海外駐在場所は、オーストリアのウイーン。 やはり、適材適所として、音楽好きでオペラ通の皇子を人選の上、会社としても 派遣したのでしょうね。 ウイーンフィルの客員指揮者として、オーストリア文化庁から皇子の指名が、 あったからだという説もありますが 、ほらね、また法螺だとの声が・・・ 商社の海外駐在員業務の一つが、日本からくる取引先のアテンド。それは観光・ グルメ・夜のおとぎの相手の手配 ( ポンビキ業務 )などなど、お客様のご希望に そつなく対応することが要求されます。 音楽の都ウイーンまできて、夜のおとぎの相手を世話してくれという要請は、 さすがにありませんでしたが、大概が音楽会かオペラの鑑賞。オペラの場合、 当日の演目の物語解説本を渡して、筋を理解していただくようにしました。 ところが、旅の疲れもあるのでしょう、遊山目的でオペラの鑑賞を希望した お客様は、ほとんどのかたが途中で鼾をかいてねてしまいます。周囲の顰蹙の目が 痛く、このときほど商社マンの情けなさを感じた、瞬間はありませんでした。 まあ~、歌劇場に行く前にDVDで、オペラとはどんなものか?見た方がいい でしょうね。それなら、なんのオペラからか? 誰もが知っているオペラとして、ビゼーの< カルメン >やヴェルデイの < 椿姫 > がありますが、わての一番好きなオペラとして、ドニゼッテイの < 愛の妙薬 > をお薦めいたしやす。 オペラは、ドロドロした愛憎悲劇が多い中で、これはめずらしく明るい物語 で、内容も単純明快。特にこの < 人知れぬ涙 >は、オペラのアリアの 中で皇子が大好きな歌の一つです。 ( パヴァロッチとキャサリン・バトル ) ( ヴィラゾンとネトレプコ ) これまでも幾度となくオペラを取り上げてきましたが、騙されたと思って 一度DVDで見ておくんなまし。 ブログ村ランキング、参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.09.05
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にほんブログ村 最終回は、ヴェルデイのナブッコから、行け、我が想いよ、 金色の翼に乗って。 第三幕第二場で歌われる、皇子の一番好きな合唱曲。 観客のアンコールを呼んだ、メトロポリタン公演の素晴らしい歌声を、 どうぞ聴いておくんなまし。 バビロニア軍に捕らわれたヘブライ人たちが、望郷の思いにかられて歌う、 有名な合唱曲。ナブッコ上演当時にイタリアで起こり始めていた、国家統一運動 のシンボルソングとなった伝説を持ちます。 この行け、我が想いよは今日のイタリア国民にとっても、「第二の国歌」的 位置付けにあるのです。 2006年トリノオリンピック閉会式において、オリンピック旗が トリノ市長から次期開催バンクーバー市長に引き継がれました。そしてこの 合唱曲が少年少女によって歌われた後、会場のオリンピック旗が降納され聖火を 納火したのでした。 物語は紀元前587年、敵対関係にあったバビロニアの王ナブッコは、 エルサレムに侵入。 彼の正妻の娘フェネーナは、エルサレムで人質となっていましたが、敵国 エルサレム王の甥イズマエーレと恋仲となり、戦いの間にイズマエーレに救出 されます。 ナブッコはイスラエルを占領し、敗退したエルサレムのヘブライ人は捕虜と なってしまいます。 ナブッコと奴隷の間に出来た娘アビガイッレはその出生の秘密を知り、父 ナブッコへの復讐を誓います。アビガイッレは、フェネーナを王位継承者と 考えていたナブッコを廃位させ、みずからが王座につくのです。 そして、フェネーナがヘブライの神に改宗したとして、彼女とヘブライ人の死刑 執行をアビガイッレはナブッコに要求し、執行状にサインさせます。 しかし、騙された事をしったナブッコは、フェネーナ救出に向かい、捕らわれて いたヘブライ人も解放。アビガイッレは自らの行いを後悔し、毒を飲んで自殺 するのでした。 ナブッコもアビガイッレも悪役の面を持ち、怒りに突き動かされる激情型の 人間。しかし同時に、愛を感じられなくなってしまった、悲しみの持ち主の アビガイッレ、傲慢を後悔する心を持ち合わせていたナブッコという、 人間的な表現はヴェルデイの得意とするところでした。 1901年87歳で逝去したヴェルデイの葬儀。 棺が運ばれる早朝、ミラノの沿道に参集した群衆は、自然と< 行け、 我が想いよ >を歌ったそうです。 それでは、ヴェルデイの一生を追いながら、改めてこの合唱をながすことで、 何処かで聴いたオペラの最終稿とさせて戴きます。 == 完 == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.07.16
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にほんブログ村 今回はワグナーのローエングリンから、結婚行進曲あるいは婚礼の合唱と 呼ばれる楽曲。第三幕で主人公ローエングリンとエルザの結婚を祝う行列で、 合唱される曲です。 メンデルスゾーン夏の夜の夢の劇付随音楽の結婚行進曲と並んで、 日本では結婚式に使用される楽曲ですね。メンデルスゾーンと比べると、少し落ち 着いた雰囲気のため、結婚式で新婦がバージンロードを歩くシーンなどで、 用いられることが多いようです。 日本ではどちらの「結婚行進曲」も、同じくらい結婚式によく用いられますが、 実はワーグナーの故郷ドイツではワーグナーの「結婚行進曲」は、結婚式には ふさわしくないとして、タブー視されることが多いとのこと。 その理由は、オペラ「ローエングリン」の内容が、とてつもなく悲劇的で あるためです。 それでは、ローエングリンの物語を改めて、説明いたしましょう。 亡きドイツブラバント国王には、エルザ姫とゴットフリート皇子という、二人の 子供がいました。王の地位を狙う妖術使いのオルトルートは、ゴットフリートを 白鳥に変えてその姿を消失させます。 そして、夫テルラムントをそそのかし、エルザが弟を殺したと、ハインリヒ王に 訴えさせたのでした。王の前で、弟殺しをめぐって裁判が行われます。そこに 現れたのが、銀装の騎士ローエングリン。 自分を夫とすること、しかし決して自分の名と生まれは尋ねてはならないことを 条件として、エルザを救うのです。 ところが、オルトルートの謀略にのってしまい、エルザは禁じられた問いを、初夜に 口にしてしまいます。翌朝ハインリヒ王の前で、ローエングリンは自分の身を 明かし、エルザが裏切ったことによって、ブラバントを去ることになった旨を 宣言。 表れた白鳥の船に祈りをささげると、妖術がとけて白鳥はゴットフリートに戻ります。 エルザは去りゆくローエングリンを悲しみの中で見送り、弟ゴットフリートの 腕の中で息絶えるのでした。 ローエングリンは、ワーグナーのオペラの中でも人気が高く、一時期はもっとも 演奏機会の多い作品でした。 1861年ミュンヘンで上演されたローエングリンを観て、ワグナーの虜に なったのが当時15歳であったあのルートヴィヒ2世。そして、アドルフ・ ヒトラーもまたローエングリンの、熱狂的な愛好者でした。特に第3幕で ハインリヒ王による「ドイツの国土のためにドイツの剣をとれ!」の演説を、 ドイツとゲルマン民族国威発揚のため、あらゆる機会にヒトラーは利用した のでした。 わてがワグナーが嫌いなのは、その作品の難解な内容と共に、彼自身の狡猾な 性格と、またワグナーを支持した歴史的異常な為政者・独裁者の イメージが、あまりにも強いことによるものです。 == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.07.15
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にほんブログ村 今回は、ヴェルデイのイル・トロヴァトーレから、鍛冶屋の合唱。 ジプシーの男達が、金床( ANVIL )をリズムよくハンマーで叩き乍ら歌うので、 英語圏ではアンヴィル・コーラスと呼ばれています。 鍛冶屋の歌は結構あって、まずはヘンデルの調子のよい鍛冶屋 ( 愉快な鍛冶屋 )。ヘンデルハプシーコード組曲、第五番ホ長調の終曲 < エアと変奏 >に付けられた俗称です。 タイトルの俗称については、鍛冶屋がハンマーを打つ音にヘンデルがインス ピレーションを受けたとか、出版者がもともとは鍛冶屋の見習いだったなど 諸説紛々。 そういえば、日本でも昔村の鍛冶屋という、唱歌がありましたね。 作詞・作曲ともに不詳ですが、1912年(大正元年)尋常小学校唱歌に 採用され、長く全国の全国の小学校で愛唱されてきました。 しかし、時代の流れの中で鍛冶屋が各地の農村から消え、作業所で槌音を立てて 働く光景が児童には想像が難しくなり、昭和52年には文部省の指導要綱共通教材 から削除されてしまいました。 さて、オペライル・トロヴァトーレとは、15世紀スペインのアラゴン 王国で、繰り広げられる複雑怪奇な物語。 敵対関係にあったマンリーコが、自分の意中の女レオノーラと恋仲にある事 知った、ルナ伯爵は激高。伯爵はマンリーコを捕らえ処刑しますが、実は マンリーコは伯爵が探し続けていた弟であることを知ります。 マンリーコは、先代ルーナ伯爵に自分の母親を火あぶりにされた、ジプーシーの 老女アズチェーナが、その復讐にと赤子の時さらい、自分の子として育てたの でした。 アズチェーナは復讐をはたし、伯爵は絶望の中でオペラの幕は下がります。 物語は、火炙り・復讐・決闘・自殺などなど、血なまぐさい出来事の 連続。 しかし、流れる楽曲の旋律はリズムのいい、三拍子・四拍子の長調の曲が、 次々と繰り出されます。歌と場面を楽しみながら、2時間があっという間に たってしまいます。 == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.07.14
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にほんブログ村 今回はヴェルデイーのリゴレットから、女心の歌。 第三幕で、マントヴァ公が( 女とは風に舞う翅のように気まぐれにくるくる 変わるもの )と歌いあげるアリアを、誰もが一度は聴いたことがあると 思います。 NHK朝ドラ「エール」で、椿姫の第二次審査に合格した音に、佐藤久志が ヴィオレッタの心を理解させようとします。そのため喫茶バンブーの梶取夫妻に ヴィオレッタとアルフレードの寸劇をやらせました。 その時、幕を開く序曲として久志が、ランランランラーララーと歌っていたのが、 このリゴレットの女心の歌でした。 障碍者として生まれたことから、それゆえに差別され憎まれ、マントヴァ公の 宮廷道化師として仕えるリゴレット。可愛い一人娘ジルダは、享楽主義者の マントヴァ公を、見初めてしまいます。しかし、ジルダがマントヴァ公にもて あそばれた事を知って、リゴレットは彼への復讐を心に誓います。 リゴレットが殺害に成功したと思ったのは・・・ マントヴァ公に惚れた娘が、自らの意志で身代わりになっていたのがわかると いう、悲劇。 リゴレットを初めて鑑賞したのが、やはりこの魅惑のオペラシリーズ。 お薦めは、パヴァロッテイがマントヴァ公、グルベローヴァがジルダを演じた、 このDVD。 リカルド・シャーイが指揮する、ウイーンフィルの演奏が、また素晴らしい!!! 結果的に最愛の娘を殺してしまうという物語のむごさから、見た後暗澹たる思いに なる方も多いと思います。しかし、障碍者という屈折した思いを抱くリゴレットが、父である 時にだけ人間らしさを見せるという、人間としての感情をここまで音楽で描きあげたこと への、感動の方が勝るはずです。 == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.07.12
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にほんブログ村 今回はワグナーの《ワルキューレ》より、〈ワルキューレの騎行〉。 ワルキューレといえば、某アニメのアイドルユニットや、某ソーシャルゲームの キャラクターを連想する方も、多いかもしれませんね。 こち亀?UFOのCM?ヘリコプター?プロレスの入場テーマ?などなど、 あらゆる場面で使用されているため、非常に耳なじみのある曲となっています。 映画地獄の黙示録でも、この前奏曲が使われました。 キルゴア中佐率いる部隊が、ワーグナーのワルキューレの騎行をながしながら、 武装したUH-1ヘリコプターが、南ベトナムの村落を大挙して襲撃するシーン でしたね。 ワルキューレとは、北欧神話に登場する複数の半神を指し、「戦死者を 選ぶ者」という意味。日本語では戦乙女、戦女神などともいい、一般には、鎧と 羽根のついた兜で身を固め、槍(もしくは剣)と盾を持ち、翼の生えた馬(ペガサスなど)に乗る、美しい戦乙女の姿で表されます。 ニーベルングの指輪では、神々の長ヴォー タンと 知の神エルダの間に生まれた9人の 娘達として登場。天馬にまたがり槍と楯を持ち、天空を駆け巡るワルキューレたちが、戦死した兵士の魂を岩山へ連れ帰る、第三幕への前奏曲として流れるのが、この『ワルキューレの騎行』。 本オペラはワーグナーの< ニーベルングの指輪 >四部作、ラインの 黄金、ワルキューレ、ジークフリート、神々の黄昏の第二作品。 ヴォータンは、いつの日か指輪を奪回して、世界の支配者になることを、目論 んでいます。その為に、知恵の女神エルダに9人の娘(ワルキューレ)を産ませ、 彼女達に戦場で死んだ勇士を、ヴァルハラ城へ運ばせます。 ストーリーは複雑怪奇で、事前に解説文を読んでいなければ、チンプンカンプン。 伝説的叙事詩といえども、内容は現代に通じるテーマが、数多くあります。 不如意な結婚生活、突然現れる刺激的な異性と不倫、近親そうかん、夫婦間の痴話 喧嘩、などなど。 == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.07.11
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にほんブログ村 今回はモーツァルトの魔笛より〈復讐の炎は地獄のように我が心に燃え〉。 曲名がすごいけれども、歌そのものはさらにすごい!! 非常に難易度の高い曲で、高音の超絶技巧を要するコロラトウーラを、 歌いこなせるソプラノ歌手はそれほど、多くはいません。 この強烈なアリアを歌っているのは「夜の女王」というキャラクターで、 娘のパミーナにナイフを渡し、宿敵ザラストロを殺害するように命じています。 そんな物騒な内容の曲が、なんと車のCMに使われたので、聴いたことが ある方もいるかもしれません。 魔笛はモーツアルトのオペラの中で、難解の部類に属する大人向けの童話と いうべき作品。 王子タミーノは、夜の女王から娘パミーナが、悪魔ザラストに捕らわれていると 聞かされ、彼女の救出を決意します。お供を務めるのが陽気な鳥刺しパパゲーノ。 実は悪魔ではなく、太陽の世界を委ねられたザラストから、さまざまな試練が タミーノとパパゲーノに与えられます。 沈黙、火、水の試練を潜り抜け、最後にタミーノとパピーナは結ばれるという、 オペラには珍しいハッピーエンド。 それと楽しいのが、第二幕鳥刺しパパゲーノが恋人パパゲーナと再会し、 二人で歌う二重唱< パ、パ、パ >。 皇子が、オペラの魅力を知ったのは、以前にも書きましたが、ウイーン駐在時 でした。ところが帰国して、オペラ観劇の料金がどえりゃ~高くて、とても庶民 が行けるものではないことがわかりました。 ところが、朝日新聞に< 三毛猫ホームズとオペラに行こう >という、 赤川次郎の連載コラムを目にしたのです。 彼は、1981年のミラノ・スカラ座の来日公演以来、すっかりオペラの虜となり、 ウィーンやミラノ、ニューヨークと時間があれば劇場に足を運ぶ日々。オペラに 費やした費用で、家が何軒も買えると・・・ そのコラムでお家でオペラと称し、このDVDの推奨がありました。 サヴァリッシュ指揮、バイエルン国立歌劇場管弦楽団の演奏、1983年公演を 収録したDVD。 グルヴェローヴァの夜の女王、ポップのパミーナ、アライサのタミーノ、 プレンデルのパパゲーノ、モルのザラストと当時まさに黄金のラインアップの 歌手陣でした。 よく考えられた舞台装置や、エヴァーデイングの演出もよく、なにもオペラ ハウスにいかなくてもこのような名演のDVDで、お家でオペラで十分楽しめる ことが、わかったのです。といっても、税込みで1枚 6,825円のDVD でしたから、わてのお小遣いで買うのは大変でした。 いってみれば魔笛が、オペラDVDコレクションの契機となった、作品だった のです。 == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.07.10
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にほんブログ村 今回は、ヴェルディ作曲《椿姫》より〈乾杯の歌〉。 椿姫は、世界で最も有名なオペラの一つともされているため、名前だけなら 聞いたことがある、という人も多いと思いますし、この〈乾杯の歌〉なら 知っているとする人は絶対にいるはずです。日本では、結婚披露宴の乾杯の 際に演奏されたりしますから・・・・ この歌は、慣れない社交界のパーティーに出席したアルフレードが、周りから 即興の歌を要求されて歌いだす曲です。その歌にヴィオレッタが返す形で、合唱 も加わり、パーティーを盛り上げる華やかな曲となっています。 しかし( 愛は杯とともに )と、ビオレッタにひとめぼれしたアルフレードが いい寄りますが、( 陽気な集いこそ生きがい )と、彼女の対応はつれない。 アルフレードとヴィオレッタの、恋愛観の違いが盛り込まれている、意外と 深い曲なのです。 物語は、ヒロインの高級娼婦ビオレッタと、純朴で一途な田舎者の富豪の 息子アルフレードとの、純愛悲恋物語。 第三幕、アルフレードとの幸せの日々を思いだしながら、死の床でビオレッタが 歌うのが< さようなら過ぎ去った美しく楽しい夢よ >。 NHK朝ドラ<エール>の主人公小山裕一の奥さん音が、椿姫の主役を決める 最終審査で歌ったのがこの歌です。 〜さようなら、過ぎ去った楽しい夢の日々よバラ色の顔もすでに青白くなっている。アルフレードの純粋な愛さえも、私にはもう無いわ、疲れきった魂の慰めであり、支えだったのに・・・あぁ、道を踏み外した女の願いに微笑みかけてください。どうか、赦してください。この女を受け入れてください、あぁ神様!あぁ、全て終わった!今や全てが終わってしまった!〜 かけつけたアルフレードの腕の中で、ビオレッタは息たえる結末が観客の涙を 誘い、日本でもオペラファン不動の一番人気の作品。 本作品は皇子も好きなので、DVDも三枚持っています。 == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.07.08
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にほんブログ村 今回はオペレッタ、オッフェンバック天国と地獄より、〈 地獄の ギャロップ 〉。 オペレッタを日本では喜歌劇・軽歌劇と呼び、ストーリーは喜劇である ことがほとんどです。 これはすぐわかりますね。運動会で流される曲です。速いテンポでハラハラ ドキドキする感じが、運動会にはピッタリの曲。 カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂~ っていう、懐かしい文明堂のテレビコマーシャルにも、この曲が使われて いました。 オペレッタ天国と地獄は、ギリシャ神話地獄のオルフェが、元に なっています。 最愛の妻を失ったオルフェが、神の導きで地獄から妻を連れ戻そうとします。 しかし、( 何があっても、振り返ってはいけない )という神との約束を、 妻の悲痛な叫びに耐えられず、破ってしまいます。そのため、悲しくもこれが、 永遠の別れとなってしまう物語。 オッフェンバックの天国と地獄では、オルフェとエウリデイーチェの夫婦仲は 冷え切っていて、お互いに浮気をしています。エウリデイーチェが亡くなって 大喜びのオルフェ。周囲から非難を浴びて世間体を維持するため、オルフェは しぶしぶ妻を取り戻すために、地獄へと・・・ ところが行ってみると、妻は地獄の王や天上の神ジュピターと楽しく過ごして、 帰る気持ちなどさらさらありません。そこで、オルフェはわざと振り返り、妻と 永遠の別れをしたという、フランス人らしい毒気のあるパロデイなのです。 貼付したユーチュブ、天国と地獄のヒロインを演じているのが、器量よし、 歌もうまい、演技力もあるプリマ・ドンナとして、わてが大好きな フランス生まれのナタリー・デセイ。 スリムで小柄な体なのに、彼女のコロラトウーラは、まるで風に乗って いるような軽やかな高音。その舞台での演技は、女優にしてもいいほど。 ランメルモールのルチアの狂乱の場もよかったけど、笑いとエロテイシズム、 美しいメロデイーとカンカンのリズムが最高の、このDVDはお薦め!! == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.07.07
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にほんブログ村 今回はオペラそのものも有名な、ビゼ ー作曲カルメンより〈前奏曲〉〈ハバネラ〉〈闘牛士の歌〉。 まずは、オペラの一番最初に演奏される「前奏曲」。 この曲はいたるところで耳にしますし、テレビ番組では、「ビートたけしの TVタックル」のオープニングなどで、使用されています。 続いて、自由なジプシーであるカルメンが、タバコ工場から初登場時に歌う〈ハバネラ〉。 ( 恋は野の鳥、飼いならすことなど出来ない。) カルメンという自由な鳥に恋し、鳥籠にいれようとしても、所詮無理な話よ・・・ と、彼女の信条を示唆する歌。 歌だけでなく、楽器のみのアレンジや、替え歌にしたりして、CMやBGMとして 使用されています。 カルメンがホセの次に乗り換える、エスカミーリョという男性のアリア〈闘牛士の歌〉も、やはりCMなどで使用されているため、聞いたことが ある人も多いと思います。 一つのオペラに、これだけ耳なじみのある曲が出てくるなんて、すごいこと ですよね。その魅力あふれるメロディーの多さもあって、カルメンは世界で最も 有名なオペラの一つと言われています。 物語はまじめで親孝行な、言ってみれば小市民的な伍長、ドン・ホセ。 ホセを慕いながら、それが決して報われない、婚約者のミカエラ。 束縛を嫌い、自由に生きるジプシー女カルメンに、ホセは溺れそして裏切 られます。 闘牛士エスカミーリョに心を移したカルメンを、逆上したホセが刺殺するところ で、この物語は終わり。 皇子が初めて手にした、カルメンのDVD。 カルメンが登場した時、びっくらこきましただ!!! カルメンとは妖艶な悪女とのわてのイメージに反し、牢名主のような おばちゃん・・・ オペラってまずは歌唱力だから、このようなことはよくあります。お付きの おばちゃんと思ったのが、なんとヒロインのお姫様だったりして。 お薦めは、1978年ウイーン国立劇場上演を録画した、このDVDかもしれません。 わての大好きなクライバーがウイーンフィルを指揮し、ホセ役をドミンゴ が演じています。 ちょいと面白いのが、このDVD。 2010年、ニューヨークメトロポリタン劇場で上演、注目のメゾ・ソプラノ歌手 エリーナ・ガランチャがカルメンを演じ、大絶賛を受けた録画。 == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.07.06
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にほんブログ村 今回は、ヴェルデイのアイーダから、凱旋行進曲。 アイーダ第二幕、エチオピアに勝利しエジプトに凱旋帰国した、将軍ラメダスを 讃える曲です。 上のユーチュブの途中に、聞いたことのあるフレーズが出てきませんか? 日本では、サッカーの応援歌としてこの曲が、CMなどでも使用されて いますよね。 なぜ応援歌となったのかは諸説あります。 中田英がセリエAのパルマ在籍時代に、パルマが応援歌にアイーダの 「凱旋行進曲」を使っていたのを気に入ったと、自身のHPに掲載されたのが きっかけとか・・ それより前、フジテレビが国際試合や日本代表戦を放送する際のオープ ニング、同じくフジテレビのセリエAダイジェストと言う番組のオープニング でも使われていたとか・・・ オペラアイーダは、古代エジプトの青年将軍ラメダスをめぐりエジプト 王女アムリネスと、もとはエチオピア王女ですが現在捕らわれの身で、アムリ ネスの付け人となっているアイーダとの、三角関係愛憎劇。 結末は、機密漏えいで地下牢に幽閉され死を待つ、ラダメスの前にアイーダが 現れ、二人は天上で結ばれようと約束して息絶えるという、オペラお決まりの エンディング。 とはいえ、スペクタルな史劇の中で、男女の三角関係を描いた、まさに オペラの中のオペラといえます。 題材のスケールの大きさと華やかさを兼ね備えていることから、野外劇場で 上演されることも多いオペラです。 == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.07.04
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にほんブログ村 今回は、マスカーニのカヴァレリア・ルスティカーナから、この間奏曲。 この曲は、無印良品さまざまなCMのBGMとして、使われてきましたので、 聴いた事があると思います。例えば最近では、こちらのCM。 「この曲ってアヴェ・マリアじゃないの?」と思われる方もいるかもしれません。 実はマスカーニのアヴェ・マリアは、このオペラの間奏曲に、あとから歌詞が つけられたものなのです。 カヴァレリア・ルスティカーナは、マスカーニによって作曲されたオペラで 彼の代表作。当時25歳であったマスカーニが、一幕ものオペラ・コンクールで 優勝した作品です。 このオペラの間に挟まれる間奏曲は特に有名で、コンサートで単独で演奏される こともしばしばあります。 この間奏曲の美しさとは異なり、オペラそのものはトウリッドウが、二人の女を 愛したことから起こる、ドロドロとした刃傷沙汰の物語。 トゥリッドゥは、アルフィオの妻ローラと、浮気をしています。トゥリッドゥと ローラは、かつて恋人関係でしたが、よりを戻したのでした。 アルフィオは妻の浮気を知り激怒し、トゥリッドゥとアルフィオは決闘をする ことになります。トゥリッドゥさんが殺された」という女の悲鳴が2度響き、 村人の驚きの声と共に、幕が閉じられます。 オペラとしては上演時間が短いので、レオンカヴァルロの道化師と共に、 上演されることがよくあります。皇子の持っているDVDにも、この二つの オペラが収録されていました。 == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.07.03
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にほんブログ村 今回は、オペラマスネのタイスより、タイスの瞑想曲。 第2幕第1場と第2場の間の間奏曲で、その甘美なメロデイーによって、広く 知られています。 二長調約5分ほどの演奏時間ですが、テレビCMや映画タイタニックなどでも使用され、 ヴァイオリニストがソロ曲としてよく演奏するので、耳にした方も多いと 思います。 マスネはフランスの作曲家で、マノン、ウエルテル、タイスなどを作曲し、その その作品は19世紀末から20世紀初頭にかけて、大変人気がありました。 オペラタイスの舞台は、ビザンチン帝国統治下のエジプト。 娼婦タイスを神の道へと、導こうとする修道士アタナエル。しかし彼の 彼女へのこだわりは、己の肉欲に由来していることが、後に露呈します。 一方、抵抗しながらもやがて信仰を受け入れ、砂漠の修道院で修道女となった タイス。しかし、神の恵みに充たされて、まもなく天に召されてしまいます。 タイスを愛するようになったアナタエルの、最後は「ジュテーム!!」の 絶叫で幕を下ろすという、悲しくも激しいオペラ。 宗教的な要素があまりにも色濃いことから、日本での『タイス』は上演 機会があまりありません。最近では、メトロポリタン歌劇場でルネ・フレミングと トマス・ハンプソンが共演して、話題になったそうです。 おいらの持っている、エヴァ・メイのタイスも、彼女の体当たり演技が高く 評価された舞台。 == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.07.02
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にほんブログ村 今回は、ロッシーニのセヴィリアの理髪師から、私は街のなんでも屋。 第一幕で、理髪師のフィガロが登場する場面で歌われるアリアです。依頼があれば 何でもこなす街の便利屋として、生きがいを感じるフィガロの気持ちが歌い 込まれています。 この曲を聴いた人は、 ( うん???? トムとジェリーの曲じゃなかったの??・・・ ) と。 体が大きく短気だが、お調子者でおっちょこちょいで、どこか憎めない部分のある ネコのトム。体は小さいがいたずら好きで、狡賢く追い掛けてくるトムを ことも無げにさらりとかわすネズミのジェリーの、アメリカのアニメ 作品。 日本でも、1964年にTBS系列で地上波初公開されて以来、幾度も繰り返し再放送 されているので、みなさんも見たことがあると思います。 オペラセヴィリアの理髪師は、カルメンのタバコ工場があった街、 スペインセヴィリアでの恋の物語。 アルマヴィーヴァ伯爵が見初めたロジーナは、彼女の財産目当ての後見人医者の バルトロの下、軟禁状態にあります。 街のなんでも屋を標榜する理髪師フィガロに相談し、ロジーナ救出の フィガロの数々の作戦が始まります。最終的には、ロジーナの遺産をバルトロに やって伯爵との結婚が成立し、めでたしめでたしの大団円。 セヴィリアの理髪師は、モーツアルトのフィガロの結婚として、後日談が 語られます。 浮気者の伯爵は、恩人フィガロの婚約者スザンナを、初夜権を行使して自分の ものにしようと考えます。一方、伯爵夫人となったロジーナは、そんな夫の浮気に 悩みながら、美少年ケルビーノと逢瀬を楽しむ、不実な妻に変わります。 ああ~~~~・・・ 全くなんてこったい!!! 永遠の愛などないわけだ・・・ == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.06.29
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にほんブログ村 今回も、プッチーニの作品、ジャンニ・スキッキから私のお父さん。 リヌッチョとの結婚を父のスキッキに認めて欲しいと、娘のラウレッタが父親に 甘え乍ら歌いだすアリア。 単独でコンサートやリサイタル等でもよく歌われ、1986年に公開されアカデミー賞を 受賞した、< 眺めのいい部屋 >の主題歌にもなりました。 それよりも、NHK 朝ドラ< エール >の第七話で、世界的オペラ歌手 双浦環役を演じた柴咲コウが、教会でこのアリアを歌ったことを耳にした人 が多いのでは・・・・彼女の吹き替えなしの歌声は視聴者をびっくりさせ、反響を 呼びましたよね。 ジャンニ・スキッキは全一幕のオペラで、プッチーニ作品の中では 唯一の喜劇。主人公の中年男ジャンニ・スキッキが、大富豪の遺産を巡る親戚間の 騒動、いわゆる遺産争族と若い男女の恋を見事に解決するさまを、コミカルに 描いたもの。 ( 紳士、淑女の皆様。ブオーゾの遺産にこれより良い使い途があるでしょうか。 この悪戯のおかげで私は地獄行きになりました。当然の報いです。でも皆さん、 もし今晩を楽しくお過ごし頂けたのなら、あの偉大なダンテ先生のお許しを 頂いた上で、私に情状酌量というわけにはいかないでしょうか。) と客席に問いかけ、幕となります。 オペラとしてはつまらなく、このアリアしか特筆するものはありません。 == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.06.28
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にほんブログ村 これまで幾度となく、オペラに関する記事を書いてきました。 今回は、みなさんがオペラを見た事がなくても、この曲は何処かで聞いたことが あるな?というものを取り上げ、そのオペラの物語などをご紹介したいと思い ます。 第一回は、プッチーニのトウーランドットから、第三幕の冒頭で歌われる このアリア。 < 誰も寝てはならぬ、あなたもそうだ王女様 >と、この物語のヒーロー であるカフカが歌いかけ、そして< 愛はきっと勝つ!! >と結びます。 本作品の最高の聴きどころのアリア、誰も寝てはならぬ。 思いだしましたか? 2006年イタリアトリノで開催された冬季オリンピック、女子フィギュア スケートで、荒川静香がこの曲でフリーを滑り、見事金メダルに輝きました。 アジア選手として五輪フィギュア史上初の金メダル、また同五輪では日本唯一の メダルという快挙だったのです。 トウーランドットはプッチーニ最後の作品で、物語の舞台は古代中国。 ストーリーは、放浪の王子カラフが絶世の美女に魅せられました。しかし、その姫 トウーランドットは求婚者に三つの謎を出し、解けなければ首をはねると いう、残忍な心の持ち主でした。 カラフは見事に三つの謎を、解いてしまいます。 しかし高慢な姫は、名も知れぬ男と結婚するのは嫌だと駄々をこねるので、カラフ は ( 夜が明けるまでに私の名を当てたら、命を差し出しましょう。)と、 逆提案。 姫はカラフの名を聞き出す為に、彼の奴隷であるリュウを拘束し、拷問に かけます。リュウは口をわらずに自殺し、その愛の強さに感動した姫は、 ( 彼の名がわかった。その名は愛!! )と宣言し、民衆の歓喜の合唱と 共に幕が下ります。 プッチーニは、アジアに興味をもって、それを作品化しました。 しかし、蝶々夫人と同じく、日本人にとってはトウーランドットも、その 描き方に違和感があります。 当作品でも、姫に使える3人の大臣の名前が、ピン・ポン・パン。壮大な スケールの割には、誰も寝てはならぬ以外聴くにたる曲もなく、またストーリー 展開のテンポも緩慢で、オペラとしてのわての評価は低いのです。 == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.06.27
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にほんブログ村 ベートヴェンと違い、モーツアルトはオペラでも数々の傑作を生みだし、 やはり音楽の天才といってもいいでしょう。 序曲の切り口で語れば、フィガロの結婚序曲。 軽快なアップテンポで、これから楽しいオペラが始まるという期待感が、膨らむ 序曲。時間にして5分ほどの短い曲ですが、まさに モーくん、神の子、不思議な子、 のモーツアルトにしか、書けない音楽です。 レンタカーでドイツ・オーストリアを家族で周遊した時、ザルツブルグの モーツアルト生家を、訪れた事があります。 モーツアルトはここに、1773~87年まで住んでいました。 ゲトライデガッセにあったのは、モーツアルトの生家ですが、このほかにも 住まいはモーットあると????? 誰からも好かれるモーツアルトの楽曲ですが、どの曲が好きかというある アンケートによれば・・ 第一位 ジュピター ( 交響曲第41番 ) 第二位 トルコ行進曲 ( ピアノソナタ第11番 ) 第三位 フィガロの結婚 ( オペラ ) 第四位 アイネ・クライネ・ナハトムジーク ( セレナード第13番 ) 第五位 魔笛 シングルビュール ( オペラ ) だったそうです。 第1位がなんと「ジュピター」とは、意外でした。 平原綾香が歌った、ホルストの「ジュピター」の影響ですかね???? ストーリーそして序曲といういろいろな切り口で、オペラの楽しさを紹介して きましたが、今回はここまでね・・・ == 完 == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.04.13
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にほんブログ村 オペラで数々の傑作を生みだした、ヴェルデイ。 ところが、心に残る素敵な序曲があるかと思うと、これがありません。ワーグナーと 真逆の現象。しいてあげるとすれば、運命の力序曲。 物語は、カラトラーバ侯爵の美しい娘レオノーラは、インカ人の血を引く主人公 ドン・アルバーロとの恋が認められず、侯爵はアルバーロの短銃の暴発で死亡。 侯爵の2人の息子ドン・カルロス、ドン・アルフォンソ兄弟が、父の復讐のため アルバーロを付け狙います。 カルロスはイタリア戦線の陣中で、アルフォンソは修道院でアルバーロに、 返り討ちに遭い、女主人公エレオノーラは絶命寸前のアルフォンソの刃に倒れ、 アルバーロは酷い運命を呪って崖から身を投げて自殺。 つまり主要登場人物が全て死ぬという、救いようのないストーリー展開。 しかし美しい旋律で始まる、この序曲はイイデスハンソン。 オーケストラのコンサートで、単独で取り上げられることも多く、吹奏楽にも 編曲されています。冒頭の “タラララ、タラララ、タラララ~ラララ”という 旋律は、誰もが耳にしたことがあるのでは? ただ、オペラ全幕にお目にかかることは、滅多にありません。 「リゴレット」「椿姫」「イル・トロヴァトーレ」といった中期の傑作や、 「アイーダ」以降の後期作品に比べると、存在感が薄いのです。 しかし、英国ロイヤル・オペラ公演で、皇子の大好きだった(過去形)のアンナ・ネトレプコと、“キング・オブ・テノール” ヨナス・カウフマンが、主役のレオノーラとドン・アルヴァーロを歌っている、 ユーチュブを見つけました。 ネトレプコが情感豊かに愛ゆえに苦悩するヒロインを歌い、カウフマンはドン・アルヴァーロの 暗い情熱を体当たりで演じる。敵役であるレオノーラの兄ドン・カルロに最高のバリトン歌手 ルドヴィク・テジエ、僧院長にはフェルッチョ・フルラネットを迎え、ロイヤル・オペラの音楽監督 パッパーノの指揮という、これ以上ない布陣。 ネトレプコが、結婚後激太りになったとの記事は読んだことはありましたが、 舞台上の彼女の映像をこれまで見たことがありませんでした。 この映像を見て、絶句・・・・ 端午の絶句・・・ かって、ネトレプコのCDや彼女が出演したオペラのDVDを、買いまくった 皇子。 あの愛しのネトレプコさまは、何処にいってしまったのでしょうか? しょんぼりのしょんぼり・・・ == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.04.10
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にほんブログ村 楽聖と言われるベートーヴェンは、幾多の名曲を残していますが、オペラ に関してはこのフィデリオのみです。 政治犯として囚われている夫フロレスタンを、妻レオノーレが男装して フィデリオと名乗り、夫を救出するという夫婦愛を描く、オペラ。 オペラとしては、たいした作品ではありませんが、序曲はすばらしくさすが ベートーヴェン!! これから何か特別な出来事が起こる事を予感させてくれる、美しい旋律に 満ち溢れています。 NHKの「ベートーヴェン250年プロジェクト」の一環として行っていた、「あなたが選ぶベートーヴェン・ベスト10」の集計結果が、2020年12月11日 放送の「らららクラシック」で発表されました。 ベートーベンの好きな作品を3曲選ぶとして、約1万5千通の投票があった そうです。 第1位 交響曲第9番「合唱つき」第2位 交響曲第7番第3位 ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」第4位 ピアノ・ソナタ第14番「月光」第5位 交響曲第5番「運命」第6位 交響曲第6番「田園」第7位 ピアノ協奏曲第5番「皇帝」第8位 エリーゼのために第9位 交響曲第3番「英雄」第10位 ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」 ベスト10にピアノ・ソナタ3曲、ピアノ協奏曲1曲、ピアノ小品1曲と、 5曲もピアノ作品が入っているのが驚きです。ピアノソナタよりも 交響曲・協奏曲が好きな皇子にとっては、理解しがたいランキングですが、 人の好みは千差万別ということでしょうね。 == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.04.09
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にほんブログ村 ワーグナーの< ニーベルングの指輪 >四部作、ラインの黄金、 ワルキューレ、ジークフリート、神々の黄昏の、第二作品がワルキューレ。 ワルキューレとは、北欧神話に登場する複数の半神を指し、「戦死者を 選ぶ者」という意味。日本語では戦乙女、戦女神などともいい、一般には、鎧と 羽根のついた兜で身を固め、槍(もしくは剣)と盾を持ち、翼の生えた馬(ペガサスなど)に乗る、美しい戦乙女の姿で表されます。 ニーベルングの指輪では、神々の長ヴォー タンと 知の神エルダの間に生まれた9人の 娘達として登場。天馬にまたがり槍と楯を持ち、天空を駆け巡るワルキューレたちが、戦死した兵士の魂を岩山へ連れ帰る、第三幕への前奏曲として流れるのが、この『ワルキューレの騎行』。 映画地獄の黙示録で、この前奏曲が使われました。 キルゴア中佐率いる部隊が、ワーグナーのワルキューレの騎行をながしながら、 武装したUH-1ヘリコプターが、南ベトナムの村落を大挙して襲撃するシーン でしたね。 また2008年公開された、ワルキューレ(Valkyrie)という映画もありました。 1944年に起きたヒトラー暗殺計画と、その指揮をとったクラウス・ フォン・シュタウフェンベルク大佐を描いたもの。その作戦計画を、ワルキューレ と称したのでした。 == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.04.02
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にほんブログ村 オペラの幕開きに演奏されるのが、overture と言われる序曲。 独立した曲目として、よくクラシックコンサートでも演奏されるので、耳に した方もあるかと思います。 序曲は、オペラ全体のダイジェスト版あるいはこれから始まるドラマの 予告編としての、意味合いをもっていました。一方、前奏曲(prelude)は 導入曲という点で序曲とは同じですが、すぐ後に続く幕の内容と一体化して 書かれていることが多いのです。 それでは、みなさんも耳にしたことがある、いくつかの有名な序曲を紹介 したいと思います。 序曲を語る上でまずあげたいのが、ワーグナーのタンホイザー序曲。 皇子はワーグナーが好きくなく、この演目も面白くありません。 中世の騎士であるタンホイザーは、テューリンゲンの領主の親族にあたる、 エリーザベトと清き愛で結ばれていました。しかし、官能の愛を望むように なり、愛欲の女神ヴェーヌスが棲んでいるという、異界ヴェーヌスベルクに赴き 肉欲の世界に溺れます。 エリーザベトが自分の命と引き換えに、タンホイザーの赦しを神に乞うたことから、 タンホイザーはエリーザベトの亡骸に寄り添う形で、息を引き取るという結末。 言ってみれば、女性の二つの相、娼婦的な愛欲と純真な聖母・処女の間を ふりこのように揺れ動く男性心理を、タンホイザーという騎士の形を借りて、表現 したのではないかと思います。 この序曲は、分厚い管弦楽が重厚な旋律を奏で、この物語が悲劇であることを 告げるようです。華麗で美しいのですが、何処にも救いが感じられない、不安を 招くような旋律。しかし、序曲だけの切り口でオペラを語る時、名曲ナンバー1 を争うと言ってもいいのではないでしょうか? ワーグナーのパトロンであった、ルートヴィヒ2世が築城したリンダー ホーフ城を訪れた事があります。 本城はヴェルサイユ宮殿内の大トリアンノン宮殿を手本にして建てられた ルネサンス様式で、建物内部はロココ様式の豪華な装飾。 庭園内の金色の女神像の噴水。 城館を出て、カスケードの奥に、ヴィーナスの洞窟があります。 ワーグナーのオペラ「タンホイザー」に出てくる、ヘーゼルベルクの ヴィーナスの洞窟をイメージした人口の鍾乳洞。 金色の貝の舟に従僕とともに乗り、ルートヴィヒ2世は本物の白鳥を連れて、 この人工湖を遊覧していたというのですから、まさに狂気の世界!!! 洞内の照明は、10分ごとに赤や緑など色が切り替わり、しばらくすると人工的 に作った滝が流れてきます。 暗い洞窟内に流れる、タンホイザー序曲を聴きながら、ルートヴィヒ2世の世界 へと、厳かに誘われたのでした。 == つづく == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.04.01
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にほんブログ村 魅惑のオペラ最終回を飾るのは、ドニゼッテイの愛の妙薬。 人間味あふれる登場人物たちが織りなす喜劇で、とにかく楽しさが沸き立つ、 皇子が一番好きなオペラだす。 物語は、農場主の娘で村一番の美人の、アデイーナ。彼女に想い寄せる、純朴な 農夫のネモリーノ。いかさま薬売りドウルカマーラから、いんちき惚れ薬< 愛の妙薬 >を買ってしまいます。 アデイーナは、ネモリーノへのあてつけとして、地方守備隊長ベルコーレ軍曹 との結婚を決意。ネモリーノは惚れ薬を買うお金もなくなり、入隊すればお金が もらえるというのベルコーレの誘いにのってしまいます。 ネモリーノの自分への純粋な想いを知って、アデイーナは入隊契約書を買い戻し、 そしてハッピーエンドの幕切れへと。 以前記事にしたことがありますが、このオペラの中のアリア、人知れぬ涙 が最高!!! まずは、パヴァロッテイのネモリーノ、キャサリン・バトルのアデイーナ という夢の共演。 MET の舞台だけに、装置が素晴らしいのですが、二人の体格的な差からどうも このキャステイングには、違和感がありました。 その点仲良しコンビ、ヴィラゾンとネトレプコのこの舞台は、二人の息がぴったり あっていて、見ていてとても楽しいですよ。 ヴィラゾンの人知れぬ涙は、観客から大絶賛されその場でアンコールに応じた という、通常の舞台では考えらない映像が、収録されています。 現在オペラは経費節減の観点から舞台装置を簡略し、またストーリーその ものを現代風に置き換えるものが多く、オペラファンとして見るに 堪えません。 例えば、このDVDのごとくジャケットを着たネモリーノ、ワンピース姿の アデイーナなんか、見ていてもち~~~とも面白くおまへん。 まだまだ書きたいことは山ほどありますが、今回はこの辺で終わりにしたいと 思います。 オペラが食わず嫌いだった貴方も、このシリーズを読み少しでも興味がわいた のであれば、それは幸いなことでごじゃりまする。 == 完 == ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.03.19
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にほんブログ村 17世紀スコットランドで実際に起こった悲劇を、描いた小説ランマムーアの花嫁 をもとに作られたのが、ドニゼッテイのランメルモールのルチア。 ランメルモール領主のエンリーコは、妹ルチアとアウトウーロ卿との政略結婚を、 企てます。ところがルチアは、仇敵エドガルトと恋仲。エンリーコは次々と汚い手 を使って、アウトウーロ卿との結婚にこぎつけさせます。 絶望と悲しみに耐えられぬルチアは発狂し、初夜の床で夫となったアウトウーロ 卿を刺殺。そして錯乱したルチアは息絶えたのでした。それを聞いたエドガルト はルチアの後を追い、自ら命を絶って物語は終わります。 このオペラで有名な歌曲をあげるとすれば、まず第一幕での六重唱 < 邪魔をするのは誰だ >。 婚礼の最中、突然エドガルドが戻り、ルチアがアウトウーロ卿との結婚を承諾した 事を知り、激怒。ルチアは驚き、悲しみ、絶望の淵に立たされた、登場人物6人が それぞれの想いを、歌にしたものです。 そしてこのオペラ最大の見せ場が、狂乱の場と呼ばれているシーン。 フルートの序奏共に、白いガウンに返り血を浴びたルチアが、婚礼を祝う人々の 前に現れ、コロラトウーラを駆使した甘く繊細な旋律が、悲劇を誇張します。 まずは、ナタリー・デセイ。 続いて、ジョーン・サザーランド。 彼女の歌声は、パバロッテイが最高のソプラと賛辞したごとく、目をつぶって 聴いている限りこの世のものとは思えない美声。ところが、目を開けてその姿を 見た途端・・・・ ビジュアル的に損をしていますね。 19世紀前半のベルカント・オペラは、このような狂乱の場を見せ場とする のが、特徴的なストーリー展開の一つでした。狂乱という精神的な状態と、 コロラトウーラの超絶技的な歌唱方法とが結びつき、オペラのクライマックスを つくりあげたのでした。 狂乱の場は、他にドニゼッテイの< アンナ・ボレーナ >、ベッリーニの < 清教徒 >< 夢遊病の女 >などがありますが、わての大好きな アンナ・ネトレプコの清教徒から・・・ ==つづく== ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.03.17
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にほんブログ村 モーツアルトのオペラの中では、難解の部類に属する大人向けの童話と いうべき作品が、魔笛。 王子タミーノは、夜の女王から娘パミーナが、悪魔ザラストに捕らわれていると 聞かされ、彼女の救出を決意します。お供を務めるのが陽気な鳥刺しパパゲーノ。 実は悪魔ではなく、太陽の世界を委ねられたザラストから、さまざまな試練が タミーノとパパゲーノに与えられます。 沈黙、火、水の試練を潜り抜け、最後にタミーノとパピーナは結ばれるという、 オペラには珍しいハッピーエンド。 このオペラで最も有名なアリアは、夜の女王の< 地獄の復讐が胸に たぎる >。 高音の超絶技巧を要するコロラトウーラを、歌いこなせるソプラノ歌手は それほど、多くはいません。 それと楽しいのが、第二幕鳥刺しパパゲーノが恋人パパゲーナと再会し、 二人で歌う二重唱< パ、パ、パ >。 皇子が、オペラの魅力を知ったのは、以前にも書きましたが、ウイーン駐在時 でした。ところが帰国して、オペラ観劇の料金がどえりゃ~高くて、とても庶民 が行けるものではないことがわかりました。 ところが、朝日新聞に< 三毛猫ホームズとオペラに行こう >という、 赤川次郎の連載コラムを目にしたのです。 彼は、1981年のミラノ・スカラ座の来日公演以来、すっかりオペラの虜となり、 ウィーンやミラノ、ニューヨークと時間があれば劇場に足を運ぶ日々。オペラに 費やした費用で、家が何軒も買えると・・・ そのコラムでお家でオペラと称し、このDVDの推奨がありました。 サヴァリッシュ指揮、バイエルン国立歌劇場管弦楽団の演奏、1983年公演を 収録したDVD。 グルヴェローヴァの夜の女王、ポップのパミーナ、アライサのタミーノ、 プレンデルのパパゲーノ、モルのザラストと当時まさに黄金のラインアップの 歌手陣でした。 よく考えられた舞台装置や、エヴァーデイングの演出もよく、なにもオペラ ハウスにいかなくてもこのような名演のDVDで、お家でオペラで十分楽しめる ことが、わかったのです。といっても、税込みで1枚 6,825円のDVD でしたから、わてのお小遣いで買うのは大変でした。 それ以来オペラ関係の本を漁り、この演目の名演を収録したのはこのDVD、 という情報を得て、それを集めるコレクションが始まったのでした。東北での 単身赴任生活の夜は長く、長い時間のオペラを鑑賞する時間は、 十分にありましたので・・・・ ==つづく== ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.03.16
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にほんブログ村 オペラと推理小説というものは、誰かが死ぬものだと言われているくらい、 主人公の死をもってドラマが完結するのがオペラ。ストーリーの95%以上が 悲劇というオペラの中で、モーツアルトの作品はおしなべて楽しく、 ハッピー・エンドのものが多いのです。 その中で、二転三転する喜劇を、極上の音楽が貫くのが、フィガロの結婚。 アルマヴィーヴァ伯爵家の使用人、フィガロとスザンナは結婚間近の、恋人同士。 ところが、初夜権を持ち出し、スザンナの貞操を奪おうとする伯爵。 初夜権とは、結婚に際し花婿との初夜に先立ち、花婿以外のものが花嫁を床を共に する権利のこと。権利を与えられていたのが、僧侶・呪術師・領主や族長などの、 社会的な優越者。ヨーロッパの封建社会時代にあった権利ですが、似た ような習俗は日本にもあったそうです。 一方、夫の愛が冷めてしまった事を嘆く伯爵夫人は、小姓ケルビーノやスザンナを 使って、伯爵の不貞の現場を押さえようとする、ま~あ言ってみれば恋愛ドタバタ 喜劇。 モーツアルトのオペラ序曲には、単独でコンサートで演奏されるものも多く、 その中でも軽快で華やか、楽し気で親しみやすい、フィガロの結婚序曲 は最も人気があります。 アリアで有名なのが、第一幕の最後の、もう飛ぶまいぞ、この蝶々。 女癖の悪さがたたり、伯爵から軍隊入りを命じられたケルビーノを、さも祝福 するかのようにからかって、フィガロが歌います。 オペラにはケルビーノのように、女性が男性に扮するズボン役というものが あります。 R・シュトラウス薔薇の騎士のオクタヴィアンや、J・シュトラウス二世 こうもりのオルロフスキー公爵など。比較的に軽い声のメゾソプラノ歌手が、 演じる事が多いですね。 イギリスグラインドボーン・フェステイバル・オペラで収録された、 フィガロの結婚のDVDがこれ・・・ 5月中旬から8月末まで公演され、1200席の新オペラハウスとなって誕生した 際の、こけら落とし公演が、ここに収録されています。 そして、後1枚がこれ・・・ 貴族と従僕・農民といった階級間の対立も、フィガロの結婚の一つのテーマ であったのかもしれません。けれど、美しい旋律と鮮やかな楽器によって 描かれた人の心の襞が、いつの時代でも見る人の心をひきつけるのでは、 ないのでしょうか??? ==つづく== ブログ村ランキング参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村
2021.03.14
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