ボッパードを拠点(宿泊地)とした理由がもうひとつあります。
それは自転車で隣街のシュパイSpayに行くためです。
シュパイにはバッハラッハと同じくらい訪れているのですがそれはこのブログでも何回か書いている醸造所ヴァインガルトWeingartに行くためです。
いつもは電車かコブレンツからバスでシュパイで降りて訪れていたのですが、今回は自転車でボッパートから行ってみようと思いました。
それには問題点があったのですがそれがクリアできなかったら公共機関で行こうと思っていました。
ホテルを予約するときにそのホテルに自転車貸出し可とあったのでそれをたよりにしていました。チェックインの時にきいてみたら若干しぶしぶでしたが借りることができました。
最初5ユーロといわれたのですが、チェックアウトの時にあまり使わなかったのを知ると払わなくてよいといわれました。
次の問題点が距離だったのですが電車での感覚だと、近くはないけれどまあいけるだろうというかんじで、ホテルの人に訊いたら30分はかからないだろうとのことだったので決行することにしました。
もうひとつ、午後たしか4時頃の出発だったので、ゆっくりしすぎると帰りに真っ暗になってしまうという懸念があったので時間を気にしながらシュパイにむけて出発しました。
ライン川はラインガウの地域からコブレンツまでは川沿いに両サイドずっと道があります(途中少し内側に入りますが)。街は道が増えますが集落と集落の間の区間は川沿いの道の一本のみです。
右がすぐ川でこういう道がずっと続きます。ワイン畑のあるところだとこういう風景になります。
基本はずっとこういう丘が続いてるのでこういう風景で太陽に対しての角度や土壌がよいところの斜面がワイン畑になっています。
ここはボッパーダー・ハムBopperder Hammという畑です。奥の斜面にうっすらと白く畑名が書いてあります。
ここも全てハムの畑でシュパイから下流、かなり長い距離がそうです。
が、地元の醸造所のワインはハムの中でさらに畑が区分されています。
僕の知っている限りでは4つあります。
すごく特徴的で特殊そうな丘があったりもしたのでどの名前がどこかヴァインガルトの人に訊こうと思っていたのですが、今回対応してくれたのは奥さんでちょっとききづらくて断念しました。
たぶん20分強ぐらい走ってそろそろ同じ景色に飽きてきたころにシュパイの村に着きました。
この村はごくありふれた住宅の集落でとても静かです。
そんな何も無さそうなところなのにワイン好きにとっては重要な場所なのです。
ミッテルラインのトップとされているふたつの醸造所がどちらもこの町にあるのです。
ひとつが先に書いた ヴァインガルト
、もうひとつが マティアスミュラーMatthias Müller
です。
とても近いところにあって使っている畑も主なのがボッパーダーハムなのですが(マンデルシュタインのみマティアスミュラーのみの所有)、ワインのキャラクターが違うし、マティアスミュラーは数年前にVDPに加盟したけれどヴァインガルとは加盟していないなどかなり違いがあるので比較してみると面白いと思います。
マティアスミュラーはバス停の目の前にあるのですが、なんとなく入りにくくて今までたしか4回くらいこの村にきていますが一度も訪れたことがありません。日本にも種類は少ないですが輸入されていて好きなワインが多いので訪れたみたいとは思っていたのですが、ヴァインガルトでたくさん買うからもしくはすでに重いのでワインをあまり買うことができないというのもあったから立ち寄ることができなかったのです。
以前は居酒屋を併設していたみたいなのですが、僕が初めて行ったときにはすでにやっていませんでした。
そして今回初めて中に入ることにしました。
奥さんらしき人が対応してくれました。数本しか買えないことを告げて試飲をさせてもらいました。
2009年産の辛口、中辛口、甘口までシュペートレーゼクラスを中心に畑違いでそろぞれ3種類くらいずつ試飲させてもらいました。
どれも良いなあと思ったのはハルプトロッケン、ファインヘルプです。シュペートレーゼを3種類畑違いで飲みましたが、どれもタイプは違うけれどすばらしいなあと思ったのです。
どれを買おうか迷ったのですがエンゲルシュタインのファインヘルプにしました。
これはもう日本で開けて飲んだのですが甘みをけっこう感じてびっくりしました。試飲したときはそこまでの印象はなかったと思うのですが。最後は直感で好みで選んだので甘みのあるほうを選んだのだと思います。
以前マルクスモリトールのファインヘルプのシュペートレーゼでも試飲して買ってきて日本で飲んだら甘かったということがありました。甘口のシュペートレーゼかと疑ったほどです。
ファインヘルプは味(特に甘み)の感じ方の幅が広すぎて難しいです。これらは好みなので全く問題なかったのですがラベルだけをみて食事にあわせるために購入するのはなかなか大変だと思ったのでした。
マティアスミュラーに話を戻しますと、辛口はグローセスゲヴェックスは首をかしげてしまいました。値段を考えなくても考慮してでもです。でもゴーミヨとかではこのワインけっこう点数高いのです。
GGに比べてもっと安いエンゲルシュタインのシュペートレーゼトロッケンはけっこう良かったので購入しました。
甘口はオーレンベルクのシュペートレーゼがとても良かったです。アウスレーゼくらいの残糖があって濃厚なのでシュペートレーゼらしくはないですが。
トロッケン、ファインヘルプ、甘口それぞれのタイプのシュペートレーゼで一番気に入ったところにはエディションMMとつけていて(若干値段が他のより高いです)、甘口はこのオーレンベルクがMMでした。
これを買ったつもりだったのですが、なんと日本に帰ってからラベルをみたらこれではなくアウスレーゼが間違って入っていてショックでした。
アウスレーゼも試飲したのですがシュペートレーゼのほうが好みだったし他にないタイプだったので。
ヨーロッパで買い物をする時は商品をちゃんと確認しよう、という基本を思い出しだしたのでした。どんなによい接客でもそれはしなくはいけなかったのです。
そしてそのあとすぐにヴァインガルトに行きました。
毎回楽しみにしているのですが今回はちょっと期待はずれでした。
一番得意なタイプだと僕は思っていて楽しみにしているハルプトロッケンがほとんど売り切れだったことと(人気の表われですが)、いつも好印象な甘口のシュペートレーゼも今までよりは感動しなかったのです。
2009年産のヴァインガルトは厚みがけっこうあって僕の好きなヴァインガルト特有の風味がぼやけてしまっているのであまり好みではなかったのです。
先入観なしに飲んだ人には気にいる可能性は高いかもしれない、といことは付け加えておきます。
そういうことでシュペートレーゼは一本しか買っていないのですがフュルステンベルクのシュペートレーゼは数年寝かせたら面白くなるなあと思ったので熟成用に買わなかったことを後悔しています。
ファインヘルプのQBAが等級以上のクオリティとコストパフォーマンスを含めてかなり良かったのですが、日本にすでに輸入されていました。
今は割引しているみたいですのでぜひ購入してほしいです。ヴァインガルトの良さがでているワインなので。
さて、そんな二軒で短時間のうちにけっこう飲んだのでそこそこ酔っ払っていたのですが、陽が落ちてきたのでまた自転車でがんばってボッパードへ戻りました。ちょうど夕陽が落ちているところだったのですが、酔いと疲労であまり楽しむ余裕がなかったのは残念でした。
そんなでボッパードに戻りましたが、ヘイリーグラーブの居酒屋が駅の近くにあったのを覚えていてそのまま立ち寄りました。シュパイのふたつと畑はほとんど同じですが、それらを飲んだ後に比べてしまうと分が悪かったのは否めません。
でその後もう少し食事をしようと思っていたのですが、許容量を超えていてホテルに帰ったらすぐに力尽きてしまいました。
でも短い時間ですが自転車旅行はとても有意義でした。
後で気がついたのですが、ドイツのローカル電車は自転車を車内に入れて移動することができるのです。それを使えば稼動範囲がかなり増えることに気がつきました。次回ドイツに行った時はこれを使って自転車でどこかに行ってみようかと考えています。
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