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こちらのブログは全然更新できていませんが、ドイツワインフェストのことはこちらのほうがよいと思いこちらのブログに投稿します。と思い開いたら昨年のフェストの記事から1年ぶりの投稿でした。僕は運営に関わっているので、いくつかの側面からの感想、報告となります。愛好家の団体である東京ドイツワイン協会が主催のドイツワインフェスト、今回も盛況の中無事に終えることができました。160人の方に参加していただき、みなさまに喜んでいただける会になったと思います。昨年も感じましたが、20代、30代の方もたくさんいらっしゃり、協会の食事会に参加されていないあまりお見かけしない方が多かったので、ドイツワインをより多くの方に知ってもらうというこのイベントのひとつの目的を果たせていることをうれしく思っています。 一種類ワインが届かないというアクシデントがありましたが、お詫びとして3種類用意していた有料試飲のうちゼクトを無料にし喜んでいただけたのでほっとしています(本数を多く用意していなかったので希望する全員の方には行きわたりませんでしたが)。例年は5、6月の開催で今年はより暑い時期だったこともあり、十分だと思って用意していたワインがほぼ全てなくなったのにはびっくりしました。スタッフの打ち上げでは提供したワインを飲みました。その中でケラーのシュペートレーゼだけ用意するのを忘れてしまったのでこの画像にはありません。毎年来場者にはアンケートを書いてもらっているのですが今年は参加者の4分の1の方に書いていただき興味深い内容のものがたくさんありました。全員の方を満足させるイベントというのは難しく、不満な点や要望を書いてくださった方もいらっしゃいましたが、そういう方も含めてほとんどの方がこのイベントはよかったかという問いに、「よかった」と答えてくださっていたことで成功でとらえられると思います。おいしかったワインを挙げていただく問いには、全てのワインが挙げられていたことがとてもよかったです。一定のワインに集中することがない、ということは幅広い好みの方に対応でき、それぞれの方によいと思ってもらえるワインをそろえているということです。ドイツワインの多様性とさまざまなタイプでもそれぞれおいしいワインがあるということを示せていることになるのでこのアンケートの結果に安心しました。アンケートでは、甘口がやはりドイツワインという方もいれば、辛口、赤をもっと増やしてほしいという方もいました。会場での会話では、ある一種類はとてもよくもう一種類はあまり、という方がいらっしゃりその全く逆のことを言っている方がいて、アンケートでも好みはその2つにわかれているということもありました。ドイツワインの魅力を知ってもらうという意図でワインは選んでいるので、同じ好みの方に照準を合わせるのではなく、幅広いタイプの中で飲んでいただきそれぞれの方の好みに合うワインがあればよいという考えなので、全てがよかったという感想だけではなくそういう意見があってもよいと考えています。今回のリストです。お出しできなかったロバートヴァイルを削除したものを載せます。300円での有料試飲2種類、入場の際のウエルカムドリンクを含めて17種類をお飲みいただけました。ここからは僕個人の感想の味わいの感想も多く含まれています。辛口の白ワインは結果的に4種類となりました。飲み口がやわらかいがコクのあるタイプが多く、もっとパワフルなものもあればよかったあとは思いましたが、この4種類でも味わいは異なるのでドイツワインの辛口にはどういったものがある、というのを知っていただく役割は果たせたかと思います。マティアス・ミュラーはスタンダートなリースリング辛口としてこのワインでよかったなあと思いました。フリッツ・ハークのトロッケンはもっと酸で骨格のあるワインかと想像していましたが、甘みも感じるやわらかいタイプでした。個人的にはこういうワインは大好きなのですが。フュルストは初めてミュラートゥルガウを選びましたが品種の個性も感じるやわらかい味わいで、なおかつテーブルワインを超える品質でいいワインでした。デンホフはヴァイスブルグンダーで小さい樽で熟成させている上級のラインのものを選びましたがとても好評でした。ただ6000円という価格を考えるという買うために選ばないという方もいるのではと思います。赤はシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)2種類です。タイプが異なり、賛否両論だったのが面白かったです。個人的にはアールのマイヤーネーケルのシーファー土壌のぎゅっと果実味がまとまった芯ある味わいがより好みでした。暑い時期だったのでゼクト(スパークリングワイン)も数種用意しましたが、ドイツのおいしいスパークリングワインが飲めてよかったという声が多くてよかったです。あまり知られていませんが、ドイツ人はスパークリングワインが大好きでほとんどの醸造所からゼクトはリリースされています。タイプは多様で、今回用意したものもタイプが異なっていて、それぞれの方においしいと思えるものを紹介できてよかったです。僕は親しみのあるやさしさがありながら芯もあるライツのロゼのゼクトがよかったです。レープホルツは辛口ワインでファンが多いですが、そういった造り手がどういうゼクトを造るのかということを知っていただけたのがよかったです。リースリングの甘口系では、エゴンミュラーがQBAで販売ししているラインの一番下であってもエゴンミュラーらしさの感じられる深みのある味わいで好評でした。2012年ということ少し熟成しているので個性がより出てきているということもあると思います。その他のシューベルトのQBA、ハールト、フレーリッヒのカビネットは甘さや味わいの方向が異なるもので、それぞれの方の好みでおいしいと思えるものがあったようです。ケラーのシュペートレーゼは、酸が少なめの2011年ということもあってか甘みを強く感じ上品な甘さが心地よく感じられ、僕も好きな味わいでした。フーバーの高価な赤ワインが造られる畑の単一畑のシュペートブルグンダーのロゼは、繊細ながらもうまみが凝縮していました。1万円近くの価格なので、個人的にはこの価格を出して買いたいとは思えませんが、多くの方に良いと思ってもらえる素晴らしいゼクトでした。有料でのアウスレーゼは若いワインの良さと熟成した時の良さを知ってもらいたいという意図で2014年と2005年のモーゼルのトップレベルの甘口を造る造り手のワインを用意しました。ドイツワイン好きとしては熟成した甘口ワインの素晴らしさを知ってほしいのはありますが、プリュムの2014年のほうが好きという方も多くフレッシュな段階の甘みが前にあるワインに良さを感じる方が多いことも知ることができました。意見がほぼ2つに割れていました。でもどちらもおいしくてあとは好みの問題、ということです。個人的にはシュロスリーザーの貴腐ぶどうも含む2005年のきれいでなおかつふくよかな味わいのアウスレーゼをあと5年以上寝かせてから飲んでみたいと思いました。おそらく20年後でも素晴らしい味わいで飲むことができるのではと思います。ざっとですが感想を書いていきました。ゴーミヨの最優秀醸造所に選ばれたことのある醸造所からワインを選んでいるのですが、気品のあるタイプが多く、産地も少し偏ってしまうので、もっと幅広く紹介できるといいなあと思いました。テーマを決めてその中では最優秀に選ばれていない造り手からチョイスすることもしているので、もっと多様性を知っていただけるような内容にしたいと思いました。今回は今までよりも購入したインポーターを増やしたのですが、もっと他のドイツワインをがんばっているインポーターも紹介できればと思っています。来年も開催し、多くの方に喜んでいただける会になることを願っています。
2016.07.31
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6月初めにドイツ文化会館OAGホールで行われた東京ドイツワイン主催のドイツワインフェスト、お越しいただいた方々ありがとうございました!150人以上の方に参加していただき、盛会の中無事に終えることができました。17種類のうち辛口の割合を半数より多めにしたこと、辛口グローセスゲヴェックスとアウスレーゼゴールドカプセルの有料試飲(200円と300円)など、試みたことに評価をしてくださっているようでホッとしています。他の試飲会より数は少ないので来る前はどうかと思っていたけれど、参加したらどれも質が高く満足できた、という声も聞けたのもうれしかったです。やはりドイツワインは甘口ワインのほうがいいという声も一定数いらっしゃるので、少し不満だった方もいらっしゃるかもしれませんが、日本の方々がまだまり知られていないドイツワインの世界を紹介するという点で、多種多様な辛口ワインを紹介することに重点を置きました。大きなイベントになると全員の方に満足してもらえるやり方をというのは難しいのでそういう方向性を選択しました。数は少ないながらも質の高い甘口ワインもそろっていたとは考えています。ドイツワインを好きな方にもっと好きになってもらえることも大事なことですが、ドイツワインをあまり飲んだことがない、知らないという方に多く参加していただきそして好評だったことはとてもうれしく思っています。20代、30代、女性が多くて参加されていたこともよい傾向だと思っています。打ち上げの時に飲んで気になったワインの感想を少し書きます。参加者の感想や傾向なども混ぜて書いてあるところもあります。品種を書いていないものはリースリングです。バッサーマン・ヨルダン トロッケン2,000円という値段ながら他のワインに負けていませんでした。気軽に質の高いものを飲みたいときには最適です。テロワールを尊重してしっかりと作っているリースリングの辛口は食事に合わせづらいものも少なくないですが、こういうタイプは比較的食事に合わせやすいです。ヴィットマン グラウブルグンダー トロッケンこのワインも親しみやすい味わいです。やわらかさはビオ栽培の影響もあるかと。和食などこのワインも日本の食卓の食べ物と合わせやすいです。このワインも2,000円台です。この価格帯で質の高いドイツワインをもっと知っていただけれるともっと今のドイツワインの認知度が広がるのかなと思っています。マイヤーネーケル フリューブルグンダー あまり高級なイメージを持たない方が多いフリューブルグンダー(シュペートブルグンダーの亜種)ですが、しっかりと作ればコクと深みのある味わいになります。ただ上代6,000円なら他のものを買いたいよね、というのが多くの方の意見かと思います。フーバー シュペートブルグンダー マルターディンガー シュペートブルグンダーといえばおなじみのバーデンのフーバーです。当主がお亡くなりになったということで敬意を表してシュペートブルグンダー、そしてグーツヴァインより一つランクが上のものを選びました。やはりドイツを代表するといっても過言にはならない味わいでした。でも個人的にはこのワインでも数年は寝かせてから飲むのが好みです。フュルスト ジルヴァーナー トロッケン 'ピュアミネラル'名前にある通りミネラル感がすごかったです。塩気がしました。赤ワインの後だとなおさらで、順番があまりよくなかったようです。それでもこのワインを気にいって一周回ってから戻ってくる方が何人もいらっしゃったようで好評で安心しました。ロバート・ヴァイル キートリッヒャー トロッケングーツヴァインより一つ上のクラスのオルツヴァイン(村名ワイン)、前までだとカビネット・トロッケンになる相当するかと思います。グーツヴァインよりも核に広がりがあり、名門と言われる造り手の良さを感じられる味わいになっていると思いました。フリッツ・ハーク ユッファー・ゾンネンウーア グローセス・ゲヴェックスブルゴーニュでいうグラングリュに相当する醸造所のラインナップの最高級の格付けに位置する辛口ワインです。2012年でモーゼルということで硬いかなと心配していたのですが、口当たりはやわらかく、でも芯はしっかりしてコクがある、というドイツの最高ランク(GGのということ)の名に恥じないワインでよかったです。こういう辛口ワインがドイツワインにはあるということを知っていただけるのはとても大きいことだと思います。そしてやわらかいけれど果実味と深みのあるこのタイプはドイツならではと思うのでこのワインの提供でよかったと思っています。ケラー 'ライムストーン'2014年産ということもあってかフレッシュで、果実味と酸と甘みのバランスがとてもよかったです。シューベルト ブルーダーベルクこの畑のワインには等級はつけなくなったようですがこのワインは質も価格もカビネットに相当するかと思います。ケラーがストレートに甘みが来たのと違い甘みはやや控えめでファインヘルプに近いです。食事に合わせるならこちらを選びます。心地よい甘みで長期熟成が必要なワインが多いシューベルトですがこのワインは若いうちに飲んでもおいしく飲めると思いました。シェーファー・フレーリッヒ フェルゼンエック カビネット香りがミネラルと土のどんよりした香りですが味わいはそこまで暗くはありません。この複雑味は好みが分かれるところだと思いますが、好きな人にはかなり気に入られる高品質なカビネットだと思います。シュロス・リーザー ユッファー カビネット想像よりも甘みは強くなかったです。以前のヴィンテージがかなり甘みがあったこととアルコール度数が低かったのでそういう想像をしていたのですが。昨年のVDPモーゼルの試飲会で飲んだ2013年産のカビネットはほとんどが甘さ控えめなのをこれを飲んで思い出しました。甘みは強くなくてもジューシーさと甘みのバランスがよく心地よいカビネットです。ライツ マグダレーネンクロイツ シュペートレーゼこれも重たい甘みはないのですがやわらかく親しみやすい甘さで、多くの人に気に入られる甘口ワインだと思いました。ローゼン プレラート アウスレーゼ・ゴールドカプセル2008年産なのでもしかしたら若すぎるかもと心配していましたが、甘さだけでなくコクと深みを感じられる味わいで、値段相応の良さを感じていただけたかと思います。ということで特に気になったワインだけでざっと感想を書いてみました。参加者に感想を聞くと、気に入ったワインの銘柄がバラバラだったのがうれしかったです。どれも良いということ、個性がありいろいろな好みの方に気に入っていただけるものがドイツワインにはある、ということを示せたのではと思います。もちろん17種類ではドイツワインの世界の大部分を紹介することにはならないので、ここで気にいったワインに近い産地、醸造所、品種、等級、価格帯などをヒントにしてイツワインを探していただらと思います。ネットなどでドイツワインのことを発信している人もたくさんいますので、そういった方のワイン紹介なども参考にすると好みのワインを選びやすいでしょうし知識も増えるかと思います。
2015.06.20
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告知が遅くなってしまいましたが6月6日土曜にドイツワインフェストが行われます。非営利団体である東京ドイツワイン協会が主催していまして、今回が11回目となる会です。ドイツの著名な醸造所のワイン17種類が試飲会形式で自由にまわってお飲みいただけるイベントです。 6月6日(日) 14時から16時ドイツ文化会館1階 OAGホール (最寄り駅青山一丁目)参加費 事前振込 3500円 当日 4000円 振込方法など詳細は東京ドイツワイン協会のホームページをご覧ください。http://www.gws-tokyo.com/activities/the-11th-deutsche-wein-fest.html ほどんどのワインが小売価格3000円から6000円のものなので、ふだんなかなかお飲みいただく機会がないようなワインも体験できる機会になるかと思います。ヴァインベルクのワインはありませんが、このイベントは僕もワイン選定などに関わっています。辛口から甘口まで幅広くドイツの高貴な造り手のワインを味わっていただけます。どなたでもご参加いただけますので気軽にお越しださい。ドイツワイン好きはもちろんのこと、ドイツワイン、ワインにあまり詳しくない方にもたくさん参加していただきたいです。そういう方にも新しい魅力を発見できてそしてお楽しみいただけるという自信があります。
2015.05.27
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前回のつづきです。実際に飲んで感じたことなどを書いていきます。まずは前回書いたのと同じ提供したワインの説明です。品種は全てリースリングです。(その1はこちらhttp://plaza.rakuten.co.jp/trancy/diary/201503140000/)ベルンハルト・アイフェル(以下アイフェル)Bernhard Eifel、クリュッセラート・ヴァイラーClüsserath-Weiler、アンスガー・クリュセラット(以下アンスガー)Ansgar Clüsserathの3つの醸造所のワインを中心としたラインナップです。辛口1 Bernhard Eifel 2012 Spätlese trocken 2 Bernhard Eifel 2011 Spätlese trocken 3 Clüsserath-Weiler 2012 'Alte Reben' trocken※ 4 Clüsserath-Weiler 2011 'Alte Reben' trocken※ 5 Ansgar Clüsserath 2012 Steinreich trocken 6 Ansgar Clüsserath 2012 trocken※ 7 Ansgar Clüsserath 2011 trocken※甘口8 Ansgar Clüsserath 2012 Kabinett 9 Ansgar Clüsserath 2012 Spätlese 10 Bischofliche Weinguter Trier 2010 Spätlese※※のあるものは個人で現地にて入手したものです。 メインは辛口の比較で、醸造所、ヴィンテージによる比較をしました。 甘口は等級ごとにどういったものがあるのかというのを知ってもらうようなラインナップにしました。10は知り合いが持っていたもので、異なるヴィンテージだし少し熟成しているものもあったほうがよいのではということでラインナップに入れました。この他に差し入れがあったのですがそのワインについては後半に書きます。5だけは畑名がラベルには記載されていませんがアポテーケの畑です。その他のものはTittenheimer Apothkeの記載があります。ヴァイラーとアンスガーは今の主流のようにシュペートレーゼのような等級をつけていません。しかし3から5はシュペートレーゼクラス、6と7はアウスレーゼクラスに相当するそうです。どの醸造所もVDPには加盟していないのですが、VDPの今の格付けだとErste Lage、Grosses Gewaechsに相当します。この他に北嶋さんからLoerschの2012年のトロッケンを差し入れとして提供していただきました。トリアー在住の知人のお薦めとして送ってもらったワインの中の一本だそうです。ではワインの感想を書いていきます。ひとつひとつのワインというよりも比較したうえでの感想に重点を置きます。ヴァインベルクで輸入しているベルンハルト・アイフェルは、2013はそれだけで飲むとおいしく感じるのですが、2012年のほうが引き締まっていて、今の段階で2012年と比べてどちらを選ぶかとしたら2012年を選びます。ヴィンテージの違いに加え一年熟成していることによりよくなっているということもあると思いました。とはいえ2013年産も今飲んでも楽しめます。料理に合わせやすいのは2013年かもしれません。ヴァイラーはより凝縮感を感じました。2011年産はこのヴィンテージの特徴により酸が少なめなので、2012年より軽く感じましたがその中にも強さがありました。5のアンスガーのシュタインライヒは、こちらも2012年らしい酸とこの造り手の個性によるパワフルさがありますが、6、7と比べると内側にある力強さは感じませんでした。これはオリジナルの畑(橋の左右のエリア)ではなくライヴェン寄りの上流のエリアの区画であることと樹齢が6、7のものより短いことが関連しているのではという考察をしました。アポテーケ単一のぶどうでもラベルに畑名が書いていないのはそういった区画等の理由によるものではないか、という意見もありました。6の2012年産はさらっとしているけれど深みを感じます。7の2011年産のほうが丸みがあってまろやかな味わいでした。きれいという言葉があてはまります。僕は7がこれまでの中で一番好みでしたが、6と7は味わいの中に酸を感じるものが好きかどうかで好みが分かれます。参加者でもほぼ半分に分かれました。僕は酸味が前面に出ているパワフルなものよりはミネラル感などで複雑な味わいのほうが好みなので7のほうが好きなのです。こうやって比較して飲むとアイフェルよりもヴァイラー、アンスガーのほうが深み、凝縮感があるように感じました。これは土壌、テロワールの違いよりもぶどうの樹の樹齢による違いなのではないかという結論に至りました。ヴァイラーは50年から80年、アンスガーは最長で80年というアナウンスがあり、アイフェルのは区画整理後に植えられていてあきらかにこれらよりは若い年数です。土壌はブラウシーファー(青色粘板岩)と一部はグラウシーファー(灰色粘板岩、デヴォンシーファーともいう)ですがそれらの違いによる影響はあまり感じませんでした。また、どういう理念で造っているかという違いも醸造所ごとにはっきりと違いがありました。アンスガーはぶどうの最大限のポテンシャルを発揮しようと造りその良さを発揮するためには時間がかかる長期熟成型だと思いました。ヴァイラーは最初の印象は一番良かったのですが、抜栓して30分くらいすると味わいがストンと弱くなったので長期熟成には向いていないかもと思いました(それでも数年だったら上向きになっている可能性は高いです)。アイフェルは他の2つに比べると弱く感じてしまうのですが、比較した後にあらためて飲むと親しみやすさがいいなあと思いました。ワイン愛好家ではない方の中ではアイフェルのワインが一番好きという方も多いのではないかと思いました。このことによって、丁寧にしっかりと造っている醸造所であればニーズやタイミングによってよく感じる場があるのでひとつの方向で優劣を決めるのは意味がない、ということをあらためて思いました。ヴァインテージによる違いですが、醸造所ごとに好みのヴィンテージが異なったことから地域、畑ごとにヴィンテージごとに良し悪しを決めるのは良くないというのがよくわかったという感想を言っている方がいました。シーファー土壌、特にモーゼルは複雑な要素と醸造の過程によって同じエリアでも結果が異なるのでテロワールの影響だけでは特に判断しにくい地域なのではと思いました。辛口を一通り飲んだ後に北嶋さん提供のLoerschを飲みました。これもErste Lageに相当するものです。タイプとしてはアンスガーに似ていましたが、新しさと古典を併せ持っている印象もあって、今のマニアにはこちらのほうがうけるのかなあという感想をいだきました。甘口はアンスガーの8、9と異なる造り手の10ではアンスガーのほうが明らかにパワフルでした。樹齢もありますが先に述べたように造り手の意向も大きいかと思います。アンスガーの2010年だとおそらくもっと酸がはっきりしていて力強いのではないかと推測しています。カビネットは甘いワインという方向を求めていない力強さとミネラル感のあるワインであることに驚いている方もいました。アンスガーの一部は国内で酒屋から購入したものです。自分も同業者なのでマイナスなことはあまり言いたくはありませんが、現地で買って空輸で持ってきて自宅で温度管理をして保管していたものと明らかにコンディションが違いました。国内購入のほうには液体のなかの力強さや開放感がなく小さくまとまってしまっているような印象でした。今回提供したものと同じワインを以前個人で空輸したものを飲んだ方もその時と全然違うといっていたので商品が異なるから違うということではにというのは明らかでした。醸造所の紹介の役目も持っているインポーターのワインが本来の魅力を発揮できていない状況で提供されているのは非常に残念で悲しいことです。この経路でしか飲んだことがない方には発揮されていない状態での印象で終わってしまうので造り手に申し訳なく思ってしまうし、ドイツワインの良さを知ってもらいと願うドイツワインファンとしても残念なことです。この3つのトリッテンハイムにある醸造所は2013年の秋に訪れたのですが、その時から同じ畑でも醸造所によってあきらかに味わいと方向性が違うと感じていました。そのことが今回こういった会をやる根本にあるのですが、どう違うのかなどをあらためて検証することができてよかったです。畑のポテンシャル(今回の場合は樹齢が要因)だけの違いではないということは醸造所を訪れたからこそはっきりとわかることでした。それぞれの人柄が如実に表れているのです。そしてその個性をはっきりと表現できるポテンシャルがトリッテンハイムの畑にはあるというのも感じています。また、この3つの醸造所はどこも後継ぎとして現在中心となっているのが娘、女性なのです。それは偶然なのでしょうが、女性醸造家に適した土地なのかもしれません。同様に(ほぼ)南向きの急斜面のピースポーター・ゴールドトレプヒェン、ブラネベルガー・ユッファーゾンネンウーア、ベルンカステラー・ドクトール、ヴァーレナー・ゾンネンウーアなどのモーゼル中域の著名な畑に比べればトリッテンハイマー・アポテーケは地味だと言っている方がいます。たしかに目立った個性がなくそれらのワインと比べれば弱く感じるかもしれませんが、やさしい、やわらかい味わいになるのがアポテーケのワインの特徴だと思います。そしてその傾向が女性醸造家には向いているのかもという推測を立てることができます。個人的にはモーゼル中域のリースリングワインでトロッケン(辛口)でもおいしく飲めるエリアはかなり限られています。この醸造所のこの畑ならばというところもありますが、畑としてだいたいの辛口ワインをおいしく飲めるところは限られていて、その中のひとつがトリッテンハイムなのです。酸があまり前に出なくて、残糖がなくても調和がとれた味わいになるのが好みだからです。そういうこともあってヴァインベルクではモーゼル中域の中ではトリッテンハイムのワインを扱いたいと思っていてこの地の醸造所を訪れたのでした。話が方々にとんでしまいましたが、同じ畑(区画)で醸造所違い、ヴィンテージ違いをやると思いがけない発見もあって面白かったです。そして、こういう試みはマニアと言われるひとたちでなくてもやってみると面白いなあと思います。飲んで樹齢の違いと言われてもピンとこないかもしれませんが、あきらかに違うということはわかると思います。造り手、ヴィンテージが違うだけでこんなに異なる味わいになる、ということを知ってもらえるだけでよいのです。それだけでよりドイツワインの魅力を知ってもらえることになるからです。なぜ違うかということを解説するためにはドイツワインを飲みなれている人、ヴィンテージによる違いや醸造所の情報を知っている人が必要ではありますが。違いが醸造所のレベルの質の場合もあったりもするので(大手の大量製品と専業の家族経営の醸造所とか)。とはいえこうやって発信するだけでも貢献はできるかと思っています。 Trittennheimer Apothekeの畑 右側にも少し続いています 川の右側、橋の左右がアポテーケの畑、左側はアルテーヒェン
2015.03.18
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ドイツワインに関わっている仲間がしだいに増えてきて定期的(半年に1,2回くらい)に飲食店で集まって飲み会を開いています。業界に関わっている人や完全に趣味でドイツワインに接しているが醸造所訪問のために毎年ドイツに行く人など色々な方が集まりますが、共通しているのはドイツワイン愛です。なので多方面で活躍している人たちにとってこの場はホームグラウンドというような落ち着ける空間になっています。言葉を選ばないで地名や醸造所名、ワイン用語などを言っても解釈なしでみながほとんど理解できてしまうのもすごいところです。2月に新年会が行われたのですが、集まる時はみなが持ち寄りで日本で入手できないようなマニアックなワインを持ってくるのですが、そういった会とは別にテーマを決めて幹事がワインをセレクトしてやる会も自然と行うようになりました。昨年行われた第一回はアンフォラ、オレンジワインだったのですが(ドイツ以外にもジョージア、イタリアなどのワインもありました)、今回企画したのはトリッテンハイマー・アポテーケTittenheimer Apothkeの会です。今回は、いつも集まるメンバーだけでなく僕の知り合いでこのテーマに興味のありそうな人もお誘いして11人での会となりました。モーゼルの中域のトリッテンハイムにあるアポテーケの畑のワインだけを集めて比較してみようという会です。最後に少しふれますが、ヴァインベルクが輸入するワインを検討するためにドイツを訪れた2013年の秋にトリッテンハイムを訪れました(この街に来たこと自体は2回目です)。この地の辛口ワインがモーゼルの中でも好きだったことと、ドイツでの評価に比べればその当時には日本にはあまりこの地のワインは輸入されていなかったのでトリッテンハイムの醸造所を扱いたいと思っていました。その中で候補に上がった3つの醸造所が今回の辛口ワインの比較に使用した3つの醸造所なのです。この時には同行者がいて(彼は業界の人ではないが醸造所に買い付けに行く変態マニアの一人です)、彼(以下H君)もその時に買ったワインが残っていて、この地のワインでワイン会をやりたいという要望がまわりからあったということでこの会をセッティングすることになりました。H君はフランケン好きなのですが、この訪問のずっと前、最初にモーゼルを訪れたのが知り合いに連れてきてもらったこのトリッテンハイム村ということでこの村には思い入れがあるとのことです。そしてそこで出会ったアンスガー・クリュセラット(以下アンスガー)Ansgar Clüsserathを気に入っています。僕がヴァインベルクとして現在輸入しているベルンハルト・アイフェル(以下アイフェル)Bernhard Eifel、アンスガー、そして2013年に訪れたもうひとつの醸造所クリュッセラート・ヴァイラーClüsserath-Weilerのワインを中心としたラインナップです。辛口1 Bernhard Eifel 2012 Spätlese trocken2 Bernhard Eifel 2011 Spätlese trocken3 Clüsserath-Weiler 2012 'Alte Reben' trocken※4 Clüsserath-Weiler 2011 'Alte Reben' trocken※5 Ansgar Clüsserath 2012 Steinreich trocken6 Ansgar Clüsserath 2012 trocken※7 Ansgar Clüsserath 2011 trocken※甘口8 Ansgar Clüsserath 2012 Kabinett9 Ansgar Clüsserath 2012 Spätlese 10 Bischofliche Weinguter Trier 2010 Spätlese※※のあるものは現地で入手したものです。 メインは辛口の比較で、醸造所、ヴィンテージによる比較をしました。甘口は等級ごとにどういったものがあるのかというのを知ってもらうようなラインナップにしました。10は知り合いが持っていたもので、異なるヴィンテージだし少し熟成しているものもあったほうがよいのではということでラインナップに入れました。この他に差し入れがあったのですがそのワインについては後半に書きます。5だけは畑名がラベルには記載されていませんがアポテーケの畑です。その他のものはTittenheimer Apothkeの記載があります。ヴァイラーとアンスガーは今の主流のようにシュペートレーゼのような等級をつけていません。しかし3から5はシュペートレーゼクラス、6と7はアウスレーゼクラスに相当するそうです。どの醸造所もVDPには加盟していないのですが、VDPの今の格付けだとErste Lage、Grosses Gewaechsに相当します。ワインを飲み始める前には軽くアポテーケの説明をしました。H君が4ページにも及ぶレジュメを作ってくれてそれに沿った形で説明をしました。この畑のポイントは大きくいうと2つあります。モーゼルでおなじみの100年前の税区分の地図ではこの一帯はかなり畑が細分化されていました。その中でも赤く塗られている2つの畑名が現在のアポテーケには含まれています。それらは統合されてアポテーケになり、そして数十年前の区画整理でアポテーケの面積は増えたということも説明がありました。統合前にはアポテーケという畑名はなく、他の名前がなまってアポテーケとなったのではないかという推測がありました。そこにはドクトール(医者の意)などマーケティングとしてアポテーケ(薬局の意)と付けたのではないかとも言われている、という説明もありました。ワインの感想などは後半に書きます。
2015.03.14
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こちらのブログはなかなか更新できていません。今回の記事は、フェースブックで投稿したものをより読み物として読みやすいように少し編集したものです。ビオについて書いたことはなかったと思うので、ドイツのビオがどういうものなのか、筆者がどう思考えているのかを少しでも感じていただければと思い投稿しました。ドイツワインサークルのセミナーのお手伝いをしました。テーマはドイツのビオです。今の4ドイツワインを知ってもらおうとドイツワインに特化したセミナーを毎回やっている会ですが今回も13名の方が参加していました。主に熱心なワイン愛好家の方が中心で、質問や意見で深い部分も取り上げることも多い回でした。他の国の自然派といわれるワインとは異なる印象だったという声が多く、ドイツワインのイメージをつかんでいただける良い機会になったのではないかと思います。値段が高くなく気軽に飲めるものが多いというのがドイツのビオの特徴といっても良いかもしれません。いわゆるビオ臭さがないという意見も多かったです。マーケティングや価値のためにビオにしているのではなく、良いワインにするための方法がビオだったから、というところにその違いが表れるのかもという意見もありました。 僕自身の感想としては、参加された方と異なる感想かもしれませんが、土壌と品種がビオに向いているものがあり、それらをうまくとらえて成功している、ということを感じました。ビオに力を入れているのはバーデンやラインヘッセンが多いのですが、それらの土壌とやわらかい味わいになる品種がビオ栽培に向いていて、ビオ栽培にするとより良い味わいになる、ということを感じました。ラインヘッセンのとてもきれいでやわらかい味わいのジルヴァーナーが一番わかりやすい例だったかもしれません。バーデンの最も南で造られいるグートエーデル(シャスラー)はビオという枠は関係なしにおいしいと思えるものでした。無添加のお弁当が出ましたが食事に寄り添いやすかったですし、テーブルワインとして高くない値段ですし。こういったワインはビオ栽培にむいているというのがよくわかりました。 僕は今回の味わいとは少し異なるワインを僕がやっているヴァインベルクとして取り扱っていますが、それでもやさしい味わいというのは一緒で、それはビオに認定されているかどうかは関係なく(畑の条件などによりビオ団体に申請していないでビオの栽培をしている生産者はドイツにたくさんあります)、心をこめて作っている造り手の気持ちの問題でそういう味わいになるというのも少し確信を持てました。味わいとして異なるのはリースリングやシーファー土壌という部分ですが、それでも僕が好きな生産者のリースリングは食事にも合わせやすいしやわらかい味わいです。今回のセミナーの最後の2本は自根というテーマで出たモーゼルとザールのシーファー(粘板岩)土壌のリースリングでしたが(ビオ栽培をしています)、やや固めで食事とは少し合わないかなと思いました。こういうワインも多いので南のほうのリースリング以外の品種のほうがビオに向いているとも言えます。ただ僕がある扱っているワインのようにビオの機関に認定されていなくてもやさしい、やわらかいシーファー土壌のリースリングワインは存在します。またファルツは上質な畑は平地ということもありビオの認定をとっている醸造所も多いのですが、これらの地域はシーファーではないこともありビオ栽培でも自然な味わいとなり向いているのはと僕は考えています。SO2(亜硫酸)についての話題にもなりましたが、酸や長期熟成という部分を考えているリースリング(特に残糖があるもの)には多少添加されているのはしょうがない、ということは話をしていたので参加者は理解していただけたのではないかと思います。必要だから入れているのです。それでも体質的にダメな方は赤やその他の品種を飲む、ということをすすめていました。 農薬を必要としないものにするために品種をかけ合わせてビオに適した品種にしたというPiwi品種のワインも2種類ありました。レゲントもそうですが今回はヨハニターです。参加者の感想でこれらのワインには違和感があると言われた方がいました。僕も同意見で、自然栽培をするために人工的な知恵で造られたものは違うなあと思ったのです。自然を尊重して造っているものこそが、基準をクリアしての認定うんぬんではなく一番大事だということを僕はこのことから感じました。とはいえこれらのワインも食事には合わせやすいとは思いました。ふだんはあまりすすんで飲まない産地や品種も多かったので僕自身も大変勉強になった会でした。 自分が今後ビオのテーマの話題について会話する時のヒントもつかめました。冒頭で書いたようなことを軸にして話すとよいのかなーと思いました。ビオという肩書ではなく、これらのワインの味わいとしてドイツワインを広めるためのひとつの武器になると思いました。
2015.01.31
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多くの方に読んでいただきたいので、ヴァインベルクのショップブログに書いたものをコピーしました。ドイツで代表するぶどう品種といえば白ワインではリースリングRiesling、赤ワインではピノ・ノワールPino Noir(ドイツではシュペートブルグンダーSpätburgunderと呼ばれています)です。この2種は13地域のうちのほとんどの地域で栽培されていて、辛口の最上級の格付けグローセスゲヴェックスではどの地域でも必ずどちらかの品種は認定されています。試飲会ではそれぞれの醸造所の高価格帯のクラスにはこれらの品種が必ずといっていいほど並んでいます。ただし、栽培面積と生産量でどの地域もこの2種がトップというわけではありません。数少ないながらも、高品質なワインとしてリリースしているのはこの2種という場合もあります。テロワールに適していて収量を減らし高品質なワインを目指せば理想のワインに仕上げられるから、という理由が大きいと思いますが、ドイツといえばこの2種が代表格でありマーケティングの側面でこの2種を押し出しているということもあると思います。しかしバーデンやファルツなどではピノ・ブランPino Blanc(ドイツではヴァイスブルグンダーWeissburgunder)の辛口白ワインはテーブルワインから上のクラスのワインまで素晴らしい品質のワインがたくさんあります。ピノ・グリ(グラブルンダー)もよく見かけます。フランケンのジルヴァーナーやビュルテンベルクのレンベルガーなどその地域独特の品種でも幅広い価格帯で造られているものもあります。実際、各地で試飲会や醸造所で試飲をするとリースリングとシュペートブルンダーよりこれらの品種のほうがおいしいと思うことが多々あります。食事と合わせるならグローセス・ゲヴェックスのリースリングでないほうが、と思うこともよくあります。また、高価格帯のリースリングやシュペートブルグンダーはある程度寝かせないと飲み頃にならないような造りの場合も多く、他の品種のほうが若いうちからおいしく飲めるものが多いような気がします。実はこの話題ではリースリング以外の品種があるというこの部分で留めるのではなく、この先が本題です。9月のドイツ滞在では、南の地域のファルツとビュルテンベルクでの試飲会と醸造所訪問では、ドイツらしいと言われている上記の品種以外にも色々な品種を試飲しました。白の品種では、シャルドネやソーヴィニヨンブラン、赤の品種ではメルローとカベルネ・ソーヴィニヨンを数多くみかけました。その中でもファルツのシャルドネ、ヴュルテンベルクのメルローはとても良いと思ったものが複数ありました。これらの品種が造りやすくなったのは温暖化の影響が大きいと思います。20年前ではおそらくこれらの品種では良いワインはできなったのではないかと思います。しかし近年は作りやすくなっていて、そしててこれらの品種が気候や土壌に適しているのに気がついてきているのだと思います。特にビュルテンベルクのメルローは冷涼な産地での特徴もありとてもバランスの良いワインになっていると思いました。そしてマーケティングとしても、フランスワインでよく知られている品種は売りやすいということでこれらの品種をプッシュしている生産者もいると思いますし、この流れはこれからもっと広がると思います。ただし、温暖化で作りやすくなったとはいえ、他の国と似ているような味わいのワインではなく、ドイツらしさも感じられるのが面白いところで、テロワールとドイツ人の個性を感じられるワインが多いのが特徴です。それはその醸造所の中、高価格帯のこれらの品種のワインから感じることができます。樽を利かせたものもありますし、ドイツのテロワールを生かしたスタイリッシュなワインもあり、僕は後者の方が好みではありますが。温暖化の影響は今までに植えられていた定番の品種にももちろん影響があります。リースリングではアルコール度数が高くボリューム感のある辛口ワインが増えていますし、ヴァイスブルグンダーは南の地域だけでなくラインガウやモーゼルでも見かけるようになってきました。温暖化の影響は良い部分と悪い部分の両方がありますが、善し悪しを決めつけるのではなく、現状を理解しその状況を受け入れることが楽しみ方だと僕は思います。その中で見えてくることを感じるのもワインの楽しみ方のひとつだと僕は思います。僕がやっているヴァインベルクでは現在はモーゼルのワインを多く輸入しています。この地域だけでも幅広い味わいのワインを取りそろえることができるので多くの地域か揃えるという考えには至りませんでした。モーゼルだけでもドイツの多様性を知っていただけると考えたからです。アイフェルのヴァイスブルグンダーやファルケンシュタインのシュペートブルグンダーを飲んでいただいた方にはそのことがわかっていただけたかと思います。モーゼルで幅広く味わえるようになったのも温暖化の影響があるでしょう。ただ、温暖化といっても畑の地質や斜度などは変わらないので、地域ごとの個性は変わりません。南のものと同じ合味わいを求めるのではなく、やはりその地域の味わいというものも感じられますのでそういう部分も受け入れてもらえればと思います。とはいえ、美味しいワインを飲んで楽しみたいという方はそこまで気にせずに幅広い味わいとして楽しむことができるので細かいことは気にしないでよいと思います。モーゼルのトリッテンハイム村です。有名なのは村の反対岸の急斜面の畑アポテーケですが、村側の奥にもアルテーヒェンという畑が広がっています。ほとんどはフラットなのですうが、画像のように斜面にも畑があります。取り扱っているアイフェルのヴァイスブルグンダーはこの斜面に植えられています。そしてこの畑もリースリングの代表的な土壌であるシーファー(スレート粘板岩)土壌です。斜面でシーファーのピノ・ブランのワインを造っているところは全世界の中でも数少ないと思います。やわらかい味わいで、モーゼルらしさと他の国のワインが好まれる広がりもあり多くの方に評判の良いワインです(今現在で在庫が残り5本しかありません)。このように、品種だけを見つめるのではなく地域の特性もあわせて感じてみるとワインの楽しみ方が幅広くなると思います。色々と書きましたが、ドイツでは20年前より多様な楽しみ方ができるようになったということです。
2014.10.31
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9月のヨーロッパ滞在の中では4日間は東京ドイツワイン協会のドイツツアーに参加しました(ツアーの参加費は払っています)。レポートというよりは感想を中心に書いていきます。このツアーはエゴン・ミュラーさんに東京ドイツワイン協会の会員証を届けるというのが発端で企画が始まったツアーです。数人で行くよりは大勢で行けたらということで役員だけではなく参加者を募りツアーを催行するという形になりました。せっかくなので他のツアーでは経験できないような内容にしようということで、ワインに特化し醸造所訪問が中心のスケジュールとすることになりました。通訳として同行してくださった岩本さんと添乗員を加えた13名での行動で、中型バスをチャーターしての移動でした。ツアーはドイツ滞在5日間でしたが、僕は初日の朝にフランクフルト空港で合流して、最終日は予定があったため4日目の夕方にヴィースバーデンで参加者と別れました。なので僕の感想は4日目までについてです。どの醸造所に行ったかはヨーロッパでのすべての日程の旅程を書いた時に一緒に書いていますがツアーの部分を書き出します。・ツアー1日目 ラインヘッセンWagner-Stempel アウトバーンでモーゼルに行きTrittenheimの畑の上から記念撮影 トリアーに着きBischofeliche WeingueterとSMW・ツアー2日目 予定になかったHospitienのケラーを駆け足で見学 Egon Mueller ベルンカステルに移動しDr.Thanicsh いづれも畑散策も(Sharzhofberg Doctor)・ツアー3日目 PfalzミッテルハートのChristmann RheinhessenのGysler Bad DuerkheimのWuerstmarkt・ツアー4日目 Hessische Bergstrasseの協同組合Bergstrasse eG ジオパークになっている畑を散策 Rheingauへ Hans Lang Hallgartenに行き畑を散策行った場所だけを書き出すとコンパクトにまとまりますが、とても濃厚な4日間となりました。訪問する醸造所は参加予定だった人たちの中でドイツワインのわかる人が中心となって、なるべく幅広くドイツワインを体験できるようなバランスで、限られた日程の中に収まるよう訪れる産地と醸造所決めていきました。そして、結果的には予想以上に幅広く色々なことが体験できたツアーとなりました。ドイツワインに関するかなりの部分を体験できたのではと思っています。それには醸造所の方の話も含みます。多方面に渡ってのドイツワインに関する話を聞くことができました。どういう体験をしたかということを書き出してみます(重複しての体験以外は順番に書いていきます。・ドイツ基金のアジア担当のマヌエラ・リープヒェンさんから、統計やデータを交えてドイツワインに関しての様々な側面からの説明の一時間強のセミナー。・試飲の後に醸造所内でケータリングなどでの料理による食事。・畑の丘の上からの絶景。トリッテンハイム(モーゼル川が楕円に蛇行している有名な場所)、シャルツホーフベルク、ベルンカステラー・ドクトール、ヘッペンハイム(ヘシッシェ。ベルクシュトラッセ)、ハルガルテン(ラインガウ)など。・由緒ある古いケラー(地下セラー)の見学。・歴史のあるケラーを見学しながらの試飲。(ビショッフ)・ゼクト(スパークリングワイン)の造り方の説明を聞きながらのケラー、醸造所内の見学。(SMW)・ドイツを代表する甘口ワインを堪能、同じ等級の新しいヴィンテージと古いヴィンテージの比較も。貴重な熟成したエーデルズースも。(エゴン・ミュラー)・シーファー土壌の下に造られたケラーの見学。(ターニッシュ)・辛口リースリングを格付けごとに。(クリストマンなど)・ビオを実践している生産者に触れる。実際の畑を見て説明を受ける。(ビオディナミのギースラーなど)・ワイン祭りにてドイツ人の日常のワインの楽しみ方に触れる。(バート・デュルクハイムのヴルストマルクト)・収穫されて運ばれてきたぶどうの圧搾の見学・ジオパークになっているヘッペンハイムの畑にて様々な品種のぶどうの実の食べ比べ(メルローやジンファンデルなどの品種も)。・この季節にしかないフェーダーヴァイザー(発酵途中のぶどう果汁)を飲む。詳しい説明と共に。・チーズと極甘口ワイン。(ハンスラング)・タンク(樽)で熟成させているワインを樽から直接試飲(ハンスラング)というように本当に色々と経験しました。圧搾の場に立ち会えたりというのは計算していたわけではなくたまたまそのタイミングになっただけの偶然だったりするわけで、意図していない部分もけっこうあり結果的にこれだけのことが経験できたということになります。収穫したぶどうの工程やぶどうの実を食べるなどということはこの時期しかできないことですしタイミングも良かったです。ワインは味わいのタイプがそれぞれ違い、試飲のラインナップの仕方もそれぞれ特色がありました。ほとんどの醸造所ではケラーを見学させてくださり、建物が古いところ、木樽しかないところ、最新鋭のところ、大きい樽があるところ、などどこも同じようなところはなくそれも良い経験でした。ツアーに参加された方の多くはワインに関して知識として詳しい方ではなかったので、説明などの大部分は理解できていないかもしれませんが、実際にふれて経験したというのはこれからドイツワインを飲む時の愉しみを増大させたことになっていると思います。思い入れが深くなったとも言えます。そして色々と気にしながら飲むようになり、より深くドイツワインの世界に入っていくことになるのではと思います。今回のツアーでは、勉強、知識のために現場を経験するのではない、そういった方の経験も意味のあることだと思うことができました。5日間でモーゼル、ファルツ、ヘシッツェ・ベルクシュトラッセ、ラインヘッセン、ラインガウと巡っているので移動距離がけっこうありかなりハードなスケジュールになってしまっていました。そのことによって、ほとんどお店でのショッピングをする時間がなかったのですが(夜に着いたら閉店していますし)、それはせっかくドイツに来た方に申し訳ないかなーと思っていたのですが、他のツアーでは体験できないようなことばかり体験できていたのでそのことに関してはそんなに不満はなかったようです。ビールを飲んだ時もありますし、シェニツェルなどのドイツ飯も食べましたし(季節もののシュタインピルツの料理も)、ワイン祭りでは身近に日常のドイツ人にふれましたし、ローカルの電車にも乗ったし、色々な街並みを見ていますし、ドイツに来て経験するべきことはある程度クリアできているので、初めてドイツに来た方もワイン以外のことでもドイツを感じることができたのではないかと思います。どういったワインを飲んだかなどはここで書いてもあまり意味がないような気がするので省きます。多種多様なドイツワインを体感できたのは間違いないです。最高品質のリースリング辛口と甘口、世界でトップの甘口の熟成ワイン、庶民的な辛口ワイン、ビオ製法のワイン、など味わいも価格帯もさまざまなものを体感できました。個人的にも、ケラー見学や醸造家の話によって色々な収穫がありました。醸造家の話では、その醸造所の歴史、ヴィンテージによる違いの話(地域によって同じ年の印象が違っていたのも興味深い話でした)、ハンスラングの現当首はVDPの事務局長を勤めていた方なのでVDPの新しい格付けができる時の過程の話、などというのが聞けたのが良かったです。自分からも気になったことを色々と質問しまして、真摯に答えていただけました。個人で行くだけではできない体験もたくさんしているので、このツアーに参加して良かったと思っています。以下は写真を載せながらその時のことを軽く書きます。 ビショッフ醸造所の地下ケラー。この長いケラーの奥にはさらに古いケラーが。その途中にワインが置いてあり立ち止まり説明を受けながら試飲、というのを繰り返しながら進んでいきました。 SMW醸造所にて。トリアー市内のレストランからのケータリング。おいしいものがたくさんありました。90年代の果汁から造られた物を含めたゼクトを中心に6種類を飲みながら当主のシュミットさんと共に夕食でした。 このようなテーブルで、試飲の後はハムなどの軽食と共に試飲したワインを再び飲みながらの食事、というのが数回ありました。この時にフェーダーヴァイザーも出していただきました。 エゴン・ミュラー宅にて。カビネット、シュペートレーゼと新旧2種類ずつ試飲しながら進んでいき11種類。最後は20年以上前の貴腐ワインでした。 壁に囲まれていて鍵がないと入れないドクトールの畑の上からベルンカステルの街を一望。この景色は本当に素晴らしかったです。
2014.10.17
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9月のドイツ(旅程はこちらに書いています)では2013年のワインを醸造所やいくつかの試飲会などで少なくとも150種類は試飲をしています。それらを通して感じた2013年産の白ワインの印象をおおまかに書いていきます。ドイツのワイン産地全体でというくくりで言ってしまうと、雹や収穫前の雨などで収穫量はかなり少ない年で、実が熟すのも例年よりも時間がかかったところが多かったようでした。質だけでなく販売するために生産量も重要である生産者にとっても、質が重要である消費者にとっても、良年とはいう事はできないヴィンテージであるということができます。試飲をしての印象ではバーデンやビュルテンベルク、ファルツは例年よりもパッとしない印象で難しかった年だったということがうかがい知れます。ただし、それはドイツ、もしくは各産地としては、として説明する場合のことで、生産者や畑によっては悪くなかったと言っているところもあります。それは今年だけでなくどんな年でもいえることですが、今年はその傾向が強いように思えました。雨、日の当たり方などミクロな地域での気候の差によってかなり違いが出ているようでした。実際、同じ畑のワインを何種類も飲んで好印象のワインが多かった畑がありましたし、僕がヴァインベルクとして取引している醸造所の2013年産のワインで良くないと思ったものは少なかったです。 全体的な印象に戻りますと、その醸造所のアイテムの中程度の価格帯のもので良質なものが多いところが多いかな、と思いました。もちろんグーツワインでも良いと思ったものもありますが。エアステ・ラーゲやグローセス・ゲヴェックスといったその醸造所のハイレベル、高価格帯のものに関しては、今飲みたいとは思えないもの、または今の段階ではポテンシャルを感じられないものが多かったと思います。それは良くないワインなのではなく、数年以内に飲むのには向いていないというだけで、3年以上熟成させればおいしく飲める可能性もある、というとらえ方をしていただければと思います。特に、フランクフルトのVDPグローセ・ラーゲの試飲会で大量に飲んだグローセス・ゲヴェックスGrosses Gewaechs(辛口の最上級の格付け)に関しては、おいしいと思ったもの、このワインいいなあもう少し寝かせて飲んでみたい、と思えたものが僕が試飲したものの中ではほとんどありませんでした。しかしもう一度書きますと、GGは醸造所の魂がこもっている高品質なワインですので、ポテンシャルは高いはずなので数年すれば良さがわかってくるものも少なくないはずです。グローセス・ゲヴェックスはリリースして1、2年以内に飲むのを想定しては造っていない醸造所もあるからです。春や夏にドイツを訪れた方からは2013年は酸っぱいものが多い、という話を聞いていましたが、僕は2012年産のほうがすっぱいと感じたワインが多かったです。数値でいうともしかしたら2013年のほうが酸が高いのかもしれませんが、他の要素とのバランスで2012年産のほうが感覚的にすっぱいと感じるワインが多かったです。ただグーツワイン(ハウスワイン)に関しては酸が際立つものも少なくはありませんでした。南のほうの地域のヴァイスブルグンダーはそういう印象のものが多かったです。ここからは全てリースリングについてです。モーゼルのベルンカステラーリングの競売会では辛口の最上級のGG(VDPのグローセスゲヴェックスではなくベルンカステラーリングの格付け)の試飲のコーナーがあり20種類を飲みましたが、酸っぱいと感じるものはほとんどありませんでした。ただしアルコール感を感じるものが多かったです。これはおそらく糖度があまり上がらなかったために、辛口に仕上げた時にバランスがあまりよくならなかったのだと想像します。逆の発想をすると、例年良いワインができているのは、自然の奇跡、恵みのおかげだと言えます。気候や土壌などの条件が整わないと生まれないワインがあることに感謝する、そして良いワインになることがふつうのことではないと思わなければいけないなと思いました。VDPモーゼルの新酒試飲会ではトロッケン、ファインヘルプという辛口系だけではなく半数くらいは甘口ワインも試飲に出ています。2013年産はカビネットやシュペートレーゼでも例年よりも甘いと感じるものが明らかに少なかったです。等級の規定糖度ぎりぎりだったものもあるでしょうし、甘みだけでない他の要素によって甘く感じなかったワインもあるとは思いますが、自分の想像するその醸造所のそのクラスのワインとは異なるものが多かったです。糖度が上がらなkったということが大きな要因として考えられますが、食事にも合わせられるワインを意識して造っているところもあるような気がしました。特にトロッケンなどの味わい表記のないカビネットの半数以上は食事にも合わせられると思いました。これは消費者の辛口嗜好(トロッケンだけでなく食事に合わせられるワインンという意味で)をふまえての傾向なような気がします。アウスレーゼは、糖度を高くは感じませんが心地よい甘さのバランスのよいワインが多いと思いました。モーゼルは、若いうちに飲むのなら、試飲をしないで選ぶのであればファインヘルプやカビネットといった少し残糖のあるタイプを選ぶとおいしいと思えるワインに当たる確率が多いような気がます。もちろん個人の味覚の好みによってそうではない、という方もいらっしゃるとは思いますが。2013年産は2012年産よりは醸造所の低価格帯、中価格帯に関してはパッとしないもの、酸が強くてジューシーで飲みづらいもの、が少ないような印象を受けています。ほとんどのワインは「悪くない」のです。等級、格付けの高いものに関しては、おすすめできないものも多いです。しかし先に書いたように熟成したらおいしく飲める可能性もあるということは忘れないでいただきたいです。2012年産も昨年はあまり良くないと思ったものが一年経ってバランスがよくなってきたものも多いので、フレッシュな時の印象だけで全てを語るべきではない、ということも付け加えておきます。個人の味覚による部分が多いですが、2013年産の白ワイン印象をざっと書きました。赤に関しては2012年も2013年産も総括的にまとめるほど量は飲んでいないので省かせていただきます。消費者、ワインを飲む側におっては、手元に届いたワインがおいしければそれでよいのですが、2010年産からは生産量が少ない年が続いて、ワインを販売することによって生計を立てている家族経営の生産者にとっては売るものがないのは死活問題です。そのためにワインの値上げをせざるを得ない生産者も多かったのです。今年2014年は9月の時点では収穫量も多く質も期待できると喜んでいる生産者が多かったです。ただ9月は気温が高く晴れている日が多かったのと同時に一時的であっても大雨が降る日も何日かあったのでぶどうへの影響が心配です。生産者にとってもワインを飲む側にとってもうれしいヴィンテージになることを願っています。 Grosse Lageの試飲会。全生産地からVDP加盟のほぼ全ての生産者が出展している業界関係者用のプレゼンテーションです。昨年まではGGのみでしたが、今年からは下の格付けのワインも出せるようになったみたいで、GutweinやOrtsweinを出しているところもあって、知らない醸造所でも一通り飲めばその醸造所のスタイルがわかるようになったのでとてもありがたかったです。 ベルクカステラーリングの競売会の試飲会。競売会用のワインの試飲は各醸造所の人がワインを注いでいましたが、辛口のGGの試飲は手酌で参加者が注いで試飲をします。9時から11時だったので重たい辛口の試飲はけっこうヘビーです。 VDPモーゼルのプレゼンテーションは一醸造所ごとに6種類か8種類くらい試飲することができます。ほとんどのところが辛口からアウスレーゼまで飲む事ができます。この造り手は、そのワインを収穫したぶどうの区画の土壌のシーファー(粘板岩)の色がキャップシールになっています。ローテンシーファー(赤色粘板岩)は赤といったように。
2014.10.13
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久しぶりの更新です。9月にヨーロッパに行ってきました。フェースブックではその様子を現地にいる時から少しずつ投稿していましたが、このブログではひとつひとつのことをもう少し詳しく書いていこうと思っています。なかなか更新できないかもしれませんができるだけ多くの事を書けるように頑張ります。まずはヨーロッパで何をしていたかをざっと一覧にしてみます。・カタール航空でフランクフルト着 リューデスハイムのSekthaus Solter訪問(ヴァインベルク取引先)・ICEでベルギーのBrusselsへ グランプラスでのビール祭りBelgian Beer Weekend ブリュージュへ カルメリートのセカンドレストランRefterで夕食・北海沿いのKnokkeへ Chocolatier-Mでチョコを大量購入 ブリュッセルに戻りBBWでビールを楽しみショコラティエでチョコを買ってからHollandのRotterdamへ ・休養日 Delftなどに行ってまったり・Antwerp近郊のレストランPastoraleで昼食 アントワープからバスでデュッセルドルフ アルトビールを飲んでからICEでヴィースバーデンへ・東京ドイツワイン協会ツアー1日目 ラインヘッセンWagner-Stempel アウトバーンでモーゼルに行きTrittenheimの畑の上から記念撮影 トリアーに着きBischofeliche WeingueterとSMW・ツアー2日目 Egon Mueller ベルンカステルに移動しDr.Thanisch いづれも畑散策も(Sharzhofberg Doctor)・ツアー3日目 PfalzミッテルハートのChristmann RheinhessenのGysler Bad DuerkheimのWuerstmarkt・ツアー4日目 Hessische Bergstrasseの協同組合Bergstrasse eG ジオパークになっている畑を散策 Rheingauへ Hans Lang Hallgartenに行き畑を散策・南ファルツのFunf froindeの試飲会へ Wehrheim Siegrist Rebholz・Wiesbadenの温泉で休養 StuttgartのVDP Wuerttembergの試飲会・Remstalの醸造所3軒訪問 Karl Haidleなど・MoselのTrittenheimへ Bernhard Eifel(ヴァインベルク取引先) 所有するSchweicher Annabergの畑を見学 経営するStefen Andresで夕食・Bernkasteler Ringの競売会の試飲会 VDP Moselの新酒試飲会Meisterpieces・falkensteiner hof(ヴァインベルク取引先) 所有する畑とヴィルティンゲンを車で見学 Traben-Trarbachへ Martin Muellen(ヴァインベルク取引先)・船でUerzigへ 村のワイン祭りWeinfest Karl Erbes・VDPNahe Ahrの競売会・FrankfurtでVDP試飲会Premiere Grisse Lage 夜にフランクフルトからカタール航空にて帰国ご覧のように最初の数日以外はドイツにいました。そしてずっとワイン産地にいてほぼワイン関連のことしかしていません。それでもこれだけの日数滞在してもスケジュールぎゅうぎゅうのハードスケジュールでした。宿泊はヴィースバーデンの知人の家、オランダのロッテルダムの知人の家に泊まらせていただき、モーゼルに数日滞在した時などはホテルに泊まりました。それでは今後の更新をお楽しみにしていてください。ヴァインベルクで取引をしていて現在も販売をしているワイナリーの訪問に関してはショップのブログのほうで書く予定でいます。Trittenheim Bernkasteler Doctorの畑から 大好きな街オランダのDelft ベルギーのミシュラン2つ星レストランPastorale
2014.10.09
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なかなかこちらのブログは更新できずにすみません。毎年このブログでもお知らせしてしていますが、東京ドイツワイン協会(非営利の愛好家のための団体です)によるドイツワインフェストを今年も5月31日土曜日の14時から16時まで開催します。東京ドイツワイン協会の年度行事としては主に30人前後での食事会やセミナーが多いのですが、年に一度のこの会は会員の方以外にもドイツワインの良さを知ってほしいという形で150人規模の会となっています。20種類弱の優良なワインを試飲会形式でお飲みいただける、堅苦しさのないイベントです。今年はドイツ大使館からの要請もあり、ドイツ大使館のホールにて開催することとなりました。10回目という事もあり今までとは少し異なる趣になると思います。提供するワインも、今まではある程度一定の価格帯から選んでいましたが、ドイツワインの幅を知ってほしいということで、小売希望価格が1万円に近いものも数種類提供する予定です。また、和食とのマッチングの体験をしてもらうという意図でケータリングにより食べ物も用意する予定でいます。食べ物とあわせるということでドイツワインは甘口だけではない、ということもおわかりできるかと思います。多くの人に来てもらいたいのですが、キャパシティと警備の都合上170人前後しかお入りいただくことができない、ということになっています。そのため今年は東京ドイツワイン協会のホームページから申込みいただき、抽選にて参加者を決めていただくという形をとらせていただきます。当選された方にはこちらからご案内を送りまして、参加費4500円を事前にお振込みいただきます。申し込みはこちらです。http://www.gws-tokyo.com/activities/the-10th-deutsche-wein-fest.htmlすでに申込み数が多くなっていますので、参加希望の方は連休中の間に申込みをされることを強くおすすめします。入れないのにお知らせをするな、と思われる方もいると思いますが、毎年書いていますし、事後報告だけではと思ったので、書くことにしました。
2014.05.02
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こちらのブログをなかなか更新することができていませんがお知らせをします。ついにドイツワインの販売を始めることができました。最初はネットショップのみでの販売です。http://weinbergwine.com/最初に取扱いをするワインはモーゼルとザールから輸入した10種類です。どれもなかなか日本国内では飲めないようなリアルなドイツワインの味わいです。もちろん甘口だけではなく辛口、中辛口も置いています。今後は国内インポーターからの仕入れもしますが、主には自分で輸入したワインが中心となります。ホームページの他にフェースブックのショップページhttps://www.facebook.com/weinbergwineにもお知らせを書いていきますのでそちらもチェックしていただけると幸いで(ページにいいねをしてフォローしていただけるとさらにうれしいです)。ネットショップとリンクする形で新たにブログも開設しました(HP内にリンクを貼ってあります)。そのブログでは、ホームページでは載せきれない醸造所や取り扱っているワインの情報や解説を書いていきます。ホームページでは、ドイツワインの知識がない方でもわかりやすいような内容を心がけていて、ブログでは知っている人も楽しめるような濃い内容にしていくつもりです。この楽天ブログはなかなか更新できないかもしれませんがやめることはしません。新たに開設したブログは取り扱っているワインに関してのことが中心で、ドイツワイン全般のことはこちらで今まで通り書いていきます。このブログは僕の趣味としてのドイツワイン好きの面を書く場です。利益などは関係なく今まで通り、ドイツワインの良さを知ってもらいたいという想いで書きたいことをそのまま書いていきます。昨年9月のドイツ訪問の時のことも中途半端な状態なのでもうちょっと書きたいです。ただいつ書けるかはわからないので気長にお待ちください。 これからもよろしくお願いします!
2014.02.18
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開業準備でなかなか更新ができません。まずは毎年恒例の一年のラーメンまとめを書きます。2013年の一年間で食べた新店の中で印象に残ったものを書いていきます(2012年のまとめはこちら)。僕が食べたのは2013年ですが2012年にオープンしている店も含まれています。フェースブックではちょこちょこラーメンのことを書いていますがブログではひさしぶりですね。地方に行った時のことは書いているので東京のお店オンリーで書きます。上半期の記憶がうすまっているので順位はつけずに思いついた順に羅列していきます。BiaBIa@東高円寺は場所的に行きづらいので3回しか行ってませんが好きな店です。しおもしょうゆもおいしいです。イラン人の店主なのですが出身のアイバン(店主はアメリカ人)同様、オリジナリティはあるけれどちゃんとラーメンの枠に収まっています。田なか@東池袋もオリジナリティがあってなかなかよかったです。店主はイタリアン出身だそうです。レギュラーの鯵ニボそばはしょうゆよりしおのほうが僕は好きです。エビ油そばも食べてみたいし日替わりメニューも魅力的です。駅から遠いのは難点ですが、サンシャインに用がある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。篝(かがり)@銀座は一気に行列店となりました。席数が少ないというのもありますが。ぐっとくるものはないのですがレベルの高さは新店の中では突き抜けていると思います。鶏白湯も煮干しそばもどちらもよいと思います。並ぶのがわかる万人受けする味わいです。系列店の纏(まとい)@新橋はまだあまり知られていないので興味があればそちらもどうぞ。蔭山@高田馬場は高田馬場で何度も行きたいラーメン屋のひとつとなりました。ここも鶏白湯ですが、僕はしょうゆ味が好きです。クリーミーでわりとさっぱりめです。レモンも添えられています。デフォルトでご飯もほんの少しですがついていて最後におじやにします。今年一番話題となったのはやまぐち@高田馬場でしょう。断トツ評価の新人賞だそうです。見方を変えれば他にすごい店がほとんどなかったとも言える年みたいです。僕個人の感想としては、たしかにうまいけれどそこまでメディアでとりあげられるほどかな、といった印象です。僕は鶏そばよりは個性のある追い鰹中華そばのほうが好きです。ここの影響もあってか鶏がメインの清湯のスープのあっさりしたしょうゆラーメンの新店がかなり増えました。その傾向は、醤油がたっていてトッピングには豚のチャーシューの他に鶏肉ものっているということです。本当にこういう店で、どこも似たような味なので僕はあまりこのタイプを出している店は好きではありません。新店としてはかなりレベルが高いのですが個性をあまり感じられず何度も行きたいとは思えないのです。トッピングに鶏がのっている店ではすみすやロックンロールワンなど何度も通っている店もありますが昨年の新店に限ってはまた行きたいと思える店はありません、。そんなしょうゆラーメンですが、個性的で好みの店にも出会いました。自分の好みにどんぴしゃでかなり気に入ったのは楽観@立川です。以前は西麻布にありましたがその時とは味を変えていて、たまねぎも入っていて八王子ラーメン風です。鶏ではなく豚と魚介がベースでやわらかい味わいです。流行の系統はつるっとした麺が多いのですが、ここのは歯切れのよい細麺でこれも好みでスープにもあっていました。年末に行ったしば田@仙川も良かったです。高山や白河のようなシンプルな地方の醤油ラーメンの味わいだったので、そういうのを意識しているのか店主に訊いてみたら、独学だけれどしょうゆの立った素朴な味わいのラーメンが好きとのことでした。煮干しそばはベクトルが違うのでそちらも食べたいです。休日は混んでいるので平日夜がおすすめです。駅から少し歩きますがおすすめです。あっさりとしたしょうゆラーメンが好きなのでそういうしょうゆラーメンがメインの店が増えて嬉しいです。前は濃厚な豚骨魚介ばかりでしたので。でも先に書いたように流行を意識しているところは鶏ベースのもので、良い醤油を使えばそれなりにおいしくなるので、どれも似たようなタイプで面白くはありません。流行を気にしない芯のあるラーメンのほうが心にぐっときて、また食べたいと思えるラーメンの率が高かったです。個人の好みもあるのですが、自分の造るラーメンへのこだわり、情熱というのもラーメンに反映されているような気がしています。それと、ブームではありますが煮干しのしょうゆラーメンも増えています。新店ではありませんが最後にひとつだけ。一番好きなラーメン屋で月に一度くらいは通っている不如帰(ほととぎす)@幡ヶ谷。今年しおラーメンをリニューアルしました。白トリュフオイルと大理石で塩漬けされたイタリア産ラードというラーメン屋では使わない食材を使い、今までよりもレベルアップし唯一無二の素晴らしい一杯と進化しました。このリニューアルが項を奏し、複数の評論家が投票して順位を決める年末恒例の本TRY大賞の塩部門にて一位を獲得しました。この本で一位をとることは店主の長年の目標だったので、念願の一位を獲得したことを店主から聴いた時には自分のことのように嬉しかったです。ここはたまに一か月間の土日限定(一日10食ちょっと)での提供の限定ラーメンもすごいです。鴨、和牛、うさぎなど通常のラーメンの枠を超えた食材を使用しラーメンといジャンルを超えた素晴らしい料理です。開店の2時間前くらいに行かなくてはいけないので敷居は高いですが、その労力に応えられる想像を超えた楽しみを得られると思います。入っている具なども凝っているし計算されていてラーメン屋の技量を完全に超えています。研究熱心で慢心しないで常にチャレンジをしていて、いつでもレベルの高い不如帰が心から好きです。
2014.01.13
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9月のドイツでは今まで同様いくつものワイン醸造所を訪れました。ただし今回は今までと訪れる醸造所を選ぶ基準が違いました。今までは、著名な造り手でしっかりとそこのワインを知りたい、その醸造所を知りたいというところ、コストパフォーマンスが良そうなので気になっているところ、それらの理由で一度訪れて気にいったので最新ヴィンテージも飲んでみたく、そしてワインを購入したいところ、というのが基準でした。しかし今回は日本で商売として成り立つワインというのが前提のため、20ユーロだけどそれ以上の価値を感じるお買い得なワインというようなコストパフォーマンスのよさではなく、7から12ユーロの価格帯でのコストパフォーマンスがよいものがある醸造所を訪れることとなりました。有名なところはほとんどはすでに輸入されていて僕が輸入する意味がないので好きな醸造所であってもそういうところも除外しました(試飲会ではそういう造り手のワインもたくさん飲みましたが)。そして結果的に、僕が取り引きをしたいと思ったところは意図していなかったのですが全てがVDP( ドイツ高品質ワイン醸造家協会)に加盟していない醸造所だったのです。質的には加盟している醸造所にも勝っているというところばかりなのですが、そういう質の面ではなくVDP加盟醸造所との違いを感じたことがあったのでその部分について書いていきます。VDPではブルゴーニュなどのように畑の価値がわかりやすくなるような売り方をしようとしています。指定された特級畑はErste Lageとなります。しかし今回訪れた醸造所では畑名を強調していませんでした。それには大きく2つ理由があります。一つ目は畑名が読みにくかったり長かったりと商品名としてはわかりづらいからということです。二つ目はその造り手の最良の畑がVDPの特級畑に指定されていないから強調する必要がないということです。そういうことから自分の名前や息子などの名前を商品名にしたり、土壌の特色を商品名にしたりしていました。プレディカーツヴァインに関しては法律で定められているのでラベルに畑名は記載されているのですが小さく書かれたりしていて畑による差別化というのに重きは置いていません。このながれが、たとえ特級畑に指定されているとしても超有名畑を所有していない限りは畑名を全面に出すことのメリットが少ないということの証明になっていると思いました。畑名がメリットにならないのであればわかりやすい商品名をつける、ということです。これらのことは畑による違いを重要視していないということではなく、畑名を強調する売り方はしていないということについて書いたと理解していただきたいです。次のことも上記のことにつながることではあります。VDPでは2012年産のワインから、Gutswein、村名ワインOrtswein、畑名ワインErste lage、その中でさらに上質なワイン(シュペートレーゼに相当)Grosse Lage(辛口だとGrosses Gewaechs)にするという新たな格付け制度を作りました(VDPのサイトでの説明)。Erste Lageに指定されていない畑も所有していたりといった理由で全てをこの格付けで表しているのではなく従来の表記も並列している場合もありますが、村名のワインよりも畑名ワインのほうがレベル、価格が上という感覚でとらえればよいかと思います。(グローセスゲヴェックスなどの今までの等級表示とは違う表記については過去に解説しましたのでよくわからない方はこちらの記事をごらんください)。しかし今回訪れた醸造所はどこも村、畑を商品名として強調することなく従来通りのシュペレーぜ・トロッケンSpätlese trockenの表記としていたのです。辛口(トロッケン)ワインの場合この等級の表記の仕方が甘口と勘違いされてわかりにくいので等級の表記をしないでクヴァリテーツヴァインとしてリリースするというながれがあったので、上記のようなGutswein、Ortsweinといった格付け制度が作られたと想像できます。しかしそういうながれを気にしない造り手ばかりだったので驚いたのです。もちろんVDP加盟ではないのでそういう格付け制度にのった名づけ方をする義務はないのです。それでもあまりにもどこも従来の格付けのままだということにびっくりしたのです。結局はこの従来の格付けのほうがわかりやすいからということなのだろうと思います。直接造り手にその理由の質問はしなかったのですが僕はそう思います。というように畑重視のVDPの方針とは無縁な造り手が多く存在していることに気がついたのです。自分たちのワインの品質をよりわかりやすく表すためにはVDPが目指す流れに沿う必要はないと判断して独自のアイディアで表現している醸造所が多々あるのです。格付けや等級といったものは分類するときにわかりやすく理解できるための統一ルールを定めているだけであって表記の仕方の違いが味わいに影響するということはほとんどありません。今回はマーケティングについてのことを書いたのです。もうひとつVDPとの違いということで気がついたことがあるのですがそれはそのことに関する記事の時に書きたいと思っています。僕は今まではVDPが中心でそれが基準だと思って捉えていたのですが、今回訪れた醸造所によって一気に視野が広がったのは間違いないです。
2013.11.03
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テレビでノルウェーをやっていたので更新します。フィヨルドを観るための拠点は飛行機の路線の都合でオスロではなくベルゲンBergenにしました。ベルゲンからベルギーへの便が価格と時間で良いものがなかったので、ルフトハンザでベルゲンへ行き、オスロからスカンジナビア航空でブリュッセルというルートを組みました。夕方にベルゲンの空港へ着きバスで市内へ。数時間市内を散策し一泊して翌朝フィヨルドへ向けて出発しました。ベルゲンは港町です。右奥に見えるのが世界遺産に指定されているブリッゲン地区です。実はこの部分だけで見ごたえはそんなにありません。 ベルゲンやオスロなどの大都市の建物はだいたいはこういう大きな建物です。ヘルシンキ(フィンランド)も同様に西欧よりも大きな建物でした。反対側に新市街が広がっているのですが、すぐそばはこういう風景でそんなに大きな街ではありません。この風景があるのでオスロに次ぐ都市であってもこじんまりというかのどかな気持ちにさせる街でした。ノルウェーは物価が高いのでなるべくレストランでは食事をしないと決めていたのですが、ベルゲンの魚市場でサーモンなどのスープなどを食べることを楽しみにしていました。フィンランドでもサーモンスープだけは絶品だったので。しかしガイドブックには朝7時からと書いているものの、7時くらいから準備を始めだして8時でやっと生魚が並び始めた状況で、どこも料理の提供を始めていなくて何も食べられませんでした。結局ノルウェーの3日間では飲食ではビールを飲むにお金を使っただけとなりました。日本から持ってきたパンやゼリー、成田で買った八つ橋のみですごしたのでした。
2013.10.31
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現在事業のためのワインの輸入に向けて準備中で、あともう少しで醸造所からの輸送が始まるという段階です。どの醸造所を扱うか、9月のドイツでその醸造所を訪れた時の事については販売開始の時期が近づいてきたら新たにブログを立ち上げてそこで書いていこうと考えています。なので具体的なことはまだ書きませんが、それらの醸造所を訪れて共通して感じたことを少し書いていきたいと思います。ビジネスとして輸入をしたいと考えた醸造所とはドイツに行く前に自分の状況と取引したい旨をメールで告げました。実は、その段階で構想に入っていたのだけどメールの返事がこなくて計画を取りやめたところがあります。すごく好意的なメールの返事があったところを大事にしたほうが、無理に交渉をする醸造所よりも良いという判断をしたからです。実際その選択は正解で、好意的な返事があって訪れた醸造所はどこもとても好意的に受け入れてくださりぜひ取引をしたいと、訪れた全ての醸造所で思うこととなったのでした(事業の計画によって最初はそのすべてを輸入することにはならないのですが)。前から面識のある醸造所もあったのですが、紹介などによって今回始めてコンタクトをとった醸造所もあって、そういうところでも何者かわからない僕を歓迎しれくれたのには本当に感謝しました。あえてぶれているものを載せます。わかる人にはすぐどこの醸造所かわかりますが。これは醸造所を訪れて試飲をしていた時の一コマなのですが、数種類しか選ばないと最初に話したのですが結果的に25種類の試飲をすることとなりました。ビジネス上での交渉というだけでなく、僕に自分の作品(ワイン)を伝えたという気持ちから結果的にこんなことになったのだと思います。おそらく僕のドイツワインへの情熱が会話をしていく中で伝わり呼応したという事もあると思います。形は違えど、どの醸造所も狙いを定めたワインだけの試飲とビジネスの交渉ということを超えた応対をしてくださりました。中にはワインリストの提示さえなく、とにかく私たちと私たちのワインを知ってくれというスタンスのところもありました。画像のところでは最後にベーレンアウスレーゼを飲ませてくれたのですが、その際に向こうからグラスを近づけてきてZum Wohlと乾杯をしてから飲んだのです。こういうのって心がつながった感じがしてすごく嬉しかったです。どこもそういうエピソードがあるのです。ビジネスとして取引をしたと考えていて訪れたモーゼル地域の三カ所の醸造所は、どこも僕が試飲しているワインを造り手も自分のグラスに注いで一緒に飲みながら説明していたのが印象的でした。わりとモーゼルではよくある試飲のスタンスなのですが、上からなかんじにならなく対等な関係でいられるような気がしてこのかんじがすごく好きです。上の写真の所も25種類全部彼も飲んでいました。朝の9時からです。そして自分のワインを、うまいと言ったり、恍惚の表情をしていたのが印象的でした。その話を他のところでしたのですが、自分のワインは子供のようなもので愛することが当然ということを言っていました。そういうところからもワインへの情熱、愛情が伝わってきたのです。 歓迎してくれる気持ち、彼らのワイン造りに対する情熱、そして彼らのワインに対する哲学に共感できる部分ばかりだったので、ぜひ取引をしたいと想うようになったのです。もちろんワインが素晴らしかったのが前提です。ぜひこの人たちのワイン、そして気持ちを届けたいという気持ちになり、自分のモチベーションにもなりました。ワインが流通するだけではなくだけでなく人の想いが飲む人へつながるような商売ができたらと考えるようになりました。「ワインは自分たちの子供だ」、「自分たちのワインが完結するのはそのワインが飲まれた時、だから飲み手に伝える人が重要」、「ケラー(醸造施設)にいても良いワインは造れない、ぶどう畑に足を運んでこそ良いワインができる」「ビジネスとして捌くことよりも一番良いタイミングで飲んでもらうことが重要」、これらはそれぞれ異なる醸造所の人たちの発言です。当たり前なことが多いのだけれど、造っている人からこういうことを聞くと説得力があって心を打たれ熱くなりました。味わいとしては違う方向を向いていたりもするのですが、ワイン造りの姿勢としてはどこも一緒で別のところが同じ発言をしても違和感がありません。こういうベクトルの人たちに自分が共感するというのがよくわかりました。評価本などで取り上げられ持ち上げられ、ビジネスの部分に重点が置かれていてワインの味わいが以前より変わったという著名な醸造所がいくつもあります。そういうところのワインと僕が今回訪れた醸造所のワインって言葉で説明するのは難しいのですが明らかに違うのです。良い畑から最高の技術で醸造されたとしても、造り手の心っていうのは反映されてそこで違いが出るというのが今回よくわかりました。価格とかそういう要素もありますが、造り手のワインへの愛情という部分だけでも違いはわかると思ったのです。今回書いたことはドイツに限らずどこの国でもあてはまることだと思いますが、次回はこれらの醸造所を訪れて具体的にワインに関して感じたことを書いていきたいと思っています。
2013.10.26
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おそらく今回のドイツのレポが完了するには半年近くかかると思うのでいきなり総括的な事を書きたいと思います。2012年産を飲んでの感想なのですが、産地によって飲んだ種類の数が違いすぎるのでドイツ全体の総括をすることができません。まとめというよりは感想と思って読んでいただければと。フランケンとヴュルテンベルク以外はリースリングのワインについての感想です。モーゼルの2012年ヴィンテージを一番飲んでいて、4つの試飲会と6つの醸造所に訪れているので確実に300種類以上のモーゼル、ザールの2012年産のワインを試飲していると思われます。正直、VDPなどの試飲会ではおいしいと思えるものにあまり出会えませんでした。特に辛口は難しい年だと感じました。ぎゅーっとした酸を口の中で感じるものが多く、それでバランスがあまりよくないなと思うものがほとんどだったのです。ぎゅーっと、やジューシーとメモに書いたワインがかんり多かったのです。2010年産のようにインパクトがある、もしくはどっしりとした酸ではなく、味わいに溶け込んでいる酸なのでただ酸を感じるというだけではないから難しいのです。酸があるからモーゼルの固い味わいの辛口はあまりお奨めしないというのが僕の自論なのですが、2012年産もそれにあてはまる年だったと言えます。でも全体的なことをいえばヴィニンゲンなどのモーゼル下流の辛口ではグーツでもわりと良いものが多いという印象でした。シーファーでないほうがよくてきた辛口が多かったのかもしれません、もしかしたらですが。また、醸造所などで何種類も飲んでいるとやわらかいタッチあるいは味わいの辛口ではすばらしいものが多いというのもわかりました。グーツではなくシュペートレーゼ・トロッケン(明記していなくてもレベル的にはそのクラスということ)のものがほとんどでしたが。甘口だとアウスレーゼまでいくととても良いものがあるというかんじでした。僕はシュペートレーゼが好きなのですが買いたいと思うようなものにはほとんど出会いませんでした。地域でいうとユルチッヒÜrzigがけっこう良かったのではと思っています。特にファインヘルプと甘口のカビネット、シュペートレーゼが。火山性特有の凝縮感のあるパワフルさ(もしくは複雑さ)が2012年産ではぴったりはまっているワインが多いように思いました。ザールはそんなに多くは飲んでないのですが悪くはないのではという印象を持っています。でも2011年産には劣るでしょう。あと僕はファインヘルプが好きなのをご存知の方は多いと思いますが、あまり良いファインヘルプに出会えませんでした。ラインアップとしても例年よりファインヘルプが少ないような気がしました。酸の性質でファインヘルプには向いていなった年なようでした。カビネット以上の甘口か辛口にしたほうがバランスがよいと判断したところが多かったような気がしてます。昨年試飲会でモーゼルの2011年産を飲んだ感想でもパッとしたものがあまりないと書いたのですが、2011年は並なものが多い、といったかんじで、2012年は手を出したくないものもがけっこうある、といった違いがあります。そして醸造所などで2011年産の辛口を飲む機会もけっこうあったのですが1年経って真価を発揮しているワインに多く出会いました。それらは10ユーロ以上のわりと高めのクラスのものがほとんどですが。2012年もそうなってほしいのだけれどはたしてそうなるのかは僕にはわかりません。もしかしたら1年後というよりはもう数年経ってからのほうがよいものが多いかもしれません。アルテレーベンなどから造られるグランクリュのワインは早飲みではなく数年経ってから真価を発揮するというのは前提で、そういうもの以外のワインの話です。ラインガウは産地ごとに万遍なく飲んだわけではないのであまり評価はできません。ただ飲んだ範囲でいうと、モーゼルの2011年のように悪くはないけれどすごくよいわけではない、という並かそれより少し上の質のものが多いのかなと思いました。良い言い方をすれば安定している年、といったところでしょうか。グローセス・ゲヴェックスの試飲会では数カ所のGGを飲みましたが当たりだった確率がかなり高かったです。ということは上質な辛口ワインに関しては期待してもいいかも、ということになるかもしれません。フランケンも悪くはないと思います。そんなに数を飲んだわけではないですが、おいしいと思ったワインが多かったのでもしかしたらけっこうな良年だったのかもしれません。特にジルヴァーナ―にとっては良い年だったのかなと思っています(飲んだのはそんなに多くはありませんが)。ファルツはほぼグローセス・ゲヴェックスの試飲会で飲んだGGでの印象になるのですが良年ではないような気がしています。早飲みしておいしいものはほとんどなく、数年したら化けるというものはいくつかありました。土壌の性質によって良し悪しがかなり別れる年だったのかもと思いました。それがなぜかまでは今は答えられないのですが何となくそう思いました。ヴュルテンベルクはVDPの試飲会でいくつかの醸造所を飲んだ中では悪い印象はあまり持ちませんでした。モーゼルのように嫌悪感を感じるような酸があるわけでもありませんでしたし。ただ10ユーロ以下のはほとんど飲んでいないので評価を下せるまでではありません。この産地は安価なものに魅力があると僕は思っています。バーデンはちょこちょこ飲みましたがよくわかりません。ミッテルラインは僕には珍しくほどとんど飲んでいないのでわかりません。ざっとこんなところです。具体的、あるいはつきつめた意見については各産地のことにふれた記事の中で書いていこうと考えています。
2013.10.18
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ノルウェーを訪れた目的はフィヨルドです。そんなに時間もとれなかったのでベルゲンからオスロへ移動しながら観光できるルートであるソグネフィヨルドに行くことにしました。ルートが定められていてその区間の交通機関の費用がセットになっているパスが販売されていて、オスロとベルゲン間の一方通行もしくは往復、ベルゲンからフィヨルドを周遊してベルゲンに戻ってくるなど用途にあわせて何種類か用意されています。僕はベルゲンからオスロに一方通行のノルウェー・ナットシェルを購入しました。まずはベルゲンから2時間電車で移動しヴォスVossからはバスで移動です。湖畔を進むと山道に入り、崖を下っていきました。そうすると下の風景が目に入ってきました。ここを下まで降りてこの画像の先を進んでいきました。ここからがソグネフィヨルドの支流、世界遺産に指定されているネーロフィヨルドの地帯です。少し進むと川が広くなりました。このグドヴァンゲンでバスを降りここからはフェリーで進みます。こういう風景がずっと続きます。乗っているのと同じ大きさのフェリーが写っていますがそれでフィヨルドのスケールの大きさがわかるかと思います。最初はやはりすごいと思うのですが、同じような風景でだんだんと飽きてくるし、まだ9月とはいえ北欧なので寒いので途中からは室内にいました。そして2時間で目的地のフラムFlamに到着です。このままここから移動すれば夜11時にはオスロに着けたのですが、この日はフラムで泊まることにしてゆったりとした旅程にしました。小さな街なので特にすることはないのですが、この村発のツアーがいくつもあって、フィヨルドサファリというボートツアーに参加することを日本で決めていました。10人くらいの定員の小さなボートでフィヨルドの川を進むツアーです。ウエットスーツを着て川に落ちても大丈夫なような完全防備です。風を思いっきり浴びて最初は目をちゃんと開けられないくらいでかなり怖かったのですがしだいに慣れていきました。 フェリーよりも近くに寄ることができるので細かい部分もわかり、フェリーと同じ場所を通っていても違う感覚を得ることができました。この画像の真ん中には建物があってそこは牧場だそうです。歩いてしか行けない土地ですが人気がある宿泊施設になっているそうです。岸の間近まで来て滝を見上げました。そうとう高さがあります。別のところでは添乗員がボートを岸に近づけていくとそこにはアザラシの群れが。5頭以上いました。でも近づくと川に入っていってしまったので一頭だけが写っている写真しか撮れませんでた。フィヨルドはテレビでやっていてすごいなーと思っていつか観にきたいと思っていました。でも正直その時の衝撃ほどの感動を生で観ても感じませんでした。高さ、規模はかなり小さいですが急斜面の畑が続く同じような光景の川をドイツでずっと見ているからかもと思いました。そして自分は葡萄畑のほうがテンションが上がるという変人であることに気がつきました。実際、後日船でモーゼル川を進んだ時のテンションの上がりっぷりは凄まじかったです。とはいえ壮大なスケールの自然を目の当たりにできて良かったです。自然を体感したいという目的で来たフィヨルドでしたが目的を達成し満足することができました。フェリーだけだったら不完全燃焼だったような気がして、ボートによってさらに深くフィヨルドを体感できたからこそ満足したと言えるようになっていました。ツアーに参加するというこの選択は大正解でした。
2013.10.16
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それでは前回に引き続き今回の旅程です。ドイツでの行動です。ほとんどワイン産地にいてそれ以外のことはこの前書きました。細かい旅程を書いても意味がないと思っていたのでどの土地を訪れたかと参加した試飲会名を書きます。どこで食事をしたkなどを書くと長くなって読みにくくなると思うので書きませんでした。食事についてはそのうちまとめて書こうと思っています。これから輸入しようと考えている醸造所をいくつか訪れているのですが、まだ明かしたくないので訪れた醸造所については全てを書いていません。醸造所を特定できてしまう村に関して書いていなくてぼんやりとした表現にしている箇所もあります。わかりやすいようにドイツでの何日目かという書き方にしました。ドイツ1日目はヨーロッパに来て6日目です。ドイツ1日目 StuttgartにてVDP Württemberg新酒試飲会 ファルツPfalzに移動しDeidesheimとBad Dürkheim 2日目 DeidesheimのVon Winning醸造所とBad Dürkheimのワイン祭りWurstmarkt3日目 RheingauのRüdesheimとAssmannshausen4日目 夜行列車にてLeipzigへ ザーレ・ウンストルートSaale-Unstrutの醸造所Pawis訪問 ICEにてベルリンへ5日目 夜行列車にてビュルツブルクWürzburgへ フランケンFrankenの小さな村へも6日目 Kloster EberbachにてVDPラインガウ競売会 その後Mainzへ7日目 ヨハニスベルクにて醸造所開放日のJohannishof フランクフルトのVDPグローセス・ゲヴェックスGrosses Gewächs試飲会8日目 ヴィースバーデンWiesbadenにて休養9日目 バーデンBadenへ FreiburgとIhringen10日目 モーゼルMosel遠征開始 Traben-Trarbach ÜrzigのKarl Erbes醸造所の後トリアーTrierへ11日目 ザールSaarの醸造所 VDPモーゼル新酒試飲会Masterpieces of the Mosel12日目 バスでトリッテンハイムTrittenheimへ 3カ所の醸造所訪問13日目 船でベルンカステルBernkastelへ バスでZeltingenへ Markus Molitor新酒試飲会 船でtraben-Trarbachへ der Klitzekleine Ringの試飲会Tafelrunde14日目 Ürzigのワイン祭り Kobern-Gondorfへ移動 テラッセンモーゼルTerrassenmoselの試飲会Riesling was sonst Bremmへ 15日目 Winningen ヴィースバーデンへ戻る 16日目 HochheimのFranz Künstler醸造所 他ラインガウ地域VDPなどの団体が企画し複数の醸造所が参加している試飲会には6回、醸造所主催の試飲会には2カ所参加しています。醸造所は12カ所訪れています。その醸造所の代表的なラインナップを一通り試飲したところだけをカウントしています。その中にはビュルガーシュピタールBurgerspitalでの醸造所直営のワインショップでの試飲も含めています。訪れたことがある人はわかると思いますがけっこう慌ただしく移動している箇所もあります。これを車ではなく電車とバスと徒歩で移動しているのでけっこう無茶な移動もあります。ほとんどが一時間に一本の区間の電車、バスでの移動なので時間を気にしなくてはいけないこともけこうあります。バスが一日に2、3本しかなくて自分の旅程とはあわず数キロの距離を徒歩で移動したことも数回あります。特にモーゼルは村の間の移動は基本バスなのですが、右岸、左岸と時間によってルートが違うので旅程を決めるのが非常に大変です。ドイツ鉄道のホームページではバスの時刻表まで調べることができるのでヨーロッパに行く前にかなりの時間をかけてルートを調べておきます。旅程を組むというよりは選択肢をリストアップしておいて、現地で状況をふまえてその中から選んで組み合わせるといったことをしています。取引をしようと考えていて訪れようとした醸造所の時にはかなり余裕のあるスケジュールにして時間で制限されようにしていました。Trittenheimer Apothekeの畑からのトリッテンハイムの村方面です。世界一の急こう配と言われているBremmer Calmontの畑です。この崖のほとんどの部分にぶどうが植えられています。ここの写真はたくさん撮っているので他の写真もそのうち載せます。具体的な感想については次回から書いていきます。
2013.10.08
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お久しぶりです。フェースブックなどでは書いていますが3週間のヨーロッパ旅から戻ってきました。よくどこかに行ったりすると長いようで短かったと言いますが、短くはなくどう考えても長かったです。といっても間延びすることなくぎゅっと詰まった実りのある3週間となりました。今回の目的はワインビジネスのためだったのですが、長い時間をとれるということもあって観光旅行的な要素も含めました。毎回ヨーロッパに行くと印象に残った事柄をこのブログで記事にしています。ですがあまりにも量が多すぎて全て書き終えるまで何カ月もかかるため、全容把握のために最初は旅程を書いています。まずはドイツワイン以外の事柄についてです。1日目 Frankfurt経由で空路ノルウェーへ Bergen2日目 鉄道、バス、フェリーでソグネフィヨルドSognefjordへ Fram泊3日目 フラム鉄道、ベルゲン鉄道でオスロOsloへ 空路にてベルギーのブリュッセルBrusselへ4日目 Brugge、Antwerpenで飲食5日目 グランプラスのベルギービールウィークエンドBelgian beer weekend 夜行バスにてドイツのフランクフルトへ9日目 ベルリンにてBerliner Philharmoniker鑑賞11日目 マインツMainzにてブンデスリーガ対シャルケ戦観戦22日目 ミュンヘンMünchenにてオクトーバーフェストOktoberfest 空路にて日本へごらんのようにドイツではドイツワイン関係(醸造所訪問、試飲会など)とそのための移動と飲食以外にあった事柄はこれしかありません。ドイツワイン関係のための目的地へのルートの途中で観光だけした街もありますがその旅程についてはドイツワイン関係のところで書いていきます。ノルウエーに行ったのは、大自然の場所に行きたくて、まだ全く行ってない土地ということで決めました。フィヨルドのためだけにノルウェーに行きました。ベルギーは何度も訪れている庭です。観光ではなくビール、チョコ、食事のために訪れているのですが、ちょうど年一回のビール祭りの期間だったのでベルギーにも行くことにしました。フィヨルドです。何度訪れても飽きない大好きな街並み、ブリュージュです。こういった写真をテーマごとにまとめて今後載せていきます。ただやらなくてはいけないことが山積みなので更新頻度がスローペースになってしまうかもしれないことはお許しください。
2013.09.30
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不確定な予想があったため実行できるかわからなかったので今まではおおっぴらには話していませんでしたがやっと報告することができます。前から自分でドイツワインに関したことを何かやりたいと考えていたのですが、春に実際にやるということを決意しました。そしてそこから現実的なプランとそのために何をしなければいけないかということを考え、計画を立てて今準備を進めているところです。ドイツワインを自らが輸入し販売をします。実店舗は持たずインターネットでの販売と飲食店への販売がメインとなります。日本のインポーターからもドイツワインを少量ですが購入します。始めるということが大事だと考え最初は経費のあまりかからない方法を選択しました。軌道に乗るまでは輸入する量も多くはありません。お酒を販売するために税務署が認可する酒類販売免許が必要です。その申請のためには条件が揃っていることとそのことを確認するための膨大な資料が必要なのです。申請をする前に何度も税務署に行き書類をチェックしOKをもらってから6月末に書類を提出して申請しました。そしてそこから許可が下りるまでは2ヶ月かかるのですが、書類の再提出や確認ということもなく無事に免許の許可が下りました。この画像のの束になっている書類が全て自分で書いたり、登記や納税証明などの集めた書類です。これだけのものがあって審査されるとどこかで不備や免許の資格がないと言われる可能性もあると思ってしまうのでどきどきしていましたが無事に許可が下りたのです。この免許がないと事業をすることができないので取得が確定するまでは報告できなかったのです。輸入しての販売がメインとなるのでドイツからワインを購入して輸入しなくてはいけないのですが、今の計画だと自分の手元に届くのは早くても12月になると思うので販売開始はまだ先となります。販売開始時期の目途がたちましたらショップのアドレスとと共にここでもあらためて報告します。店名はヴァインベルク(WEINBERG)としました。Weinはドイツ語でワインのことで、Bergは丘とか山と言う意味でよく耳にすると思います。ワインを輸入するにあたって最初は輸入するワインの醸造所の人としかかりと話す必要があるのでドイツに行ってきます。もちろん実際に試飲して購入するワインを決めるという要素もあります。ノルウェーやベルギーなど他の国にも少しの間行くのですが、ヨーロッパには9月に3週間ほど滞在します。そのルートや醸造所へのアポイントといった準備を現在しているところです。輸入したいと考えている醸造所はいくつかあって前向きな反応を示しているとろこもあるのですがどこを輸入するかはまだ内緒です。楽しみにお待ちください。最後に、このブログですがこれからも続けていこうと考えています。せっかく今まで蓄積したものがあるのでこれからも残してつなげていこうと思っています。始めたのはもう7年前にもなって、醸造所訪問などの本格的にドイツワインを追求した最初のドイツ旅となった2006年のことから書いています。ショップのプログも書き始めようと考えているのですがそれは自分の商品に関わることを中心と書こうと思っていて、このブログでは今までと同じようにドイツワイン全般について書こうと考えています。多少は制限も生まれてはしまうのですができるだけ今までと同じように書いていきたいです。ドイツでの報告などはどちらに書けばよいのかなどと線引きが難しい部分もあるのですがそれはこれから考えていきます。ということで今までと立場は変わるのですが、これからも僕とこのブログ、そしてドイツワインをよろしくお願いします。
2013.08.23
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金曜の昼間にリースリング・リングの企画で新宿伊勢丹にてリースリングのプチセミナーががありました。1時間弱の時間で4種類飲めて1500円です。おそらく一種類はいいワインが出る予感がしていてこの日は時間があったので参加することにしました。リースリング・リングの代表でありヘレンベルガーの社長である山野さんが講師でした。ドイツの写真のスライドで現地の話を中心に、リースリングと提供されたワインがどういうものなんかということを中心に話をしていられました。うんちくを語るよりも目で見てそれを助長させる話で空気感を感じられるのが一番頭に入って残ると思うのでさすが山野さんはこういう会を重ねてるだけあるなーと思いました。ワインはラッツェンベルガーのゼクト、甘口のカスパー(最後に提供)、ブロイヤーのグーツとトップキュベでした。そのトップキュベのことを書きたくてこの記事を書きました。ラベルを見てにやっとしました。リューデスハイム [ベルク・シュロスベルク] リースリング Q.b.A. トロッケン [2011] (ゲオルク・ブロイヤー) Rudesheim [Berg Schlossberg] Riesling Q.b.A. trocken [2011] (Georg Breuer) 【ドイツ】【辛口】【白 ワイン】ブロイヤーのトップキュベは何種類かの畑のものがリリースされているのですがこのシュロスベルクが最高峰とされていて価格も一番高いのです。だから嬉しかったというわけではなく(実際リューデスハイムの畑は直線的な味のベルク・ロットラントのほうが好きなので)、2011年だから飲んでみたかったという理由があるのです。このワインは今年のゴーミヨでその部門の2位の点を獲得していたのです。しかしそれが辛口のトロッケンではなく中辛口、中甘口という枠のファインヘルプ(feinherb)の部門だったのです(ファインヘルプが何なのかはこちらを)。2010年までは全てトップキュベシリーズはトロッケン(trocken)だったからびっくりしたのです。このシュロスベルクとノンネンベルクが2011年はファインヘルプ、しかもノンネンベルクはこの部門の一位でした。なのでなぜファインヘルプになったのかその理由とどう変わったのかを実際に飲んで知りたかったのです。ということで不意に絶好のチャンスが訪れたわけです。試飲した感想は、固さがなくてトロッケンぽくはないなーと感じ、かといって甘みや果実みによるボリューム感もそんなになく気品のあるスラッとしたものです。一見地味ではあるのですがトロッケンよりも若干多いであろうと糖度と果実みによって収量をおさえて育てれられたぶどうのポテンシャルによる深みがより引き立っているように感じました。最初若干苦みがあってバランスにじゃまで気になったのですが数分たつとその苦みは消えていました。数年経つと全く気にならない要素になるでしょう。間違いなくおいしい部類なのですが、価格を考量すると買いたいとは思わないものでした。僕はファインヘルプに関しては華やかなほうが好きなので。トロッケンだとすらっとしてるけど奥が深いものが好きなのですが。その中間でちょっと中途半端というか物足りなく感じたのです。さて、セミナーが終わってから山野さんにこのワインがなぜトロッケン(辛口表記)ではないのか尋ねました。そうしたら残留糖度がトロッケン規定まで下がらなかったからトロッケン表記にすることができなかったとのことでした。ファインヘルプを作ろうと思っていたわけではなく、でもトロッケンではないからゴーミヨの部門ではファインヘルプに入れられるしかなかったのです。醸造所としてはトップキュベは辛口ワインとして出したいと方向だそうです。でも糖度が下がらずそれ以上醸造してアルコール度数をあげて残糖を下げるとバランスが崩れるのでやむをえずトロケンにはしなかったということみたいです。この年がそれだけ果汁糖度のあるぶどうになったということです。たしかにこの年の他の醸造所のシュペートレーゼもボリュームがすごかったのを思い出しました。醸造所のラベル表記にはトロッケン表記がなくインポーターの紹介の表記にはトロッケンとあるのは、醸造所としてはこのワインは辛口ワインであるという意図をくんだものなのです。現在VDPではトロッケンにこだわらず上級のワインをプッシュという流れが強くなってきています。グローセス・ケヴェックスはトロッケンの残糖規定のものしか名乗れないのですが、昨年のグローセス・ケヴェックスの試飲会ではモーゼルに関してはファインヘルプの最上級のものを出していました(そのへんのことはこちらを参照)。今年はモーゼル以外でもファインヘルプのものを出品するようです。これらのワインをリリースしている醸造所のほとんどのところの方針としては、良いワインなのだったら辛口(トロッケン)とならなくてもよい、残糖が多くてトロッケンにならなくてもバランスがよくておいしければそれでよいじゃないか、というスタンスです。その考え方が認められてきて一つの流れとなってきています。醸造所によっては意図して同じ畑からグローセスケヴェックスとその等級に値する残糖が少し多めのファインヘルプのものも同時にリリースしている所もいくつもあります。ということでブロイヤーもそういう流れでトロッケンではないワインをリリースしたのかと思っていたらそうではなく不慮のことだったというわけです。このことを知れたのは大きな収獲でした。造り手の方針の違いというのをワイン法を通して伺い知ることができて面白かったです。そして、イメージとしてトロッケン、辛口であることが大事、という考え方もあるのだということに気がつくことができました。僕はファインヘルプ推進派なのでそういう考え方が薄れていたのです。ブロイヤーに関してはここで終了です。この回は少人数で行われたのですが参加された方はドイツのリースリングワインに非常に興味を持たれたようです。特にこの辛口(系)のトップキュベにはびっくりしたようです。ドイツでこんなすごいものが造られているのかと。そういうのを見ていて思ったのは、ある程度ワインのことがわかり良いものならある程度はお金を惜しみなく買うという人に関しては、大きなプロモーションによってドイツワインの良さを知ってもらうというより、こういうセミナーなどで実際に飲んでもらいそしてその魅力を説明することにより興味を持ってもらうという方法のほうが効果的だと思いました。飲んで説得させるというのが一番だと。効率が悪い一本釣りですがそれが効果的なのかなーと。いくら良さをアピールしたところでワイン愛好家はドイツに見向きもしないというのが現状で、でも飲ませたらその良さに気付くのです。そこで後押しするような説明があればドイワインに目を向けてもらえる人がかなりいると思いました。もちろんドイツワインに少しでも興味を持ってもらうために話題を作ったりブームにすることは大事で、それがあることによって飲もうと思ってくれる率が増えるのは当然のことではるけれど、味のわかる人たちに関してはそういう方法をうまく使うことが重要だと思ったのです。
2013.08.18
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ブログの更新がかなり減ってしまっているのでたまにはラーメンのことでも書きます。ドイツワインはそれなりに飲んでいますが時間があまりなくブログに書くほどのことでもないので記事にはしていません。3日間千葉の母親方に行っていました。音楽フェスなどには行かずまったりとすごしていました。ふだんは遠くに来たら貪欲にラーメンを食べに行くのですが、ここまで暑いとそこまでラーメンが食べたいとは思わなくなります。とはいえ、中日に一杯と帰る日に帰路の千葉周辺で2杯食べました。茂原にいたのですが、車でそんなに遠くなくて行ったことがないラーメン屋ということで選んだのが市原の八幡屋でした。八幡屋といえば鰻で有名な店だそうですが、息子さんが道路の向かいに同名のラーメンを開いたのだそうです。スープには通常スープに使う食材の他に鰻も使っているのが特色です。ただし具に鰻はなくスープ以外には鰻を感じるところはほとんどありません(頼みませんでしたがトッピングに鰻かまぼこというのはありましたが)。いくつかメニューがあり、父親はあっさりの和風醤油を、僕はこってり系の豚骨醤油を注文しました。豚骨醤油はどっしりとしていて骨格があってこの系統の中ではかなり好きな部類で完成度が高いとも思いました。鰻っぽい風味があってそれが骨格をしっかりと形成してひきしめているようなかんじでした。それによって平凡な味にもなっていませんし。東京でも通用するラーメンかというとそうでもありませんがこの界隈では文句なしに美味しいラーメンといえます。あっさり和風のほうはぐっとくるものを感じませんでした。細麺ということでより主張がなくなっている気もしました(豚骨醤油は中太麺)。次回は味噌を食べてみたいです。東京に帰る際に一番寄りたいと思っていたのが千葉駅近くの七星です。今年オープンですが雑誌などでもかなり取り上げられていて評価も高いみたいでしたので。駅から近いのですが、まわりに何もない辺鄙な場所にあります。県庁がある土地なのに駅のすぐそばでもこういう場所があることにちょっと悲しくなっていました。鶏メインのスープでこってり系の鶏白湯です。塩がおすすめだそうですが醤油の鶏白湯を提供しているところは少ないので醤油を選びました。黒いのは揚げねぎ、肉は鶏肉です。ビジュアルでもこだわりがわかると思います。素直においしいと思える深みがありなおかつマイルドスープでした。濃いめの味のはわかりやすさだけになってしむものが多いですがそうではなくこだわりを持って作っているのがよくわかりました。そして最後まで飽きずに食べられました。ただ、こだわりがあって研究もよくして作られてはいるのですが、優等生っぽいというか魂を感じる核の部分というは感じなくて少しだけ物足りないなーとは思いました。といっても千葉県の中では間違いなくトップレベルの味で、ラーメンマニアでなくてもほとんどの人が気に入るおいしいラーメンです。だいぶお腹にたまっていたし暑かったのですが、せっかく千葉にいるということでもう一軒食べることにし津田沼に移動しました。栄昇らーめんです。JRの駅よりは京成津田沼の駅のほうが近いところにあります。魚介中心のスープで、同じ醤油味の中でも材料の微妙な違いで煮干しなどメニューが3種類ありました。僕はあごだし(トビウオ)ラーメンを頼みました。おそらくその食材のみを使っているのではなく魚介系の食材のバランスの違いだと思われます。ちょっとしょぱかったですがやさしい味わいでした。わざわざ遠くから来て食べるようなものではないかもしれませんが、地元にあったらうれしい、そして子供から年配の方までに愛されるような味でした。個人経営でアットホームな雰囲気もすごくよいです。地元の人に愛されている店だろうなあというのが感じられました。津田沼にいた時はこの土地のこの日の最高気温34度で歩くのがかなりつらかったですが、この日のラーメン2杯はとても有意義でした。遠出した時の中では食べた杯数はいつもより少ないですが、3軒とも行ってよかったと思えるラーメン屋だったことが嬉しいです。
2013.08.14
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8月1日の水曜日まで池袋東武の地下一階(ルミネ側)のエノテカの酒売り場でドイツワインフェアが開催されています。東武のドイツワインフェアは超有名な催事だったのですがワイン売り場がエノテカに変わって消滅したのですが昨年から復活しました。取り扱っているワインのインポーターが八田、ヘレンベルガーホーフと少しのエノテカの商品という今までに比べれば少ないのですが、それでも膨大な量のドイツワインがあります。ネットでは探せば自分の好みのドイツワインを見つけだすことは比較的容易なのですが、都内の酒屋(百貨店を含む)でドイツワインが充実している所は少なくなおかつ店頭では買えないワインがたくさんあるという状況なのですが、店頭にはほとんど出されていないようなワインもたくさん売られていました。こういう機会はめったにないので都内と近郊の方でドイツワインに興味のある方はぜひ訪れてほしいです。もちろん試飲もできます。高いものは試飲を出していないものもありますが売価3000円くらいまでのものはほとんどが試飲できると思います。プラコップでの試飲なのでちゃんとした味わいがわからないかもしれませんが、そこで気になって購入し自宅でゆっくりと味わえば問題ないわけです。幅が狭い系統の味わいもありますが、いちおう辛口からデザートワインまであり、赤も何種類もあり白もリースリング以外の品種もあるので必ず一種類は気に入るワインが見つかるかと思います。ドイツワインは甘いから嫌、と飲まないのに決めつけている方も騙されたと思ってふらっと寄ってみてください。1日水曜までです。おそらく土日が一番試飲できる種類が多いかと。
2013.07.26
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更新の頻度が減ってすみません。もう三週間も前のことになってしまいましたがOAGホールで行われた東京ドイツワイン協会主催の第九回ドイツワインフェストの様子について書いていきます。今年も主催者側としてワイン選びなど運営に関わらせていただきました。満杯というほどではありませんでしたが150人を超える参加者がいらして今年も盛況に終えることができました。例年よりも開催が遅めで6月末だったので暑さが心配でしたが、猛暑というほどではなくワインを飲むには問題ない気候で安心しました。今年出したリストをざっくりした表記ですが載せます。 3から7以外のぶどう品種は記載していませんが全てリースリングです。1 (モーゼル) ローゼン(ブラザーズ) 2011 QbA トロッケン 2 (ファルツ) レープホルツ 2011 カビネット トロッケン 3 (バーデン) フーバー 2007 グラウブルグンダー トロッケン 4 (バーデン) ドクター・ヘーガー 2011 ヴァイスブルグンダー イーリンガー ヴィンケラーベルク シュペートレーゼ トロッケン 5 (ナーエ) デンホフ 2011 ヴァイスブルグンダー & シャルドネ トロッケン -シュトュックファス- 6 (アール) マイヤー ネーケル 2011 シュペートブルグンダー トロッケン -アポリナリス- 7 (フランケン) フュルスト 2009 シュペートブルグンダー トロッケン -トラディション- 8 (ラインガウ) ロバート ヴァイル 2011 ゼクトbA エクストラ・ブリュット 9 (ミッテルライン) マティアス ミュラー 2011 カビネット ファインヘルプ 10 (モーゼル) エゴン ミュラー 2011 QbA 11 (モーゼル) シューベルト 2002 マキシミン グリュンホイザー ブルーダーベルク QbA 12 (ラインヘッセン) ケラー 2011 カビネット -ライムシュトーン- 13 (モーゼル) フリッツ ハーク 2011 ブラウネベルガー ユッファー カビネット 14 (ナーエ) シェーファー・フレーリッヒ 2005 カビネット 有料 15 (モーゼル) カルトホイザーホーフ 1997 アイテルスバッハー カルトホイザーホーフベルク アウスレーゼ トロッケン 16 (モーゼル) J.J. プリュム 八田 2006 ヴェーレナー ゾンネンウーア シュペートレーゼ 17 (ナーエ) エムリッヒ・シェーンレバー 2003 モンツィンガー ハレンベルク アウスレーゼ 14までのはそのテーブルにいって注ぎ手に頼めば注いでもらえる形で、16は一杯につき200円、15と17は300円をいただいてチケットと引き換えての有料試飲という形です。出す醸造所はゴーミヨ(ドイツワインの評価本)が毎年選んでいる最優秀醸造所に過去に選ばれている醸造所です。その中で日本で購入することができ、なおかつこの会で使うことができる高すぎない価格のものがある醸造所からの17醸造所です。各醸造所につき一種類のワインで、それは日本に輸入されているものリストから辛口、甘口などのバランスをふまえて出すワインを選んでいきました。といっても辛口、甘口ともに充実して輸入されている醸造所(今回出す中では)はそんなに多くないのでパズルのように埋めていくとわりと選択肢は少ないのです。前年に使ったものとは違うものにして多くのワインを知ってもらいたいということもあるのでそこで選択肢がぐっと減るという事もあります。ヘーガーは今年の最優秀醸造所なのですが、この会で出せる手ごろなものが現在日本にはなかったのでこのワインだけは例外としてドイツから取り寄せました。参加者の感想や会での様子、打ち上げで僕が飲んだ感想などを交えて個々のワインについて書いていきます。が、全てのワインにはふれないのでご了承下さい。今年はリースリング以外の白のぶどう品種を多めにしようという方向性でワインを決めていきました(昨年は赤ワインを増やしました)。といっても結果的には3種類となったのですがどのワインも好評でこの3種で良かったと思いました。3の熟成して深みのあるもの、4はわりとすっきりとした飲み口、5は品種の珍しさだけでなくしっかりとした味わい、とどれもタイプが違いそれぞれが良いワインで、どれかしらかは気に入ったワインがみつかったという方が多かったのではないかと思われます。赤も予想より量が減っていて、辛口でそしてリースリング以外の品種にも興味を持ってくれる方が多くなおかつ受け入れられてきているのかなという手ごたえは感じました。9は僕が以前から推しているファインヘルプなのですがこれが良かったという方が多かったです。食事にあわせられる辛口系という部類ですが心地よい甘みがあるので気に入られているようでした。食事と合わせると辛口の評価は今回のような試飲会形式とは評価は変わるとは思いますが、単体で飲んでも食事とあわせてもこういう甘みのある(甘いではありません)タイプはもっと日本の方に知ってほしいです。甘口に関しては好みは人それぞれでどれも万遍なく人気があったようです。甘いといっても糖分が前面にでるもの、フルーティーなもの、甘さをあまり感じない軽い飲み口などと産地や等級によってさまざまな甘口ワインが存在するのがドイツのリースリングワインの魅力です。個人的には14が甘みがしっかりありなおかつ良い熟成感でほっとする深みのある味わいで好みです。11もQbAながらもしっかりとした造りのワインなら熟成してもおいしいというjことがわかっていただけたようです。甘みがまだしっかりと残っていて僕もびっくりしました。有料試飲は予想していたより数が多く出ていました。200円、300円でも有料だと手は出しづらいかなと考えていたのですが、ラインナップが良かったのもあってか好評でした。15の熟成した辛口ワインが良かったという声が多かったのですが、僕はあまり受け入れられないかもと思っていたので意外だったのですがとてもうれしく思っています。良いものは良い、と飲めばわかってくれるのだと未来への兆しがみえたようでした。もっとくせのある熟成感があったらもしかしたらだめだったのかもしれませんが、古さとフレッシュの両方を備え持つものすごく深い味わいのワインでした。ドイツの辛口はフレッシュで酸っぱいというイメージを持っている方にはこういうワインも飲んでいただきたいです。ドイツの辛口の白ワインは一般的には早く飲んだほうがよういと言われていますが、アウスレーゼ(トロッケンに仕上げているので甘ワインではありません)なのでしっかりと熟した健全なぶどうで、なおかつすばらしい生産者が育てていて醸造もしているからこそ、15年経っていてもおいしく飲めるのです。コメントしなかったワインに関してもどれも良いポイントがあるものばかりでした。スタッフの打ち上げの時に撮ったものです。フュルストとフレーリッヒが抜けていますが。昨年同様今年も参加された方が満足されて帰られて嬉しく思いました。ふだん飲み慣れているものではないタイプもこういう会では飲むことができるのが利点ですが、発見してそして気にいってくださるのはとても嬉しいことです。ドイツワインに対する先入観をどんどん壊していってドイツワインの幅広い魅力を知っていただきたい、というのがこのイベントを開催していて僕が核として想っていることです。ドイツワインをあまり知らない人だけではなくすでにドイツワインが好きな人でも新たな魅力を発見してもらえるラインナップにしたいという意味合いも含まれています。もっともっとドイツワインの魅力を多くの人に知ってもらいたいです。このイベントは飲み比べがすることができなかつ幅広い味わいの良質なドイツワインを飲むことができるのでこの世界の入り口としては最適だと思っています。もっとたくさんの人に来ていただきたかったのですが、来年は10回目ということもありより力を入れいくのでさらに多くの方に参加していただければと思っております。ワインの感想などはいつもの記事に比べてライトな内容にしていて多くの方が読んで理解できるようにしています。なのでマニアと呼ばれている方々には物足りない内容かもしれませんがご理解ください。
2013.07.21
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東京ドイツワイン協会のHPに29日のドイツワインフェストのワインの内容などの情報を追加しましたのでこちらにも載せておきます。HPには昨年のワインリストも掲載していますので、行こうか迷っている方は参考にしていただければと思います。 > ドイツのトップクラスの醸造所ばかりのワインを揃え、辛口から甘口まで、新しいヴィンテージから10年以上経っているものまで、幅広くドイツワインの魅力を堪能できるようなラインナップとしています。17種類というのは多くの試飲会に参加していらっしゃる方には少ないと思われるかもしれませんが、ワインを厳選しておりますので、内容には充分ご満足頂けると考えています。 ワインのラインナップについて、今年は例年に比べリースリングではないぶどう品種を増やしております。フランスなどで馴染みのあるぶどう品種によるドイツワインもお楽しみいただけます。もちろんドイツワインを代表する品種リースリングも辛口から甘口までたくさん楽しんでいただけます。昨年同様、今年も一杯につき実費で200、300円をいただいくコーナーとしてワンランク上のクラスのワインもご用意致しております。シュペートレーゼ、アウスレーゼ、1997年の辛口ワインを準備する予定です。今年も御来場者の皆様には各々に2、3種類を詰め合わせたパンをご用意致しました。また、多くはございませんが必要な方のため有料でソーセージなどの食べ物も用意してお待ちしております(ホール隣接の「ノイエス」提供)。例年通り今回も、ワインを飲むだけではなくドイツワイン好きが集まるアットホームな空間を楽しんでいただければ幸いです。「東京ドイツワイン協会」はどなたでもご入会頂ける非営利のワイン愛好会です。「ドイツワインをあまり知らないけれど興味がある」という皆様にお気軽にご入会いただき、一緒にドイツワインの魅力に触れていただけば幸せです。辛口リースリングレープホルツ ローゼン ロバート・ヴァイルリースリング以外の品種の辛口ドクター・ヘーガー フーバー デンホフ赤ワインマイヤー・ネーケル フュルスト 中辛口、中甘口エゴンミュラー シューベルト マティアス・ミュラー カビネット(甘口)ケラー フリッツ・ハーク シェーファー・フレーリッヒ 有料コーナーカルトホイザーホーフ J.J.プリュム エムリッヒ・シェーンレバー *なお銘柄や等級などは準備の都合で変更となる場合がございます。ご了承ください。>参加費は振込みだと500円割引の3500円で少しお得になります。東京三菱UFJのキャッシュカードからだと手数料はかかりません。当日照会をする必要があるため、金曜の振込みだとこちらが振込みされたのを確認できない場合があるので振込みで参加を希望している方は木曜までにお願いします。20歳以上の方でしたらどなたでも参加できる試飲会形式のイベントですので気軽な気持ちでご参加ください。一昨年は200人近くの参加がありかなり会場は混雑しましたが現在の申し込み状況だとそこまで混雑はしなくゆったりとワインをお楽しみいただけると思われます(保証はできませんが)。以下は概要です。>第九回ドイツワインフェスト日 時 2013年6月29日(土)14時~16時 場 所 OAGホール(オー・アー・ケ゛ー/ドイツ東洋研究協会内) 東京都港区赤坂7-5-56 地下鉄青山一丁目駅 出口4より徒歩5分参加費 事前お振込みの場合 3,500円 (手数料はご負担ください) 振込先 三菱東京UFJ銀行 東京営業部 (店番321) 普通口座 8439020 東京ドイツワイン協会*当日は必ず振込み票をご持参ください。*振込依頼人名は個人名にてお願いいたします。社名や別名義では名簿との照会をいたしかねます。*ご欠席の場合の払い戻しは致しません。ワイン好きのご友人にお譲り下さい。当日お支払いの場合 4,000円 メールにてmail@gws-tokyo.com宛てに名前と人数を記載しての事前申込みをできるだけお願いしていますが、数人での参加でしたら当日の飛び込みでもかまいません。*ご来場者多数の場合は入場を制限する場合もございますので、事前振込みかメールでの申し込みをお願いいたします。 東京ドイツワイン協会ホームページ http://gws-tokyo.com/*現在はこちらで書いている以上のことは書いていませんが更新していく予定です。申込み、問い合せ先 mail@gws-tokyo.com>昨年の様子です。
2013.06.25
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先日ドイツワインのことを書きましたがもうひとつの茨城に行きたかった理由はラーメンです。ラーメンデータベースというユーザーがラーメン屋に点数をつけるサイトがあるのですが、その平均点が高いところがランキングになるのですが、全国のランキングでつくば周辺のラーメン屋が何軒も上位にランクインしているのです。ほとんどが東京の店で占められている中で茨城のが何軒も入ってるのはかなり目立っていていつかこれらに行きたいと思っていました。ということでドイツワインの用事と共にラーメン屋に行ったのです。ワイン屋の鈴木屋の最寄駅は常磐線の土浦なのですが(といっても駅から遠いです)、興味があったラーメン屋はつくばエクスプレスの沿線にいくつもありました。当初は車で廻るつもりだったのですが茨城のドイツワインマニアのハルトマンさんがラーメン屋から同行してくれることになったので、つくばエクスプレスに乗って終点つくば駅の手前の研究学園駅で待ち合わせをすることになりました。二軒で食べる予定で最初に食べる予定だったのが駅近くの喜元門だったのですが、30人近く並んでいて後の予定があったので諦めました。そして次に向かったのが麺や蒼AOIです。つくば駅が一番近いようですが駅からは1キロくらい離れているみたいなのですがそんな立地でも10人は待っているという人気店です。濃厚魚介豚骨の味噌ラーメンも柱なのですが今回は清湯スープのカムイというのを選びました。カムイには2種類あって同行した人は軍鶏がベースのスープの塩カムイ、僕はそこに醤油のテイストもあるシオユカムイを頼みました。どちらのスープも飲みましたがどちらもよくできているのですが、スープの味がわかり楽しめるのは純粋で一点の方向で整っている塩のほうで、総合的にラーメンとして楽しめるのはシオユカムイだと思いました。黄色いのはたしかスダチです。チャーシューも選べるのですが僕らは低温調理のチャーシューを選びました。この立地でこういうラーメンが出るのはすごいと素直に思いました。東京でも通用します。地方は素朴だけどおいしいというタイプがほとんどでむしろそういう郷愁的なものを求めてもいるのですが、このラーメンは洗練された味わいでそういうものとは全く違います。どうやらつくばは田舎というわけではなく、大学の研究者など経済的にも潤っていて味覚もそれなりの人が多くいるのでこういうラーメンでも需要があるとのことでした。家賃も都内よりは安いのでバランス的にとてもよい立地とのこと。ラーメンだけでなくワインや他のレストランも茨城の他の地域よりレベルが高いそうです。酒屋の店主から早めに来てくれると嬉しいというメールが途中で届いたので今回はこの一軒だけで茨城のラーメンは終了することとなりました。。他にも行ってみたいところはあったのですが日曜定休だったのでまた次回訪れたいです。昔からやっているおいしい店もあるみたいなのでまたこの周辺を訪れてラーメンを何杯か食べるつもりでいます。そしてハルトマンさんのお宅で飲んで常磐線で帰る途中、まだ一杯しか食べていなくて遠くまで来たということもあって若干消化不良だったので松戸で降りてラーメンを食べることにしました。今まで松戸でも何軒か食べていて候補は限られていたのですが、松戸の駅から歩いて行けるまるきにしました。ここは永福町大勝軒の系統だそうです(池袋のつけ麺系の大勝軒とは別の煮干し主体のスープです)。ここはチャーハンもおいしいということだったのでそれも頼みました。ラーメンは特出するところはないけれどいいラーメンだなーというかんじだったのですが、チャーハン一緒にラーメンを食べるとお互いが引き立ってどちらもそれだけで食べるよりかなり美味しく感じました。どこがポイントでどう変わるというのは言葉ではなかなか説明しづらいのですが。ラーメン(650円)は小でも充分な量なのでチャーハン小350円とあわせて1000円という組み合わせがベストだと思いました。あっさりしすぎでもなくがっつり系でもないのですが、あっさり好きが好みなおかつお腹も心も満足できる、といったかんじです(チャーハンも食べた場合)。見た目はふつうだったので写真は撮りませんでした。すみません。余裕があったら東松戸まで歩いてもう一軒と思ったのですが珍しく今回は断念しました。チャーハンを食べていなったら行けたのですが、チャーハンは食べるべきだったので後悔はありません。
2013.06.03
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久しぶりの更新になります。来月もあまり更新できないかもしれません。ドイツワインフェストに関しては書くとは思いますが。さて、週末に茨城県に行ってきました。2つつ目的があって両方があるから行くことを決めたのですが、そのうちのひとつが酒屋土浦鈴木屋に行くことでした。ここはインポートもしていてドイツワインも輸入しているのですが1990年代から2000年代初頭にたくさん輸入したものがまだだいぶ残っているので、他のインポーターが輸入している醸造所でももう在庫がないようなバックヴィンテージがこの酒屋にはたくさんあるのです。今回は6月29日のドイツワインフェストで使用するワインを選ぶという理由があったて訪れたのでした。店舗に伺ったのはおそらく4年ぶりくらいです。前回はモーゼルの銘醸のバックヴィンテージがたくさんあることに興奮して3万円くらい12本買ったような記憶があります。フェストで使うワインに関してはまだ確定していないということもあって秘密にします。フェストのを考えた後には個人用のを物色しました。そして購入したのがこちらです。モーゼルの銘醸のバックヴィンテージのは飲んだことがある、もしくはそれ似ているということで再び飲むほどの興味がわかなったので一本も手を出しませんでした。その時よりも視野が広がったということもあって、前回訪れた時にあったものでも全く気にかけなかったものを購入しています。購入のポイントは、熟成したらどうなるっているのか全く予想できないもの、というくくりです。今後のための経験として知りかったというものがほとんどです。茨城に来ることをフェースブックで少し書いたら茨城在中のドイツワイン狂のハルトマンさんが車をだしてもよいとのコメントを書いてくださったのでお言葉に甘えて最寄駅から車にのせていただき一緒に行動しました。鈴木屋の後には彼の家で軽く飲むということになっていたので、ここで面白そうなものがあったら購入して一緒に飲みたいと考えていました。下の写真の中にはその購入した2本も含まれています。彼の家で飲んだワインです。2人で5本すべて飲みほしたわけではないのでご安心を。最初は前日の飲み残しというシュ―ベルトです。2010のトロッケンの畑名ワイン(たしかヘレンベルク)です。レモン水の系統のすっぱさがありました。2010年らしい強めの酸なのですが、もっと若いうちに飲むとフレッシュ感とこの酸味がうまく融合してもっと好印象になったのかもと思いました。トロッケンは甘口以上に変化のスパンが短いので難しいです。特に酸が強いものはその傾向が強いかと。それと、ぜひ試してほしいということでリースリング用という少し小ぶりのグラスで飲んだらおいしく感じたのはびっくりしました。もうひとつのグラスでは感じない甘みが感じられて飲みやすいバランスになっていました。ここまで変わるのにはびっくりしました。オーディオマニアの環境で聴く音楽みたいなかんじですね。補正ではあるけれどもちろんもとがちゃんとしていなければ補正されてもよくはならないという上での例えです。後のワインではあまり効果がなかったので若めのリースリングワインの特徴を分析してがよりよくなるような形状になっているということがわかりました。お次は今回の一番の飛び道具、トリアーのホスピティエンの99年グラウブルグンダー(QbA)です。このラベルのものは初めてみました。リースリングじゃなく熟成しているモーゼルものということでまだ美味しいという確証がもてないけれどあまりあにだろから飲んでみたい、という意見が一致して購入しました。最初はやっぱりだめかと思いましたが思いのほか飲めました。単体だと癖を強く感じるのですが煮物など料理とあわせたら問題ないと思いました。軽めのシャルドネといったかんじです。リースリングよりはあきらかに重たいです。モーゼルにはあまりない味筋なのですが、他の国のを飲んでいる人なら日常に飲むことがあるような味筋なのて抵抗がないかもと思いました。昼下がりに外で飲むのにいいかも、と思いました。2000円しなかったです。どう考えてもマニアアックなワインですが。シェーンボルンはラインガウの銘醸に数えられる造り手です。その97年のエアステス・ゲヴェックスということで15年経ってどう変化しているのか非常に興味がありました。3000円という手の出しやすさが買う決め手でした。辛口の最上級の格付けはグローセス・ゲヴェックスですが、ラインガウではエアステス・ゲヴェックスと呼ばれています(今年からVDPではグローセス・ゲヴェックスに統一されるようです)。GG、EGがVDPとしての規定となる前の90年代後半からラインガウでは独自にエアステス・ゲヴェックスという格付けを付け始めていました。なのでそれは名称というだけなのでエアステス・ゲヴェックスと書いてあるのと同時にシュペートレーゼ・トロッケンと書いてあります。前置きが長くなりましたが、そういうことでその醸造所のトップの辛口ワインであるので楽しみにしていました。最初は平坦で、もう枯れてしまっているのかとがっかりしましたが10分以上経つと、立体的になってきてじわっとうまみも感じるようになりました。すごくおいしい、というわけではありませんが、この醸造所の名に恥じないワインだとは思いました。土壌にもよりますが、有名な畑の大半のラインガウらしいと感じる土壌ではここまで辛口ワインは寝かせないほうがよい気がしました(土壌の成分を言いきっちゃって間違っていると問題なので細かいことは書きません)。とはラインガウ特有のくえのある熟成香いわゆるペトロール香がをほとんど感じないのは葡萄の質と醸造所技術の質の高さによるものだと感心しました。なので畑やヴィンテージによってはこのくらい熟成しても素晴らしいワインがあるような気はしています。残りの2本はハルトマンさんの得意分野フランケン、現地で購入したヴュルツブルクのAm Steinです。ショイレーベは去年の12月に購入したのに2012年産だったそうです。香りは白桃でとても心地よかったですが味わいは平坦でした。若いしこの品種で遅摘みでもないのでそこに期待しえはいけないのですが。ショイレーベのよさが出ているワインで日常消費として軽く飲むなら文句の付けどころはありません。もう一本は2011年のリースリングのアウスレーゼです。あまり甘く感じなかったのとパワフルなワインだと思いました。飲むのはまだ早すぎて本領を発揮していないかも、と二人で話していたのですが、残りをいただいて今3日目のを飲んでいるのですが2日目までとは異なる味わいになってきてこちらの方が好みです。ということはおそらく5年くらいは寝かせたほうがよいものなかと想像しました。甘みのあるはっさくのようジューシーな甘みがとてもよいです。また、凝縮感がすごいのでもっと寝かせて甘みが抜け気味で食中酒とするのも美味しく飲めるかもとも思いました。18時が駅までの終バスだったのでもう帰らなければいけなかったのですがこの時間で気持ち良い酔い方をしていました。言葉を選ばず全開で話せる人って日本ではかなり限られるのでリミッターのない全開トークをたっぷりと楽しみました。同じドイツワインでも地域も視点も少し異なるのでそういう人の感想や意見は興味深いです。また、ただただマニアアックな話をするだけでなく、ドイツワインを愛しているからこそこの良さをもっとたくさんの人に知ってほしいという気持ちがあるから自然と日本におけるドイツワイン業界の話題になるのもうれしいです。次回はもうひとつの目的について書きます。
2013.05.28
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東京ドイツワイン協会(非営利の愛好家会)主催のドイツワインフェストの概要をのせます。興味をひくようなポイントなどは追々書いていきます。第九回ドイツワインフェスト日 時 2013年6月29日(土)14時~16時 場 所 OAGホール(オー・アー・ケ゛ー/ドイツ東洋研究協会内) 東京都港区赤坂7-5-56 地下鉄青山一丁目駅 出口4より徒歩5分参加費 事前お振込みの場合 3,500円 (手数料はご負担ください) 振込先 三菱東京UFJ銀行 東京営業部 (店番321) 普通口座 8439020 東京ドイツワイン協会*当日は必ず振込み票をご持参ください。*振込依頼人名は個人名にてお願いいたします。社名や別名義では名簿との照会をいたしかねます。*ご欠席の場合の払い戻しは致しません。ワイン好きのご友人にお譲り下さい。当日お支払いの場合 4,000円 メールにてmail@gws-tokyo.com宛てに名前と人数を記載しての事前申込みをお願いしています。*ご来場者多数の場合は入場を制限する場合もございますので、事前振込みかメールでの申し込みをお願いいたします。 東京ドイツワイン協会ホームページ http://gws-tokyo.com/*現在はこちらで書いている以上のことは書いていませんが更新していく予定です。申込み、問い合せ先 mail@gws-tokyo.com以下は先月書いたもののコピペです。 会場は昨年と同じ場所で、形式もほぼ同様と考えていただいてかまいません。200人はご参加いただけるホールです。昨年の様子はこのブログでも少し書いています(こちら)。 毎年のゴーミヨで最優秀醸造所に選ばれた17醸造所のワインを一種類ずつ用意し試飲会形式で飲むことができるどなたでも気軽にご参加できるイベントです。ふつうの試飲会に比べれば種類は少ないかもしれませんが、ほとんどが3000円から5000円のワインで、ドイツのトップ醸造所のワインを一同に飲むことができるというのも日本では数少ない機会です。いまだにドイツワインは甘口というイメージが一般的には強いのですが、辛口、中辛口のワインもあり幅広い味わいを知ることができます。甘いという中にも幅があることも知っていただけると思います(赤ワインの用意は今年は少なめですが)。また、今年の辛口ワインはリースリング以外の白ワインの品種を例年より多めに用意することを考えています。ドイツワインのことをあまり知らないという人にうってつけのイベントですし、ドイツワインが好きな方も魅力を深める機会となると思います。お知り合いをお誘いの上たくさんの方に来ていただきたいです。よろしくお願いします!
2013.05.11
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去年はトランスやテクノのイベントにはあまり行かなかったのですが今年は多く行くような気がしています。もしかしたらフジロックも行くかもしれません。最近の僕しか知らない人はSKEやチャットモンチーにしか興味がないという認識がありませんがもとはテクノ、トランス(ヨーロッパの)の人です。僕がそういう曲を作っていてライブやをしたり賞をとってCDに収録にされたりということを知らない人がほとんどかもしれません。まずはAgehaアゲハ(新木場)に三か月連続に行くことになりそうです。4月はProtocurtureとAndy Moorが出るイベントに行ってきましたが続々と大物の来日が決まっています。4月のそのMotherというイベントは2000年前後のトランス全盛期に活躍していた人ではないけれど好きな系統の曲調をかける人たちなので行ってみました。 どちらもよかったですがProtocurtureは僕が2年前に経験した時より進化していました。プログレッシブハウスの人っていう認識だったのですが途中はごりごりのハードハウスだったし終盤はドリーミーなトランスでものすごく幅が広くなっていてびっくりしました。彼の作る曲は前から好きだったのですがDJでもファンになりました。2人ともピアノの音が入っている曲を多くかけているのが印象的でした。今はやっているのか彼らの好みなのかはわかりませんが、。僕はそういう曲が大好きなのでこの傾向は大歓迎です。思い出のロ曲、Robert Milesのチルドレン(それなりの年齢の人は聴いたことがあるでしょう。チャートで一位にもなっています)やVeracochaのCarte Blancheもかかってびっくりしました(どちらも最近再びリミックスされたものです)。で5月11日にはドイツ人の人気DJPaul Van Dykが来ます(前売りはこちら)。何度も来日しているので日本でもかなりメジャーな存在でしょう。僕は代官山のUnitでやった小規模の箱での時のが忘れません。あの破壊力は衝撃でした。今までのベスト3に入ります。そして6月8日にはChicane(シケイン)が来ます。90年代にヒット曲を生み出していたのですがまさかの今になっての初来日です。待望というか遅すぎというか(最近また積極的に活動し始めてはいますが)。今の人はほとんど知らなくて興味を持たないと思うのでトランス好きの熱狂的なファンばかりが集まって濃い空間になる予感がしています。余談ですがシケインって最初読めなかったのですが、このシケインは道、特にレースなどで使われているシケインと同じ綴りということに最近気がついたのでした。彼は僕の曲作りに最も影響を与えた人でそうう面でもリスナーとしても大好きなアーティストです。ドリーミーだけどクラブでも成立する曲調で感性がどんぴしゃなのです。彼の曲調がよくわかるSaltwaterやブライアン・アダムスが歌っているDon't Give Upが代表曲です。アーミンのレーベルArmada MusicがYou Tubeで公式として何曲も公開しています。2004年にオランダに滞在していた時に奥地の公園でのクラブ系のフェスでシケインが出演するということで楽しみにしていたのですが、当日タイムテーブルを見たら出演していなくてショックを受けたことがあります。まあそれでもアンダーワールドを最前で観れて楽しんだのですが。ということでやっと初めて生で会えるのでどういうパフォーマンスをするのかとても楽しみにしています。PVDとシケインは両方ともMAGNIFICENTというイベントということで2days ticketが販売されていて買ってしまいました。一日が3000円になるので。クラブ系の美しい曲が好きな人はこのチケットを買うかどちらか一日でも行ってみてください。という紹介でした。
2013.05.06
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今年も東京ドイツワイン協会主催のドイツワインフェストを開催します。詳細は追々このブログにも書いていきますが、まずは日時を記載しておきますので前回までに参加された方やドイツワインに興味のある方はこの日の予定を開けておいていただけると嬉しいです。第九回ドイツワインフェスト日 時 2013年6月29日(土)14時~16時 場 所 OAGホール(オー・アー・ケ゛ー/ドイツ東洋研究協会内) 東京都港区赤坂7-5-56 地下鉄青山一丁目駅 出口4より徒歩5分参加費 事前お振込みの場合 3,500円 (手数料はご負担ください)振込み先は次回以降に載せます。当日お支払いの場合 4,000円会場は昨年と同じ場所で、形式もほぼ同様と考えていただいてかまいません。200人はご参加いただけるホールです。昨年の様子はこのブログでも少し書いています(こちら)。 毎年のゴーミヨで最優秀醸造所に選ばれた17醸造所のワインを一種類ずつ用意し試飲会形式で飲むことができるどなたでも気軽にご参加できるイベントです。ふつうの試飲会に比べれば種類は少ないかもしれませんが、ほとんどが3000円から5000円のワインで、ドイツのトップ醸造所のワインを一同に飲むことができるというのも日本では数少ない機会です。いまだにドイツワインは甘口というイメージが一般的には強いのですが、辛口、中辛口のワインもあり幅広い味わいを知ることができます。甘いという中にも幅があることも知っていただけると思います(赤ワインの用意は今年は少なめですが)。また、今年の辛口ワインはリースリング以外の白ワインの品種を例年より多めに用意することを考えています。ドイツワインのことをあまり知らないという人にうってつけのイベントですし、ドイツワインが好きな方も魅力を深める機会となると思います。お知り合いをお誘いの上たくさんの方に来ていただきたいです。連休明けから詳細などを何度か書いていく予定です。
2013.04.26
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先週の日曜の昼は東京ドイツワイン協会(非営利の愛好家の団体)の総会とその後の食事会がありました。会場は昨年同様、水炊きが有名な築地の新三浦でした。参加者は34名で、総会も滞りなく終了し、その後の食事会もみなさん満足されたようでよかったです。ということでその食事会のワインと料理について感想などを少し書いていきます。すみません、一番右が一本目です。1 シュロス・プロシュヴィッツ Schloss Proschwitz (Sachsen) 日野屋ピノ・ノワール ロゼ ゼクト 20082 ケーラー・ループレヒト Koehler-Ruprecht (Pfalz) ワイナックスKallstadter ムスカテラー シュペートレーゼ トロッケン 20073 フォーレンヴェイダー Vollenweider (Mosel) ラシーヌリースリング Schimbock 20094 ケルペン Kerpen (Mosel) 八田Wehlener Sonnenuhr リースリング シュペートレーゼ 20025 トリアー慈善連合協会 Vereinigte Hospitien (Mosel) 日野屋Wehlener Sonnenuhr リースリング アウスレーゼ ゴールトカプセル 19926 ケーニッヒシャッフハウゼン葡萄生産者協同組合 Königschaffhausen (Baden) 日野屋Königschaffhauser Steingruble シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール) ヴァイスヘルプスト アイスワイン 1995今回も僕が中心となってワインを選びましたが、こうやってみるとかなりマニアックです。日本でも知名度があるのはホスピティエンくらいだしふつうのリースリングのトロッケンはないし半分は熟成した甘口ワインなので。それに赤ワインはないけれど最初と最後が赤の品種のピノ・ノワール(シュペートブルグンダー)というのも。といっても最初からマニアックにするつもりで考えていったのではなく、料理との相性や味わい(甘口、辛口)のバランスを考えて組み立てていったら結果的にこうなったのですが。日野屋さんに熟成した甘口がないか尋ねたところいくつか提示した中で5、6のワインを使うことにしたのです。ホスピティンのはおそらく甘みが抜けてきているので食事とあわせることを想定して、6のは熟成したシュペートブルグンダーのアイスワインを飲む機会はめったにないので面白いと思ったので使うことを決めました。2のムスカテラーMuskateller(マスカットと同種ですが同じではありません)もワイナックスで試飲した時にワイン自体の魅力に加えて和食と合わせることに関しても面白さがあって決めました。前菜の盛り合わせです。どれも凝っていてすばらしくて僕はこれらだけでずっとワインを飲んでいても十分なくらいです。なかでも巾着絞り(さつまいもか栗)の中にいもとカマンベールチーズのムースが入っているものがおいしくてワインにもあいました。和、洋という概念を超えていて感動しました。ロゼのゼクトは濃いめでしっかりした味わいでこういう食べ物との相性がよかったです。2本目のムスカテラ―ともやわらかい味わいとフルーティーさも合うものが多かったです。やわらかいけれどトロッケン(辛口)らしいしっかりした骨格があるので料理に負けていなくて良い絡みが生まれていました。3本目はモーゼル中域トラーベン・トラーバッハの造り手フォーレンヴェイダー(所属する団体クリッツクライネリングのことはこちら)です。日本ではまだあまり知られていないと思いますがゴーミヨでは4つ房の評価です。3本目はリストの中で最後に決めたのですが、今回のラインナップはやわらかい味わいのが多いので酸のあるきりっとした若めの辛口リースリングも入れたいと考えていました。でもそれないの値段のしっかしりとした質のものにしたいと思っていてこれを選んだのですが、一口飲んだらけっこう甘みを感じたので選んで失敗したと思いました。でも飲んでいると甘さはそんなに気にならなくて食事にもあっていて良かったです。苦みもあるから甘さ(残糖)が際立たないでトロッケンのような飲み口になっているのだと思いました。真鯛の刺身とは良くも悪くもないというかんじでしたが、あまだれのつくねの焼き鳥とはとてもよかったです。やわらかくて丸みがあるのは熟成しているからだと思われます。僕はこういうワインも好きです。筑前煮のあとは水炊きです。一人一鍋用意していただけます。奥にある白いのは鶏出汁のスープです。ラーメンでいうところの鶏白湯スープです(笑)。これには熟成して甘みが抜けてきている甘口のカビネットかシュペートレーゼがあうと思っていました。甘みという点ではファインヘルプでもあうのかなとも思いましたが熟成しての深みがより合うのかなと考えたのです。すごくあうというわけではありませんでしたが、狙い通りではありました。ワイン自体も奥に秘めたパワフルさがあっておいしいです。同じ畑のプリュムなどと比べてしまうと別物ですがここれはこれでよいです。落ち着いた味わいの甘いワインとしてもまだ飲めます。5本目は92のアウレーゼ。このくらい熟成したしかもゴールトカプセル(醸造所が同じ等級でもワンランク上のものにつけています)のアウスレーゼはトリんみできるのではと思うかもしれませんが、ヴィンテージと造り手から予想して、おそらく甘みとボリュームはそんなになくて甘口ワインとしてのとりの役目を果たすのには物足りないものだと予想していました。甘みがだいぶ抜けていているので食事とも合わせられると思ってこのタイミングでの抜擢としたのです。やはり甘みとゴージャスなボリューム感はありませんでしたが、良い熟成をしていることがわかるとても丸みのある飲み口で直接的ではない奥で感じる甘さも心地よかったです。熟成香(ペトロール香)は少ししかなくて飲みやすい(癖がないという意味だけではなくて)ワインでした。また、瓶によって感じる甘さが異なっていて参加者は熟成による個体差を経験できて喜んでいました。甘いほうは単体で飲んでおいしくて、僕が飲んだもう一方のは食事とあわせると抜群でそれぞれに良さがあったのが面白かったです。出汁巻玉子は甘口のほうがあうのはわかっていのたですが、4のシュペートレーゼだとワインが浮いていました。甘みが融合するのではなくワインの苦みが目立ってしまっていました。しかしアウスレーゼだと抜群にあいました。甘ければなんでもよいというわけではないというわかりやすい例となりました。料理との相性って本当に難しいというのがよくわかります。炊き込みご飯とみそ汁ともこのアウスレーゼはよかったです。お互いの余韻が邪魔せず心地よいまま相乗効果を得ていました。最後はアイスワインです。グラスに注いだものの写真を撮るべきでした。液体が茶色になっているのですが、これは赤から変化したのではなく、ほぼ白のものが熟成して色が濃くなったのです。まだ若々しくて凝縮したパワフルな甘みがありました。優秀な造り手ではなくしかもバーデンのアイスワインであってもこういう美味しいアイスワイン(極甘口ワイン)があるというのを提示できてよかったです。僕自身でもそれは新鮮な経験でした。ただ深さがまりなくて単体だと僕は物足りなく感じたのですが、フルーツの盛り合わせと一緒だと最高のマリアージュを生み出していました。甘みと酸味がうまい具合にからんでいたのです。というようにリストだけみると甘口に偏ってるように見られますが、最後のアイスワイン以外は食事と楽しめるワインということで効果を発揮したワインたちだったのです。甘みはあるけれど甘くはない、というのがポイントです。まあ他の国のワインを飲んでいる人にとっては充分「甘い」と感じるものばかりではありますが。マニアックすぎて不評だったらどうしようと不安になっていましたが、34人の参加者それぞれが色々な発見や喜びを得ていたのでホッとしました。同じように和食とワインをあわせた新年会の模様はこちらをどうぞ。甘みというテーマでは蕎麦屋でのもワイン会の模様も参考になるかと思います。
2013.04.25
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京都で食べたラーメン以外の食事について書きます。昼に桜を満喫した土曜の夜は、以前緑家さんと飲んだ時にご一緒した京都在住のDoniekさん夫妻に連絡をとり宴を開くこととなりました。場所は中心から北の松ヶ崎という住宅街にある日出鮓(鮨)さんです。ご主人がワインが好きだそうでワインリストも充実しているらしく(そして平均値より安いらしいです)、ワイン好きが集まるお鮨屋さんだそうです。訪れた時も僕らの他に三組お客さんがいらしたのですが全員ワインを飲んでいて不思議な光景でした。地元以外の方もたくさん訪れるその系統では有名なお店だそうです。まぐろの漬けでは赤ワインも使ったりとワインにあうようなものもあるのですが、ふつうの鮨もありました。もうこういうのだけで僕は幸せになります(食べ物だけというよりワインとあわせて食べる場合)。一番右も貝だそうですが(名前忘れました)食感が初体験でした。その後はにぎりをいただきました。何点食べたか覚えていませんが満足したのだけはたしかです。素材をそのままというよりはひとつひとつに仕事の跡がみられるものが多かったように感じました。噛みしめていただきました。今でも覚えている一番印象に残っているのはこのうにです。ぶれていてすみません。九州の天草産だそうですが、よく食べるようなお濃厚なものではなくさらっとした味わいで驚きでした。良質なものでこういう味わいがあることを知りませんでした。くせになりそうです。瀬戸のものはもっと美味だそうです。さて、飲んだのはこちらのワインです。いつもこういう会だと僕も数本は持っていくいのですが、長距離を運んでくるということと翌日を万全の体調でむかえたかったりということで1本しか持っていきませんでした。ということで自分の色は少なめで、与えられたものに身を委ねるというスタンスでした。最近飲むときはそういうことが少ないのでそういうスタンスも楽しみでした。新たな発見を得られる可能性が高い、などということがあるので。長々と書きますがワインレポートにはなっていないと思うのでご容赦ください。まずはDoniekさんの専門分野スパークリングを2本頂きました。Doniekさんの提供ワインは全てブラインドで注がれ試練を与えられました。まあ当たるはずがないので気楽に適当な事を言っていました。一本目(写真左から2本目)は、嫌な部分を感じないよくできるなーと思いました。それと同時に、高貴さ、エレガントさはあまりないとも思いました。これはシャンパンではなくカヴァでした。値段を考えれば充分満足できるものでした。カヴァにしては高いけれどシャンパンよりは安いのでお買い得なものだと思いました。僕はわざわざシャンパンを選ばなくてもこういうのもので充分です。でもシャンパン好きにはこだわりというかブランドに対する想いがあってこういうものには手を出さない人もいるのだろうなーと思いました。自分が、ドイツと他の国の同様の味わいのワインがあったらドイツよりの意見を言ってしまう、選んでしまう、というのと同じことなのかと。お次は2003年のシャンパンです。どよーんとした熟成感がありました。デコルジュシしてからさらに熟成してあきらかに変化しているスパークリングというのをあまり飲んだことがなかったので良い経験となりました。スティルワインの熟成とはまた違った変化もあるので興味深いです。はつらつというかんじではない味わいは食べ物とのからみがよかったです。続いては、Doniekさんが選ぶのを悩みぬいた末に持ってきたわかる人に飲んでもらいたいたかったというドイツワインです。ブラインドで飲んだ際、明らかに熟成したワインで、直感で絶対モーゼルではなくラインガウかと思ったのですがいろいろ考えていくとザール?なんてとも思ったのですがラインガウの20年熟成したシュペートレーゼでした。飲んだことがある味わいだったのですが、同じような熟成期間を経ていたこのグロエネシュタインの甘口を飲んだことがあったからです。でもこのKiedrichのWasserroseという畑のワインは初めて飲みました。グレーフェンベルクのまわりの一帯のようです。日本には現在この畑のワインは入っていないようです。おそらくそんなに良い畑ではなく地元向けの醸造所が所有してるみたいです。ヴァイルでは最近ではこの畑名ではアイスヴァインだけ造られているようです。メモをとっていないのではっきりとした味わいの説明を書くことはできませんが、甘みは前には出てくるほどではなく、かといって枯れてきてラインガウ特有のペトロール香はほとんどなくさすが銘醸と思えるワインでした。そして僕が1本に絞って持ってきたとっておき(の予定)のワインです。僕が大好きなペーター・ラウアーPeter Lauerのファインヘルプです。2010年に現地で醸造所を訪れた時にこのStirnは2009年と2007年を試飲させてもらったのですが、この区画のは寝かせたほうがおいしいと思って買った2007年産のものです。そしてそれから2、3年は寝かせたほうがよりおいしくなると思っていて、今がちょうどそのころだったのです。渾身の一本になるだろういうことと、甘みが少しあって熟成して酸もおだやかになってきているファインヘルプと寿司との相性が興味があってこのワインを持っていくことにしました。溶け込んでいる甘さと口の中に広がる心地よさが絶妙の具合でばっちりな飲み頃でした。上級なワインだという気品も感じられます。一同大絶賛でホッとしました。この少し甘みのあるリースリングの白ワイン2種と共に数々の鮨を食べていきました。ひとつひとつの記憶はないものがほとんどなのですが、熟成シュペートレーゼは悪くはないけどだいたいに合うといったかんじで、ラウアーのファインヘルプはいくつかばっちりと合うものがあった、というように記憶しています。どちらも白身との相性は抜群で特にラウアーがあっていました。また、あうワインに当たったことがないとDoniekさんが言っていた甘エビもこのファインヘルプはよかったです。万能というわけではないけれどファインヘルプと寿司との相性がかなり良いことがわかってよかったです。ただしほのかな甘みがあれば良いというわけではなくフレッシュで酸が強すぎるものはだめだしかといって酸が弱くても広がりなく奥に秘めるパワーがあまりないものだと物足りなく感じてしまうだろう、と思いました。といっても今回のようなワインは気軽に手に入れられるというわけではないのでお奨めとも言いづらいです。トロッケンではなくファインヘルプで上質なものでやわらかい味わいでなおかつ飲み頃のものというのはかなり限られてしまうので。最後にはお店の方に、頂き物という赤ワインを飲ませていただきました。ブルゴーニュっぽいのですが、北海道の余市の赤ワインです。ピノノワールとガメイを混ぜたパストゥグランをイメージしているそうです。ガメイではなくツヴァイという品種が使われています。いちごジャム、といったかんじなのですが安っぽさがなくて良くできたワインだなーと驚きました。日本凄いですね。ただ、うまくは説明できないのですがワインの味わいのベクトルがドイツワインとは全く違うので違和感があって魅了するというところに達する手前に壁を感じました。ビオだから、と一言ですませるのはナンセンスなのですが、味わいの向いている方向が異なるのにはそのことも関係しているとは思います。と三時間の濃い楽しい宴となりました。 翌日は事前にDoniekさんに京都の昼食でおすすめがないか訊いていて紹介していただいていた炭火と天ぷら割烹なかじんを訪れました。コースになっていて前菜、メイン、デザートそれぞれ何品かからの選択式です。前菜はたけのことホタルイカです。やわらかいタケノコがすごくおいしかったしコクのある木の芽醤油もおいしくてこの醤油をもっと味わいたいと思うほどでした。麦切りです。セモリナ粉と全粒粉によるものだそうです。計算された完璧な麺です。最初は塩で食べることを薦められるのですが、うすめの味付けのつゆで食べるよりは塩の方が麺のおいしさがわかると思いました。天ぷらも野菜がとてもおいしかったです。やはり天ぷらは塩ですね。ここのはウニ塩だそうです。待ち時間は長いですが、贅沢な(値段ではなく心の)ランチを求めているのであれば満足できます。野菜を筆頭とした素材のよさ、料理にも精魂がこめられているのがよくわかるお店でした。京都に来た感のある料理屋さんで紹介していただいたことを感謝しています。いつにもましてまとまりの内容ですみません。分けるほどでもないと思ったのでまとめて一気に書いてしまいました。
2013.04.23
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4月13日は京都に行きました。翌日名古屋に用があり、桜がまだ見られるだろうということでこの日は京都に行くことにしたのです。桜だけではなく他のこともしましたが。今回は写真中心です。まずは仁和寺です。ここに咲く御室桜は遅咲きなので例年より桜が咲くのが早かった今年でも間に合うと思ったからです。ここに訪れることが決定してから行くことに決めた近くのラーメン屋桃花春(ラーメンレポートはこちら)から歩いて向いました。この周辺は車は大渋滞でした散り始めていましたが写真よりは気にならかったです。もっさりしています。感動はあまりなかったですが御室桜、一度は観ておいてよかったと思いました。他の桜も少し咲いていました。お次は竜安寺です。仁和寺から歩いていける距離です。桜目当てというよりは世界遺産のこの寺自体に行ったことがなかったので訪れました。ということで有名な石庭です。庭も散歩しました。数カ所桜が咲いていましたが桜を楽しむというよりは庭園自体の雰囲気を楽しむところです。敷地内にある湯豆腐の店が気になっていたのですが、ラーメンを2杯食べていて夜は鮨を食べることになっていたのでおいしく食べられなくなったらということで断念したので次回に持ち越しです。この時点で3時だったのですが次の予定はいくつか選択肢があったのですが、枝垂桜が有名だという原谷苑に行くことにしました。行くのが大変だけれど満開の時にまた来られるチャンスがもうないかもしれないと思ったら今行っておいたほうがよいということで決めました。原谷苑は個人が所有している庭園で桜が咲いているこの時期だけ一般に開放しているそうです。原谷という丘の上にある辺鄙なエリアにあるのですが、乗用車での来苑は禁止されていてタクシーか市バスか徒歩でということになっているみたいです。金閣寺近くからマイクロバスでの送迎があるようなのですがそれは3時までということでもうないので歩いていくことにしました。仁和寺の裏から歩いていきました。覚悟はしていましたがかなり上りました。30分は歩いたでしょう。下っていく人を何人か見かけましたがこのルートで上って行く人はおそらくほとんどいないでしょう。そして無事到着しました。そこそこ見物客がいました。一番雰囲気がわかるのはこの写真かと。敷地はここに見える範囲の6倍くらいはありますが見所の中心といえるのはここかと思います。桜以外の花もたくさん咲いています。枝垂れ桜がたくさん咲いているのがわかるのはこの写真です。まさに咲き乱れるといったかんじでした。楽園という言葉がぴったりな場所でした。京都にいるというのを忘れてしまう別次元の空間でした。満開の時期に京都にいるのなら花好きの人は一度は行くことをおすすめします。行くのが大変なので時間に余裕がないと厳しいですが。帰りはちょうど市バスがあったのですがそれでも町の中心に戻るにはけっこう時間がかかりました。入苑料は満開の土日は1500円です。これを高いと思う人は来なくてもよいかと思います。花が好きな人ならこの額でも満足できるのではないでしょうか。人の価値観の問題です。僕は高くは思いませんでしたが。いい気持ちになったし維持費を考えればこの額でも妥当なのではと思いました。夜は20時から約束をしていてその前にどこかライトアップのところをと考えていたのですが、場所とこの時期でも楽しめるところということで二条城のライトアップに行きました。6時過ぎはまだ明るくて、一度京都駅のロッカーに預けていた荷物をとりにいって戻ってきたらすっかり暗くなっていました。完全に暗くなる前にいたかったのですが電車の接続が悪かったのです。あまり良い写真は撮れていなかったのでこれだけで。お堀のところから遠くのライトアップされている桜も写したものです。ライトアップ自体はよかったのですが、城の建物と一緒にみえるところでないところがほとんどでそれは期待はずれでした。城と桜の融合を楽しみにしていたので。出口の手前では京都の物産展をやっていました。世界遺産でなんだか不思議なかんじでした。丹山酒造のブースで面白そうな日本酒があって飲んだらおいしくてなおかつ面白いものだったので買ってしまいました。発泡しているもので今まで飲んだことがあった同じようなものよりおいしかったので買ってしまいました。さらに試飲させてもらったものも甘みがあってデザートワインみたいだったのでこれも。両方小さい瓶ですがまさか日本酒を買うことになるとは思ってもみませんでした。翌日には京都駅の伊勢丹で伏見のビールも3本買ってしまいました。京都町屋麦酒の伊勢丹限定のはやさしい味でおいしかったです。と酒の話になってしまいましたが今回の桜の時期の京都も楽しめました。昨年はソメイヨシノ中心だったので違う時期が楽しめてよかったです。
2013.04.22
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週末は西に遠征にしていました。メインの目的は日曜夕方の名古屋のコンサートだったのですが昼までは京都にいました。そんな2日間で食べたラーメンからまずは紹介します。土曜の昼の12時に京都について一軒目は吟醸らーめん久保田です。わりと京都駅から近いという事もあったここを選びました。ただ徒歩で行くに少し遠くてバスに2停留所分乗りました。つけめんが人気があるみたいですが連食するにはきついでラーメンと決めていて、しょうゆと味噌があってお腹もすいていたこともあって看板の味噌を選びました。京都っぽさはないのですがよくできたラーメンでした。スープは特別すごいとは思いませんでしたが中細で独特の食感の麺がよかったです。おそらく全粒粉だからでしょうか。 この日の目的のひとつが桜で仁和寺、龍安寺エリアに行くことにしていました。この近くに人気のラーメン屋があることを知ったのです。仁和寺よりもっと西の三宝寺の近くにある桃花春です。前日にそこに行くためのバスのルートをがっつりと調べたのでその選択肢から選んで久保田からバスを2回乗り継いで宇多野にあるこちらに到着しました。2時ごろに着いたと思うのですが、少し並んでいてなんと僕の後ろの二組目の3人がもう麺がないと帰ってもらっていました。危なかったです。ラーメンのためだけにここまで来たのですから。あまり事前情報は頭に入れないで食したのですが、あっさりしたしょうゆラーメンだと思っていたのですが京都ラーメンにカテゴリーされる系統でした。といっても味わいはわりとあっさりしてます。でも京都っぽさを感じるのです。見た目より濃くはないですが。そして薄切りのチャーシューが京都ラーメンっぽいです。これだけ肉が入っていても630円は嬉しいです。薄切りなので重量はたいしたことがないかもしれませんが薄くてたくさん入っている方が僕は好みです。京都ラーメンってチャーシューをスライスするマシーンがあるのも特徴的なポイントです。遠くからわざわざ来て感動を得るというわかりやすい美味しさではないのですが良いラーメンです。働いている人が醸し出しているアットホームで温かい雰囲気も含めて良いラーメン屋です。夜はワインを飲む約束をしていたのでこの日はこれで終了です。2日目は昼の12時から昼食を予約していたので、その前に食べるといったら京都駅から歩いて行ける朝からやっている二軒並んでいる第一旭か新福菜館です。秋には第一旭に行ったので今回は新福菜館に寄りました。僕が中3の時に京都で初めて食べたラーメンでずっと心に残っていたお店です。大人になってから食べたらそれほどの感動はなかったのですが思い入れのある店であることは変わりません。色が濃いのはしょうゆののせいで見た目よりは濃くなくてかなりあっさりしています。あっさりというよりは薄いといったほうがよいのかもしれません。なので昼や夜に食べると僕は物足りなく感じると思います。でも朝にはちょうどよいのです。そのことに今回気が付きました。麺の太さ、食感も僕の好みです。接客もすごくよいです。当然ホテルのような接客ではないけれど、店構えからのがさつさもなく好感の持てる接し方をしてくれます。大きい荷物を床に置こうとしたら新聞紙を持ってきてくれたりというのはどこでもできることではないですから。名古屋ではコンサートの後に一軒だけ寄りました。何軒か行きたいところがあったのですがいづれも日曜休みということで中村地区の鶏そば蒼に行きました。幹線道路から路地を入った飲み屋街の奥にあるカウンターだけの店主だけで営業している小さなお店です。鶏白湯ですがけっこうしっかりとした味わいです。でも重たいというニュアンスでもありませんでした。鶏からのスープだからでしょう。三河赤鶏を使っているそうですが、ただ濃いわけではなく深みのある味わいでした。名古屋ではおすすめできるラーメン屋です。というかんじですがざっと書いてみました。どれか一軒だけ挙げてと言われたら桃花春を選びます。
2013.04.15
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ドイツワインの表記について少し書きます。先週リースリングリングの試飲会に行ったのですが、ラシーヌのブースでクレメンス・ブッシュClemens-Buschのワインで気になったものがあったのでこれを題材にして話を進めていきます。ラシーヌの試飲のリストに書いてあったものを載せます。Riesling Marienburg Grosses Gewächs Fahrlay - Terassen 2009 ドイツワインの表記がわからない人だと何が何なのかわからないと思います。この醸造所のことを知っている人でないと正確な把握ができないと思います。ではまずひとめの話題。この表記には間違いがありました。試飲したらやわらかい味わいでトロッケンっぽくなかったのでラベルをみたらどこにもトロッケンと書いてありませんでした。他のワインにはトロッケンと書いてあるのでこのワインがトロッケンではないのは間違いがありません。リストにトロッケンと書いていないからそれで合っていると思う方もいるでしょう。違うのです。グローセス・ゲヴェックスはトロッケンの規定を満たしていないと名乗れないのです。よってトロッケンではないこのワインはグローセス・ゲヴェックスと表記するのは誤りです。このことを担当の人に指摘したのですが何のことを言っているのかさっぱりわからないといいったかんじで相手にされなかったのですが、北嶋さんが近くにいたので助け船を出してもらって、的外れなことを言っているのではないということはわかってくれたみたいです。このように販売する側でも表記のことを理解できない、というのがドイツワインの問題点です。わかりやすくするためにグローセス・ゲヴェックスという呼称は生まれたはずなのですが。では、グローセス・ゲヴェックスは名乗れないのに同じマーク(1とぶどうが書いてあるもの)がワインラベルの表記についてるのはなぜ?ということについて書きます。VDPではフランスワインでいうグラン・クリュに相当する畑をエアステ・ラーゲErste Lageと認定しています。このワインが造られているブンダーリッヒャー・マリエンベルクの畑も認定されています。グローセス・ゲヴェックスというのは醸造されたワインに対する格付けであり、使われている葡萄に対する制限がいくつかあります。ヘクタール辺りの収量や収穫糖度などです。ようはErste Lgeに指定されている畑の葡萄から造られて条件をクリアしているその醸造所の最上級クラスに位置する辛口ワインがグローセス・ゲヴェックスなのです。2012年からはトロッケン以外のエアステ・ラーゲからの上質なワインに対してはグローセ・ラーゲGrosse Lageという呼称が使えるようになりました。トロッケンではないけれどGG同様の上質のファインヘルプのワインはこの呼び名になります。ただしまだこの呼称はあまり定着しないように僕は感じています。エアステ・ラーゲからの畑のワインでは甘口ではカビネットからエアステラーゲ(以下EL)のマークを使うことが許されているのもわかりにくい部分です。このマークがついていてグローセスゲヴェックス(以下GG)と同じくらいの価格のワインであればGG同様の上質なその醸造所のトップクラスのワインであるという認識をすればよいと思います。ただしそれはグローセス・ゲヴェックスではない、ということなのです。なぜならGGはトロッケンしか名乗れないから、ということです。このことについては僕が講師として話をさせていただたいたファインヘルプのセミナーでもふれていまして、ブログでまとめた時にもこのことについては書きましたのであわせて読んでいただきたいです。その3の記事の中盤くらいです。この画像は2010年にドイツに行ったときのVDPモーゼルの試飲会で配られた冊子の中のブッシュの試飲リストです(2010年の新酒試飲会の時の記事、2012年の時の記事)。汚い字を晒す(酔っているので通常よりさらにひどくなってます)のは躊躇したのですが教材に適しているのがこれしかなかったので載せます。汚すぎてコメントが読めないのが功を奏しています(笑)。ぶどうのかおりがすごいってすごいコメントですよね。自分の記憶を呼び戻すためだからこれでよいのです。さて本題ですが、3と4はGGで、5はGGと書いていないことに注目ください。5はトロッケンではなくファインヘルプでGGクラスと同じ質のものということです。2番もトロッケンではなくファインヘルプなのですが、GGクラスの最上級の質ではないためELのマークは使用されていません。マリエンブルクの畑からのぶどうのみでもです。これでファインヘルプのELマークの位置付けがおわかりいただけれるかと思います。6、7は甘口です。先ほども書いたように甘口の場合のELのマークはエアステ・ラーゲに認定されている畑からの、という意味合いが強いです。最近の傾向としてはカビネットやシュペートレーゼといったプレディカーツヴァインの等級は甘口のみにつけられていて、トロッケンとファインヘルプには等級はつけない(よってQbA表記)という醸造所が多く、トロッケンと書いてなくて等級が記してないものに関しては甘口ではなく辛口の系統に入るファインヘルプと認識してよいと思います。こういうふうに並んでいればわかりやすいのですが、単独でそのワインが置いてあったりリストに載っていると判断しにくいのですが、アルコール度数が高ければ(12パーセント以上くらい)甘口ではないのではという判断材料にはなります。そして二つ目です。もう一度先のワインリストの表記をのせます。Riesling Marienburg (Grosses Gewächs)→Grosse Lage Fahrlay - Terassen 2009 この表記からは、ぶどう品種はリースリング、エアステ・ラーゲに認定されているマリエンベルクの畑の中の区画ファーライの中にあるテラッセンと名付けた(青色シーファーで全て自根の樹が植えられている特別な)エリアからのぶどうによる、トロッケンではないファインヘルプの最上級の質の2009年産のワイン、ということです。かっこでくくってあるテラッセンがどういう畑かということについては知らないとわからないことですが、その他はこの表記から読み取れることです。ただし最初に書いたようにある程度この醸造所に対する知識がないとここまで理解できないかもしれないのです。僕がこのワインをワイン会などで使うとしたら、他のワインと共通した表記にしてなおかつリストからワインのことを読み取れるようなものにするとしたら以下のように書きます。Riesling Pündericher Marienburg Fahrlay - Terassen Grosse Lage (feinherb) 2009まず、醸造所が希望している表記には村名が書いていないという事です。ブッシュを知らなければどこの村の畑からのワインかわかりません(畑名の前にerがつく地名が村名です)。まあドイツ以外の国のワイン好きの人はどのエリアの畑ということにさほど重要性は感じないと思うのですがドイツ好きにとっては知っておきたいことなのです。しかし最近のラベルの表記ではこの村名を書いていないものが多くなっています。ゴーミヨなど全ての醸造所に対して共通な書き方をしているところでは村名はのせていても、ワインラベルや醸造所ののパンフレットには畑名しか書いていない醸造所が多いのです(ワインの裏ラベルには村名からの表記がしていあるところもあります)。 ひとつの醸造所が所持する畑は限られているわけで、畑名だけを書けば村名を書かなくても区別ができるということと村名まで書くとワイン名が長すぎるということからのドイツワインに対する抵抗感をなくすためという思惑があるからだと思われます。特にファルツではこの傾向が強い気がします。ファルツのVDPはこの手法を推進しているのでしょう。その流れが現在は他の地域にも拡がっているようです。グローセス・ゲヴェックスのように畑にスポットライトがあたっているワインの場合、商品名として畑名だけが短くドンと大きく書いてあるほうが見栄えがよいのです。ただ、マルクス・モリトールのようにヴェーレナー・ゾンネンウーア、ツェルティンガー・ゾンネンウーアといった村が違う同じ畑名の畑を所持している醸造所だけは畑名だけの表記は使えません。そういうところはかなり少ないでしょうが。ということでこのワインには畑名のマリエンベルクMarienburgだけがラベルには表示されています。そして次の問題なのですが、僕ならマリエンベルクの中のファーライという区画なのだから並べて表示するべきと思うのですが、そうはなっていないのです。醸造所の見解では、表示義務があるもの、畑(マリエンベルク)、等級(このワインはELですがGGならここに書かれます)と記してからその次に商品名としてFahrlay - Terassen、ということなのだろうと想像しています。ワイン法として決められた区画ではなく造り手側からつけられたものだからこういう順序なのだと思います。この醸造所はこの区画の違いで差別化しているので商品名としての価値があるのです。ちなみに画像2番のワインのvon roten schiefer(赤色粘板岩から)というのも商品名です。ただ商品名ということはわかっても区画違いという事はわからないから畑のエリアの間に等級(呼称)があることに僕は違和感があるのですが、商品名で区別されていることがわかればそれで良いという考え方もあるのでしょう。というようにわかりやすさのために産み出された表記がわかりにくさも生み出しています。でもそのデメリットよりメリットの方が大きいからその方法をとっているという事は間違いないでしょう。ただしドイツワインのラベルを理解するためにはある程度の知識が必要です。そういう部分について知ってもらいたいということで今回書きました。といってもある程度わかってくるとドイツワインのラベルってそこまで難しくはないのです。とてもわかりやすくワインの説明が書いてあります。その中でたまにわかりにくい部分があるのでそういうことについては解説が必要、ということなのです。わかりやすく解説したつもりなのですが、長くなってしまったので逆にわかりにくくなっていたらすみません。今回の記事の内容には推測で書いている部分もありますので、間違っている部分があればご指摘いただければ幸いです。
2013.04.11
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今年は桜は例年よりはあまり堪能はしませんですがそれなりに楽しみました。日曜は雑司ヶ谷でラーメンを食べてから都電に乗って神田川の面影橋(早稲田の手前)へ行きました。まあここは地元の範囲といえます。自転車でもわりと容易に来られるところです。せっかく写真を撮ったのでブログに載せることにしました。 目黒川とかより横幅が狭く僕はこういうかんじのほうが好みです。 下に垂れているのがいいですよね。 都電が通る高戸橋、明治通りと新目白通りの交差点のところです。 電車が来る時を待ち構えて撮りました。うーんラッピングが。タイミングは最高なのですが。これも微妙です。道路を渡るときに信号で止まるのでその時に。やはりこの色が一番馴染みますね。 同じ神田川ですが、だいぶ上流の下落合から小滝橋(早稲田通り)付近です。この近辺ももたくさん咲いていてこの川沿いを歩くと気持ちが良いです。面影橋付近より人も少ないですし地元の人が知るおすすめスポットといったところです。 早稲田通りの橋からです。ここが僕は一番好きなのです。地元という事もありますがここには毎年足を運ぶというくらい好きです。夜にも来ました。同じアングルです。夜の方が雰囲気があって好きなのですが、写真にすると伝わりにくいです。 違う橋からですがこれはわりとよく撮れたほうです。いつもと違って何かを伝えるとかではなくただ載せただけで終了します。ですがあまり書く機会がないことを書こうと思いました。昨年楽天のブログの仕様がいろいろと変わりました。その中で一番困ったのはメッセージ機能です。個人とのやりとりができたのですがこの機能がなくなってしまいました。なのでこのブログをみて気になって僕に連絡をとるという手段がなくなってしまったのです。コメントに書き込むのでは連絡先が書けないので踏み込んだ話ができずその先に進むことができないのです。相談などがあって連絡する方もいたのでもいたのでメッセージ機能は重宝していたのですが。面識のある人の多くはフェースブックでも友達になっているのでそちらでやりとりをすれば問題ないのですが、まだ面識のない人の場合はこのブログ上の方法でやりとりをしたかったのですができなくなってしまいました。別の方法があるか少し考えたのですが的確な解決策は浮かびませんでした。不特定の方にみていただくことを前提としているのでこのブログはいちおう匿名ということにしておきたいので(立場をあきらかにしているので僕にたどり着くことはけっこう容易ですが)、名前を公表してフェースブックで連絡してください、ともしたくないのです。という中で僕に連絡をとる手段を考えてみました。まわりにドイツワインに携わっている人がいるならその方に訊けば僕のことを知っている可能性は高いです。その方に連絡先、もしくは連絡をとる手段を訊いてください。東京ドイツワイン協会に関わったことがある人ならば確実に僕のことは知っています。もうひとつは、そちらのHP、ブログ、ツイッターネーム、などをコメントに残していただくことです。それらに連絡手段があればそれを使ってこちらから連絡します。コメントを残してほしくない場合はその旨も書いていただければ僕が読んだら削除します。とどちらも誰もがあてはまる解決手段ではないのですがまあしょうがないです。他にも方法はありそれは確実に僕とコンタクトがとれるのですが、ここでおおっぴらに書くのはあまりよくないことなので書けません。ドイツワインに興味を持っている方にはできるだけ力になりたいと思っていますので、用がある方はお手数ですが上記の方法などを使って僕とコンタクトをとっていただければと思います。桜よりこちらのほうが文が長くなってしまいました。
2013.03.28
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前回はヴィルティンゲンの畑を歩いたことを書きましたが、クップ、ヘーレの畑を横断するとカンツェマー アルテンベルクの畑にたどり着きます。この写真もお気に入りです。まずは写真を交えての説明による前回の補足からです。写真右奥の部分は4つの畑名にわかれています。グレーのところは車道なのですがこの右側がブラウネ クップで車道を隔てた左側に3つの小さい畑が連なっています。車道と並行して上のところに整備された歩道があってそこをずっと歩いていきました。そして途中で下に降りて車道を渡って左のほうカンツェム方面へ進んでいったのでした。奥の正面を向いている斜面は南向きなので日当たりがよいです。なので著名な醸造所がこれらの畑を所有しているというのも理解できるかと思います。シャルホーフベルクの畑も同じ向きです。ヴィルティンゲンの連なる畑の一番端の部分の先は茂みになっていてその先にカンツェマー アルテンベルクの畑があります。ここは丘の一番上、木と茂みの境目のところを歩いていきました。そして僕の大好きなワインが多く生まれる畑カンツェマー アルテンベルクKanzemer Altenbergです。かなりの急斜面なのがおわかりいただけるかと思います。畑の下に建物などがなくひたすら畑が広がっているのは僕が大好きな畑ブラウネベルガー ・ユッファー(ゾンネンウーアを含む)と共通していてます。畑の中に道があるので下に降りていきました。斜面のすぐ下に線路があるのですがその先に見える建物はフォン・オテグラーフェンVon Othegraven醸造所の一部です。この畑は19ヘクタールの広さでいくつかの醸造所がこの畑を所有していますが、代表的な造り手がオテグラーフェンです。辛口にも甘口にもすばらしいワインがあります。急斜面な部分ももちろん所有していて、そこには古樹も植えられていてその部分からのワインには同じ等級でもAlte Rebenとして別でリリースされていてこちらのほうが質が上とされています。線路を越えてから村の方向へ歩いていきました。この左側にオテグラーフェンの醸造所があります。この畑はシャルツホーフベルクやヴィルティンゲンの畑と違い赤みを帯びた茶色系のシーファーが多く見られました。ロートシファー(赤色粘板岩)は鉄分を含んでいてそのから生まれるぶどうからは果実みののった味わいのワインができます。アルテンベルクの畑からは急斜面ということも加わって直線的なフルーティさと力強さを併せ持つワインが多く、こういった味わいが近くの畑からのワインと異なるというのは土壌の違いもあるということを目で見て感じとれたのでした。下へ降りる途中、丘の中腹くらいに切り立っているところがあってシーファーがたくさんでテンションがあがりました。急斜面のぶどう畑が続く同じような風景のところを歩いていくとカンツェムの駅に着きます。畑の真下すぐのところに駅があるのは新鮮です。ふだん駅を利用している人は何とも思わないでしょうが。駅のところには橋があり背中側はカンツェムKanzemの村です。観光地ではなくふつうの住宅地の小さな集落です。日本でネットで調べたらここに良さそうなレストランがあり昼もやっているとのことでしたが開いていませんでした。まだオフシーズンではなく9月だったのですが。というか平日の昼間、この村にはほとんど人が歩いていませんでした。と最後のしめのおいしい食事とワインという目的は果たせませんでしたが、畑を散歩しただけで充実した数時間となりました。モーゼルやラインガウの銘醸畑のほとんどは近くで見ていますが、シャルツホーフベルクとカンツェマー・アルテンベルクだけだったら畑を観察する、知るという意味あいで他の場所で見た時と同じような感覚だったのですが、ヴィルティンゲンの畑を歩いたことがとても良かったです。景色がよくて歩いていてものすごく気持ちよかったのです。ドイツに行ったらまたこういうハイキングをしたいです。著名な畑でなおかつ景色がよいところを歩くことを今のうちから考えておきます。モーゼル中域の畑はけっこう訪れているのでもう少し下流で良いところがあるか探してみます。最も急斜面ということで有名なブレマー・カルモントだとベタすぎると思ってしまいますが。
2013.03.26
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他のことを書いていたので間が開いてしまいましたがヴィルティンゲンWiltingenからカンツェムKanzemまで畑沿いを散歩した時の続きです。前回はシャルツホーフベルクの畑を歩いた時のことを書きました。横に長いシャルツホーフベルクの中間くらいエゴン・ミュラーの醸造所付近から折り返してヴィルティンゲンの村の方面に戻ってきて、そこからザール川の下流側トリアー方面に少し下ったカンツェムの村まで歩くというルートです。このまわりの雰囲気を感じてもらえればという想いで書くので土壌の性質の違いなど学術的なことはほとんど書きません。シャルホーフベルクの丘の上のほうから裏をまわってショートカットをしたらヴィルティンゲンの村が真下にある地点に着きました。この写真の右の見切れたところをまわって画像右から左端に連なっている斜面の中腹を歩いていきました。左に少しだけ見切れている斜面の畑がカンツェマー・アルテンベルクです。正確に覚えてはいないのですがここから1時間半くらいは歩いてカンツェムに着いたかと思います。このブログを書くに当たって畑名を確認しようと思ったのですが、ドイツに向かう前の準備の段階で見つけた畑名の書いてある地図が載っていたサイトがなくなっていて、同じようなサイトを必至に探していたらとてもよいサイトにたどり着きました。Weinlagen-info(こちら)です。畑を指定するとその地域の地図が表れてその畑の範囲に色がつきます。その畑の代表的な造り手や土壌の性質、Erste Lageかどうかなども表示されるので利用価値はありそうです。ただ、最新の情報ではないと思うのであくまで参考程度に利用していただければと思います。もしかしたらマニアの間では有名なサイトなのかもしれませんが僕はワイン関係のネットサイトは疎いので全く知りませんでした。Wiltingenで検索したらその周辺の畑が全て表示されてカーソルを持っていくとその畑名がわかります。興味のある方はSuchbegiff(検索)でWiltingenと入力し左に表示された畑名ではなく村名のWiltingenをクリックしてください。そうするとヴィルティンゲンの全ての畑に色がつきカーソルを移動するとその畑名がわかります。この画面を見ながらこの記事を読むとなんとなく畑の位置関係と立地などの雰囲気がつかめるかと思います。braunfelsは上の写真を撮っている背中側に細長く広がっていてシャルツホーフベルクの畑につながっていきます。また、画像の真ん中より少し左の箇所が奥まっているのがなんとなくわかるかと思いますが、このまわりは手前の畑より区画の範囲が狭くそして細かく分類されています。エゴン・ミュラーの別名義であるレ・ガレが所有しているヴィルティンガー ブラウネ クップWiltinger braune kuppもシャルツホーフとヴィルティンゲンの村から離れたここにあります(今は彼らの単独所有のようです)。あとはゴッテスフース、クップ、ヘーレなどがあります。これらの畑はVan Volxemを気にするように初めて知った畑名が多いです。フォルクセンはヴィルティンゲンの畑を中心に買い取っていったので彼らはいくつかの畑を所有しています。最初の写真の場所から少し歩くと四方を見渡せる見晴らしのよいところに出るのですが、そこにこんなものがありました。それぞれに畑名と距離が書いてあってその指す方向と距離にその畑があるということです。わかりやすそうですが、その場で見てもどこがどれなのかいまいちつかめませんでした。 ヴィルティンゲンの村からこの斜面沿いに進んでいきこぼんでいる部分から丘を越えてコンツKonzへ向かうルートはハイキングルートになっているようです。実際にその時も歩いている人も見かけました。丘の中腹に整備されている道が続いています(ハインキングする人のためだけでなく作業用の機械も通ると思います)。見晴らしのよいところにはベンチもありました。僕はKonzへは抜けないで途中ブラウネクップのところでぶどう畑の中を斜面を下に降りて車道を超えて(けっこう交通量があって注意が必要です)、その先の丘の上をKanzemまで進みました。ブラウネクップは遠くから見るよりも斜面がかあんり急で少し降りるのも大変でした。ここらへんは事前に調べておいたほうがよいので誰にでもおすすできるルートではありません。ヴィルティンゲンの村の上のほうに登ってあたりを見渡すだけでも十分だと思います。最初の写真の右の手前のぼこっとなっているところです。ここらへん一体はクロスターベルクでけっこう範囲が広いです。おそらく修道院(Kloster)が所有していた畑なのでその名がついてるのでしょうが十字架が飾ってあります。たしか手前のゴツゴツしているところは見晴らし台になっていてここに登れたと思います。十字架の下を超えて進んでから歩いた道のほうすなわちヴィルティンゲンの村方面を撮ったものです。斜面の真ん中のところに道があるのがわかるかと思います。その一番左のところには日時計があります。おそらくここを歩いた人でないとここに日時計があるのは知らないでしょう。こういうふうに道の部分は段になっています。 Kuppのあたりから撮っていると思われます。同じような場所からの違うアングルです。急斜面なのがおわかりいただけるでしょう。高い斜面が終わった低めのところからがゴッテスフースGottesfussだと思われます。この写真はこの記事で載せた中では僕は一番好きです。もう少し歩いたところから撮ったものです。狭い区画で畑名が分かれているこの周辺が、畑の向き(太陽への方向ということで)や斜面の角度などがそれぞれ全く異なるのがこの写真でおわかりいただけるかと思います。地図を見てわかったのですが、ザール川はヴィルティンゲンの上流のションデンのところで2つに分かれていて大きく弧を描いているほうが僕が歩いて行った下を流れています。そしてこの川はまたカンツェムの村の先で再び合流します。ヴィルティンゲン編はここで終了です。何キロもただぶどう畑を歩いているだけで飽きないの?と思う方もいるでしょうが飽きないのです。すごく楽しかったです。ワインを飲んでないのにこんなにテンションが高い自分が面白かったです。ワイン好きは度を超えるとワインを飲まなくても楽しめるのだなーと。ぶどうに囲まれて幸せでいっぱいでした。なぜ?と訊かれても困りますが。この散歩編はあともう一回続きます。
2013.03.24
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では続きです。まずはもう一度ワインリストを載せます。前回も書きましたが飲んだ順番に並べているわけではありません。Querbach クヴェアバッハ (Rheingau)Östricher Lenchen "No.1" trocken 2006 Östricher Doosberg trocken 2008Markus Molitor マルクス・モリトール (Mosel)Graacher Domprobst Spätlese trocken 2011 Graacher Himmelreich Spätlese feinherb 2011 von Winning フォン・ヴィニング (Pfalz)Deidesheimer Langenmorgen Grosses Gewächs trocken 2011 Georg Breuer ゲオルク・ブロイヤー (Rheingau)Auslese 2008 Karl Erbes カール・エルベス (Mosel)Ürziger Würzgarten Auslese* 2010 食事が終わった後は甘口ワインです。今回はアウスレーゼを2種用意しました。しっかりと食事と辛口ワインを堪能した後なので、シュペートレーゼだと物足りなくて極甘口だと重たすぎるので、重たすぎない甘みのと糖度が高いけれど酸がしっかりあるヴィンテージの若いピチピチしているアウスレーゼを用意しました。リューデスハイムのブロイヤーは辛口の名手とされていますがアウスレーゼ以上の甘口ワインもリリースしています。今回出した畑名なしの他に畑名のついた価格が倍以上のゴールトカプセルのアウスレーゼと年によってはべーレンアウスレーゼも作られています。畑名のないアウスレーゼは16ユーロとトップグループの醸造所にしては安価な価格帯で質もそれなりなので僕はブロイヤーのこのアウスレーゼはけっこう好きです。直線的な甘みはそんなに強くは感じないのですが凝縮感があり重心が低いです。収量を減らしているブドウだからこそのクリーンさがありました。ただ畑は混ざっていると思うのでそれほどピュアではまったりとしています。このワインはすっきりめの甘口なのでドイツ以外が好きな人にも受け入れられるのではと思いました。リューデスハイムのブロイヤーのショップでは2009を試飲したのですが、前に飲んだ2008のほうがバランスが良いと思ったので数本残っていた2008のほうを買いました。カール・エルベスはこのブログで何度か登場している僕の好きな造り手です。質だけではなく、考え方、値段、この家族の人柄などぉ含めて大好きな造り手です。昨年訪問した時のことはまだ書いていませんが2010年の時のレポートはこちらです。このワインは昨年醸造所を訪問した時に購入したのですが、試飲はできなかったけれど2010年の何種類かあるアウスレーゼの中で一番気になったので購入しました。2010年はモーゼルは特に酸の強い年なのでここのアウスレーゼがどういうふうになっているのかが興味があったのです。酸を含んだオレンジやグレープフルーツのような柑橘系のジューシーさがあり非常にパワフルで他の年とは違う2010年というのを感じられました。残糖がかなり高いのでこの強烈なジューシーさがあっても甘口アウスレーゼとして成り立っていました。同じような酸のアウスレーゼでもベルンカステル近辺の他の畑だと酸が目立ってしまうのではと思いました。そして造り手の醸造の仕方も関係すると思います。甘口を長年造っているからこそこういうワインが造れるのだと思いました。このワインは今すごくバランスが良いと感じました。そして、どう変化してそれがどのくらいの時間でなのかが予想しづらいです。おそらく通常より長い時間をかけて変化していくのだと思います。まずは10年後くらいが面白いかもしれません。といってももう一本所持してのはおそらく我慢できなくて5年以内に飲んでしまうと思われますが。この会ではデザートはなかったのですが、この2つのアウスレーゼで充分デザート替わりとなりました。気分転換と締めという2つの役割をちゃんと担っていたので。ということで終了しましたが我ながらトータルバランスもよくて満足いくものになったなと終わってから思いました。参加者からも好評価をいただきました。僕が気にいって購入したものなので僕の好みの味わいなのですが、きれいな味筋でその中にぎゅっとつまったものを感じるというタイプがアウスレーゼまで見事に似ていて笑ってしまいました。まあその中でヴィンテージや畑、醸造所の個性を感じとれたと思うので全くバラバラよりはわかりやすかったのではと思っております。今回はドイツワインが一番好き、というのではない方も数人参加されていました。そういう方たちの感想が新鮮で面白かったです。ひとつひとつのワインに驚きや喜びを表していたのも嬉しかったです。最後にアウスレーゼを除いた辛口系の中でどのワインが良かったのかを挙手してもらいましたが、ドイツワイン中心で飲んでいる方とそうでない方ではっきりと分かれたのが面白かったです。ドイツ好きはモリトールのファインヘルプが一番人気で、他の方はドーズベルクとヴィニングのGGが良かったとのことでした。そこで思ったのは、好みの円が少し異なるのでドイツ以外のを飲んでいる方にも気にいってもらう(購入してもらう)ワインを選ぶ場合にはそのことを意識しなければならない、ということでした。ドイツらしさを知ってもらうにせよ自分(ドイツワイン好き)の好みを押し付けるだけではだめだなーと思いました。自分が良いと思ったから好きになってもらえるというわけではないということは認識すべきだと思いました。もちろん、ドイツのワインにしかない魅力を感じられるワインはあってそういう部分を知ってもらいたいと思って勧めることは必要なのですが、そのこととと好みを押し付けるのは違うことなのです。何が違うのかを説明するのは大変だし長くなるので今は省きますが、今回の会でいうと辛口系の場合は重心の低く複雑みがあるほうが好まれる傾向がありました。辛口の場合は特に好みというのは重要だと思っていて、ふだんから飲まれているワインがスタンダートにあるわけでその系統でありなおかつドイツにしか存在しない魅力もないと興味を持ってくれないのかなーと思っています。ファインヘルプや甘口など全くの唯一無二の味わいのほうがひっかりやすさはあるのかもとも。だからファインヘルプを勧めるべき、ということではなく辛口の場合には策を練る必要がある、ということです。酸があるワインが好きなどとドイツワインと共通点があるワインが好みの方のほうが範囲は広くなるとは思います。僕がドイツ中心飲んでいるからわざわざそういうことを考えたわけでふだんから他の国も飲んでいるドイツワイン好きの方は意あらためて意識しなくてもわかりきっていることかもしれませんが。ドイツにしかない部分ということだと、アウスレーゼを今まで敬遠していた方が今回の2種を飲んでアウスレーゼももっと飲んでみたくなったと言っていました。酸が強かったりと甘さだけが前面に出てくるタイプではなかったからだと思います。先入観で敬遠している人にはいくら魅力を語っても意味がなくて良いものを飲ませて知ってもらうべきということも思いました。好きになってもらえるかは別として、ドイツの幅の広さを知ってもらうことがドイツワインを広める上では重要なことなのです。ワインがおいしかったというだけではなく収穫もあった会となりました。機会があったらまたこういう会はやりたいと考えています。東京ドイツワイン協会では多くの人が参加するのでたくさんの人の好みを考慮したバランスが重要になりますが、個人企画だとバランスは気にしなくてよいので違った側面でアプローチをすることもできるからです。色々な場を使ってドイツワインの魅力をたくさんの人にもっと知ってもらえるようにこれからもがんばります。ドイツワインのことを知らない人というだけではなく、ドイツワインが好きな人にももっと深く魅力を知ってもらう、ということも含めてです。
2013.03.22
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週末に僕が企画したワイン会をやりました。昨年9月にドイツに行った時に醸造所で購入したワインが中心です。こういう大人数を集めた会を想定して多くの人に飲んでほしいと思ったものは複数本購入していました。11月にはファインヘルプと甘口のワインを中心に会を開きましたがその第二弾です(前回の様子前編、後編)。今回はリースリングの辛口を中心に組みまして、ワインを試飲するだけではなく食事とあわせるとワインの魅力がよりわかると思いドイツを中心としたヨーロッパ料理の永田町のビッテさんでやらせていだきました。ワインの感想と料理について少し書いていきます。Querbach クヴェアバッハ (Rheingau)Östricher Lenchen "No.1" trocken 2006 Östricher Doosberg trocken 2008Markus Molitor マルクス・モリトール (Mosel)Graacher Domprobst Spätlese trocken 2011 Graacher Himmelreich Spätlese feinherb 2011 von Winning フォン・ヴィニング (Pfalz)Deidesheimer Langenmorgen Grosses Gewächs trocken 2011 Karl Erbes カール・エルベス (Mosel)Ürziger Würzgarten Auslese* 2010 Georg Breuer ゲオルク・ブロイヤー (Rheingau)Auslese 2008 写真の順番でリストを書きましたが提供した順番は異なります。ぶどう品種は全てリースリングです。Doosbergとアウスレーゼ2種は一本ずつの提供で他は2本ずつ用意したので比較をしたり提供した時の料理以外ともあわせられるようにしました。1本目は僕が今ラインガウで最も気になっている醸造所クヴェアバッハのレンヒェンの畑からのトップキュヴェです。どういう醸造所か知りたい方はクヴェアバッハ醸造所を訪れた時のことをごらんください。うすめだけどジューシーでレモン汁のようなニュアンスがじわっとやってきます。もっと若いとそのかんいが際立ってしまってバランスが悪いような気がして、じわっとくるけれど酸を直接強く感じるわけではないので年月が経過してとてもよいバランスになってきていると感じました。このワインはフレッシュな食べ物とあうと醸造所で試飲した時に思ったので最初に持ってきて、盛合わせの中には野菜とニシンの酢漬けを入れてもらいました。魚にあうと思っていたのですが酢漬けの酸っぱさとはちょっとあわなかったです。野菜とは相性がよかったですが、フレンチドレッシングとかよりもまったりとしたドレッシングや味付けのほうがこのワインにはあうと思いました。酸が強めのワインと食べ物でも、すっぱさの質が違えばあうと思うのですが、このワインだと似たような系統の食べ物だとあわないのです。2本目はモリトールのトロッケンです。モリトールの2種類とも醸造所の新酒試飲会で気にいって購入したものです(マルクス・モリトールを訪れた時のこと)。一言でいえばうすウマ系でした。ガツンとこないけれど丸みを帯びた中にうまみが詰まっています。モーゼルのトロッケンぽくないやわらかさがあります。2011年産だから酸が少なくてそういう味わい、と片付けてしまうのではなく土壌からのミネラル感などのさまざまな要素と熟したぶどうからの果汁による部分も加味して考えたほうがよいと思います。VDPモーゼルの新酒試飲会の記事の時にも書きましたが2011年産のグラーヒのトロッケンとファインヘルプは僕が好みなのですが、おだやかな酸とこの土地の土壌による複雑みが2011年産はうまくマッチしたのだと考えています。ベルンカステルやヴェーレンの2011年の辛口系はあまりパッとしなくてこの土地だけバランスがよいと僕は感じています。次はクヴェアバッハのドーズベルクの畑からのトップキュベです。前年まではエアステス・ゲヴェックスとしてリリースされていたものです。レンヒェンのより骨格がしっかりしていました。複雑さをより感じるのと重心が低目なのは土壌の要素によるものだと思います。どういう性質の土壌でどう違うかは今ははっきりと述べられません。すみません。土壌の性質により味わいが軽めのレンヒェンのほうが僕は好きなのですが、ドーズベルクのほうが価格は高く格上となっていることはそれ相応だとこの2つのワインを飲むと思います。今の開き方が心地よくて飲みごろではないかという声が何人かから上がっていました。このワインは生粋のドイツワイン好きでない方のほうが好印象をもたれていたのも興味深かったです。4本目は評価急上昇中で僕も2010年に訪れた時に気に入った、名門が集まるファルツワイン街道のダイデスハイムの醸造所フォン・ヴィニングです(フォン・ヴィニングを訪れた時のこと)。今回使用したワインはGGの試飲会で気に入ったものでその後にワインショップで購入しました。ファルツの中でも醸造所のくくりではフォン・ヴィンニングが一番好印象でした。6種類出ていてほどんどが好印象だったのですが、今飲んでも魅力がわかってもらえると思ったのがLangenmorgenの畑からのGGでした。ボリュームがあって横に広がるかんじが、今までのもっと北の地域のクリーンな味わいの3本とあきらかに味わいが異なっていたので参加者にもその違いを感じてもらえてよかったです。華やかに開くかんじではないけれど、ふくよかでそれでいてどっしりとしていたのでファルツのグローセス・ケヴェックス(辛口の最上級クラス)がどういったものなのかをなんとなく理解していただけたかと思います。典型的でなおかつ質は平均より上で見本には適してこれを選んでよかったです。また、おそらくこのワインはあと数年経過しても劇的な変化は起きないと思うので充分おいしい今の味筋であるこの数年に飲んでしまって大丈夫だと思いました。5本目はトロッケンではなく中甘口のファインヘルプです(ファインヘルプについては前の記事でみっちり書いています)。モリトールのトロッケンと同じグラーヒの村ですが畑が異なりこちらはヒンメルライヒです。完熟したぶどうからであろうジューシーな甘みが心地よく、やわらかい味わいのファインヘルプです。ファインヘルプの中では甘みを強く感じるほうだと思いますが凝縮感がありバランスが保たれているので甘みを邪魔だとは感じません。前菜盛り合わせのあとは、季節が到来した白アスパラのボイルしたものがカットされて入っているクリームスープ、その後はソーセージの盛り合わせでした。このスープは比較的どのリースリングともあうとは思いますが、やさしい味のこのス―プには特にとがっていないモリトールのトロッケンとの相性がばっちりでした。ソーセージもあわないものを探す方が早いのですがGGとも悪くないです。今回の料理とだけでの感想ですがクヴェアバッハのドーズベルクは比較的万能だという印象をうけました。メインにはハンガリーのマルガリッツァ豚のグリルを出していただきました。おそらく2種類の部位がありました。僕が指定したわけではないのですがこの品を出していただいたオーナーシェフの日見さんには感謝しています。イベリコ豚と同系統みたいですが、少し異なるのはわかりました。肉本来のうまみを食べているかんじで、嚙んで味が伝わってくるし満足感という意味での食べごたえを食べていて感じます。これにはGGよりもファインヘルプのほうが合いました。肉のうまみとワインの甘みがちょうどよく合ったのでしょう。食事とGGとの相性を試してみてGGは食事にあわせにくいと参加者が言っていて、今までもそのことは僕のまわりでも何度か話題にのぼったことがあります。GGはワインだけで完成されていて質がよければよいほど孤高の存在になって他を受け付けなるようなものが多い、という印象を持っています。今回出したのは比較的地味なタイプではありますがそれでも食事とあわせるのは難しいのです。熟成して酸がおだやかになってまろやかな味わいになってくるとあわせやすくなるGGもあるとは思うのですが。カビネット・トロッケンのクラスのほう比較的万能で気楽な食事の時には適しているのかもしれません。今回のGG以外の辛口もワイン単体で味わうなら申し分ないけれど、抜群に相性のよい料理を探すのにはなかなか難しいタイプだと思いました。ワインが主役の食事の席であれば今回のようにある程度あいそうだという想定はできるのですが、食事をひきたてるのであれば、グーツよりは上でトップよりは下のカビネットクラス(等級をつけていない醸造所ではラインナップの価格帯の中の真ん中よりやや下のあたり)を選ぶほうがよいのかなと思いました。長くなってしまったのでアウスレーゼの感想と総括は次回に書きます。
2013.03.21
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ではまとめに入ります。参加者にはファインヘルプの幅広さと奥深さを実感していただくことができたのではという手ごたえがありました。ドイツのリースリングの重要な要素である酸を有効に使えるのがファインヘルプであり、数値的な決まりにより造り方が狭められることも少ないので造り手の意図を表現しやすくもあります。しかし、ほぼ辛口に近い味わいもあるし甘みを感じて甘口ワインに近いファインヘルプもあってファインヘルプがどういう味わいと説明することができない、というのはラベルを読んで必要とする味わいのワインを購入する場合には問題点といえます。日本でファインヘルプがなかなか普及しないというのは、そういうことから説明しづらい、売りづらいということがあるようです。でも残糖の量で味わいを説明するのではなく、辛口よりやさしい味わい、と大雑把にとらえて上に書いたようなファインヘルプの自由度と魅力に目がいくようになればファインヘルプにもっと手が出しやすくなるのかなと思っています。何種類か飲んでもらえば一発でわかってもらえるのですがそこにたどり着くまでにも一工夫必要だと思いました。人に布教するための鍵みたいなものをつかめたような気がして自分自身にも実りのある会になりました。日本人の多くの方に受け入れられる味わいで手ごろな値段で購入できる、辛口にこだわらずドイツらしさを表現するのに適している、ファインヘルプではこの2つが軸になることが、準備をしていて、会を進行していく中で参加者の反応をみたりして、そしてこのブログでまとめていく中でよくわかりました。ファインヘルプを語る上でのポイントは今までの4回で書いていきましたので必要な時にその部分を読み返していただけるとうれしいです。その1 ファインヘルプとは何かを言葉で説明するとその2 幅広い味わいだということを知るその3 造り手が表現したいワインを造れるのがファインヘルプ 辛口という枠にとらわれず最上級のワインを造るという考え方のドイツワイン業界のながれその4 ケーキとファインヘルプの相性 甘いものには甘い酒というのではない考え方 最後に今回使用したワインを楽天で買えるショップのリンクを貼っておきます。読んでいて気になったものを飲んでみると僕が伝えたいことがより伝わるかと思います。リンクを貼っているショップはばらばらですみません(最後の3つは同じショップです)。ギローのトロッケンとシェーンレバー05のカビネットは現在楽天では購入できないようです。ルーヴェンシュタインは使用したものは楽天では見当たらなかったので同じように熟成している畑名のグランクリュワインのリンクを貼りました。味筋は違うかもしれませんがルーヴェンシュタインの魅力と方向性は感じられるかと思います。クーリング・ギロー・クインテッラ・リースリング・ファインヘルプ 2010【受注発注商品】プリンツ グーツ リースリング クー・ベー・アー ファインヘルプ フォン ブンテン シーファ [現行品] ドイツ/ラインガウ/ カール エルベスユルツィガー ヴュルツガルテン ファインヘルプ Q.b.a [2011] 白 750ml -ドイツワイン-見事な酸と輪郭、ドイツのあるべき姿を見せる!ファン・フォルクセン / シーファー・リースリング [2011]【グルメ201212_ビール・洋酒】ラシーヌ輸入のドイツワインで最も風味に優れた造り手!アンドレアス・J・アダム / ホーフベルク・ファインヘルプ [2011]ラインハルト・ルーベンシュタインラインハルト・ルーベンシュタイン / ウーレン・ブラウフューザー・レイ [2006]【グルメ201212_ビール・洋酒】
2013.03.16
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今回の会はファインヘルプについて知ってもらうというのが大きな目的だったのですがもうひとつテーマを設けていました。利用させていただいたノイエス(青山一丁目ドイツ文化会館内)はドイツパンとオーストリア菓子がメインのお店なのでケーキとファインヘルプ(中辛口、中甘口の味わい)のリースリングワインを合わせるということをしてみました。お店としても昼よりもその後の時間にやるほうが売上的にも都合がよいうので14時半スタートとして、ふつうのつまみではなくパン3種(うちひとつはデニッシュ生地の菓子パン)とケーキ2種を用意していただきました。僕は前からデザートやチョコとワインをあわせているので(大ざっぱですがそのことについて書いたのはこちら)、甘口以外のワインでもあわせるとことができるというのを知ってもらう良い機会だと考えたのです。トロッケンだとだいぶあわられるワインの範囲が狭まるのでファインヘルプを何種類も揃えるこの会は絶好の機会ととらえました。事前にお店の人と打ち合わしてファインヘルプのワインに合いそうなケーキ2種を決めました。写真は撮り損ねてしまったので参加者が撮った画像をいただきました。ホワイトチョコのケーキです。たしか上にのっていたのはフランボワーズです。チョコと甘口以外でも白ワインの相性は抜群だと思っているのでチョコのケーキをリクエストしました。どのワインもあわないということはなかったのですがその中でも僕はギローのトロッケンとフォルクセンとあわせるのが好みでした。残糖少なめできりっとしているほうが馴染みやすかったです。僕が思っているのは甘み、広がりのあるデザートは甘みが少ない白ワインのほうが相性がよいと思っています。中盤に出してもらったのは白ワインとレモンのムースです。レモン汁の絶妙な加減の酸味があってワインとあわせなくてもこのケーキだけで満足してしまうおいしさでした。これにはやさしい味わいのほうがあっているみたいでアダムとあわせるのが僕は良かったです。熟成して角がとれているレーヴェンシュタインとも悪くなかったです。参加者のほとんどは今まで甘口以外のワインとケーキをあわせるという発想をしたことがなかったそうなのですが、実際にあわせてみてその良さを実感していただけてやってよかったです。数人に感謝されました。砂糖が強かったり、リキュールを使っていたり、フルーツの酸味が強かったりとワインと相性のよくないケーキもありますが、まろやか、やさしい味わいのケーキとはファインヘルプはあわせやすいのでぜひチャレンジしてみてください。甘いものと甘いワインをあわせるとお互いの良い所を消してしますのです。特に甘みの良さを消しあってしまいます。料理のソースの場合には甘みのあるソースには甘みのあるワインのほうがあわやすいのですが、それは甘さの度合いではなくやわらかさの問題で相性がよいので、デザートと合わせる時とは考え方は分けるべきだと思っています。また、酸味が際立っているワインは選ばないほうがよいというのもポイントです。しかし甘口だと酸味があるほうがケーキとあわせやすかったりと甘みと酸味のバランスが重要です。甘口といってもドイツワインの場合には心地よい甘みのカビネットから極甘口の貴腐ワイやアイスワインもあるのですが、カビネットやシュペートレーゼとは相性のよいケーキもあります。甘みの少ないカビネットはファインヘルプとあわせやすい部類は同じだと思います。クッキーなどパサパサしているものには甘いワインのほうがあうとも思っています。しかし極甘口のワインの場合はそれだけでデザートとなるし、そのボリュームと広がりは単体で味わってほしいのでデザートとあわせないほうがよいです。すみません、その5に続かせていただきます。次回で総括して終わります。
2013.03.15
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少し間が開いてしまいましたが前回の続きです。6 アダム A.J.Adam (Mosel) ラシーヌ Dhroner Hofberg feinherb 20117 ヘイマン・ルーヴェンシュタイン Heymann-Löwenstein (Mosel) ザ・ヴァイン Winninger Uhlen "Laubach" 2007 8 エムリッヒ・シェーンレバー Emrich-Schönleber (Nahe) 稲葉 Monzinger Frühlingsplätzchen Kabinett 2005これらのワインについてとのその時に話したことを書いていきます。ワイン自体の感想はかなり少なく、ファインヘルプの説明ということに重点をおいて書きます。6のアダムはピースポート村近くのモーゼル川の支流の渓谷ドーロンにある生産量が25,000本の小規模の生産者です。この造り手の大きな特徴は、名声を博していた100年前のドイツのワイン造りを目指しているということです。そのためにできるだけ化学薬品など人間の手を介入しない自然の力でのワイン造りを行っています(この醸造所に興味のある方は北嶋氏の過去のブログの記事をごらんになってください)。今回出したファインヘルプもやさしい味わいで心地よい甘みもあり素朴、手造りのワインと言う言葉がぴったりな味わいでした。人の手を介入しないということでアダムは発酵も天然酵母によるものです。トロッケンの場合は自然酵母だとアルコール度数が高いところに達する前に発酵が止まってしまいトロッケンの残糖より残ってしまうので人工酵母を使用します(最初から人工酵母のところが一般的ですが、補うために人工酵母を使用するという手法もあります)。自然酵母のみのトロッケンもありますがかなり少ないと思います。ファインヘルプだと人工酵母を使用しなくても造れます。なので自然な造りという意味合いでは食事に合わせるワインとしてはファインヘルプの範囲が最も適しているのです。そして発酵をコントロールしない自然酵母の造りの場合には発酵が止まるタイミングが毎年一定にはならないので年によって残糖の残り具合がかわってきたりします。自然にまかせる造り手の場合はそれを良しとしています。畑のテロワールによるぶどうの個性を尊重するからです。僕の大好きなザールのペーター・ラウアー(訪問した時のことはこちら、造り手の思想に着いています)はその代表的な造り手です。そしてその味わいの幅広さをカバーできるのがファインヘルプという規定にしばられていないくくりなのです。また、そういうことによって自然酵母のワイン、ファインヘルプのワインは11か12パーセントのアルコール度数のものが多いので比較的軽く飲みやすいというのもファインヘルプの魅力だと僕は思っています。それと、アダムは木樽ですが、やわらかいファインヘルプの味わいには木樽がむいていると思っています。僕が好きなファインヘルプは木樽が多いという事なのですが。今回出したワインはほとんどが木樽(大樽)を使用しています。7のレーベンシュタイン(ドイツ語読みだとルーではなくレーになります)は今までのワインとは少しベクトルが違います。まず、この造り手はフォルクセンと同様にトロッケンの表記は使っていません(ファインヘルプの明記もありません)。2年前に当主が来日した時に力説していたことがあって(こちらで書いています)、それは残糖などを数値で区別して分類するのはナンセンス、音楽は数字や理論というのを気にしないで楽しむだろ、ワインもそういうものでなくてはならない、というものです。このことについは後でも少しふれます。最近の造り手が辛口に関してはシュペートレーゼなどの等級を使わないのと同様にここやフォルクセンも等級のつくPrädikatsweinではなく辛口系は全てQualitätswein(QbA)としてリリースされています。畑名がついてるこのワインはこの醸造所の最上級のクラスのワインです。トロッケンであればグローセス・ゲヴェックスとしてリリースされるのですが、トロッケンの規定ではないのでGGにはなりません。しかし畑はエアステ・ラーゲErste Lage(ブルゴーニュの畑に対するグランクリュ制度のようなもの)に認定されているのでワインラベルにはそのマークはついています。2012年からVDPの制度が変わってトロッケン以外のエアステ・ラーゲの畑からの最上級ワインにはワインに対してグローセ・ラーゲGrosse Lageという呼称をつけられるようになったのでこれからはこの醸造所の畑名の最上級クラスのは名乗るかもしれません。レーベンシュタインのトップクラスのはUrlenの区画を土壌の性質ごとに分けられていて何種類かリリースされているのですが、このラウバッハが比較的甘みが残っていてファインヘルプを知るという面では一番面白い教材だと思ったのでこのワインを選びました。実際に飲むと、6年熟成しているので甘みとしての感覚はほとんどありませんでした。でもふくよかなのは残糖があったからこそだと思います。残糖が熟成して味わいの深みとして表れていました。上品な余韻もあります。ドイツワインぽくないなーと思ったのですがそれはフルーティーさがないからだと思いました。ドイツの枠を超えてグランクリュのワインだなーという印象をうけました。ドイツ以外でも評価が高いのがよくわかるワインでした。昨年9月のドイツでのVDPグローセス・ゲヴェックスの試飲会ではモーゼルだけトロッケン、すなわちGGではないワインも出品されていました。もちろんリースリングです。醸造所のファインヘルプの最上級のものでグローセ・ラーゲに相当するものです。トロッケンではないワインでも最高のものがあるといういことを証明している結果です。こういう動きがでてきているのは、レーベンシュタインやフォルクセンが残糖数値を気にしないで最高のワインを造り上げるという考えを持ってワイン造りをしてきたからこそなのだと思います。モーゼル、ザールからは残糖を残したファインヘルプの範囲の味わいからも最高級のワインが造られるということが認められてきているのです。辛口というのはトロッケンのくくりではない、甘みがあったらダメというのではなく、ファインヘルプの範囲でもトロッケンと同じくくりの中で素晴らしいと思えるワインを造ることができる、ということなのです。数値で分類するなと言っているレーヴェンシュタインの思想は、こういったワインができるという自信も影響していると思います。個人的にはモーゼル、ザールのリースリングはトロッケンよりファインヘルプのほうがおいしいワインを造るのに向いていると思っているのでこの動きは非常に嬉しく思っています。ラインガウのゲオルク・ブロイヤーも2011年産からシュロスベルクなど一部の畑は残糖を残したトロッケン表記ではないワインにしていますしこれからもどんどん増えていくことでしょう。もちろんファルツなどトロッケンとして素晴らしいワインができる地域、トロッケンが素晴らしい醸造所もたくさんあるということは否定していません。ファインヘルプには、甘みを残した味わいというのを意図しているファインヘルプと、残糖を気にしないで最高のものを作り上げるためのファインヘルプ、という2つの要素があることがこのレーヴェンシュタインのワインで参加者にはわかっていただけたかと思っています。前者は比較的安価なワインに多く、後者は高いワインに多いのです。といっても全てがそうといわけではなく、下のクラスでも後者の考えで造られたものもあるし、シュペートレーゼ、アウスレーゼクラスの収獲糖度が高い高品質のぶどうから造られているから価格の高いファインヘルプも存在します。質(価格)による違い野生酵母など人の手をなるべく介入させない造り方とファインヘルプの関係性数値で区別するのはナンセンス、という考え残糖を気にしないで最高のワインを造りあげようとしている醸造所の意図と志ここまででこれらのポイントについてはふれられていると思います。甘口は熟成して甘みが抜けてくるとファインヘルプに近い味わいに。共通点と相違点は?この点については8のワインで感じてもらいました。全ての甘口ワインにいえることではないですが、5年以上経っているカビネット、10年以上経っているシュペートレーゼは甘みが抜けてきます。そういう甘口ワインは若いファインヘルプと感覚としての甘みが似ているので味わいが近いということも話しておきたかったのです。今回用意したのはナーエの8年経っているもので、産地が今までとは違うし良い例になるか少し不安だったのですが結果的に適している教材となりました。パッと飲んで感じると似ているなーと思いました。でもやわらかい心地よい甘さと余韻の長さは、熟したぶとうだから、残糖が多く残っていたからこそ、というのが今まで飲んでいった6までのワインと異なっている部分でした(6、7は少ベクトルが違うので省いて考えています)。これはグーツワインクラスのファインヘルプとの比較で、シュペートレーゼ・ファインヘルプと比較するともう少し似た部分もあるのかなーとも思いました。でも熟成したことによる深みというのは大きく違うと感じる部分で、これは好みで使い分けていただければと思います。僕はたくさん手に入るのなら熟成して甘みの抜けたシュペートレーゼを食中酒としてファインヘルプのような使い方をしたいのですが日本ではなかなかそういうワインを大量買いできないので我慢しています。注意書きとして付け加えますが、評価の高い畑からの質の良いぶどうと良い造り手により醸造されたワインの場合は、比較的寿命が長くて甘みは長く残っているワインもあります。ということは逆の場合は甘いが抜けるのが早いといえます。またヴィンテージによっても甘みの抜けるカーブは同じ醸造所でも異なります。これですべてのワインを飲んでもらい僕が話したかったことは一通り話したのでした。もう一回このセミナーについての記事は書くのでまとめ的なことはその時に書きます。裏テーマとしてしいたケーキとの相性ということも次回に書きます。今回出したワインのリンクも次回に貼ります。
2013.03.10
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それではワインの感想などを書いて進めていきます。もう一度リストを載せます。 1 キューリング・ギロー Kuhling-Gillot (Rheinhessen) 京橋ワイン(輸入元) "Qvinterra" trocken 2010 糖度:7.2 g/l 酸度:8.4g/l 2 キューリング・ギロー Kuhling-Gillot (Rheinhessen) 京橋ワイン "Qvinterra" feinherb 2010 糖度:14.5 g/l 酸度:8.3g/l3 プリンツ Prinz (Rheingau) 稲葉 "vom bunten Schiefer" feinherb 2010 残糖:10.9g/l 酸度:9.1g/l4 ファン フォルクセン Van Volxem (Saar/Mosel) ラシーヌ "Schiefer" 2011 残糖:7.0g/l5 カール エルベス Karl Erbes (Mosel) 稲葉 Ürziger Würzgarten feinherb 2011 残糖:21.0g/l 酸度:7.2g/l6 アダム A.J.Adam (Mosel) ラシーヌ Dhroner Hofberg feinherb 20117 ヘイマン・ルーヴェンシュタイン Heymann-Löwenstein (Mosel) ザ・ヴァイン Winninger Uhlen "Laubach" 2007 8 エムリッヒ・シェーンレバー Emrich-Schönleber (Nahe) 稲葉 Monzinger Frühlingsplätzchen Kabinett 2005すみません6番のアダムのボトルが見当たらなかったのでこの画像には抜けています。 そして前の記事で書いたように8つのポイントを軸に進めていったのですが、1から5のワインのポイントになるところをあげておきます。トロッケンとの違いは?産地ごとに違いはあるのか?ファインヘルプの味わい(甘み)の幅の広さこの三点を軸に気にしてもらいながら飲み進めていきました。醸造所の説明なども少ししたりましたがそういう部分は省いて書いていきます。まずは同じ醸造所のトロッケンとファインヘルプ(1と2)の飲み比べをしてどう違うのかを感じてもらいました。風味は同じでファインヘルプのほうはふくよかなフルーティーさがあるという違いがあってとてもわかりやすい例でした。甘いのではなく果実みという部分でトロッケンと味わいが異なるというのがわかりやすかったと思います。酸度が同じような数値なのも比較としてわかりやすかったと思います。ギローの輸入元の情報によるとトロッケンのほうは赤色粘板岩の複数の畑からで、ファインへルプのほうは石灰質土壌の畑のブドウも混ざっているとのことです。トロッケンより華やかな香りがするのは残糖を残して途中で発酵が止まっているからというだけではなくそういう土壌の要素も影響があるのかもしれません。ただ単に同じ質の果汁で残糖分が違うというのではなくトロッケン、ファインヘルプとニーズ(その味わいに必要要素)に合せて葡ぶどうを選んで醸造をしているという事をうかがい知る事ができます。3のプリンツは感覚としての甘みは1と2の中間で、残糖の数値的にもそうだったのは良い例になったと思います。2のようなフルーティーはあまりなく辛めという感覚がありました。トロッケンに近くてしっかりと骨格のある味わいでした。といってもトロッケンぽいかといわれるとそうでもないのが面白いのです。ファインヘルプではザールも入れておきたいと思い、後述しますがフォルクセンはファインヘルプを語るときに重要な造り手なので、本当はたくさんのザールのワインをいれたかったのですが(僕の好きなペーターラウアーとか。日本で現在は入手できませんが)、一種類しか無理だったのでファン・フォルクセンを選びました。ラシーヌでは現在はフォルクセンはこのワインしか在庫がなかったのでフォルクセンの中では一番値段の安いこれになったのですが(3月に何種類か入るそうです)、残糖が7g/lということで興味深い題材となりました。フォルクセンはトロッケン、ファインヘルプなどラベルに記載していないのでそういう区別をつけていないのでトロッケン内の数値であってもトロッケンとはしていないのです(そういうこだわり、考えについてはその3であらためて述べます)。この醸造所ではもしかしたらファインヘルプという言い方を使っていないかもしれませんが分類する場合にはファインヘルプという自由度のあるくくりの言葉があてはまります。 1のトロッケンと4は残糖値がほとんど一緒です。でもこちらのほうがふくよかな味わいでファインヘルプというくくりでもなんら問題はないと思いました。ヘクタールあたりの収量をかなり減らしてワイン造りをしているフォルクセンだからこそ残糖が少なくてもこういう味わいになるのだと思いますが。5のエルベスは今までのより甘く感じると思ったのでこの位置に持っていきました。しかし実際にはそんなに甘みを感じませんでした。それまでのより少しは甘みはありましたが数値ほどの差は感じませんでした。2009年のはもっと甘さを感じたやわらかい味わいだったのですが。これは残糖値だけでは感覚での甘みの基準にはならないということなのですが、予想外にこのワインがその良い題材となってくれました。酸やミネラル分、糖度の高いブドウ果汁からの果実み(実際の糖分ではなく)などさまざまな要素がある中での甘みなので数値よりももっと甘く感じたり辛く感じたりするのです。このワインは酸は高くないのですが、ミネラル感、複雑みがあるので(ヴィンテージ、土壌両方の要素が関係しているかと)そんなに甘くは感じなかったのです。 ファインヘルプはハルプトロッケンのように数値での規定がないので、上に書いたように感覚上ではハルプトロッケンの味わいをハルプトロッケンの規定を超えていても同じような味わいにすることができるのです。ファインヘルプは、規定にとらわれない幅広い味わいにすることができるといえるのと同様に、規定にとらわれず毎年その造り手がイメージする同じような味わいにすることができる、ともいえるのです。ポイントに挙げている、トロッケンとの違い、味わいの幅の広さ、ということについてはある程度ここまででもふれました。産地の違いということについても少し書きます。この話はセミナーではしなかったのですが。僕はある程度地域ごとの味わいのイメージというのができているのですが、今回飲んたワインについてはあまり当てはまらかったです。価格帯の低いグーツワインには地域の個性は出るかと思っていたのですが必ずしもそうではないということです。当然のことではありますが土壌の要素というのは味わいの個性に大きな影響を与えるのですが、今回のは全てシーファー(粘板岩)の土壌だったということが地域のイメージとは異なるということにつながったのだと思います。良い造り手は土壌、ぶどうの個性を活かした造りをしているということです。ちょっと抽象的でわかりにくくてすみません。 ここまでは低価格帯のファインヘルプの話をしてきました。ファインヘルプは他の国にはない味わいだし飲みやすいのでこういうタイプがドイツワインをあまり飲んだことのない日本人には受け入れられやすいのかなーと考えています。特にワイン愛好家というまでではなくワインを飲む人たちにです。甘みといっても酸があることが重要ということも知らない方のために付け加えておきます。そして甘い、ではなく「甘み」です。ここで挙げたワインはトロッケンよりは「甘み」はあるけれど甘くはないのです。心地よい甘みは日常にとけこみやすいでしょうし、軽い甘みは日本人の白いご飯のあるふつうの食卓の食事にあわせやすいと思っています。和食に限らず日本人の味付けの日常に並ぶ料理ということです。このセミナーの記事の最後にはワインのリンクも貼ろうと思っていますので興味を持った方は試しに飲んでいただけたら幸いです。次回はまた違うベクトルのファインヘルプの話です。
2013.03.05
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日曜の午後に東京ドイツワイン協会(非営利の愛好家のための団体)の例会としてセミナーがありました。今回は僕が講師を務めさせていただきました。まあ講師といっても上から話すのではなくワインのセレクトで半分以上役目を終えているようにはしたのですが。何をテーマにするかと考えた時に、僕だからこそ、そして僕じゃないとやらないテーマ、ということでファインヘルプを選びました。僕が好きな味わいで、日本人の多くの人に受け入れられると思うので知ってもらいたい味わいであり、けれどもどういうものかまだ日本ではあまり理解されていない、ということで「ファインヘルプの魅力を深める」というお題にしました。20人が集まってくださり、1種類につき2本ずつで8種類のワインを用意しました。会場で使わせていただいたOAG内にあるノイエスはオーストリアで修業した人によるパンと菓子のお店なので、パンとケーキを用意していただきました。甘口でないワインとケーキという事で疑問に思う方もいると思いますが、この事については最後に書きたいと思っています。それではこの会の様子を書きつつ、これを読んでいる方にもファインヘルプがどういうものなのかということが伝わるようにまとめていきます。 この記事はファインヘルプが何なのかと検索した時にトップページに出てきて参考になるようなものにしたい思っています。2年前に僕がドイツワインの新しい表記についてのセミナーをやった時のをまとめたものは「ファインへルプ」でググるとトップに表示されるので同様にしたいのです。まずはワインを飲み始める前にファインヘルプとは何なのかということをざっと説明していきました。以下を記したプリントを配って説明しました。斜字は口頭で補足したものです。> feinhelb ファインヘルプの説明英語だとオフドライに相当。中辛口、中甘口の味わい。日本語の表記では半辛口とも表記される。feinは英語同様の意味に加え上品や繊細という意味合いもある。herbはホロ苦いなどいう使い方をするが、feinherbとつなげた場合は上品な辛口、繊細な辛口などというニュアンスになる。残糖量はワイン法で規定されていないが、一般的には9g/l以上からlieblich(甘口)までの間の45g/l未満とされている。実際には9g/lから25g/l前後のファインヘルプが多い。25g/lくらいのファインヘルプではなくlieblichとされるQbAはたくさんあるし45g/l前後の甘口カビネットもあるという補足ワイン法で定められている規定trocken トロッケン 9g/l以下(総酸が残糖数値マイナス2g/l以上の場合) 4g/l以下 (それ以外)halbtrockenハルプトロッケン 9g/lを超え18g/l以下 (総酸量プラス10が18を下回ること) 12g/l未満 (それ以外)酸の量による残糖量多めの設定は主に酸が多くなるリースリング種のためのドイツならではの設定であり、他の品種では低い残糖量の設定となる(トロッケンはその数値はEUの規定数値)。また、今回はリースリングの試飲しかないがジルヴァーナ―やシュペートブルグンダーのロゼなど他の品種でもファインへルプは存在する。ファインヘルプには先にも書いたように数値の規定がないということが重要。それにより自由な造りをすることができる特に酸量による制限がないということは大きな意味を持つ。この幅広さは味わいが絞れなくて買う時に困るという問題もあるのだが。上記の規定の制限がないという事に加えてハルプトロッケンの半分辛口という言い回しが中途半端でどっちつかずなイメージのためあまり受け入れられなかったので別の表現の仕方としてファインヘルプが生まれる。その使用はモーゼルのケッセルシュタット醸造所が裁判でワイン法に違反しないという判決を2002年に勝ち取ったことから一般に広がった。ハルプトロッケンの残糖規定内であっても好んでファインヘルプを使う醸造所も現在は多い。 表示義務はないのでファインヘルプに相当する味わいであってもワインラベルに明記されていない場合もあるが、キャップシールの色などで(トロッケン、ファインヘルプ、甘口を)分けていたり独自の基準をラベルに記しているという醸造所もある甘口なのかファインヘルプなのか表記がなくて判別できない場合、アルコール度数を目安にするとよい。12パーセント以上なら甘口ではない場合が多い、あくまで目安だが。>というようにファインヘルプのことを頭で理解してもらってから実際にファインヘルプの世界にふれていきました。1 キューリング・ギロー Kuhling-Gillot (Rheinhessen) 京橋ワイン(輸入元) "Qvinterra" trocken 2010 糖度:7.2 g/l 酸度:8.4g/l2 キューリング・ギロー Kuhling-Gillot (Rheinhessen) 京橋ワイン "Qvinterra" feinherb 2010 糖度:14.5 g/l 酸度:8.3g/l3 プリンツ Prinz (Rheingau) 稲葉 "vom bunten Schiefer" feinherb 2010 残糖:10.9g/l 酸度:9.1g/l4 ファン フォルクセン Van Volxem (Saar/Mosel) ラシーヌ "Schiefer" 2011 残糖:7.0g/l5 カール エルベス Karl Erbes (Mosel) 稲葉 Ürziger Würzgarten feinherb 2011 残糖:21.0g/l 酸度:7.2g/l6 アダム A.J.Adam (Mosel) ラシーヌ Dhroner Hofberg feinherb 20117 ヘイマン・ルーヴェンシュタイン Heymann-Löwenstein (Mosel) ザ・ヴァイン Winninger Uhlen "Laubach" 2007 8 エムリッヒ・シェーンレバー Emrich-Schönleber (Nahe) 稲葉 Monzinger Frühlingsplätzchen Kabinett 2005 僕はふだんは数値があるとそれにとらわれてしまって直感の判断がにぶってしまうので残糖などの数値は知らないようにしてワインを飲むのですが、今回は数値上での違いもわかるとより深く体感できるということで載せてみました。わかる範囲だけにしましたが、前半で特に違いを感じてほしかったのでこれだけの数値で充分効果はありました。もう一枚分プリントを作ったのですが、それには気にして飲んでいってほしい、つかみとってほしいポイントを書いていきました。トロッケンとの違いは?産地ごとに違いはあるのか?ファインヘルプの味わい(甘み)の幅の広さ質(価格)による違い野生酵母など人の手をなるべく介入させない造り方とファインヘルプの関係性数値で区別するのはナンセンス、という考え残糖を気にしないで最高のワインを造りあげようとしている醸造所の意図と志甘口は熟成して甘みが抜けてくるとファインヘルプに近い味わいに。共通点と相違点は? 以上8点を間をあけて記したプリントです。このポイントについては僕ががっつりと解説するというよりは各々が感じてほしいということを話しました。このポイントとワインリストを見れば、僕がどのようなことを伝えたいのかということがドイツワインをよく飲んでいる方にはわかるのではないかと思います。そういう方にとってはここまででもう十分なのですが、そうでない人にも知ってほしいので次回はワインの感想を書きつつさらにファインヘルプのことを書いていきます。
2013.03.04
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昨年9月のドイツについての最後の大作にとりかかります。ワインの感想はないので味を忘れることを気にしなくてよいので後回しにしていました。ドイツのワイン産地に踏み入れた初日の午前中はザールSaarの葡萄畑の散歩をしました。早朝に夜行列車でザールブリュッケンに到着しトリアーに移動しロッカーに荷物を預けてスーパーで朝食と水を買い(8時なのに開いていました)電車でまたザールへ移動しました。ヴィルティンゲンWiltingenで下車して、たしか4時間後に隣駅のカンツェムKanzemから電車に乗ってトリアーに戻ったと思います。このくらいの距離なら歩けるという事と折り返さなくてもよいルートだと思ったのでこの周辺を選び、この付近に詳しくそして歩いたこともあるだろうと思われた北嶋氏にルートなどを相談し歩くルートを決めていきました。ヴィルティンゲンの駅を降りた時にカンツェム方面を撮ったものです。後にこの葡萄畑の尾根をずっと歩いていったのです。朝は霧が一面を覆っていました。この霧が葡萄に影響を与える寒さを和らげる作用があります。カンツェム方面へ向かう前に訪れるところがありました。オルツタイルラーゲに定められているシャルツホーフベルクScharzhofbergの畑です。この方面に一度は行ってみたいということもあってスタートをヴィルティンゲンに決めたということもあります。僕自身はこの畑に対してそんなに想い入れはないのですが、ドイツで最も有名な畑のひとつなのでこの目で見なくてはと思っていました。シャルホーフベルクの畑はザール川から直角に(おおまかですが)奥へ続いていく丘の畑です。ヴィルティンゲン村から30分くらいシャルツホーフベルクの畑沿いを歩いたところにこの地で最も有名なエゴンミュラーEgon Müllerの醸造所があって、そこまで行って折り返してくることにしていました。思ったことなどを書いていきますが、正確、明確な情報な情報ではなく推測な部分が多いのでシャルホーフベルクを知る、という観点ではあまり参考にはならないと思います。これは戻ってくる時に斜面の上のほうに登った時にヴィルティンケン、ザール川の方向を撮ったものです。写真の左が上流でアイル、ザールブルク、右がカンツェム、トリアーの下流側です。こういう丘がこの後ろにもずっと続いています。水は川ではなく沼みたいなところで丘に沿ってずっと続いているわけでなくシャルホーフベルクは川沿いの畑ではありません。かの有名なエゴン・ミュラーの邸宅兼醸造所です。ワインのラベルにもなっている光景です。シャルホーフベルクの畑に入って20分くらい歩くとここに辿り着きます。この先にも畑は続いていてシャルツホーフベルクの畑の真ん中くらいに位置していると思われます。家の近く畑の手前にはプチ農園が広がっていました。ここも家の近くから撮ったものです。しっかりは確認していませんがエゴン・ミュラーが所持する区画はこの中に必ず含まれているはずです。機会があればどこらへんを所持していてアウスレーゼはどこからとかとかそういう事を聞ければなあと思っています。行きは斜面の下にある小道を歩いていったのですが(茂った木の先に車道もあります)、帰りは斜面の中腹まで登ってみました。下から見るより実際に登るとけっこう急で踏み外して落ちないように気をつけながら登らなくては危ないといった状況です。これは上のほうを撮ったもので少し見切れているのでわかると思いますが、斜面は3ブロックに区切られていてそこには平らな道が造られています。一番下のブロックにはシーファーはあまり転がっていないのですが、上の方のブロックは表面からがっつりとシーファーでした。でも北嶋氏に訊いてみたら下の方も土壌は同じようです。昼にシーファーを触ったらとても熱くなっていたのでシーファーによる保温効果というのがよくわかりました。また、シャルツホーフベルクの畑はとても長く続いていて広いのですが、1971年の法改正により区画が広がっていてオリジナルはこの続く丘の全てではなくエゴンミュラーを中心とした途中までの区画のみだそうです。土壌も違うようなのですが土壌の違いなどは一見見ただけではわかりません。もしかしたらここからは違うと説明されて観察したら違いがわかるかもしれませんが。また、エゴンミュラーは樹齢100年以上の葡萄からもワインを造っているとのことですが、エゴンミュラー周辺はかなり細くてとても黒い葡萄の樹だったのですが、100年は経っていないかもしれませんが明らかに古樹だというのがわかりました。途中からはもっと太い他の畑でもよく見かける樹でした。僕が歩いたシャルホーフベルクの区間でも新しい樹が植えられていたところが2カ所ありました。新しくしている意図はわかりませんが、新たに買い取った醸造所だとするなら、ブランド力が強いのでこの畑を所持したいという醸造所は多いのではということが想像できます(買い足しているというのも考えられます)。リースリングでないものを植えていることも考えられますがシャルホーフベルクではリースリング以外はありえないのかなと僕は思います。この地区がオリジナルの最良の区域の土壌かどうかもわからないのですが、消費者はそこまで気にしないし専門家、マニアでないと違いは分からないと思うので、所持する醸造所としてもシャルツホーフベルクの畑を所持さえできればよいと考えている造り手もいるのではないでしょうか。もちろんトップどころの造り手ではそういう違いの部分にもこだわっているところもあるとは思いますが。ということなどを考えながらヴィルティンゲンの村の方に戻っていきました。次回はヴィルティンゲンの畑についてです。
2013.02.24
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昨年9月のドイツでは前回のバーデンのノイヴァイヤーやアウスマンズハウゼンのクローネのような高めのレストンランには時間と場所の関係で行けなかったのですが、それでも数少ない訪れた飲食店のことを書いていきます。まずは前回の記事でもふれたエルトヴィレのブルク・クラスBurg crassです。町の中心からは少し離れていてライン川の川沿いにあるホテルとレストランです。ここはたしか2006年の時に行ったことがあるのですが、その時にグラスワインでライツのシュペートレーゼを頼んだのですがおいしくて、このワインを欲しいと言ったらリストの価格ではなく卸値で売ってくれたことを覚えています。シーフードとほうれん草のスープの後はラザニアを食べました。3つ見えるのは海老です。たしか北海道のチーズとかぼちゃ味と書いてあったのですがなじみのある日本らしいやさしい味でした。後で知ったのですが、コンビニやスーパーでも北海道と書いてあるものが今は多く売られているらしくて、日本の美味しいブランドとしてHokkaidoが使われているみたいです。おそらく実際には北海道のもを使っていない商品も多いのでしょう。このメニューは前菜用とメイン用の2種類のサイズが選べたのですが、予想通り前菜用の少ない量のほうでも充分満足できる量でした。ヤコブ・ユンクのカビネット・トロッケンを飲んだ後は画像の奥に見えるシュロス・シェーンボーンのロゼを飲みました。色は濃い目で、つんとしていてわりとしっかりした味わいでした。こういった食事に合うし昼食に飲むにはちょうどよかったです。ボッパルトのワイン祭りの時にも書きましたが最近ミッテルラインやラインガウではロゼ(主にシュペートブルグンダーによる)が多く造られるようになってきて、中途半端にしっかりとした赤よりはこういう飲みやすくてなおかつ良質なロゼのほうが僕としても大歓迎です。お次はリューデスハイムのつぐみ横丁にあるリューデスハイマー・シュロスです。つぐみ横丁にあるレストラン、飲み屋は観光客向けのところがほとんどなのですが、ここはブロイヤーが経営しているのでちゃんとしたワインが数多く置いてグラスワインでもそういうワインが飲めます。この日はGGの試飲会の後に一緒に同行した方と訪れたのですが目的は熟成したワインを飲むことでした。古いワインがあることを知っていたのでこちらにきました。この日はそれまでにたくさん飲んでいたので落ち着いた味わいのワイン、そしてせっかくなのでなかなか飲めない珍しいものをと思ったのです。ワインを選ぶのにかなり時間がかかったので食べ物は選ぶのが面倒になって郷土料理のつまみの盛り合わせにしました。残念ながら美味しいと思えるものが少なくて郷土料理だから観光客は喜ぶという程度のものでしたが、ドイツはソーセージしか食べ物を知らないという方には色々と知れて食べられるので面白いかなと思います。頼んだのはクロスター・エバーバッハのカビネット、リューデスハイムのトップ畑とされているベルク・シュロスベルクの1979年産です。鷲の羽のところにあるのは競売会に出品された証のマークなのですが、若いときに競売会用のグレードだったから競売会用として出品されたロットではなく、樽のままか瓶詰めされてからかはわかりませんが10年、20年以上経って熟成しているものが競売会に出品されたものです。熟成している蔵出しを新しいヴィンテージにまぜてリストに載せて売り出すところも多いですが、クロスター・エバーバッハの場合は蔵出しものを競売会を通すというやり方をよくしています。今回の競売会でもそういう熟成したワインが何種類も出ていました。この79年産もそうやって出品されたものをこのお店が直接落札したのか他の業者が落札したものを購入したのかはかわかりませんがそういう経緯を経てこのお店にストックされていたものです。酸っぱいと思いましたがまだおいしく飲める程度の酸っぱさでした。30年経っているとは思えないクリーンな味わいですらっとしていました。そしてラインガウの10年以上たったワインに表れてくる特有の香り、いわゆるペトロール香がこのワインには全くなかったことに驚きました。そういうワインには今までも何度か出会っていますが良い畑、良い造り手こそだと思います。もちろんくせのある熟成香がないからおいしいというわけではないのですがそういうワインでおいしいく感じたものが今まで多かったのは確かなことです。カビネットということもあって単体だと甘さがあまりないので飲み続けるのはつらいと思いますが、何かを食べながらだとゆっくりと味わいながら楽しむことができる熟成ワインでした。価格は書きませんが、日本の飲食店で若い普通のワインを注文した時と変わらぬ値段でこういうのが飲むことできるのは驚きで、そして幸せでした。ドイツ1日目の観光に充てた日の夜はハノーファーのワインにも力を入れている手ごろな値段のレストランとワインバーに行きました。写真はレストランArestoで食べたサーモンとパスタ入りのグラタンです。ソーセージや肉の塊以外での食事の質としては悪くなかったです。飲んだフィリップ・クーンのリースリング・トロッケン2011もこれを頼んで正解でした。ワインバーGegenüberも様々な産地のワインがあって欲するものを見つけられるラインナップだと思いました(ドイツワインだけの品揃えではありません)。2杯目に飲んだグランス・ファシアンのCuvee9のファインヘルプはかなり気に入りました。深みがあって凝縮感のある酸味なのですが味わいとしては酸っぱく感じないのです。前にもトリッテンハイムの2010年産で気に入ったものがあったのですが、2010年産のモーゼルは酸が強めで酸っぱいと感じるワインが多い中この地のはやわらかい味わいになるので僕でも気に入るのだと思いました。そしてこの日はパリ行きの夜行列車でザールブリュッケンに向かったのでした。
2013.02.23
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ひとつの記事として取り上げるほどではないけれどせっかく写真を撮ったので、というものを載せていきます。まずは競売会とGGの試飲会で訪れたクロスター・エーベルバッハKloster Eberbachです。今回二回過去二回この地に来ていますがホールでの催しが目的で来ていたので、有料になっている修道院の中を見学したのは今回が初めてだったのです。GGの試飲会の開始時間のちょっと前に到着したのでせっかくだからと見学しました。最初に訪れた時にふつうは見学するはずなのですがその時はロバート・ヴァイルの醸造所でかなり時間を使ってしまい最終のバスの時間がせまっていて見学コースも閉まっていたので、たいしたものはないワインショップと雰囲気は良いレストランで一杯飲んで帰ったのでした(その時のことはこちら)。中庭を囲んで建物が並んでいます。生活スペースや作業場などを見学できました。ワインの圧搾をする装置です。ここは気軽に見学できるし様子を書いている方もいるので僕が書くまでもないと思うのでこのくらいにしておきます。ワインを飲みながら係の人の説明を聞くというコースもあったのでワイン好きの人はこれに参加すると良いのではないしょうか。時間や申し込み方法は自分でお調べください。ワインを飲むのも観光地としても景色も楽しむのならここよりはシュロス・ヨハニスベルクを僕としてはおすすめしますが。エルトヴィレEltvilleの街です。ここはリューデスハイム同様ライン川沿いの小さな街です。日本人にはあまり知られていませんがこの街もリューデスハイム同様に観光客(ドイツ人)が訪れる街です。観光としての見どころは城塞とバラ園くらいしかありませんが、ワイン産地の街というのも人気の理由です。町の中の醸造所は有名なのはジンメルンくらいしありませんが、夏にはワインを飲めるスポットがいくつかあったりします。また、クロスター・エーベルバッハとヴァイルのあるキートリッヒへ向かうバスはここから出ています。 日本で取り上げられいるようなドイツの街ほどではありませんが、この街の建物、街並みも見ていて楽しめます。ワインが好きでラインガウ地方を訪れた方はこの街も訪れるとプラスアルファの楽しみを得られます。わざわざ街並みが有名な街を訪れなくてもこういうところでも充分です。ミッテルラインのバッハラッハやボッパルトも同様です。以前訪れたビュルテンベルクのエスリンゲンやモーゼルのトリアーなどワイン産地であり観光も楽しめる街はドイツ各地にあります。リューデスハイムにはあるゲオルク・ブロイヤーGeorg Breuerのショップです。フラッグシップであるリュデスハイマー・ベルク・シュロスベルクのワインラベルは毎年違うのです。待ち合わせまで少しだけ時間があったのでリューデスハイムで来て2種類だけ試飲させてもらってからワインを購入してすぐに去りました。来た目的はアウスレーゼを買うためでした。日本には輸入されていませんが、ここのアウスレーゼは、辛口をメインに造っているとはいえ収量を減らして作られる葡萄なのでそれなりにおいしいしお手頃な価格なので好きなのです。畑名がついているゴールトカプセルはけっこう高価ですが、それ相応のものであり熟成すると相当よいのではと思います。と今回は軽めで終わります。
2013.02.21
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毎年9月の第4週の週末にはVDPの競売会が開催されています。金曜に行われるモーゼルの競売会には昨年が三度目の参加でしたが、土曜に行われるラインガウの競売会には初めて参加しました。 開催場所はクロスター・エーバーバッハKloster Eberbachです。翌日日曜のグローセス・ケヴェックス(辛口の最上級)の試飲会が行われてこちらには2度参加しています。午後のオークションはこちらで行われて午前中の試飲会は奥にみえる半分のスペースで行われていました。外側を囲んで醸造所ごとにブースがあってワインの試飲ができます。多くの所は当主も参加していて当主自らがグラスにワインを注いでくれます。真ん中にはコミッショナーのテーブルが配置されていてオークションに入札したいワインの相談、申し込みをする場所がありました。競売会の詳細などは他の地域も同様なので知りたい方は過去のモーゼルでの会のことを書いた記事をごらんください(システムなどを知るにはそのリンクからさらにさかのぼることになりますが)。今回はラインガウの競売会はモーゼルと同様午前中の試飲会のみ参加しました。この日の午後はモーゼルに戻ってクリッツクライネの試飲会に参加したのです。そして翌日またラインガウに戻ってくるというかなり無茶な行程をたてました。試飲したワインの感想ですが、書いたメモを失くしてしまい強く印象にのこったものしか書くことができません。すみません。VDPのホームページに落札額が掲載されているので興味がある方はそちらをごらんください。(こちらもしくはhttp://www.vdp.de/nc/de/aktuelles/aktuelles-detailseite/article/rueckblick-vdp-versteigerungswochenende/からラインガウを選択)。3本とか落札できる用意している本数がかなり少ないものもたくさんあったのですが午前の試飲の場ではリストの37と41以外の39種類(たぶん)のワインを飲むことができました。古いワインは他の地域でも数種類出品しているのですが、古いワインも何種類も試飲できたのが他の地域とは異なるラインガウの特徴でした。モーゼルがほとんど甘口なのに対しラインガウは数は少ないながらゼクトも赤もトロッケンのリースリングもありました。ゼクトと甘口以外の白は、すごく美味いもしくは買いたいと思うほどのものはありませんでした。競売会にだすくらいなので高水準ではありますが。赤(シュペートブルグンダー)は若いものでは白辛口と同様の感想でしたが、リスト5番のアウグスト・エーサーの1973年のシュペートブルグンダーがすばらしかったです。今回の中で一番感動したのがこのワインでした。メモがないので細かい感想は覚えていませんが40年経っている古めかしい枯れたかんじはそんなにはなかったことに驚きました。甘口仕上げではないらしいのですがふくよかさがあったので今の規定でいうアウスレーゼクラスの葡萄から造られ、だからこそ今も枯れることがないということが想像できます。クロスター・エバーバッハは本拠地ということも赤、辛口からエーデルズースまで、年代も様々で何種類も出品していて試飲することができました。アイスワインとベーレンアウスレーゼは熟成はしている貴重なものではありますがヴィンテージもあってかたいしたことはなかったです。一番すばらしいと思ったのは1942年のシュペートレーゼでした。写真のワインで、もう黒い液体になっていました。貴腐ワインだとある程度熟成すると黄金色もしくは黒くなっていくのですが、そこまでのクラスでなくてもここまで時間が経つとこういう色合いになるのです。70年経っているワインなんて初めて飲みましたがまだおいしく飲めることにびっくりしました。たくさん量を飲むようなワインではなくてほんの少し飲むだけでも幸せな気持ちになり満足しました。Bickel-Stumpf、Höfler、Schmitt's Kinderというフランケンの醸造所のワインもあったのですがそれだけで飲んだらおいしいと思うのですがラインガウのと並べて飲んで比べてしまうと、というものでした。ベーレンアウスレーゼ以上の極甘口はフランケンのも含めてあまり良いものはありませんでした。ラインガウの競売会だけではなく競売会に出品する極甘口ワインは最高品質のものはなかなか出品していないようです。もちろんデンホフなどのように毎回すばらしいところもあるし今回の他の競売会でのツィリケンやモリトールみたいなTBAに出会うこともあるのですが。シュペートレーゼ、アウスレーゼは極甘口よりは好みのものが多かったのですが、もっと寝かせないと本領を発揮しないワインが多数でした。競売会に出すワインは寝かせて価値が出るという前提で造り手も買う側も考えているので当たり前のことです。今美味しいワインを探す場ではないのです。その中で僕のお気に入りの醸造所のひとつであるヨハニスホーフのシュペートレーゼ・ゴールトカプセル(23番)は今飲んでもすばらしかったです。僕の大好きなベルク・ロットラントの畑ということもあってふくよかでボリューミーで、あきらかにアウスレーゼ以上の糖度があるのですが今でも調和がとれていました。購入してまた飲みたいと一番思ったのはこのワインでした。出品したのはマグナムだったので750mlは醸造所に行けば購入できるかと思ったのですが、後日知人に依頼したのですが無理なようでした。もっと他にも個々のワインについての感想を書きたいのですがメモなしではこれが限界です。いい加減なことも書けないので。モーゼル、ラインガウ、ナーエの競売会に何度か参加している中でトータルでの満足度は今回のラインガウが一番高かったのでした。個々のワインでは他の競売会でもっと素晴らしいワインに何度か出会っていますが、試飲会に参加しての満足度はこれが一番だったのです。古いワインも試飲できるということが大きいと思います。ただそれは試飲ならということで、古いワインは出品本数はかなり少ないので落札するのはかなり困難で、若いワインでもラインガウは他の地域に比べて一種類で用意している本数が他の地域より少ないので落札を目的に参加するのならラインガウはけっこう厳しくて落札の結果も含めると満足度はあまり高くならないかもしれません。甘口が好きで購入を目的に参加するのなら本数が多いモーゼルをおすすめします(いづれにしろ購入方法は事前に調べておく必要はあります)。ラインガウの競売会は雰囲気も他の2つの地域とは少し異なりました。上流階級の社交の場というかんじで高そうな服装の方が多かったのが印象的でした。モーゼルはマニアも含むワイン好きが中心で、ナーエはその地域の地元のワイン好きが多くてアットホームな雰囲気、と3つの会それぞれに色があるのが面白かったです。メモ書きを忘れたためレポートを不完全なものになっていて悔しいし、簡単には購入できないような古いワインを飲んでみたいということもあるし、この時期にドイツに訪れたらまたラインガウの競売会に参加したいと思いました。
2013.02.17
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