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2014年08月17日
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カテゴリ: 漫画・アニメ





電子書籍無料版、及びレンタルにて、既刊11巻 読了。


放送中の実写ドラマ (テレビ東京) も途中から視聴中。
http://www.tv-tokyo.co.jp/aoihonoo/


島本和彦さんというと、 『BSマンガ夜話』 などに、たまにゲストで出てきては妙に熱い喋りをする、存在自体がなんか可笑しいオジサン…というご本人のイメージはあったけど、作品を読んだのは初めて。

私的には、かなりツボで、笑えたのだが、誰にでも薦められるかと聞かれるとビミョー。


巻頭で 「この物語はフィクションである。」 とデカデカと断り書きをしているが、島本氏自身の大学時代 (大阪芸術大学) をモデルに描いた自伝的漫画であることは明らかで、勿論、誇張や伝聞、フィクションも相当含まれてるだろうが、一方で、若き日の庵野秀明 (『エヴァンゲリオン』 の監督) や岡田斗司夫など、アニメ好きなら今や誰でも知っているクリエーターらが、モロに実名で登場している。


時代は 1980年頃、主人公 焔燃 (ホノオモユル) は、美術系私大の映像計画学科という、 「何を学び、何を目指すのか」 イマイチわからない ユルい大学に在籍し、漫然と漫画家を目指す学生。

自分に突出した才能がないことを自覚している反面、「自分ほどアニメや漫画のことを解っている人間はいない」 と自負する、いわゆるオタクのハシリのようなヤツ。


これがまー、まさにオタク気質を具現化したような 「イタい」 人物で、当時頭角を表しつつあった実在の漫画家 (あだち充や高橋留美子 等々) を 「上から目線」 で論評したり、同期生の庵野らを 「ただのアニメ好き」 と決めつけたり…の毎日。(ただし、ネットもメールも無い時代なので、殆どは心の中で叫んでいるだけだが)

ホンモノのオタク気質の人なら理解できると思うが、漫画やアニメを心底愛しているからこそ厳しい目で批評するし、何だかんだ言って相手の才能を認めているから、「オレがやろうと思っていたことを先にやられた!」 と大袈裟に打ちのめされる。


この 「オタク気質」 に欠ける人、理解できない人にとっては、もしかしたら、この作品は、ちっとも笑えないかもしれないし、最初は笑えても、すぐに飽きてしまうかもしれない。


また、ネット、デジカメなどは夢の話で、テープ式ビデオ機器すら 高嶺の花の時代のオタクの苦労や必死さ、ウォークマンやポカリスエット等、当時の新製品に対する一般的な衝撃など、あの時代をうっすらでも経験していない世代には、心から共感するのは難しいんじゃないかと思う。


さらには、以前、 『ハチクロ』 ( 2012.4.19.の日記 ) や 『のだめカンタービレ』 ( 2013.3.24.の日記 ) の感想でも触れたが、 「ホンモノの才能に出会ってしまう衝撃」 というのは、芸術分野に余り興味のない人や、負けを認めない人 (良くも悪くも) には、ピンとこないのではないだろうか。


勿論、オタクではない若い人でも、 「口ばかりで実行が伴わない」 人間 (自分自身も含む) のイタさを客観的に理解できる人なら、ある程度は笑えるだろうが、11巻まで費やして、モユル自身の物語は、若干 停滞気味。

「おもてなし」 だの 「顧客第一」 だのの精神が希薄だった時代の自動車教習所の実態を知っている私は、その辺のエピソードにもかなり笑えたが、はっきり言って漫画家を目指すストーリーからは相当 逸脱している。

11巻時点では、並行して描かれる庵野氏らの立身出世物語の方が、先が気になる状況であることは否めない。


それにしても、実写ドラマで主役を演じている柳楽優弥。

「永井豪」風な絵柄の原作キャラに妙にハマってるが、あんなに暑苦しくて、今後、俳優としての 「使い勝手」 的にはどうなんだろう…と心配になる。大きなお世話だろうが。

映画 『誰も知らない』 (2004年) でカンヌの主演男優賞をとった頃は、演技自体は素人くさかったが、儚げな雰囲気が魅力だったけれども…。




<関連日記>
2012.4.19. 片思いのナルシシズム ・・・ 『 ハチミツとクローバー 』

2013.3.24. 凡人には、結局、理解できない? ・・・ 二ノ宮知子 『 のだめカンタービレ 』











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最終更新日  2016年10月10日 23時34分40秒
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