定価並で購入した日記（天空の城）

2018年11月16日

新政酒造「農民藝術概論2017」

テーマ：おいしい日本酒(1101)

カテゴリ：新政 No.6 亜麻猫陽乃鳥ラピス etc.

新政酒造より「農民藝術概論」の販売準備中の告知がありました。

新政酒造から飲食店に直接販売される限定酒「見えざるピンクのユニコーン」「異端教祖株式会社」のラインの商品ですが、先の二品より手に入りやすくなるそうですので、たのしみです。

「農民藝（芸）術概論」は、新政酒造の自社田ものというコンセプトで、醸されたお酒ということで、お酒のマークのモチーフが「牛」由来であることからも農耕のイメージがうかがえます。

新政酒造は「鵜養（うやしない）」という秋田県の山奥の限界集落にて自社での無農薬栽培の酒米作りに取り組んでいますが、こちらで収穫されたお米（美山錦）で醸したお酒のようです。

お酒のネーミングは、宮沢賢治の「農民芸術概論綱要」からのオマージュと思われます。

（新政酒造農民藝術概論）
※新政酒造佐藤祐輔氏のInstagram より

農民芸術概論2017
アルコール分：15%（原酒）
原材料：米（秋田県産）、米こうじ（秋田県産米）
原料米：美山錦100%使用
精米歩合：55％
原料米収穫地：秋田市河辺鵜養地区　
原料収穫年：2017年
醸造年度：平成29年酒造年度

秋田県の紅葉スポット

（秋田市千秋公園）

宮沢賢治全集（10）農民芸術概論・手帳・ノートほか（ちくま文庫） [ 宮沢賢治 ]

『

序論
……われらはいっしょにこれから何を論ずるか……

おれたちはみな農民である　ずゐぶん忙がしく仕事もつらい
もっと明るく生き生きと生活をする道を見付けたい
われらの古い師父たちの中にはさういふ人も応々あった

近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直観の一致に於て論じたい
世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する

この方向は古い聖者の踏みまた教へた道ではないか
新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある
正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである

われらは世界のまことの幸福を索ねよう　求道すでに道である

第二論　農民芸術の興隆
……何故われらの芸術がいま起らねばならないか……

曾つてわれらの師父たちは乏しいながら可成楽しく生きてゐた
そこには芸術も宗教もあった
いまわれらにはただ労働が　生存があるばかりである

宗教は疲れて近代科学に置換され然も科学は冷く暗い
芸術はいまわれらを離れ然もわびしく堕落した
いま宗教家芸術家とは真善若くは美を独占し販るものである

われらに購ふべき力もなく　又さるものを必要とせぬ
いまやわれらは新たに正しき道を行き　われらの美をば創らねばならぬ
芸術をもてあの灰色の労働を燃せ
ここにはわれら不断の潔く楽しい創造がある

都人よ　来ってわれらに交れ　世界よ　他意なきわれらを容れよ

（以下、省略）