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塾経営 村松厚和 44 ( )
数学は英語より重要度低いのか
市井の塾経営者から、昨今の大学入試について一言。教育改革あるいは入試改革という声を耳にしてから久しいが、実際に高校生の学習の手伝いをしていて気がつくことは、英語が入試の必修科目として課せられていることの不公平さである。
結論をいうと「数学を文理必修にすべし。さもなくば、英語を理系の選択科目にすべし」である。
ただしセンター試験は別問題とする。
これだけ英語が定着しきってしまった今、こんなことをいうと、時代遅れなどと笑われそうだが、私見によれば、英語は文系科目の代表である。それにもかかわらず、多くの大学で、文理を問わず英語は必修科目として出題されている。理工系離れの深刻化が叫ばれ、その対策についてのさまざまな意見があるが、実際にはその主因たる理科を取り上げているだけのように見えて仕方がない。
だが、理工系学部を目指す高校生たちがまず目標とするのは、数学の実力向上である。大学によっては、数学の問題の難しさは尋常一様ではない。加えて、彼らまたは彼女らは、「実は文系科目」であるはずの英語もやらなければならず、理科に打ち込む時間はさらに削られる。
一方、大部分の私大文系学部が、数学を例えば「社会・数学いずれか一科目選択」という扱いにしている。だから今の多くの進学校では、日大などの付属高校を例外として、文系生徒は進路によっては高三から数学を全くやらなくてもよくなる。
入試の文系英語は理系英語よりもレベルが高いかも知れないが、理系生徒は難しい数学と、決して平易ではない英語の二科目を受験しなければならないのに対し、私文志望の生徒は英語のみ受験すればよく、数学は全くない。これは一部国公立にもあてはまる。数学がない分、英語に集中できるのである。
こういってはなんだが、ほとんどの文系生徒は、苦手な数学から逃れるために文系を選ぶ一面があると思うので、社・数選択は名ばかりで、これは事実上「社会必修」という、選択肢ともいえぬ受験要件があるようなものだ。
紙幅の都合で委曲を尽くすには至らないが、詰め込み学習が悪いというなら、以上の合理化も一考に値すまいか。
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