で、今回の舞台は、ショッピングモール。現代風の小洒落た衣装に身を包む老若男女は、皆某かのもの、というか商品に執着している。あるはスマホ、あるはMac Book Pro、あるは何処かの店の上等そうなショッピングバック(これが一番多い)に見るからに執着しているといった風情。そこを一人憂鬱そうに歩く祭司ザッカーリアは、擦り切れたジーンズの上下に身を包み、「世の終末は近い」と書いたプラカードを提げている。この「人々」(ユダヤ人ではなく、この言葉を字幕では最後まで貫き通しました)の安寧を破るのは、カラフルでカジュアルな衣装に身を包み、仮面(仮装用の、といった方がいいでしょうね)で顔を隠したナブッコ率いるテロリスト集団の一味。 で、この関係性は最後まで変わりません。強いて言えばザッカーリアの立ち位置が物凄く曖昧で、「行け、我が想いよ」の合唱の後、「人々」を煽動する場面ではヤクを一発キメてアジるし、最後の場では最初に処刑されるフェネーナに引導を渡した後、アビガイッレ配下と一緒になって喉を割く段取りを付ける始末。 最後、アビガイッレを倒したナブッコは、フェネーナとイズマエーレに、ショッピングセンターの床の穴から「大地」に植林させて幕。