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2022年09月20日
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カテゴリ: クラシック
オーチャードホール 15:00〜
 3階正面

 リスト=バッティストーニ編:「巡礼の年報」第2年「イタリア」〜 ダンテを読みて
 マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調

 東京フィルハーモニー交響楽団


 要するに​ 金曜日にサントリーホールで聞いたのと同じ公演 ​です。まぁ、ホームグラウンドで聞いたわけですね。台風が来ているのでどうするか、と思っていたのですが、若干弱まったのと、行き足が遅れて、関東地方が本格的に荒れるのは夜からということで、なんとか行って来ました。

 で、どうだったか?
 結論は、まぁ、変わりません。但し、個人的な感想としては、サントリーホールの時より良かった。

 聞いてる場所の違いはあると思います。確かにサントリーでは横の席で聞いているので、かなりよろしくない筈。というか、昔から言われていることですが、サントリーホールは、本当にスイートスポットが少ないんですよね。ちゃんと聞こえるのは1階後方前列界隈と、2階席正面前方。それ以外はダメ。1階席の後ろとか、定在波出ちゃうところもありますしね。というかそもそも、サントリーホールは、やっぱり響く空間が足りないんですよ。
 これも毎度言うことだけれど、「オーチャードホールはデッド」ではないんですね。あれは、サントリーホール以降の風呂場ホールに慣れたダメなオケが響かせられないものだから言ってるだけで。
 今日の東フィルは、そして多分バッティストーニも、オーチャードの空間の使い方をわかっているので、ホールの「デッド」な響きに委ねられるんですね。

 結果、まず、バッティストーニ編の「ダンテを読みて」。これはとても面白かった。と同時に、やはり、バッティストーニは、日本のオケ、まぁ少なくとも東フィルを分かって書いてるな、と言う気はします。この曲の最後、トゥッティで強奏するところがあるのだけれど、金切り声にならずに済むポジションを取ってるんですね。それがいいのか悪いのか、まぁ、作品としての評価とどう繋がるのか分かりませんが、結果かなり派手な曲でありながらまとまり良く破綻せず楽しく聞ける演奏でした。
 この辺は人によりけりなんでしょうけれどね........サントリーの時も思ったのですが、今回の公演はかなりお客が多くて、しかも恐らくは定期会員ではないお客が、しかも男性が多い。人のこた言えませんが、まぁ、こっちは定期会員なんでね。行かないと決めたもの以外は基本行く姿勢だし。バッティストーニの評判が高くなっているんでしょうか。それとも、マーラーの5番だからなのか。学生席が出るからでしょうか、若い人も多いし。この間のN響に負けない勢いでした。

 で、マーラー。これも、やっぱり今回の方が良かった。特に金管。トランペットも、ホルンも、どちらも良かった。特にホルン。第3楽章で結構頑張るのだけれど、ここもかなり良かった。やっぱり、鳴りに余裕がある感じなんですよね。オーチャードは広いし、舞台との距離もあるから、雑味が聞こえなくなって。上手く聞こえてるんじゃないの?という説もあるのかも知れませんが、仮にそうだとしても、それは言ってみれば、もし同じような演奏だったなら、オーチャード向きの演奏だ、ということになると思うし、それで聞こえてくるマーラーは確かにもっと良かった。
 でもやっぱり、限界はあるんですよね。このレベルだからこそ、見えてしまうこともある。やはり、「演奏出来る」ということと、「いい演奏になる」ということとの距離はあってね。マーラーの場合は、やっぱり遠いんじゃないかなぁと。ただ、その上で。やはりバッティストーニと東フィルの組み合わせは、今日本で出来るマーラーの相当高いレベルではないかと思います。オケの性能的に、ですね。
 実は来月、N響にブロムシュテットが来て、マーラーの9番をやるんですよね。実は買ってあるので(例によって天井桟敷だけれども)、何事もなければ聞きに行く予定なのだけれども、出来るのかなぁ。ブロムシュテットに関しては何の心配も - いや、ちゃんとおいで頂ければですがね - しないのですけれども。

 今回、なにしろ2度目なので、色々気付いた事がありますが、第4楽章。アダージェットですね。あれを聞いていて思ったのだけれども、なんとなくあのアダージェット、「アダージョ・なんちゃら」みたいな感じで、こう、静かに、滑るように、流麗な音楽をなんとなくイメージしてしまう気がするのですが、今回のバッティストーニは、よく聞いていると、結構テンポを変えているのですね。揺らすというか、変える、ですね、あれは。気が付くと最後の方かなりリタルダントしている。手許にスコアがないのでどうなっているのか分からないけれど、聞いていると、まるでオケを煽っているように聞こえる。といっても、普通オケを煽ると言えば強弱みたいなことになると思うのですが、そうではなくて、表現、というより、響き、なんですよね。少なくともバッティストーニは、このアダージェットを、流麗な音楽として演奏しようとはしていない気がします。綺麗なもの、ではない。
 金曜日の後に、マーラーの毒が云々、という話を少し書きました。あれ、多分、読んだ方は何言ってんだかさっぱり分からん、と思われたかも知れなくて、いや自分でもだからなんなの、と今更ながら思うのだけれども、多分、バッティストーニは、マーラーには毒がある、という前提でやっている人だと思います。まぁ、言ってしまえば、そもそもオペラの指揮者である以上、毒なんて何処にでも幾らでもあるぞ、ということは知っていると思うけれど。そういう人が、もっと高性能のオケで、たとえばウィーン・フィルとかベルリン・フィルとか、それに伍するクラスのオケで振ったら、どうなるだろうな、とつい思ったりします。


 関係ないんですけれども。今日、人に言われて気付いたのだけれど、バッティストーニ、まだ35歳なんですよね。バッティストーニが、ブロムシュテットの歳、とは言わずとも、70歳くらいの頃にどうなってるか、私は多分そこの頃はもう生きていない気がします。生き残っててもおかしくないけれども、まぁ、長生きしないだろうし........日頃、あまりそんな風に思うことはないんだけれど、ちょっとそんな風に思って、それを残念に思う自分がいるのは確かです。歳を取ったってことなのですかね。或いはこれが老執ということなのか。まぁ、そんな風に思わせる指揮者ではあります。嘗ての新日時代のアルミンクとか(あれは行きがかり上とはいえ新日は馬鹿なことしたもんだよ)、東フィルのエッティンガーとか、そんな風に思わせる人は他にも居たけれど、バティストーニには、是非高みへ駆け上がって欲しいものだなと思います。









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最終更新日  2022年09月20日 01時44分03秒
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