ヴィーテ・イタリア高岡(Hiruccio)のイタリアワイン&主夫日記

ヴィーテ・イタリア高岡(Hiruccio)のイタリアワイン&主夫日記

PR

Profile

Hiruccio

Hiruccio

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

坂東太郎G @ 調味料の味(05/29) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
http://buycialisky.com/@ Re:納豆の味に思う。(05/31) cialis kopen in europatestimonials viag…
2008/10/31
XML
樽工房ガンバのアポが遅れ気味になって、ランチの時間に突入。

アスティ郊外のカステッラルフェーロからガンチャのある
カネッリまで約30分。ガンチャとのアポは1時半。

軽いランチ時間をプログラムしていたので、全然間に合わない!

ガンチャに電話して、時間をずらすように頼むも、他のアポが
あるらしく、「すぐに来て欲しい!」と担当のお姉さんが
強く要求してきます(^^;)

参加者の皆様にはちょっぴり我慢いただいて、ガンチャのアポを
優先することに。ガンチャでもワインテイスティング時に
ちょっとしたおつまみが出ることは知っていたので、なんとか
つなぎにはなるかな・・・と。


ガンチャは、ご存知の方も多いでしょう。イタリア最大級の
スプマンテ生産者。最大にして最初の生産者ともいえ
その起源は19世紀の中ごろまで遡ります。


創始者のカルロ・ガンチャがフランスでシャンパーニュ方式の
醸造楽を学び、帰国後、本拠地をカネッリに構えることで
ガンチャの歴史が始まります。


カルロ・ガンチャの先見性が秀でていたのは、フランス式の
ノウハウをイタリアの葡萄品種に導入しようとしたこと
ですね。


だから1920年代にフェデリーコ・マルティノッティが
気圧を加えてアルコール発酵中に生成される二酸化炭素を
ワイン中に溶け込ませ、二次発酵ワインを量産するステンレス
タンクを発明するまでは、モスカートを使ったアスティは瓶内
二次発酵で作られていたことになります。


(シャルマ方式のシャルマは、この”アウトクラーヴェ”
 と言うタンクの特許を取得して、これを広く普及させた
 ユージン・シャルマ。と言う説明をガンチャのお姉さまは
 しておりました。なのでガンベロロッソ誌やイタリア
 ソムリエ協会はあえて「イタリア方式」とか「マルティノッティ
 方式」と呼ぶようにしているようです)


残念ながら輸入はされていませんが、ガンチャ社には
ピノ・ノワールとシャルドネをブレンドした瓶内二次発酵の
ワインが3種、そして瓶内二次発酵のアスティも生産して
います。


この二次発酵ワインを一次発酵の後に6ヶ月熟成させる
バリックセラーからワイナリー訪問はスタート。

カネッリの他の生産者と同様に地下からカネッリの丘の
下に続く地下倉庫です。

遠くでかなりけたたましいボトリング工場の音が鳴って
いましたが、セラー内は暗く、ひっそりとしていて
独特の静寂感があります。


この静けさと独特の湿気は、しっとりとした感じと
ジメジメとした感じの中間的な塩梅で、これこそが
近代以前のワインセラーの空気であることが感じられました。


静かな場所は、瓶内二次発酵の現場。

騒音激しい場所は、シャルマ方式・・・つまり量産
システムの現場です。



説明をききながら場所を移動するのですが、だんだんと
「工場」的な騒音が近づいてきます。


そこに修道士がいてもなんら違和感のない場所から
一気にNASAの工場にでも来たかのような、20万
リットル容量の一次発酵槽や温度管理された巨大
ストック槽などが所狭しと並んでいます。



いつも有難うございます!!

ガンチャにて1


これはMTさん提供の写真です。有難うございます!
ガンチャのアウトクラーヴェ

ボトリングシステムに至っては、一時間に瓶詰できる
本数なんと3万本!!


キリンのビール工場に行ったときの事を思い出しました。


一通りの説明を聞いて、また静寂の地・・・瓶内二次発酵
のボトリングシステムに向かいました。


ここでは一時間に400本の瓶詰です。もちろん機械化
されていますが、デゴルジュマンやリキュールの添加と
いう細かい作業が要求されていますから、その本数に
当然限界があります。


近くで数人の作業員が小さな浴槽に向かって、二次発酵を
終えたボトルをボン!ボン!と抜いている光景を見ました。


再びkaoritalyさんの写真です。
ガンチャにて2


何をしているのかを聞いてみると、出来上がりの気圧が
7ほどなので、これを5,5ぐらいに弱めるために
一端コルク栓を抜いて、気圧を弱める試験をしているとの
ことでした。


単なる大量生産のワイナリーと言う意識を日本にいると
どうしても持ってしまうのですが、やはり質を重視した
ラインには細やかな作業を怠っていないことが分かりました。


しばらく暗がりのセラーを歩いてから、ガンチャ社の
infernotto 「インフェルノット」に案内されました。


インフェルノットとはピエモンテ方言では「インフェルヌッ」と
発音されていましたが、いわば「地獄」という意味なのですが
これは自嘲的な表現で、ピエモンテの家庭の貴重なワインや
家宝を隠しておく、一番奥にある部屋のことらしいです。


当然、ガンチャの貴重な古酒や昔の資料などが展示されて
いる部屋です。


一番印象的だったのは、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世や
ベニート・ムッソリーニの訪問を受けたときの古いセピア色の
写真でした。


土と埃やカビをかぶったボトルも時間の流れを感じさせますが
写真には当時の人々の表情もあり、生々しかったです。


その後にテイスティングしたワインがこれです。

テイスティングワイン2種ガンチャにて


ガンチャ社がヴェネトからジュースを輸入してワイン化している
プロセッコとスタンダードアスティ。

日本のものとはラベルが違いますが、これは世界中、輸出する
国のセンスによってデザインを変えているだけで中身は全く
同じだそうです。


瓶内二次発酵の「カルロ・ガンチャ」も特別にいただきましたが
非常に上質のフランチャコルタに匹敵する素晴らしい味わいでした。


おつまみに出していただいたサラミやトゥーマ・ピエモンテーゼ
というチーズも抜群に美味かったです(^^;)


やはり大手の会社なので、ビジター担当の、トリノ大学で
経済を学んでいるアルバイト系のお姉さまが相手をしてくだい
ましたので、突っ込んだ話は一切なしでしたが、ガンチャ社が
大量生産のアスティと共に、瓶内二次発酵のワインも大切に
醸造している現場を見れたことは大きな収穫でした。



















お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008/11/11 03:52:05 PM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: