aituに乾杯

aituに乾杯

2017.07.19
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カテゴリ: 写文俳句



畦道にバイク繋いで田草取



あぜみちにバイクつないでたぐさとり





少し背の伸びた苗が
水鏡だった田んぼを
すっかり清々しい青田に覆い隠した

ときおり
吹き来る風の風貌を映しながら
小さな穂波がやわらかく揺れてゆく

村道の向こうに広がる平野には
はるかかなたの山すそまで
その緑が一面となってつづいている

長らくこの国を支えてきた壮大な歴史のロマンさえ感じさせる

その田んぼの畦道に
先ほどから一台のバイクが止まっている
村道から見ているとその持ち主の姿が見受けられない
畦道に入ってみると
村道との側溝で一人の女性が一生懸命に草取りをなされていた
バイクのハンドルには麦藁帽子 前かごには保冷の弁当か
後ろの荷カゴにはヘルメット
なんだかこの女性との長い付き合いのマシンに見えた

子供の頃
山の畑で仕事する母親を
その畑の脇で待つ牛車や
みかんの木に繋がれた牛を思い出す

そう思うとこのバイクも
牛のように畦の草を食みつつ
女性の仕事の終わるのを
息をしながら待っているようにも見える

もうマシンではなかった







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最終更新日  2017.07.19 22:04:08
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